説明

横断方向フラックス誘導加熱装置及び補償装置

【課題】 工作物のエッジ部分の過熱を低減させ且つ同ショルダー部分の誘導加熱量を増大させる、横断方向フラックス誘導加熱装置の誘導コイル形態又は誘導コイルで使用する補償装置の何れかに対する需要を満たす横断方向フラックス誘導加熱装置及び補償装置を提供することである。
【解決手段】 導電性及び磁性(受動)の連結補償装置30が導電性材料32と磁性材料34とを使用し、エッジ部分でのオーバーヒート誘起を防止すると共にショルダー部分での誘導加熱量を増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2006年3月29日付の米国仮出願特許番号第60/787,020号の優先権の利益を主張するものである。本発明は横断フラックス誘導加熱コイル及び補償装置に関し、詳しくは、導電性材料のシート又はストリップの断面を一様に加熱するために使用するそうした横断方向フラックス誘導加熱コイル及び補償装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の代表的な横断方向フラックス誘導装置は一対の誘導コイルを含み、これら一対のコイル(以下、コイル対)の間に被誘導加熱材料を配置する。例えば図1ではコイル対が、例えば矢印方向で表す方向でコイル対を貫いて連続移動する金属ストリップである工作物90の上下に各々配置したコイル101及び103を含む。方向付け用の三次元直交空間を図1に示すようにX、Y、Zの各軸により画定すると、ストリップはZ軸方向に移動することになる。コイル対間の間隙gc又は開口は、図では明瞭化のために拡大表示されているが、図示されるストリップの横断方向長さは一定である。コイル101の端子101a及び101bと、コイル103の端子103a及び103bとは、図示するように1つ以上の好適なAC電源(図示せず)に接続され、その際、電流は瞬間的に複数化される。各コイルを通して流れる電流が、代表的なフラックスライン105により例示するような(点線で表す)共通の磁気フラックスを発生させる。共通の磁気フラックスはストリップを垂直方向に貫いて送られ、ストリップの平面に渦電流を発生させる。例えば、積層体またはその他の、高透磁率の低抵抗性材料である磁気フラックス収集器117(図ではコイル101の周囲にその一部を示す)を使用して、磁界をストリップに配向させ得る。誘導加熱を効率化するAC電流周波数(ヘルツ数でのf)は以下の式で表される。
f=2×106(ρgc2s
【0003】
ここで、ρはΩ・mでの電気抵抗測定値、gcはmでの各コイル間間隙(開口)寸法、τはmでの各コイルの極ピッチ(ステップ)間距離、dsはmでのストリップ厚である。
横断方向フラックス誘導装置を使用してストリップを電気誘導加熱する場合に、ストリップ断面の横断方向(X軸に沿って)の誘導加熱温度を一定にすることは、従来より解決すべき課題とされてきている。図2は、図1の構成下に、各コイルの極ピッチが比較的短く、相当する周波数が上記式に基づいて低くなる場合での、ストリップ断面の加熱プロファイルの代表例を表す。図2のX軸はストリップの標準化断面座標であり、ストリップの中心が0.0、ストリップの対向する各エッジ部分が+1.0及び−1.0、の各座標位置に示され、Y軸はストリップの誘導加熱により達成される標準化温度座標であり、標準化温度1.0が、ストリップの中間領域111を横断する全体に一様に加熱された温度を表している。ストリップの断面誘導温度は、ストリップの各エッジ部分に近い領域113(ショルダー部分と称する)では標準化温度1.0より低くなり、ストリップのエッジ部分115では標準化温度1.0よりも高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮出願特許番号第60/787,020号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
工作物のエッジ部分の過熱を低減させ且つ同ショルダー部分の誘導加熱量を増大させる、横断方向フラックス誘導加熱装置の誘導コイル形態又は誘導コイルで使用する補償装置の何れかに対する需要を満たす横断方向フラックス誘導加熱装置及び補償装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1様相によれば、シート又はストリップ形態の導電性工作物を電気誘導加熱するための装置及び方法が提供される。横断方向フラックス誘導加熱装置が、工作物における対向する各側部方向に、反転状態で折り曲げたヘッドセクションを夫々含む同一コイルの対を含み、各コイルは組み立て状態では、工作物を誘導加熱する磁界を発生する、全体にO字形状の構造形態を、工作物の各側の上部に有効裡に形成する形態を有する。
