機器によってインタラクティブコンテンツを表示するコンテンツ表示方法及び装置
【課題】トレーディングカードのようなコンテンツを表示する携帯用のアイテムに、インタラクティブコンテンツを表示させる。
【解決手段】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置は、機器を検出し、その機器に対応した状態レベルを検出し、機器において状態レベルに基づいてコンテンツを受信し、状態レベルに基づいて機器にコンテンツを表示する。
【解決手段】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置は、機器を検出し、その機器に対応した状態レベルを検出し、機器において状態レベルに基づいてコンテンツを受信し、状態レベルに基づいて機器にコンテンツを表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年3月17日に出願された、同一発明者による米国仮特許出願第60/455,625号「インタラクティブトレーディングカード(Interactive Trading Cards)」の優先権を主張し、この出願は参照することにより本出願に援用される。
【0002】
本発明は、一般的にはコンテンツの表示に関し、特に、機器によってインタラクティブコンテンツを表示することに関する。
【背景技術】
【0003】
長年の間、コンテンツを表示するのに携帯用の静止画像が表示されたものが用いられている。例えば、トレーディングカードは、コンテンツを表示する携帯用のアイテムである。多くの人々にとって、トレーディングカードを収集することは、よく知られた趣味となっている。これらのトレーディングカードは、サッカー、野球、架空のアニメキャラクタ、アクションフィギュアなどの普及を促進している。これらのトレーディングカードに表示されたコンテンツは、通常、トレーディングカードの表面に印刷された静止画像又はホログラムである。
【0004】
長年のうちに、トレーディングカードの製造及び印刷技術が改良され、カードの画質及び耐久性が改善されている。しかし、長年に亘ってトレーディングカードは改良されてきたが、カードに静止画像を表示する基本的前提条件はほとんど変わらないままである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、本発明に係るコンテンツ表示方法及び装置は、機器を検出し、この機器に対応した状態レベルを検出し、状態レベルに基づいて機器のコンテンツを受信し、機器に、状態レベルに基づいてコンテンツを表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置が実施される環境を示す図である。
【図2】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態を簡略に示すブロック図である。
【図3】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係るシステムを簡略に示すブロック図である。
【図4】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係る装置を簡略に示すブロック図である。
【図5】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置に使用する記録情報の具体例を示す図である。
【図6】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置が実施される環境を示す図である。
【図7】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係るフローチャートである。
【図8】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係るフローチャートである。
【図9】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係る機器を示す図である。
【図10】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係る機器を示す図である。
【図11】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係る機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、機器によって動的コンテンツを表示するコンテンツ表示方法及び装置について詳細に説明する。この詳細な説明は、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置を限定するものではなく、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の範囲は、特許請求の範囲によって定義される。本発明を適用した他の多くの実施形態が可能であることは当業者に明らかである。
【0008】
「コンテンツ」には、テキストデータ、グラフィックデータ、ビデオ映像、デジタル画像、オーディオデータなどがある。
【0009】
一実施形態において、機器によって動的コンテンツを表示するコンテンツ表示方法及び装置により、ユーザは便利な電子機器を介してインタラクトすることができる。一実施形態では、ユーザは、コンサート等のエンターテインメントイベントに入場するチケット半券と同様に電子機器を利用する。また、この具体例では、電子機器は、ボタンのようにエンターテインメントイベントに身につけて行き、コンサートに関するユーザの選択したコンテンツを表示する。さらに、電子機器は、コンサート中又はその後に使用するために、エンターテインメントイベントの画像、オーディオデータ及びビデオ映像を無線でダウンロードするのに用いられる。一実施形態では、ビデオ映像は、電子機器にストリーミングされ、電子機器は、コンサートの演奏を捉えた実時間のシーンを表示する。一実施形態では、電子機器に表示されたビデオ映像は、電子機器のユーザには視聴することのできないベストシーン(vantage point)を表示する。
【0010】
他の実施形態では、電子機器は、トレーディングカードとして利用される。この実施形態では、トレーディングカードはユーザによってカスタマイズされる。このカスタマイズ中、トレーディングカードに、画像、ビデオ映像、及び他のコンテンツを関連付ける。他の実施形態では、特定のトレーディングカードに関連付けられたコンテンツによってもたらされるトレーディングカードの状態レベルを割り当て、更新する。これらのトレーディングカードを異なるユーザと交換することの他に、トレーディングカードは、他のトレーディングカードを検出し、他のトレーディングカードに対抗してコンテンツを関連付ける。これらのコンテスト(contest)の種々の段階において、トレーディングカードに異なるコンテンツが表示される。一実施形態では、コンテストに勝つことによって、トレーディングカードには、より高い状態レベルが割当てられる。
【0011】
図1は、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置を実現する環境を例示する図である。この環境は、電子機器110(例えば、プラスチック製、厚紙製、金属製等のフレキシブルカードのような、クライアント装置として動作するコンピュータプラットフォーム)、ユーザインタフェース115、ネットワーク120(例えば、ローカルエリアネットワーク、ホームネットワーク、インターネット)、及びサーバ130(例えば、サーバとして動作するコンピュータプラットフォーム)を含む。
【0012】
一実施形態では、1以上のユーザインタフェースコンポーネント115は、電子機器110と一体に構成される(例えば、ディスプレイとスピーカのように、キーパッド、ビデオ表示画面、入出力インタフェースを同一筐体内に統合する)。一実施形態において、ユーザは、インタフェース115を用いて、電子機器110、サーバ130又はネットワーク120を介して接続された遠隔記憶装置(図示せず)に格納されたコンテンツ及びアプリケーションにアクセスし、制御する。
【0013】
本発明に係る、以下に述べる機器によって動的コンテンツを表示する実施形態は、電子機器110内又はサーバ130内の電子プロセッサによって、或いは、電子機器110内及びサーバ130内の協働するプロセッサによって実行される。図1において、サーバ130は、単一のコンピュータプラットフォームとして例示されているが、他の具体例においては、2つ以上の相互接続されたコンピュータプラットフォームがサーバとして機能する。
【0014】
図2は、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置を実現するアーキテクチャを簡略に示す図である。
【0015】
例示したアーキテクチャは、複数の電子機器110、サーバ装置130、及びこれらの電子機器110をサーバ装置130に接続するとともに各電子機器110を互いに接続するネットワーク120を備える。複数の電子機器110の各々は、電子プロセッサ208に接続されたランダムアクセスメモリ等のコンピュータ読出可能媒体209を備える。電子プロセッサ208は、コンピュータ読出可能媒体209に格納されたプログラム命令を実行する。一実施形態では、唯一の(unique)ユーザが、図1を参照して説明したインタフェース115を介して各電子機器110を操作する。
【0016】
サーバ装置130は、コンピュータ読出可能媒体212に接続されたプロセッサ211を備える。一実施形態では、サーバ装置130は、これに限定されないが、データベース240のような二次データ記憶素子等の1以上の別の外部又は内部装置に接続されている。
【0017】
一実施形態において、複数のクライアント装置110及びサーバ装置130は、機器によって動的コンテンツを表示するためのカスタムアプリケーションに対する命令を備えている。一実施形態では、複数のコンピュータ読出可能媒体209、212は、カスタムアプリケーションを部分的に備えている。さらに、複数のクライアント装置110及びサーバ装置130は、カスタムアプリケーションで用いるための電子メッセージを送受信するように構成されている。同様に、ネットワーク120は、カスタムアプリケーションで用いる電子メッセージを伝送するように構成されている。
【0018】
1以上のユーザアプリケーションが、コンピュータ読出可能媒体209、コンピュータ読出可能媒体212に格納され、或いは、単一のユーザアプリケーションの一部がコンピュータ読出可能媒体209に、また一部がコンピュータ読出可能媒体212に格納されている。一具体例において、格納されたユーザアプリケーションは、格納場所に関係なく、以下に説明する実施形態を用いて決められるイベントに関連したコンテンツの取得及び記憶に基づいてカスタマイズできるようになっている。
