説明

樹脂製ボトル

【課題】座屈強度を下げることなく、ラベル面の膨れを十分に低減させることができる軽量化された樹脂製ボトルを提供する。
【解決手段】内容物が充填される上下方向に延ばされた容器状のボトル本体3を備え、当該ボトル本体3が所望の厚みで形成されていることによって軽量化が実現されていると共に、当該ボトル本体3の側壁8がラベルを装着するための径内方向へ窪ませたラベル装着領域20を有する樹脂製ボトル1である。ラベル装着領域20に、炭酸飲料等による内圧がかかった際の側壁8の膨れを低減させる周方向全周に渡る凹状の縮径部23を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料物等の内容物を収容する樹脂製ボトルに関し、特に、座屈強度を下げることなく、ラベルが装着されるラベル面を膨れ難くした軽量化された樹脂製ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂で形成された樹脂製ボトルは、透明性とガスバリヤー性に優れ、炭酸飲料、ミネラルウォーター、果汁飲料等の飲料用の容器として広く普及している。このような樹脂製ボトルは、運搬時や保管時においてまとめて収容され積み上げられるため、当該樹脂製ボトルに軸方向内側(圧縮方向)へ向けて力がかかることが多い。樹脂製ボトルに軸方向内側への強い力がかかり当該樹脂製ボトルが座屈してしまうと、座屈痕が残り、商品価値を損なうおそれがある。そのため、運搬時や保管時に積み上げ数の調整作業等を必要とし商品管理に手間がかかっていた。座屈強度を維持させた樹脂製ボトルとして、例えば特許文献1には、ボトル本体101の側壁101aにおけるラベルを貼付する範囲内の一部に細い凹溝102を形成した樹脂製ボトル100(図5(a)参照)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−264918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、樹脂製ボトルの軽量化が要請されてきており、樹脂製ボトルを構成する樹脂の肉厚を薄くすることで樹脂の使用量が減らされ、樹脂製ボトルの重量が低減されている。例えば、図5(b)に示す炭酸飲料用の樹脂製ボトル150で軽量化が達成されている。この樹脂製ボトル150の側壁151には、ラベルを装着するための径内方向へ窪ませたラベル面151a(ラベル装着領域)が設けられており、それにより良好な外観が得られ、軽量化による座屈強度の低下を防いでいる。一般に、内容物として炭酸飲料が充填された場合、その内圧によって、樹脂製ボトルの側壁に径外方向へ向かう膨れを生じるという問題がある。このような膨れが生じると、自動販売機内における搬送性が著しく低下し、樹脂製ボトルの詰まり等のトラブルを起こす。軽量化された上記樹脂製ボトル150では、ラベル面151aが窪まされていることで、その膨れによる影響が出難くなっているものの、薄い肉厚の影響で当該ラベル面151aの膨れ度合いが大きく、上記のトラブルを解消するには至っていない。
【0005】
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、座屈強度を下げることなく、ラベル面の膨れを十分に低減させることができる軽量化された樹脂製ボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明の樹脂製ボトルは、内容物が充填される軸方向に延ばされた容器状のボトル本体を備え、当該ボトル本体が所要の厚みで形成されていることによって軽量化が実現されていると共に、当該ボトル本体の側壁がラベルを装着するための径内方向へ窪ませたラベル装着領域を有する樹脂製ボトルにおいて、前記ラベル装着領域に、当該樹脂製ボトルへ前記内容物による内圧がかかった際の当該ラベル装着領域の膨れを低減させる周方向全周に渡る凹状の縮径部が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
上記本発明の樹脂製ボトルによれば、径内方向へ窪ませたラベル装着領域に形成された周方向全周に渡る凹状の縮径部によって、当該樹脂製ボトルに前記内容物による内圧がかかった際の当該ラベル装着領域の膨れが効果的に低減される。従って、自動販売機内における樹脂製ボトルの搬送性が向上し、当該樹脂製ボトルの詰まり等のトラブルを解消することができる。また、軽量化が実現されており、縮径部が周方向全周に渡る凹状となっていることで座屈強度を維持することができる。
