説明

横型ピロー包装機

【課題】被包装物を、横型ピロー包装機の製袋部に自動的に且つ安定的に供給できるようにする。
【解決手段】テーブル25の搬送用凹部26内に被包装物Sが収容され、その搬送用凹部26が前記製袋部10に向かって移動することにより被包装物Sを製袋部10に供給する横型ピロー包装機の供給装置20において、前記テーブル25上に前記搬送用凹部26を囲む仕切部材28を設け、前記仕切部材28は可撓性を有する素材で形成されてその仕切部材28の下端が前記パレット25上面に当接してその内側に多数の前記被包装物Sを保持し、前記仕切部材28を水平方向に揺動させる構成とした。テーブル25と仕切部材28との間に被包装物Sが入り込もうとすると、可撓性を有する仕切部材28は被包装物Sに押されて変形する。この変形により、被包装物Sに大きな圧縮力を作用させることなく、被包装物Sの噛み込み及び破砕を防止し、被包装物Sを自動的に且つ安定的に供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、横型ピロー包装機に関するものであり、より詳しくは、横型ピロー包装機の製袋部に被包装物を所定数量ずつ送り込む供給装置、及びその被包装物の供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
横型ピロー包装機は、包装材料としてフィルム、シート等がロール状に巻回されたものを用い、その包装材料をロールから引き出して製袋部において筒状に製袋するとともに、その筒状に製袋された又は製袋される直前の袋部内に被包装物を送り込んで、包装材料の前記被包装物を挟む筒軸方向両端を熱接着等により封じ、その封じた部分を切断する形式の包装機である。
【0003】
この横型ピロー包装機は、形状・寸法がある程度不揃いな被包装物であっても、その被包装物を所定の間隔で断続的に製袋部に送り込むことにより、個別に包装することが可能である。
また、その製袋部や被包装物を前記製袋部に送り込む供給装置の設定を適宜変更すれば、異なる形状・寸法を有する被包装物にも対応できるので汎用性に優れている。このため、被包装物として、例えば、菓子、各種食品、工業製品、薬品など広範な分野の物品包装に用いられている。
【0004】
一般的な横型ピロー包装機の構成を、本発明の実施形態の説明図である図1に基づいて説明すると、ロール状に巻回された帯状のフィルム(包装材料)1が、送り出しローラによって製袋部10に向かって送り込まれる。
製袋部10では、前記フィルム1が連続的に供給されて機器の後方側(図中左側)から前方側(図中右側)へと移動し、そのフィルム1を包み込むようにフィルム1の移動方向に沿ってガイド11が設けられている。
【0005】
ガイド11は、前記移動方向に直交する断面が下方を開口した断面コ字状を成し、前記フィルム1は、前記ガイド11内を移動するに伴って下方を開口する断面コ字状あるいはU字状等に屈曲される。その後、前記ガイド11の中程(前記移動方向中程)において、前記屈曲されたフィルム1の対向する下端縁1a,1aが、対の誘導板11c,11c及び送りローラ12,12によって水平方向両側から挟み込まれる。
そして、前記ガイド11の出口(終端部)11b付近において、前記重ね合わされた下端縁1a,1a同士が、シールローラ13,13によって溶着されてフィルム1は筒状となり、その筒状のフィルム1内に被包装物Sを収納する袋部が形成される(図9参照)。
【0006】
このとき、前記製袋部10の後方側に配置された供給装置20から、製袋部10に向かって被包装物Sが送り込まれる。
供給装置20は、前記移動方向と同方向に伸びる供給溝23を有する水平なパレット(テーブル)25の下方に、所定速度で回転する環状の供給チェーン21が設けられており、その供給チェーン21の長さ方向に沿って、所定間隔毎に押圧部材22が取り付けられている。
【0007】
その押圧部材22は、前記パレット25の直下において環状チェーン21から上方へ突出して、その上端が前記供給溝23内に入り込んでいる。
【0008】
供給溝23は前記被包装物Sを収容可能な幅を有し、その供給溝23内に収容された被包装物Sは、供給チェーン21の回転とともに前記押圧部材22に押されて、その供給溝23内を製袋部10に向かって移動する。このとき、被包装物Sは、一つの押圧部材22に対して一つずつ又は一定個数ずつ配置されるので、その被包装物Sは製袋部10に対して所定の間隔で断続的に供給される。
なお、押圧部材22に押された被包装物Sは、前記供給溝23内を転がりながら移動していく場合もあるし、押圧部材22が凹状に形成されている場合には、その凹状を成す部分に載せられた被包装物Sが押圧部材22とともに供給溝23内を移動していく場合もある。
【0009】
押圧部材22によって被包装物Sが製袋部10に向かって移動し、前記シールローラ13で溶着された後、あるいは溶着される直前の前記袋部内に被包装物Sが送り込まれる。
このとき、被包装物Sは、前記押圧部材22によって前記ガイド11の入口(始端部)11a付近まで押し込まれ、その後はフィルム1との摩擦力等によって前方側へ引張られるように移動する。
【0010】
なお、被包装物Sを製袋部10に送り込んだ後の押圧部材22は、前記供給チェーン21の下方への反転とともに同方向へ移動する。この反転の際に、押圧部材22と供給チェーン21とはピン接合されているので、供給チェーン21の反転とともに押圧部材22は前記ピン周りに回転してその姿勢を変え、前記ガイド11に押圧部材22が支障することを回避している。