【0019】
図3は、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置を実現する電子機器110のアーキテクチャを簡略に例示する図である。
【0020】
一実施形態において、電子機器110は、プラスチック、金属等のフレキシブル材料から成る。一実施形態では、電子機器110は、コンサートやスポーツイベントのようなエンターテインメントイベントにアクセスできるチケットやバッジとして構成される。他の実施形態では、電子機器110は、異なるコンテンツを表示する飾りボタンとして装着するように構成される。さらに他の実施形態では、電子機器110は、ユーザ間で交換されるトレーディングカードであり、ユーザは、コンテンツを選択的に表示し、また、他のトレーディングカードとのコンテストに参加する。
【0021】
一実施形態では、電子機器110は、プロセッサ310、電源320、送受信機330、ユーザ入力340、メモリ350、表示装置360、及び無線ICタグセンサ/送信機370を備える。一実施形態では、プロセッサ310は、電源320、送受信機330、ユーザ入力340、メモリ350、表示装置360、及び無線ICタグセンサ/送信機370に接続されている。
【0022】
一実施形態では、電源320は、電子機器110に電力を供給する。一実施形態では、電源320は、リチウムイオン、リチウムポリマ等の技術を用いた再充電可能な電池である。一実施形態では、電源320は、電子機器110との電気接続を介して電子機器110の外部から再充電される。他の実施形態では、電源320は、他の機器に接続するためのポートとしても機能する。さらに他の実施形態では、電源320は、電磁波によって電源320を充電する充電マットに電子機器110を装着することによって再充電される。
【0023】
一実施形態では、プロセッサ310は、電子機器110が使用状態にない時にエネルギを節約するために電源320のリソースを管理する。
【0024】
一実施形態では、送受信機330は、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置に用いる信号を送受信する。一実施形態では、送受信機330において送受信する信号は、コンテンツを表す。他の実施形態では、送受信機330において受信する信号は、他の機器を識別する信号を含む。他の実施形態では、送受信機330において送信する信号は、現在の機器を識別する信号を含む。
【0025】
一実施形態では、送受信機330は、ブルートゥース、超広帯域無線(ultra-wideband)、キーレスエントリ、マイクロ波伝送、セルラ伝送(cellular transmission)、無線周波数伝送等の直接無線通信を介して他の機器と通信する。他の実施形態では、送受信機330は、有線ネットワーク接続(hard-wired network connection)を介して他の機器と通信する。
【0026】
一実施形態では、ユーザ入力340により、ユーザは電子機器110に情報を入力することができる。一実施形態では、ユーザ入力340は、タッチスクリーン、キー、ポインティングデバイス及び/又はマイクロホンを含む。例えば、ユーザ入力340は、ユーザから命令を受け取り、電子機器110を制御する。
【0027】
一実施形態では、メモリ350は、コンテンツのようなデータ、電子機器110のプロファイル情報、その他の機器のプロファイル情報、アカウント情報等を格納する。一実施形態では、メモリ350は、書込可能半導体メモリ(writable solid-state memory)、磁気媒体、RAM及びROMを含む。
【0028】
一実施形態では、表示装置360は、電子機器110のユーザに情報を表示する。一実施形態では、表示装置360は、液晶表示装置、有機発光ダイオードディスプレイ等のグラフィックディスプレイによって可視情報を提供する。一実施形態では、グラフィックディスプレイは、カラー画像を生成する。他の実施形態では、グラフィックディスプレイは、単色画像を生成する。さらに他の実施形態では、グラフィックディスプレイは、連続した動画像(animated sequence of images)を生成する。
【0029】
他の実施形態では、表示装置360は、スピーカを通してオーディオ情報を提供する。
【0030】
一実施形態では、無線ICタグセンサ/送信機370は、電子機器110に関するプロファイル情報を同報通信するのに用いられる。図5に、プロファイル情報の一具体例を示す。一実施形態では、無線ICタグセンサ/送信機370は、プロファイル情報を他の電子機器110又はサーバ130に同報通信することができる。例えば、無線ICタグセンサ/送信機370は、電子機器110のオペレーション状態に関係なく、他の機器にプロファイル情報を同報通信し続ける。他の具体例では、プロセッサ310は、プロファイル情報を同報通信するように無線ICタグセンサ/送信機370に選択的に命令する。
【0031】
他の実施形態では、無線ICタグセンサ/送信機370は、他の電子機器110又はサーバ130から同報通信されたプロファイル情報を受信するのに用いられる。
【0032】
図4に、装置400の一実施形態を示す。一実施形態では、装置400は、サーバ130内で実現される。他の実施形態では、装置400は、電子機器110内で実現される。さらに他の実施形態では、装置400は、電子機器110内とサーバ130内との両方において実現される。
【0033】
一実施形態では、装置400は、機器検出モジュール410と、位置検出モジュール420と、記憶モジュール430と、インタフェースモジュール440と、制御モジュール450と、階層モジュール460と、アカウントトランザクションモジュール470とを備える。
【0034】
一実施形態では、制御モジュール450は、機器検出モジュール410、位置検出モジュール420、記憶モジュール430、インタフェースモジュール440、階層モジュール460、及びアカウントトランザクションモジュール470と接続する。一実施形態では、制御モジュール450は、機器検出モジュール410、位置検出モジュール420、記憶モジュール430、インタフェースモジュール440、階層モジュール460、及びアカウントトランザクションモジュール470の間のタスク、要求、及び通信を調整する。
【0035】
一実施形態では、機器検出モジュール410は、機器のID(identity)を検出する。例えば、各機器は、整理番号等の一意的な識別子によって識別される。一実施形態において、機器を一意的に識別することによって、その特定の機器に対応したユーザも識別される。例えば、各一意の機器に対して唯一のユーザが登録されている場合には、そのユーザは、機器を識別する際に識別される。他の具体例では、複数のユーザが各一意の機器に関連付けられている場合に、パスワードを用いて機器の現在のユーザを識別する。
【0036】
一実施形態では、機器検出モジュール410は、無線ICタグセンサ/送信機370を介したプロファイル情報の伝送を通して動作する。一実施形態では、プロファイル情報は、特定の機器を識別する整理番号を備える。他の実施形態では、プロファイル情報は、機器及び機器のユーザを一意的に識別するパスワードを備える。
【0037】
一実施形態では、機器及び/又は機器のユーザを識別することにより、機器検出モジュール410は、特定の機器及び/又はユーザと関連付けられた付加情報を使用する。特定の機器及び/又はユーザに対応し、記録される付加情報の具体例を、図5に示す。一実施形態では、付加情報は、装置400によって使用される。
【0038】
一実施形態では、位置検出モジュール420は、機器検出モジュール410において検出した機器の位置を決定する。一実施形態では、位置検出モジュール420は、複数の衛星を介した全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)を用いて機器の位置を特定する。他の実施形態では、位置検出モジュール420は、セルラネットワークを用いて機器の位置を特定する。さらに他の実施形態では、位置検出モジュール420は、少なくとも1つのローカルセンサを用いて機器の位置を検出する。さらに他の実施形態では、位置検出モジュール420は、少なくとも1つの他の機器を用いて機器の位置を検出する。
【0039】
一実施形態において、位置検出モジュール420は、1フィートの範囲内の機器の位置を正確に検出する。他の実施形態では、位置検出モジュール420は、1マイルの範囲内の機器の位置を正確に検出する。
【0040】
一実施形態では、記憶モジュール430は、特定の機器に関連付けられたプロファイル情報を含む記録情報を格納する。他の実施形態では、記憶モジュール430は、特定のユーザに関連付けられた情報を含む記録情報を格納する。ユーザ又は機器に関連付けられた記録情報内に含まれる情報の具体例を図5に示す。
【0041】
一実施形態では、インタフェースモジュール440は、電子機器110の1つから機器又はユーザのIDを示す信号を受信する。他の実施形態では、インタフェースモジュール440は、電子機器110の1つから機器の位置を示す信号を受信する。さらに他の実施形態では、インタフェースモジュール440は、他の機器の位置、他の機器のID、又はコンテンツ等の情報を電子機器110の1つに送信する。
【0042】
一実施形態では、階層モジュール460は、対応する機器又はユーザの状態レベルをトラッキングする。例えば、コンサートにおいて、異なったレベルの座席指定選択権がある。この具体例では、あるチケットは、他のチケットと比較してプレミア座席指定を得る権利をチケットの所有者に与える。一実施形態では、階層モジュール460は、異なる状態レベルに対応するそれぞれの特徴をトラッキングする。他の実施形態では、階層モジュール460は、他の近くの機器又はユーザの状態レベルもトラッキングする。
【0043】
図5に示すように、一実施形態では、特定の機器又はユーザの状態レベルは、プロファイル情報内に格納される。
【0044】
一実施形態では、アカウントトランザクションモジュール470によって、電子機器110のユーザは、製品又はサービスを購入することができる。例えば、一実施形態では、アカウントトランザクションモジュール470によって、ユーザは、ユーザの状態レベルを増大させることができる。他の例では、アカウントトランザクションモジュール470によって、ユーザは、音楽、本等のコンテンツを購入することができる。
【0045】
