機器連係動作システム、連係動作実行方法、連係動作可能な機器およびポインティングデバイス
【課題】複数の機器の間で連係動作を行う際に、直感的な操作性をもって、かつ、ユーザ識別の精度を向上させて機器間のペアリングを行う。
【解決手段】複数の機器に共通のポインティングデバイス30に、指紋センサのようなセンサ33を設ける。第1の機器10および第2の機器20のいずれか一方の機器は、ポインティングデバイス30により連係動作の指示を受けた際、その旨とセンサ33で検出された個人識別情報とを他の機器に通知する。第1の機器10および第2の機器20の他方の機器は、一方の機器から前記連係動作の指示を受けた旨の通知を受けていることおよび一方の機器から通知された個人識別情報とポインティングデバイス30から受けた個人識別情報の一致を条件として、一方の機器と当該連係動作を行う。少なくともいずれか一方の機器で個人識別情報に基づいてユーザ認証を行ってもよい。
【解決手段】複数の機器に共通のポインティングデバイス30に、指紋センサのようなセンサ33を設ける。第1の機器10および第2の機器20のいずれか一方の機器は、ポインティングデバイス30により連係動作の指示を受けた際、その旨とセンサ33で検出された個人識別情報とを他の機器に通知する。第1の機器10および第2の機器20の他方の機器は、一方の機器から前記連係動作の指示を受けた旨の通知を受けていることおよび一方の機器から通知された個人識別情報とポインティングデバイス30から受けた個人識別情報の一致を条件として、一方の機器と当該連係動作を行う。少なくともいずれか一方の機器で個人識別情報に基づいてユーザ認証を行ってもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した動作を行う機器連係動作システムおよびこれに関連した方法および機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、企業や公的機関のオフィス内ではLAN(Local Area Network)などの通信ネットワークにより複数のPC(Personal Computer)や各種周辺装置が相互に接続され、LANはさらにインターネットに接続されている。
【0003】
近年、家庭内においてもデジタル家電の開発によりPCだけでなくPCと家電、あるいは家電同士の間でコマンドやデータを授受するためのホームネットワークが検討されている。既に、オーディオ・ビジュアル(AV)関連のデジタル家電(テレビ、PC、オーディオシステム、HDDレコーダ、等)については、DLNA(Digital Living Network Alliance)やBluetooth(登録商標)等の技術により、相互の連係動作を行うことが可能となっている。例えば、音楽、写真、動画等のデジタルコンテンツを家電、PC、モバイル機器間でシームレスに共有することができる。具体的には、PC内に蓄積された楽曲をオーディオシステムで作成して聴取する、PC内に蓄積された動画を大画面テレビで皆で楽しむ、HDDレコーダの映像コンテンツを別の部屋のPCで再生する、等の動作を行うことが可能である。
【0004】
特許文献1には、ネットワークを介して接続された複数のデバイスが連係して動作するネットワーク制御システムにおいて、ユーザが、連係して動作させるデバイスを、操作画面によらずに、直感的に指定することを可能とする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−204099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記Bluetooth(登録商標)の技術を用いた技術は、複数の機器の間で連係した動作を行う場合に、直接的に操作対象を指示するものではないので直感的な操作性に欠け、また、機器相互の接続(ペアリング)の柔軟性に欠ける。
【0006】
上記DLNAを用いた技術では、コントローラによる画面上での操作が必要であり、やはり直感的な操作性、および、機器間のペアリングの柔軟性に欠ける。
【0007】
また、複数の機器の間で連係した動作を行うために、単一の画面上で機器間の連係を指示するのではなく、個々の機器に対して直接的に指示を行う場合には、各機器に対する個別の操作が同一の連係動作に属するものであることを当該各機器が認識する必要がある。
【0008】
特許文献1の記載の従来技術では、赤外線リモコンを使って直接機器を特定していることから直感的な操作という点では優れているが、例えば家族内の誰もが機器に対して共通の連係動作を行わせることができることから、家族内のプライバシーが保たれない、という問題がある。この問題に対して、例えば家族の個人ごとにIDやパスワードを設定することも考えられるが、それでは文字入力等の煩雑な操作が必要となり、良好な操作性が損なわれることになる。
【0009】
そこで、本願出願人は、平成18年7月28日付けの特許出願(特願2006−206656)で、例えばホームネットワーク内の複数の家電機器を連係動作させるための機器連係動作システムとして、操作の直感性に優れ、しかも個人のプライバシー等を守ることができる機器連係動作システムを提案した。
【0010】
しかしながら、この先行技術においては、連係動作を行う各機器で固定的に指紋等の個人識別情報を取得する場合に、各機器毎に個人識別情報のセンサを設ける必要がある。例えば、各機器の別個のセンサで指紋を検出する場合、同種の指紋センサに対して同じユーザの同一の指を当てても、センサの個体差により読み取り結果に誤差が生じうる。これにより機器毎にユーザの認証を行う場合に、総合的にエラーとなる確率が高くなる。また、複数の機器でのセンサの検出結果同士を照合する場合にも、センサの個体差により読み取り結果に誤差が生じうる。特に、機器のメーカーが異なる場合など、各機器のセンサの種類も異なる場合があり、なおさらである。
【0011】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、その目的は、複数の機器の間で連係動作を行う際に、直感的な操作性をもって、かつ、ユーザ識別の精度を向上させて機器間のペアリングを行うことができる機器連係動作システムおよび連係動作実行方法、ならびにそのために用いる連係動作可能な機器およびポインティングデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による機器連係動作システムは、互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、前記第1および第2の機器の各々は、前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、相手機器およびその連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段とを備え、前記第1および第2の機器のいずれか一方の機器は前記データ通信手段により他方の機器に対して、前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報、連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を通知し、この通知を受けた他方の機器は前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報を前記第1の機器から通知された個人識別情報と照合した結果に応じて、前記データ通信手段を介して前記機器識別情報で示された機器と前記登録された連係動作を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明では、個人識別情報を検出する機能をポインティングデバイスに付属させ、個々の機器に対する指示を行う際に同じポインティングデバイスを用いてかつ同じセンサを用いて得られる個人識別情報を利用する。
【0014】
各機器において予め個人識別情報を登録しておき、機器への指示を行う際にポインティングデバイスで検出した個人識別情報を登録個人識別情報と照合してユーザ認証を行うことも可能である。
【0015】
機器間のどのような連係動作を行うかは、予め各機器において他の機器と実行可能な連係動作の種類を登録しておき、相手機器に応じて連係動作を特定してもよいし、その都度、機器間で連係動作の種類を表す連係動作情報を通知して特定するようにしてもよい。
【0016】
第1および第2の機器の間の連係動作を第3の機器を仲介して行うようにすることも可能である。
【0017】
その他の本発明の構成および動作、作用効果については、後続の実施の形態において詳述する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の機器の間で連係動作を行う際に、ポインティングデバイスでそれぞれの機器に対して直接的に指示操作することができるので、その操作は直感性に優れる。
【0019】
また、ポインティングデバイスに個人識別情報を検出する機能を設けることにより、機器毎に個別にセンサを設ける必要がない。しかも、各機器への指示時に同一のセンサを用いることにより、ユーザ識別の精度を向上させて機器間のペアリングを簡便に行うことができる。
【0020】
個々の機器への操作時に、その操作者が当該機器への登録ユーザであることを確認するユーザ認証を行えば、機器操作時のプライバシーやセキュリティの保護も図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、複数の機器10(ここでは機器Aと機器B)がホームネットワーク100により相互に通信可能に接続されている。これらの複数の機器10に対してワイヤレス型のポインティングデバイス30が共用される。
【0023】
データ通信手段であるホームネットワーク100は、有線または無線のLAN(Local Area Network)、電力線、Bluetooth(登録商標)等とこれに付随するインタフェースを含むものである。
【0024】
機器10は、主として、各種家電機器を想定しているが、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯情報端末等も含みうる。各種家電機器には、テレビ、映像レコーダ、オーディオ機器、インターホン、監視カメラ、デジタルカメラ、洗濯機、冷蔵庫、給湯器、等、ネットワーク接続可能な任意の機器を含みうる。
【0025】
各機器10は、その全体の制御および必要な処理を実行する制御部11、ホームネットワーク100に属する他の機器と接続するためのネットワーク接続部14、各種データを好ましくは不揮発的に記憶するメモリ12、ポインティングデバイス30との間で近距離の通信を行う近距離通信部13、機器毎の機能を実現するための機器固有機能部15を備えている。制御部11は、図示しないが、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)および/またはHDD(Hard Disc Drive)等のプログラム記憶装置、データの一時記憶領域および作業領域等を提供するRAM(Random Access Memory)を備え、プログラムの実行処理により実現される。
【0026】
本実施の形態において利用可能な近距離通信としては、電磁的な結合によるもの、静電的な結合によるもの、RFID(Radio Frequency IDentification)のような電波によるもの、IrDA(Infrared Data Association)やレーザのような光によるもの、等が例として挙げられる。
【0027】
ポインティングデバイス30は、一時に1台の機器とのみ通信を行い、個々の機器10に対して指示を与えたり、データを入力したりするための装置である。具体的には、機器の近距離通信部13と対応する近距離通信部32と、個人識別情報を検出するためのセンサ33と、これらを制御する制御部31とを含んでいる。その形態としては、図2に示すように、ペン型のポインティングデバイス30a、マウス型のポインティングデバイス30b、リモートコントローラ(以下、リモコンと略す)30c、等を含みうる。この例ではセンサ33として指紋センサを想定している。但し、指紋センサに限るものではなく、他の生体情報センサ、RFID用のリーダライタ(リーダのみでも可)、等、個人識別情報を検出することができる任意のセンサでよい。
【0028】
ペン型のポインティングデバイス30aの場合、ペンの先にレーザポインタを設け、そのレーザ出力を変調して検出個人識別情報等のデータを伝送するようにしてもよい。レーザポインタは、可視光のスポット照射によりユーザが操作対象の機器を確実に認識するのにも役立つ。マウス型のポインティングデバイス30bでマウスの動きを赤外線で検知する方式の場合、USB等のインタフェースで機器に接続されたマウスパッドに赤外線受光部を取り付け、赤外線データの形態でマウスパッドを介して機器へ個人識別情報を伝達するようにしてもよい。リモコン30cのインタフェースは、通常のリモコンのIrDAに限るものではなく、利用可能な近距離通信としては、上述した任意のものを利用することができる。
【0029】
また、マウス30bやリモコン30c等のポインティングデバイスにおいてセンサ33の代わりに、ペン30aの近距離通信部32と対応する近距離通信部(機器内の近距離通信部13に対応)を設け、センサ33を有するポインティングデバイス(例えばペン30a)から他のポインティングデバイスを介して機器に個人識別情報を伝達するようにしてもよい。この場合、当該他のポインティングデバイスは特定の機器固有のものであってもよい。
【0030】
図3に、図1のネットワークシステムの動作例を説明するためのシーケンス図を示す。今、ユーザが機器Aと機器Bとの間で特定の連係動作を行わせる場合を例とする。
【0031】
ユーザは、まず、ポインティングデバイスを用いて機器Aに対し、予め定められた連係動作の対象となる操作(連係対象操作)を行う(S11)。これは、機器Aに対するユーザのポインティングデバイスの操作なので、図ではポインティングデバイスから機器Aへ破線の矢印で示してある。この際、機器Aとの間でコネクションが確立される(S12)。センサ33から個人識別情報(例えば、ユーザの指紋)が取得され、近距離通信部32を介して機器Aに送信される(S13)。「連係対象操作」とは、連係動作の種類によって異なるが、例えば後述するコピー&ペースト処理では、ユーザがコピーを行う操作である。また、後述する洗濯機とテレビ装置の例では、洗濯終了報知のための操作である。