【0011】
被包装物Sが前記筒状の袋部内に所定の間隔毎に収容された後、フィルム1はその被包装物Sとともに、上下方向に対向して配置された搬送用ベルト14,15、及び駆動ローラ等によって、前方のシール装置及び切断装置16へ誘導される。ここで、フィルム1が前記移動方向所定の間隔で溶着(シール)されるとともにそのシール部1b付近で切断され、各被包装物Sは、個別の小袋に密封された状態となる(図10参照)。包装を完了した被包装物Sは、排出コンベヤ17で送り出される(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
なお、この横型ピロー包装機よると、供給装置20の供給溝23内に収容される被包装物Sは、常時動いている前記各押圧部材22に対して、一つずつ又は一定個数ずつ手作業で配置しなければならない。
大量の被包装物Sを横型ピロー包装機で包装するに際し、その被包装物Sを一つ一つ手作業で供給溝23内に配置する作業は長時間に及び、また煩雑な作業であるので、被包装物Sを自動的に配置する機構が望まれる。
【0013】
そこで、供給チェーン21及び押圧部材22の移動に伴って、適宜のタイミングで被包装物Sを供給溝23内に自動的に投入する機能を備えた供給装置の採用が考えられる。
しかし、このような供給装置は、供給チェーン21の移動と被包装物S投入のタイミングとを同期させる手段を必要とし、非常に高価であるのでコスト上の問題がある。また、装置を複雑にするので好ましくない。
【0014】
このため、例えば、図11に示す供給装置のように、所定個数の物品(被包装物)Sを受け止めることができる搬送用凹部26が形成された整列パレット25上に、物品Sを多数収容した貯留槽(供給筒)30を設け、その貯留槽30の下方の排出口31を前記パレット25上に臨ませた構成が考えられる。
【0015】
この供給装置は、貯留槽30の排出口31から落ちる物品Sが、その排出口31の周壁によってパレット25上の所定範囲内から出ないように保持されており、その状態でパレット25と貯留槽30とが水平方向に相対移動することにより、各搬送用凹部26に物品Sが自動的に収容されるとともにその状態で各物品Sが搬送されていく。
また、パレット25又は貯留槽30に加振手段が設けられているので、物品Sがより確実に各搬送用凹部26に収容されるようになっている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開平8−91307号公報
【特許文献2】特開平11−43218号公報(第3頁段落0013、第4頁第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記図11に示す貯留槽式の供給手段を横型ピロー包装機に採用すると、貯留槽30の排出口31は、その周壁の下端縁とパレット25の上面との間に隙間を有しているので、この隙間の部分に被包装物Sが噛み込むことがある。
被包装物Sが噛み込むと、パレット25や貯留槽30の動きを阻害し、被包装物Sの正常な搬送、供給が行われなくなるので好ましくない。
【0018】
また、前記隙間は、噛み込みが発生し難いように、被包装物Sの形状・寸法に応じて最適なクリアランスに調整することも可能である。
しかし、クリアランスの調整を行っても噛み込みの発生を皆無とすることはできず、特に、被包装物Sの形状・寸法が不揃いである場合には、前記最適なクリアランスは一定でなくその調整が難しいといえる。
また、被包装物Sが、菓子など柔らかい素材である場合は、前記噛み込んだ被包装物Sが砕けてしまうことがある。被包装物Sが砕けると、その破片が被包装物Sとともに搬送されて、製袋部10において被包装物Sと一緒に包装されてしまうので好ましくない。
【0019】
さらに、貯留槽30内に収容された被包装物Sは、排出口31内でその被包装物S同士が突っ張り合って停滞することがある。排出口31内で被包装物Sが突っ張り合って停滞すると、被包装物Sがパレット25上に供給されなくなるので、被包装物Sの製袋部10への安定供給上好ましくない。
【0020】
そこで、この発明は、被包装物を、横型ピロー包装機の製袋部に自動的に且つ安定的に供給できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するために、この発明は、パレットの搬送用凹部を仕切部材で囲んでその内側に被包装物を保持させ、仕切部材の少なくとも一部とパレットとを水平方向に相対移動可能とし、その相対移動する仕切部材を可撓性を有する素材としたものである。
【0022】
前記仕切部材とパレットとの相対移動により、その内側に保持された被包装物が前記搬送用凹部に対して相対移動してその搬送用凹部に入り込みやすくなる。その際に、そのパレットの上面と仕切部材の下端との隙間に被包装物が入り込もうとする。
このとき、少なくとも前記相対移動する仕切部材は可撓性を有する素材であるので、その仕切部材は被包装物に押されて変形する。この変形により、被包装物に大きな圧縮力を作用させず、被包装物が仕切部材とパレットとの間に噛み込むこと、及びその噛み込みに伴う被包装物の破砕、損傷を防止し得る。
このため、被包装物を、横型ピロー包装機の製袋部に自動的に且つ安定的に供給することができる。
【0023】
なお、前記相対移動の方向は、その仕切部材の内側にある被包装物を、前記搬送用凹部に対しより大きな変位で相対移動させ得るものであることが望ましい。また、前記相対移動する仕切部材は、前記搬送用凹部を囲む仕切部材の全て(全周)であってもよいし、その一部、例えば、3方を囲むコ字状、U字状、C字状、L字状、直線状、弧状、及びその直線状、弧状の仕切部材の組合わせであってもよい。
