説明

樹脂シート

【課題】表面にエンボス加工が施されており、ロール状に巻回した際のロール端面における色味が生じ難い樹脂シートを得る。
【解決手段】片面に略ピラミッド状の多数の凸部がエンボス加工により形成されている合成樹脂からなる樹脂シートであって、積分球付き分光光度計により測定された上記エンボス加工された面から入射した光の全光線透過率が75%〜78%の範囲にあり、かつ分光光度計により測定されたエンボス加工された面の5度鏡面反射率が0.4%〜0.5%の範囲にある、樹脂シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、太陽電池の太陽電池素子と透明保護部材とを接着するのに用いられる樹脂シートに関し、より詳細には、片面にエンボス加工が施されている樹脂シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な用途において、片面にエンボス加工により凹凸が付与された樹脂シートが用いられている。例えば、下記の特許文献1には、エンボス加工により多数のピラミッド状の凸部が設けられた太陽電池用接着シートが開示されている。特許文献1では、この太陽電池用接着シートを用いて、太陽電池モジュールを組み立てている。具体的には、まず、太陽電池素子の上面及び下面に太陽電池用接着シートを積層する。上方の太陽電池用接着シートの上面に上部透明保護部材を積層する。下方の太陽電池用接着シートの下面に下部基板保護部材を接着する。このようにして得られた積層体を減圧下で脱気しつつ加熱する。それによって、太陽電池素子の上面及び下面に上記太陽電池用接着シートを介して上部透明保護部材及び下部基板保護部材を一体化させることができる。
【0003】
上記減圧下で脱気しつつ加熱する工程において、脱気性を高めるために、上記太陽電池用接着シートにエンボス加工が施されている。すなわち、複数のピラミッド状の凸部を設けることにより脱気性を高めることが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−204074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、エンボス加工が施された樹脂シートは、通常、ロール状に巻回された状態で用意される。使用に際してはロールから樹脂シートを繰り出し、製造工程に該樹脂シートを供する。
【0006】
ところが、特許文献1に記載のように、多数のピラミッド状の凸部が設けられた樹脂シートをロール状に巻き取った場合、ロットによって、ロールの端面が赤みをおびるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、ロール状に巻回された状態で端面に赤み等の色が生じ難く、従ってロール状巻回体の外観性を高めることができる、片面にエンボス加工により凸部が形成されている樹脂シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、片面に略ピラミッド状の多数の凸部がエンボス加工により形成されている合成樹脂からなる樹脂シートであって、積分球付き分光光度計により測定された上記エンボス加工された面から入射した光の全光線透過率が75%〜78%の範囲にあり、かつ分光光度計により測定されたエンボス加工された面の5度鏡面反射率が0.4%〜0.5%の範囲にあることを特徴とする。
【0009】
本発明にかかる樹脂シートのある特定の局面では、前記ピラミッド状の形状が、4つの斜面を有し、前記エンボス加工された樹脂シート面の法線方向から光ビームを入射したときに、前記斜面に起因する出射光の強度がピークを示す出射角度の絶対値の平均値が19度〜21度の範囲にある。この場合には、ロール状に樹脂シートを巻回した場合の端面の赤みをより効果的に抑制することができる。より好ましくは、前記エンボス加工された樹脂シート面の法線方向から光ビームを入射した時に、前記斜面に起因する出射光のピーク強度の平均値と、出射面の法線方向付近における出射光のピーク強度との比が0.35〜0.55の範囲にある。それによって、ロール状に巻回された場合の端面の赤み等をより一層抑制することができる。
【0010】
本発明にかかる樹脂シートは、様々な用途に用いられるが、本発明の他の特定の局面では、部材同士を接着するのに用いられる接着シートである。
【0011】
また、本発明にかかる樹脂シートは、太陽電池素子と、他の部材とを接着する太陽電池用接着シートとして好適に用いられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる樹脂シートでは、エンボス加工された面から入射された光の全光線透過率が75%〜78%の範囲にあり、かつエンボス加工された樹脂シート面の上記5度鏡面反射率が0.4%〜0.5%の範囲であるため、樹脂シートをロール状に巻回した場合に、巻回体の端面に赤み等の色味が生じ難い。従って、本発明の樹脂シートをロール状に巻回した製品の外観性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は本発明の一実施形態の樹脂シートを示す模式的斜視図であり、(b)は表面に形成されたピラミッド状凸部を示す平面図であり、(c)は該ピラミッド状凸部の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の樹脂シートを巻回してなるロール状巻回体を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態における出射面からの光ビーム透過光強度と、出射角度と、ピラミッド状凸部の斜面との関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す顕微鏡写真である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる樹脂シートにおける出射面からの光ビームの透過光強度と、出射角度との関係を示す図である。
