説明

樹脂材料分配方法、樹脂製品の生産方法、樹脂材料分配装置及び樹脂製品生産装置

【課題】単位時間当たりの樹脂材料の分配量/分配数を正確にし、樹脂材料を一粒ずつ正確に過不足なく送りだす。
【解決手段】樹脂材料Pが溜まる溜め部27と樹脂材料Pの送出し部30とは凹部移動ローター23に対して互いに反対側に配置され、溜め部27に面する凹部24…の片側の入端25…から樹脂材料Pが入り、送出し部30に面する凹部24…の他側の出端26…から樹脂材料Pが送り出される。この凹部24…の入端25…は出端26…より小さくされる(図5)。これにより、凹部24…の徐々に狭まる入端25…から、樹脂材料Pの一粒のみが正確に入り込み、樹脂材料Pが余分に入り込まない。また樹脂材料Pが凹部24…の入端25…でぶつかり合って、凹部24…に入り込みにくくなることもない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂材料分配方法、樹脂製品の生産方法、樹脂材料分配装置及び樹脂製品生産装置に関し、特に樹脂材料を一粒ずつなど少しずつ正確に分けて分配し、これにより樹脂材料を正確に計量/計数したり、単位時関あたりの送り出し量/数を正確にしたりするものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような樹脂材料分配方法、樹脂製品の生産方法、樹脂製品生産装置または樹脂材料分配装置としては次のものがある。樹脂製品一個あたりの樹脂材料をホッパータンクから間欠的に成型機に送り込み、成形機で一個ずつワンショットごとに溶融加圧して樹脂製品を成形する。このとき、場合によって、この樹脂製品の色を決定するカラーマスターバッチも所定量混合される。
【0003】
このような、カラーマスターバッチを正確に混合にしないと、出来上がる樹脂製品の色が一定せず、色がばらついてしまう。そこで、樹脂製品の成形スピードに沿って、カラーマスターバッチの量/数を正確に送り込まなくてはならない。このように樹脂材料の量/数を正確に送り込むものに、振動する桶を使って粒状物を一粒ずつ分けて落下させるものがある。
【0004】
【特許文献1】特開平6−63385号
【特許文献2】特開2000−301537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような振動する桶を使って粒状物を一粒ずつ分けて落下させても、樹脂材料が二粒まとまって落下することもあり、または逆に一粒も落下しないこともあり、正確に一粒ずつ分けることができないことがあった。本発明の目的は、粒状の樹脂材料を正確に分けて分配することにあり、これにより樹脂材料を正確に計量/計数したり、単位時関あたりの送り出し量/数を正確にしたりすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、溜め部と送出し部とは凹部移動体に対して互いに反対側に配置され、上記溜め部に面する凹部の片側の入端から樹脂材料が入り、上記送出し部に面する凹部の他側の出端から樹脂材料が送り出され、この凹部の上記入端は上記出端より小さくされた。また、本発明では、溜め部内の凹部移動体の移動方向の終端付近から始端付近に向かって、凹部移動体の移動方向と反対方向に溜め部内の樹脂材料を撹拌するようにした。
【発明の効果】
【0007】
これにより、樹脂材料の計量/計数したい量/数のみが凹部内に正確に入り込み、樹脂材料が余分に入り込んでしまうことがないし、樹脂材料が凹部の入端でぶつかり合って、凹部に入り込みにくくなることもない。また、撹拌されるので、溜め部内部で樹脂材料が固まらず、樹脂材料が凹部に入り込みにくくなることがない。この結果、単位時間当たりの樹脂材料の分配量/分配数が正確になる(図6、図7)。一粒ずつ正確に過不足なく送りだすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(1)樹脂材料分配装置/樹脂製品生産装置の分野・用途
本発明の樹脂材料分配装置/樹脂製品生産装置は、樹脂成型品の生産装置/設備の中に組み込まれる。樹脂成型品は小型・軽量であるが、中型・中重量、大型・重量でもよく、一粒ずつ計量・計数される。また、本装置/方法で分配される樹脂材料Pは、ナチュラル材/N材でもマスターバッジ/MBでもよい。
【0009】
マスターバッジ/MBには、樹脂製品に色を付けるための顔料であるカラーマスターバッジ、UVカット材、帯電防止材などがある。マスターバッジ/MBの場合には、別のナチュラル材/N材の供給装置の近傍に本装置が設置され、ナチュラル材/N材に、正確に計量/計数されたマスターバッジ/MBが分配されて混合される。
【0010】
さらに、色の異なるマスターバッジを混合する場合の各色のカラーマスターバッジの混合量を軽量・計数する場合に使用されてもよい。樹脂材料Pはペレット形態であるが、粉状でもよく、粒の形状は円柱状、角柱状、球状、楕円球状、立法体状、直方体状、多面体状などでもよく、ほぼ同大またはほぼ同重量であるが、大きさが異なるものまたは重量が異なるものが混在してもよい。
【0011】
このような着色樹脂製品の色は、単一色のほか、木目模様、大理石模様のように、複数色からなる模様もある。このような模様は、混合する各カラーマスターバッジの融点/溶融温度が異なっている。
【0012】
この樹脂材料P一粒の重さは、0.001g乃至1g、0.005g乃至0.5g、0.01g乃至0.1gほどであるが、これ以外の重い重量でもよい。送り出し量/送り出しスピードは、1粒/10分乃至100粒/分、1粒/2分乃至50粒/分、1粒乃至25粒/分、2粒乃至10粒/分、2.5粒乃至7.5粒/分である。
【0013】
樹脂材料Pは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネード、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニール、アクリル樹脂、ペット樹脂などの高分子樹脂・硬質樹脂・軟質樹脂でも熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂でもよいし、合成樹脂のほか天然樹脂でもよいし、これらの混合物でもよい。