【0008】
前記縮径部の径方向深さは、0.1mm〜0.6mmであることが好ましい。縮径部がこのような範囲の径方向深さで構成されていれば、ラベル装着領域の膨れを確実に低減させることができ、それと共にラベルを装着した状態における良好な外観を得ることができる。
【0009】
前記縮径部の軸方向幅は、前記ラベル装着領域の軸方向幅の30%〜70%であることが好ましい。縮径部がこのような範囲の軸方向幅で構成されていれば、ラベル装着領域の膨れを確実に低減させることができ、それと共にラベルを装着した状態における良好な外観を得ることができる。
【0010】
前記縮径部には、多様な形状を採用することができる。例えば、全体が同径で幅広の同径部分と、この同径部分の軸方向両端に形成され径方向内側に向かうに従って当該同径部分側へ傾斜する幅狭の傾斜部分とで当該縮径部を構成した場合、前記傾斜部分の傾斜角度は45°以上であることが好ましい。縮径部がこのような幅広の同径部分と幅狭の傾斜部分とで構成されている場合、当該傾斜部分の傾斜角度が45°以上であれば、ラベル装着領域の膨れを確実に低減させることができる。
【0011】
前記同径部分の軸方向外側の第1隅部、及び前記傾斜部分の軸方向外側の第2隅部が、アール状に湾曲していることが好ましい。これら第1隅部及び第2隅部がアール状に湾曲していることで、当該第1及び第2隅部を起点とする座屈変形を防ぐことができる。
【0012】
前記縮径部が、当該縮径部の影響によってラベル装着時の外観に影響を及ぼさないように設けられていることが好ましい。この場合、縮径部がラベル装着時の外観に影響を及ぼさないため、商品の綺麗な外観を維持することができる。
【発明の効果】
【0013】
上記の通り、本発明によれば、軽量化されていると共に座屈強度が維持され、径内方向へ窪ませたラベル装着領域に形成された周方向全周に渡る凹状の縮径部によって、内圧がかかった際の当該ラベル装着領域の膨れを効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂製ボトルの正面図である。
【図2】樹脂製ボトルの要部輪郭図である。
【図3】樹脂製ボトルの要部斜視図である。
【図4】(a)は縮径部の第1変形例であり、(b)は縮径部の第2変形例である。
【図5】(a)は凹溝が設けられた従来の樹脂製ボトルの側面図であり、(b)は軽量化された従来の樹脂製ボトルの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂製ボトル1の正面図である。図1に示す樹脂製ボトル1は、軸方向(図1紙面上下方向:以下、単に上下方向とし、軸方向下側を単に下側、軸方向上側を単に上側という。)上端に位置する口部2と、飲料物等の内容物が充填される上下方向に延ばされた容器状のボトル本体3とで構成されている。このうちボトル本体3は、口部2に連続して形成され当該ボトル本体3の上下方向上側に位置する筒状の上胴部4と、この上胴部4に連続して形成され当該ボトル本体3の上下方向略中央に位置する筒状の中胴部5と、この中胴部5に連続して形成され当該ボトル本体3の上下方向下側に位置する下胴部6と、この下胴部6の下方を閉塞する底部7とで構成されている。このうちの上胴部4、中胴部5及び下胴部6で樹脂製ボトル1の側壁8が構成されている。樹脂製ボトル1は、熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレートにより一体的に成形された飲料用容器であって、内容物としての炭酸飲料等を充填した後に、口部2に図示しないキャップを装着することで密封できるようになっている。
【0016】
口部2は全体に略断面円形状に形成されており、当該口部2には、図示しないキャップを装着するための雄ねじ10と、大径のネックリング11が設けられている。口部2にキャップを螺合させることによって充填された内容物が密封される。上胴部4は、その上端4aから下端4bに向かうに従って拡径されて全体として下拡がりに形成されている。下胴部6は、その上端6aから下端6bまで略同径に形成されている。底部7には、樹脂製ボトル1を図示しない載置面に起立させた状態で、当該載置面に接地する5つの脚部14が周方向に等間隔で配置されている。
【0017】