図4の装置400は、例示のために示され、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態にすぎない。機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の範囲から逸脱しない範囲で、装置400に別のモジュールを付加してもよい。同様に、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の範囲から逸脱しない範囲で、モジュールを結合又は削除してもよい。
【0046】
図5に、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置に使用するため、特定のユーザ又は機器に対応するプロファイル情報を識別する記録情報500を示す。一実施形態では、記録情報500は、機器フィールド510のID、ユーザフィールド520のID、状態レベルフィールド530及びコンテンツリストフィールド540を含む。
【0047】
一実施形態では、機器フィールド510のIDは、機器を一意的に識別する。一具体例では、特定の機器を識別するために、一意の識別番号が用いられる。
【0048】
一実施形態では、ユーザフィールド520のIDは、参加者(participant)を一意的に識別する。一具体例では、パスワードを用いて特定のユーザを識別する。
【0049】
一実施形態では、同じ機器が複数のユーザによって使用される。したがって、ユーザフィールド520のIDは、同じ機器を使用する複数のユーザを区別する。
【0050】
他の実施形態において、各一意な機器は、単一のユーザによって使用される。一具体例では、機器のIDは参加者の識別に十分であるため、ユーザフィールド520のIDは必要でない。他の具体例では、ユーザのIDは、ユーザを識別するため、機器フィールド510のIDは必要でない。
【0051】
一実施形態では、状態レベルフィールド530は、対応するユーザ又は電子機器の状態レベルを識別する。一実施形態では、状態レベルは、複数のユーザ又は電子機器のランキングに用いられる。他の実施形態では、状態レベルは、ユーザ又は電子機器の状態レベルに基づいて、異なるサービス又は製品を提供するのに用いられる。一実施形態では、状態レベルフィールド530は、階層モジュール460によって使用される。
【0052】
一実施形態では、コンテンツリストフィールド540は、対応するユーザ又は電子機器によって制御されるコンテンツを識別する。例えば、ユーザが電子機器110内に格納されたミュージックコンテンツを購入した場合に、この特定のユーザに関連付けられたコンテンツリストフィールド540は、このミュージックコンテンツをリストする。他の具体例において、このミュージックコンテンツを購入したユーザが特定の電子機器と関連づけられた唯一のユーザである場合、この特定の電子機器と関連付けられたコンテンツリストフィールド540は、このミュージックコンテンツをリストする。
【0053】
図6に、機器によって動的コンテンツを表示するシステム600の一実施形態を示す。システム600は、機器610と、機器620と、機器630とを備える。一実施形態において、機器610、620、630は、電子機器110を表す。
【0054】
一実施形態では、機器610、620、630は、無線ネットワークを介して互いに接続されている。一実施形態において、機器610は、機器620、630の存在を検出する。一実施形態において、機器610は、機器620に近接しているため、機器620とインタラクトする。しかし、機器610は、機器630とは離れ過ぎているため、インタラクトしない。
【0055】
他の実施形態では、機器610、620、630は、機器610、620、630間の状態レベルを比較する。この実施形態では、機器610、620、630の状態レベルによって、機器間のインタラクションの形態が決まる。
【0056】
さらに他の実施形態では、機器610、620、630は、コンテンツを相互に交換する。さらに他の実施形態では、機器610、620、630は、プロファイル情報を相互に交換する。
【0057】
図7及び図8に、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態であるフローチャートを示す。フローチャートのブロックは、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の範囲から逸脱しない範囲で、異なる順序で実行してもよい。また、これらのブロックは、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の範囲から逸脱しない範囲で、削除、追加、結合してもよい。
【0058】
図7に示すフローチャートは、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の適用例を示す。この適用例では、電子機器を、エンターテインメントイベントに入場するチケットの半券として、エンターテインメントイベント開催中に使用する拡張機器(enhancing device)として、エンターテインメントイベントを思い出す記念品として、また、他の人に対してユーザの特徴及び状態を表すバッジ又はボタンとして使用している。
【0059】
ブロック710において、ユーザは、エンターテインメントイベント用のチケットを購入し、電子機器を受け取る。一実施形態において、電子機器は、可撓性の薄いカードの形状をしている。他の実施形態において、電子機器は、バッジのように装着できるように形成される。
【0060】
一実施形態において、エンターテインメントイベントは、コンサートである。他の実施形態において、エンターテインメントイベントは、スポーツイベント、テーマパークへの旅行等のいかなるエンターテインメントイベントであってもよい。
【0061】
ブロック720において、ユーザは、電子機器を持ってエンターテインメントイベントに入場する。一実施形態では、電子機器は、エンターテインメントイベントへの入場チケットとして機能する。例えば、エンターテインメントイベントにおいて、センサを用いてチケットを持ったユーザだけがエンターテインメントイベントに入場できるようにする。同様に、エンターテインメントイベントにおいて、電子機器を検出するセンサは、また、楽屋や特別席のような限定された区域への立入りを管理する。
【0062】
ブロック730において、電子機器を検出する。一実施形態では、電子機器は、エンターテインメントイベント会場内で検出される。例えば、会場の入口付近のセンサは、電子機器の有無を検出する。他の具体例では、センサ網によって、会場内の電子機器の位置を検出する。
【0063】
他の実施形態では、電子機器は、エンターテインメントイベント会場の外部で検出される。この実施形態では、電子機器は、会場外の所定の領域で検出され、その電子機器のユーザを会場の入口へ案内する道順を受信する。
【0064】
さらに他の実施形態では、電子機器は、所定の領域内の他の電子機器を検出する。
【0065】
ブロック740において、ユーザに関連したプロファイル情報が検出される。一実施形態では、プロファイル情報は、記憶モジュール430内に格納されている。プロファイル情報を示す記録情報の具体例は図5に示される。一実施形態では、プロファイル情報は、センサによって検出される。他の実施形態では、プロファイル情報は、サーバ130によって検出される。さらに他の実施形態では、プロファイル情報は、他の電子機器110によって検出される。
【0066】
一実施形態では、プロファイル情報は、ブロック710でチケットを購入したときに電子機器に最初にプログラミングされる。
【0067】
ブロック750において、ユーザの状態レベルが検出される。一実施形態では、状態レベルは、情報プロファイルの一部である。一実施形態では、同一のエンターテインメントイベントのチケットについて複数の状態レベルがある。例えば、あるチケットは、優先的すなわち特別席で購入される。他の具体例では、あるチケットは、楽屋区域に立ち入る権利をチケットの所有者に与えている。さらに他の具体例では、あるチケットによって、チケットの所有者は、追加的なコンテンツにアクセスすることができる。一実施形態では、エンターテインメントイベントの比較的高価なチケットを購入することにより、高い状態レベルを得ることができる。
【0068】
ブロック760において、電子機器は、コンテンツへのアクセス及び区域への立入りを許可される。一実施形態では、コンテンツは電子機器に送信される。一実施形態では、コンテンツは、サーバ130から発信され、電子機器によって無線で受信される。一実施形態では、コンテンツは、エンターテインメントイベントに対応したオーディオトラック、実時間で表示されるエンターテインメントイベントのビデオ映像、エンターテインメントイベントの演者の画像を含む。
【0069】
一実施形態において、エンターテインメントイベントを実時間で表示するビデオ映像は、ユーザがステージからの理想的な視点又は距離でそのエンターテインメントイベントを鑑賞できない場合に有用である。
【0070】
一実施形態では、電子機器のユーザは、電子機器で表示される様々な動画像を選択することによって電子機器をカスタマイズすることができる。一具体例では、電子機器は、そのイベントが終了した後、コンテンツを継続して表示し、ユーザのエンターテインメントイベントの記念となる。
【0071】
一実施形態では、電子機器は、特定のエンターテインメントイベントに固有のコンテンツを含むコレクターズアイテムとなる。例えば、特定のエンターテインメントイベントに固有のコンテンツを表示する電子機器は、他のエンターテインメントイベントにおいてボタンのように身につけられ、ユーザが熱烈なファンであることを示す。
【0072】
一実施形態では、電子機器は、特定の電子機器の状態レベルに関連するコンテンツを表示する。例えば、状態レベルの比較的高い電子機器は、状態レベルの比較的低い機器から電子機器を区別する画像を表示する。
【0073】
一実施形態では、電子機器にの状態レベルが異なると、その状態レベルに従って異なるコンテンツを提供することができる。例えば、一実施形態において、実時間のエンターテインメントイベントのビデオ映像のような良好なコンテンツは、比較的高い状態レベルを有する機器に割り当てられる。他の実施形態では、全ての電子機器が、標準的なコンテンツを受信することができるが、状態レベルの高い電子機器のみがプレミアムコンテンツを受信することができる。例えば、標準的なコンテンツは、エンターテインメントイベントに対応する2曲の歌曲を含み、プレミアムコンテンツは、そのイベントに対応する追加的な2曲の歌曲を含む。
【0074】
他の具体例では、全ての電子機器が標準的な画像のセットを利用することができる。しかし、プレミアム画像のセットは、状態レベルの高い電子機器のみに利用可能である。この具体例では、これらの画像は、ユーザによって選択されて電子機器に表示され、プレミアム画像は、標準的な画像と比較して、違う状態レベルの機器にユニークな表示を与える。
【0075】
