説明

樹脂成形品のパートライン研磨方法

【課題】凹凸形状部、角部や曲面形状部にパートラインを有する樹脂成形品を迅速に連続して研磨することができ、かつその研磨面を平滑なものに仕上げる。
【解決手段】樹脂成形品Wの凹形状部のパートライン52は、研磨ベルト1の研磨面を近づけ、押し当てながら研磨し、角部や曲面形状部のパートライン52は、研磨ベルト1の研磨面を擦るように、樹脂成形品Wを移動させながら、そのパートライン52を連続して研磨し、引き続いて回転又は振動する板状の研磨材3面を擦るように、樹脂成形品Wを略水平方向に移動させながらパートライン52を連続して仕上研磨する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂めっき処理前の樹脂成形品のパートラインを研磨する方法に係り、特に凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品の周囲に形成されたパートラインを研磨する樹脂成形品のパートライン研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂めっきを施す樹脂成形品については、その樹脂めっきした後、クラック(割れ)が生じやすいので、樹脂成形する際に形成された外周部のパートライン、即ち、ばりや段差を研磨している。また、直接人の手が触れる樹脂成形品については、パートラインを必ず研磨する必要がある。例えば図6に示すように、合成樹脂製の取っ手51では金型成形の際にその接合部に形成されたパートライン52を研磨していた。
【0003】
従来は、このような樹脂成形品のパートラインについては、一つ一つの樹脂成形品を手作業で研磨していた。しかし、1個の樹脂成形品の研磨作業に約30秒から2分以上もかかり研磨処理に長時間を要していた。しかも、手作業の研磨はバラツキが多く、製品の一定品質を維持することが困難であった。
【0004】
そこで、樹脂成形品を自動研磨する技術が提案されている。例えば、特許文献1の特開2000−176807号公報「樹脂成形品のばり取り装置」のように、板状の樹脂成形品の外周部のばりを除去するための樹脂成形品のばり取り方法であって、複数の上記樹脂成形品を積層し、該積層状態の樹脂成形品の外周部に1以上の回転ブラシを接触させた状態で、該回転ブラシを回転駆動しつつ上記積層状態の樹脂成形品と上記回転ブラシとを該樹脂成形品の積層方向に相対移動させて各樹脂成形品の外周部のばりを順次除去することを特徴とする樹脂成形品のばり取り方法が提案されている。
【0005】
また、特許文献1には、積層状態の樹脂成形品を外周部の一部を露出させて積層方向に移動可能に案内支持する第1ガイド部と、上記第1ガイド部上の樹脂成形品の上記露出部分のばりを除去する第1回転ブラシと、上記第1ガイド部に接続して設けられ、上記積層状態の樹脂成形品を外周部の上記第1回転ブラシによるばりの除去が行われない部分を露出させて積層方向に移動可能に案内支持する第2ガイド部と、上記第2ガイド部上の樹脂成形品の上記露出部分のばりを除去する第2回転ブラシと、上記各樹脂成形品の外周部のばりが上記第1及び第2回転ブラシにより順次除去されるように上記積層状態の樹脂成形品を上記第1及び第2ガイド部上で積層方向に移動させる移動機構とを備えていることを特徴とする樹脂成形品のばり取り装置が提案されている。
【特許文献1】特開2000−176807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のばり取り方法、ばり取り装置は、スリットを有するような外周形状であっても、樹脂成形品のばり以外の部分に傷を付けることなく、かつ整列状態のままでばりの除去作業を行い、ブロックベルトのブロックのような板状の樹脂成形品の外周部のばりを除去することができる。しかし、合成樹脂製の取っ手のような凹凸部と曲面部を共に有する樹脂成形品の外周部のパートラインは研磨することは困難である。即ち、複雑な形状の樹脂成形品については、そのパートラインを円滑に研磨することができないという問題を有していた。
【0007】
また、特許文献1のばり取り方法、ばり取り装置では、回転ブラシを採用しているので、樹脂成形品の研磨面に回転方向の傷が付きやすく、その後の樹脂めっきに不具合が生じやすので、手に触れたときに違和感が生じる製品になりやすいという問題を有していた。
