説明

標的物質の冷凍乾燥法

標的物質(8)は、物質が、物質の温度を下げるために最初に冷凍チャンバ(31)に入れられ、次に標的物質の乾燥を促進するために真空が適用される別の真空チャンバ(32)の中に入れられる冷凍乾燥プロセスを受ける。キャリヤ(10)及び標的物質(8)は冷凍チャンバ(31)から別の真空チャンバ(32)に移されるため、環境をより厳密に管理することができ、冷凍から乾燥への循環はより高速とすることができる。このようにして、キャリヤ(10)及び標的物質(8)は、取り囲むチャンバ及び装置が完全なサイクルにさらされることなく完全温度循環にさらされる。これは、時間及びエネルギーの費用を削減する。本技法は、冷凍乾燥試薬を使用するバイオセンサを製造するために特に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は標的物質の冷凍乾燥法に関連し、特にサンプルアナライザ装置の電気化学セル内でその場で電気活性物質等の試薬を冷凍乾燥するために適した技法及び装置に関するが、これに限らない。
【背景技術】
【0002】
多様な用途においてターゲット材を冷凍乾燥することが望ましく、通常は、冷凍乾燥プロセスの効果を削減することなくプロセスのためのサイクルタイムを最小限に抑えることが有益である。改良された技法及び装置が考案されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
第1の態様によれば、本発明は標的物質を冷凍乾燥する装置を提供し、装置は、
標的物質の温度を下げるための少なくとも1つの冷凍チャンバと、
冷凍チャンバに隣接し、冷凍チャンバから出た後に標的物質が渡され、標的物質の乾燥を促進するために中で真空を適用できる少なくとも1つの真空チャンバと、
を備える。
【0004】
通常、標的物質はキャリヤに載せて搬送される。
【0005】
追加の態様によれば、本発明は標的物質を冷凍乾燥するプロセスを提供し、プロセスは、
キャリヤによって運ばれる標的物質を提供することと、
標的物質の温度を下げるためにキャリヤ及び標的物質を別個の冷凍チャンバの中に渡すことと、
標的物質の乾燥を促進するために真空が適用される真空チャンバにキャリヤ及び標的物質を渡すことと、
真空チャンバからキャリヤ及び標的物質を取り除くことと、
を含む。
【0006】
キャリヤ及び標的物質は冷凍チャンバから別個の真空チャンバに移されるため、環境をより厳密に管理することができ、冷凍から乾燥への循環はより高速とすることができる。このようにして、キャリヤ及び標的物質は、取り囲むチャンバ及び装置が完全なサイクルにさらされることなく完全温度循環にさらされる。これは、時間及びエネルギーの費用を削減する。
【0007】
追加の態様によれば、本発明は、バイオセンサ素子を製造する方法を提供する。
【0008】
キャリヤは、例えばストリップ又はシートであってよく、(通常は当初液体の形で導入される)ターゲット材がウェルに沈殿されてよい。
【0009】
冷凍チャンバの処理は、存在する任意の液体(例えば水)及び水分が固体粒子になることを確実にする。真空/乾燥器の処理は、結晶が昇華し、固形の乾燥した残留ターゲット材を残すことを確実にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、好ましくは、標的物質が1ナノリットルから1000ナノリットルの量で液体の形(通常はウェル)でキャリヤの上又はキャリヤの中に沈殿される、少量の用途に特に適している。
【0011】
発明の好適特長は、従属クレームで提示され、特定の実施形態に関して説明される。
【0012】
本発明は、ほんの一例として、及び添付図面を参照して、特定の実施形態においてここでさらに説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
ここで添付図面の図1を参照すると、断面側面図に描かれている電気化学セル1は、非導電性の多孔質材から形成される基層2を備える。基層2は好ましくは50から250μm、好ましくは約125μmの厚さを有する。
【0014】
非導電性の支持層3は、基層2の上に形成される。支持層3は、好ましくはPETから形成され、50μmから500μmの範囲、好ましくは250μm、150μm又は50μmの厚さを有する。
【0015】
支持層3は、上に作用電極4が形成されるサポートを形成する。作用電極4は、好ましくはセル1の壁(複数の場合がある)の回りの連続バンドの形を取る。セル1が基部2の上に置かれるときの垂直方向のその寸法である作用電極4の厚さは、通常は0.01から50マイクロメートルである。作用電極の好ましく且つ可能な厚さは、我々の同時係属出願国際公開公報第03/056319号に説明される通りである。
【0016】
作用電極4は、好ましくは、例えば導電性インクの形を取る炭素から形成される。好ましい炭素系の導電性インクは、樹脂溶液の中で分散される炭素の懸濁液を備える。作業物質は、国際公開第03/056319号に詳説されるような他の物質及びインクから形成されてよい。さらに、作用電極を形成するためには、同じ又は異なる物質の2つ又は3つ以上の層が使用されてよい。
【0017】
やはり国際公開公報第03/056319号に詳説されるような、通常はポリマー、プラスチック又はセラミックである絶縁材を備える誘電体層5は、作用電極4上に形成され、作用電極4を擬似基準電極6から絶縁する。通常、誘電体層5は厚さ1から1000μmである。誘電体層は複数の層から形成できるであろう。
【0018】
セル1は、1個又は複数のウェル7を有するように形成される。