【図6】本発明の樹脂シートを製造する製造装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0015】
図1(a)は、本発明の一実施形態にかかる樹脂シートの略図的斜視図である。
【0016】
本実施形態の樹脂シート1は、透明であり、合成樹脂からなる。樹脂シート1の片面1aには、エンボス加工により多数の凸部2が形成されている。凸部2は略ピラミッド状の形状を有する。図1(b)及び(c)に示すように、凸部2は、4つの斜面2a〜2dを有する。図1cに示すように、また、凸部2の頂部2eは頂点ではなく、若干丸められている。すなわち、本実施形態においては、凸部2は先端が丸みをおびたピラミッド状である。
【0017】
樹脂シート1を構成する合成樹脂は透光性である限り、特に限定されるものではない。このような合成樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などを挙げることができる。
【0018】
また、上記樹脂シート1は上記合性樹脂と、添加剤とを含む樹脂組成物をシート成形することにより得ることができる。このような添加物としては、有機過酸化物、架橋助剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを挙げることができる。
【0019】
本実施形態の樹脂シート1の特徴は、積分球付き分光光度計により測定されたエンボス加工された面1aから入射した光の全光線透過率が75%〜78%の範囲にあり、かつ分光光度計により測定されたエンボス加工された面1aの5度鏡面反射率が0.4%〜0.5%の範囲にあることにある。
【0020】
積分球付き分光光度計により測定された全光線透過率は、エンボス加工された面に形成されている上記ピラミッド状の凸部2の斜面2a〜2dの傾斜角度を反映する。ここで、傾斜角度とは、ピラミッド形状の底面に対する斜面2a〜2dのなす角度をいう。傾斜角度が緩やかであると、全光線透過率は高くなり、傾斜角度が大きくなると全光線透過率は低くなる。上記全光線透過率が75%未満では、複数枚の樹脂シートを積層した場合の光透過率が低下する。従って、図2に示す樹脂シート1をロール状に巻回してなる巻回体10の端面10aが黄色っぽく見えることになり、外観不良を引き起こす。全光線透過率が78%を超えると、ピラミッド状凸部の斜面2a〜2dの傾斜角度が緩やかになる。従って、例えば太陽電池接着シートに用いた場合、前述した脱気性能が低下する。
【0021】
分光光度計により測定されたエンボス加工された面1aの5度鏡面反射率が0.5%を超えると、全光線透過率が低下する。よって、複数枚の樹脂シート1を積層した積層体において全光線透過率が低くなり、樹脂シート1をロール状に巻回した場合、端面が黄色っぽくなる。従って、外観不良を呈することとなる。
【0022】
他方、上記5度鏡面反射率が0.4%を下回ると、エンボス加工された面1aの法線方向に対して45度〜50度をなす角度から光ビームを入射させた際に、樹脂シート1の裏面1bに向かう光ビームの裏面1bに対する角度が、屈折・反射する角度範囲と、全反射する角度範囲との境界付近となる。そのため、屈折率分散の影響により、屈折率が高い青色の光は全反射するが、屈折率が低い赤い色系の光が全反射されず、出射されることになる。従って、樹脂シート1を多数枚積層したとき赤っぽく見える。すなわち、樹脂シート1をロール状に巻回した場合、端面が赤っぽくなり、外観不良が生じる。
【0023】
従って、樹脂シート1は、上記全光線透過率が75%〜78%の範囲にあり、かつ上記鏡面反射率が0.4%〜0.5%の範囲にあることが必要である。
【0024】
樹脂シート1では、好ましくは、エンボス加工された面1aの法線方向から光ビームを入射したときに、斜面2a〜2dに起因する出射光の強度がピークを示す出射角度の絶対値平均値が19度〜21度の範囲にあることが望ましい。これを、図3を参照して説明する。図3は、樹脂シートの裏面から出射された光の強度すなわち透過光強度と、出射角度との関係を示す図である。図3から明らかなように、出射角度が0度すなわち樹脂シート1の裏面1bの法線方向付近において、透過光の強度がピークを示す。さらに、この出射角度が−20度及び+20度付近においても透過光が出射光のピークを示す。
【0025】
