説明

横型ブラインドのラダーコード

【課題】
横型ブラインドの遮光性を向上させるため、スラット傾斜角度を直角に近付けることができるラダーコードを提供する。
【解決手段】
前後2本の縦紐とその前後紐の間を梯子状に渡る2本の横糸とからるラダーコードにおいて、横糸は、前側の縦紐の前面から出て後側の縦紐の後面に入ることにより前側縦紐から後側縦紐へ渡り、後側の縦紐の後面から出て前側の縦紐の前面に入ることにより後側縦紐から前側縦紐へ渡ることを特徴とする。。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横型ブラインドのスラットを吊り下げ支持するラダーコードに関する。
【背景技術】
【0002】
横型ブラインドは、ヘッドボックス内のスラット角度調整装置から垂下してスラット列を支持する2本以上のラダーコードを備える。ラダーコードは、前後2本の縦紐とその前後縦紐の間を梯子状に渡る横糸とからなり、その横糸は、スラット列の各段のスラットを支持する。スラット角度調整装置は、ラダーコードの前後の縦紐を相対的に上下にずらせてスラット角度を調整する。前後の縦紐に上下ずれがないとき、スラットは水平であり、スラット角度は0度である。前後の縦紐は相対的に上下にずれるに従い、相互に接近し、スラットは前方又は後方に傾斜する。スラットの前後幅は横糸の上下間隔よりも狭いから、横型ブラインドの遮光性は、スラットの傾斜角度が直角に近付くほど高くなる。
【0003】
従来のラダーコードは、図1に示すように、縦紐1、2は前後幅に比べて左右幅が狭い扁平な編紐である。2本の横糸3は浮き糸であり、前側の縦紐1の後面から出て後側の縦紐2の前面に入る。横型ブラインドで遮光するとき、図2に示すように、前後の縦紐1、2を相対的に上下にずらせて接近させ、スラット7を傾斜させる。このとき、遮光性を向上させるため、スラット傾斜角度を直角に近付けようとすると、横糸3の前側の屈曲部4は前側の縦紐1とスラット7の間に挟まれ、後側の屈曲部5はスラット7と後側の縦紐2の間に挟まれて共に反発し、横糸直線部6とスラット7と昇降コード8を間に挟持する前後の縦紐1、2の接近を阻み、スラット傾斜角度を直角に近付けることを妨げる。このように、従来のラダーコードは、遮光性の点において問題があった。
【特許文献1】特開2003−328664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その課題は、横型ブラインドの遮光性を向上するため、スラット傾斜角度を直角に近付けることができるラダーコードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するため、本発明が採用する手段は、前後2本の縦紐とその前後縦紐の間を梯子状に渡る2本の横糸とからるラダーコードにおいて、横糸を、前側の縦紐の前面又は側面から出して後側の縦紐の後面又は側面に入れることにより前側の縦紐から後側の縦紐へ渡し、後側の縦紐の後面又は側面から出して前側の縦紐の前面又は側面に入れることにより後側の縦紐から前側の縦紐へ渡すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のラダーコードは、上記手段により、横糸の前側の屈曲部は前側の縦紐の前面又は側面に、後側の屈曲部は後側の縦紐の後面又は側面にそれぞれ位置し、いずれも、スラットに押されて反発することはないから、前後の縦紐は、間にスラットと横糸直線部と昇降コードを挟持して相互に十分接近する。その結果、スラットの傾斜角度は直角に近付き、横型ブラインドの遮光性は向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のラダーコードにおいて、横糸を縦紐の側面に出入させる場合、縦紐は前後幅に比べて左右幅が狭い扁平な紐とし、横糸を縦紐の側面に出入させる場合、縦紐は前後幅に比べて左右幅が広い扁平な紐とすることが好ましい。
【実施例】
【0008】
本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。図3は、本発明ラダーコードの実施例の要部を示す斜視図、図4は、図3のラダーコードによるスラットの傾斜状態を示す図、図5は、別の実施例の要部を示す斜視図、図6は、図5のラダーコードによるスラットの傾斜状態を示す図である。
【0009】
図3に示すように、ラダーコードは、前後2本の縦紐1a、2aと、その間を梯子状に渡る横糸3aとからなる。前後の縦紐1a、2aは前後幅に比べて左右幅が狭い前後方向に扁平な編紐である。2本の横糸3aは浮き糸であり、前側の縦紐1aの前面から出て後側の縦紐2aの後面に入ることにより、前側の縦紐1aから後側の縦紐2aに渡る。ついで、後側の縦紐2a内を縦方向に波形に通る。次に、後側の縦紐2aの後面から出て前側の前面に入ることにより、後側の縦紐2aから前側の縦紐1aに渡る。
