説明

横ずれ作業台付きの空中作業装置

【課題】
建築、倉庫やその他の仕事や環境において使用される、昇降可能な作業台を有する、空中作業装置において、作業台の一方の側部に積まれた、ガラス板のような比較的に重い荷を、張り出し材又はそれに類するものを使用することなく、持ち上げかつ取り扱うことができる安定な装置を提供する。
【解決手段】
第1の垂直な平面内に延出する長手方向の中心線を有する移動可能なシャーシと、前記シャーシに結合される下端部と上端部とを有するリフト機構と、前記リフト機構の上端部に支持される作業台とを包含し、前記作業台は、前記第1の垂直な平面に対して横方向へ離隔され、かつそれと平行な第2の平面内に延びる長手方向の中心線を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、建築、倉庫やその他の仕事や環境において使用される、昇降可能な作業台(work platform)を有する、空中作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
しばしば、ガラス板のような比較的に重たい荷(load)は、作業台の一方の側部に積まれ、持ち上げる際には、アンバランスで潜在的に危険な状態を作り出しながら、持ち上げられねばならない。
【0003】
従来の空中作業台、特に、48インチ幅かそれより幅狭のシザーリフト(scissor lifts)のような、比較的に幅狭タイプのものは、典型的には、支持ベースやシャーシ(chassis)とほぼ同幅の作業台を有する。大型のシーザリフトは、普通、支持ベースの幅より幅狭の作業台を有する。
【0004】
大型の作業台は、より多くの作業スペースをもたらすが、作業台の一方の横方向側部に沿って配置されたガラス板のような重たい荷を取り扱うとき、安定性の問題が起きる。これは、普通、機械を水平にするための張り出し材(outriggers)付きの機械を使用することで解決されるが、それだけではなく、機械が新しい場所に移動されるときには、作業台は降下されかつ積み込まれねばならず(stowed)、張り出し材もまた後退されかつ元に戻されねばならない。また、張り出し材を含むことで、大幅なコスト増大に繋がる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業台の一方の側部に積まれた、ガラス板のような比較的に重い荷を、張り出し材(outriggers)又はそれに類するものを使用することなく、持ち上げかつ取り扱うための安定な装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示されているのは、第1の垂直な平面内に延びる長手方向の中心線を有する移動可能なシャーシを包含する空中作業台である。シャーシは、好ましくは、有輪車両とされ、この車両においては、リフト機構(ここではシザーリフト機構として描かれる)は、前記シャーシに結合された下端部と前記リフト機構の上端部に支持された作業台とを有する。作業台は、前記作業台が前記シャーシに対して横方向へずれるように、前記第1の平面と横方向に離隔しかつそれと平行な、第2の垂直平面において延びる、長手方向の中心線を有する。好ましくは、前記作業台は、ほぼ長方形の床(deck)と横方向の側部(sides)にガードレールを有する。前記作業台の横方向の1つの側部に、薄板用ラックがあってもよい。
【0007】
前記シャーシの最も外側の延出端(outermost extent)又は端縁(edge)は、水平な平面に投影するとき、設置面積(footprint)を定義する。前記作業台及び前記薄板用ラックの最も外側の延出端は、第2の設置面積を定義する。前記第2の設置面積は、時には、前記第1の設置面積の境界の外側へと部分的に延出することはあるけれども、最良の安定性のために、好ましくは、前記第2の設置面積の垂直な投影は、前記第1の設置面積の境界の内部に完全に収まっている(lies)。
【発明の効果】
【0008】
実質的な重量の均衡(proportion)は、前記作業台の横方向における1つの端縁の近くに置かれているけれども、いずれにしても、加重のかけられた作業台は、前記シャーシやリフト機構に対して、ほぼバランスのとれたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】横ずれ作業台(Laterally offset work platform)付きの空中作業装置の斜視図である。
【図2】図1に示される装置の側面図である。
【図3】随意的な、伸張位置にあるスライド作業台床を示す、図1及び図2の装置の側面図である。
【図4】持ち上げられた位置にある作業台を示す、装置の側面図である。
【図5】リフト機構の上の作業台の支持構造を示すために、部分的に破断された、装置の端面図である。
【図6】装置の様々な部品を示す、部分的に破断された、分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜図4に図示される装置は、好ましくは車輪12やトラック(tracks)を有する自己推進車両の形式であり、かつ如何なる従来構造のものでもよいが、好ましくは、シザー機構(scissors mechanism)20の形式であるリフト機構を有する、シャーシ又はベース10を含む。その代わりに、関節式(articulated)や入れ子式(telescoping)のブーム(booms)のような他の形式のリフト機構が考えられる。
【0011】
図5及び図6に最も良く図示されるように、典型的なシザー機構は、シャーシ10の長手方向の中心線(C/L C)上のほぼ中央に置かれてそれと一直線になる、枢動可能に結合された、一組の左右の側部シザーアーム22を含んでいる。最も下のシザーアーム22は、固定の軸(pivot)14と可動の軸14とに結合される。可動の軸14は、アームを従来と同様に伸縮されるために、シザー機構20の中にある駆動装置(drive arrangement)により、固定の軸へと接近又は離隔するように直線的に動かされる。水平化リンク24もまた図4に示されている。
【0012】
床32、ガードレール34、及び床の上に立ったオペレータが車輪12を駆動することにより、作業台を昇降及び位置決めするのに使用する適当な操作装置36もまた図示されている。作業台は、図5に示される用に、長手方向に延びる中心線(C/L P)を有し、前記リフト機構の頂部にしっかりと取り付けられている。
