説明

構造解析方法および構造解析システム

【課題】数ナノメートルの空間分解能を有し、短時間で容易に測定を行うことができる構造解析方法および構造解析システムを提供する。
【解決手段】測定対象1の表面に、半径が5nm以下の銀微粒子から成る金属微粒子11を吸着させる。走査型トンネル顕微鏡(STM)から成る照射手段12により、その金属微粒子11にトンネル電子を照射する。電子の照射により放出される光の発光スペクトルを、分光器から成る検出手段13により検出する。解析手段14により、検出された発光スペクトルに基づいて、金属微粒子11の近傍における測定対象の格子振動を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造解析方法および構造解析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体電子デバイスの微細化に代表されるように、試料表面の個々の微細構造の物性を高い空間分解能で解析する重要性が高まっている。従来、振動分光法は、試料物質の物性解析において極めて重要な役割を果たしてきた。振動分光法を局所構造の解析に適用するために、顕微ラマン(赤外)分光法(例えば、特許文献1または2参照)や、高分解能近接場光学顕微鏡による振動分光解析(例えば、特許文献3参照)、非弾性トンネル分光法(例えば、非特許文献1参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−166342号公報
【特許文献2】特開2005−219184号公報
【特許文献3】特開2005−207935号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】B. C. Stipe, M. A. Rezaei, and W. Ho, “Single-Molecule VibrationalSpectroscopy and Microscopy”, Science, 1998年6月, 280, p.1732-1735
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、空間分解能が、用いるプローブ光の波長程度の大きさに制限され、500nm〜5μm程度であるため、ナノメートル領域における局所的な極微構造の情報を得ることができないという課題があった。また、特許文献2に記載の方法では、信号発生源は数nm程度の微小増強場であるが、無数の増強場をマクロスケールに渡って有するため、局所的な構造の情報を得ることができないという課題があった。特許文献3に記載の方法でも、空間分解能を決定するプローブ先端の曲率半径が数十〜数百nm程度であるため、ナノメートル領域における局所的な極微構造の情報を得ることができないという課題があった。
【0006】
非特許文献1に記載の方法は、サブnm程度の空間分解能を有するが、測定対象が導電性の高い金属を基板とする試料に限られることや、ピークブロード化や測定系のドリフトを最小限に抑えるため、液体ヘリウムを使用した極低温で測定を行う必要があること等、測定条件が厳しいという課題があった。さらに、微弱な信号を可視化するために、多数のスペクトルを積算する必要があり、1箇所の測定に1時間程度の長時間を要するという課題もあった。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、数ナノメートルの空間分解能を有し、短時間で容易に測定を行うことができる構造解析方法および構造解析システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る構造解析方法は、測定対象の表面に金属微粒子を吸着させる吸着工程と、前記金属微粒子に電子を照射する照射工程と、前記電子の照射により放出される光の発光スペクトルを検出する検出工程と、検出された前記発光スペクトルに基づいて、前記金属微粒子の近傍における前記測定対象の格子振動を抽出する解析工程とを、有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る構造解析システムは、測定対象の表面に吸着された金属微粒子と、前記金属微粒子に電子を照射可能に設けられた照射手段と、前記照射手段からの電子の照射により放出される光の発光スペクトルを検出可能に設けられた検出手段と、前記検出手段で検出された前記発光スペクトルに基づいて、前記金属微粒子の近傍における前記測定対象の格子振動を抽出するよう設けられた解析手段とを、有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る構造解析方法および構造解析システムでは、測定対象の表面に吸着された金属微粒子に電子を照射することにより、金属微粒子と測定対象との界面における電場を増強することができる。