【0032】
各機器には予めユーザの個人識別情報が登録されているものとする。そこで、機器Aは、登録されている個人識別情報121(図1)と検出された個人識別情報(検出個人識別情報)とを照合することにより、操作者が適正なユーザであるかどうかを確認するユーザ認証を行う(S14)。ユーザ認証の結果がOKでなければ、エラーメッセージ等を出力する。ユーザ認証の結果がOKであれば、機器Aは当該連係動作の前処理(連係前処理)を実行する(S15)。連係前処理は、機器間で所定の連係動作を行う前提となる処理である。例えば、コピー&ペースト処理の場合、コピー操作で指示された文字列をアプリケーションから取得して、RAM内のバッファ領域に格納する処理である。機器Aはまた、連係前処理の前または後に、他の機器に対して、連係動作の指示を受けた旨を、ブロードキャスト(またはマルチキャスト)により知らしめる(S16)。ここに、ホームネットワーク100に機器A,B以外の機器が存在する場合、「他の機器」にはそれらの機器も含む。このブロードキャストの内容には、個人識別情報および連係相手情報(この例では機器Aを示す機器識別情報)が含まれている。「機器識別情報」は個々の機器を識別するための情報であり、例えば、ホームネットワーク内で各機器に付加された機器名称やIPアドレス等である。機器B(および、存在する場合、他の機器)はこのブロードキャストを受けて、受信した機器識別情報をメモリ12内の所定の記録領域に連係相手として一時的に記憶する(S17)。この連係相手の記憶の有無が、連係動作の待機中であるか否かを示すフラグ情報として機能する。勿論、別途、独立したフラグ情報をメモリ12内に記憶するようにしてもよい。
【0033】
機器Aと機器Bのユーザの一致をチェックする場合には、S17でユーザ識別情報として検出個人識別情報も記憶しておく。機器Bは、機器Aから受信した機器識別情報およびその機器で連係動作の指示を受けたことに基づき、メモリ12内に予め格納している連係動作・機器識別情報122(図1)を参照して、機器Aとの間の連係動作がどのような動作であるかを認識することができる。
【0034】
その後、ユーザが機器Bに対してポインティングデバイスを用いて、連係対象操作を行う(S18)。この連係対象操作は、例えば上記コピー&ペーストの例では、ペーストのための操作である。これによりポインティングデバイス30と機器Bとの間でコネクションが確立される(S19)。この際、個人識別情報が近距離通信部32を介して機器Bに送信される(S20)。このとき利用される個人識別情報は、S13でセンサ33から取得され、ポインティングデバイス内に記憶しておいたものを利用する方法と、センサ33で個人識別情報を再度検出する方法とがありうる。前者の場合は、再度のユーザ認証に要する手間および時間を省略することができる。後者によれば、機器Aの操作者と異なる操作者が機器Bを操作して連係動作を行わせることを防止することができる。
【0035】
機器Bは、登録されている個人識別情報と検出された個人識別情報とを照合することにより、ユーザ認証を行う(S21)。機器Aと機器Bのユーザの一致をチェックする場合にはこの時点でさらにユーザの同一性のチェックを行う。
【0036】
ユーザ認証の結果がOKでなければ、エラーメッセージ等を出力する。ユーザ認証の結果がOKであれば、機器Bは連係相手として指定されている機器Aとの間で当該連係動作を実行する(S22,S23)。コピー&ペーストの例では、機器Aから上記バッファ内に記憶されている文字列が機器Bに転送され、機器Bのアプリケーションに渡される。このアプリケーションが、ポインティングデバイスで指示された位置に当該文字列をペーストする処理を行う。
【0037】
なお、機器Aにおいてポインティングデバイスにより指示された動作が連係動作の対象とならない操作であれば、ステップS12〜S14は実行する必要がない。また、近距離通信においてコネクションレス型の転送プロトコルを利用する場合にはS12,S19の「コネクション確立」のステップは存在しない。
【0038】
また、図3の処理では、ある連係動作について最初に連係対象操作を受けた機器Aが他の機器にブロードキャストを行ったときに、機器Bが連係相手情報の記憶を行うようにした。この代わりに、機器Aからのブロードキャスト時に機器Bは不応答で、機器Bが次に連係対象操作を受けたときに機器Aに対してブロードキャストを行い、これに基づいて機器Aが機器Bから検出個人識別情報を取得して、機器Aが機器Bと連係処理を行うようにしてもよい。
【0039】
図4は、図1のネットワークシステムの別の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0040】
図3の動作例では、各機器でユーザの個人識別情報を予め登録しておき、機器の利用時(少なくとも連係動作の実行時)に検出した個人識別情報を登録済みの個人識別情報と照合することにより、操作者が適正なユーザであるかどうかを確認するユーザ認証を行った。これに対して、図4の動作例では、機器Aの操作者と機器Bの操作者が同一であることを確認するのみで、個々の操作者が各機器に対して適正なユーザであるかどうかは問題としない。
【0041】
ユーザは、まず、ポインティングデバイスを用いて機器Aに対し、予め定められた連係動作の対象となる操作(連係対象操作)を行う(S31)。この際、機器Aとの間でコネクションが確立される(S32)。センサ33から個人識別情報が取得され、近距離通信部32を介して機器Aに送信される(S33)。そこで、機器Aは、ユーザ認証を行うことなく、当該連係動作の前処理(連係前処理)を実行する(S34)。機器Aはまた、連係前処理の前または後に、他の機器に対して、連係動作の指示を受けた旨を、ブロードキャスト(またはマルチキャスト)により検出個人識別情報とともに通知する(S35)。機器B(および、存在する場合、他の機器)は、このブロードキャストを受けて、受信した検出個人識別情報をメモリ12内の所定の記録領域に一時的に記憶する(S36)。併せて、連係相手情報を一時的に記憶する(S37)。
【0042】
その後、ユーザが機器Bに対してポインティングデバイスを用いて、連係対象操作を行う(S38)。これによりポインティングデバイス30と機器Bとの間でコネクションが確立される(S39)。この際、ポインティングデバイス30のセンサ33から個人識別情報が新たに取得され、近距離通信部32を介して機器Bに送信される(S40)。
【0043】
機器Bは、S36で記憶している検出個人識別情報と、ポインティングデバイス30から取得した検出個人識別情報とを照合することにより、ユーザの同一性をチェックする(S41)。機器内に予め各ユーザの個人識別情報が登録されている場合には、この同一性チェックに加えて、検出個人識別情報を登録個人識別情報と照合することによりユーザ認証を行うようにしてもよい。
【0044】
ユーザ同一性チェックの結果がOKでなければ、エラーメッセージ等を出力する。ユーザ同一性チェックの結果がOKであれば、機器Bは連係相手として指定されている機器Aとの間で当該連係動作を実行する(S42,S43)。
【0045】
上記の動作例において、特に図4の動作例では、機器間で個人識別情報を転送する。ホームネットワーク100上とはいえ、このような個人識別情報をネットワーク上に流すのが妥当でないと考えられる場合には、図5に示すように、ポインティングデバイス30aとして、乱数発生器34を備えたものを用いてもよい。制御部31は、センサ33で検出された個人識別情報に対して、乱数発生部34で生成された乱数を用いて加工する。これにより、各連係動作のセッションを互いに識別することができる。例えば、同じユーザが同時に複数のポインティングデバイスを利用する場合に、同じポインティングデバイスを用いた機器間での連係動作を正しく行わせることができる。また、個人識別情報を生のデータから別のデータへ改変する場合には、ネットワーク上に生の個人識別情報を流すことを回避することができる。個人識別情報に対する乱数を用いた加工の仕方としては次のようなものが考えられる。
(1)個人識別情報に乱数を付加する。
(2)個人識別情報を所定の規則に従って変換する(例えばハッシュ等)。
(3)乱数キーにより暗号化する。この場合、ユーザの認証を行わず同一性チェックのみを行う場合に復号化は必要ない。ユーザの認証が必要な場合には、各機器でポインティングデバイスから同乱数キーを受け取り、ローカルに復号化を行って、登録個人識別情報と照合する。
【0046】
なお、上述したように、検出個人識別情報を機器Bに通知する際(S20,S40)に、新たに検出個人識別情報を取得する場合には、同じ乱数を用いるように、乱数発生部34で生成された乱数を連係動作の完了まで保持する。
【0047】
また、図4の処理では、ある連係動作について最初に連係対象操作を受けた機器Aが他の機器にブロードキャストを行ったときに、機器Bが検出個人識別情報および連係相手情報の記憶を行うようにした。この代わりに、機器Aからのブロードキャスト時に機器Bは不応答で、機器Bが次に連係対象操作を受けたときに機器Aに対してブロードキャストを行い、これに基づいて機器Aが機器Bから検出個人識別情報および連係相手情報を取得してユーザ同一性のチェックを行い、機器Aが機器Bと連係処理を行うようにしてもよい。
【0048】
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は第2の実施の形態にかかるネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。図1に示した要素と同様の要素には同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。
【0049】
上述の実施の形態では、各機器が単独で指紋認証を行い、ユーザが許可されたユーザであるか否かについての判断を行い、連係動作についても各機器同士が通信をすることにより実行されるように構成されているが、各機器の制御を行うことができるホームゲートウェイがこれらの機能のうちの一部を行うようにしてもよい。すなわち、各機器により指紋認証が行われた後、ホームゲートウェイ20の制御により連係動作を実行するようにしてもよい。
【0050】
そのため、この実施の形態では、ホームネットワーク100に、機器Cとして、ホームゲートウェイ20を含んでいる。ホームゲートウェイ20は、インターネット50と接続され、インターネット通信プロトコルとホームネットワーク100内の通信プロトコルとの間の変換を行う制御部21、機器10と通信可能に接続するためのネットワーク接続部24、および好ましくは不揮発性のメモリ22を有している。制御部21は、ホームゲートウェイ20の全体を制御する部位であり、図示しないが、マイクロプロセッサ、ROMおよび/またはHDD等のプログラム記憶装置、データの一時記憶領域および作業領域等を提供するRAMを備え、プログラムの実行処理により実現される。メモリ22には、逐次、ホームネットワーク100を利用するユーザの個人識別情報221、および、機器の連係動作および機器識別情報222が記憶される。
【0051】
図7は、図6のネットワークシステムの動作例を説明するためのシーケンス図を示す。この場合も、ユーザが機器Aと機器Bとの間で連係動作を行わせる場合を例とする。
【0052】
ユーザは、まず、ポインティングデバイスを用いて機器Aに対し、予め定められた連係動作の対象となる操作(連係対象操作)を行う(S51)。この際、機器Aとの間でコネクションが確立される(S52)。センサ33から個人識別情報が取得され、近距離通信部32を介して機器Aに送信される(S53)。そこで、機器Aは、登録されている個人識別情報221(図6)と検出された個人識別情報とを照合することにより、ユーザ認証を行う(S54)。ユーザ認証の結果がOKでなければ、エラーメッセージ等を出力する。ユーザ認証の結果がOKであれば、機器Aは当該連係動作の前処理(連係前処理)を実行する(S55)。連係前処理は、機器間で連係動作を行う前提となる処理であり、少なくとも相手機器との間のペアリングを待機する処理を含む。機器Aはまた、連係前処理の前または後に、他の機器に対して、連係動作の指示を受けた旨を、機器Cであるホームゲートウェイに通知する(S56)。この通知の内容には、個人識別情報および連係相手情報(この例では機器Aを示す機器識別情報)が含まれている。機器Cはこの通知を受けて、受信した情報をメモリ22の所定の記録領域に一時的に記憶する(S57)。また、機器Cは機器Aの機器識別情報を連係相手として記憶する(S58)。機器Cは、機器Aから受信した機器識別情報およびその機器で連係動作の指示を受けたことに基づき、メモリ12内に予め格納している連係動作・機器識別情報122(図6)を参照して、次に指示される機器との間の連係動作がどのような動作であるかを認識することができる。
【0053】
その後、ユーザが機器Bに対してポインティングデバイスを用いて、連係対象操作を行う(S59)。これによりポインティングデバイス30と機器Bとの間でコネクションが確立される(S60)。この際、個人識別情報が近距離通信部32を介して機器Bに送信される(S61)。上述したように、このとき利用される個人識別情報は、S53でセンサ33から取得され、ポインティングデバイス内に記憶しておいたものを利用する方法と、センサ33で個人識別情報を再度検出する方法とがありうる。
【0054】
機器Bは、登録されている個人識別情報と検出された個人識別情報とを照合することにより、ユーザ認証を行う(S62)。ユーザ認証の結果がOKでなければ、エラーメッセージ等を出力する。機器Bは、ユーザ認証の結果がOKであれば、所定の連係前処理を行う(S63)。機器Bは、S61で受信した検出個人識別情報および機器Bの機器識別情報を機器Cへ送信する(S64)。
【0055】
機器Cは、S64で受信した検出個人識別情報とS57で記憶済みの検出個人識別情報とを照合することにより、ユーザの同一性をチェックする(S65)。ユーザの同一性が確認されなければ、所定のエラー処理を行う。同一性が確認されたら、機器Aと機器Bに対してそれぞれ連係動作実行指示を出力する(S66,S67)。この指示に応じて、機器Aと機器Bは当該連係動作を実行する(S68,S69)。
