説明

樹脂溶融装置の試料供給カートリッジ

【課題】 試料の熱シリンダーへの供給を自動で行うことが望まれている。
【課題手段】 熱シリンダー1上に上下端を開口したロートノズル4を連結起立し、このロートノズル4を振動発生器に連結した固定プレート6に固定する一方、上下に移動可能とした中空のカートリッジボディ7を設け、このカートリッジボディ7を該ロートノズル4の上部がカートリッジボディ7内に挿入される形状で、ロートノズル4上に連接し、固定プレート6を振動させてカートリッジボディ7内の試料をロートノズル4を通して熱シリンダー1内に自動供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂溶融装置の試料供給カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
メルトフローレイト(MFR)測定装置、メルトボリュームレイト(MVR)測定装置、キャピラリーレオメータ又は再生用合成樹脂熱圧着装置等の熱シリンダーを有する装置においては、ペレット状、パウダー状、フレーク状の試料又はこれら形状の異なる試料を混合して熱シリンダーに供給し、この熱シリンダーで加熱溶融された試料を試料押し込み棒により押し込み押し出すことにより測定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従前、この試料の熱シリンダーへの供給は手動でまたは半自動で行われており、この試料の熱シリンダーへの供給を自動で行うことが望まれているという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明の樹脂溶融装置の試料供給カートリッジ
は、熱シリンダー上に上下端を開口したロートノズルを連結起立し、このロートノズルを振動発生器に連結した固定プレートに固定する一方、上下に移動可能とした中空のカートリッジボディを設け、このカートリッジボディを該ロートノズルの上部がカートリッジボディ内に挿入される形状で、ロートノズル上に連接し、固定プレートを振動させてカートリッジボディ内の試料をロートノズルを通して熱シリンダー内に自動供給することを特徴とする。
【0005】
また、本発明の樹脂溶融装置の試料供給カートリッジは、上記カートリッジボディの上部に上下駆動機構を連結してある。
さらに、本発明の樹脂溶融装置の試料供給カートリッジは、上記カートリッジボディの上方からロートノズルを通し、熱シリンダーに達する上下動押し込み棒を設けてある。
【発明の効果】
【0006】
本発明の樹脂溶融装置の試料供給カートリッジは、熱シリンダー上に上下端を開口したロートノズルを連結起立し、このロートノズルを振動発生器に連結した固定プレートに固定する一方、上下に移動可能とした中空のカートリッジボディを設け、このカートリッジボディを該ロートノズルの上部がカートリッジボディ内に挿入される形状で、ロートノズル上に連接し、固定プレートを振動させてカートリッジボディ内の試料をロートノズルを通して熱シリンダー内に自動供給することを特徴とするから、樹脂溶融装置の熱シリンダーに対し、試料を自動的に供給できる効果がある。また、カートリッジボディ内に収めた試料を数回に分けて熱シリンダーに自動的に供給できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の樹脂溶融装置の試料供給カートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面に示した実施例により、本発明の詳細を説明する。
図中符号1が熱シリンダーで、下端にオリフィスまたはキャピラリー2をオリフィスまたはキャピラリー押え板3で装着してある。この熱シリンダー1上に上下端を開口したロートノズル4をその下端に設けた連結部5により連結起立させてある。また、このロートノズル4の下端の連結部5に振動発生器(図示せず)に連結した固定プレート6を固定してあり、振動発生器の作動によりロートノズル4を振動するようにしてある。
【0009】
上記ロートノズル4の上位に中空のカートリッジボディ7を設けてあり、その上端に上部フランジ8を設け、その下端に下部フランジ9を設けてある。上部フランジ8にはカートリッジボス10を捻じ込んで設けてあり、このカートリッジボス10に上下駆動機構11を連結してある。この上下駆動機構11の上下作動によりカートリッジボディ7を上下に移動するようにしてある。
【0010】
上記カートリッジボス10の内側と下部フランジ9の内側にOリング12を設けてあり、上記ロートノズル4をその上部が上記カートリッジボディ7内に挿入される形状にしてカートリッジボディ7をロートノズル4上に連接してある。この構成により上下駆動機構11の上下作動でカートロッジボディ7をロートノズル4に対して上下動するようにしてある。また、カートリッジボス10及び上部フランジ8を貫通して試料押し込み棒13を設けてあり、この試料押し込み棒13がカートリッジボディ7、ロートノズル4を通して、熱シリンダー1に挿入するようにしてある。
カートリッジボディ7内に試料が収められ、固定プレート6の振動によりロートノズル4が振動し、このロートノズル4の上端開口からカートリッジボディ7内の試料が熱シリンダー1内に自動的に供給される。
【0011】
上記カートリッジボディ7は、上下のOリング12によって内部が気密に保たれ、カートリッジボディ7内の試料の吸湿を防ぐことができる。
このカートリッジボディ7内に収められたペレット状、パウダー状、フレーク状の試料は、カートリッジボディ7内で固定プレート6が振動され、ロートノズル4が振動され、このロートノズル4の上端開口からロートノズル4に供給され、さらに、熱シリンダー1に供給される。
熱シリンダー1内に供給された試料は、加熱溶融され、押し込み棒13を熱シリンダー1内に押し込んで、溶融樹脂をオリフィスまたはキャピラリー2から押し出して種々の測定を行う。
【0012】
次いで、カートロッジボディ7を上下駆動機構11を上動させてロートノズル4にたいして少し上動し、同様にしてロートノズル4を振動し、カートリッジボディ7内の試料をロートノズル4の上端開口からロートノズル4に供給され、さらに熱シリンダー1に供給され、同様にして測定を行う。このようにしてカートリッジボディ7内の試料を数回に分けて熱シリンダー1に供給することができるため、熱シリンダー1内で溶融した試料に空気の混入を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0013】
1 熱シリンダー
2 オリフィスまたはキャピラリー
3 オリフィスまたはキャピラリー押え板
4 ロートノズル
5 連結部
6 固定プレート
7 カートリッジボディ
8 上部フランジ
9 下部フランジ
10 カートリッジボス
11 上下駆動機構
12 Oリング
13 押し込み棒


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱シリンダー上に上下端を開口したロートノズルを連結起立し、このロートノズルを振動発生器に連結した固定プレートに固定する一方、上下に移動可能とした中空のカートリッジボディを設け、このカートリッジボディを該ロートノズルの上部がカートリッジボディ内に挿入される形状で、ロートノズル上に連接し、固定プレートを振動させてカートリッジボディ内の試料をロートノズルを通して熱シリンダー内に自動供給することを特徴とする樹脂溶融装置の試料供給カートリッジ。
【請求項2】
上記カートリッジボディの上部に上下駆動機構を連結してある上記請求項1に記載の樹脂溶融装置の試料供給カートリッジ。
【請求項3】
上記カートリッジボディの上方からロートノズルを通し、熱シリンダーに達する上下動押し込み棒を設けてある上記請求項1又は2に記載の樹脂溶融装置の試料供給カートリッジ。

【図1】
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