【0014】
(2)樹脂材料分配装置(第一実施例)
図1乃至図3は樹脂製品生産方法または樹脂材料分配方法を実現する樹脂製品生産装置または樹脂材料分配装置の第一実施例の構造を示す。ケース1は二枚または複数ユニットからなり、各ユニット間に後述する機構、機材が内蔵される。このケース1の中央やや下にはモーター2が内蔵されている。このモーター2の回転軸には円板状の凹部移動ローター3の中心が固定されている。
【0015】
この円形の凹部移動ローター3の周縁には等間隔/等角度で複数の凹部4…が形成されている。この凹部4…は、円板状の凹部移動ローター3の片面から他面まで溝のように貫通してつながっており、凹部移動ローター3の周縁は歯車状となっている。この凹部4の片面の入端5の大きさは、他面の出端6の大きさと同じである。
【0016】
この凹部4…は、粒状の樹脂材料Pの一粒の大きさより若干大きく、二粒の大きさより小さく、二粒は入らない大きさである。この凹部4…に二粒ずつ入れるなら、凹部4…は、粒状の樹脂材料Pの二粒の大きさより若干大きく、三粒の大きさより小さく、三粒は入らない大きさとなる。同様に、この凹部4…に入れたい粒数がN粒であれば、凹部4…は、粒状の樹脂材料PのN粒の大きさより若干大きく、N+1粒の大きさより小さく、N+1粒は入らない大きさとなる。
【0017】
また、粒状の樹脂材料Pの一粒の大きさが大きく重量が重くなれば凹部4…の大きさも大きくなり、粒状の樹脂材料Pの一粒の大きさが小さく重量が軽くなれば凹部4…、入端5、出端6の大きさも小さくなり、粒状の樹脂材料Pの一粒の大きさ/重さによって凹部4…、入端5、出端6の大きさも変化する。
【0018】
この凹部移動ローター3の上縁に沿って、直方体状の空洞の溜め部7が形成されている。この溜め部7には、ほぼ同大およびほぼ同重量の多数の粒状の樹脂材料Pが供給されて内蔵されて溜められる。この溜め部7内を凹部移動ローター3が順次移動していき、この溜め部7を通過する中で、上記凹部4…内に樹脂材料Pが入れられる。
【0019】
この溜め部7の凹部移動ローター3の回転方向(移動方向)の始端付近には、斜め上方に延びる円柱状の空洞の供給洞9が形成されている。この供給洞9からは、上記樹脂材料Pが自重によって自然落下で送り込まれる。この供給洞9は重力方向/樹脂材料Pの自重方向に対して斜めとなっており、樹脂材料Pの積圧が緩和され、樹脂材料Pの落下圧力が凹部移動ローター3の端縁の方に当たり、樹脂材料Pが自重の圧力で固まらず凹部4…に入りやすくなる。
【0020】
この供給洞9の中心方向は、凹部移動ローター3の頂部より、凹部移動ローター3の回転方向(移動方向)と逆方向にずれた位置に向かっている。したがって、上記溜め部7内で凹部移動ローター3はおおよそ低い位置から高い位置へ移動し、上記樹脂材料Pはこの溜め部7内の低い位置に向かって供給されるといえる。
【0021】
よって、凹部移動ローター3の回転方向(移動方向)に沿って樹脂材料Pが固まりにくくなり、凹部4…に入りやすくなる。また、上記樹脂材料Pは溜め部7の最底部から撹拌され、かつ凹部移動ローター3の回転(移動)で撹拌され、樹脂材料Pが固まらず凹部4…に入りやすくなる。
【0022】
なお、溜め部7内の凹部移動ローター3の回転方向(移動方向)の終端付近は、凹部移動ローター3の頂部より若干低くなっているが、凹部移動ローター3の回転方向(移動方向)の終端付近は始端付近より高く、凹部移動ローター3の凹部4…は、全体として溜め部7内の低い位置から高い位置へ回転/移動しているといえる。
【0023】
上記溜め部7の凹部移動ローター3の回転方向(移動方向)の終端付近は上下に湾曲している。この湾曲面の奥には、エア排出穴8が形成され、このエア排出穴8はケース1の外面に繋がっている。このエア排出穴8にはコンプレッサまたはブロアなどによって加圧された空気が送り込まれ、溜め部7内の樹脂材料Pに空気が送られて吹きつけられて当てられる。
【0024】
これにより、移動ローター3の回転方向(移動方向)に沿って引きずられてくる樹脂材料Pが吹き飛ばされて、樹脂材料Pが撹拌され、凹部移動ローター3の回転方向(移動方向)に沿って樹脂材料Pが固まりにくくまた集まりにくくなり、樹脂材料Pが凹部4…に入りやすくなる。
【0025】
上記エア排出穴8は溜め部7の上げ中央付近に設けられ、エア排出穴8は水平向きであり、溜め部7もほぼ水平向きである。そうすると、溜め部7内の内上半分は、樹脂材料Pが無い空洞となる。溜め部7内の樹脂材料Pが撹拌され易くなり、溜め部7内の樹脂材料Pが固まりにくくまた集まりにくくなり、樹脂材料Pが凹部4…に入りやすくなる。
【0026】
以上のとおり、エア排出穴8からの噴出エアによって、溜め部7内の凹部移動ローター3の回転方向/移動方向の終端付近から始端付近に向かって、溜め部7内の樹脂材料Pが凹部移動ローター3の回転方向/移動方向と反対方向に撹拌されることになる。
【0027】
上記溜め部7のエア排出穴8付近の側面は湾曲しており、エア排出穴8の下側の溜め部7と凹部移動ローター3を包むケース1内面との境界は尖っている。したがって、溜め部7内に溜まった多数の樹脂材料Pの中から凹部4…内の樹脂材料Pのみを切り分けてまたは切り離していくことができる。
【0028】
この結果、凹部4…内に半分入ったような中途半端な樹脂材料Pが無くなり、凹部4…内に1粒のみの樹脂材料P全体が確実に収納される。よって、樹脂材料Pは正確に一粒ずつ凹部移動ローター3の凹部4…内に過不足なく収納され、正確に一粒ずつ送出し部10から送り出されて分配される。
【0029】
上記凹部移動ローター3の真下には四角柱状の空洞の上下に伸びる送出し部10が形成されている。この送出し部10の厚さは凹部移動ローター3の厚さとほぼ同じであり、送出し部10の幅は、上記凹部4…の間隔より若干大きい。凹部移動ローター3の樹脂材料Pが入った凹部4…が溜め部7を抜けて、凹部移動ローター3が回転して移動し、凹部4…の位置及び向きが変わって、凹部4…内の樹脂材料Pが送出し部10内へ自重で送り出される。