【0056】
図8は、図6のネットワークシステムの別の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0057】
図7の動作例では、各機器でユーザの個人識別情報を予め登録しておき、機器の利用時(少なくとも連係動作の実行時)に検出した個人識別情報を登録済みの個人識別情報と照合することにより、操作者が適正なユーザであるかどうかを確認するユーザ認証を行った。これに対して、図8の動作例では、機器Aの操作者と機器Bの操作者が同一であることを確認するのみで、個々の操作者が各機器に対して適正なユーザであるかどうかは問題としない。
【0058】
ユーザは、まず、ポインティングデバイスを用いて機器Aに対し、予め定められた連係動作の対象となる操作(連係対象操作)を行う(S71)。この際、機器Aとの間でコネクションが確立される(S72)。センサ33から検出個人識別情報が取得され、近距離通信部32を介して機器Aに送信される(S73)。そこで、機器Aは、ユーザ認証を行うことなく、当該連係前処理を実行する(S74)。機器Aはまた、連係前処理の前または後に、他の機器に対して、連係動作の指示を受けた旨を、ブロードキャスト(またはマルチキャスト)により検出個人識別情報とともに通知する(S75)。機器Cは、この通知を受けて、受信した検出個人識別情報をメモリ22内の所定の記録領域に一時的に記憶する(S76)。併せて、連係相手情報を一時的に記憶する(S77)。
【0059】
その後、ユーザが機器Bに対してポインティングデバイスを用いて、連係対象操作を行う(S78)。これによりポインティングデバイス30と機器Bとの間でコネクションが確立される(S79)。この際、ポインティングデバイス30のセンサ33から個人識別情報が新たに取得され、近距離通信部32を介して機器Bに送信される(S80)。
【0060】
機器Bは、必要な連係前処理を行うとともに(S81)、S80で受信した検出個人識別情報および機器Bの機器識別情報を機器Cへ送信する(S82)。
【0061】
機器Cは、S82で受信した検出個人識別情報とS76で記憶済みの検出個人識別情報とを照合することにより、ユーザの同一性をチェックする(S83)。ユーザの同一性が確認されなければ、所定のエラー処理を行う。同一性が確認されたら、機器Aと機器Bに対してそれぞれ連係動作実行指示を出力する(S84,S85)。この指示に応じて、機器Aと機器Bは当該連係動作を実行する(S86,S87)。上記と同様、機器内に予め各ユーザの個人識別情報が登録されている場合には、この同一性チェックに加えて、検出個人識別情報を登録個人識別情報と照合することによりユーザ認証を行うようにしてもよい。
【0062】
図9は、機器固有機能部15としてタッチパネル16および表示部17を備えた機器10aを示している。システム構成としては図1と図6のいずれの構成であってもよい。この機器10aを機器Aとし同種の他の機器を機器Bとして、両機器の間で、ポインティングデバイス30aを用いて、連係動作の一例としてコピー&ペースト動作を行う例を図10により説明する。
【0063】
図10(a)において、ユーザが機器Aのタッチパネルに対してポインティングデバイス30aで表示画面上の任意の文字列に対してコピー動作を行ったときの表示画面の様子を示している。この動作により、機器Aのメモリ内にコピーされた文字列が記憶される。また、この連係動作の指示が行われた旨またはその連係動作の種類を示す連係動作情報と、機器Aの機器識別情報とが、機器Bまたは機器Cに記憶される。ついで、ユーザが機器Bに対してペースト動作を行うと、既に機器Aにおいて同ユーザがこのペースト動作に対応するコピー動作を行っていることが認識される。その結果、機器Aから機器Bに対して前記コピーされた文字列のデータが転送され、機器Bにおいてペースト動作が実行される。機器Aと機器Bとの間でユーザの一致を条件として、対応する連係動作が実行される。
【0064】
また、図5で説明したような乱数を利用するポインティングデバイス30aを用いることにより、同じユーザであっても、機器Aと機器Bに対して用いたポインティングデバイスが異なる場合には連係動作が行われない。さらに、同一のセッション内でのみ乱数を同じとしておくことにより、セッションが異なれば同じポインティングデバイスでも連係動作は行われないようにすることができる。ここに、セッションとは機器Aに対して連係動作のための第1の操作が行われてから、機器Bに対して当該連係動作のための第2の操作が行われるまでの期間に対応する。但し、前述のように、機器Aに対する第1の操作が行われた後、他の機器に対する第2の操作が行われる前に所定の時間が経過した場合には、タイムアウトと判断して、セッション終了としてもよい。この場合、第2の操作を待機している機器は上記フラグ情報を消去または無効化する。
【0065】
図11、図12、図13は、連係動作の他の具体的な例を説明するための図である。
【0066】
いずれも、ホームネットワーク100において機器等の機器同士がセキュアなコネクションを確立して実行する連係動作について説明する。また、ポインティングデバイス30としては上述したリモコン30cを用いた例を示すが、これに限るものではなく、上述した任意のポインティングデバイスを用いることができる。
【0067】
図11(a)は、洗濯機10bとテレビ装置(TV)10cとの間の連係動作を示している。
【0068】
洗濯機10bとテレビ装置10cとの連係動作としては、例えば、洗濯機10bによる洗濯処理の終了時に洗濯機10bからテレビ装置10cにその旨を通知し、テレビ装置はその通知を受け取ったとき、例えば「洗濯が終了しました。」などのメッセージを表示する、という動作である。この場合の連係動作の前処理としては、洗濯機における洗濯終了通知の予約処理および通知先の相手機器とのペアリングを待機する処理である。通常、洗濯機にも終了のアラーム音を発生する機能が備えられているが、ユーザが居間などに居て洗濯機のアラーム音がよく聞こえない場合がある。本連係動作はこのような場合に有用である。画面上での表示に加えて、テレビ装置での所定のアラーム音または音声を出力させるようにしてもよい。ユーザは、自分が通知を受けたい場所にある機器を指定することにより、所望の場所で洗濯の終了通知を受けることができる。
【0069】
図示しないが、洗濯機10bとラジオ装置やオーディオ装置との間の連係動作であってもよい。
【0070】
図11(b)は、監視カメラ10dとテレビ装置10cとの間の連係動作を示している。この連係動作としては、例えば、機器Aとしての監視カメラ10dのリアルタイムの撮影像を、例えば居間や自分の部屋にある機器Bとしてのテレビ装置10cに転送し、その画面上に表示させることである。これにより、任意の部屋にあるテレビ装置で監視カメラ10dの撮影像を監視することができる。この場合の前処理は、監視カメラ10dにおける撮影データを転送する相手機器とのペアリングを待機する処理である。転送の終了は、特に限定しないが、リモコンによる監視カメラ10dに対する終了指示、所定時間の経過による自動転送終了、等による。
【0071】
図12(a)は、ファクシミリ機(FAX)10gとテレビ装置10cとの間の連係動作を示している。この連係動作としては、例えば、機器AとしてのFAX10gの受信画像データを、機器Bとして指定されたテレビ装置に転送し、その画面上に表示させることである。これにより、任意の部屋にあるテレビ装置でFAXの受信および受信画像の確認を行うことができる。この場合の前処理は、FAX10gにおける受信データの転送先とのペアリングの待機を行うための処理である。なお、FAX10gにおける印刷出力は別途行うことができるものとする。
【0072】
図12(b)は、インターホン10hと電話機10iとの間の連係動作を示している。この連係動作としては、例えば、機器Aであるインターホン10hの子機(図示せず)に対する訪問者のアクセスがあったとき、インターホン10hと、機器Bである電話機10iとをホームネットワーク100経由で接続して両者間で音声データの授受を行うことである。この場合の前処理とは、インターホンにおいて、後ほど音声データの授受を行うために指定される機器Bとのペアリングの待機を行うための処理である。
【0073】
ここではモニタ画面付きのインターホンを例としているので、機器Bとして電話機ではなくテレビ電話機能を有するテレビ装置を指定した場合には、このモニタ画面の映像をテレビ装置の画面上に表示するとともに、インターホンの子機との間の通話がテレビ装置において可能となる。
【0074】
図13は、デジタルカメラ10eとテレビ装置10cまたはプリンタ10fとの間の連係動作を示している。この連係動作としては、例えば、機器Aであるデジタルカメラ10eの撮影済みの画像を、機器Bとして指定されたテレビ装置10cの画面に表示させたり、あるいは、同じく機器Bとして指定されたプリンタ10fに印刷出力させたりするものである。この場合の前処理は、デジタルカメラ10eにおける撮影データを転送する相手機器とのペアリングを待機する処理である。
【0075】
連係動作が、ユーザが選択可能な複数の動作を含む場合の動作例について、インターホンの例で説明する。機器Aからホームゲートウェイを介して、例えばユーザの携帯電話端末を用いて連係動作を選択するようにしたものである。
【0076】
なお、ホームネットワーク100のユーザであり、かつ、携帯電話端末の所有者は、例えば携帯電話端末からインターネット50を介して機器メーカサイトのホームページにアクセスし、所定の操作をして、当該機器制御ソフトウエアを携帯電話端末にダウンロードすることができる。ダウンロードや更新は、自動的に実行するようにしてもよい。
【0077】
具体的には、ユーザがポインティングデバイスでインターホン10hにアクセスすると、その情報がホームゲートウェイ20を介して携帯電話端末に送出される。携帯電話端末は、機器制御用アプリケーションを立ち上げ、連係動作選択用画面(図示せず)を表示する。この画面上には、複数の連係動作の選択肢、例えば、「この携帯に転送」、「音声メールで転送」、「転送先をポインティング」が提示される。これらの選択肢のいずれかをユーザが選択すると、選択に応じた処理が実行される。
【0078】
例えば、「この携帯に転送」が選択されると、インターホン10hと携帯電話端末との間で通話が可能となるように処理される。「音声メールで転送」が選択されると、インターホン10hから入力された音声が音声メールとして携帯電話端末に送信されるように処理される。なお、この場合、訪問者がインターホン10hに音声メールを入力させるためのガイダンス機能をインターホン10h等に持たせるようにしてもよい。「転送先をポインティング」が選択され、その後例えば転送先として固定電話機10iに対してセンサ33を用いてポインティングすると、固定電話機10iがインターホン10hの応答用の機器として設定される。
【0079】
以上説明したように本実施の形態によれば、複数の機器の間で連係動作を行う際に、ポインティングデバイスでそれぞれの機器に対して直接的に指示操作することができるので、その操作は直感性に優れる。また、ポインティングデバイスに個人識別情報を検出するセンサを設けることにより、機器毎に個別にセンサを設ける必要がなくなる。しかも、各機器への指示時に同一のセンサを用いることにより、ユーザ識別の精度を向上させて機器間のペアリングを簡便に行うことができる。さらに、個々の機器への操作時に、その操作者が当該機器への登録ユーザであることを確認するユーザ認証を行えば、機器操作時のプライバシーやセキュリティの保護も図ることができる。
【0080】
なお、以上の例ではポインティングデバイスとしてリモコン30cを用いる例を示したが、リモコン30cに限るものではなく、上記ペン型のもの、マウス型のもの、その他、任意の形態のポインティングデバイスであってよい。いずれのポインティングデバイスにおいても、ユーザが操作の対象となる機器に対してポインティングデバイスを接近させたり、指し示したりすることにより、機器の直感的な指定を行うことができる。
【0081】
機器Bは、機器Aから受信した機器識別情報およびその機器で連係動作の指示を受けたことに基づき、メモリ12内に予め格納している連係動作・機器識別情報122(図1)を参照して、機器Aとの間の連係動作がどのような動作であるかを認識するようにしたが、ブロードキャスト時に連係動作の識別情報を機器Aから他の機器に通知するようにすれば、連係動作・機器識別情報122を予め各機器に記憶しておく必要はない。また、そのような通知を行う場合であっても、確認のために連係動作・機器識別情報122を予め各機器に記憶しておくようにしてもよい。
【0082】
図2(a)に示したペン型のポインティングデバイスであるペン30aはセンサ33をペンの頭部に設ける例を示したが、センサ33の位置はこれに限るものではない。例えば、図14は、ペン型のポインティングデバイスとして、ユーザがペンを把持するときに指(例えば人差し指)の先が接触する位置にセンサ33を配置した例を示している。このようにすることで、ペンを用いて連係動作の指示と、個人識別情報の取得とを並行して行うようにしてもよい。
【0083】
また、図2(b)ではセンサ33を備えたワイヤレスのマウス30bを示したが、図15(a)(b)に示すように、有線のマウス30eとペン30aとを組み合わせて用いる例を示す。マウス30eとペン30aとは非接触でデータ通信(近距離通信)を行う手段を有する。また、図の例ではマウス30eの本体の一部に、ペン30aを差し込んでマウス30eに保持することができる穴35を設け、ペン30aを差し込んだ状態で、ペン30aからマウス30eを介して、機器へ情報が送信される。特に図示しないが、マウス30eには機器10内にあった近距離通信部13が配置されるとともに、ペン30aから受信した情報を機器へ送信するインタフェースが設けられる。リモコン30cは、リモコン機能を備えた携帯電話端末であってもよい。
【0084】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
【0085】