【0019】
0.1mmから5mmのウェル直径は、特定の用途に応じて活用されてよい。非円形ウェルが使用される場合、長さ又は幅の寸法は、通常、0.1mmから5mmの範囲(さらに典型的には0.9から1mm)となる。通常、ウェル深さは、50μmから1000μm、好ましくは50μmから500μm、さらに好ましくは約150μmから50μmの範囲となる。
【0020】
基層2はウェル7の底部を形成し、多孔質膜の形を取ってよい。
【0021】
セルの開口端は、例えば血液又は血漿等の試験対象のサンプルの成分に透過性である膜9で覆われてよい。膜は、例えば赤血球等の細胞に進入してはならないサンプルの成分をろ過して取り除くために使用されてもよい。
【0022】
ここで図面の図2を参照すると、概略平面図の中には、前述されたような種類の、前述されたように作られる4つの電気化学セルを備えるセンサストリップ10の層が描かれている。
【0023】
センサストリップ10は絶縁基板シート11を備える。絶縁基板シート4上に形成されるのは、各4個のセルのそれぞれに1つづつ、4個の作用電極12a、12b、12c及び12d、並びに4個の作用電極12a、12b、12c及び12dのそれぞれ1つと電気的に接触する4つの導電性トラック12e、12f、12g及び12hのそれぞれを形成する材料のパターン化された層12である。
【0024】
簡単に見ることができるように、多様な層、つまり誘電体層13及び擬似基準電極層14はそれぞれ、ストリップ10のそれらの実際の位置から側面方向に横にシフトされて描かれていることが理解される。
【0025】
電気活性物質8はウェル7の中に入れられている。電気活性物質8は、多孔性の沈殿物を形成するために本発明によって冷凍乾燥される。測定サンプル(不図示)をウェル7の中に導入すると、電気活性物質8は溶解し、電気化学反応が発生してよく、測定可能な電流、電圧又は電荷がセル内で発生してよい。電気活性物質は、例えば我々の同時係属出願国際公開第03/056319号にさらに詳しく説明される。
【0026】
センサストリップ10は、大多数のストリップ10用の基板として働く下地材30の上に形成される。基板下地材30は、ストリップ10が最終的に下地材から分けられると、それぞれのセルのPET基層3を備えてよい。
【0027】
電気活性物質は、液体の形(水溶液)で下地材30の上で支えられるストリップのウェル7の中に導入される。ウェルは、通常、約1mmの直径であり、測定された1回分(例えば0.4マイクロリットル)の液体が各ウェル7の中に導入される。次に、液体は本発明により冷凍乾燥プロセスを受ける。本発明の技法は、典型的には1ナノリットルから1000ナノリットルの範囲の、さらに典型的には200ナノリットルから700ナノリットルの範囲で、最も典型的には200ナノリットルから400ナノリットルの範囲のマイクロ量の液体が入った一連のウェルを冷凍乾燥するために特に適している。
【0028】
本発明の冷凍乾燥装置は、図3に示されるように冷凍チャンバ31と、真空/乾燥器チャンバ32とを備える。特定の処理要件に応じて、加温チャンバ33が真空/乾燥器チャンバ32の下流に設けられてよい。インフィードコンベヤ35は冷凍チャンバ31の上流に配置され、コンベヤはチャンバ31と32(及び、存在する場合はチャンバ33)の内部に設けられる。アウトフィードコンベヤ37は、装置を出るシート30を回収するために設けられる。回転式のスリットバルブ38aと38fがチャンバ31と33の入口と出口に設けられ、真空下にあってよい、又は真空下になくてよい。連続チャンバは、真空下にあるスリットバルブ38b、38c、38d及び38eによって接続される。
【0029】
マトリックスアレイの中で多くの電極ストリップ10を形成する印刷層構造を備えるそれぞれの下地材30は、インフィードコンベヤ35のすぐ上流のウェル7充填ステーション(不図示)から送られる。結果として、インフィードコンベヤ35上の定位置にあるとき、ウェルには冷凍乾燥される準備ができた液体の形を取る、測定された1回分の電気活性物質が入っている。
【0030】
キャリヤ層の中へ、及びキャリヤ層の中からの熱伝達は、例えばサポートの上で、下地材30を保持する、あるいは層を付加し、下地材30と冷却プレートの間に障壁を形成する等の多くの方法で修正できる。
【0031】
冷凍チャンバ及び真空乾燥器チャンバ32の中に入る前に、下地材30は、チャンバ内の処理特性を改変するために断熱されてよい。下地材の断熱は、特定の試薬及び物質の冷凍乾燥のために有益である場合がある方法で処理特性を改変できることが知られている。断熱は、下地材30のために断熱裏張り及び又は外装材を使用することによって達成されてよい。金属シート又は(PE発泡シート等の)発泡断熱材は優れた結果を示すことが判明している。断熱材を下地材(あるいは本来センサストリップ/素子も)に提供することは、説明されるように処理に関していくつかの利点を有する。例えば、
1.断熱材は、冷凍乾燥システムに、又は冷却プレート自体に入る前に下地材又は素子に付けることができる。
2.断熱材は、標的物質を含むシートを、冷却プレートから分離する。
3.下地材に付着される場合、断熱材は処理に続いて取り外すことができなければならない。
【0032】
断熱材は、それが下地材又は素子を、環境上の暴露条件、特に温度の変化によって影響される感受性から隔離する傾向があるために、このように説明される。したがって、断熱材は(金属性のヒートシンク等の)熱伝導性又はPE発泡体等の非熱伝導性であってよい。断熱材は、熱減速を提供するとして代わりに説明できる。遮蔽、断熱材又はヒートシンクは、相応して熱減速材手段として特徴付けられてよい。熱減速の性質及び目的は、本書の後半にさらに説明される。