【0030】
上記送出し部10、溜め部7、供給洞9以外の部分は、ケース1の内面が凹部移動ローター3の外面に接近して隙間がわずかしかなく、送出し部10と溜め部7及び供給洞9とは隔離されている。したがって、凹部移動ローター3の凹部4…に入らなかった樹脂材料Pが、溜め部7及び供給洞9から送出し部10まで送られることはない。よって、凹部移動ローター3の回転速度に応じて、樹脂材料Pは正確に一粒ずつ送出し部10から送り出されて分配される。
【0031】
また、上述のように溜め部7内の樹脂材料Pが固まりにくくまた集まりにくく、樹脂材料Pが凹部4…に入りやすいので、樹脂材料Pは正確に一粒ずつ凹部移動ローター3の凹部4…内に過不足なく収納され、正確に一粒ずつ送出し部10から送り出されて分配される。
【0032】
上記凹部移動ローター3の凹部4…の数/回転速度は、単位時間あたりに送り出すべき樹脂材料Pの量/数によって変化する。また、樹脂材料P一個の分配に費やす時間は、単位時間あたりに送り出すべき樹脂材料Pの量/数によって変化する。
【0033】
(3)樹脂材料分配装置(第二実施例)
図4乃至図5は樹脂材料分配装置の第二実施例の構造を示す。円筒状の溜め部27は斜め45度に傾斜されてケース21に対して設置される。この溜め部27の上方は隔壁31で隔離され、この隔壁31の上には円筒状のモーター室32が形成されている。このモーター室32の外壁の厚さは溜め部27の外壁の厚さより厚い。
【0034】
このモーター室32の中にはモーター22が固定されている。このモーター22の回転軸33は、円筒状の溜め部27及びモーター室32の中心線に沿っている。上記溜め部27の底面内側には、円板状の凹部移動ローター23が位置し、この凹部移動ローター23の中心は上記回転軸33に固定され、回転可能となっている。
【0035】
この凹部移動ローター23の周縁には等間隔で複数の凹部24…が形成されている。この凹部24…は、円板状の凹部移動ローター23の片面から他面まで溝のように貫通してつながっており、凹部移動ローター23の周縁は歯車状となっている。この凹部24…の片面の入端25の大きさは、他面の出端26の大きさより小さい。
【0036】
この凹部4…の入端25…及び出端26…は、粒状の樹脂材料Pの一粒の大きさより若干大きく、二粒の大きさより小さく、二粒は入らない大きさである。この凹部4…の入端25…及び出端26…に二粒ずつ入れるなら、凹部4…の入端25…及び出端26…は、粒状の樹脂材料Pの二粒の大きさより若干大きく、三粒の大きさより小さく、三粒は入らない大きさとなる。
【0037】
同様に、この凹部4…の入端25…及び出端26…に入れたい粒数がN粒であれば、凹部4…の入端25…及び出端26…は、粒状の樹脂材料PのN粒の大きさより若干大きく、N+1粒の大きさより小さく、N+1粒は入らない大きさとなる。
【0038】
また、粒状の樹脂材料Pの一粒の大きさが大きく重量が重くなれば、凹部24…の入端25…及び出端26…の大きさも大きくなり、粒状の樹脂材料Pの一粒の大きさが小さく重量が軽くなれば凹部24…、入端25、出端26の大きさも小さくなり、粒状の樹脂材料Pの一粒の大きさ/重さによって凹部24…、入端25、出端26の大きさも変化する。
【0039】
上記円筒状の溜め部27の円形の底板34も45度斜めに傾斜しており、この底板34の上側に一部は円形穴が開いている。またこの底板34の下には取付板35が接合され、この取付板35にも円形穴が開いており、この取付板35の円形穴と上記底板34の円形穴とは同形同大で、同じ位置にずれなく重ねられて固定される。この取付板35の円形穴に円筒状の送り出し部30の上端が接合されている。
【0040】
上記溜め部27の側面上方の上側には円形穴が開けられており、この円形穴には湾曲した円筒状の供給洞29が接合されている。供給洞29からは、上記樹脂材料Pが自重によって自然落下で送り込まれる。この供給洞9は溜め部27の底板34から離れるように湾曲しており、樹脂材料Pの落下圧力及び樹脂材料Pの積圧が凹部移動ローター23に加わらないようになっており、樹脂材料Pが自重の圧力で固まらず凹部移動ローター23の凹部4…に入りやすくなる。
【0041】
上記供給される樹脂材料Pは、ほぼ同大およびほぼ同重量の多数の粒状であり、溜め部27に内蔵されて溜められる。この溜め部27内を凹部移動ローター23の凹部24…が順次移動していき、この溜め部27内に溜まった樹脂材料Pを通過する中で、上記凹部4…内に樹脂材料Pが入れられる。
【0042】
上記溜め部27と上記送出し部30とは上記凹部移動ローター23に対して互いに反対側に配置されている。上記凹部移動ローター23の凹部24…は、溜め部27に面する凹部24…の片側の入端25…から樹脂材料Pが入り、上記送出し部30に面する凹部24…の他側の出端26…から送り出し部30へ樹脂材料Pが送り出される。
【0043】
この凹部24…の入端25…は出端26…より小さく、凹部24…内面つまり内底面及び内側面は入端25…から出端26…に向かって傾斜している。したがって、この傾斜面は、凹部24…が送り出し部30に位置するときは垂直に近づくので、凹部24…内の樹脂材料Pが樹脂材料Pの自重で送り出され易くなる。
【0044】
また、凹部24…が溜め部27下部に位置するときは凹部24…の内底面は水平に近づき、凹部移動ローター23の上側面と凹部24…の内底面となす角は尖っているので、凹部24…の内底面と凹部移動ローター23の上面とが、溜まった多数の樹脂材料Pの中から凹部24…内の樹脂材料Pのみを切り分けてまたは切り離していくことができる。
【0045】
この結果、凹部24…内に半分入ったような中途半端な樹脂材料Pが無くなり、凹部24…内に1粒のみの樹脂材料P全体が確実に収納される。よって、樹脂材料Pは正確に一粒ずつ凹部移動ローター23の凹部24…内に過不足なく収納され、正確に一粒ずつ送出し部30から送り出されて分配される。
【0046】