【0024】
具体的な構成としては、横型ピロー包装機の製袋部に被包装物を供給するために設けられ、前記被包装物を収容可能な搬送用凹部が複数形成されたパレットの前記各搬送用凹部内に前記被包装物がそれぞれ収容されるとともに、前記搬送用凹部が前記製袋部に向かって移動することによりその搬送用凹部内に収容した被包装物を前記製袋部に供給する横型ピロー包装機の供給装置において、前記パレット上に前記搬送用凹部を囲む仕切部材を設け、その搬送用凹部を囲む仕切部材の内側に複数の前記被包装物が保持され、少なくとも前記仕切部材の一部と前記パレットとを水平方向に相対移動可能とするとともに、前記相対移動する仕切部材は可撓性を有する素材で形成されてその下端が前記パレット上面に対向している構成を採用した。
【0025】
前記仕切部材としては、ゴムやスポンジ、軟質の樹脂など変形しやすい素材が有効であり、例示したもののほかにも可撓性を有する任意の素材を採用し得るが、例えば、多数の毛が下向きに植設されたブラシを採用することができる。ブラシであれば、1本1本の毛が細く、隣り合う毛同士が相互に空隙を有して隣り合っているので、横から押される力に対して変形性能が高い。このため、被包装物がそのブラシに向かって押し込まれても1本1本の毛はしなやかに変形してその被包装物を傷めにくいという有利な特性がある。
なお、前記可撓性を有する素材で形成された仕切部材の下方への突出高さは、前記被包装物の最大外径以上であることが望ましい。また、その仕切部材の下端は、前記パレット上面に対して離隔をもって対向してもよいし、当接及び摺動する構成としてもよい。
【0026】
また、特に、前記仕切部材と前記パレットとの相対移動方向を、前記搬送用凹部の移動方向に直交する方向とすることができる。このようにすれば、仕切部材内の各被包装物は、前記搬送用凹部の上方を通過する機会が増大する傾向がある。
【0027】
また、前記仕切部材の内側へ被包装物を投入するに際し、多数の被包装物を手作業で投入してもよいが、前記パレットの上方に貯留槽を配置して、その貯留槽内の被包装物が自重により前記仕切部材内に自動的に投入されるようにしてもよい。
すなわち、前記貯留槽内に収容された前記被包装物は、その貯留槽下部の排出口から落下可能であり、自重で落下した前記被包装物が前記仕切部材内に入るように、前記仕切部材は前記排出口を囲んで設けられるものである。
【0028】
その貯留槽内に収容された被包装物は、その貯留槽内、特に内径が狭い排出口内で突っ張り合って停滞し落下しなくなることがあるので、その貯留槽内で揺動する撹拌棒を設けることが有効である。貯留槽内で撹拌棒が揺動すれば、前記突っ張り合った被包装物同士がほぐされてその被包装物同士が相対的な位置を変え、下方への落下を阻害しない状態(突っ張り合ってない状態)とし得る。
このとき、前記仕切部材又はパレットが水平方向に揺動することにより前記仕切部材と前記パレットとが相対移動するように設定されている場合には、前記貯留槽内に設けた撹拌棒を、前記仕切部材又はパレットの揺動に連動して貯留槽内で揺動させる構成とすることができる。この構成によれば、前記仕切部材又はパレットの揺動と撹拌棒の揺動とを共通の駆動源により動作させることができ、駆動源が共通であれば装置を簡素化し得るので効率的である。なお、前記揺動は直線的な往復運動としてもよいし、あるいは円運動としてもよいし、ジグザグに動くなど不規則な揺動であってもよい。
【0029】
また、前記仕切部材と貯留槽とを一体に揺動させることもできる。仕切部材と貯留槽とが一体であれば、仕切部材の揺動による前記貯留槽の排出口と仕切部材との相対的な位置関係が不変となるので、仕切部材の揺動範囲をより広範囲に設定することができる。
【0030】
仕切部材と貯留槽とが一体に水平方向に揺動する場合、前記撹拌棒は、つぎなる構成とすることができる。
すなわち、前記撹拌棒は前記貯留槽内で上下方向に設けられて、その上端が前記貯留槽に固定された回転自在の揺動軸に一体に接続されている。撹拌棒の揺動方向は、前記仕切部材及び貯留槽の揺動方向と同方向となっている。また、その揺動軸は前記貯留槽外に伸びて、その貯留槽外の部分において前記揺動軸に作動杆が一体に接続されている。作動杆は、前記撹拌棒と一体に同方向に揺動する。作動杆の揺動は、固定のストッパ部材により一定の範囲(角度)で規制されるようになっており、前記仕切部材及び貯留槽が水平方向に揺動すると作動杆がストッパ部材に当接し、その当接状態でさらに前記仕切部材及び貯留槽が同一の方向に揺動すると、作動杆がストッパ部材に拘束されるこよにより、前記貯留槽がその撹拌棒に対して相対移動する。このため、撹拌棒の機能を発揮することができる。
【0031】
また、前記搬送用凹部の構成として、つぎなる構成を採用することができる。
すなわち、前記パレットに、前記製袋部へ向かって直線状に伸びる供給溝を設け、前記供給溝内にその供給溝の長さ方向に沿って一定の間隔で複数の押圧部材が突出して設けられて、前記各押圧部材が前記パレットに対して前記長さ方向へ同一の速度で移動可能となっており、前記供給溝内において、前記各押圧部材のうち一の押圧部材の前記移動方向一端と、その一の押圧部材の前記一端側に隣接する他の押圧部材の他端との間を前記搬送用凹部として、前記各押圧部材の移動により前記搬送用凹部を前記製袋部に向かって移動させる構成である。
【0032】