一実施形態では、電子機器の状態レベルは、エンターテインメントイベント中に異なる区域への立入りを決める。例えば、状態レベルの高い電子機器は、楽屋区域への立入りを許可され、一方、状態レベルの低い電子機器は、楽屋区域への立入りを許可されない。この具体例では、状態レベルの高い電子機器は、限定された区域へ立ち入るキーとして機能する。
【0076】
一実施形態では、電子機器は、電子機器の隣接領域内で、他の電子機器と通信する。電子機器は、メッセージ及びコンテンツを相互に交換する。
【0077】
ブロック770において、電子機器のユーザは、エンターテインメントイベントのチケットの購入に引き続いて機器の状態レベルを高める機会が与えられる。一実施形態では、ユーザは初めに、状態レベルの低い基本チケットを購入する。しかし、一度エンターテインメントイベントに参加して、他の人が高い状態レベルのメリットを享受していることに気がつくと、ユーザは、高い状態レベルのアップグレード版を購入したくなる。
【0078】
一実施形態では、ユーザは、電子機器によって、アカウントトランザクションモジュール470を介して高い状態レベルを購入することができる。一実施形態において、ユーザは、状態レベルの高いチケットの在庫がなくなった時には高い状態レベルを購入することはできない。
【0079】
使用において、エンターテインメントイベントの主催者は、電子機器を通してエンターテインメントイベントの出席者に分配されるコンテンツを制御することができる。
【0080】
図8のフローチャートは、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の適用例を示す。この適用例では、電子機器を、他のユーザとの間で取引し、他のアクションカードに対してコンテストをするダイナミックアクションカードとして使用する。
【0081】
ブロック810において、電子機器はプログラミングされる。一実施形態では、電子機器は、ユーザによって使用されるカスタマイズ可能なアクションキャラクタを表す。一実施形態では、プロファイル情報は、電子機器内にプログラミングされる。電子機器内にプロファイル情報をプログラミングすることによって、ユーザは、特定の電子機器に対して状態レベルを設定することができる。また、ユーザは、特定の電子機器に対して、アクションキャラクタが他のキャラクタとのコンテストをしている時、アクションキャラクタがコンテンツを勝ち取った時、及び、アクションキャラクタがコンテンツ獲得に負けた時等の様々な時点にアクションキャラクタを表す動画像をプログラミングすることができる。他の実施形態では、ユーザは、電子機器で再生される個別の音声をプログラミングすることができる。これらの個別の音声には、ユーザの音声、音声ファイル(sound clip)などがある。
【0082】
ブロック820において、電子機器は他の電子機器を検出する。一実施形態では、電子機器の所定の領域内の他の電子機器の接近は、位置検出モジュール420によって検出される。ブロック830において、電子機器は、ブロック820で検出された電子機器のプロファイル情報を受信する。
【0083】
ブロック840において、電子機器と検出された電子機器との状態レベルが比較される。一実施形態において、電子機器と検出された電子機器とがコンテストをする場合に状態レベルが比較される。
【0084】
ブロック850において、電子機器と検出された電子機器とのコンテストの勝者が判定される。一実施形態において、状態レベルの高い機器がコンテストに勝利する。一実施形態において、電子機器と検出された電子機器との状態レベルが同じである場合には、勝者はランダムに選択される。一具体例では、乱数発生器は、コンテストの勝者をランダムに選択する番号を発生する。
【0085】
一実施形態では、コンテストの勝者は、対応する機器の状態レベルを高める。一実施形態では、状態レベルの増大した勝者機器は、強くなったアクションキャラクタと関連付けられ、アクションキャラクタが使用する武器やツール等の付加的な特徴を加えることができる。
【0086】
同様に、コンテストの敗者は、対応する機器の状態レベルを下げる。敗者機器の状態レベルが減少するのに伴い、敗者機器に関連付けられたアクションキャラクタは弱くなり、今までそのアクションキャラクタに属していた武器及びツールを失う。一実施形態では、機器があまりに多くのコンテストに負けると、この機器は、機器の状態レベルを増やすためにポイントを追加してプログラミング直す必要がある。他の実施形態では、機器がコンテストに負けると、機器のバッテリーレベルすなわち電力レベルは減少し、電源を再充電することが必要となる。
【0087】
ブロック860において、コンテンツは、電子機器に選択的に表示される。一実施形態では、コンテンツは、機器の現在の動作に基づいて選択され、電子機器に表示される。例えば、他の機器とコンテストをする、他の機器を検出する、コンテストに勝利する、コンテストに負ける等の機器の異なる動作について異なるコンテンツが表示される。
【0088】
一実施形態では、コンテストをしている2つの機器に表示されたコンテンツは、同期化される。一実施形態では、同期化により、各機器におけるコンテンツは、両方の機器に亘って単一の連続したコンテンツとして表すことができる。一実施形態では、同期化は、両機器間の通信により行われる。また、少なくとも1つの機器がそれぞれ他の機器の近くで検出されると、これらの機器は、これらの機器の位置に基づいてコンテンツを表示するように相互に協働する。例えば、複数の機器がある場合、1つの機器は、アクションキャラクタを表し、他の機器は、武器やツールのようなアクションキャラクタに使用される物を表す。
【0089】
一実施形態では、電子機器に関連付けられたアクションキャラクタを表す画像が電子機器に表示される。アクションキャラクタが状態レベルを獲得したり失ったりすると、アクションキャラクタの画像は変化する。一実施形態では、電子機器は、「待機」又はオフモードにある時にも、アクションキャラクタを表す画像を表示し続ける。
【0090】
図9に、エンターテインメントイベントチケット半券900の実施形態を示す。チケット半券900は、電子機器110の一実施形態である。チケット半券900には、ストラップ910が繋がれて示され、それにより、チケット半券900はバッジ又はボタンのようにユーザが身につけることができる。一実施形態では、チケット半券900は、プロファイル情報及びエンターテインメントイベント情報等のテキスト情報を表示するテキスト部分930を備える。一実施形態では、チケット半券900は、チケット半券900に含まれる又はチケット半券900に流布されるコンテンツを表示するディスプレイ920も備える。また、他の実施形態では、ディスプレイ920は、ユーザがチケット半券900に入力することができるタッチスクリーンである。
【0091】
図10は、トレーディングカード1000の実施形態を示す。トレーディングカード1000は、電子機器110の一実施形態である。一実施形態では、トレーディングカード1000は、ユーザがトレーディングカード1000とインタラクトするためのユーザ入力領域1010を備える。一実施形態では、トレーディングカード1000は、ユーザがコンテンツを見るための表示領域1020を備える。一実施形態では、トレーディングカード1000は、プロファイル情報等のテキスト情報を表示するテキスト部分1030を備える。
【0092】
図11は、図8のフローチャートに示すように相互にインタラクトする複数のトレーディングカードの実施形態を示す。トレーディングカード1100及び1110は、電子機器110の一実施形態である。一実施形態では、トレーディングカード1100及び1110は、トレーディングカード1000に示すように、ユーザ入力領域と、表示領域と、テキスト部分とを備える。
【0093】
一実施形態では、トレーディングカード1100及び1110は、相互に通信する。例えば、トレーディングカード1100及び1110は相互の位置を検出する。トレーディングカード1100及び1110が、互いに所定の領域内に位置する時、トレーディングカード1100及び1110は、相互にコンテストに入ることができる。コンテストの一具体例として、トレーディングカード1100及び1110は相互に仮想の戦いを行う。
【0094】
動作中、トレーディングカード1100及び1110は、要求された時に適切なコンテンツを表示するために相互に通信する。例えば、トレーディングカード1100及び1110が相互に仮想の戦いを始めると、トレーディングカード1100及び1110は、相互に信号を送信し、それぞれのトレーディングカードに戦いの動画が表示される。さらに、トレーディングカード1100及び1110は、コンテンツを表示するタイミングを正しく同期化するために相互に通信する。例えば、両トレーディングカード1100及び1110は、ほぼ同時に戦いの動画を表示する。
【0095】
上述した本発明の特定の実施形態は、例示及び説明のためのものであり、本発明は、種々の他の用途に適用されることができる。
【0096】
上述の実施形態は、包括的なものではなく、すなわち説明した各実施形態に本発明を限定するものではなく、当然ながら、上記の教示を踏まえて多くの変更及び変形が可能である。説明した実施形態は、発明の原理及び実際の適用例を説明するために選択され記載されたものであり、それにより当業者は本発明及び意図した特定の使用に適応するように種々変更した種々の実施形態を最大限に利用することができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲の請求項及びそれらの等価のものによって定義される。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年3月17日に出願された、同一発明者による米国仮特許出願第60/455,625号「インタラクティブトレーディングカード(Interactive Trading Cards)」の優先権を主張し、この出願は参照することにより本出願に援用される。
【0002】
本発明は、一般的にはコンテンツの表示に関し、特に、機器によってインタラクティブコンテンツを表示することに関する。
【背景技術】
【0003】
長年の間、コンテンツを表示するのに携帯用の静止画像が表示されたものが用いられている。例えば、トレーディングカードは、コンテンツを表示する携帯用のアイテムである。多くの人々にとって、トレーディングカードを収集することは、よく知られた趣味となっている。これらのトレーディングカードは、サッカー、野球、架空のアニメキャラクタ、アクションフィギュアなどの普及を促進している。これらのトレーディングカードに表示されたコンテンツは、通常、トレーディングカードの表面に印刷された静止画像又はホログラムである。
【0004】