これにより、増強された電場が測定対象の内部まで侵入し、測定対象の格子振動(フォノン)が選択的に励起される。このため、照射手段と測定対象との間からの放出される光の発光スペクトルを検出して解析することにより、金属微粒子の近傍における測定対象の格子振動を抽出することができ、測定対象の構造を評価することができる。
【0011】
本発明に係る構造解析方法および構造解析システムでは、空間分解能が金属微粒子の大きさに依存するため、ナノスケールの金属微粒子を用いることにより、数ナノメートルの空間分解能を得ることができる。本発明に係る構造解析方法および構造解析システムで、測定対象は、弱くとも導電性を有していればよく、例えば半導体の基板であってもよい。また、測定条件として、液体ヘリウムによる極低温までは必要としない。さらに、計測に要する時間も経験的に数秒である。このように、本発明に係る構造解析方法および構造解析システムは、比較的緩やかな条件で、短時間で容易に測定を行うことができる。
【0012】
本発明に係る構造解析方法で、前記解析工程は、前記発光スペクトルのカットオフエネルギーと、前記カットオフエネルギーより低エネルギー側でのステップ状の発光強度の増加を示すエネルギーとの幅に基づいて、前記格子振動を抽出することが好ましい。本発明に係る構造解析システムで、前記解析手段は、前記発光スペクトルのカットオフエネルギーと、前記カットオフエネルギーより低エネルギー側でのステップ状の発光強度の増加を示すエネルギーとの幅に基づいて、前記格子振動を抽出するよう構成されていることが好ましい。
【0013】
この場合、次の原理により測定対象の格子振動を抽出することができる。すなわち、図1に示すように、照射手段の探針(Tip)の先端からの電子の照射により、測定対象(Substrate)の格子振動が励起されたときの発光スペクトルは、nを振動励起数とすると、その振動エネルギーであるnhν(h:プランク定数,ν:振動数)分だけ基底状態よりも発光エネルギー(Photon energy)が低下していると考えられる。検出される発光スペクトルは、この格子振動が励起されたとき(n=1,2,…のとき)の発光強度(Light intensity)と、最大の発光エネルギーがカットオフエネルギー(eV)である基底状態(n=0)での発光強度とが重ね合わされたものとなっている。このため、図1(c)に示すように、カットオフエネルギー(eV)よりも、励起された振動エネルギー(n=1のとき、hν)の分だけ低エネルギー側で、ステップ状の発光強度の増加が認められる。このステップ状の発光強度の増加を示すエネルギー(n=1のとき、eV−hν)とカットオフエネルギー(eV)との幅から、励起された測定対象の格子振動(振動数ν)を抽出することができる。
【0014】
本発明に係る構造解析方法で、前記金属微粒子は、局在プラズモンによる発光性が強い貴金属の微粒子から成ることが好ましい。本発明に係る構造解析システムで、前記金属微粒子は、局在プラズモンによる発光性が強い貴金属の微粒子から成ることが好ましい。この場合、金属微粒子として、局在プラズモンによる発光性が強い、金、銀、銅などの貴金属を使用することにより、発光スペクトルの検出を容易にし、解析精度を高めることができる。
【0015】
本発明に係る構造解析方法で、前記照射工程は走査型プローブ顕微鏡により前記電子を照射することが好ましい。本発明に係る構造解析システムで、前記照射手段は電子を照射可能な走査型プローブ顕微鏡から成ることが好ましい。この場合、曲率半径の小さいプローブ探針を有する走査型トンネル顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)といった走査型プローブ顕微鏡(SPM)を使用することにより、測定対象の表面に吸着した金属微粒子に対して、正確かつ効率的に電子を照射することができる。また、走査型プローブ顕微鏡により、金属微粒子を吸着する位置を制御することにより、高い位置精度で、任意の位置での構造解析を行うことができる。
【0016】