【0013】
従来装置とは異なり、作業台30は、図5に最も良く図示されるように、長手方向の中心線(C/L P)が、長手方向の中心線(C/L C)の左側に離隔されるように、横方向へずれた位置で、リフト機構20の頂部に取り付けられる。
【0014】
図示のように、シザータイプのリフト機構が用いられるときには、シザーアーム22の頂部に枢動可能に結合された離隔された台支持部26を使用することにより、リフト機構20の上端部に支持されるようにしてもよい。
【0015】
支持部26は、前記支持部26の下端部に、スライダ27又はローラを有する。これらのスライダ27又はローラは、次いで、作業台30の底部にある互いに離隔する平行構造の溝(channels)により提供されるトラック(tracks)により案内される。作業台は、それにより、前記溝の上部フランジ28の下面とスライダ27との接触により支持される。もしも、関節式又は入れ子式の伸縮リフト機構が用いられる場合には、当業者であれば、その代わりに、前記リフト機構20に対して横ずれした位置に作業台を取り付けるために、必要により適当な手段を理解しかつ案出し得る筈である。
【0016】
ガラス板のような、比較的に幅狭でかつ重たい荷を取り扱うための薄板用ラック38が、好ましくは、横ずれ長方形作業台30の横方向の1つの側部に設けられる。
【0017】
従来の中央に配置される作業台とは異なり、作業台30及びその上の荷の重量は、シャーシ10及びリフト機構20により実質的にバランスされるように、シートラックの最も外側の横方向の端縁は、好ましくは、その車輪12を含むシャーシ10の垂直方向へ延出された設置面積(footpring)の内側に残されることを留意されたい。
【0018】
ガラス板のような重い荷をバランスするために横ずれ作業台30を使用することにより、シャーシ10上の最も効果的なカウンタウェイト配置も可能となり、その結果、より軽量かつ低コストな装置が実現される。
【0019】
随意的に引き出し可能な作業台床延長部33を設ければ、作業の生産性を改善することもできる。
【0020】
当業者であれば、添付の請求範囲により定義された本発明の範囲から逸脱することなく、ここに図示されかつ説明された実施例の様々な変形例が理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明によれば、建築工事、倉庫やその他の仕事や環境において使用される、昇降可能な作業台を有する、空中作業装置であって、作業台の一方の側部に積まれた、ガラス板のような比較的に重い荷を、張り出し材又はそれに類するものを使用することなく、持ち上げかつ取り扱うことができる安定な装置が実現される。
【符号の説明】
【0022】
10 シャーシ又はベース
12 車輪
14 軸(pivot)
20 リフト機構又はシザー機構(scissors mechanism)
22 アーム
24 水平化リンク
26 作業台支持部
27 スライダ
30 作業台(work platform)
32 床(deck)
33 引き出し可能な作業台床延長部
34 ガードレール
36 操作装置(controles)
38 薄板用ラック(sheet rack)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)第1の垂直な平面内に延びる長手方向の中心線を有する移動可能なシャーシ;
b)前記シャーシに結合される下端部と上端部とを有するリフト機構;及び
c)前記リフト機構の上端部に支持される作業台;を包含し、
前記作業台は、前記第1の垂直な平面に対して横方向へ離隔され、かつそれと平行な第2の平面内に延びる長手方向の中心線を有する空中作業装置。
【請求項2】
前記作業台は、長方形の床(deck)、及び前記作業台の長手方向の中心線から等しく離隔され、前記床の横方向の側部(sides)のガードレール(guardrails)、を有する請求項1に記載の空中作業装置。
【請求項3】
前記作業台は、前記床の1つの横方向側部に薄板用ラックを有する請求項1又は2に記載の空中作業装置。
【請求項4】
前記シャーシの最も外側の延出端が第1の水平な設置面積(footprint)を定義し、前記作業台及び薄板用ラックの最も外側の延出端が第2の水平な設置面積を定義し、前記第2の設置面積の垂直方向の投影が、全て、前記第1の設置面積の境界内にある請求項1〜3のいずれかに記載の空中作業装置。
【請求項5】
前記シャーシの最も外側の延出端が第1の水平な設置面積を定義し、前記作業台及び薄板用ラックの最も外側の延出端が第2の水平な設置面積を定義し、前記第2の設置面積の垂直方向の投影が、一部、前記第1の設置面積の境界外にある請求項1〜3のいずれかに記載の空中作業装置。
【請求項6】
前記作業台が、ガードレールを有するスライド式の床延長部を含む請求項1〜5のいずれかに記載の空中作業装置。
【請求項7】
前記リフト機構が、シザー機構(scissors mechanism)である請求項1〜6のいずれかに記載の空中作業装置。
【請求項8】
前記作業台が、ほぼ長方形状の構成を有し、前記中心線が、前記作業台が、前記シャーシ及びリフト機構に対して横方向にずれるように、前記シャーシの長手方向の中心線を通って延びる垂直な平面に対して、横方向へ離隔しかつそれと平行な長手方向の中心線である請求項1〜7のいずれかに記載の空中作業装置。
【請求項9】
前記移動可能なシャーシが、有輪車両(wheeled vehicle)である請求項1〜8のいずれかに記載の空中作業装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−153534(P2012−153534A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−9357(P2012−9357)
【出願日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【出願人】(509345464)カリフォルニア マニュファクチャリング アンド エンジニアリング カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (3)
【氏名又は名称原語表記】California Manufacturing & Engineering Company, LLC
【Fターム(参考)】