また、上記溜め部27は上記送出し部30より下にあり、凹部移動ローター23の下方で樹脂材料Pが凹部24…に入れられ、凹部移動ローター23の上方で樹脂材料Pが凹部24…より出される。この結果、凹部24…が送り出し部30に位置するとき、凹部24…の入端25…に、凹部24…内の樹脂材料P以外の樹脂材料Pが当たらず、凹部24…から送り出し部30に樹脂材料Pが送り出されるとき、送り出された樹脂材料Pに続いて樹脂材料Pが誤って凹部24…を通過して余分に送り出されることがない。
【0047】
上記凹部移動ローター23の上記送り出し部30と反対側は溜め部27の上部として開放され、上記凹部移動ローター23の上記溜め部27と反対側は上記底板34及び取付板35によって閉鎖され、送り出し部30以外の個所の出端26…は全て閉鎖されている。したがって、溜め部27下側で凹部24…に入った樹脂材料Pは、送り出し部30以外のか所で凹部24…の出端26…から送り出されることはない。
【0048】
上記溜め部27の側面下方の上側には、エア排出ノズル28が設けられ、コンプレッサまたはブロアなどによって加圧された空気が送り込まれ排出される。このエア排出ノズル28は、凹部移動ローター23の凹部24…の入端25…に向いている。したがって、凹部24…が送り出し部30に位置するとき、凹部24…に入った樹脂材料Pに入端25…側から空気が送られて吹きつけられて当てられて、送り出し部30内に確実に送り出される。
【0049】
上記凹部移動ローター23の周縁と円筒状の溜め部27の内面との間の隙間はわずかであり、上記送出し部30と溜め部27及び供給洞29とは底板34及び取付板35などで隔離されている。したがって、凹部移動ローター23の凹部24…に入らなかった樹脂材料Pが、溜め部27及び供給洞29から送出し部30まで送られることはない。よって、凹部移動ローター23の回転速度に応じて、樹脂材料Pは正確に一粒ずつ送出し部30から送り出されて分配される。
【0050】
上記溜め部27の上半分のさらに下半分には、遮蔽室36が設けられており、樹脂材料Pの侵入が防止される。この遮蔽室36は、溜め部27の中央を挿通横断する方形状の板と、上記モーター22の回転軸に沿って斜めに配置される二枚の方形板で囲まれている。この二枚の方形版の間を上記モーター22の回転軸が貫通している。
【0051】
これにより、上記凹部移動ローター23の上記送り出し部30と反対側は閉鎖され、凹部24…が送り出し部30に位置するとき、凹部24…の入端25…に、凹部24…内の樹脂材料P以外の樹脂材料Pが当たらず、凹部24…から送り出し部30に樹脂材料Pが送り出されるとき、送り出された樹脂材料Pに続いて樹脂材料Pが誤って凹部24…を通過して余分に送り出されることがない。
【0052】
上記図4の溜め部27は円筒状で断面が円形と説明したが、この円筒の下半分が溜め部27としてもよい。この場合、この溜め部27から樹脂材料Pがはみ出すこともあるし、はみ出さないこともある。この溜め部27の上半分は無くてもよいし、何らかの部材が充填されていてもよいし、もっと細くてもよい。
【0053】
これにより、上記凹部移動ローター23の上記送り出し部30と反対側は閉鎖され、上記凹部移動ローター23の上記溜め部27と反対側も閉鎖される。また、逆に送り出し部30が太くなって、溜め部27と同じ太さになってもよいし、溜め部27より太くなってもよい。
【0054】
これにより、上記溜め部27は上記送出し部30より下にあり、凹部移動ローター23の下方で樹脂材料Pが凹部24…に入れられ、凹部移動ローター23の上方で樹脂材料Pが凹部より出されることになる。この場合でも、凹部24…の入端25…に凹部24…内の樹脂材料P以外の樹脂材料Pが当たらない。
【0055】
この第二実施例の他の構成、作用、効果は、上記第一実施例と同じであり、これらの説明は本実施例でも記載されているものとするし、本実施例の記載内容も上記第一実施例にも記載されているものとする。第二実施例で記載されていないことは、この他の実施例が参照されるし、第一実施例で記載されていないことは、当該第一実施例以外の実施例が参照される。
【0056】
(4)計量/計数の実験結果
図6及び図7は上記実施例/本件発明の樹脂材料Pの計量/計数の実験結果を示す。この実験では、樹脂材料Pはカラーマスターバッチであり、一粒0.02gで、一粒ずつ投入され、樹脂製品一個つまり成形ワンショット当たり0.1gつまり5粒投入され、投入速度は5粒/分=0.1g/分である。
【0057】
対比対象として、従来のスクリュー式の樹脂材料供給装置を用いた。図6では従来のスクリュー式は△印の折れ線で示され、本実施例/本件発明の樹脂材料分配装置/樹脂製品生産装置は◇印の折れ線で示される。本実施例/本件発明では0.27g/10秒、従来のスクリュー式では、0.43g/10秒のスピードで、実際の分配量/供給量を100回にわたって計量/計数した。
【0058】
この図6の実験では、△印の折れ線の従来のスクリュー式は樹脂材料の分配量/供給量はかなりばらつきがあるが、◇印の折れ線の本実施例/本件発明の樹脂材料の分配量/供給量のばらつきはかなり少なくなる。従来のスクリュー式を0.25g/10秒としても上記ばらつきは若干減少する程度であった。このことから、本実施例/本件発明の分配量/供給量はかなり正確でばらつきが少ないことがわかる。
【0059】
図7の実験では、本実施例/本件発明の樹脂材料分配装置/樹脂製品生産装置の供給速度/分配速度を、0.35g/分(◇印の折れ線)、2.25g/分(□印の折れ線)、4.85g/分(△印の折れ線)の三段階に変えて1分当たりの分配量/供給量を30回にわたって計量/計数した。
【0060】
この図7の実験でも、分配速度/供給速度を変えても、本実施例/本件発明の樹脂材料の分配量/供給量は正確で、ばらつきはかなり少なくなる。この結果、単位時間当たりの樹脂材料の分配量/分配数が正確になるし、一粒ずつ正確に過不足なく送りだすことができる。
【0061】
(5)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、供給洞9、29、溜め部7、27、送り出し部10、30、ケース1、凹部移動ローター3、23、隔壁31、回転軸33、底板34、取付板35の一部または全部は党名でもよい。これにより、樹脂材料Pの動きがよくわかり、点検、故障発見、修理も容易になる。