供給溝内の隣り合う押圧部材同士の隙間を前記搬送用凹部としたので、その供給溝内で押圧部材を移動させることにより、その搬送用凹部の場所を移動させることができる。このため、搬送用凹部を製袋部に向かって横移動させる機構を簡素化し得る。
なお、前記供給溝の長さ方向における前記搬送用凹部の長さを可変とすることができる。このようにすれば、単一の密封包装内に、一つ又は複数個の被包装物を同封する場合において、その同封する個数を必要に応じて適宜変更することができる。搬送用凹部の長さ(供給溝の長さ方向に沿う搬送用凹部の長さ)が長くなれば、単一の搬送用凹部内に収まる被包装物の数も増え、搬送用凹部の長さを短くすればその数が減るからである。また、供給溝の幅を可変とすることにより、異なる外径を有する被包装物に対応することもできる。
【0033】
さらに、前記仕切部材の構成として、つぎなる構成を採用することができる。
すなわち、前記仕切部材は、前記供給溝を挟んで両側に対向する並行部を備え、その両並行部と前記パレットとを前記供給溝の長さ方向に直交する方向に相対移動可能とした構成である。
このようにすれば、前記仕切部材の前記両並行部が、各被包装物に作用する前記想定移動方向の押圧力を真正面から受けてその衝撃、圧縮力等を吸収しやすい向きにあるといえる。このため、前記噛み込み防止の効果を発揮させる上で有効である。
【0034】
また、前記供給溝を挟む両並行部は、前記製袋部に近づくにつれて徐々に接近して前記供給溝に交差する部分で繋がる構成を採用し得る。前記供給溝に沿って前方(製袋部に近い側)へ向かうに従って仕切部材が先細りの形態を成すので、被包装物は両並行部間の中央に呼び込まれやすい。このため、搬送用凹部内に被包装物がさらに入りこみやすくなる。
【0035】
さらに、前記被包装物は球状を成すとともに不揃いな形状及び寸法を有する被包装物が混在して前記仕切部材内に保持されている場合において、前記搬送用凹部内に収容された前記被包装物のうち所定高さ以上に突出する前記被包装物を前記搬送用凹部内から除去する排出手段を備えた構成を採用することができる。被包装物が不揃いな形状及び寸法を有するものが混在する場合において、特にその形状が球状であると、前記搬送用凹部内に、所定の個数を超える被包装物が収容されてしまうことがある。
例えば、単一の搬送用凹部内に一つの被包装物が収容されるべき場合において、やや小径の被包装物が二つ収容されたり、二つの被包装物が収容されるべき場合において、やや小径の被包装物が三つ収容されたりする場合が考えられる。所定の個数を超える被包装物が収容された場合、多くの場合、搬送用凹部内から幾分はみ出して所定高さ以上に突出する前記被包装物が存在するので、その突出する被包装物を除去することにより、各搬送用凹部内に収容される被包装物を所定の個数に修正することができる。
【0036】
前記排出手段は、前記搬送用凹部内に収容された前記被包装物のうち所定高さ以上に突出する前記被包装物にのみ当接する部材を設けて、その当接部材が被包装物を前記搬送用凹部から押し出す構成を採用しても良いが、例えば、所定高さ以上に突出する前記被包装物にのみ気体を噴射するノズルを備える構成を採用し得る。気体の噴射を利用すれば、被包装物に接触することなく目的物を除去することができる。
【発明の効果】
【0037】
この発明は、パレットの搬送用凹部を仕切部材で囲んでその内側に被包装物を保持させ、仕切部材の少なくとも一部とパレットとを水平方向に相対移動可能とし、その相対移動する仕切部材を可撓性を有する素材としたので、被包装物に大きな圧縮力を作用させることなく、その被包装物を仕切部材内に保持させることができる。また、被包装物が仕切部材とパレットとの間に噛み込むこと、及びその噛み込みに伴う被包装物の破砕、損傷を防止し得る。このため、被包装物を、横型ピロー包装機の製袋部に自動的に且つ安定的に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】横型ピロー包装機の全体正面図
【図2】横型ピロー包装機の全体斜視図
【図3】横型ピロー包装機の供給装置の斜視図
【図4】横型ピロー包装機の供給装置の正面図
【図5】図4の左側面図
【図6】図4の要部断面図
【図7】図4の平面図
【図8】図4のフレーム部及び仕切部材の底面図
【図9】(a)は図1のx−x断面図、(b)は図1のy−y断面図
【図10】被包装物を包装材料で包装した状態を示す斜視図
【図11】従来例の供給装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0039】
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態の横型ピロー包装機で包装する被包装物Sは、球状の菓子(あられ)であり、それぞれ不揃いな形状、寸法を有するものが混在した状態で、この包装工程に搬送されてくるものを対象としている。なお、被包装物Sとしての菓子については、この実施形態のような球状の菓子には限定されず、ややいびつな形をした球状(塊状)の菓子であってもよい。
【0040】
この横型ピロー包装機では、包装材料として、図2に示すように、帯状のフィルム1が巻回されたロールRを用いている。そのフィルム1は、前記ロールRから引き出されて、図9(a)(b)に示すように、製袋部10に設けられた下向きに開口する断面コ字状のガイド11内で徐々に下向きのU字状に曲げられていき、対向する下端縁1a,1a同士が熱接着等されて筒状に製袋される。
【0041】
また、そのガイド11内において、その筒状に製袋された又は製袋される直前のフィルム1内に、その製袋部10の後方に配置した供給装置20から被包装物Sが一定の間隔で送り込まれていく。