図2は樹脂製ボトル1の要部(中胴部5)輪郭図であり、図3は樹脂製ボトル1の要部(中胴部5)斜視図である。中胴部5には、当該中胴部5の上端5aと下端5bに若干の上下方向幅を残した状態で図示しないラベルを装着するための径内方向へ窪ませたラベル装着領域20が設けられている。ラベル装着領域20の上下にはそれぞれ段差部分21、21が形成されており、上下の段差部分21、21の上下方向内側にラベルが装着されるようになっている。また、上下の段差部分21、21の隅部22はいずれもアール状に湾曲されている。
【0018】
中胴部5のラベル装着領域20の範囲内に、樹脂製ボトル1に内容物による内圧がかかった際のボトル本体3のラベル装着領域20の膨れを低減させる周方向全周に渡る凹状の縮径部23が形成されている。縮径部23は、全体が同径で幅広の同径部分24と、この同径部分24の上下方向両端に形成され径方向内側に向かうに従って当該同径部分24側へ傾斜する幅狭の傾斜部分25、25とで構成されている。また、同径部分24の上下方向外側の第1隅部26、及び傾斜部分25の上下方向外側の第2隅部27が、いずれもアール状に湾曲されている。
【0019】
本実施形態の樹脂製ボトル1における上述の各部の寸法は次のとおりである(図1及び図2参照)。ボトル本体3の全長t1は220mmであり、ラベル装着領域20を除く中胴部5の直径d1は68mmであり、ラベル装着領域20の上下の段差部分21、21の隅部22のアール寸法r1は1.50mmである。ラベル装着領域20の幅t2(上下方向寸法:以下同様)は44mmであり、縮径部23を除くラベル装着領域20の直径d2は66mmであり、ラベル装着領域20における縮径部23を除く上端部分20a及び下端部分20bの幅t3はいずれも10mmであり、従って、縮径部23の幅t4は24mmである。縮径部23の直径d3は65mmであり、縮径部23の深さ(径方向深さ)s1は0.25mmであり、同径部分24の上下方向外側の第1隅部26、及び傾斜部分25の上下方向外側の第2隅部27のアール寸法r2はいずれも0.3mmであり、傾斜部分25の幅t5は2.25mmであり、傾斜部分25の傾斜角度θは50°である。ラベル装着領域20の平均肉厚は、0.3mm〜0.4mmであり、ボトル本体3の全体の平均肉厚は、約0.35mmである。従来のボトル本体の全体の平均肉厚は、約0.50mmであり、従来よりも肉厚を抑えることで、重量が低減され軽量化が実現されている。なお、本実施形態における上記各寸法は一例であり、当該各寸法は限定されるものではない。なお、縮径部23を除くラベル装着領域20の各寸法は、主に意匠性やボトル本体3の座屈強度を考慮して決められるものであるが、当該ラベル装着領域20の直径d2に関しては、ラベルを装着する際の当該ラベルの破れを起こさないように決定される。中胴部5の上下端5a、5bとラベル装着領域20との段差が大きいと、ラベルを径方向に大きく延ばす必要があり、当該ラベルの破れが起こる原因となるからである。
【0020】
中胴部5のラベル装着領域20に形成された上記構成を有する縮径部23によって、樹脂製ボトル1へ内容物による内圧がかかった際のボトル本体3の当該ラベル装着領域20の膨れが効果的に低減されている。縮径部23の上記幅t4は、ラベル装着領域20の幅t2の30%〜70%であることが好ましい。縮径部23の幅t4が、ラベル装着領域20の幅t2の30%より小さいと、当該ラベル装着領域20の膨れを低減させる十分な効果が得られず、当該ラベル装着領域20の幅t2の70%を超えると、ラベルの装着時に、当該ラベルにしわ等が起こり外観不良となるからである。従って、縮径部23が、上記範囲の幅t4で構成されていることで、ラベル装着領域20の膨れを確実に低減させることができ、それと共にラベルを装着した状態での良好な外観を得ることができる。
【0021】
縮径部23の上記深さs1は0.1〜0.6mmであることが好ましい。なお、深さs1とは、径方向における最大深さのことをいう。縮径部23の深さs1が0.1mmよりも小さいと、ラベル装着領域20の膨れを低減させる十分な効果が得られず、0.6mmを超えると、ラベルの装着時に、当該ラベルにしわ等が起こり外観不良となるからである。従って、縮径部23が、上記範囲の深さs1で構成されていることで、ラベル装着領域20の膨れを確実に低減させることができ、それと共にラベルを装着した状態での良好な外観を得ることができる。
【0022】