長年のうちに、トレーディングカードの製造及び印刷技術が改良され、カードの画質及び耐久性が改善されている。しかし、長年に亘ってトレーディングカードは改良されてきたが、カードに静止画像を表示する基本的前提条件はほとんど変わらないままである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、本発明に係るコンテンツ表示方法及び装置は、機器を検出し、この機器に対応した状態レベルを検出し、状態レベルに基づいて機器のコンテンツを受信し、機器に、状態レベルに基づいてコンテンツを表示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置が実施される環境を示す図である。
【図2】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態を簡略に示すブロック図である。
【図3】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係るシステムを簡略に示すブロック図である。
【図4】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係る装置を簡略に示すブロック図である。
【図5】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置に使用する記録情報の具体例を示す図である。
【図6】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置が実施される環境を示す図である。
【図7】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係るフローチャートである。
【図8】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係るフローチャートである。
【図9】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係る機器を示す図である。
【図10】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係る機器を示す図である。
【図11】機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態に係る機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、機器によって動的コンテンツを表示するコンテンツ表示方法及び装置について詳細に説明する。この詳細な説明は、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置を限定するものではなく、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の範囲は、特許請求の範囲によって定義される。本発明を適用した他の多くの実施形態が可能であることは当業者に明らかである。
【0008】
「コンテンツ」には、テキストデータ、グラフィックデータ、ビデオ映像、デジタル画像、オーディオデータなどがある。
【0009】
一実施形態において、機器によって動的コンテンツを表示するコンテンツ表示方法及び装置により、ユーザは便利な電子機器を介してインタラクトすることができる。一実施形態では、ユーザは、コンサート等のエンターテインメントイベントに入場するチケット半券と同様に電子機器を利用する。また、この具体例では、電子機器は、ボタンのようにエンターテインメントイベントに身につけて行き、コンサートに関するユーザの選択したコンテンツを表示する。さらに、電子機器は、コンサート中又はその後に使用するために、エンターテインメントイベントの画像、オーディオデータ及びビデオ映像を無線でダウンロードするのに用いられる。一実施形態では、ビデオ映像は、電子機器にストリーミングされ、電子機器は、コンサートの演奏を捉えた実時間のシーンを表示する。一実施形態では、電子機器に表示されたビデオ映像は、電子機器のユーザには視聴することのできないベストシーン(vantage point)を表示する。
【0010】
他の実施形態では、電子機器は、トレーディングカードとして利用される。この実施形態では、トレーディングカードはユーザによってカスタマイズされる。このカスタマイズ中、トレーディングカードに、画像、ビデオ映像、及び他のコンテンツを関連付ける。他の実施形態では、特定のトレーディングカードに関連付けられたコンテンツによってもたらされるトレーディングカードの状態レベルを割り当て、更新する。これらのトレーディングカードを異なるユーザと交換することの他に、トレーディングカードは、他のトレーディングカードを検出し、他のトレーディングカードに対抗してコンテンツを関連付ける。これらのコンテスト(contest)の種々の段階において、トレーディングカードに異なるコンテンツが表示される。一実施形態では、コンテストに勝つことによって、トレーディングカードには、より高い状態レベルが割当てられる。
【0011】
図1は、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置を実現する環境を例示する図である。この環境は、電子機器110(例えば、プラスチック製、厚紙製、金属製等のフレキシブルカードのような、クライアント装置として動作するコンピュータプラットフォーム)、ユーザインタフェース115、ネットワーク120(例えば、ローカルエリアネットワーク、ホームネットワーク、インターネット)、及びサーバ130(例えば、サーバとして動作するコンピュータプラットフォーム)を含む。
【0012】
一実施形態では、1以上のユーザインタフェースコンポーネント115は、電子機器110と一体に構成される(例えば、ディスプレイとスピーカのように、キーパッド、ビデオ表示画面、入出力インタフェースを同一筐体内に統合する)。一実施形態において、ユーザは、インタフェース115を用いて、電子機器110、サーバ130又はネットワーク120を介して接続された遠隔記憶装置(図示せず)に格納されたコンテンツ及びアプリケーションにアクセスし、制御する。
【0013】
本発明に係る、以下に述べる機器によって動的コンテンツを表示する実施形態は、電子機器110内又はサーバ130内の電子プロセッサによって、或いは、電子機器110内及びサーバ130内の協働するプロセッサによって実行される。図1において、サーバ130は、単一のコンピュータプラットフォームとして例示されているが、他の具体例においては、2つ以上の相互接続されたコンピュータプラットフォームがサーバとして機能する。
【0014】
図2は、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置を実現するアーキテクチャを簡略に示す図である。
【0015】
例示したアーキテクチャは、複数の電子機器110、サーバ装置130、及びこれらの電子機器110をサーバ装置130に接続するとともに各電子機器110を互いに接続するネットワーク120を備える。複数の電子機器110の各々は、電子プロセッサ208に接続されたランダムアクセスメモリ等のコンピュータ読出可能媒体209を備える。電子プロセッサ208は、コンピュータ読出可能媒体209に格納されたプログラム命令を実行する。一実施形態では、唯一の(unique)ユーザが、図1を参照して説明したインタフェース115を介して各電子機器110を操作する。
【0016】
サーバ装置130は、コンピュータ読出可能媒体212に接続されたプロセッサ211を備える。一実施形態では、サーバ装置130は、これに限定されないが、データベース240のような二次データ記憶素子等の1以上の別の外部又は内部装置に接続されている。
【0017】
一実施形態において、複数のクライアント装置110及びサーバ装置130は、機器によって動的コンテンツを表示するためのカスタムアプリケーションに対する命令を備えている。一実施形態では、複数のコンピュータ読出可能媒体209、212は、カスタムアプリケーションを部分的に備えている。さらに、複数のクライアント装置110及びサーバ装置130は、カスタムアプリケーションで用いるための電子メッセージを送受信するように構成されている。同様に、ネットワーク120は、カスタムアプリケーションで用いる電子メッセージを伝送するように構成されている。
【0018】
1以上のユーザアプリケーションが、コンピュータ読出可能媒体209、コンピュータ読出可能媒体212に格納され、或いは、単一のユーザアプリケーションの一部がコンピュータ読出可能媒体209に、また一部がコンピュータ読出可能媒体212に格納されている。一具体例において、格納されたユーザアプリケーションは、格納場所に関係なく、以下に説明する実施形態を用いて決められるイベントに関連したコンテンツの取得及び記憶に基づいてカスタマイズできるようになっている。
【0019】
図3は、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置を実現する電子機器110のアーキテクチャを簡略に例示する図である。
【0020】
一実施形態において、電子機器110は、プラスチック、金属等のフレキシブル材料から成る。一実施形態では、電子機器110は、コンサートやスポーツイベントのようなエンターテインメントイベントにアクセスできるチケットやバッジとして構成される。他の実施形態では、電子機器110は、異なるコンテンツを表示する飾りボタンとして装着するように構成される。さらに他の実施形態では、電子機器110は、ユーザ間で交換されるトレーディングカードであり、ユーザは、コンテンツを選択的に表示し、また、他のトレーディングカードとのコンテストに参加する。
【0021】
一実施形態では、電子機器110は、プロセッサ310、電源320、送受信機330、ユーザ入力340、メモリ350、表示装置360、及び無線ICタグセンサ/送信機370を備える。一実施形態では、プロセッサ310は、電源320、送受信機330、ユーザ入力340、メモリ350、表示装置360、及び無線ICタグセンサ/送信機370に接続されている。
【0022】
一実施形態では、電源320は、電子機器110に電力を供給する。一実施形態では、電源320は、リチウムイオン、リチウムポリマ等の技術を用いた再充電可能な電池である。一実施形態では、電源320は、電子機器110との電気接続を介して電子機器110の外部から再充電される。他の実施形態では、電源320は、他の機器に接続するためのポートとしても機能する。さらに他の実施形態では、電源320は、電磁波によって電源320を充電する充電マットに電子機器110を装着することによって再充電される。
【0023】
一実施形態では、プロセッサ310は、電子機器110が使用状態にない時にエネルギを節約するために電源320のリソースを管理する。