【0010】
図4に示すように、スラット傾斜角度を直角に近付けてブラインドの遮光性を向上させるため、前後の縦紐1a、2aを相対的に上下にずらせて相互に接近させるとき、横糸3aの前側の屈曲部4aは前側の縦紐1aの前面にあり、後側の屈曲部5aは後側の縦紐2aの後面にあり、いずれも、スラット7に押されて反発することはないから、前後の縦紐1a、2aは、横糸3aの屈曲部4a、5aに妨害されずに、横糸直線部6a、スラット7、昇降コード8を間に挟持して相互に十分接近する。その結果、スラット傾斜角度は直角に近付き、遮光性は著しく向上する。
【0011】
図5に示すラダーコードの前後の縦紐1b、2bは前後幅に比べて左右幅が広い左右方向に扁平な編紐である。2本の横糸3bは浮き糸であり、一方は、前側の縦紐1bの左側面から出て後側の縦紐2bの左側面に入ることにより、前側の縦紐1bから後側の縦紐2bに渡る。ついで、後側の縦紐2b内を縦方向に波形に通る。次に、後側の縦紐2bの左側面から出て前側の縦紐1bの左側面に入ることにより、後側の縦紐2bから前側の縦紐1bに戻る。横糸3bの他方は、前側の縦紐1bの右側面から出て後側の縦紐2bの右側面に入ることにより、前側の縦紐1bから後側の縦紐2bに渡る。ついで、後側の縦紐2b内を縦方向に波形に通る。次に、後側の縦紐2bの右側面から出て前側の縦紐1bの右側面に入ることにより、後側の縦紐2bから前側の縦紐1bに戻る。
【0012】
図6に示すように、スラット傾斜角度を直角に近付けてブラインドの遮光性を向上させるため、前後の縦紐1b、2bを相対的に上下にずらせて相互に接近させるとき、横糸3bの前側の屈曲部5bは前側の縦紐1aの側面にあり、後側の屈曲部6bは後側の縦紐2の側面にあり、いずれも、スラット4に押されて反発することはないから、前後の縦紐1b、2bは、横糸3bの屈曲部5b、6bに妨害されずに、横糸直線部6b、スラット7、昇降コード8を間に挟持して相互に十分に接近する。その結果、スラット傾斜角度は直角に近付き、遮光性は著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来例ラダーコードの要部を示す側面図、
【図2】従来例によるスラットの傾斜状態を示す図、
【図3】本発明実施例ラダーコードの要部を示す斜視図、
【図4】図3のラダーコードによるスラットの傾斜状態を示す図、
【図5】別の実施例の要部を示す斜視図、
【図6】図5のラダーコードによるスラットの傾斜状態を示す図。
【符号の説明】
【0014】
1、1a、1b:縦紐(前側)
2、2a、2b:縦紐(後側)
3、3a、3b:横糸
4、4a、4b:屈曲部(前側)
5、5a、5b:屈曲部(後側)
6、6a、6b:直線部
7:スラット
8:昇降コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後2本の縦紐とその前後縦紐の間を梯子状に渡る2本の横糸とからるラダーコードにおいて、前記横糸は、前側縦紐から後側縦紐へ渡るとき、前側の縦紐の前面から出て後側の縦紐の後面に入り、後側縦紐から前側縦紐へ渡るとき、後側の縦紐の後面から出て前側の縦紐の前面に入ることを特徴とする横型ブラインドのラダーコード。
【請求項2】
縦糸は、前後幅に比べて左右幅が狭い前後方向に扁平な編紐であることを特徴とする請求項1に記載の横型ブラインドのラダーコード。
【請求項3】
前後2本の縦紐とその前後縦紐の間を梯子状に渡る2本の横糸とからるラダーコードにおいて、前記横糸は、前側縦紐から後側縦紐へ渡るとき、前側の縦紐の側面から出て後側の縦紐の側面に入り、後側縦紐から前側縦紐へ渡るとき、後側の縦紐の側面から出て前側の縦紐の側面に入ることを特徴とする横型ブラインドのラダーコード。
【請求項4】
横糸の一方は、前側縦紐から後側縦紐へ渡るとき、前側の縦紐の左側面から出て後側の縦紐の左側面に入り、後側縦紐から前側縦紐へ渡るとき、後側の縦紐の左側面から出て前側の縦紐の左側面に入り、他方は、前側縦紐から後側縦紐へ渡るとき、前側の縦紐の右側面から出て後側の縦紐の右側面に入り、後側縦紐から前側縦紐へ渡るとき、後側の縦紐の右側面から出て前側の縦紐の右側面に入ることを特徴とする請求項3に記載の横型ブラインドのラダーコード。
【請求項5】
縦糸は、前後幅に比べて左右幅が広い左右方向に扁平な編紐であることを特徴とする請求項3又は4に記載の横型ブラインドのラダーコード。
















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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