本発明の他の様相によれば、横断フラックス電気誘導装置を使用してシート又はストリップ形態の導電性の工作物を電気誘導加熱するための装置及び方法であって、連結型フラックス補償装置を使用して、エッジ部分の誘導加熱量を低減し且つショルダー部分の誘導加熱量を増大させる前記装置及び方法が提供される。
本発明の他の様相によれば、横断フラックス電気誘導装置を使用してシート又はストリップ形態の導電性工作物を電気誘導加熱するための装置及び方法であって、能動式及び受動式の連結補償装置を使用する前記装置及び方法が提供される。
能動式の連結補償装置は工作物のエッジ部分の誘導加熱量を低減させ、受動式の連結補償装置は同ショルダー部分の誘導加熱量を増大させる。
【発明の効果】
【0007】
工作物のエッジ部分の過熱を低減させ且つ同ショルダー部分の誘導加熱量を増大させる、横断方向フラックス誘導加熱装置の誘導コイル形態又は誘導コイルで使用する補償装置の何れかに対する需要を満たす横断方向フラックス誘導加熱装置及び補償装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来の横断方向フラックス誘導装置の構成の例示図である。
【図2】図1に示す横断方向フラックス誘導装置構成の代表的な断面誘導加熱特性を示すグラフである。
【図3a】本発明の横断方向フラックス誘導加熱装置の一例の平面図である。
【図3b】図3aの横断方向フラックス誘導加熱装置を含む2つのコイルの一方の平面図である。
【図3c】図3aに示す横断方向フラックス誘導加熱装置が工作物の一側の上部で全体にO字形を有効裡に形成する状況の平面図である。
【図3d】図3aに示す横断方向フラックス誘導加熱装置を線A−Aに沿って切断した断面図である。
【図3e】図3aに示す横断方向フラックス誘導加熱装置を線B−Bに沿って切断した断面図である。
【図4a】本発明の連結型フラックス補償装置の一例を示す斜視図である。
【図4b】横断方向フラックス誘導加熱装置を使用する、図4aに示す補償装置の斜視図である。
【図5a】本発明の、能動式及び受動式の連結補償装置の一例の平面図である。
【図5b】図5aを線C−Cに沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
同じ参照番号は同じ要素を表す図面を参照して説明するに、図3a〜図3cには本発明の横断方向フラックス誘導加熱装置の一例が示されている。図3aに示すように組み立てられた本装置は、導電性の工作物であるストリップ90の対向する各側に関して配向した同一の第1コイル12及び第2コイル14を含む。工作物は、例えば、各コイル間を通過する金属シート又は金属ストリップ(以下、ストリップ)であり得る。図3bは、ストリップの一方のエッジ部分を越えて折り曲げて(反対側に)反向させたヘッドセクションを有する。2つのコイルを工作物の対向する各側に関して図3aに示すように組み立てると、以下に詳しく説明するように、横断方向コイルセクション対と、対向するヘッドコイルセクションとから各々形成される図3cに例示するようなO字形のコイル部分が、工作物の各側面に関して有効裡に形成される。
【0010】
図3a及び図3bを参照するに、コイル12が、ストリップの第1側の上部を横断方向に伸延する一対の横断方向セクション12a及び12bを含んでいる。弓状セクション12c及び12dが、図示されるように横断方向セクションの各端部に連結され、コイルの2つのヘッドセクションの、ストリップの第1側を覆う一方を形成する。横断方向延長セクション12e及び12fがストリップの第1エッジ部分を越えて伸延される。ライザセクション12g及び12hがその一端において、図示されるように横断方向延長セクションの各端部に連結される。ライザセクションの対向する各端部はストリップの第2側に隣り合って位置付けられると共に、その一端が、逆向きの横断方向延長セクション(以下、横断方向逆向延長セクションとも称する)12j及び12kの各端部に図示されるように連結される。横断方向逆向延長セクションは、ストリップの第2側を覆ってストリップの第1エッジ部分方向に伸延する。弓状セクション12mは横断方向逆向延長セクションの各端部を相互に連結すると共に、コイルの2つのヘッドセクションの内の、ストリップの第2側を覆う一方を形成する。
【0011】
コイル14は同様に、横断方向セクション14a及び14bと、弓状セクション14c及び14dと、横断方向延長セクション14e及び14fと、ライザセクション14g及び14Hと、横断方向逆向延長セクション14j及び14kと、弓状セクション14mと、から構成される。この非限定的実施例ではコイル12及び14の極ピッチτは同じである。
図3d及び図3eにはストリップの対向する各エッジ部分位置でのコイルセクションの方向を示す側方断面を示す。本発明のある実施例では、コイル12及び14の極ピッチはこれらコイルのライザセクション対(12g及び12h又は14g及び14h)間の角度を変化することにより変更し得る。これらの実施例では、ライザセクション対と、横断方向延長セクション及び横断方向逆向延長セクションとの間に可撓性の電気連結部を設けることができる。