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、研磨ベルトによる研磨と、板状の研磨材による仕上研磨とを組み合わせることで、凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品の周囲に形成されたパートラインを迅速に連続して研磨することができ、かつその研磨面を平滑なものに仕上げることができる樹脂成形品のパートライン研磨方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、樹脂めっきに供され、かつ凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品(W)について、その周囲の接合部に、金型成形の際に形成されたパートライン(52)を研磨する樹脂成形品のパートライン研磨方法であって、前記樹脂成形品(W)に形成されたパートライン(52)の凹形状部については、該パートライン(52)を研磨ベルト(1)の研磨面に近づけ、押し当てながら該パートライン(52)における、樹脂めっきしたときに、クラックの起点となるばり、段差を研磨し、前記樹脂成形品(W)に形成されたパートライン(52)の角部や曲面形状部については、該パートライン(52)が前記研磨ベルト(1)の研磨面を擦るように、該樹脂成形品(W)を前記研磨ベルト(1)面に対して略直角方向に移動させながら、該樹脂成形品(W)の周囲のパートライン(52)を連続して研磨することにより、該パートライン(52)が平滑になるように研磨し、引き続いて、前記樹脂成形品(W)周囲のパートライン(52)の凹形状部、角部や曲面形状部について、該パートライン(52)が板状の研磨材(3)面を擦るように、該樹脂成形品(W)を移動させながら、該樹脂成形品(W)周囲のパートライン(52)を研磨することにより、前記研磨ベルト(1)の研磨により発生した樹脂成形品(W)のエッジが、樹脂めっきしたときにクラックの原因となるために丸みを付けるように仕上研磨する、ことを特徴とする樹脂成形品のパートライン研磨方法が提供される。
【0010】
例えば、樹脂めっきに供され、かつ凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品(W)について、その周囲の接合部に、金型成形の際に形成されたパートライン(52)を研磨する樹脂成形品のパートライン研磨方法であって、前記樹脂成形品(W)の形成されたパートライン(52)の凹形状部については、該パートライン(52)を研磨ベルト(1)の研磨面を近づけ、押し当てながら該パートライン(52)における、樹脂めっきしたときに、クラックの起点となるばり、段差を研磨し、前記樹脂成形品(W)に形成されたパートライン(52)の角部や曲面形状部については、該パートライン(52)が前記研磨ベルト(1)の研磨面を擦るように、該樹脂成形品(W)を略水平方向に移動させながら、該樹脂成形品(W)の周囲のパートライン(52)を連続して研磨することにより、該パートライン(52)を平滑になるように研磨し、引き続いて、前記樹脂成形品(W)の周囲のパートライン(52)の凹形状部、角部や曲面形状部について、該パートライン(52)が板状の研磨材(3)面を擦るように、該樹脂成形品(W)を略水平方向に移動させながら、該樹脂成形品(W)周囲のパートライン(52)を連続して研磨することにより、前記研磨ベルト(1)の研磨により発生した樹脂成形品(W)のエッジが、樹脂めっきしたときにクラックの原因となるために丸みを付けるように仕上研磨する。
前記板状の研磨材(3)は回転又は振動させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品(W)の周囲に形成されたパートライン(52)に研磨ベルト(1)を離接しながら、該樹脂成形品(W)を研磨し、更に曲面形状部のパートライン(52)を連続研磨することで、平滑な研磨面になるように樹脂成形品(W)を研磨することができる。または逆に曲面形状部のパートライン(52)を研磨した後、凹形状部のパートライン(52)を連続して研磨することができる。
この研磨ベルト(1)の連続研磨に引き続いて、回転又は振動する板状の研磨材(3)に対して、樹脂成形品(W)の周囲のパートライン(52)が擦るように、樹脂成形品(W)を略水平方向に移動させながら、この樹脂成形品(W)周囲のパートライン(52)を連続して仕上研磨でき、円滑に研磨仕上げを完成させることができる。特に、この板状の研磨材(3)による仕上研磨では、上述した研磨ベルト(1)の研磨により発生した樹脂成形品(W)のエッジ部分に、丸みを付けることができるので、この樹脂成形品(W)を樹脂めっきする際に発生する「膨れ」や「クラック」を防止することができる。