例えば、第1および第2の機器のそれぞれに指示したユーザの同一性のチェックは両者がポインティングデバイスから得た個人識別情報の一致を確認することにより行うようにしたが、一人のユーザののみを登録しておく場合にはそれぞれの機器でのユーザ認証のみで、両者の同一性の別途のチェックは不要である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明が適用されるポインティングデバイスの複数の例を示す図である。
【図3】図1のネットワークシステムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図4】図1のネットワークシステムの別の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図5】乱数発生器を備えたポインティングデバイスを用いたネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかるネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図7】図6のネットワークシステムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図8】図6のネットワークシステムの別の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図9】本発明の実施の形態における機器内の機器固有機能部としてタッチパネルおよび表示部を備えた機器を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における機器間での連係動作の一例としてのコピー&ペースト動作を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における機器間での連係動作の他の具体的な例を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態における機器間での連係動作のさらに他の具体的な例を説明するための図である。
【図13】本発明の実施の形態における機器間での連係動作の別の具体的な例を説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態におけるペン型のポインティングデバイスの変形例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態における有線のマウスとペンとを組み合わせて用いる例を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
10,10a…機器、10b…洗濯機、10c…テレビ装置、10d…監視カメラ、10e…デジタルカメラ、10f…プリンタ、10h…インターホン、10i…固定電話機、11…制御部、12…メモリ、13…近距離通信部、14…ネットワーク接続部、15…機器固有機能部、16…タッチパネル、17…表示部、20…ホームゲートウェイ、21…制御部、22…メモリ、24…ネットワーク接続部、30…ポインティングデバイス、30a…ペン、30b…マウス、30c…リモコン、30e…マウス、31…制御部、32…近距離通信部、33…センサ、34…乱数発生器、50…インターネット、100…ホームネットワーク、121…個人識別情報、122…連係動作・機器識別情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した動作を行う機器連係動作システムおよびこれに関連した方法および機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、企業や公的機関のオフィス内ではLAN(Local Area Network)などの通信ネットワークにより複数のPC(Personal Computer)や各種周辺装置が相互に接続され、LANはさらにインターネットに接続されている。
【0003】
近年、家庭内においてもデジタル家電の開発によりPCだけでなくPCと家電、あるいは家電同士の間でコマンドやデータを授受するためのホームネットワークが検討されている。既に、オーディオ・ビジュアル(AV)関連のデジタル家電(テレビ、PC、オーディオシステム、HDDレコーダ、等)については、DLNA(Digital Living Network Alliance)やBluetooth(登録商標)等の技術により、相互の連係動作を行うことが可能となっている。例えば、音楽、写真、動画等のデジタルコンテンツを家電、PC、モバイル機器間でシームレスに共有することができる。具体的には、PC内に蓄積された楽曲をオーディオシステムで作成して聴取する、PC内に蓄積された動画を大画面テレビで皆で楽しむ、HDDレコーダの映像コンテンツを別の部屋のPCで再生する、等の動作を行うことが可能である。
【0004】
特許文献1には、ネットワークを介して接続された複数のデバイスが連係して動作するネットワーク制御システムにおいて、ユーザが、連係して動作させるデバイスを、操作画面によらずに、直感的に指定することを可能とする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−204099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記Bluetooth(登録商標)の技術を用いた技術は、複数の機器の間で連係した動作を行う場合に、直接的に操作対象を指示するものではないので直感的な操作性に欠け、また、機器相互の接続(ペアリング)の柔軟性に欠ける。
【0006】
上記DLNAを用いた技術では、コントローラによる画面上での操作が必要であり、やはり直感的な操作性、および、機器間のペアリングの柔軟性に欠ける。
【0007】
また、複数の機器の間で連係した動作を行うために、単一の画面上で機器間の連係を指示するのではなく、個々の機器に対して直接的に指示を行う場合には、各機器に対する個別の操作が同一の連係動作に属するものであることを当該各機器が認識する必要がある。
【0008】
特許文献1の記載の従来技術では、赤外線リモコンを使って直接機器を特定していることから直感的な操作という点では優れているが、例えば家族内の誰もが機器に対して共通の連係動作を行わせることができることから、家族内のプライバシーが保たれない、という問題がある。この問題に対して、例えば家族の個人ごとにIDやパスワードを設定することも考えられるが、それでは文字入力等の煩雑な操作が必要となり、良好な操作性が損なわれることになる。
【0009】
そこで、本願出願人は、平成18年7月28日付けの特許出願(特願2006−206656)で、例えばホームネットワーク内の複数の家電機器を連係動作させるための機器連係動作システムとして、操作の直感性に優れ、しかも個人のプライバシー等を守ることができる機器連係動作システムを提案した。
【0010】
しかしながら、この先行技術においては、連係動作を行う各機器で固定的に指紋等の個人識別情報を取得する場合に、各機器毎に個人識別情報のセンサを設ける必要がある。例えば、各機器の別個のセンサで指紋を検出する場合、同種の指紋センサに対して同じユーザの同一の指を当てても、センサの個体差により読み取り結果に誤差が生じうる。これにより機器毎にユーザの認証を行う場合に、総合的にエラーとなる確率が高くなる。また、複数の機器でのセンサの検出結果同士を照合する場合にも、センサの個体差により読み取り結果に誤差が生じうる。特に、機器のメーカーが異なる場合など、各機器のセンサの種類も異なる場合があり、なおさらである。
【0011】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、その目的は、複数の機器の間で連係動作を行う際に、直感的な操作性をもって、かつ、ユーザ識別の精度を向上させて機器間のペアリングを行うことができる機器連係動作システムおよび連係動作実行方法、ならびにそのために用いる連係動作可能な機器およびポインティングデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による機器連係動作システムは、互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、前記第1および第2の機器の各々は、前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、相手機器およびその連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段とを備え、前記第1および第2の機器のいずれか一方の機器は前記データ通信手段により他方の機器に対して、前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報、連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を通知し、この通知を受けた他方の機器は前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報を前記第1の機器から通知された個人識別情報と照合した結果に応じて、前記データ通信手段を介して前記機器識別情報で示された機器と前記登録された連係動作を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明では、個人識別情報を検出する機能をポインティングデバイスに付属させ、個々の機器に対する指示を行う際に同じポインティングデバイスを用いてかつ同じセンサを用いて得られる個人識別情報を利用する。
【0014】
各機器において予め個人識別情報を登録しておき、機器への指示を行う際にポインティングデバイスで検出した個人識別情報を登録個人識別情報と照合してユーザ認証を行うことも可能である。
【0015】
機器間のどのような連係動作を行うかは、予め各機器において他の機器と実行可能な連係動作の種類を登録しておき、相手機器に応じて連係動作を特定してもよいし、その都度、機器間で連係動作の種類を表す連係動作情報を通知して特定するようにしてもよい。
【0016】
第1および第2の機器の間の連係動作を第3の機器を仲介して行うようにすることも可能である。
【0017】
その他の本発明の構成および動作、作用効果については、後続の実施の形態において詳述する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の機器の間で連係動作を行う際に、ポインティングデバイスでそれぞれの機器に対して直接的に指示操作することができるので、その操作は直感性に優れる。
【0019】
また、ポインティングデバイスに個人識別情報を検出する機能を設けることにより、機器毎に個別にセンサを設ける必要がない。しかも、各機器への指示時に同一のセンサを用いることにより、ユーザ識別の精度を向上させて機器間のペアリングを簡便に行うことができる。
【0020】
個々の機器への操作時に、その操作者が当該機器への登録ユーザであることを確認するユーザ認証を行えば、機器操作時のプライバシーやセキュリティの保護も図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、複数の機器10(ここでは機器Aと機器B)がホームネットワーク100により相互に通信可能に接続されている。これらの複数の機器10に対してワイヤレス型のポインティングデバイス30が共用される。
【0023】
データ通信手段であるホームネットワーク100は、有線または無線のLAN(Local Area Network)、電力線、Bluetooth(登録商標)等とこれに付随するインタフェースを含むものである。
【0024】
機器10は、主として、各種家電機器を想定しているが、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯情報端末等も含みうる。各種家電機器には、テレビ、映像レコーダ、オーディオ機器、インターホン、監視カメラ、デジタルカメラ、洗濯機、冷蔵庫、給湯器、等、ネットワーク接続可能な任意の機器を含みうる。
【0025】
各機器10は、その全体の制御および必要な処理を実行する制御部11、ホームネットワーク100に属する他の機器と接続するためのネットワーク接続部14、各種データを好ましくは不揮発的に記憶するメモリ12、ポインティングデバイス30との間で近距離の通信を行う近距離通信部13、機器毎の機能を実現するための機器固有機能部15を備えている。制御部11は、図示しないが、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)および/またはHDD(Hard Disc Drive)等のプログラム記憶装置、データの一時記憶領域および作業領域等を提供するRAM(Random Access Memory)を備え、プログラムの実行処理により実現される。
【0026】
本実施の形態において利用可能な近距離通信としては、電磁的な結合によるもの、静電的な結合によるもの、RFID(Radio Frequency IDentification)のような電波によるもの、IrDA(Infrared Data Association)やレーザのような光によるもの、等が例として挙げられる。
【0027】
ポインティングデバイス30は、一時に1台の機器とのみ通信を行い、個々の機器10に対して指示を与えたり、データを入力したりするための装置である。具体的には、機器の近距離通信部13と対応する近距離通信部32と、個人識別情報を検出するためのセンサ33と、これらを制御する制御部31とを含んでいる。その形態としては、図2に示すように、ペン型のポインティングデバイス30a、マウス型のポインティングデバイス30b、リモートコントローラ(以下、リモコンと略す)30c、等を含みうる。この例ではセンサ33として指紋センサを想定している。但し、指紋センサに限るものではなく、他の生体情報センサ、RFID用のリーダライタ(リーダのみでも可)、等、個人識別情報を検出することができる任意のセンサでよい。
【0028】