【0024】
一実施形態では、送受信機330は、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置に用いる信号を送受信する。一実施形態では、送受信機330において送受信する信号は、コンテンツを表す。他の実施形態では、送受信機330において受信する信号は、他の機器を識別する信号を含む。他の実施形態では、送受信機330において送信する信号は、現在の機器を識別する信号を含む。
【0025】
一実施形態では、送受信機330は、ブルートゥース、超広帯域無線(ultra-wideband)、キーレスエントリ、マイクロ波伝送、セルラ伝送(cellular transmission)、無線周波数伝送等の直接無線通信を介して他の機器と通信する。他の実施形態では、送受信機330は、有線ネットワーク接続(hard-wired network connection)を介して他の機器と通信する。
【0026】
一実施形態では、ユーザ入力340により、ユーザは電子機器110に情報を入力することができる。一実施形態では、ユーザ入力340は、タッチスクリーン、キー、ポインティングデバイス及び/又はマイクロホンを含む。例えば、ユーザ入力340は、ユーザから命令を受け取り、電子機器110を制御する。
【0027】
一実施形態では、メモリ350は、コンテンツのようなデータ、電子機器110のプロファイル情報、その他の機器のプロファイル情報、アカウント情報等を格納する。一実施形態では、メモリ350は、書込可能半導体メモリ(writable solid-state memory)、磁気媒体、RAM及びROMを含む。
【0028】
一実施形態では、表示装置360は、電子機器110のユーザに情報を表示する。一実施形態では、表示装置360は、液晶表示装置、有機発光ダイオードディスプレイ等のグラフィックディスプレイによって可視情報を提供する。一実施形態では、グラフィックディスプレイは、カラー画像を生成する。他の実施形態では、グラフィックディスプレイは、単色画像を生成する。さらに他の実施形態では、グラフィックディスプレイは、連続した動画像(animated sequence of images)を生成する。
【0029】
他の実施形態では、表示装置360は、スピーカを通してオーディオ情報を提供する。
【0030】
一実施形態では、無線ICタグセンサ/送信機370は、電子機器110に関するプロファイル情報を同報通信するのに用いられる。図5に、プロファイル情報の一具体例を示す。一実施形態では、無線ICタグセンサ/送信機370は、プロファイル情報を他の電子機器110又はサーバ130に同報通信することができる。例えば、無線ICタグセンサ/送信機370は、電子機器110のオペレーション状態に関係なく、他の機器にプロファイル情報を同報通信し続ける。他の具体例では、プロセッサ310は、プロファイル情報を同報通信するように無線ICタグセンサ/送信機370に選択的に命令する。
【0031】
他の実施形態では、無線ICタグセンサ/送信機370は、他の電子機器110又はサーバ130から同報通信されたプロファイル情報を受信するのに用いられる。
【0032】
図4に、装置400の一実施形態を示す。一実施形態では、装置400は、サーバ130内で実現される。他の実施形態では、装置400は、電子機器110内で実現される。さらに他の実施形態では、装置400は、電子機器110内とサーバ130内との両方において実現される。
【0033】
一実施形態では、装置400は、機器検出モジュール410と、位置検出モジュール420と、記憶モジュール430と、インタフェースモジュール440と、制御モジュール450と、階層モジュール460と、アカウントトランザクションモジュール470とを備える。
【0034】
一実施形態では、制御モジュール450は、機器検出モジュール410、位置検出モジュール420、記憶モジュール430、インタフェースモジュール440、階層モジュール460、及びアカウントトランザクションモジュール470と接続する。一実施形態では、制御モジュール450は、機器検出モジュール410、位置検出モジュール420、記憶モジュール430、インタフェースモジュール440、階層モジュール460、及びアカウントトランザクションモジュール470の間のタスク、要求、及び通信を調整する。
【0035】
一実施形態では、機器検出モジュール410は、機器のID(identity)を検出する。例えば、各機器は、整理番号等の一意的な識別子によって識別される。一実施形態において、機器を一意的に識別することによって、その特定の機器に対応したユーザも識別される。例えば、各一意の機器に対して唯一のユーザが登録されている場合には、そのユーザは、機器を識別する際に識別される。他の具体例では、複数のユーザが各一意の機器に関連付けられている場合に、パスワードを用いて機器の現在のユーザを識別する。
【0036】
一実施形態では、機器検出モジュール410は、無線ICタグセンサ/送信機370を介したプロファイル情報の伝送を通して動作する。一実施形態では、プロファイル情報は、特定の機器を識別する整理番号を備える。他の実施形態では、プロファイル情報は、機器及び機器のユーザを一意的に識別するパスワードを備える。
【0037】
一実施形態では、機器及び/又は機器のユーザを識別することにより、機器検出モジュール410は、特定の機器及び/又はユーザと関連付けられた付加情報を使用する。特定の機器及び/又はユーザに対応し、記録される付加情報の具体例を、図5に示す。一実施形態では、付加情報は、装置400によって使用される。
【0038】
一実施形態では、位置検出モジュール420は、機器検出モジュール410において検出した機器の位置を決定する。一実施形態では、位置検出モジュール420は、複数の衛星を介した全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)を用いて機器の位置を特定する。他の実施形態では、位置検出モジュール420は、セルラネットワークを用いて機器の位置を特定する。さらに他の実施形態では、位置検出モジュール420は、少なくとも1つのローカルセンサを用いて機器の位置を検出する。さらに他の実施形態では、位置検出モジュール420は、少なくとも1つの他の機器を用いて機器の位置を検出する。
【0039】
一実施形態において、位置検出モジュール420は、1フィートの範囲内の機器の位置を正確に検出する。他の実施形態では、位置検出モジュール420は、1マイルの範囲内の機器の位置を正確に検出する。
【0040】
一実施形態では、記憶モジュール430は、特定の機器に関連付けられたプロファイル情報を含む記録情報を格納する。他の実施形態では、記憶モジュール430は、特定のユーザに関連付けられた情報を含む記録情報を格納する。ユーザ又は機器に関連付けられた記録情報内に含まれる情報の具体例を図5に示す。
【0041】
一実施形態では、インタフェースモジュール440は、電子機器110の1つから機器又はユーザのIDを示す信号を受信する。他の実施形態では、インタフェースモジュール440は、電子機器110の1つから機器の位置を示す信号を受信する。さらに他の実施形態では、インタフェースモジュール440は、他の機器の位置、他の機器のID、又はコンテンツ等の情報を電子機器110の1つに送信する。
【0042】
一実施形態では、階層モジュール460は、対応する機器又はユーザの状態レベルをトラッキングする。例えば、コンサートにおいて、異なったレベルの座席指定選択権がある。この具体例では、あるチケットは、他のチケットと比較してプレミア座席指定を得る権利をチケットの所有者に与える。一実施形態では、階層モジュール460は、異なる状態レベルに対応するそれぞれの特徴をトラッキングする。他の実施形態では、階層モジュール460は、他の近くの機器又はユーザの状態レベルもトラッキングする。
【0043】
図5に示すように、一実施形態では、特定の機器又はユーザの状態レベルは、プロファイル情報内に格納される。
【0044】
一実施形態では、アカウントトランザクションモジュール470によって、電子機器110のユーザは、製品又はサービスを購入することができる。例えば、一実施形態では、アカウントトランザクションモジュール470によって、ユーザは、ユーザの状態レベルを増大させることができる。他の例では、アカウントトランザクションモジュール470によって、ユーザは、音楽、本等のコンテンツを購入することができる。
【0045】
図4の装置400は、例示のために示され、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態にすぎない。機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の範囲から逸脱しない範囲で、装置400に別のモジュールを付加してもよい。同様に、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の範囲から逸脱しない範囲で、モジュールを結合又は削除してもよい。
【0046】
図5に、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置に使用するため、特定のユーザ又は機器に対応するプロファイル情報を識別する記録情報500を示す。一実施形態では、記録情報500は、機器フィールド510のID、ユーザフィールド520のID、状態レベルフィールド530及びコンテンツリストフィールド540を含む。
【0047】
一実施形態では、機器フィールド510のIDは、機器を一意的に識別する。一具体例では、特定の機器を識別するために、一意の識別番号が用いられる。
【0048】
一実施形態では、ユーザフィールド520のIDは、参加者(participant)を一意的に識別する。一具体例では、パスワードを用いて特定のユーザを識別する。
【0049】
一実施形態では、同じ機器が複数のユーザによって使用される。したがって、ユーザフィールド520のIDは、同じ機器を使用する複数のユーザを区別する。
【0050】
他の実施形態において、各一意な機器は、単一のユーザによって使用される。一具体例では、機器のIDは参加者の識別に十分であるため、ユーザフィールド520のIDは必要でない。他の具体例では、ユーザのIDは、ユーザを識別するため、機器フィールド510のIDは必要でない。
【0051】
一実施形態では、状態レベルフィールド530は、対応するユーザ又は電子機器の状態レベルを識別する。一実施形態では、状態レベルは、複数のユーザ又は電子機器のランキングに用いられる。他の実施形態では、状態レベルは、ユーザ又は電子機器の状態レベルに基づいて、異なるサービス又は製品を提供するのに用いられる。一実施形態では、状態レベルフィールド530は、階層モジュール460によって使用される。