しかも、研磨ベルト(1)による研磨と、回転板状の研磨材(3)による仕上研磨とを組み合わせることで、樹脂成形品(W)を迅速に研磨することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品に形成されたパートラインについて、研磨ベルトによる連続した研磨と、板状の研磨材による仕上げの連続した研磨を組み合わせた樹脂成形品のパートライン研磨方法である。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の樹脂成形品のパートライン研磨方法を示す工程図である。図2は本発明の樹脂成形品のパートライン研磨方法を実施する際に使用する研磨ベルトと板状の研磨材との説明構成正面図である。図3は本発明の樹脂成形品のパートライン研磨方法を実施する際に使用する研磨ベルトと板状の研磨材との説明構成平面図である。この図1では、樹脂成形品Wとして合成樹脂製の取っ手を研磨する標準的な研磨工程を説明する。
先ず、これから研磨しようとする樹脂成形品Wを治具(図示していない)にセットする。例えば、合成樹脂製の取っ手では、取っ手の軸止め用の孔やスリットが開けられた部分に、治具を嵌めこみ不要な揺れが生じないようにする。この治具を起動させると共に、研磨ベルト1の研磨面を樹脂成形品Wに近づけるために、研磨ベルト1の内側に配置したパッド2を押圧する。これは、凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品Wの外周部に形成されたパートライン52であっても円滑にそのパートライン52を研磨するためである。
【0014】
この研磨ベルト1による研磨は、樹脂成形品Wに樹脂めっきしたときに、パートライン52のばり又は段差が、膨れ又はクラックの起点となるため、このばり又は段差を除去することを目的とする。
【0015】
図4の本発明の樹脂成形品の動作状態を示す平面図であり、(a)から(e)までは研磨ベルトによる研磨処理の状態、(f)から(j)は板状の研磨材による仕上研磨処理の状態である。
この樹脂成形品Wの凹形状部のパートライン52は、研磨ベルト1に押し当てながら研磨した後、パッド2を後退させて、この研磨ベルト1を後退させる(図2参照)。このような研磨ベルト1の位置を変化させることにより、凹部を有する樹脂成形品(樹脂成形品Wの1面)であっても自動研磨することができる。この凹形状部のパートライン52が湾曲しているときは、その曲面をなぞるように研磨する。
【0016】
この凹形状部のパートライン52に続けて、図4の(a)から(e)に示すように、樹脂成形品Wの周囲のパートライン52を、研磨ベルト1面を擦るように、樹脂成形品Wを略水平方向に移動させながら、この樹脂成形品Wの周囲のパートライン(成形品の2面から3面)を連続研磨する。これにより円滑なパートライン52の研磨を実施することができる。
なお、図示例では、上下方向へ回転する研磨ベルト1に対して、樹脂成形品Wを略水平方向に移動させて樹脂成形品W周囲のパートライン52を研磨する状態について説明している。これ以外に、略水平方向へ回転する研磨ベルト1に対して、樹脂成形品Wを略上下方向に移動させて樹脂成形品Wのパートライン52を研磨することも可能である。樹脂成形品Wの形状に応じてその研磨方向を可変することができる。
【0017】
研磨ベルト1は、研磨した樹脂の目詰まりにより研磨力が低下する。この研磨ベルト1の作動中に、付着した研磨滓を除去しながら樹脂成形品Wを研磨することが可能である。研磨滓を除去しないときは、樹脂成形品Wを数十個程度研磨すると新しい研磨ベルト1に交換していた。しかし、このように途中で研磨滓を除去することで数千個まで研磨することができるようになった。そこで、研磨ベルト1の消費量を下げ、作業コストの低減を図ることができる。
【0018】
次に、樹脂成形品Wの凹形状部のパートライン52を、回転する板状の研磨材3に押し当てながら仕上研磨し、樹脂成形品Wの周囲のパートライン52が回転する板状の研磨材3面を擦るように、樹脂成形品Wを略水平方向に移動させながら、樹脂成形品Wの周囲のパートライン52を連続して仕上研磨する。なお、この板状の研磨材3の回転研磨に代えて振動させることも可能である。この板状の研磨材3による仕上研磨は、上述した研磨ベルト1の研磨により発生した樹脂成形品Wのエッジが膨れてクラックの原因となるため丸みを付けることを目的とする。