縮径部23の傾斜部分25の上記傾斜角度θは45°以上であることが好ましい。本実施形態のように縮径部23が幅広の同径部分24と幅狭の傾斜部分25とで構成されている場合、当該傾斜部分25の傾斜角度θが45°より小さいと、ラベル装着領域20の膨れを低減させる効果が小さくなるからである。従って、縮径部23の傾斜部分25が上記傾斜角度θで形成されていることで、ラベル装着領域20の膨れを確実に低減させることができる。
【0023】
さらに、上述のように縮径部23が、ラベル装着領域20の範囲内に設けられていると共に、当該ラベル装着領域20の上端部分20a及び下端部分20bに所要寸法を残した状態で設けられている。つまり、縮径部23が設けられても、当該縮径部23の上下には、ラベル装着領域20における直径が変更されていない上端部分20a及び下端部分20bが存在し、ラベル装着時における縮径部23の影響によるラベルのしわ等が生じず、商品の外観に影響を及ぼさないようになっている。なお、ラベル装着領域20の上端部分20a及び下端部分20bは、それぞれ当該ラベル装着領域20の15%〜30%であることが好ましい。縮径部23がラベル装着領域20における上下方向の何れかに偏りすぎると、ラベルにしわが生じる等、ラベル装着時の商品の外観に影響を及ぼしてしまうからである。これにより、ボトル本体3の側壁8にラベルが装着された場合であっても、商品の綺麗な外観を維持することができる。また、ラベル装着領域20に、直径が変更されていない上端部分20a及び下端部分20bが存在することから、ラベルの仕様(ラベル径等)を変更する必要がなく、縮径部23を設けたことによるコストの増大を抑えることができる。
【0024】
本実施形態の樹脂製ボトル1は、プリフォーム成形工程とブロー成形工程とからなる二軸延伸ブロー成形法で成形される。プリフォーム成形工程では、図示しないプリフォーム成形用金型で、予備成形体であるプリフォームを成形し、ブロー成形工程では、得られたプリフォームを図示しないブロー成形用金型内で延伸ブロー成形する。より詳細には、原料である溶融状態のポリエチレンテレフタレート(PET)を、射出成形機で中空部を形成するインコアが設けられたプリフォーム成形用金型内に射出し、口部、及び容器状の本体部で構成されたプリフォームを成形する。
【0025】
続いて、得られたプリフォームの口部を挟持した状態で、当該プリフォームに、縮径部23を形成するための凸状部分が設けられたブロー成形用金型を装着し、中空部に挿入されたストレッチロッドで軸方向に延伸し、その一方で、ブローノズルを介して導入される気体により径方向に延伸する。この二軸延伸により、ブロー成形用金型のキャビティの形状に沿って樹脂製ボトル1が成形される。
【0026】
上記本実施形態の樹脂製ボトル1によれば、径内方向へ窪ませたラベル装着領域20に形成された周方向全周に渡る凹状の縮径部23によって、当該樹脂製ボトル1へ内容物による内圧がかかった際の当該ラベル装着領域20の膨れが効果的に低減される。より具体的には、炭酸飲料等が充填されて内圧がかかった状態で、ラベル装着領域20の一部でも中胴部5の上端5aや下端5bよりも径方向外側へ出ないようになっている。従って、自動販売機内における樹脂製ボトル1の搬送性が向上し、当該樹脂製ボトル1の詰まり等のトラブルを解消することができる。また、軽量化が実現されており、縮径部23が周方向全周に渡る凹状となっていることで座屈強度をも維持することができる。
【実施例】
【0027】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。実施例として、縮径部を設けた上記実施形態の樹脂製ボトルを成形し、比較例としてこの樹脂製ボトルと同形状、同寸法で縮径部を設けていない樹脂製ボトルを成形し、それぞれの樹脂製ボトルに実際に炭酸飲料を充填し、ボトル本体の側壁の各部の直径を計測した。その結果を以下に示す。
(実施例)ラベル装着領域の上側(中胴部の上端)の直径:68.53mm、ラベル装着領域の下側(中胴部の下端)の直径:68.49、縮径部でないラベル装着領域の直径:67.81mm
(比較例)ラベル装着領域の上側(中胴部の上端)の直径:68.55mm、ラベル装着領域の下側(中胴部の下端)の直径:68.52、ラベル装着領域の直径:68.12mm
これらの寸法から、炭酸飲料を充填した状態では実施例のラベル装着領域の上下の段差(片側)は約0.36mmであり、比較例のラベル装着領域の上下の段差(片側)は約0.21mmである。このことから、縮径部を設けることで、炭酸飲料を充填したことによるラベル装着領域の膨れが低減されていることが認められる。