【0042】
被包装物Sを包んだ筒状のフィルム1がガイド11を通過した後、その筒状のフィルム1の前記被包装物Sを挟む筒軸方向両端が熱接着等により封じられ、その封じた部分1b付近を切断して、図10に示すように、個別に包装された被包装物Sを次工程に送り込んでいく。
このとき、一つの被包装物Sを一つの包みで包装する場合もあるし、二つ、三つといった複数個の被包装物Sを直線状に並べて包装することもできる。この実施形態は、三つの被包装物Sを一つの包みで包装する態様である。
【0043】
製袋部10の構成は従来例と同様であり、以下、供給装置20の構成を中心に説明する。
【0044】
供給装置20は、図1及び図2に示すように、水平なテーブル(パレット)25上に設けられ、そのテーブル25には、前記製袋部10へ向かって直線状に伸びる供給溝23が設けられている。
テーブル25の下方には、環状の供給チェーン21が、図示しない駆動装置によって一定の速度で継続的に回転できるように設けられており、その供給チェーン21にピン22cを介してそのピン22cの軸周り回転可能に接続された板状の押圧部材22が、前記供給チェーン21の長さ方向に沿って一定の間隔で複数設けられている。供給チェーン21は、例えば、環状のベルト等、他の手段により構成してもよい。
【0045】
前記供給溝23の底部に、その供給溝23の長さ方向に沿ってスリット23aが設けられている。前記押圧部材22は、テーブル25直下に設けたガイド板24の上面に当接して上向きに維持され、その上端が、前記スリット23aを介して供給溝23内に入り込んでいる(図6参照)。
【0046】
その供給溝23内において、前記各押圧部材22のうち一の押圧部材22の前記移動方向一端(前端)22aと、その一の押圧部材22の前記一端22a側に隣接する他の押圧部材22の他端(後端)22bとの間が搬送用凹部26として機能するようになっている(図7参照)。
【0047】
前記搬送用凹部26の長さ(前記供給溝23の長さ方向における長さ)は可変であり、この実施例では、搬送用凹部26内には、被包装物Sが3つずつ収容されるように前記一端22aと後端22bとの間の距離が設定されている。被包装物Sの寸法等にはばらつきがあるが、平均的な被包装物Sの寸法をもとに前記一端22aと後端22bとの間の距離を算定する。
搬送用凹部26の長さの調整は、隣り合う押圧部材22,22同士の間隔を可変としてもよいし、各押圧部材22を、前記一端22aと他端22bとの間の寸法が異なるものに取替えることによっても可能である。
【0048】
前記テーブル25上に、前記搬送用凹部26を囲む仕切部材28が設けられている。前記仕切部材28は、環状のフレーム27に結束材27b(図6参照)を介して多数の毛が下向きに植設されたブラシであり、そのブラシが前記テーブル25上の前記供給溝23を含む一定の矩形エリアを帯状に囲むように設けられる。
【0049】
具体的には、ブラシは全長に亘り一定の幅に形成されて、前記供給溝23の幅方向両側、及び製袋部10に近い側の前方を含む3方を囲むU字状に形成されている(図8に示す底面図参照)。すなわち、前記供給溝23を挟む両側に並行に対向する並行部28a,28aが、前方に向かうにつれて弧状に湾曲して徐々に接近し、前記供給溝23に交差する部分(前端部28b)で繋がって形成されている。
また、その後方側の仕切部材28は、テーブル25に固定された金属製のフレーム29によって閉じられており(図3参照)、これらの仕切部材28で仕切られた内側の空間は、上面開口した凹状を成している。
【0050】
なお、供給溝23は、テーブル25の全長に亘って設けられており、フレーム29の後方に位置する供給溝23は、蓋23bによって塞がれている。また、テーブル25は供給溝23を境に二分割されており、その分割された両テーブル25,25がスライドして供給溝23の幅が可変となっている。
【0051】
前記フレーム29を除く前方の仕切部材28は、そのブラシの毛の可撓性により弾力を持って前記テーブル25の上面に摺接し、環状に閉じられた仕切部材28の内側に多数の前記被包装物Sが保持できるようになっている。
なお、その仕切部材28の内側に多数の前記被包装物Sが保持できる限りにおいて、前記ブラシをテーブル25に摺接させずに、被包装物Sの外径以下のわずかな隙間をもって対向するようにしてもよい。
【0052】
前記フレーム27は、前記テーブル25に固定されたレール37,37に嵌るコロ27a,27aを介してスライド自在に支持されているので、前記フレーム27及びブラシからなる仕切部材28は、前記テーブル25に対して水平方向に揺動可能である。その揺動は、前記テーブル25上に設けたモータ36によって回転する回転部材36aにクランク36bの一端がピン接続されており、クランク36bの他端は前記フレーム27にピン接続されている。
【0053】
前記回転部材36aとクランク36bの一端との接続箇所は、前記モータ36の駆動軸の軸心から偏心して設けられているので、モータ36の駆動によりフレーム27及び仕切部材28は水平方向に往復運動を繰り返すように揺動する。この揺動により、前記フレーム27及びブ前記ラシからなる仕切部材28は、テーブル25に対して前記供給溝23の長さ方向に直交する方向に相対移動する。
【0054】
また、前記パレット25の上方に貯留槽30が配置される。貯留槽30は、取り付け部材30aを介して前記フレーム27と一体に設けられており、すなわち、前記フレーム27及び前記ブラシからなる仕切部材28と前記貯留槽30とは一体に揺動する。