【0033】
インフィードコンベヤ35からチャンバの中に下地材を送り込むために、回転式スリットバルブ38aが閉鎖位置から、バルブの水平に位置合わせされたスリット通路40を通って冷凍チャンバ31の内部の中に下地材を送り込むことができる(図4に示されているような)開放位置に四分の一回転、回転する。下地材30は冷凍チャンバ31の中に入ると、それぞれの滑車の回りに巻き付けられた別々の周辺コンベヤバンド43を備えるチャンバ内部コンベヤ装置の上で受け取られる。それぞれのコンベヤバンド43が、下地材30のそれぞれ向かい合った長手方向に通る周縁部の下になるように設けられる。コンベヤは、シート30を、それがチャンバ内に完全に入るまで送り、コンベヤは、下地材30上の基準マークが光ビームリミットスイッチを破壊すると動作を停止される。
【0034】
冷凍チャンバ31は上部冷蔵プレート44及び下部冷蔵プレート47を含む。冷蔵装置はチャンバ31の外部に位置し、プレート44、47を冷却するために、チャンバの外壁を通ってチャンバの中へ導管接続部を介して熱伝導流体(通常はシリコーンオイル)を供給する。プレート44、47は少なくとも−40℃という温度まで冷却される。1つの操作実施形態においては、プレート44、47は、−58℃まで冷却される。下部プレートは、通常(図4の太線で示されるように)コンベヤバンド43より下に配置される。それぞれの下地材がプレート44、47に関して中心に配置されると、下部プレートは(例えば空圧シリンダ及びシリンダ装置42によって等)持ち上げられ、コンベヤから下地材30を持ち上げ、それを上部冷蔵プレート47との近接まで(通常は、上部プレートから3mm以内に)運ぶ。2枚の冷蔵プレート44、47をこのようにして近接することによって管理冷凍が達成される。冷蔵プレートの内の1枚又は両方は、層構造電極が印刷されていないゾーンで(つまり中立ゾーンで)下地材に接触し、冷凍段階の間のシートの湾曲を抑制するために、隆起、突起又は他の堂々と立つ構造物(例えば構造物49)を備えてよい。所定の期間、2枚の冷蔵プレートの間に挟まれる隆起位置に保持した後に、下地材30はプレート44上で引き下げられ、コンベヤバンド43上で置換される。下部プレート44を持ち上げる速度及びタイミングは、冷凍状態を調整し、特定の要件を満たすために調節可能且つ可変である。特に、特定の例においては、物質の冷凍速度を修正する、改変する又は調整することが有益である場合がある。通常、結晶サイズの制御を保証するためには、高速冷凍(従って、冷凍チャンバ31内で費やされる少ない総時間)と低速冷凍をうまく両立させる必要がある。
【0035】
高速冷凍は、全体的な処理時間を実現可能な生産速度のための水準で保つことを可能にする。実験的には、技法の実現のための好適平均冷凍速度が毎分5℃から150℃の範囲にあることが判明した。これは、冷却プレートの温度及び下部プレートの上昇時間を制御することによって達成される。加えて、前述されたような下地材の断熱は、より一様な冷却を生じさせることが判明している。図5は、底部冷却プレートを上昇させること、及びシートの断熱の冷凍速度に与える影響を示す。トレース501は、断熱シートが使用され、下部冷却プレートが完全に引き下げられたままとなる実験を表す。トレース502は非断熱下地材30を表し、下部冷却プレートは完全に引き下げられたままである。トレース503は、冷凍プロセスの開始直後に下部冷却プレートが上昇する断熱下地材についてである。トレース504は、下部冷却プレートが冷凍プロセスの開始直後に上昇する非断熱下地材についでである。図6は、冷却プレートが−58℃に設定されているときのポリエチレン(PE)発泡断熱層の提供に対する冷凍速度の変化についての実験結果を示す。
【0036】
冷凍チャンバ31の中から下地材30を送り出すために、チャンバ内コンベヤ43が操作され、下地材10は冷凍チャンバ31から出るために、水平に位置合わせされた出口空気スリットバルブ38bを通ってバルブのスリット通路40の中に送り込まれる。
【0037】
冷凍チャンバ31の温度は実質的には、それぞれが各それぞれの下地材30のサイクルを通過する前に、通過する間に、及び通過した後の冷蔵温度(−40℃から−60℃)で維持される。1つの下地材が冷凍チャンバ31を出ると、出口スリットバルブ38bが、次の連続する下地材が入口回転式スリットバルブ38aを介して進入するための準備が完了したチャンバを閉じ、密封する。下地材は、ウェル7の中に存在する液体の高速且つ完全な冷凍を確実にするために、典型的には1分から5分の範囲の、さらに典型的には約2分の期間、冷凍チャンバの冷たい環境で保持される。通常、冷凍チャンバ内のガス圧は大気圧を僅かに上回るように(例えば、窒素の5mBarの領域で)制御され、特にスリットバルブ38a、38bが操作されるときには周辺空気の進入を防ぐためにこのように保持される。冷凍チャンバは、空気の進入を妨げるため、及びチャンバを常に乾燥した状態に保つために乾性ガス(例えば窒素)でパージされる。パージはたえずオンである。これにより、プロセス及び装置を湿度が高い環境で使用できるようになる。
【0038】
冷凍乾燥された沈殿物が冷凍チャンバ内でその崩壊温度以下に冷却されることが重要である。崩壊温度は、物質が、それ自体の構造を支えることができない点まで軟化する点として定義される。
【0039】