【0028】
上記の実施例の樹脂製ボトルと比較例の樹脂製ボトルの座屈強度試験を行った。座屈強度試験は、東洋精機製作所製のストログラフV1Cを用いて、座屈スピード:50mm/min、天面シールの条件で行った。その結果、座屈強度は、いずれも230N〜250Nであり、実施例の樹脂製ボトルで著しい座屈強度の低下はみられず、実使用に耐えうるだけの十分な座屈強度を有することが認められた。
【0029】
上記で開示した実施形態の樹脂製ボトルは、本発明に係る樹脂製ボトルを例示したものであり、樹脂製ボトルの形状、樹脂製ボトルの各部の寸法は適宜変更することができる。縮径部の形状は上述の効果を発揮できるものであれば、上記実施形態に限られるものではない。縮径部の変形例としては、例えば図4(a)に示す湾曲状の縮径部30や図4(b)に示すV字型の縮径部40が挙げられる。図4(a)及び図4(b)では、上記実施形態と共通する部位については同符号を付している。上記実施形態では、凹状のラベル装着領域を設けた樹脂製ボトルを開示しているが、ラベル装着領域の形態を変更することもできる。なお、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示されるものであり、当該本発明の範囲には当該特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内の全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0030】
1 樹脂製ボトル
3 ボトル本体
4 上胴部
4a 上端
4a 下端
5 中胴部
5a 上端
5b 下端
6 下胴部
6a 上端
6b 下端
7 底部
8 側壁
20 ラベル装着領域
20a 上端部分
20b 下端部分
22 隅部
23 縮径部
24 同径部分
25 傾斜部分
26 第1隅部
27 第2隅部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填される軸方向に延ばされた容器状のボトル本体を備え、当該ボトル本体が所要の厚みで形成されていることによって軽量化が実現されていると共に、当該ボトル本体の側壁がラベルを装着するための径内方向へ窪ませたラベル装着領域を有する樹脂製ボトルにおいて、
前記ラベル装着領域に、当該樹脂製ボトルへ前記内容物による内圧がかかった際の当該ラベル装着領域の膨れを低減させる周方向全周に渡る凹状の縮径部が形成されていることを特徴とする樹脂製ボトル。
【請求項2】
前記縮径部の径方向深さは、0.1mm〜0.6mmであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製ボトル。
【請求項3】
前記縮径部の軸方向幅は、前記ラベル装着領域の軸方向幅の30%〜70%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製ボトル。
【請求項4】
前記縮径部は、全体が同径で幅広の同径部分と、この同径部分の軸方向両端に形成され径方向内側に向かうに従って当該同径部分側へ傾斜する幅狭の傾斜部分とで構成されており、前記傾斜部分の傾斜角度が45°以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂製ボトル。
【請求項5】
前記同径部分の軸方向外側の第1隅部、及び前記傾斜部分の軸方向外側の第2隅部が、アール状に湾曲していることを特徴とする請求項4に記載の樹脂製ボトル。
【請求項6】
前記縮径部が、当該縮径部の影響によってラベル装着時の外観に影響を及ぼさないように設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂製ボトル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−121617(P2012−121617A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275615(P2010−275615)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000178826)日本山村硝子株式会社 (140)
【Fターム(参考)】