ペン型のポインティングデバイス30aの場合、ペンの先にレーザポインタを設け、そのレーザ出力を変調して検出個人識別情報等のデータを伝送するようにしてもよい。レーザポインタは、可視光のスポット照射によりユーザが操作対象の機器を確実に認識するのにも役立つ。マウス型のポインティングデバイス30bでマウスの動きを赤外線で検知する方式の場合、USB等のインタフェースで機器に接続されたマウスパッドに赤外線受光部を取り付け、赤外線データの形態でマウスパッドを介して機器へ個人識別情報を伝達するようにしてもよい。リモコン30cのインタフェースは、通常のリモコンのIrDAに限るものではなく、利用可能な近距離通信としては、上述した任意のものを利用することができる。
【0029】
また、マウス30bやリモコン30c等のポインティングデバイスにおいてセンサ33の代わりに、ペン30aの近距離通信部32と対応する近距離通信部(機器内の近距離通信部13に対応)を設け、センサ33を有するポインティングデバイス(例えばペン30a)から他のポインティングデバイスを介して機器に個人識別情報を伝達するようにしてもよい。この場合、当該他のポインティングデバイスは特定の機器固有のものであってもよい。
【0030】
図3に、図1のネットワークシステムの動作例を説明するためのシーケンス図を示す。今、ユーザが機器Aと機器Bとの間で特定の連係動作を行わせる場合を例とする。
【0031】
ユーザは、まず、ポインティングデバイスを用いて機器Aに対し、予め定められた連係動作の対象となる操作(連係対象操作)を行う(S11)。これは、機器Aに対するユーザのポインティングデバイスの操作なので、図ではポインティングデバイスから機器Aへ破線の矢印で示してある。この際、機器Aとの間でコネクションが確立される(S12)。センサ33から個人識別情報(例えば、ユーザの指紋)が取得され、近距離通信部32を介して機器Aに送信される(S13)。「連係対象操作」とは、連係動作の種類によって異なるが、例えば後述するコピー&ペースト処理では、ユーザがコピーを行う操作である。また、後述する洗濯機とテレビ装置の例では、洗濯終了報知のための操作である。
【0032】
各機器には予めユーザの個人識別情報が登録されているものとする。そこで、機器Aは、登録されている個人識別情報121(図1)と検出された個人識別情報(検出個人識別情報)とを照合することにより、操作者が適正なユーザであるかどうかを確認するユーザ認証を行う(S14)。ユーザ認証の結果がOKでなければ、エラーメッセージ等を出力する。ユーザ認証の結果がOKであれば、機器Aは当該連係動作の前処理(連係前処理)を実行する(S15)。連係前処理は、機器間で所定の連係動作を行う前提となる処理である。例えば、コピー&ペースト処理の場合、コピー操作で指示された文字列をアプリケーションから取得して、RAM内のバッファ領域に格納する処理である。機器Aはまた、連係前処理の前または後に、他の機器に対して、連係動作の指示を受けた旨を、ブロードキャスト(またはマルチキャスト)により知らしめる(S16)。ここに、ホームネットワーク100に機器A,B以外の機器が存在する場合、「他の機器」にはそれらの機器も含む。このブロードキャストの内容には、個人識別情報および連係相手情報(この例では機器Aを示す機器識別情報)が含まれている。「機器識別情報」は個々の機器を識別するための情報であり、例えば、ホームネットワーク内で各機器に付加された機器名称やIPアドレス等である。機器B(および、存在する場合、他の機器)はこのブロードキャストを受けて、受信した機器識別情報をメモリ12内の所定の記録領域に連係相手として一時的に記憶する(S17)。この連係相手の記憶の有無が、連係動作の待機中であるか否かを示すフラグ情報として機能する。勿論、別途、独立したフラグ情報をメモリ12内に記憶するようにしてもよい。
【0033】
機器Aと機器Bのユーザの一致をチェックする場合には、S17でユーザ識別情報として検出個人識別情報も記憶しておく。機器Bは、機器Aから受信した機器識別情報およびその機器で連係動作の指示を受けたことに基づき、メモリ12内に予め格納している連係動作・機器識別情報122(図1)を参照して、機器Aとの間の連係動作がどのような動作であるかを認識することができる。
【0034】
その後、ユーザが機器Bに対してポインティングデバイスを用いて、連係対象操作を行う(S18)。この連係対象操作は、例えば上記コピー&ペーストの例では、ペーストのための操作である。これによりポインティングデバイス30と機器Bとの間でコネクションが確立される(S19)。この際、個人識別情報が近距離通信部32を介して機器Bに送信される(S20)。このとき利用される個人識別情報は、S13でセンサ33から取得され、ポインティングデバイス内に記憶しておいたものを利用する方法と、センサ33で個人識別情報を再度検出する方法とがありうる。前者の場合は、再度のユーザ認証に要する手間および時間を省略することができる。後者によれば、機器Aの操作者と異なる操作者が機器Bを操作して連係動作を行わせることを防止することができる。
【0035】
機器Bは、登録されている個人識別情報と検出された個人識別情報とを照合することにより、ユーザ認証を行う(S21)。機器Aと機器Bのユーザの一致をチェックする場合にはこの時点でさらにユーザの同一性のチェックを行う。
【0036】
ユーザ認証の結果がOKでなければ、エラーメッセージ等を出力する。ユーザ認証の結果がOKであれば、機器Bは連係相手として指定されている機器Aとの間で当該連係動作を実行する(S22,S23)。コピー&ペーストの例では、機器Aから上記バッファ内に記憶されている文字列が機器Bに転送され、機器Bのアプリケーションに渡される。このアプリケーションが、ポインティングデバイスで指示された位置に当該文字列をペーストする処理を行う。
【0037】
なお、機器Aにおいてポインティングデバイスにより指示された動作が連係動作の対象とならない操作であれば、ステップS12〜S14は実行する必要がない。また、近距離通信においてコネクションレス型の転送プロトコルを利用する場合にはS12,S19の「コネクション確立」のステップは存在しない。
【0038】
また、図3の処理では、ある連係動作について最初に連係対象操作を受けた機器Aが他の機器にブロードキャストを行ったときに、機器Bが連係相手情報の記憶を行うようにした。この代わりに、機器Aからのブロードキャスト時に機器Bは不応答で、機器Bが次に連係対象操作を受けたときに機器Aに対してブロードキャストを行い、これに基づいて機器Aが機器Bから検出個人識別情報を取得して、機器Aが機器Bと連係処理を行うようにしてもよい。
【0039】
図4は、図1のネットワークシステムの別の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0040】
図3の動作例では、各機器でユーザの個人識別情報を予め登録しておき、機器の利用時(少なくとも連係動作の実行時)に検出した個人識別情報を登録済みの個人識別情報と照合することにより、操作者が適正なユーザであるかどうかを確認するユーザ認証を行った。これに対して、図4の動作例では、機器Aの操作者と機器Bの操作者が同一であることを確認するのみで、個々の操作者が各機器に対して適正なユーザであるかどうかは問題としない。
【0041】
ユーザは、まず、ポインティングデバイスを用いて機器Aに対し、予め定められた連係動作の対象となる操作(連係対象操作)を行う(S31)。この際、機器Aとの間でコネクションが確立される(S32)。センサ33から個人識別情報が取得され、近距離通信部32を介して機器Aに送信される(S33)。そこで、機器Aは、ユーザ認証を行うことなく、当該連係動作の前処理(連係前処理)を実行する(S34)。機器Aはまた、連係前処理の前または後に、他の機器に対して、連係動作の指示を受けた旨を、ブロードキャスト(またはマルチキャスト)により検出個人識別情報とともに通知する(S35)。機器B(および、存在する場合、他の機器)は、このブロードキャストを受けて、受信した検出個人識別情報をメモリ12内の所定の記録領域に一時的に記憶する(S36)。併せて、連係相手情報を一時的に記憶する(S37)。
【0042】
その後、ユーザが機器Bに対してポインティングデバイスを用いて、連係対象操作を行う(S38)。これによりポインティングデバイス30と機器Bとの間でコネクションが確立される(S39)。この際、ポインティングデバイス30のセンサ33から個人識別情報が新たに取得され、近距離通信部32を介して機器Bに送信される(S40)。
【0043】
機器Bは、S36で記憶している検出個人識別情報と、ポインティングデバイス30から取得した検出個人識別情報とを照合することにより、ユーザの同一性をチェックする(S41)。機器内に予め各ユーザの個人識別情報が登録されている場合には、この同一性チェックに加えて、検出個人識別情報を登録個人識別情報と照合することによりユーザ認証を行うようにしてもよい。
【0044】
ユーザ同一性チェックの結果がOKでなければ、エラーメッセージ等を出力する。ユーザ同一性チェックの結果がOKであれば、機器Bは連係相手として指定されている機器Aとの間で当該連係動作を実行する(S42,S43)。
【0045】
上記の動作例において、特に図4の動作例では、機器間で個人識別情報を転送する。ホームネットワーク100上とはいえ、このような個人識別情報をネットワーク上に流すのが妥当でないと考えられる場合には、図5に示すように、ポインティングデバイス30aとして、乱数発生器34を備えたものを用いてもよい。制御部31は、センサ33で検出された個人識別情報に対して、乱数発生部34で生成された乱数を用いて加工する。これにより、各連係動作のセッションを互いに識別することができる。例えば、同じユーザが同時に複数のポインティングデバイスを利用する場合に、同じポインティングデバイスを用いた機器間での連係動作を正しく行わせることができる。また、個人識別情報を生のデータから別のデータへ改変する場合には、ネットワーク上に生の個人識別情報を流すことを回避することができる。個人識別情報に対する乱数を用いた加工の仕方としては次のようなものが考えられる。
(1)個人識別情報に乱数を付加する。
(2)個人識別情報を所定の規則に従って変換する(例えばハッシュ等)。
(3)乱数キーにより暗号化する。この場合、ユーザの認証を行わず同一性チェックのみを行う場合に復号化は必要ない。ユーザの認証が必要な場合には、各機器でポインティングデバイスから同乱数キーを受け取り、ローカルに復号化を行って、登録個人識別情報と照合する。
【0046】
なお、上述したように、検出個人識別情報を機器Bに通知する際(S20,S40)に、新たに検出個人識別情報を取得する場合には、同じ乱数を用いるように、乱数発生部34で生成された乱数を連係動作の完了まで保持する。
【0047】
また、図4の処理では、ある連係動作について最初に連係対象操作を受けた機器Aが他の機器にブロードキャストを行ったときに、機器Bが検出個人識別情報および連係相手情報の記憶を行うようにした。この代わりに、機器Aからのブロードキャスト時に機器Bは不応答で、機器Bが次に連係対象操作を受けたときに機器Aに対してブロードキャストを行い、これに基づいて機器Aが機器Bから検出個人識別情報および連係相手情報を取得してユーザ同一性のチェックを行い、機器Aが機器Bと連係処理を行うようにしてもよい。
【0048】
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は第2の実施の形態にかかるネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。図1に示した要素と同様の要素には同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。
【0049】
上述の実施の形態では、各機器が単独で指紋認証を行い、ユーザが許可されたユーザであるか否かについての判断を行い、連係動作についても各機器同士が通信をすることにより実行されるように構成されているが、各機器の制御を行うことができるホームゲートウェイがこれらの機能のうちの一部を行うようにしてもよい。すなわち、各機器により指紋認証が行われた後、ホームゲートウェイ20の制御により連係動作を実行するようにしてもよい。
【0050】
そのため、この実施の形態では、ホームネットワーク100に、機器Cとして、ホームゲートウェイ20を含んでいる。ホームゲートウェイ20は、インターネット50と接続され、インターネット通信プロトコルとホームネットワーク100内の通信プロトコルとの間の変換を行う制御部21、機器10と通信可能に接続するためのネットワーク接続部24、および好ましくは不揮発性のメモリ22を有している。制御部21は、ホームゲートウェイ20の全体を制御する部位であり、図示しないが、マイクロプロセッサ、ROMおよび/またはHDD等のプログラム記憶装置、データの一時記憶領域および作業領域等を提供するRAMを備え、プログラムの実行処理により実現される。メモリ22には、逐次、ホームネットワーク100を利用するユーザの個人識別情報221、および、機器の連係動作および機器識別情報222が記憶される。
【0051】
図7は、図6のネットワークシステムの動作例を説明するためのシーケンス図を示す。この場合も、ユーザが機器Aと機器Bとの間で連係動作を行わせる場合を例とする。
【0052】
ユーザは、まず、ポインティングデバイスを用いて機器Aに対し、予め定められた連係動作の対象となる操作(連係対象操作)を行う(S51)。この際、機器Aとの間でコネクションが確立される(S52)。センサ33から個人識別情報が取得され、近距離通信部32を介して機器Aに送信される(S53)。そこで、機器Aは、登録されている個人識別情報221(図6)と検出された個人識別情報とを照合することにより、ユーザ認証を行う(S54)。ユーザ認証の結果がOKでなければ、エラーメッセージ等を出力する。ユーザ認証の結果がOKであれば、機器Aは当該連係動作の前処理(連係前処理)を実行する(S55)。連係前処理は、機器間で連係動作を行う前提となる処理であり、少なくとも相手機器との間のペアリングを待機する処理を含む。機器Aはまた、連係前処理の前または後に、他の機器に対して、連係動作の指示を受けた旨を、機器Cであるホームゲートウェイに通知する(S56)。この通知の内容には、個人識別情報および連係相手情報(この例では機器Aを示す機器識別情報)が含まれている。機器Cはこの通知を受けて、受信した情報をメモリ22の所定の記録領域に一時的に記憶する(S57)。また、機器Cは機器Aの機器識別情報を連係相手として記憶する(S58)。機器Cは、機器Aから受信した機器識別情報およびその機器で連係動作の指示を受けたことに基づき、メモリ12内に予め格納している連係動作・機器識別情報122(図6)を参照して、次に指示される機器との間の連係動作がどのような動作であるかを認識することができる。