【0062】
樹脂材料Pは、ほぼ同大の多数のほか、大きさの異なる粒状物の混合物でもよい。この場合、大きさの異なる樹脂材料Pのうち、凹部移動ローター3、23の凹部24…の大きさに合った、特定の樹脂材料Pのみを選別して送り出し部10、30から分配できる。樹脂材料Pの粒の大きさは任意であり、大きくても小さくても粉物でもよい。
【0063】
供給洞9は垂直に近い斜め、供給洞29、溜め部27の向きは45度の斜めであるが、垂直でもよいし、水平に近い斜め、垂直に近い斜めでもよい。溜め部7は凹部移動ローター3の上でも横でもこれらの中間位置でもよいし、溜め部27は凹部移動ローター23の下でも横でもこれらの中間位置でもよい。この場合でも樹脂材料Pの積圧は緩和される。供給洞9の向きが水平または水平に近いときには、樹脂材料Pの流れに沿って供給洞9内に空気が吹き付けられて、樹脂材料Pが送り込まれてもよい。
【0064】
溜め部7、27には樹脂材料Pが無い隙間ができるように、樹脂材料Pの単位時間当たりの供給量が決定される。また、エア排出穴8から噴出エアによっても、溜め部7、27内の樹脂材料Pに隙間ができる。図4の溜め部27にも、このようなエア排出穴8が設けられてもよい。これにより、樹脂材料Pが積圧で固まらずよく撹拌され、凹部移動ローター3、23の凹部4…、24…に樹脂材料Pが円滑に入る。
【0065】
凹部移動ローター3、23の凹部4…、24…には、樹脂材料P一粒が入るが、二粒または複数粒が入ってもよい。これに応じて、または樹脂材料P一粒の大きさが変わると、または単位時間当たりに送り出す樹脂材料Pの量/数が変更されると、凹部移動ローター3、23の凹部4…、24…の大きさ/幅/深さ/数が変更される。
【0066】
この場合、所望の凹部4…、24…の大きさ/幅/深さ/数に合わせて、凹部移動ローター3、23が交換される。また、単位時間あたりの送り出し量/粒数を変えるときには、凹部移動ローター3、23の回転速度が変えられたり、凹部4…、24…の少ないまたは多い凹部移動ローター3、23に交換されたりされる。
【0067】
凹部移動ローター3、23の凹部4…、24…の断面形状は「U」字状のほか、「V」字形、「C」字形、長方形、円形、楕円形、台形、多角形、星形、曲線形状、段差のある形状でもよい。凹部移動ローター3、23の厚さ、凹部4…、24…の深さ/幅の各寸法は、差がなく、2倍以下の差となり、樹脂材料Pの縦横幅厚さの各寸法は、差がなく、2倍以下の差となっている。
【0068】
さらに、凹部移動ローター3、23の厚さ、凹部4…、24…の深さ/幅の各寸法は、樹脂材料Pの縦横幅厚さのうち最も大きい寸法よりわずかに大きい。これにより、凹部移動ローター3、23の凹部4…、24…に樹脂材料Pが一粒ずつ確実に収納され、樹脂材料Pが余分に二粒以上収納されてしまうことがない。
【0069】
凹部移動ローター3、23は、一定間隔/所定間隔ごとに凹部4…、24…が形成されたベルトでもよく、樹脂材料Pが入った凹部4…、24…が溜め部7、27を抜けて、凹部4…、24…の位置及び向きが変わって、凹部4…、24…内の樹脂材料Pが送り出されれば、どのようなものでもよい。この場合、複数のプーリにこのベルトが架け渡され、溜め部7、27と送り出し部10、30との間をこのベルトが循環していく。
【0070】
溜め部7、27及び供給洞9、29と送り出し部30との隔離は、ケース1、底板34、取付板35のほか、隔離できればどのようなものでもよい。供給洞9、29は、筒状のほか、樹脂材料Pが貯蔵されているホッパータンクなどでもよい。溜め部7、27も、樹脂材料Pが貯蔵されているホッパータンクの下部などでもよい。
【0071】
溜め部7、27と送り出し部10、30とは、凹部移動ローター3、23に対して、図1では上側と下側という反対側に配置され、図4では一側面と他側面という反対側に配置されている。しかし、同じ側に配置されてもよい。この場合、上記エア排出穴8またはエア排出ノズル28と同じ手段によって、凹部4…、24…内の樹脂材料Pが送り出し部10、30へ吹き飛ばされ送り出される。このときでも、溜め部7、27及び供給洞9、29と送り出し部30とは完全に隔離される。
【0072】
図4の第二実施例において、凹部24…の入端25は出端26より小さいが、入端25は出端26より大きくてもよいし、同じ大きさでもよい。入端25から出端26へかけての傾斜は、凹部移動ローター23側面に対して45度ほどであるが、10度乃至45度でもよいし、45度乃至80度でもよい。
【0073】
この入端25から出端26へかけての傾斜角度は、溜め部27の傾斜に応じて変化し、溜め部27の傾斜角度が垂直に近づくと、10度乃至45度に小さくなり、溜め部27の傾斜角度が水平に近づくと、45度乃至80度に大きくなる。これにより、送り出し部30における入端25から出端26へ向けての角度は垂直に近づき、樹脂材料Pが凹部24…から出やすくなる。
【0074】
エア排出穴8のエア噴出方向は、溜め部7の中央に向かって水平方向のほか、溜め部7の上方に向かって斜め方向、溜め部7の下方に向かって斜め方向でもよい。樹脂材料Pを撹拌するのは、エア排出穴8のほか、溜め部7、27内に設けられたブロア、撹拌羽根車、スクリュー羽根車、撹拌棒などでもよい。この場合、これらのブロア、撹拌羽根車、スクリュー羽根車、撹拌棒は、モーター22の回転軸に巻きつけられたり、溜め部7の中心水平線に沿って水平方向に配置されたりされる。
【0075】
上記図1の第一実施例において、溜め部7は凹部移動ローター3の回転方向と反対方向にスライドし、送り出し部10は凹部移動ローター3の回転方向に沿ってスライドしてもよい。これにより、溜め部7は送出し部10より下にあり、凹部移動ローター3の下方で樹脂材料Pが凹部4…に入れられ、凹部移動ローター3の上方で樹脂材料Pが凹部4…より出され、凹部4…の入端5…に凹部4…内の樹脂材料P以外の樹脂材料Pが当たらない。
