説明

機器収納用箱体

【課題】扉体の左右方向の傾きを調整することができる機器収納用箱体を提供する。
【解決手段】箱体本体2の上枠4の水平部4aに挿通部4cを形成し、水平部4aから下方に向けて垂設された張出部4bに横長形状の長孔4dを形成する。また、挿通部4cに対向する軸孔5cを形成した水平板5aと、長孔4dに対向するネジ孔5dを形成した垂直板5bとで略L字状に支持部材5を形成し、支持部材5を上枠4の内側面に当接させ、取付ネジ6を上枠4の長孔4dに前面方向から挿通させてネジ孔5dに螺合させることにより支持部材5を箱体本体2に固定する。扉体3の上端のピン3aを上枠4の挿通部4cと支持部材5の軸孔5cに連続して挿通し、扉体3の下端のピンを下枠の軸孔に挿通させて扉体3を箱体本体2に軸支する。取付ネジ6を緩めると支持部材5を左右方向にスライドさせることができるので扉体3の左右方向の傾きを調整できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉体のピンを箱体本体の上枠及び下枠に軸支して扉体を回動自在に設けた機器収納用箱体に関する。
【背景技術】
【0002】
機器収納用箱体は、内部に電気機器や通信機器などの各種機器を収納する箱体本体の上枠と下枠の端部に軸孔を形成し、この軸孔に扉体の上下両端部に突出したピンを挿入することによりピンを支軸として扉体を開閉自在にしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−146509号公報(第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、機器収納用箱体は箱体本体の設置状態による変形や、扉体の自重による肩下がりにより、箱体本体と扉体との位置関係がずれるので外観が損なわれるが、扉体の位置調整ができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1に記載の発明によれば、扉体の上下両端部から突出したピンを箱体本体の上枠と下枠に軸支して扉体を回動自在に設けた機器収納用箱体において、扉体のピンを軸支する軸孔を形成した支持部材を上枠に左右方向にスライド自在に設け、支持部材を固定手段により上枠に固定可能にしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の機器収納用箱体において、支持部材は軸孔が形成された水平板と、箱体本体の上枠から下方に向けて垂設された張出部に当接する垂直板とで成り、固定手段は張出部に横長の長孔を穿設するとともに、垂直板にネジ孔を形成し、長孔に取付ネジを挿通させて垂直板のネジ孔に螺着して支持部材を上枠に固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、扉体の左右方向の傾きを調整することができるという効果がある。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、支持部材を前面方向から調整できるので作業性が良好であるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
箱体本体の上枠の水平部に挿通部を形成し、水平部から下方に向けて垂設された張出部に横長形状の長孔を形成する。また、挿通部に対向する軸孔を形成した水平板と、長孔に対向するネジ孔を形成した垂直板とで略L字状に支持部材を形成し、支持部材を上枠の内側面に当接させ、取付ネジを上枠の長孔に前面方向から挿通させてネジ孔に螺合させることにより支持部材を箱体本体に固定する。扉体の上端のピンを上枠の挿通部と支持部材の軸孔に連続して挿通し、扉体の下端のピンを下枠の軸孔に挿通させて扉体を箱体本体に軸支する。取付ネジを緩めると支持部材は取付ネジが長孔内を移動する範囲において左右方向にスライドさせることができるので扉体の左右方向の傾きを調整できる。
【実施例1】
【0010】
本発明に係る機器収納用箱体の実施例1を図1〜図3の添付図面に基づいて説明する。
【0011】
機器収納用箱体1は、内部に各種機器を収納する箱体本体2と、箱体本体2の前面開口部2aを閉塞する扉体3とで成り、箱体本体2の上枠4には扉体3の上端を支持する支持部材5が設けられる。
【0012】
箱体本体2の上枠4は天板2bの端縁が断面略L字状に折曲形成し、この水平部4aの端縁を更に下方に折曲形成して張出部4bが垂設された形状に形成されている。支持部材5は上枠4の水平部4aの内側面に当接する水平板5aと、張出部4bの内側面に当接する垂直板5bとで略L字状に形成され、水平板5aには扉体3の上端に突設されたピン3aが挿通する軸孔5cが穿設され、垂直板5bには取付ネジ6が螺合する2つのネジ孔5dが形成されている。
【0013】
箱体本体2の上枠4は水平部4aに支持部材5の軸孔5cと対向する横長形状の挿通部4cが形成され、張出部4bにネジ孔5dと対向する横長形状の長孔4dが形成されており、支持部材5の水平板5aを上枠4の水平部4aの内側面に当接させ、垂直板5bを上枠4の張出部4bの内側面に当接させて、箱体本体2の前面方向から取付ネジ6を上枠4の長孔4dに挿通させて支持部材5のネジ孔5bに螺合させることにより支持部材5は上枠4に取り付けられている。
【0014】
また、箱体本体2の下枠7は上枠4と上下対称の形状に形成されるが、挿通部4cと長孔4dは形成されずに従来と同様に扉体3の下端から突出するピン3bが挿通する軸孔7aだけが形成されている。
【0015】
このように形成された機器収納用箱体1は、下枠7の軸孔7aに扉体3の下端のピン3bを挿通させて軸支するとともに、上枠4の挿通部4cと支持部材5の軸孔5cに扉体3の上端のピン3aを連続して挿通させて軸支することにより、ピン3a,3bを支軸として扉体3が箱体本体2に回動自在に取り付けられる。
【0016】
扉体3が箱体本体2に対して左右に傾いている場合は、取付ネジ6を緩めて支持部材5を左右方向にスライドさせることにより、取付ネジ6が長孔4d内を移動する範囲において扉体3の傾きを調整でき、傾きを調整した後は取付ネジ6を締め付けて支持部材5を固定する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の機器収納用箱体を示す分解斜視図である。
【図2】図1の要部を拡大した分解斜視図である。
【図3】機器収納用箱体を組み立てた状態の要部を拡大した斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
1 機器収納用箱体
2 箱体本体
3 扉体
3a ピン
4 上枠
4a 水平部
4b 張出部
4c 挿通部
4d 長孔
5 支持部材
5a 水平板
5b 垂直板
5c 軸孔
5d ネジ孔
6 取付ネジ
7 下枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉体の上下両端部から突出したピンを箱体本体の上枠と下枠に軸支して前記扉体を回動自在に設けた機器収納用箱体において、前記扉体のピンを軸支する軸孔を形成した支持部材を前記上枠に左右方向にスライド自在に設け、前記支持部材を固定手段により前記上枠に固定可能にしたことを特徴とする機器収納用箱体。
【請求項2】
前記支持部材は前記軸孔が形成された水平板と、前記箱体本体の上枠から下方に向けて垂設された張出部に当接する垂直板とで成り、前記固定手段は前記張出部に横長の長孔を穿設するとともに、前記垂直板にネジ孔を形成し、前記長孔に取付ネジを挿通させて前記垂直板のネジ孔に螺着して前記支持部材を前記上枠に固定することを特徴とする請求項1に記載の機器収納用箱体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−294709(P2006−294709A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−110357(P2005−110357)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(000124591)河村電器産業株式会社 (857)
【Fターム(参考)】