【0012】
図示しない1つ以上の電源から、好適な接続部を経てコイル12の端子16a及び16bと、コイル14の端子18a及び18bとにAC電力を好適に供給する。各コイルを通して流れる電流の瞬間的方向を、コイル12では“1”で、コイル14では“2”に夫々関連する矢印で示す。
本発明では、隣り合う横断方向延長セクションと、隣り合うライザセクションと、隣り合う横断方向逆向延長セクションとは、コイル12及び14の隣り合う各セクションを通して流れる電流によって生ずる磁界が、図3aに電流流れ矢印でダイヤグラム表示したように相互に実質的にキャンセルされるような形態とされる。ストリップの対向する各側の上部の横断方向延長セクション及びヘッドセクションとを流れる電流が、ストリップを直交方向に貫く共通磁気フラックスを発生させ、かくしてストリップを誘導加熱する渦電流をストリップ平面内に誘起させる。
【0013】
コイル12及び14は銅のような好適な導電体の単一片から各々一体形成され得、あるいは何れかのコイルの2つ以上のセクションを別個に形成したものを相互に連結し得る。例えば、積層体又はその他の、高透磁率を有する如き低抵抗性材料である図示しない磁気フラックス集中器を、コイルの周囲に位置付けて磁界をストリップ方向に差し向けることができる。
本発明のある実施例では、コイル12及び14の何れか又は両方を色々の幅寸法のストリップを収受するべく、又はストリップの幅方向のウィーヴィング(weaving)に追随させるべく、X軸方向に移動(摺動)させ得る。
【0014】
本発明の他の実施例では、横断方向の各コイルは工作物の横断方向セクション(X軸方向)に関してスキューされ得る。本発明では、各コイル12及び14のヘッドセクションは全体に弓形であるが、形状的制約はなく、これに限定しないが、例えば半円形でもあり得る。各コイル12及び14は、本明細書では単巻コイルとしてダイヤグラム表示されるが、これに限定しないが、多重巻きコイル又は、直列、並列、又はそれらの組み合わせ形態のコイルのようなその他構成のものであり得る。要するに、本発明の誘導コイルの一例ではコイルの横断方向セクション対(12a及び12b又は14a及び14b)は相互に実質的に平行であり且つ実質的に同じ平面内に存在する。弓状セクション対(12c及び12d又は14c及び14d)はそれらの各第1端部が、図3aに示すように横断方向セクション対の各々の隣り合う第1端部に連結され、横断方向セクション対の各横断方向セクションと実質的に同じ平面内に存在する。横断方向延長セクション対(12e及び12f又は14e及び14f)は、その各第1端部が、図3aに示すように弓状セクション対の各々の第2端部に連結される。
【0015】
ライザセクション対(12g及び12h又は14g及び14h)は、その各第1端部が、図3aに示すように横断方向セクション対の各々の第2端部に連結され、横断方向セクション対の各々の平面から離間する方向に伸延される。図3d及び図3eに最も良く示されるように、ライザセクション対の各々の第2端部は、各ライザセクション間に或る角度が形成されるように各ライザセクションの第1端部から離れる方向に大きく拡開される。横断方向逆向延長セクション対(12j及び12kまたは14j及び14k)は、その各第1端部がライザセクション対の各々の第2端部に連結され且つ横断方向セクション対の各々の平面と実質的に平行な平面内にあり、且つ横断方向セクション対の方向に伸延される。閉鎖弓状セクション(12m又は14m)は、その対向する各端部が横断方向逆向延長セクションの各々の第2端部に連結される。誘導加熱装置は、先に説明した2つの誘導コイルの第2コイル14において、第1コイル12の下方の第2コイルの閉鎖弓状セクション14mを、これら第1及び第2の各コイル間のストリップ90の一方のエッジ部分に近接する状態下に、第1コイル12の横断方向セクション対(12a及び12b)間に配向することにより形成され得る。ストリップ90の他方のエッジ部分に近接する状態下に、図3aに示すように、第1コイルの閉鎖弓状セクション12mが第2コイルの横断方向セクション対(14a及び14b)間に配向される。
【0016】
上述した横断方向フラックス誘導加熱装置は、図1に示す従来の横断方向フラックス誘導装置の改良型となるものである。図1の従来装置の各エッジ部分及びショルダー部分における誘導加熱特性は、当該従来装置に本発明の補償装置の1つを連結することにより改善され得る。本発明の連結型フラックス補償装置の一例は、図4aに示す、導電性及び磁性(受動)の連結補償装置30である。導電性材料32と磁性材料34とを使用することにより、エッジ部分でのオーバーヒート誘起を防止すると共に、ショルダー(膝)部分での誘導加熱量を増大することで、図2に例示した従来状況が克服される。図4aの構造要素99、案内ブロック98、側方インサート97a、センターインサート97bは、導電性及び磁性の各材料を含む非限定例を表すものであり、導電性材料はフラックスシールドとして作用し、磁性材料はフラックス集中体として作用する。