下地材は、出口スリットバルブ38bを通って冷凍チャンバ31から出ると、密封されたシュラウドダクト37を通って真空/乾燥器入口空気スリットバルブ38cを介して真空/乾燥器チャンバ32の中に入り、真空/乾燥器入口空気スリットバルブはその水平に向けられたスリット通路40を通過する下地材を受け取るためにその接合点に配置される。下地材30は、真空/乾燥器チャンバ32の内部に配置されるコンベヤ装置53の上で受け取られる。コンベヤは下地材を完全にチャンバ内部に配置するために起動し、次に動作を停止される。コンベヤはシート30を、それがチャンバ内部に完全に入るまで送り、コンベヤは、下地材30上の基準マークが光ビームリミットスイッチを破壊すると動作を停止される。
【0040】
次に、入口スリットバルブ38cは、真空/乾燥器チャンバ32を密封するために閉じられる。真空/乾燥器チャンバ32内での密封から冷凍チャンバ31内での密封への総移行時間は30秒未満に、さらに好ましくは20秒以下に抑えられる。したがって、下地材の前縁部は後縁部と実質的に同一の状態に露呈される。
【0041】
乾燥チャンバ内の状態は、密封に続いて、及び周囲圧力で、周囲温度が例えば20℃から25℃の領域内にあるほどである。通常はオイルフリーのポンプ及びブースタ装置57を含む真空システムは、真空/乾燥器チャンバ32と動作可能なように関連付けられ、チャンバ内圧を迅速に且つ大幅に降下できるようにする。例えば、本発明の第1の形態によれば、真空/乾燥器チャンバを、チャンバの密封の直後の周囲圧力から約5分間の10−2mbar圧力範囲に下げることが望ましい場合があり、迅速に、例えば10秒以内に削減された真空レベルに達する。本発明に係る代替の形態においては、低真空圧力に類似する圧力低下が必要とされる場合があるが、ポンプは、より高速の圧力低下の第2の期間が後に続く圧力低下の初期の低速によってこれを達成するために制御される。
【0042】
必要とされる期間、真空/乾燥器チャンバ32内での減圧形態を操作した後に、チャンバ32は、再びチャンバ内で大気圧が達成されるまで、不活性ガス(好ましくは、冷凍チャンバ31内で実施される窒素パージと同様に窒素)で通気される(パージされる)。この時点で、出口スリットバルブ38dはチャンバを開放するために操作され、コンベヤ53は真空乾燥器チャンバの中から下地材を通すために起動される。出口スリットバルブ38dは、前述されたスリットバルブ38b、38cに類似しており、それらと同様に動作する。
【0043】
前述されたように、冷凍乾燥された標的物質は、その崩壊温度以下に冷凍チャンバ内で冷却される。真空/乾燥器チャンバにおいては、好ましくは昇華温度も崩壊温度以下となるように調整される。昇華が発生する温度が、下地材30の断熱によって調整できることが判明している。真空チャンバにおいては、通常、加熱プレートが下地材の上下に配置され、所望の温度(例えば25℃)に設定される。(例えば、下地材30の底部上に)断熱シートを追加すると多くの効果をあげることができる。最初に、シートが冷凍チャンバ31と真空/乾燥器チャンバ32の間を通過するにつれ、第2に真空/乾燥器チャンバ32内に存在するときに断熱層は加温を低速化する。下地材30を断熱することは、下地材の実際の温度が低下した結果昇華が発生する圧力の引き下げを生じさせることがあることが判明した。図7は、冷凍チャンバ(−58℃に設定された冷却プレートで設定される)から真空チャンバ32に移行された、断熱シート及び非断熱シートの実験により引き出された温度プロファイルを示す。冷凍チャンバから真空チャンバ32への移行後のシートの温度差を示すプロファイルの部分だけが示されており、トレース701は非断熱シートを表し、トレース702は断熱シートを表し、トレース703は真空の適用を表す。
【0044】
図8は、断熱(トレース801)、非断熱TC(トレース802)、非断熱ブランク下地材(トレース103)、及び断熱ブランク下地材(804)を備える総コレステロール(TC)センサ用のピラニ真空計を使用して実験的に測定される真空乾燥チャンバ32内で測定された圧力の圧力トレースを示す。
【0045】
このようにして、適切な断熱装置をセンサ及び下地材に使用することにより、冷凍乾燥プロセス及び昇華プロセスの(温度を含む)パラメータが、改良された効果を生み出し、優れた特性の乾燥沈殿物を生じさせるために調整できることを確実にできる。
【0046】
チャンバ32内の加熱プレートは、チャンバ又は環境上の周囲以下の温度で操作されることにより、特定の状況で代わりにチャンバを冷却するために操作されてよい。これに関連して、加熱プレートは、真空乾燥器チャンバ32内に設けられる温度制御手段としてさらに正確に説明されてよい。
【0047】
真空適用中に真空乾燥器チャンバ32の中に不活性ガスの正の流れを導入すると、チャンバ内で達成される最終的な圧力が引き下げられることが判明している。この不活性ガスのブリードは、沈殿され、乾燥された物質からの水分除去の速度を加速すると考えられる。実験的に、窒素ガスブリードが使用された。結果として生じるサンプルは、そうでない場合に検出されるよりさらにひびが入り、より溶けやすかった。図9は、真空乾燥器チャンバ32で達成される圧力に対する窒素の影響を示す。トレース901は、窒素ブリードがオンではない圧力を示す。トレース902は窒素ブリードがオンの圧力を示す。トレース903は窒素が(ブリードがオフの―ゼロに近似する―状態で)送達された窒素を表す。トレース904は、ブリードがオンの状態での窒素ブリード速度を示す。好ましいブリード速度の範囲はゼロから550ccmである。パージ及びブリードの想定は窒素の使用に関して説明されてきたが、他のガス、特に不活性ガスが適切である場合があることが理解される必要がある。