【0076】
図1の第一実施例において、凹部移動ローター3の入端5…は上記出端6…より小さくされ、凹部4…が送出し部10に位置するとき、樹脂材料Pは送出し部10において、凹部4…の入端5…側から空気が当てられてもよい。この場合、出端6…側から空気が当てられてもよい。この場合、樹脂材料Pは入端5…と出端6…との間から排出されて送り出される。また、送出し部10は、出端6…側まで広がっていてもよいし、出端6…及び入端5…の両側に広がっていてもよい。この場合、入端5…側から空気が当てられる。
【0077】
図4の第二実施例において、凹部移動ローター23は、高い位置と低い位置を循環しているが、溜め部27の半分では、凹部移動ローター23は、低い位置から高い位置経移動しているといえる。この場合、円筒状の溜め部27の当該半分のみ溜め部27とされ、残りの半分は閉鎖/充填されたり、円筒状の溜め部27が半円筒状とされたりしてもよい。
【0078】
図4の第二実施例において、遮蔽室36は省略されてもよい。この場合、凹部移動ローター23の上側つまり送り出し部30の反対側まで樹脂材料Pが達しないように、溜め部27に送り込まれる樹脂材料Pの単位時間当たりの供給量は調整される。
【0079】
(6)他の発明の効果
[1]ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、 この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、 この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂材料分配装置において、 上記溜め部内の凹部移動体の移動方向の終端付近から始端付近に向かって、溜め部内の樹脂材料を凹部移動体の移動方向と反対方向に撹拌することを特徴とする樹脂材料分配方法。
【0080】
[2]ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、 この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、 この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂製品の生産装置において、 上記溜め部内の凹部移動体の移動方向の終端付近から始端付近に向かって、溜め部内の樹脂材料を凹部移動体の移動方向と反対方向に撹拌することを特徴とする樹脂製品の生産方法。
【0081】
[3]ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、 この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、 この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂材料分配装置において、 上記溜め部と上記送出し部とは上記凹部移動体に対して互いに反対側に配置され、上記溜め部に面する凹部の片側の入端から樹脂材料が入り、上記送出し部に面する凹部の他側の出端から樹脂材料が送り出され、この凹部の上記入端は上記出端より小さくされていることを特徴とする樹脂材料分配方法。
【0082】
[4]ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、 この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、 この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂製品の生産装置において、 上記溜め部と上記送出し部とは上記凹部移動体に対して互いに反対側に配置され、上記溜め部に面する凹部の片側の入端から樹脂材料が入り、上記送出し部に面する凹部の他側の出端から樹脂材料が送り出され、この凹部の上記入端は上記出端より小さくされていることを特徴とする樹脂製品の生産方法。
【0083】
[5]ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、 この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、 この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置において、 上記溜め部と上記送出し部とは上記凹部移動体に対して互いに反対側に配置され、上記溜め部に面する凹部の片側の入端から樹脂材料が入り、上記送出し部に面する凹部の他側の出端から樹脂材料が送り出され、この凹部の上記入端は上記出端より小さくされていることを特徴とする樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。
【0084】
[6]上記凹部の上記入端は上記出端より小さくされているため、凹部内面は入端から出端に向かって傾斜しており、この傾斜面は、凹部が送出し部に位置するときは垂直に近づき、凹部が溜め部に位置するときは水平に近づき、凹部内の樹脂材料が樹脂材料の自重で送り出され易くなっていることを特徴とする請求項5記載の樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。これにより、樹脂材料が凹部から円滑に排出され、送出し部で樹脂材料が凹部に入ったまま排出されずに移動してしまうことがない。
【0085】
[7]上記溜め部は上記送出し部より下にあり、凹部移動体の下方で樹脂材料が凹部に入れられ、凹部移動体の上方で樹脂材料が凹部より出され、凹部の入端に凹部内の樹脂材料以外の樹脂材料が当たらないことを特徴とする請求項5または6記載の樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。これにより、凹部に入った樹脂材料以外の余分な樹脂材料が送出し部で引っかからず凹部に当たらず、凹部に入った樹脂材料以外の樹脂材料が送出し部で続けて余分に排出されることがない。
【0086】