【0017】
導電性材料は、例えば、2次元配置した銅プレートであり得、磁性材料は、例えば、2次元配置した、鉄配合物から形成したブロックであり得る。導電性及び磁性の連結補償装置30は、横断方向フラックスコイルを番号103として点線で表した図4bに示されるように、横断方向フラックス誘導装置とストリップとの間に組み込み得る。導電性材料は全体的に、ストリップ(図4bには明瞭化のために示されないので図1及び図2を参照されたい)のエッジ部分115を超えて位置決めされる。一般に、導電性材料32はコイルのヘッド部分(ストリップのエッジ部分)に近い側の第1端部(w1)が幅広であり、反対側の、磁性材料の縁部に隣り合い且つストリップのショルダー部分に近い側の第2端部(w2)が狭幅であり、かくしてコイルのヘッド部分の周囲に好適なシールド作用を提供する。磁性材料は全体的にストリップのショルダー部分113を覆って位置決めされる。図4bに更に示されるように、受動式の連結補償装置は、横断方向フラックス誘導装置を構成するコイル対を通して移動する際のストリップ幅の変化又はストリップの側方揺れの補償作用を最適化するために移動し得るよう、コイルの横断方向(X軸方向)に沿って可動取り付けされ得る。この非限定的構成ではコイル103は、インサート側方溝96a及びインサートセンター溝96bを含むエンクロージャー94内に配置される。側方インサート97a及びセンターインサート97bとが図示の如く受動式の連結補償装置に取り付けられ、夫々インサート側方溝96a及びインサートセンター溝96b内に挿通され、かくして受動式の連結補償装置はコイルの横断方向に摺動可能となる。受動式の連結補償装置を、コイルと横断方向に整合し続けられるように助成するガイドブロック98を設け得る。構造要素99が、磁性材料用のハウジングと、この磁性材料を導電性材料に取り付ける方法とを提供し得る。
【0018】
図5a及び図5bには、その間部分にストリップ90を位置付けて成る図1に示す横断方向フラックス誘導コイル101及び103と共に使用可能な、本発明の能動式及び受動式の連結補償装置40の一例を例示する。この非限定例では能動式の連結補償装置は、ストリップの各エッジ部分に隣り合って位置付けた一対の導電体であるコイル42a及び42bを含む。各コイルは、横断方向フラックス誘導コイル101及び103にAC電力を供給する電源又は、そうしたAC電源と同じ周波数で運転される1つ以上のAC電源に接続される。電源は、例えば、コイル42a用の端子42a’及び42a”位置で、及びコイル42b用の端子42b’及び42b”位置で接続され得る。コイル42a及び42bの周囲に発生する磁界が、ストリップ内に誘起される電流(コイル101及び103内を流れる電流により発生する磁界からの)をストリップのエッジ部分から引き離し、かくして先に説明したエッジ部分のオーバーヒートを前もって減少させる。この非限定例では受動式の連結補償装置は、U字形の2つの、受動式の連結補償装置44を含み、図5a及び図5bに示すように、各連結補償装置44はコイル101及び103間でストリップの各エッジ部分の周囲に位置付けられ、図示した如く、U字形の導電要素の各脚部に連結した磁性要素44b(例えば鉄の積層体)と、この磁性要素に組み合わせた導電性要素44a(例えば銅)とを含んでいる。本発明のこの非限定例ではU字形の受動型補償装置44は、ベース部と、受動型補償装置44における、導電性要素44aを含む上方脚部セグメントと、磁性要素44bを含む下方脚部セグメントとを含み、ストリップのエッジ部分の周囲に位置付けた導電性要素がストリップのエッジ部分における誘導加熱量を低減させ、ストリップのショルダー部分の略上部及び下部に位置付けた磁性材料がストリップのショルダー部分における誘導加熱量を増大させる。この非限定例では、U字形の受動型補償装置44は図示したように導電体、即ちコイル42a及び42bの周囲に嵌着される。能動式及び受動式の連結補償装置40は、コイル間を通過するストリップ幅の変化時に、又はストリップの側方揺れ時に補償装置をストリップのエッジ部分に関して(X軸方向で)離間又は接近させる好適な作動機械(アクチュエーター)に連結することができる。
【0019】
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0020】
12a、12b、14a、14b 横断方向セクション
12c、12d、14c、14d 弓状セクション
12e、12f、14e、14f 横断方向延長セクション