【0048】
特定の実施形態では、下地材は真空乾燥器チャンバ32を出て、これからの処理(ストリップ10からの切削等)及び密封包装のために直接的に通過する。特定の実施形態では、この前に、下地材30が真空乾燥器チャンバから、工場の露点を超えた温度で維持される加温チャンバ33の中に入る加温段階が活用される。加温チャンバ33は、コンベヤ53に類似したコンベヤを含む。アウトフィードコンベヤ47が装置の下流端に設けられる。加温チャンバは、真空乾燥器チャンバと類似した方法で、類似した理由のために(窒素等の)不活性ガスでパージされてよい。チャンバ33内の加熱プレートは、特定の状況では、代わりに、チャンバ又は環境上の周囲以下の温度で操作されることによりチャンバを冷却するために操作されてよい。これに関連して、これは真空乾燥器チャンバ31内に設けられる温度制御手段としてさらに正確に説明されてよい。
【0049】
本発明の重要な優位点は、液体標的物質の効果のある高速冷凍乾燥が達成できるという点である。冷凍プロセスステップが実施されるチャンバとは別個の異なるチャンバで真空乾燥器チャンバ32内の圧力を所望されるレベルまで、好適な形態に従い急速に減圧する能力を有することが特に有益である。これにより、標的物質中の液体を効果的に昇華し、高品質の乾燥した固形の残留物を残すことができる。キャリヤは冷凍チャンバから別個の真空チャンバに移されるため、環境をより厳密に管理することができ、冷凍から乾燥への循環はより高速とすることができる。このようにして、下地材キャリヤ及び標的物質は、取り囲むチャンバ及び装置が完全なサイクルにさらされることなく完全温度循環にさらされる。これは、時間及びエネルギーの費用を削減する。
【0050】
本発明の技法及び装置は、(下地材の上に保持される、又は別の方法で)標的物質の冷凍及び真空乾燥を、別々の冷凍チャンバと真空乾燥器チャンバが活用される連続した又は準連続した方法で達成できるようにする。1つの加温チャンバ又は複数の冷凍チャンバを有することも可能である。本発明のシステムは、追加の真空乾燥器、冷凍チャンバ又は加温チャンバを、これが有益である状況で付加できるようにする。
【0051】
代替装置では、多くの下地材が同時に(又は連続して)冷凍チャンバ及び又は真空乾燥器チャンバの中に送り込み、中から排出できることが予想される。液体試薬は、下地材の上に示された以外のコンテナ、ウェル又は容器に保持できるであろう。プロセス及び装置は、液体(特に添加された少量)の迅速且つ正確な冷凍乾燥が必要とされる他の状況に応用されるとして予想される。
【0052】
本発明の追加の優れた説明及び解明を介して、以下の例が含まれる。
【0053】
標準的な(非断熱)シート及び断熱シートが例示的な実験手順で使用された。
【0054】
標準的な(非断熱)シートは、疎水性のメッシュ裏張りが付いた、穴をあけられた、あるいはレーザで穴があけられたかのどちらかのウェルを備えたスクリーン印刷された電極を構成した。
【0055】
断熱シートは、非断熱シート用としてであったが、一時的に断熱材がシートの裏側に付着されている。断熱材はシールドエア(Sealed Air)のCell−Aire(登録商標)の厚さ1mmのポリエチレン発泡体である。
【0056】
電極は、本明細書に、及び例えば国際公開第200356319号パンフレットに開示されるとおりの標準電極である。
【0057】
酵素混合
最終的な酵素混合の近似濃度:
0.1Mバッファ
50mM MgSO
5% w/vグリシン
1% w/vミオイノシトール
1% w/vエクトイン
各種%の界面活性剤
88.8mM媒体
合計〜107.5mg/mlの酵素
【0058】
計量配分
1.0.4μlの酵素溶液がセンサストリップの全てのウェルの中に電子ピペットを使用して計量配分された。各酵素溶液は各酵素混合の圧力トレースを調べるために適した装置を作り出すために、穴をあけられたウェルを備えた断熱電極シートと非断熱電極シートの両方の全ての電極の中に計量配分された。
2.0.4μlの酵素溶液が、センサストリップの4つすべてのウェルの中に電子ピペットを使用して計量配分された。各酵素溶液は、電気化学試験に適した装置を作り出すためにレーザで穴をあけられたウェルを備える断熱電極シート及び非断熱電極シートの両方の全ての電極の中に計量配分された。
冷凍乾燥
それらの上に何も計量配分されていない電極シートが、対象としての冷凍乾燥装置を介して通された。
計量配分されたシートは冷凍乾燥装置の中に装填され、以下の手順に従った。
【0059】

センサはいったん冷凍乾燥されると、低相対湿度環境で保管される。
【0060】
例1A:
K型熱電対がPETカード及び断熱PETカード上に取り付けられた。これらの測定値はカードの、したがって冷凍チャンバの中の計量配分された混合物の温度プロファイルを示す。実験条件は、前項の一般的な試験に示された条件である。
【0061】
例1:
アイボタンDS1922L−F50温度センサがPETカード及び断熱PETカードの上に取り付けられた。これらの測定値は、カードの、したがって冷凍乾燥器システムを通して計量配分された混合物の温度プロファイルを示す。センサは41℃で飽和するが、冷凍及び加温は冷却と加温のニュートンの法則を使用して推定可能であり、これらの実験では、冷却板のプログラムされた温度を変更する効果が調べられた。実験条件は、前項の一般的な試験に示された条件である。
【0062】

表1:冷却板温度の冷凍速度に対する影響を示す。
【0063】
例2:
アイボタンDS1922L−F50温度センサがPETカード及び断熱PETカードの上に取り付けられた。シールドエア(Sealed Air)のCell−Aire(登録商標)の厚さ1ミリのポリエチレン発泡体が断熱層として使用された。これらの測定値は、カード及び冷凍乾燥器システムを通る計量配分された混合物が受ける温度プロファイルを示す。アイボタンセンサの感知限度は−41Cであるが、冷凍及び加温は冷却と加温のニュートンの法則を使用して推定できる。実験条件は、前項の一般的な試験に示された条件である。
【0064】


表2:冷凍チャンバと真空チャンバの間の移動に真空が当初適用される温度に対して断熱カードの使用が与える影響
【0065】
例3:
溶解試験
各適用の間に0.1秒の間隔をおいて60回、2秒間に−0.45Vの電位を印加し、電流を測定するためにPG580定電位電解装置を使用して溶解試験を完了することによって、冷凍乾燥された沈殿物の電気化学的性能が評価された。窒素ブリードはゼロに設定された。電位サイクルが開始され、一度ゼロ点信号が記録され、20μlの脱脂された血清がウェルに適用された。各2秒の過渡状態の最後の測定電流が、試験された各ウェルの時間に応じてプロットされた。冷凍乾燥された沈殿物が溶解し、電極表面で削減される媒体を放出するにつれて、電流は時間とともに増加する。次に、媒体の溶解が終了すると電流は水平状態に達し、電流は単に拡散律速状態になる。電流がその拡散律速値に達する時刻がウェルごとに記録され、平均値は表3に報告される。
【0066】


表3:冷凍乾燥沈殿物の溶解の速度について電気化学的応答で測定した断熱カードの使用の与える影響
【0067】
例4:
第1の実験の場合、窒素ブリードはゼロに設定された。窒素の正圧は適用されなかった。第2の実験では、窒素ブリードは、乾燥チャンバ内の圧力が1mbarに達するとすぐに開放された。窒素流量は56秒間その最大値(550sccm)に留まってから、ゆっくりと減少し、それがオンにされた130秒後に0sccmに達した。

【0068】
例5:
実験条件は、前項の一般的な試験に示される条件である。
【0069】

表4:同じ量の溶液が400nl又は800nlを含むただ単一列の滴で計量配分されるのか、又は2列の隣接する列の400nlの滴で計量配分されるのかによる、酵素溶液のための水除去の最大速度の変化の影響を示す。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】電気化学セルの概略側面図である。
【図2】4個の電気化学セルを備えるセンサストリップの概略平面図である。
【図3】本発明に係るプロセスを操作する、本発明に係る例示的な装置の概略側面図である。
【図4】図3の装置の冷凍チャンバの概略側面図である。
【図5】さまざまな想定での冷凍チャンバ内での経時的な温度の影響を示すグラフである。
【図6】存在又はそうでなければ断熱層の存在に応じた冷凍速度の変化を示すグラフである。
【図7】異なる想定での真空乾燥器チャンバについて時間と対照して温度を示すグラフである。
【図8】異なる想定での真空乾燥器チャンバ内での圧力を示すグラフである。
【図9】異なる想定での真空乾燥器チャンバ内への窒素ブリードの影響を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的物質を冷凍乾燥するプロセスであって、
キャリヤによって搬送される標的物質を提供することと、
該標的物質の温度を下げるために該キャリヤ及び標的物質を冷凍チャンバの中に渡すことと、
該標的物質の乾燥を促進するために真空が適用される別の真空チャンバに該キャリヤ及び標的物質を渡すことと、
該真空チャンバから該キャリヤ及び標的物質を取り除くことと、
を含むプロセス。
【請求項2】
該標的物質が、該真空チャンバから該キャリヤが取り除かれた後に固化した標的物質を生じさせる初期液体物質を備える請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
該標的物質が電気活性物質を備える請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
該キャリヤ及び標的物質が該冷凍チャンバから該真空チャンバに直接的に渡される任意の前記請求項のプロセス。
【請求項5】
該プロセスが、一連のそれぞれのキャリヤが該冷凍チャンバ及び真空チャンバを順々に通される連続プロセス又は準連続プロセスとして操作される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項6】
該冷凍チャンバが、キャリヤ及び標的物質が該チャンバを連続してそれぞれ通過中に、及び通過の間に周囲を大幅に下回る冷凍温度で保持される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項7】
該冷凍チャンバ及び/又は該真空チャンバが、冷凍動作又は真空適用中に密封される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項8】
該標的物質が該キャリヤを備えるウェル内に沈殿される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項9】
該キャリヤが電気化学電極センサを備える任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項10】
該キャリヤが、複数の電気化学電極センサを担持する下地材又は基板を備える任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項11】