【0055】
前記貯留槽30内に投入された前記被包装物Sは、その自重により、貯留槽30下部の排出口31から落下可能となっている。なお、必要に応じて前記排出口31に前記被包装物Sの落下を阻止する開閉機構を設けても良い。
【0056】
前記仕切部材28はこの貯留槽30の排出口31を囲んで設けられ、その排出口31が前記環状のフレーム27の開口部27dから下方に入り込んでいる。このため、その排出口31から落下した被包装物Sは仕切部材28の内側に溜まっていき、その滞留深さが所定の位置に達した際に、排出口31からの落下が止まるようになっている。
【0057】
また、前記貯留槽30の内部に撹拌棒32が設けられている。前記撹拌棒32は、その貯留槽30内で上下方向に設けられて、その上端32aが前記貯留槽30に水平に固定された回転自在の揺動軸33と一体に接続されている。
前記揺動軸33は、前記フレーム27等の相対移動方向と直交する方向に設けられ、その撹拌棒32の揺動方向は前記フレーム27等の相対移動方向と同方向となっている。
【0058】
前記揺動軸33は、前記貯留槽30外に伸びてその貯留槽30外の部分に、棒状の作動杆34が一体に接続されている。撹拌棒32及び作動杆34は、前記揺動軸33の軸心周り同一の方位に向けて接続されており、通常は、その撹拌棒32及び作動杆34の自重により鉛直下向きに位置している。
【0059】
その作動杆34は、テーブル25上に設けた固定のストッパ部材35によりその揺動が一定の範囲で規制されるようになっている。
ストッパ部材35の具体的構成は、図1乃至図4に示すように、両端部35a,35b間を直線状に結ぶスリット内に、前記作動杆34の先端が差し込まれており、作動杆34はそのスリット内をスムースに往復運動可能となっている。作動杆34は、前記フレーム27及び仕切部材28の揺動範囲における振幅方向中央位置(以下、「中立位置」という)において、前記スリットの長さ方向中央に位置している。
【0060】
前記フレーム27等とともに貯留槽30が水平方向に揺動すると、作動杆34は、前記中立位置から前記鉛直下向きの状態を維持しながら横移動する。作動杆34の横移動を続けると、その作動杆34の下端は、いずれストッパ部材35の一方の端部35aに当接する。その当接状態でさらに前記貯留槽30等が同一の方向に揺動すると、前記作動杆34が前記ストッパ部材35に拘束されることにより、図5に鎖線で示すように徐々に傾き、揺動軸33を介して一体の前記撹拌棒32も同方向に傾く。このため、撹拌棒32は貯留槽30内において前記揺動軸33周りに揺動し、すなわち貯留槽30の内壁に対して水平方向に相対移動することとなる。
【0061】
前記貯留槽30等が逆方向に揺動すると、作動杆34は前記中立位置に戻った後、前記鉛直下向きの状態を維持しながら横移動する。やがて、前記作動杆34の下端は、前記ストッパ部材35の他方の端部35bに当接する。その当接状態でさらに前記貯留槽30等が同一の方向に揺動すると、前記作動杆34が前記ストッパ部材35に拘束されることにより、図5に実線で示すように徐々に傾き、揺動軸33を介して一体の前記撹拌棒32も同方向に傾く。
このように貯留槽30が往復運動を繰り返せば、撹拌棒32により貯留槽30内の被包装物Sがほぐされ撹拌されるので、被包装物Sは円滑に排出口31から排出される(落下する)。なお、排出口31の下端縁31aとテーブル25の上面とは、所定の隙間を有して向かいあっている。
【0062】
この横型ピロー包装機の供給装置20の作用を説明すると、貯留槽30の排出口31から落下した多数の被包装物Sが、図6に示すように、幾層にも重なった状態で仕切部材28の内側に保持されている。
【0063】
モータ36の駆動により、回転部材36aが図6に示す矢印A方向に回転し、前記フレーム27等は、矢印B方向に緩やかに往復運動(揺動)を繰り返す。この往復運動により、仕切部材28内に保持された被包装物Sは、前記供給溝23の上を繰り返し横断する。
【0064】
このとき、テーブル25の下方では、供給チェーン21が一定の速度で回転を続けており、前記各押圧部材22はそれぞれ供給溝23内を等間隔を維持しながら移動している。 このため、前記搬送用凹部26は一定の速度で前記製袋部10に向かって移動しており、
その搬送用凹部26が、仕切部材28内から離脱するまでの間に、各搬送用凹部26内に それぞれ必要個数(三つ)の被包装物Sが直線的に整列した状態に収容される。
【0065】
このとき、前記供給溝23を挟む両並行部28a,28aは、前記製袋部10に近づくにつれて徐々に接近して前記供給溝23に交差する部分(図中に示す前端部28b参照)で繋がっているので、比較的前方(製袋部10に近い側)に位置する被包装物Sは、その先細りの両並行部28a,28a間に挟まれて供給溝23付近に呼び込まれやすい。このため、搬送用凹部26内に確実に被包装物Sが入り込むようにし得る。
【0066】
また、前記仕切部材28内に保持された被包装物Sのうち、前記仕切部材28を構成するブラシに当接する被包装物Sは、前記矢印B方向に押されてブラシとの間で圧縮力を受けるが、そのブラシが外側に弾力をもって変形することにより、被包装物Sが、砕けたり噛み込んだりすることが防止される。
【0067】
その後、前記搬送用凹部26内に収容された前記被包装物Sは、前記仕切部材28内から離脱し、その搬送用凹部26の移動とともに製袋部10に向かって搬送される。
【0068】