本発明に係る構造解析方法で、前記金属微粒子は、半径が5nm以下の銀微粒子から成り、前記吸着工程はレーザーアブレーション法により前記測定対象の表面に前記金属微粒子を蒸着し、前記照射工程は走査型プローブ顕微鏡により前記金属微粒子にトンネル電子を照射することが好ましい。本発明に係る構造解析システムで、前記金属微粒子は、半径が5nm以下の銀微粒子から成り、レーザーアブレーション法により前記測定対象の表面に蒸着されており、前記照射手段は前記金属微粒子にトンネル電子を照射可能な走査型プローブ顕微鏡から成ることが好ましい。
【0017】
この場合、走査型プローブ顕微鏡により、測定対象に蒸着された単一の銀微粒子に対して、効率よくトンネル電子を注入することができる。また、半径が5nm以下の銀微粒子を使用するため、測定対象の格子振動を数ナノメートルの空間分解能で抽出することができる。また、図2に示すように、金属微粒子が銀微粒子(Ag微粒子)から成るため、走査型プローブ顕微鏡からトンネル電子を注入したとき、銀微粒子が双極子モードを誘起し、発生した強い電場が測定対象の内部まで侵入する。これにより、銀微粒子の局在プラズモンと測定対象の格子振動とが相互作用し、発光スペクトルに測定対象の格子振動の影響が現れる。この発光スペクトルを検出して解析することにより、測定対象の格子振動を抽出することができる。このように、銀微粒子の電場増強効果と、走査型プローブ顕微鏡による発光分光とを組み合わせることにより、数ナノメートルの空間分解能で測定対象の構造を評価することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、数ナノメートルの空間分解能を有し、短時間で容易に測定を行うことができる構造解析方法および構造解析システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る構造解析方法および構造解析システムの、発光スペクトルの振動励起構造の原理を示す(a)側面図、(b)振動励起数と発光エネルギーの最大値との関係を示す表、(c)発光エネルギー(Photonenergy)と発光強度(Light intensity)との関係を示すグラフである。
【図2】本発明に係る構造解析方法および構造解析システムの、銀微粒子が測定対象の格子振動を励起する原理を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態の構造解析システムを示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の構造解析方法および構造解析システムの、(a)測定対象のHOPG基板を示す走査型トンネル顕微鏡(STM)画像、(b)HOPG基板上での発光スペクトルの測定結果を示すグラフ、(c)Ag微粒子上での発光スペクトルの測定結果を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態の構造解析方法および構造解析システムの、有限差分時間領域法(FDTD法)による電場増強効果の評価を示す、(a)HOPG基板上にAg微粒子がない場合の側面図およびグラフ、(b)HOPG基板上にAg微粒子がある場合の側面図およびグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図3乃至図5は、本発明の実施の形態の構造解析方法および構造解析システムを示している。
図3に示すように、本発明の実施の形態の構造解析システム10は、測定対象1の構造を解析するために、金属微粒子11と照射手段12と検出手段13と解析手段14とを有している。
【0021】
測定対象1は、導電性を有する基板から成っている。
金属微粒子11は、半径が5nm以下の銀微粒子から成っている。金属微粒子11は、レーザーアブレーション法などにより、測定対象1の表面に吸着されている。
【0022】
照射手段12は、走査型プローブ顕微鏡の一種である走査型トンネル顕微鏡(STM)から成っている。照射手段12は、プローブ探針12aの先端から、測定対象1の表面に吸着された金属微粒子11に向かって、トンネル電子を照射可能に設けられている。
【0023】
検出手段13は、分光器(Spectrometer)から成っている。検出手段13は、照射手段12から金属微粒子11に電子を照射したときに、照射手段12と測定対象1との間から放出される光の発光スペクトル(STM light emission spectrum)を検出可能に設けられている。
【0024】