【0019】
この回転する板状の研磨材3による仕上研磨も、図4の(f)から(j)に示すように、樹脂成形品Wの周囲のパートライン52を、板状の研磨材3面を擦るように、樹脂成形品Wを略水平方向に移動させながら、樹脂成形品W周囲のパートライン(樹脂成形品の1面から2面、3面まで)を連続して研磨する。これにより円滑なパートライン52の仕上研磨を実施することができる。
なお、図示例では、板状の研磨材3についても研磨ベルト1と同様に、水平方向に配置した回転中心軸で回転する板状の研磨材3に対して、樹脂成形品Wを略水平方向に移動させて樹脂成形品Wのパートライン52を研磨する状態について説明している。これ以外に、上下方向に配置した回転中心軸で回転する板状の研磨材3に対して、樹脂成形品Wを略縦方向に移動させて樹脂成形品Wのパートライン52を研磨することも可能である。
【0020】
このように凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品Wに形成されたパートライン52について、研磨ベルト1による連続した研磨と、回転する板状の研磨材3による連続した仕上研磨が終了したら、冶具から取り外し研磨処理が完了する。上述と同様な工程で次の樹脂成形品Wをセットする。
【実施例2】
【0021】
研磨ベルト1の周速度は、常に同一周速度で回転させる必要はない。実施例2の研磨方法では、研磨ベルト1の周速度を、使用途中に可変する。新しい研磨ベルト1によれば、生産開始と終わりでは研磨力の差が大きい。それに伴い樹脂成形品Wの状態も生産開始と終わりでは異なる外観になる。この実施例2の周速度を変化させる方法は製品外観を均一に保つことを目的とする。この研磨ベルト1の周速度は樹脂成形品Wの材質、大きさ、パートラインの突出度、研磨ベルト1の種類に応じて勿論変化するものである。
【0022】
同様に、新しい板状の研磨材3についても、その回転速度を使用途中で可変することにより、研磨処理の均質化を図ることができる。
【実施例3】
【0023】
図5は実施例3の板状の研磨材を偏心回転させる状態の説明図である。
実施例3では、板状の研磨材3を偏心させて回転させながら、樹脂成形品W周囲のパートライン52を仕上研磨する。このように板状の研磨材3を偏心させて回転させると研磨面に回転方向の傷を付けないようにすることができる。
【実施例4】
【0024】
実施例4では、板状の研磨材3を振動の振幅を可変させながら、樹脂成形品Wの周囲のパートライン52を仕上研磨する。このように板状の研磨材3をその振動の振幅を可変させる方法でも、研磨面に傷を付けないようにすることができる。
【0025】
なお、本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、研磨ベルト1による研磨と、回転板状の研磨材3による仕上研磨を組み合わせることで、樹脂成形品Wのパートライン52を迅速に連続して研磨することができ、かつその研磨面を平滑なものに仕上げることができる方法であれば、図示したような工程に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の樹脂成形品のパートライン研磨方法は、凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品について利用できるだけでなく、板状の単純な形状の樹脂成形品のパートラインの研磨に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の樹脂成形品のパートライン研磨方法を示す工程図である。
【図2】本発明の樹脂成形品のパートライン研磨方法を実施する際に使用する研磨ベルトと板状の研磨材との説明構成正面図である。
【図3】本発明の樹脂成形品のパートライン研磨方法を実施する際に使用する研磨ベルトと板状の研磨材との説明構成平面図である。
【図4】本発明の樹脂成形品の動作状態を示す平面図であり、(a)から(e)までは研磨ベルトによる研磨処理の状態、(f)から(j)は板状の研磨材による仕上研磨処理の状態である。
【図5】実施例3の板状の研磨材を偏心回転させる状態の説明図である。