【0053】
その後、ユーザが機器Bに対してポインティングデバイスを用いて、連係対象操作を行う(S59)。これによりポインティングデバイス30と機器Bとの間でコネクションが確立される(S60)。この際、個人識別情報が近距離通信部32を介して機器Bに送信される(S61)。上述したように、このとき利用される個人識別情報は、S53でセンサ33から取得され、ポインティングデバイス内に記憶しておいたものを利用する方法と、センサ33で個人識別情報を再度検出する方法とがありうる。
【0054】
機器Bは、登録されている個人識別情報と検出された個人識別情報とを照合することにより、ユーザ認証を行う(S62)。ユーザ認証の結果がOKでなければ、エラーメッセージ等を出力する。機器Bは、ユーザ認証の結果がOKであれば、所定の連係前処理を行う(S63)。機器Bは、S61で受信した検出個人識別情報および機器Bの機器識別情報を機器Cへ送信する(S64)。
【0055】
機器Cは、S64で受信した検出個人識別情報とS57で記憶済みの検出個人識別情報とを照合することにより、ユーザの同一性をチェックする(S65)。ユーザの同一性が確認されなければ、所定のエラー処理を行う。同一性が確認されたら、機器Aと機器Bに対してそれぞれ連係動作実行指示を出力する(S66,S67)。この指示に応じて、機器Aと機器Bは当該連係動作を実行する(S68,S69)。
【0056】
図8は、図6のネットワークシステムの別の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0057】
図7の動作例では、各機器でユーザの個人識別情報を予め登録しておき、機器の利用時(少なくとも連係動作の実行時)に検出した個人識別情報を登録済みの個人識別情報と照合することにより、操作者が適正なユーザであるかどうかを確認するユーザ認証を行った。これに対して、図8の動作例では、機器Aの操作者と機器Bの操作者が同一であることを確認するのみで、個々の操作者が各機器に対して適正なユーザであるかどうかは問題としない。
【0058】
ユーザは、まず、ポインティングデバイスを用いて機器Aに対し、予め定められた連係動作の対象となる操作(連係対象操作)を行う(S71)。この際、機器Aとの間でコネクションが確立される(S72)。センサ33から検出個人識別情報が取得され、近距離通信部32を介して機器Aに送信される(S73)。そこで、機器Aは、ユーザ認証を行うことなく、当該連係前処理を実行する(S74)。機器Aはまた、連係前処理の前または後に、他の機器に対して、連係動作の指示を受けた旨を、ブロードキャスト(またはマルチキャスト)により検出個人識別情報とともに通知する(S75)。機器Cは、この通知を受けて、受信した検出個人識別情報をメモリ22内の所定の記録領域に一時的に記憶する(S76)。併せて、連係相手情報を一時的に記憶する(S77)。
【0059】
その後、ユーザが機器Bに対してポインティングデバイスを用いて、連係対象操作を行う(S78)。これによりポインティングデバイス30と機器Bとの間でコネクションが確立される(S79)。この際、ポインティングデバイス30のセンサ33から個人識別情報が新たに取得され、近距離通信部32を介して機器Bに送信される(S80)。
【0060】
機器Bは、必要な連係前処理を行うとともに(S81)、S80で受信した検出個人識別情報および機器Bの機器識別情報を機器Cへ送信する(S82)。
【0061】
機器Cは、S82で受信した検出個人識別情報とS76で記憶済みの検出個人識別情報とを照合することにより、ユーザの同一性をチェックする(S83)。ユーザの同一性が確認されなければ、所定のエラー処理を行う。同一性が確認されたら、機器Aと機器Bに対してそれぞれ連係動作実行指示を出力する(S84,S85)。この指示に応じて、機器Aと機器Bは当該連係動作を実行する(S86,S87)。上記と同様、機器内に予め各ユーザの個人識別情報が登録されている場合には、この同一性チェックに加えて、検出個人識別情報を登録個人識別情報と照合することによりユーザ認証を行うようにしてもよい。
【0062】
図9は、機器固有機能部15としてタッチパネル16および表示部17を備えた機器10aを示している。システム構成としては図1と図6のいずれの構成であってもよい。この機器10aを機器Aとし同種の他の機器を機器Bとして、両機器の間で、ポインティングデバイス30aを用いて、連係動作の一例としてコピー&ペースト動作を行う例を図10により説明する。
【0063】
図10(a)において、ユーザが機器Aのタッチパネルに対してポインティングデバイス30aで表示画面上の任意の文字列に対してコピー動作を行ったときの表示画面の様子を示している。この動作により、機器Aのメモリ内にコピーされた文字列が記憶される。また、この連係動作の指示が行われた旨またはその連係動作の種類を示す連係動作情報と、機器Aの機器識別情報とが、機器Bまたは機器Cに記憶される。ついで、ユーザが機器Bに対してペースト動作を行うと、既に機器Aにおいて同ユーザがこのペースト動作に対応するコピー動作を行っていることが認識される。その結果、機器Aから機器Bに対して前記コピーされた文字列のデータが転送され、機器Bにおいてペースト動作が実行される。機器Aと機器Bとの間でユーザの一致を条件として、対応する連係動作が実行される。
【0064】
また、図5で説明したような乱数を利用するポインティングデバイス30aを用いることにより、同じユーザであっても、機器Aと機器Bに対して用いたポインティングデバイスが異なる場合には連係動作が行われない。さらに、同一のセッション内でのみ乱数を同じとしておくことにより、セッションが異なれば同じポインティングデバイスでも連係動作は行われないようにすることができる。ここに、セッションとは機器Aに対して連係動作のための第1の操作が行われてから、機器Bに対して当該連係動作のための第2の操作が行われるまでの期間に対応する。但し、前述のように、機器Aに対する第1の操作が行われた後、他の機器に対する第2の操作が行われる前に所定の時間が経過した場合には、タイムアウトと判断して、セッション終了としてもよい。この場合、第2の操作を待機している機器は上記フラグ情報を消去または無効化する。
【0065】
図11、図12、図13は、連係動作の他の具体的な例を説明するための図である。
【0066】
いずれも、ホームネットワーク100において機器等の機器同士がセキュアなコネクションを確立して実行する連係動作について説明する。また、ポインティングデバイス30としては上述したリモコン30cを用いた例を示すが、これに限るものではなく、上述した任意のポインティングデバイスを用いることができる。
【0067】
図11(a)は、洗濯機10bとテレビ装置(TV)10cとの間の連係動作を示している。
【0068】
洗濯機10bとテレビ装置10cとの連係動作としては、例えば、洗濯機10bによる洗濯処理の終了時に洗濯機10bからテレビ装置10cにその旨を通知し、テレビ装置はその通知を受け取ったとき、例えば「洗濯が終了しました。」などのメッセージを表示する、という動作である。この場合の連係動作の前処理としては、洗濯機における洗濯終了通知の予約処理および通知先の相手機器とのペアリングを待機する処理である。通常、洗濯機にも終了のアラーム音を発生する機能が備えられているが、ユーザが居間などに居て洗濯機のアラーム音がよく聞こえない場合がある。本連係動作はこのような場合に有用である。画面上での表示に加えて、テレビ装置での所定のアラーム音または音声を出力させるようにしてもよい。ユーザは、自分が通知を受けたい場所にある機器を指定することにより、所望の場所で洗濯の終了通知を受けることができる。
【0069】
図示しないが、洗濯機10bとラジオ装置やオーディオ装置との間の連係動作であってもよい。
【0070】
図11(b)は、監視カメラ10dとテレビ装置10cとの間の連係動作を示している。この連係動作としては、例えば、機器Aとしての監視カメラ10dのリアルタイムの撮影像を、例えば居間や自分の部屋にある機器Bとしてのテレビ装置10cに転送し、その画面上に表示させることである。これにより、任意の部屋にあるテレビ装置で監視カメラ10dの撮影像を監視することができる。この場合の前処理は、監視カメラ10dにおける撮影データを転送する相手機器とのペアリングを待機する処理である。転送の終了は、特に限定しないが、リモコンによる監視カメラ10dに対する終了指示、所定時間の経過による自動転送終了、等による。
【0071】
図12(a)は、ファクシミリ機(FAX)10gとテレビ装置10cとの間の連係動作を示している。この連係動作としては、例えば、機器AとしてのFAX10gの受信画像データを、機器Bとして指定されたテレビ装置に転送し、その画面上に表示させることである。これにより、任意の部屋にあるテレビ装置でFAXの受信および受信画像の確認を行うことができる。この場合の前処理は、FAX10gにおける受信データの転送先とのペアリングの待機を行うための処理である。なお、FAX10gにおける印刷出力は別途行うことができるものとする。
【0072】
図12(b)は、インターホン10hと電話機10iとの間の連係動作を示している。この連係動作としては、例えば、機器Aであるインターホン10hの子機(図示せず)に対する訪問者のアクセスがあったとき、インターホン10hと、機器Bである電話機10iとをホームネットワーク100経由で接続して両者間で音声データの授受を行うことである。この場合の前処理とは、インターホンにおいて、後ほど音声データの授受を行うために指定される機器Bとのペアリングの待機を行うための処理である。
【0073】
ここではモニタ画面付きのインターホンを例としているので、機器Bとして電話機ではなくテレビ電話機能を有するテレビ装置を指定した場合には、このモニタ画面の映像をテレビ装置の画面上に表示するとともに、インターホンの子機との間の通話がテレビ装置において可能となる。
【0074】
図13は、デジタルカメラ10eとテレビ装置10cまたはプリンタ10fとの間の連係動作を示している。この連係動作としては、例えば、機器Aであるデジタルカメラ10eの撮影済みの画像を、機器Bとして指定されたテレビ装置10cの画面に表示させたり、あるいは、同じく機器Bとして指定されたプリンタ10fに印刷出力させたりするものである。この場合の前処理は、デジタルカメラ10eにおける撮影データを転送する相手機器とのペアリングを待機する処理である。
【0075】
連係動作が、ユーザが選択可能な複数の動作を含む場合の動作例について、インターホンの例で説明する。機器Aからホームゲートウェイを介して、例えばユーザの携帯電話端末を用いて連係動作を選択するようにしたものである。
【0076】
なお、ホームネットワーク100のユーザであり、かつ、携帯電話端末の所有者は、例えば携帯電話端末からインターネット50を介して機器メーカサイトのホームページにアクセスし、所定の操作をして、当該機器制御ソフトウエアを携帯電話端末にダウンロードすることができる。ダウンロードや更新は、自動的に実行するようにしてもよい。
【0077】
具体的には、ユーザがポインティングデバイスでインターホン10hにアクセスすると、その情報がホームゲートウェイ20を介して携帯電話端末に送出される。携帯電話端末は、機器制御用アプリケーションを立ち上げ、連係動作選択用画面(図示せず)を表示する。この画面上には、複数の連係動作の選択肢、例えば、「この携帯に転送」、「音声メールで転送」、「転送先をポインティング」が提示される。これらの選択肢のいずれかをユーザが選択すると、選択に応じた処理が実行される。
【0078】
例えば、「この携帯に転送」が選択されると、インターホン10hと携帯電話端末との間で通話が可能となるように処理される。「音声メールで転送」が選択されると、インターホン10hから入力された音声が音声メールとして携帯電話端末に送信されるように処理される。なお、この場合、訪問者がインターホン10hに音声メールを入力させるためのガイダンス機能をインターホン10h等に持たせるようにしてもよい。「転送先をポインティング」が選択され、その後例えば転送先として固定電話機10iに対してセンサ33を用いてポインティングすると、固定電話機10iがインターホン10hの応答用の機器として設定される。
【0079】
以上説明したように本実施の形態によれば、複数の機器の間で連係動作を行う際に、ポインティングデバイスでそれぞれの機器に対して直接的に指示操作することができるので、その操作は直感性に優れる。また、ポインティングデバイスに個人識別情報を検出するセンサを設けることにより、機器毎に個別にセンサを設ける必要がなくなる。しかも、各機器への指示時に同一のセンサを用いることにより、ユーザ識別の精度を向上させて機器間のペアリングを簡便に行うことができる。さらに、個々の機器への操作時に、その操作者が当該機器への登録ユーザであることを確認するユーザ認証を行えば、機器操作時のプライバシーやセキュリティの保護も図ることができる。
【0080】
なお、以上の例ではポインティングデバイスとしてリモコン30cを用いる例を示したが、リモコン30cに限るものではなく、上記ペン型のもの、マウス型のもの、その他、任意の形態のポインティングデバイスであってよい。いずれのポインティングデバイスにおいても、ユーザが操作の対象となる機器に対してポインティングデバイスを接近させたり、指し示したりすることにより、機器の直感的な指定を行うことができる。
【0081】
機器Bは、機器Aから受信した機器識別情報およびその機器で連係動作の指示を受けたことに基づき、メモリ12内に予め格納している連係動作・機器識別情報122(図1)を参照して、機器Aとの間の連係動作がどのような動作であるかを認識するようにしたが、ブロードキャスト時に連係動作の識別情報を機器Aから他の機器に通知するようにすれば、連係動作・機器識別情報122を予め各機器に記憶しておく必要はない。また、そのような通知を行う場合であっても、確認のために連係動作・機器識別情報122を予め各機器に記憶しておくようにしてもよい。