解析手段14は、コンピュータから成り、検出手段13に接続されている。解析手段14は、検出手段13で検出された発光スペクトルを表示し、その発光スペクトルに基づいて、各種の解析を実施可能になっている。解析手段14は、発光スペクトルのカットオフエネルギーと、カットオフエネルギーより低エネルギー側でのステップ状の発光強度の増加を示すエネルギーとの幅に基づいて、金属微粒子11の近傍における測定対象1の格子振動を抽出するよう構成されている。
【0025】
本発明の実施の形態の構造解析方法は、本発明の実施の形態の構造解析システム10により好適に実施される。まず、測定対象1の表面に、レーザーアブレーション法により金属微粒子11を蒸着させる。その金属微粒子11に、照射手段12により電子を照射する。このとき、照射手段12が走査型トンネル顕微鏡から成るため、測定対象1に蒸着された単一の銀微粒子に対して、正確かつ効率よくトンネル電子を注入することができる。また、トンネル電子の照射により、金属微粒子11と測定対象1との界面における電場を増強することができる。これにより、増強された電場が測定対象1の内部まで侵入し、測定対象1の格子振動(フォノン)が選択的に励起される。
【0026】
次に、電子を照射したときに照射手段12と測定対象1との間から放出される光の発光スペクトルを、検出手段13により検出する。検出された発光スペクトルには、励起された測定対象1の格子振動の影響が現れているため、解析手段14により、金属微粒子11の近傍における測定対象1の格子振動を抽出することができ、測定対象1の構造を評価することができる。
【0027】
本発明の実施の形態の構造解析方法および構造解析システム10では、空間分解能が金属微粒子11の大きさに依存し、その金属微粒子11として半径が5nm以下の銀微粒子を使用しているため、数ナノメートルの空間分解能を得ることができる。また、銀微粒子は、局在プラズモンによる発光性が強いため、発光スペクトルの検出に適しており、解析精度を高めることができる。走査型プローブ顕微鏡で金属微粒子11を吸着する位置を制御することにより、高い位置精度で、任意の位置での構造解析を行うことができる。
【0028】
このように、本発明の実施の形態の構造解析方法および構造解析システム10は、銀微粒子の電場増強効果と、走査型トンネル顕微鏡による発光分光とを組み合わせることにより、数ナノメートルの空間分解能で測定対象1の構造を評価することができる。また、測定対象1が半導体基板であっても実施可能であり、測定時に液体ヘリウムによる極低温までは必要としないことなどから、比較的緩やかな条件で、短時間で容易に測定を行うことができる。原理的には、室温で、1箇所1秒で測定することも可能である。
【実施例1】
【0029】
測定対象1として、高配向熱分解グラファイト(HOPG)基板を使用して格子振動の抽出を行った。まず、レーザーアブレーション法により、金属微粒子11である直径5nm程度のAg微粒子を、HOPG表面に吸着させて試料基板とした。なお、化学的に不活性で原子レベルの平坦さを有するHOPG表面上では、Ag微粒子の表面拡散が容易に起こるため、STM測定を安定に行うことが困難になる。このため、ここでは、図4(a)に示すように、Arイオンスパッタリングとアニール処理により、HOPG基板上にナノピットを形成して基板とした。
【0030】
図4(a)に示すように、ナノピットに吸着したAg微粒子の直上にSTMの探針12aを固定してトンネル電子を注入し、そのときのSTM発光スペクトルの測定を行った。このときの測定条件は、真空度が10−10Torrの超高真空下、基板温度80Kである。その測定結果を、図4(c)に示す。なお、参考として、HOPG基板上で測定したSTM発光スペクトルを、図4(b)に示す。
【0031】
図4(c)に示すように、カットオフエネルギー(Quantum Cutoff)2.22eV近傍において、STM発光が抑制されており、さらに低エネルギー側で急激なSTM発光強度の増加(ステップ構造)が認められた。このステップ構造のエネルギー幅は、107meVであり、このときの格子振動の振動数は、867.8cm−1である。この振動数は、理論的に求められるHOPG基板のA2u格子振動モードの振動数868.1cm−1とよく一致している。
【0032】