【0052】
一実施形態では、コンテンツリストフィールド540は、対応するユーザ又は電子機器によって制御されるコンテンツを識別する。例えば、ユーザが電子機器110内に格納されたミュージックコンテンツを購入した場合に、この特定のユーザに関連付けられたコンテンツリストフィールド540は、このミュージックコンテンツをリストする。他の具体例において、このミュージックコンテンツを購入したユーザが特定の電子機器と関連づけられた唯一のユーザである場合、この特定の電子機器と関連付けられたコンテンツリストフィールド540は、このミュージックコンテンツをリストする。
【0053】
図6に、機器によって動的コンテンツを表示するシステム600の一実施形態を示す。システム600は、機器610と、機器620と、機器630とを備える。一実施形態において、機器610、620、630は、電子機器110を表す。
【0054】
一実施形態では、機器610、620、630は、無線ネットワークを介して互いに接続されている。一実施形態において、機器610は、機器620、630の存在を検出する。一実施形態において、機器610は、機器620に近接しているため、機器620とインタラクトする。しかし、機器610は、機器630とは離れ過ぎているため、インタラクトしない。
【0055】
他の実施形態では、機器610、620、630は、機器610、620、630間の状態レベルを比較する。この実施形態では、機器610、620、630の状態レベルによって、機器間のインタラクションの形態が決まる。
【0056】
さらに他の実施形態では、機器610、620、630は、コンテンツを相互に交換する。さらに他の実施形態では、機器610、620、630は、プロファイル情報を相互に交換する。
【0057】
図7及び図8に、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の一実施形態であるフローチャートを示す。フローチャートのブロックは、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の範囲から逸脱しない範囲で、異なる順序で実行してもよい。また、これらのブロックは、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の範囲から逸脱しない範囲で、削除、追加、結合してもよい。
【0058】
図7に示すフローチャートは、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の適用例を示す。この適用例では、電子機器を、エンターテインメントイベントに入場するチケットの半券として、エンターテインメントイベント開催中に使用する拡張機器(enhancing device)として、エンターテインメントイベントを思い出す記念品として、また、他の人に対してユーザの特徴及び状態を表すバッジ又はボタンとして使用している。
【0059】
ブロック710において、ユーザは、エンターテインメントイベント用のチケットを購入し、電子機器を受け取る。一実施形態において、電子機器は、可撓性の薄いカードの形状をしている。他の実施形態において、電子機器は、バッジのように装着できるように形成される。
【0060】
一実施形態において、エンターテインメントイベントは、コンサートである。他の実施形態において、エンターテインメントイベントは、スポーツイベント、テーマパークへの旅行等のいかなるエンターテインメントイベントであってもよい。
【0061】
ブロック720において、ユーザは、電子機器を持ってエンターテインメントイベントに入場する。一実施形態では、電子機器は、エンターテインメントイベントへの入場チケットとして機能する。例えば、エンターテインメントイベントにおいて、センサを用いてチケットを持ったユーザだけがエンターテインメントイベントに入場できるようにする。同様に、エンターテインメントイベントにおいて、電子機器を検出するセンサは、また、楽屋や特別席のような限定された区域への立入りを管理する。
【0062】
ブロック730において、電子機器を検出する。一実施形態では、電子機器は、エンターテインメントイベント会場内で検出される。例えば、会場の入口付近のセンサは、電子機器の有無を検出する。他の具体例では、センサ網によって、会場内の電子機器の位置を検出する。
【0063】
他の実施形態では、電子機器は、エンターテインメントイベント会場の外部で検出される。この実施形態では、電子機器は、会場外の所定の領域で検出され、その電子機器のユーザを会場の入口へ案内する道順を受信する。
【0064】
さらに他の実施形態では、電子機器は、所定の領域内の他の電子機器を検出する。
【0065】
ブロック740において、ユーザに関連したプロファイル情報が検出される。一実施形態では、プロファイル情報は、記憶モジュール430内に格納されている。プロファイル情報を示す記録情報の具体例は図5に示される。一実施形態では、プロファイル情報は、センサによって検出される。他の実施形態では、プロファイル情報は、サーバ130によって検出される。さらに他の実施形態では、プロファイル情報は、他の電子機器110によって検出される。
【0066】
一実施形態では、プロファイル情報は、ブロック710でチケットを購入したときに電子機器に最初にプログラミングされる。
【0067】
ブロック750において、ユーザの状態レベルが検出される。一実施形態では、状態レベルは、情報プロファイルの一部である。一実施形態では、同一のエンターテインメントイベントのチケットについて複数の状態レベルがある。例えば、あるチケットは、優先的すなわち特別席で購入される。他の具体例では、あるチケットは、楽屋区域に立ち入る権利をチケットの所有者に与えている。さらに他の具体例では、あるチケットによって、チケットの所有者は、追加的なコンテンツにアクセスすることができる。一実施形態では、エンターテインメントイベントの比較的高価なチケットを購入することにより、高い状態レベルを得ることができる。
【0068】
ブロック760において、電子機器は、コンテンツへのアクセス及び区域への立入りを許可される。一実施形態では、コンテンツは電子機器に送信される。一実施形態では、コンテンツは、サーバ130から発信され、電子機器によって無線で受信される。一実施形態では、コンテンツは、エンターテインメントイベントに対応したオーディオトラック、実時間で表示されるエンターテインメントイベントのビデオ映像、エンターテインメントイベントの演者の画像を含む。
【0069】
一実施形態において、エンターテインメントイベントを実時間で表示するビデオ映像は、ユーザがステージからの理想的な視点又は距離でそのエンターテインメントイベントを鑑賞できない場合に有用である。
【0070】
一実施形態では、電子機器のユーザは、電子機器で表示される様々な動画像を選択することによって電子機器をカスタマイズすることができる。一具体例では、電子機器は、そのイベントが終了した後、コンテンツを継続して表示し、ユーザのエンターテインメントイベントの記念となる。
【0071】
一実施形態では、電子機器は、特定のエンターテインメントイベントに固有のコンテンツを含むコレクターズアイテムとなる。例えば、特定のエンターテインメントイベントに固有のコンテンツを表示する電子機器は、他のエンターテインメントイベントにおいてボタンのように身につけられ、ユーザが熱烈なファンであることを示す。
【0072】
一実施形態では、電子機器は、特定の電子機器の状態レベルに関連するコンテンツを表示する。例えば、状態レベルの比較的高い電子機器は、状態レベルの比較的低い機器から電子機器を区別する画像を表示する。
【0073】
一実施形態では、電子機器にの状態レベルが異なると、その状態レベルに従って異なるコンテンツを提供することができる。例えば、一実施形態において、実時間のエンターテインメントイベントのビデオ映像のような良好なコンテンツは、比較的高い状態レベルを有する機器に割り当てられる。他の実施形態では、全ての電子機器が、標準的なコンテンツを受信することができるが、状態レベルの高い電子機器のみがプレミアムコンテンツを受信することができる。例えば、標準的なコンテンツは、エンターテインメントイベントに対応する2曲の歌曲を含み、プレミアムコンテンツは、そのイベントに対応する追加的な2曲の歌曲を含む。
【0074】
他の具体例では、全ての電子機器が標準的な画像のセットを利用することができる。しかし、プレミアム画像のセットは、状態レベルの高い電子機器のみに利用可能である。この具体例では、これらの画像は、ユーザによって選択されて電子機器に表示され、プレミアム画像は、標準的な画像と比較して、違う状態レベルの機器にユニークな表示を与える。
【0075】
一実施形態では、電子機器の状態レベルは、エンターテインメントイベント中に異なる区域への立入りを決める。例えば、状態レベルの高い電子機器は、楽屋区域への立入りを許可され、一方、状態レベルの低い電子機器は、楽屋区域への立入りを許可されない。この具体例では、状態レベルの高い電子機器は、限定された区域へ立ち入るキーとして機能する。
【0076】
一実施形態では、電子機器は、電子機器の隣接領域内で、他の電子機器と通信する。電子機器は、メッセージ及びコンテンツを相互に交換する。
【0077】
ブロック770において、電子機器のユーザは、エンターテインメントイベントのチケットの購入に引き続いて機器の状態レベルを高める機会が与えられる。一実施形態では、ユーザは初めに、状態レベルの低い基本チケットを購入する。しかし、一度エンターテインメントイベントに参加して、他の人が高い状態レベルのメリットを享受していることに気がつくと、ユーザは、高い状態レベルのアップグレード版を購入したくなる。
【0078】
一実施形態では、ユーザは、電子機器によって、アカウントトランザクションモジュール470を介して高い状態レベルを購入することができる。一実施形態において、ユーザは、状態レベルの高いチケットの在庫がなくなった時には高い状態レベルを購入することはできない。
【0079】
使用において、エンターテインメントイベントの主催者は、電子機器を通してエンターテインメントイベントの出席者に分配されるコンテンツを制御することができる。
【0080】
図8のフローチャートは、機器によって動的コンテンツを表示する方法及び装置の適用例を示す。この適用例では、電子機器を、他のユーザとの間で取引し、他のアクションカードに対してコンテストをするダイナミックアクションカードとして使用する。
【0081】