[8]上記凹部移動体の上記送出し部と反対側は開放され、上記凹部移動体の上記溜め部と反対側は閉鎖され、 上記凹部が送出し部に位置するとき、上記樹脂材料は上記送出し部において、凹部の入端側から空気が当てられることを特徴とする請求項5、6または7記載の樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。これにより、樹脂材料が凹部から円滑に排出され、送出し部で樹脂材料が凹部に入ったまま排出されずに移動してしまうことがない。
【0087】
[9]ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、 この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部内を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、 この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置において、 上記溜め部内の凹部移動体の移動方向の終端付近から始端付近に向かって、凹部移動体の移動方向と反対方向に溜め部内の樹脂材料を撹拌する撹拌機構とを備えたことを特徴とする樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。
【0088】
[10]上記樹脂材料は樹脂材料自身の自重に沿って供給され、上記溜め部では凹部内に樹脂材料自身の自重に応じて樹脂材料が入れられるとともに、上記樹脂材料の供給方向は上記自重方向に対して斜めとして、樹脂材料の積圧を緩和することを特徴とする請求項5、6、7、8または9記載の樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。これにより、樹脂材料が積圧で固まらず、よくほぐされて、凹部移動体内の凹部に円滑に入る。
【0089】
[11]上記溜め部内で凹部移動体は低い位置から高い位置へ移動し、上記樹脂材料はこの溜め部内の低い位置に向かって供給されることを特徴とする請求項5、6、7、8、9または10記載の樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。これにより、凹部移動体内の凹部に入った樹脂材料以外の余分な樹脂材料が凹部移動体から落下し、凹部移動体内の凹部に余分な樹脂材料が引っかかることがない。
【産業上の利用可能性】
【0090】
単位時間当たりの樹脂材料の分配量/分配数を正確にし、樹脂材料を一粒ずつ正確に過不足なく送りだす。樹脂材料Pが溜まる溜め部27と樹脂材料Pの送出し部30とは凹部移動ローター23に対して互いに反対側に配置され、溜め部27に面する凹部24…の片側の入端25…から樹脂材料Pが入り、送出し部30に面する凹部24…の他側の出端26…から樹脂材料Pが送り出される。
【0091】
この凹部24…の入端25…は出端26…より小さくされる(図5)。これにより、凹部24…の徐々に狭まる入端25…から、樹脂材料Pの一粒のみが正確に入り込み、樹脂材料Pが余分に入り込まない。また樹脂材料Pが凹部24…の入端25…でぶつかり合って、凹部24…に入り込みにくくなることもない。
【0092】
溜め部7内の凹部移動ローター3の回転方向の終端付近から始端付近に向かって、エア排出穴8からの噴出エアによって、凹部移動ローター3の移動方向と反対方向に、溜め部7内の樹脂材料Pが撹拌される。これにより、撹拌されるので、溜め部7内部で樹脂材料Pが固まらず、樹脂材料Pが凹部移動ローター3の凹部4…に入り込みにくくなることがない。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置の第一実施例の構造の正面を示す。
【図2】樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置の第一実施例の構造の側面を示す。
【図3】樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置の第一実施例の凹部移動ローター3の側面断面を示す。
【図4】樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置の第二実施例の構造の正面を示す。
【図5】樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置の第二実施例の凹部移動ローター23の側面断面を示す。
【図6】従来のスクリュー式の樹脂材料供給装置と、本実施例/本発明の樹脂材料Pの計量/計数の実験結果を示す。
【図7】本実施例/本発明の樹脂材料分配装置/樹脂製品生産装置の供給速度/分配速度を変えた樹脂材料Pの計量/計数の実験結果を示す。
【符号の説明】
【0094】
1…ケース、2…モーター、
3…凹部移動ローター、4…凹部、
5…入端、6…出端、
7…溜め部、8…エア排出穴、
9…供給洞、10…送出し部、
21…ケース、22…モーター、
23…凹部移動ローター、24…凹部、
25…入端、26…出端、
27…溜め部、28…エア排出ノズル、
29…供給洞、30…送出し部、
31…隔壁、32…モーター室、
33…回転軸、34…底板、
35…取付板、36…遮蔽室。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、
この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、
この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂材料分配装置において、
上記溜め部内の凹部移動体の移動方向の終端付近から始端付近に向かって、溜め部内の樹脂材料を凹部移動体の移動方向と反対方向に撹拌することを特徴とする樹脂材料分配方法。
【請求項2】
ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、