また、図5に示すように、トンネル電流によりAg微粒子近傍に発生した電場の空間強度分布を、有限差分時間領域法(FDTD法)により評価した。その結果、図5(b)に示すように、Ag微粒子直下のHOPG基板の内部において、強い局所電場が誘起されることが確認された。このことから、Ag微粒子による電場増強効果によって、HOPG基板の格子振動モードが励起され、結果としてSTM発光スペクトルにステップ構造が重畳されたと考えられる。
【0033】
このように、本発明の実施の形態の構造解析方法および構造解析システム10により、HOPG基板の格子振動モードを抽出することができたと考えられる。また、本発明の実施の形態の構造解析方法および構造解析システム10によれば、HOPG基板のようにSTM発光効率が極めて低い測定対象1であっても、Ag微粒子の電場増強効果を利用することにより、格子振動を抽出することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 測定対象
10 構造解析システム
11 金属微粒子
12 照射手段
13 検出手段
14 解析手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の表面に金属微粒子を吸着させる吸着工程と、
前記金属微粒子に電子を照射する照射工程と、
前記電子の照射により放出される光の発光スペクトルを検出する検出工程と、
検出された前記発光スペクトルに基づいて、前記金属微粒子の近傍における前記測定対象の格子振動を抽出する解析工程とを、
有することを特徴とする構造解析方法。
【請求項2】
前記解析工程は、前記発光スペクトルのカットオフエネルギーと、前記カットオフエネルギーより低エネルギー側でのステップ状の発光強度の増加を示すエネルギーとの幅に基づいて、前記格子振動を抽出することを、特徴とする請求項1記載の構造解析方法。
【請求項3】
前記金属微粒子は、局在プラズモンによる発光性が強い貴金属の微粒子から成ることを、特徴とする請求項1または2記載の構造解析方法。
【請求項4】
前記照射工程は走査型プローブ顕微鏡により前記電子を照射することを、特徴とする請求項1、2または3記載の構造解析方法。
【請求項5】
前記金属微粒子は、半径が5nm以下の銀微粒子から成り、
前記吸着工程はレーザーアブレーション法により前記測定対象の表面に前記金属微粒子を蒸着し、
前記照射工程は走査型プローブ顕微鏡により前記金属微粒子にトンネル電子を照射することを、
特徴とする請求項1、2、3または4記載の構造解析方法。
【請求項6】
測定対象の表面に吸着された金属微粒子と、
前記金属微粒子に電子を照射可能に設けられた照射手段と、
前記照射手段からの電子の照射により放出される光の発光スペクトルを検出可能に設けられた検出手段と、
前記検出手段で検出された前記発光スペクトルに基づいて、前記金属微粒子の近傍における前記測定対象の格子振動を抽出するよう設けられた解析手段とを、
有することを特徴とする構造解析システム。
【請求項7】
前記解析手段は、前記発光スペクトルのカットオフエネルギーと、前記カットオフエネルギーより低エネルギー側でのステップ状の発光強度の増加を示すエネルギーとの幅に基づいて、前記格子振動を抽出するよう構成されていることを、特徴とする請求項6記載の構造解析システム。
【請求項8】
前記金属微粒子は、局在プラズモンによる発光性が強い貴金属の微粒子から成ることを、特徴とする請求項6または7記載の構造解析システム。
【請求項9】
前記照射手段は電子を照射可能な走査型プローブ顕微鏡から成ることを、特徴とする請求項6、7または8記載の構造解析システム。
【請求項10】
前記金属微粒子は、半径が5nm以下の銀微粒子から成り、レーザーアブレーション法により前記測定対象の表面に蒸着されており、
前記照射手段は前記金属微粒子にトンネル電子を照射可能な走査型プローブ顕微鏡から成ることを、
特徴とする請求項6、7、8または9記載の構造解析システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−52846(P2012−52846A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193866(P2010−193866)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名 :社団法人 応用物理学会 刊行物名 :2010年春季 第57回応用物理学関係連合講演会[講演予稿集] 発行年月日:2010年(平成22年)3月3日
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)