12g、12h、14g、14h ライザセクション
12j、12k、14j、14k 横断方向逆向延長セクション
12m、14m 閉鎖弓状セクション
12 第1コイル
14 第2コイル
16a、16b、18a、18b 端子
30 導電性及び磁性(受動)複合補償装置
32 導電性材料
34 磁性材料
40 能動式及び受動式の連結補償装置
42a’、42a”、42b’、42b” 端子
42a、42b コイル
44a 導電性要素
44b 磁性要素
44 受動型補償装置
90 ストリップ、工作物
94 エンクロージャー
96a インサート側方溝
96b インサートセンター溝
97a 側方インサート
97b センターインサート
98 ガイドブロック、案内ブロック
99 構造要素
101、103 コイル
113 ショルダー部分
115 エッジ部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断方向フラックス誘導コイル対を用いてストリップを誘導加熱する連結型フラックス補償装置であって、
第1端部及び該第1端部と対向する第2端部を有する導電性材料にして、平面方向に配置され且つ第1端部が第2端部より短い導電性材料と、
少なくとも部分的に導電性材料と平行且つ隣り合う平面内にあり且つ導電材料の第1端部に隣り合う状態で平面方向に配置した磁性材料と、
を含む連結型フラックス補償装置。
【請求項2】
横断方向フラックス誘導コイルのヘッド部分の周囲に発生する磁気フラックスを制御するための方法であって、
第1端部及び該第1端部と対向する第2端部を有する導電性材料にして、平面方向に配置され且つ第1端部が第2端部よりも短い導電性材料と、少なくとも部分的に導電性材料と平行且つ隣り合う平面内にあり且つ導電材料の第1端部に隣り合う状態で平面方向に配置した磁性材料とから連結型フラックス補償装置を形成すること、
該連結型フラックス補償装置の前記平面方向に配置した導電性材料の第2端部を、横断方向フラックス誘導コイルのヘッド部分を覆い且つ前記平面方向に配置した導電性材料の第1端部よりも接近して配置し、かくして、前記連結型フラックス補償装置の上方のストリップのエッジ部分及びショルダー部分を前記平面方向に配置した導電性材料を覆うように位置付けること、
を含む方法。
【請求項3】
連結型フラックス補償装置を、横断方向フラックス誘導コイルの横断方向に沿って摺動させることにより、ストリップのエッジ部分及びショルダー部分の移動を補償させることを更に含む請求項2の方法。
【請求項4】
連結型フラックス補償装置をフレーム内に配置することを更に含む請求項2または3の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの誘導加熱用電源に接続した横断方向誘導コイル対間のストリップを誘導加熱するための能動式及び受動式の連結補償装置であって、
導電体対にして、各導電体がストリップの対向する各エッジ部分に隣り合って配置され、前記少なくとも1つの誘導加熱用電源の周波数と実質的に同じ周波数で動作する電源に接続した導電体対と、
各一方の導電体の周囲を伸延するU字形の補償装置にして、各補償装置のベース部分及び上方脚部分を導電性材料から形成し、下方脚部分を磁性材料から形成した補償装置と、
を含む能動式及び受動式の連結補償装置。
【請求項6】
オペレーターが、能動式及び受動式の連結補償装置を移動させてストリップのエッジ部分に関して接近又は離間させる請求項5の能動式及び受動式の連結補償装置。
【請求項7】
ストリップの誘導加熱方法であって、
少なくとも1つの誘導加熱用電源に接続した横断方向誘導コイル対間にストリップを通すこと、
ストリップの対向する各端部に隣り合う各位置に、少なくとも1つの誘導加熱電源の周波数と実質的に同じ周波数で作動する電源に接続した誘電体及び、各一方の導電体の周囲を伸延するU字形の補償装置にして、各補償装置のベース部分及び上方脚部分を導電性材料から形成し、下方脚部分を磁性材料から形成した補償装置、を夫々配置すること、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【公開番号】特開2012−195316(P2012−195316A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160741(P2012−160741)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2009−503273(P2009−503273)の分割
【原出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(591029943)インダクトサーム・コーポレイション (22)
【氏名又は名称原語表記】INDUCTOTHERM CORPORATION
【Fターム(参考)】