このとき、被包装物Sは、不揃いな形状及び寸法を有するものが混在しているので、例えば、やや小径の被包装物Sが含まれていると、単一の搬送用凹部26内に、前記必要個数よりも一つ多い四つの被包装物Sが収容されてしまう場合もある。この傾向は、被包装物Sの寸法等のばらつき度合いが大きくなるほど、あるいは、単一の搬送用凹部26内に収容すべき被包装物Sの必要個数が増えるほど顕著になる。
【0069】
このように単一の搬送用凹部26内に必要個数を超える被包装物Sが収容された場合、多くの場合、余分に収容された被包装物Sは他の被包装物Sよりも上方に突出する。搬送用凹部26は、必要個数の前記被包装物Sを収容した状態でその隣り合う被包装物S,S間、あるいは被包装物Sと押圧部材22の一端22a,他端22b間に幾分の隙間を有するが、必要個数よりも多い被包装物Sをぴったりと収容し得るほどの隙間は有していないからである。
【0070】
このため、この実施形態では、その必要個数を超えて収容された被包装物Sを除去するために、二種類の排出手段40を設けている。
【0071】
まず、前記仕切部材28内を離脱した直後のテーブル25上に、ノズル41aを備えている。ノズル41aには、気体供給部41から気体が供給されるようになっており、前記搬送用凹部26内に収容された前記被包装物Sのうち、所定高さ以上に突出する前記被包装物Sにのみ気体が噴射される高さに設定されている。気体噴射の操作は、被包装物Sの収容状態を目視により確認し、手動で気体の噴出を制御してもよいが、センサー等により所定高さ以上に突出する前記被包装物Sの存在を検知して、その検知信号に基づいて自動的に噴出させるようにしてもよい。
【0072】
また、そのノズル41aの前方に、当接部材42が設けられている。当接部材42は、下向きに多数の毛が植設されたブラシを備え、図3に示すように、前記供給溝23の長さ方向に対して斜め方向に配置されている。そのブラシの下端が、所定高さ以上に突出する前記被包装物Sに当たって、その被包装物Sを除去する。ブラシ以外の部材を用いてもよいが、被包装物Sを傷めないためにも、ゴムや軟質の樹脂など柔らかい素材であることが望ましい。
【0073】
前記ノズル41aから噴射される気体、あるいは、当接部材42に当たって除去された被包装物Sは、テーブル25上に固定された誘導板43a,43a間を通って排出部43に導かれる。
【0074】
この実施形態では、前記仕切部材28の一部が水平方向に揺動することにより、その一部の仕切部材28と前記テーブル25とを相対移動させたが、仕切部材28を全周に亘って全て固定として、テーブル25を揺動させる構成としてもよい。
【0075】
また、可撓性を有する仕切部材28の素材としてブラシ以外の素材、例えば、ゴム、スポンジ、軟質性の樹脂などを採用してもよい。ゴム、樹脂等を用いる場合は、変形容易な形状とすることが望ましく、例えば、フラットな板状の素材をその板面が上下方向を向くように前記フレーム27に固定してもよい。なお、フレーム27と仕切部材28とを一体に形成してもよい。例えば、ゴムや樹脂等であれば一体成形が容易である。
【0076】
また、仕切部材28の平面形状は、上記実施形態では図8に示す後方を開口するU字状としたが、例えば、コ字状又はC字状など他の形状としてもよい。また、前端部28bの形状を前方に向かうにつれて徐々に直線状に狭まるテーパー状としてもよい。
また、搬送用凹部26を囲む仕切部材28のうち、前記搬送用凹部26の移動方向前後の端部をテーブル25に固定した金属製のフレーム29で仕切り、前記供給溝23を挟む両側の並行部28a,28aを可撓性を有する素材として、そのフレーム29,29及び両並行部28a,28aにより仕切部材28を環状に形成する。そして、その両並行部28a,28aのみを、テーブル25に対して相対移動させる構成としてもよい。
【0077】
また、上記実施形態は、フレーム27及び仕切部材28等の揺動方向を、搬送用凹部26の移動方向に直交する構成としたが、搬送用凹部26の移動方向と同方向、あるいは搬送用凹部26の移動方向に対して斜め方向としてもよい。また、前述のように緩やかな揺動に代えて比較的周期の短い揺動、あるいはその緩やかな揺動に加えて加振手段による振動を加えてもよい。
このとき、可撓性を有する素材からなる仕切部材28は、その揺動方向(相対移動方向)に応じて、被包装物Sの噛み込みが生じ得る方位に設けることが望ましい。すなわち、その揺動(相対移動)によって被包装物Sが押し付けられる位置に、可撓性を有する素材からなる仕切部材28設けることが望ましい。
【符号の説明】
【0078】
1 包装材料(フィルム)
1a 下端縁(シール部)
1b 筒軸方向端部(シール部)
10 製袋部
11 ガイド
12 送りローラ
13 シールローラ
14,15 搬送用ベルト
16 切断装置
20 供給装置
22 押圧部材
23 供給溝
23a スリット
24 ガイド板
25 パレット(テーブル)
26 搬送用凹部
27 フレーム
28 仕切部材(ブラシ)
29 端部フレーム
30 貯留槽
31 排出口
32 撹拌棒
33 揺動軸
34 作動杆
35 ストッパ部材
40 排出手段
41 気体供給部
41a ノズル
42 当接部材
43 排出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横型ピロー包装機の製袋部10に被包装物Sを供給するために設けられ、前記被包装物Sを収容可能な搬送用凹部26が複数形成されたパレット25の前記各搬送用凹部26内に前記被包装物Sがそれぞれ収容されるとともに、前記搬送用凹部26が前記製袋部10に向かって移動することによりその搬送用凹部26内に収容した被包装物Sを前記製袋部10に供給する横型ピロー包装機の供給装置20において、
