説明

横走流式石灰炉の構造

【課題】
横走流式石灰炉用格子煉瓦は構造が複雑で耐熱強度を必要とするためハイアルミナなどの耐熱強度のある格子煉瓦を使用する必要があり、高価で重量も重く工事費も嵩むという課題がある。
【解決手段】
耐熱煉瓦に代えて耐熱性があり強度も強いファインセラミックを使用することにより、格子部をルーバー型に変更でき分割した小さい部品を組み立てて構造物に仕上げることで重量を軽くし工事期間の短縮をはかることが可能となり石灰炉全体のコストダウンが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
日本における最も豊富な資源は石灰石であり、現在使用されている石灰石を焼成するための石灰炉はその方式の種類において世界でも有数である。
【背景技術】
【0002】
石灰炉は高温ガスを扱うため耐火煉瓦が使用され、石灰炉の方式により構造は異なるもののその耐火煉瓦は形状が複雑で材料費を含めた煉瓦工事費が石灰炉本体コストの大半を占めている。
【0003】
特に従来の横走流式石灰炉は、格子煉瓦壁を平行に直立させその間に石灰石を充填するため格子煉瓦に石灰石の側圧に耐える強度を持たす必要がありこの格子煉瓦だけでも相当の費用を要する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
格子煉瓦は強度の強い材質の煉瓦を使用し、しかも多種形状の煉瓦を組み合わせて積み上げるため重量が重く手間がかかり煉瓦工事費が嵩むし損傷した煉瓦の補修にも時間と費用がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するための請求項1の発明は、高温でも強度が強いファインセラミックを使うことにより重量を軽くすることができ、細かくブロック化して夫々を嵌め込み構造とすることで容易に組み立てが可能となり工事期間の短縮やコストダウンを図ることができる。
【0006】
請求項2の発明は、格子煉瓦の場合は高い支柱に均等にかかる石灰石側圧をアーチ煉瓦を介して石灰炉本体の側壁に伝え側壁支柱で持たせているが相対する支柱間にセラミック板のステーを設けることで互いにかかる石灰石の側圧を相殺させて支柱にかかる転倒モーメントの影響をなくし支柱の重量の低減を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明により組み立てが簡単かつ軽量で安価な横走流式石灰炉を建設することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の石灰炉に関する実施の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために説明するものであり、特に指定しない限り、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0009】
図1は、鋼鉄製の直方体内面に耐火断熱煉瓦11を内張りした空間に炭化珪素製のルーバー壁を平行に直立させて形成された石灰石充填層を示し、そのルーバー壁は支柱01、ルーバー02、継手03およびステー04よりなり石灰石はルーバー壁間に充填され、焼成用ガスがルーバー02を通って流入し相対するルーバー02を通って流出する間に焼成される。
【0010】
図2は、ルーバー壁を分解した部品の一つである支柱01を示す。
【0011】
図3は、石灰石のこぼれを防止するためのルーバー02を示し、両端の突起を支柱01に差込み固定される。
【0012】
図4は、支柱01を繋ぐための継手03を示す。両側に支柱01の倒れを防止するためのステー04を差し込むためのスリットを刻んでいる。
【0013】
図5は支柱01を繋ぐステー04を示す。石灰石の側圧による支柱01の倒れを防止する働きをする。
【産業上の利用可能性】
【0014】
横走流式石灰炉の格子煉瓦をセラミック製ルーバーに変更することで、横走流式石灰炉のコストダウンを計ると共に現場工事期間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ファインセラミック製ルーバー壁を示す横走流式石灰炉の内部構造図である。
【図2】ファインセラミック製支柱の外形図である。
【図3】ファインセラミック製ルーバーの外形図である。
【図4】ファインセラミック製継手の外形図である。
【図5】ファインセラミック製ステーの外形図である。
【符号の説明】
【0016】
01 支柱
02 ルーバー
03 継手
04 ステー
11 耐火断熱煉瓦



【特許請求の範囲】
【請求項1】
石灰石充填層に対し石灰石焼成用ガスをクロスフローさせる所謂横走流式石灰炉におけるガスの流入、流出のための格子を炭化珪素などのファインセラミック製のルーバー型とし、支柱、ルーバー、ステー、継手を夫々のブロックに細分しそれ等を嵌め合わせすることで石灰石充填層を形成することを特徴とする請求項1記載の横走流式石灰石炉。
【請求項2】
支柱かかる充填層内の石灰石側圧を支柱間にステーを設けることにより側圧のバランスをとり高い支柱にかかる側圧による転倒を防止することを特徴とする請求項1記載の横走流式石灰炉。



















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−161390(P2009−161390A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67(P2008−67)
【出願日】平成20年1月4日(2008.1.4)
【出願人】(302070534)有限会社アイエンジ (12)
【Fターム(参考)】