該冷凍チャンバ及び真空チャンバが一方のチャンバから他方のチャンバへの該キャリヤ及び標的物質の直接的な移行のために並列関係で配置される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項12】
該冷凍チャンバと該真空チャンバの間の該キャリヤの移行のためにコンベヤ手段が提供される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項13】
移行中、該キャリヤが該冷凍チャンバと真空チャンバの両方に同時に存在する請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
該冷凍チャンバ内で該キャリヤ及び標的物質に適用される温度が、実質的には−40℃、又は−40℃以下である任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項15】
該冷凍チャンバ内で該キャリヤ及び該標的物質に適用される温度が、実質的には−60℃、又は−60℃以下である請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
該キャリヤ及び標的物質が、5分以下の間、該冷凍チャンバ内で該冷凍温度で保持される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項17】
該真空チャンバ内で適用される該真空が、10−2mbarの領域まで圧力を削減する任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項18】
該削減された真空圧力が、5分以下の間、該真空チャンバ内で適用される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項19】
該真空が、該真空チャンバの密封から30秒以下の内に動作真空に達する形態に従って適用される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項20】
該真空が、該真空チャンバの密封から15秒以下の内に動作真空に達する形態に従って適用される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項21】
該冷凍チャンバと該真空チャンバ間の該キャリヤ及び標的物質の該移行時間が、実質的に5秒以下である任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項22】
該冷凍チャンバと該真空チャンバ間の該キャリヤ及び標的物質の該移行時間が、実質的に3秒以下である任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項23】
該標的物質が該キャリヤのそれぞれのマイクロウェルの中に導入され、該マイクロウェルが
1)実質的には50μmから1000μmの範囲の深さ、及び/又は
2)0.1mmから5mm(さらに典型的には0.8から1mm)の範囲の交差する側面寸法(つまり直径)
を有する任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項24】
該標的物質が、100ナノリットルから1000ナノリットルの範囲のマイクロ量の用量で提供される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項25】
該標的物質が、300ナノリットルから700ナノリットルの範囲のマイクロ量の用量で提供される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項26】
該標的物質が、400ナノリットルから600ナノリットルの範囲のマイクロ量の用量で提供される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項27】
該冷凍チャンバの中で、該標的物質がその崩壊温度以下に冷却される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項28】
該真空チャンバの中で、該標的物質からの昇華がその崩壊温度以下の温度で発生する任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項29】
該キャリヤ及び/又は該標的物質が、温度変化の影響を減速させるように配置される熱減速材手段を備える任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項30】
該熱減速材手段が、(プラスチックシート又は層等の)断熱装置を備える請求項30に記載のプロセス。
【請求項31】
該断熱装置が該キャリヤのためのバッキング層及び/又は外装層を備える請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
該熱減速材手段が熱伝導性素子を備える請求項29から31のいずれかに記載のプロセス。
【請求項33】
該熱減速材手段が、該冷凍チャンバに進入する前に適用され、該減速材手段が処理後に取り除かれる請求項29から32のいずれかに記載のプロセス。
【請求項34】
冷却中、該冷凍チャンバにおける温度低下が毎分5Cから毎分150Cの範囲内になるように制御される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項35】