【0082】
図2(a)に示したペン型のポインティングデバイスであるペン30aはセンサ33をペンの頭部に設ける例を示したが、センサ33の位置はこれに限るものではない。例えば、図14は、ペン型のポインティングデバイスとして、ユーザがペンを把持するときに指(例えば人差し指)の先が接触する位置にセンサ33を配置した例を示している。このようにすることで、ペンを用いて連係動作の指示と、個人識別情報の取得とを並行して行うようにしてもよい。
【0083】
また、図2(b)ではセンサ33を備えたワイヤレスのマウス30bを示したが、図15(a)(b)に示すように、有線のマウス30eとペン30aとを組み合わせて用いる例を示す。マウス30eとペン30aとは非接触でデータ通信(近距離通信)を行う手段を有する。また、図の例ではマウス30eの本体の一部に、ペン30aを差し込んでマウス30eに保持することができる穴35を設け、ペン30aを差し込んだ状態で、ペン30aからマウス30eを介して、機器へ情報が送信される。特に図示しないが、マウス30eには機器10内にあった近距離通信部13が配置されるとともに、ペン30aから受信した情報を機器へ送信するインタフェースが設けられる。リモコン30cは、リモコン機能を備えた携帯電話端末であってもよい。
【0084】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
【0085】
例えば、第1および第2の機器のそれぞれに指示したユーザの同一性のチェックは両者がポインティングデバイスから得た個人識別情報の一致を確認することにより行うようにしたが、一人のユーザののみを登録しておく場合にはそれぞれの機器でのユーザ認証のみで、両者の同一性の別途のチェックは不要である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明が適用されるポインティングデバイスの複数の例を示す図である。
【図3】図1のネットワークシステムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図4】図1のネットワークシステムの別の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図5】乱数発生器を備えたポインティングデバイスを用いたネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかるネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図7】図6のネットワークシステムの動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図8】図6のネットワークシステムの別の動作例を説明するためのシーケンス図である。
【図9】本発明の実施の形態における機器内の機器固有機能部としてタッチパネルおよび表示部を備えた機器を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における機器間での連係動作の一例としてのコピー&ペースト動作を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における機器間での連係動作の他の具体的な例を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態における機器間での連係動作のさらに他の具体的な例を説明するための図である。
【図13】本発明の実施の形態における機器間での連係動作の別の具体的な例を説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態におけるペン型のポインティングデバイスの変形例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態における有線のマウスとペンとを組み合わせて用いる例を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
10,10a…機器、10b…洗濯機、10c…テレビ装置、10d…監視カメラ、10e…デジタルカメラ、10f…プリンタ、10h…インターホン、10i…固定電話機、11…制御部、12…メモリ、13…近距離通信部、14…ネットワーク接続部、15…機器固有機能部、16…タッチパネル、17…表示部、20…ホームゲートウェイ、21…制御部、22…メモリ、24…ネットワーク接続部、30…ポインティングデバイス、30a…ペン、30b…マウス、30c…リモコン、30e…マウス、31…制御部、32…近距離通信部、33…センサ、34…乱数発生器、50…インターネット、100…ホームネットワーク、121…個人識別情報、122…連係動作・機器識別情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
相手機器およびその連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段とを備え、
前記第1および第2の機器のいずれか一方の機器は前記データ通信手段により他方の機器に対して、前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報、連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を通知し、この通知を受けた他方の機器は前記ポインティングデバイスから個人識別情報を受信した個人識別情報を前記一方の機器から通知された個人識別情報と照合した結果に応じて、前記データ通信手段を介して前記機器識別情報で示された機器と前記登録された連係動作を行う
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項2】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段とを備え、
前記第1および第2の機器のいずれか一方の機器は前記データ通信手段により他方の機器に対して、前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報、連係動作の種類を示す連係動作情報および自己の機器識別情報を通知し、この通知を受けた他方の機器は前記ポインティングデバイスから個人識別情報を前記一方の機器から通知された個人識別情報と照合した結果に応じて、前記データ通信手段を介して前記機器識別情報で示された機器と前記連係動作情報で示された連係動作を行う
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項3】
第1および第2の機器の少なくとも一方は、ポインティングデバイスから受信した個人識別情報を、予め登録してある個人識別情報と照合して、その一致を連係動作実行の条件とする請求項1または2記載の機器連係動作システム。
【請求項4】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録するともに、相手機器およびその連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
新たに検出された個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段とを備え、
前記第1および第2の機器のいずれか一方の機器は前記データ通信手段により他方の機器に対して、前記ポインティングデバイスから受信した連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を通知し、この通知を受けた他方の機器は前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報に対する前記個人識別情報の照合の結果に応じて、前記データ通信手段を介して前記機器識別情報で示された機器と当該連係動作を行う
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項5】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録する登録手段と、
新たに検出された個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段とを備え、
前記第1および第2の機器のいずれか一方の機器は前記データ通信手段により他方の機器に対して、前記ポインティングデバイスから受信した連係動作の指示を受けた旨、連係動作の種類を示す連係動作情報および自己の機器識別情報を通知し、この通知を受けた他方の機器は前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報に対する前記個人識別情報の照合の結果に応じて、前記データ通信手段を介して前記機器識別情報で示された機器と前記連係動作情報で示された連係動作を行う
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項6】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器と前記データ通信手段により接続された第3の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
前記検出された個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を第3の機器へ送信する手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記第3の機器からの指示に応じて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段とを備え、
前記第3の機器は、
機器間の連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
前記第1および第2の機器からそれぞれ個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を受信したとき、両個人識別情報が一致したか否かを判定する手段と、
この判定結果に応じて、前記第1および第2の機器に当該登録された連係動作を実行することを指示する手段とを備えた
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項7】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器と前記データ通信手段により接続された第3の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
前記検出された個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨および機器間の連係動作の種類を表す連係動作情報を第3の機器へ送信する手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記第3の機器からの指示に応じて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段とを備え、
前記第3の機器は、
前記第1および第2の機器からそれぞれ個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を受信したとき、両個人識別情報が一致したか否かを判定する手段と、
この判定結果に応じて、前記第1および第2の機器に前記連係動作情報で示された連係動作を実行することを指示する手段とを備えた
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項8】
第1および第2の機器の少なくとも一方は、ポインティングデバイスから受信した個人識別情報を、予め登録してある個人識別情報と照合して、その一致を連係動作実行の条件とする請求項6または7記載の機器連係動作システム。
【請求項9】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器と前記データ通信手段により接続された第3の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録するともに、相手機器およびその連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
新たに検出された個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
前記照合の結果、前記検出された個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を第3の機器へ送信する手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記第3の機器からの指示に応じて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段とを備え、
前記第3の機器は、
機器間の連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
前記第1および第2の機器からそれぞれ個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を受信したとき、両個人識別情報が一致したか否かを判定する手段と、
この判定結果に応じて、前記第1および第2の機器に当該登録された連係動作を実行することを指示する手段とを備えた
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項10】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器と前記データ通信手段により接続された第3の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録する登録手段と、