【図6】樹脂成形品の一例である合成樹脂製の取っ手にあらわれたパートラインを示す説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1 研磨ベルト
2 パッド
3 板状の研磨材
W 樹脂成形品
52 パートライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂めっきに供され、かつ凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品(W)について、その周囲の接合部に、金型成形の際に形成されたパートライン(52)を研磨する樹脂成形品のパートライン研磨方法であって、
前記樹脂成形品(W)に形成されたパートライン(52)の凹形状部については、該パートライン(52)を研磨ベルト(1)の研磨面に近づけ、押し当てながら該パートライン(52)における、樹脂めっきしたときに、クラックの起点となるばり、段差を研磨し、
前記樹脂成形品(W)に形成されたパートライン(52)の角部や曲面形状部については、該パートライン(52)が前記研磨ベルト(1)の研磨面を擦るように、該樹脂成形品(W)を前記研磨ベルト(1)面に対して略直角方向に移動させながら、該樹脂成形品(W)の周囲のパートライン(52)を連続して研磨することにより、該パートライン(52)が平滑になるように研磨し、
引き続いて、前記樹脂成形品(W)周囲のパートライン(52)の凹形状部、角部や曲面形状部について、該パートライン(52)が板状の研磨材(3)面を擦るように、該樹脂成形品(W)を移動させながら、該樹脂成形品(W)周囲のパートライン(52)を研磨することにより、前記研磨ベルト(1)の研磨により発生した樹脂成形品(W)のエッジが、樹脂めっきしたときにクラックの原因となるために丸みを付けるように仕上研磨する、ことを特徴とする樹脂成形品のパートライン研磨方法。
【請求項2】
樹脂めっきに供され、かつ凹凸部、角部や曲面部を有する樹脂成形品(W)について、その周囲の接合部に、金型成形の際に形成されたパートライン(52)を研磨する樹脂成形品のパートライン研磨方法であって、
前記樹脂成形品(W)の形成されたパートライン(52)の凹形状部については、該パートライン(52)を研磨ベルト(1)の研磨面を近づけ、押し当てながら該パートライン(52)における、樹脂めっきしたときに、クラックの起点となるばり、段差を研磨し、
前記樹脂成形品(W)に形成されたパートライン(52)の角部や曲面形状部については、該パートライン(52)が前記研磨ベルト(1)の研磨面を擦るように、該樹脂成形品(W)を略水平方向に移動させながら、該樹脂成形品(W)の周囲のパートライン(52)を連続して研磨することにより、該パートライン(52)を平滑になるように研磨し、
引き続いて、前記樹脂成形品(W)の周囲のパートライン(52)の凹形状部、角部や曲面形状部について、該パートライン(52)が板状の研磨材(3)面を擦るように、該樹脂成形品(W)を略水平方向に移動させながら、該樹脂成形品(W)周囲のパートライン(52)を連続して研磨することにより、前記研磨ベルト(1)の研磨により発生した樹脂成形品(W)のエッジが、樹脂めっきしたときにクラックの原因となるために丸みを付けるように仕上研磨する、ことを特徴とする樹脂成形品のパートライン研磨方法。
【請求項3】
前記板状の研磨材(3)を回転させる、ことを特徴とする請求項1又は2の樹脂成形品のパートライン研磨方法。
【請求項4】
前記板状の研磨材(3)を振動させる、ことを特徴とする請求項1又は2の樹脂成形品のパートライン研磨方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−80492(P2008−80492A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330184(P2007−330184)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【分割の表示】特願2004−341185(P2004−341185)の分割
【原出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(594035138)柿原工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】