該真空チャンバ内で、不活性ガスの流入(ブリード)が該真空の適用中に提供される任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項36】
該不活性ガスが窒素である請求項35に記載のプロセス。
【請求項37】
サイクル中、又はサイクルの間に、該冷凍チャンバ及び/又は該真空チャンバが不活性ガスでパージされる任意の前記請求項に記載のプロセス。
【請求項38】
該パージガスが窒素である請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
該真空チャンバと冷凍チャンバの両方ともがパージされる請求項37又は38に記載のプロセス。
【請求項40】
キャリヤ上の溶液の中に電気活性試薬物質を沈殿させることと、該電気活性試薬物質を冷凍乾燥させるために、任意の前記請求項に記載の冷凍乾燥プロセスを操作することとを含むバイオセンサ素子を製造する方法。
【請求項41】
液体標的物質を冷凍乾燥させる装置であって、
中で該標的物質の温度を下げるための冷凍チャンバと、
該冷凍チャンバに隣接し、該冷凍チャンバから出た後に該標的物質が渡され、該標的物質の乾燥を促進するために中で真空が適用できる真空チャンバと、
を備える装置。
【請求項42】
該冷凍チャンバと関連付けられた冷蔵システムをさらに備え、該冷凍チャンバの中で冷凍環境を作り出すことができるようにする請求項41に記載の装置。
【請求項43】
該冷蔵システムが、互いに隣接して対向して配置される2つの冷却素子を備える請求項41に記載の装置。
【請求項44】
該冷却素子の間隔が調整可能である請求項43に記載の装置。
【請求項45】
該2つの冷却素子を近接させるための変位を調整する際に、該標的物質が該素子の一方又は他方によって運ばれる請求項44に記載の装置。
【請求項46】
該冷凍チャンバが、該標的物質のために、該冷凍チャンバへの進入及び該冷凍チャンバからの退出を許す入口手段及び出口手段を備える請求項41から45のいずれかに記載の装置。
【請求項47】
該入口手段及び出口手段が密封可能である請求項46に記載の装置。
【請求項48】
バルブが該入口手段及び出口手段に設けられる請求項47に記載の装置。
【請求項49】
それぞれの回転式スリットバルブが、該入口手段及び出口手段に設けられる請求項48に記載の装置。
【請求項50】
該入口手段及び出口手段が、該冷凍チャンバを横切る該標的物質の移動軸である、実質的に共通した軸上で相互位置合わせされる請求項46から49のいずれかに記載の装置。
【請求項51】
該輸送手段が、入口手段と出口手段の間の該チャンバの内部での該標的物質の輸送のために該冷凍チャンバの内部に設けられる請求項46から50のいずれかに記載の装置。
【請求項52】
該輸送手段がコンベヤ装置を備える請求項51に記載の装置。
【請求項53】
該真空チャンバが、該標的物質のために、該真空チャンバへの進入及び該真空チャンバからの退出を許す入口手段及び出口手段を備える請求項41から52のいずれかに記載の装置。
【請求項54】
該入口手段及び該出口手段が密封可能である請求項53に記載の装置。
【請求項55】
バルブが該入口手段及び出口手段に設けられる請求項54に記載の装置。
【請求項56】
それぞれの回転式スリットバルブが、該入口手段及び出口手段に設けられる請求項55に記載の装置。
【請求項57】
該入口手段及び出口手段が、該冷凍チャンバを横切る該標的物質の移動軸である、実質的に共通した軸上で相互位置合わせされる請求項53から56のいずれかに記載の装置。
【請求項58】
該輸送手段が、入口手段と出口手段の間の該チャンバの内部での該標的物質の輸送のために該真空チャンバの内部に設けられる請求項53から57のいずれかに記載の装置。
【請求項59】
該輸送手段がコンベヤ装置を備える請求項58に記載の装置。
【請求項60】
該真空チャンバの中で該適用された真空を生成する真空生成手段をさらに備える請求項41から59のいずれかに記載の装置。
【請求項61】
該真空チャンバが、該真空の適用に続いて該真空チャンバの通気のための不活性ガス送達手段を備える請求項41から60のいずれかに記載の装置。
【請求項62】
プロセスパラメータを制御する制御システムをさらに備える請求項41から61のいずれかに記載の装置。
【請求項63】
正圧を該冷却チャンバ及び又は該真空チャンバに適用できるようにするように配置される加圧装置をさらに備える請求項41から62のいずれかに記載の装置。
【請求項64】
該冷凍チャンバの該出口手段及び該真空チャンバの該入口手段が、
実質的に該装置を通る該サンプルの移動軸上で実質的に相互位置合わせされ、
標的物質の複数の標本用のキャリヤが、両方のチャンバの内部で同時に伸びることができるように互いに近接して配置され、
密封されたシュラウド又は導管により接続される、
請求項41から63のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−518640(P2009−518640A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543907(P2008−543907)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004600
【国際公開番号】WO2007/066132
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(500472327)オックスフォード バイオセンサーズ リミテッド (19)
【Fターム(参考)】