前記パレット25上に前記搬送用凹部26を囲む仕切部材28を設け、その搬送用凹部26を囲む仕切部材28の内側に複数の前記被包装物Sが保持され、少なくとも前記仕切部材28の一部と前記パレット25とを水平方向に相対移動可能とするとともに、前記相対移動する仕切部材28は可撓性を有する素材で形成されてその下端が前記パレット25上面に対向していることを特徴とする横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項2】
前記仕切部材28は、多数の毛が下向きに植設されたブラシであることを特徴とする請求項1に記載の横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項3】
前記パレット25の上方に貯留槽30を配置し、前記貯留槽30内に投入された前記被包装物Sを前記貯留槽30下部の排出口31から落下可能とするとともに、前記仕切部材28は前記排出口31を囲んで設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項4】
前記仕切部材28又は前記パレット25が水平方向に揺動することにより前記仕切部材28と前記パレット25とは相対移動するものであり、前記貯留槽30内に撹拌棒32を設け、その撹拌棒32を、前記仕切部材28又は前記パレット25の揺動に連動して貯留槽30内で揺動するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項5】
前記仕切部材28と前記貯留槽30とを一体に揺動するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項6】
前記撹拌棒32は前記貯留槽30内で上下方向に設けられて、その上端32aが前記貯留槽30に固定された回転自在の揺動軸33と一体に接続されて、前記撹拌棒32の揺動方向は前記仕切部材28及び貯留槽30の揺動方向と同方向となっており、前記揺動軸33は前記貯留槽30外に伸びてその貯留槽30外の部分に作動杆34が一体に接続されて、その作動杆34は固定のストッパ部材35によりその揺動が一定の範囲で規制されるようになっており、前記仕切部材28及び貯留槽30が水平方向に揺動すると作動杆34がストッパ部材35に当接し、その当接状態でさらに前記仕切部材28及び貯留槽30が同一の方向に揺動すると、前記作動杆34が前記ストッパ部材35に拘束されることにより、前記貯留槽30がその撹拌棒32に対して相対移動することを特徴とする請求項5に記載の横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項7】
前記パレット25に、前記製袋部10へ向かって直線状に伸びる供給溝23を設け、前記供給溝23内にその供給溝23の長さ方向に沿って一定の間隔で複数の押圧部材22が突出して設けられて、前記各押圧部材22が前記パレット25に対して前記長さ方向へ同一の速度で移動可能となっており、前記供給溝23内において、前記各押圧部材22のうち一の押圧部材22の前記移動方向一端22aと、その一の押圧部材22の前記一端22a側に隣接する他の押圧部材22の他端22bとの間を前記搬送用凹部26として、前記各押圧部材22の移動により前記搬送用凹部26を前記製袋部10に向かって移動させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項8】
前記供給溝23の長さ方向における前記搬送用凹部26の長さを可変としたことを特徴とする請求項7に記載の横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項9】
前記仕切部材28は、前記供給溝23を挟んで両側に対向する並行部28a,28aを備え、前記両並行部28a,28aと前記パレット25とを前記供給溝23の長さ方向に直交する方向に相対移動可能としたことを特徴とする請求項7又は8に記載の横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項10】
前記供給溝23を挟む両並行部28a,28aは、前記製袋部10に近づくにつれて徐々に接近して前記供給溝23に交差する部分で繋がることを特徴とする請求項9に記載の横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項11】
前記被包装物Sは球状を成すとともに不揃いな形状及び寸法を有する被包装物Sが混在して前記仕切部材28の内側に保持されており、前記搬送用凹部26内に収容された前記被包装物Sのうち所定高さ以上に突出する前記被包装物Sを前記搬送用凹部26内から除去する排出手段40を備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の横型ピロー包装機の供給装置。
【請求項12】
前記排出手段40は、前記搬送用凹部26内に収容された前記被包装物Sのうち所定高さ以上に突出する前記被包装物Sにのみ気体を噴射するノズル41aを備えることを特徴とする請求項11に記載の横型ピロー包装機の供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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