この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、
この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂製品の生産装置において、
上記溜め部内の凹部移動体の移動方向の終端付近から始端付近に向かって、溜め部内の樹脂材料を凹部移動体の移動方向と反対方向に撹拌することを特徴とする樹脂製品の生産方法。
【請求項3】
ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、
この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、
この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂材料分配装置において、
上記溜め部と上記送出し部とは上記凹部移動体に対して互いに反対側に配置され、上記溜め部に面する凹部の片側の入端から樹脂材料が入り、上記送出し部に面する凹部の他側の出端から樹脂材料が送り出され、この凹部の上記入端は上記出端より小さくされていることを特徴とする樹脂材料分配方法。
【請求項4】
ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、
この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、
この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂製品の生産装置において、
上記溜め部と上記送出し部とは上記凹部移動体に対して互いに反対側に配置され、上記溜め部に面する凹部の片側の入端から樹脂材料が入り、上記送出し部に面する凹部の他側の出端から樹脂材料が送り出され、この凹部の上記入端は上記出端より小さくされていることを特徴とする樹脂製品の生産方法。
【請求項5】
ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、
この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、
この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置において、
上記溜め部と上記送出し部とは上記凹部移動体に対して互いに反対側に配置され、上記溜め部に面する凹部の片側の入端から樹脂材料が入り、上記送出し部に面する凹部の他側の出端から樹脂材料が送り出され、この凹部の上記入端は上記出端より小さくされていることを特徴とする樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。
【請求項6】
上記凹部の上記入端は上記出端より小さくされているため、凹部内面は入端から出端に向かって傾斜しており、この傾斜面は、凹部が送出し部に位置するときは垂直に近づき、凹部が溜め部に位置するときは水平に近づき、凹部内の樹脂材料が樹脂材料の自重で送り出され易くなっていることを特徴とする請求項5記載の樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。
【請求項7】
上記溜め部は上記送出し部より下にあり、凹部移動体の下方で樹脂材料が凹部に入れられ、凹部移動体の上方で樹脂材料が凹部より出され、凹部の入端に凹部内の樹脂材料以外の樹脂材料が当たらないことを特徴とする請求項5または6記載の樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。
【請求項8】
上記凹部移動体の上記送出し部と反対側は開放され、上記凹部移動体の上記溜め部と反対側は閉鎖され、
上記凹部が送出し部に位置するとき、上記樹脂材料は上記送出し部において、凹部の入端側から空気が当てられることを特徴とする請求項5、6または7記載の樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。
【請求項9】
ほぼ同大の多数の粒状の樹脂材料が供給されて溜められる溜め部と、
この樹脂材料より大きい複数の凹部を備え、この溜め部内を順次移動させていき、この溜め部を通過する中で、この凹部内に樹脂材料が入れられる凹部移動体と、
この樹脂材料が入った凹部が溜め部を抜けて、凹部の位置及び向きが変わって、凹部内の樹脂材料が送り出される、上記溜め部と隔離された送出し部とを備えた樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置において、
上記溜め部内の凹部移動体の移動方向の終端付近から始端付近に向かって、凹部移動体の移動方向と反対方向に溜め部内の樹脂材料を撹拌する撹拌機構とを備えたことを特徴とする樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。
【請求項10】
上記樹脂材料は樹脂材料自身の自重に沿って供給され、上記溜め部では凹部内に樹脂材料自身の自重に応じて樹脂材料が入れられるとともに、上記樹脂材料の供給方向は上記自重方向に対して斜めとして、樹脂材料の積圧を緩和することを特徴とする請求項5、6、7、8または9記載の樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。
【請求項11】
上記溜め部内で凹部移動体は低い位置から高い位置へ移動し、上記樹脂材料はこの溜め部内の低い位置に向かって供給されることを特徴とする請求項5、6、7、8、9または10記載の樹脂材料分配装置または樹脂製品生産装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−23460(P2010−23460A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191047(P2008−191047)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(508224395)
【Fターム(参考)】