図3におけるピークAは、凸部2の頂部2e付近における透過光の強度に相当する。他方、両側のピークB及びCは、斜面2a,2cから入射し樹脂シート1内で屈折しつつ透過することにより現れるものである。すなわち、ピークB及びCが、斜面2a,2cに起因する出射光のピークである。上記斜面2a,2cに起因する出射光の強度がピークを示す出射角度の絶対値平均値が19度〜21度の範囲にあることが好ましい。この斜面2a,2cに起因する出射光の強度がピークを示す角度は、斜面2a,2cのピラミッド状の形状の底面となす角度すなわち上述した傾斜角度と関連する。従って、Snellの法則を用いて上記斜面に起因する出射光の強度のピークとなる傾斜角度を計算することも可能である。なお、斜面2b,2dに起因する出射光の強度ピークも斜面2a,2cに起因する出射光の強度ピークと直交する方向に同様に観測される。後述する実施例から明らかなように、上記斜面2a〜2dに起因する出射光の強度がピークを示す出射角度の絶対値平均値が19度〜21度の範囲であれば、斜面2a〜2dの傾斜角度が適度な範囲となり、全光線透過率を75%〜78%の範囲とすることができる。
【0026】
また、樹脂シート1では、エンボス加工された面1aの法線方向から光ビームを入射したときに、斜面2a〜2dに起因する出射光のピーク強度の平均値と、出射面の法線方向における出射光のピーク強度との比、すなわち図4に示したピークB及びピークCの斜面に起因する出射光のピーク強度の平均値と、ピークAとの比が0.35〜0.55の範囲にあることが望ましい。この範囲内であれば、全光線透過率を75〜78%の範囲とし、エンボス加工された面の上記鏡面反射率が0.4〜0.5%の範囲とすることができる。
【0027】
上記のように、樹脂シート1では、上記全光線透過率が75〜78%の範囲にあり、かつ鏡面反射率が0.4〜0.5%の範囲にあるため、ロール状に巻回した場合、図2に示す巻回体10の端面10a,10bにおける外観性を高めることができる。すなわち、黄色や赤色を帯び難い。
【0028】
なお、上記樹脂シートの厚みは特に限定されないが、太陽電池用接着シートとして用いる場合、通常、500μm〜800μm程度の厚みとされる。また、上記ピラミッド状の凸部2の高さは、用途によっても異なるが、上述した太陽電池用接着シートにおいて十分な脱気性を実現するには、100μm〜500μmの範囲とすることが望ましい。斜面2a〜2dの傾斜角度については、上述した通りで全光線透過率及び鏡面反射率等に関連するため、上記全光線透過率範囲及び鏡面反射率範囲を満たすように選択されることとなる。
【0029】
上記樹脂シート1は、前述した太陽電池用接着シートとして好適に用いられる。すなわち、太陽電池素子に上記樹脂シート1を太陽電池用接着シートとして積層し、該樹脂シートの反対側の面に透明保護部材や基板保護材などを積層し積層体を得ることができる。そして、この積層体を減圧下で脱気しつつ加熱することにより一体化する。この場合、上記複数の凸部2が設けられているので、確実に脱気され、両側の部材すなわち太陽電池素子と透明保護部材や基板保護部材とを隙間なく確実に接合することができる。
【0030】
上記樹脂シート1の製造方法は特に限定されず、合成樹脂シートの片面にエンボス加工する従来より周知の方法を用いることができる。このような方法としては、長尺状の樹脂シートを押し出し成形し、押し出された樹脂シートの片面にエンボスロールを圧接させる方法などを挙げることができる。
【0031】
図6に、後述の実施例で用いた製造装置を一例として示す。この製造装置21は、押出機22を有する。押出機22に、金型23が接続されている。また、金型23から押し出された溶融樹脂を冷却する冷却ロール24を有する。冷却ロール24に溶融樹脂シートを密着させるためにエアーナイフ25が設けられている。冷却ロール24には、表面にピラミッド状凸部を形成するための版が形成されているエンボスロール26が圧接されている。樹脂シートが、冷却ロール24とエンボスロール26との間を通過する。エンボスロール26の下流側に、アニーリングロール28,29が配置されている。アニーリングロール28,29間に、樹脂シートが供給され、巻き取りロール30により巻き取られる。
【0032】
次に、具体的な実施形態及び比較例を挙げることにより、この発明の効果を明らかにする。なお、以下の実施例にこの発明は限定されるものではない。
(実施例1)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(旭化成ケミカルズ社製、商品名:RF7830)100重量部と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(1時間半減期温度:119℃)0.5重量部と、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.02重量部と、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1重量部と、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン0.3重量部とからなる樹脂組成物を押出機22に供給し、112℃で溶融混練し、110℃に保持された金型23から合成樹脂シートを押し出し成形した。
【0033】
この合成樹脂シートを50℃に維持された冷却ロール24の表面に接着して冷却した後、エンボスロール26に圧接させ、エンボス加工を施した。なお、樹脂シートが冷却ロールに接触した時点の樹脂シートの温度は109℃であった。
【0034】
エンボスロール26に樹脂シートを接触させ、エンボスロール26の表面の凹凸を転写し、エンボス加工を施した。エンボスロールに圧接する際のニップ圧は4MPa、エンボスロール26及び冷却ロール24の双方に樹脂シートが初めて接触した時点の樹脂シートの温度は78℃とした。