ブロック810において、電子機器はプログラミングされる。一実施形態では、電子機器は、ユーザによって使用されるカスタマイズ可能なアクションキャラクタを表す。一実施形態では、プロファイル情報は、電子機器内にプログラミングされる。電子機器内にプロファイル情報をプログラミングすることによって、ユーザは、特定の電子機器に対して状態レベルを設定することができる。また、ユーザは、特定の電子機器に対して、アクションキャラクタが他のキャラクタとのコンテストをしている時、アクションキャラクタがコンテンツを勝ち取った時、及び、アクションキャラクタがコンテンツ獲得に負けた時等の様々な時点にアクションキャラクタを表す動画像をプログラミングすることができる。他の実施形態では、ユーザは、電子機器で再生される個別の音声をプログラミングすることができる。これらの個別の音声には、ユーザの音声、音声ファイル(sound clip)などがある。
【0082】
ブロック820において、電子機器は他の電子機器を検出する。一実施形態では、電子機器の所定の領域内の他の電子機器の接近は、位置検出モジュール420によって検出される。ブロック830において、電子機器は、ブロック820で検出された電子機器のプロファイル情報を受信する。
【0083】
ブロック840において、電子機器と検出された電子機器との状態レベルが比較される。一実施形態において、電子機器と検出された電子機器とがコンテストをする場合に状態レベルが比較される。
【0084】
ブロック850において、電子機器と検出された電子機器とのコンテストの勝者が判定される。一実施形態において、状態レベルの高い機器がコンテストに勝利する。一実施形態において、電子機器と検出された電子機器との状態レベルが同じである場合には、勝者はランダムに選択される。一具体例では、乱数発生器は、コンテストの勝者をランダムに選択する番号を発生する。
【0085】
一実施形態では、コンテストの勝者は、対応する機器の状態レベルを高める。一実施形態では、状態レベルの増大した勝者機器は、強くなったアクションキャラクタと関連付けられ、アクションキャラクタが使用する武器やツール等の付加的な特徴を加えることができる。
【0086】
同様に、コンテストの敗者は、対応する機器の状態レベルを下げる。敗者機器の状態レベルが減少するのに伴い、敗者機器に関連付けられたアクションキャラクタは弱くなり、今までそのアクションキャラクタに属していた武器及びツールを失う。一実施形態では、機器があまりに多くのコンテストに負けると、この機器は、機器の状態レベルを増やすためにポイントを追加してプログラミング直す必要がある。他の実施形態では、機器がコンテストに負けると、機器のバッテリーレベルすなわち電力レベルは減少し、電源を再充電することが必要となる。
【0087】
ブロック860において、コンテンツは、電子機器に選択的に表示される。一実施形態では、コンテンツは、機器の現在の動作に基づいて選択され、電子機器に表示される。例えば、他の機器とコンテストをする、他の機器を検出する、コンテストに勝利する、コンテストに負ける等の機器の異なる動作について異なるコンテンツが表示される。
【0088】
一実施形態では、コンテストをしている2つの機器に表示されたコンテンツは、同期化される。一実施形態では、同期化により、各機器におけるコンテンツは、両方の機器に亘って単一の連続したコンテンツとして表すことができる。一実施形態では、同期化は、両機器間の通信により行われる。また、少なくとも1つの機器がそれぞれ他の機器の近くで検出されると、これらの機器は、これらの機器の位置に基づいてコンテンツを表示するように相互に協働する。例えば、複数の機器がある場合、1つの機器は、アクションキャラクタを表し、他の機器は、武器やツールのようなアクションキャラクタに使用される物を表す。
【0089】
一実施形態では、電子機器に関連付けられたアクションキャラクタを表す画像が電子機器に表示される。アクションキャラクタが状態レベルを獲得したり失ったりすると、アクションキャラクタの画像は変化する。一実施形態では、電子機器は、「待機」又はオフモードにある時にも、アクションキャラクタを表す画像を表示し続ける。
【0090】
図9に、エンターテインメントイベントチケット半券900の実施形態を示す。チケット半券900は、電子機器110の一実施形態である。チケット半券900には、ストラップ910が繋がれて示され、それにより、チケット半券900はバッジ又はボタンのようにユーザが身につけることができる。一実施形態では、チケット半券900は、プロファイル情報及びエンターテインメントイベント情報等のテキスト情報を表示するテキスト部分930を備える。一実施形態では、チケット半券900は、チケット半券900に含まれる又はチケット半券900に流布されるコンテンツを表示するディスプレイ920も備える。また、他の実施形態では、ディスプレイ920は、ユーザがチケット半券900に入力することができるタッチスクリーンである。
【0091】
図10は、トレーディングカード1000の実施形態を示す。トレーディングカード1000は、電子機器110の一実施形態である。一実施形態では、トレーディングカード1000は、ユーザがトレーディングカード1000とインタラクトするためのユーザ入力領域1010を備える。一実施形態では、トレーディングカード1000は、ユーザがコンテンツを見るための表示領域1020を備える。一実施形態では、トレーディングカード1000は、プロファイル情報等のテキスト情報を表示するテキスト部分1030を備える。
【0092】
図11は、図8のフローチャートに示すように相互にインタラクトする複数のトレーディングカードの実施形態を示す。トレーディングカード1100及び1110は、電子機器110の一実施形態である。一実施形態では、トレーディングカード1100及び1110は、トレーディングカード1000に示すように、ユーザ入力領域と、表示領域と、テキスト部分とを備える。
【0093】
一実施形態では、トレーディングカード1100及び1110は、相互に通信する。例えば、トレーディングカード1100及び1110は相互の位置を検出する。トレーディングカード1100及び1110が、互いに所定の領域内に位置する時、トレーディングカード1100及び1110は、相互にコンテストに入ることができる。コンテストの一具体例として、トレーディングカード1100及び1110は相互に仮想の戦いを行う。
【0094】
動作中、トレーディングカード1100及び1110は、要求された時に適切なコンテンツを表示するために相互に通信する。例えば、トレーディングカード1100及び1110が相互に仮想の戦いを始めると、トレーディングカード1100及び1110は、相互に信号を送信し、それぞれのトレーディングカードに戦いの動画が表示される。さらに、トレーディングカード1100及び1110は、コンテンツを表示するタイミングを正しく同期化するために相互に通信する。例えば、両トレーディングカード1100及び1110は、ほぼ同時に戦いの動画を表示する。
【0095】
上述した本発明の特定の実施形態は、例示及び説明のためのものであり、本発明は、種々の他の用途に適用されることができる。
【0096】
上述の実施形態は、包括的なものではなく、すなわち説明した各実施形態に本発明を限定するものではなく、当然ながら、上記の教示を踏まえて多くの変更及び変形が可能である。説明した実施形態は、発明の原理及び実際の適用例を説明するために選択され記載されたものであり、それにより当業者は本発明及び意図した特定の使用に適応するように種々変更した種々の実施形態を最大限に利用することができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲の請求項及びそれらの等価のものによって定義される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の位置を検出する位置検出モジュールと、
上記機器に関連したプロファイル情報を格納する記憶モジュールと、
上記機器に対応したプロファイル情報と該機器の位置とに基づいてコンテンツを受信するインタフェースモジュールと、
上記機器のコンテンツを表示する表示モジュールとを備えるコンテンツ表示装置。
【請求項2】
さらに、上記機器の状態レベルを確立する階層モジュールを備える請求項1記載のコンテンツ表示装置。
【請求項3】
上記コンテンツは、テキストデータ、グラフィックデータ、ビデオ映像、オーディオデータ、画像データの1つを含むことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ表示装置。
【請求項4】
さらに、上記プロファイル情報を他の機器に送信する無線ICタグモジュールを備える請求項1記載のコンテンツ表示装置。
【請求項5】
さらに、上記プロファイル情報を他の機器から受信する無線ICタグモジュールを備える請求項1記載のコンテンツ表示装置。
【請求項1】
機器の位置を検出する位置検出モジュールと、
上記機器に関連したプロファイル情報を格納する記憶モジュールと、
上記機器に対応したプロファイル情報と該機器の位置とに基づいてコンテンツを受信するインタフェースモジュールと、
上記機器のコンテンツを表示する表示モジュールとを備えるコンテンツ表示装置。
【請求項2】
さらに、上記機器の状態レベルを確立する階層モジュールを備える請求項1記載のコンテンツ表示装置。
【請求項3】
上記コンテンツは、テキストデータ、グラフィックデータ、ビデオ映像、オーディオデータ、画像データの1つを含むことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ表示装置。
【請求項4】
さらに、上記プロファイル情報を他の機器に送信する無線ICタグモジュールを備える請求項1記載のコンテンツ表示装置。
【請求項5】
さらに、上記プロファイル情報を他の機器から受信する無線ICタグモジュールを備える請求項1記載のコンテンツ表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−44779(P2010−44779A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232325(P2009−232325)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【分割の表示】特願2006−507304(P2006−507304)の分割
【原出願日】平成16年3月17日(2004.3.17)
【出願人】(593181638)ソニー エレクトロニクス インク (371)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【分割の表示】特願2006−507304(P2006−507304)の分割
【原出願日】平成16年3月17日(2004.3.17)
【出願人】(593181638)ソニー エレクトロニクス インク (371)
【Fターム(参考)】
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