【0035】
上記のようにしてエンボス加工を施した樹脂シートを、65℃に維持されたアニーリングロール28,29に密着させ、10m/分の搬送速度で巻き取り、ロール状に巻回した。このようにして、実施例1の樹脂シートが巻回されたロールを得た。
【0036】
(実施例2)
ニップ圧を3.5MPaとしたことを除いては実施例1と同様にして樹脂シートを得、樹脂シートからなるロールを作製した。
【0037】
(実施例3)
ニップ圧を3MPaとしたことを除いては実施例1と同様にして樹脂シートを得、樹脂シートからなるロールを作製した。
【0038】
(比較例1)
ニップ圧を5MPaとしたことを除いては実施例1と同様にして樹脂シートを得、樹脂シートからなるロールを作製した。
【0039】
(比較例2)
ニップ圧を2.5MPaとしたことを除いては実施例1と同様にして樹脂シートを得、樹脂シートからなるロールを作製した。
【0040】
(比較例3)
ニップ圧を2MPaとしたことを除いては実施例1と同様にして樹脂シートを得、樹脂シートからなるロールを作製した。
【0041】
(比較例4)
ニップ圧を1.5MPaとしたことを除いては実施例1と同様にして樹脂シートを得、樹脂シートからなるロールを作製した。
【0042】
(比較例5)
ニップ圧を1MPaとしたことを除いては実施例1と同様にして樹脂シートを得、樹脂シートからなるロールを作製した。
【0043】
(比較例6)
ニップ圧を0.5MPaとしたことを除いては実施例1と同様にして樹脂シートを得、樹脂シートからなるロールを作製した。
【0044】
(評価)
(1)全光線透過率・・・自記分光光度計(島津製作所社製、UV−3101PC)に積分球付属装置ISR−3100(積分球 内径60mm)を取り付けて、波長380〜780nmにおけるエンボス面入射の全光線透過率を測定した。物性値として、付属のカラー計算ソフトで計算された三刺激値のY値を用いた。
【0045】
(2)5度鏡面反射率・・・自記分光光度計(島津製作所社製、UV−3101PC)に鏡面反射測定装置(入射角5度)を取り付けて、波長380〜780nmにおけるエンボス面の鏡面反射率を測定した。物性値として、付属のカラー計算ソフトで計算された三刺激値のY値を用いた。
【0046】
(3)光拡散特性・・・偏光解析装置(シグマ光機製特注品)にエンボス面のピラミッド状斜面が上下左右となるように太陽電池用接着シートを配置し、エンボス面の法線方向から波長550nmの光ビームを入射したときに、水平方向の出射光強度の角度分布を測定した。太陽電池用接着シートの配置角度を90度回転させて同様の測定を行い、斜面に起因する出射光のピーク強度4点の平均値と出射面の法線方向付近のピーク強度2点の平均値をそれぞれ算出した。
【0047】
(4)外観・・・6インチ紙管に太陽電池接着用シートを30周巻き付けた状態で、斜め上方からの照明にて目視でロール端面の色目を確認した。
【0048】
上記全光線透過率、鏡面反射率、光拡散特性及び外観評価の結果を下記の表1に示す。
【0049】
なお、図4に、実施例1で得た樹脂シートの倍率70倍の顕微鏡写真を示す。図5に、実施例1の樹脂シートにおけるピラミッド状凸部が設けられている部分における樹脂シート裏面から出射された光の透過光強度と、出射角度との関係を示す。
【0050】
【表1】

【符号の説明】
【0051】
1…樹脂シート
2…凸部
2a〜2d…斜面
2e…頂部
10…巻回体
10a,10b…端面
21…製造装置
22…押出機
23…金型
24…冷却ロール
25…エアーナイフ
26…エンボスロール
28,29…アニーリングロール
30…巻き取りロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面に略ピラミッド状の多数の凸部がエンボス加工により形成されている合成樹脂からなる樹脂シートであって、
積分球付き分光光度計により測定された上記エンボス加工された面から入射した光の全光線透過率が75%〜78%の範囲にあり、かつ分光光度計により測定されたエンボス加工された面の5度鏡面反射率が0.4%〜0.5%の範囲にある、樹脂シート。
【請求項2】
前記ピラミッド状の形状が、4つの斜面を有し、前記エンボス加工された面の法線方向から光ビームを入射したときに、前記斜面に起因する出射光の強度がピークを示す出射角度の絶対値の平均値が19度〜21度の範囲にある、請求項1に記載の樹脂シート。
【請求項3】
前記エンボス加工された面の法線方向から光ビームを入射した時に、前記斜面に起因する出射光のピーク強度の平均値と、出射面の法線方向付近における出射光のピーク強度との比が0.35〜0.55の範囲にある、樹脂シート。
【請求項4】
部材同士を接着するのに用いられる接着シートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂シート。
【請求項5】
太陽電池素子と、他の部材とを接着する太陽電池用接着シートである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−46630(P2012−46630A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189747(P2010−189747)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】