新たに検出された個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
前記照合の結果、前記検出された個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨および連係動作の種類を示す連係動作情報を第3の機器へ送信する手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記第3の機器からの指示に応じて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段とを備え、
前記第3の機器は、
機器間の連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
前記第1および第2の機器からそれぞれ個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を受信したとき、両個人識別情報が一致したか否かを判定する手段と、
この判定結果に応じて、前記第1および第2の機器に前記連係動作情報で示された連係動作を実行することを指示する手段とを備えた
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項11】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した動作を行わせる連係動作実行方法であって、
第1および第2の機器のいずれか一方の機器が、ポインティングデバイスにより予め定められた連係動作の指示を受けたとき、連係動作の指示を受けた旨、および自己の機器識別情報を他の機器に通知するステップと、
他方の機器が、ポインティングデバイスにより前記予め定められた個人識別情報とともに連係動作の指示を受けたとき、この個人識別情報と一方の機器から通知された前記個人識別情報とが一致するか否かを判定するステップと、
この個人識別情報の一致を条件として、他方の機器が前記機器識別情報で示された一方の機器と前記予め定められた連係動作を行うステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項12】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した動作を行わせる連係動作実行方法であって、
第1および第2の機器のいずれか一方の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、連係動作の指示を受けた旨、当該連係動作の種類を示す連係動作情報、および自己の機器識別情報を他の機器に通知するステップと、
他方の機器が、ポインティングデバイスにより個人識別情報とともに前記連係動作情報で示された連係動作の指示を受けたとき、この個人識別情報と一方の機器から通知された前記個人識別情報とが一致するか否かを判定するステップと、
この個人識別情報の一致を条件として、他方の機器が前記機器識別情報で示された一方の機器と前記連係動作情報で示された連係動作を行うステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項13】
第1および第2の機器の少なくとも一方は、ポインティングデバイスから受信した個人識別情報を、予め登録してある個人識別情報と照合して、その一致を連係動作実行の条件とする請求項11または12記載の連係動作実行方法。
【請求項14】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した処理を行わせる連係動作実行方法であって、
第1および第2の機器のいずれか一方の機器が、ポインティングデバイスにより予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
一方の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を他の機器に通知するステップと、
他方の機器が、ポインティングデバイスにより前記予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
他方の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、一方の機器と前記予め定められた連係動作を行うステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項15】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した動作を行わせる連係動作実行方法であって、
第1および第2の機器のいずれか一方の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
一方の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、当該連係動作の種類を示す連係動作情報および自己の機器識別情報を他の機器に通知するステップと、
他方の機器が、ポインティングデバイスにより前記連係動作情報で示された連係動作を行うことを指示されたとき、ポインティングデバイスから受けた個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
他方の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、前記機器識別情報で示された一方の機器との間で前記連係動作情報で示された連係動作を行うステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項16】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した処理を行わせる連係動作実行方法であって、
第1の機器が、ポインティングデバイスにより予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を第3の機器に通知するステップと、
第2の機器が、ポインティングデバイスにより前記予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を第3の機器に通知するステップと、
第3の機器が、前記第1および第2の機器から受信した個人識別情報同士を照合するステップと、
この照合の結果に応じて、第3の機器が、第1および第2の機器に当該連係動作の実行を指示するステップと、
第1および第2の機器が、第3の機器からの指示に応じて、前記予め定められた連係動作を実行するステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項17】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した処理を行わせる連係動作実行方法であって、
第1の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨および連係動作の種類を示す連係動作情報を第3の機器に通知するステップと、
第2の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨および連係動作の種類を示す連係動作情報を第3の機器に通知するステップと、
第3の機器が、前記第1および第2の機器から受信した個人識別情報同士を照合するステップと、
この照合の結果に応じて、第3の機器が、第1および第2の機器に前記連係動作情報で示された連係動作の実行を指示するステップと、
第1および第2の機器が、第3の機器からの指示に応じて、当該連係動作を実行するステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項18】
第1および第2の機器の少なくとも一方は、ポインティングデバイスから受信した個人識別情報を、予め登録してある個人識別情報と照合して、その一致を連係動作実行の条件とする請求項16または17記載の連係動作実行方法。
【請求項19】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した処理を行わせる連係動作実行方法であって、
第1の機器が、ポインティングデバイスにより予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
第1の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を第3の機器に通知するステップと、
第2の機器が、ポインティングデバイスにより前記予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
第2の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を第3の機器に通知するステップと、
第3の機器が、第1および第2の機器に当該連係動作の実行を指示するステップと、
第1および第2の機器が、第3の機器からの指示に応じて、前記予め定められた連係動作を実行するステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項20】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した処理を行わせる連係動作実行方法であって、
第1の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
第1の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、連係動作の指示を受けた旨、連係動作の種類を表す連係動作情報および自己の機器識別情報を第3の機器に通知するステップと、
第2の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
第2の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、連係動作の指示を受けた旨、連係動作の種類を表す連係動作情報および自己の機器識別情報を第3の機器に通知するステップと、
第3の機器が、第1および第2の機器に前記連係動作情報で示された連係動作の実行を指示するステップと、
第1および第2の機器が、第3の機器からの指示に応じて、当該連係動作を実行するステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項21】
前記ポインティングデバイスは検出した個人識別情報に乱数を用いて加工したものを前記第1および第2の機器へ送信することを特徴とする請求項11〜20のいずれかに記載の連係動作実行方法。
【請求項22】
前記第2の機器がポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報は、前記第1の機器に対して送信された個人識別情報をポインティングデバイスが保持したものである請求項11〜20のいずれかに記載の連係動作実行方法。
【請求項23】
前記第2の機器がポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報は、ポインティングデバイスが新たに取得したものである請求項11〜20のいずれかに記載の連係動作実行方法。
【請求項24】
他の機器と連係動作を行うことができる連係動作可能な機器であって、
複数の機器に共用されるポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録するともに、相手機器およびその連係動作を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
新たに検出された個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
連係動作の指示が行われた旨を通知するとともに、他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記個人識別情報の照合の結果および前記登録された連係動作情報に基づいて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段と、
を備えた連係動作可能な機器。
【請求項25】
他の機器と連係動作を行うことができる連係動作可能な機器であって、
複数の機器に共用されるポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録する登録手段と、
ポインティングデバイスから受信した個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
指示された連係動作の種類を表す連係動作情報を他の機器に通知するとともに、他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記個人識別情報の照合の結果および他の機器から通知された連係動作情報に基づいて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段と、
を備えた連係動作可能な機器。
【請求項26】
他の機器と連係動作を行うことができる連係動作可能な機器であって、
複数の機器に共用されるポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
相手機器およびその連係動作を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
連係動作の指示が行われた旨および個人識別情報を他の機器に通知するとともに、他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
他の機器から通知された個人識別情報とポインティングデバイスから受信した個人識別情報とが一致するか否かを判定する手段と、
個人識別情報の一致を条件として、前記データ通信手段を介して他の機器と前記登録された連係動作を行う手段と、
を備えた連係動作可能な機器。
【請求項27】
他の機器と連係動作を行うことができる連係動作可能な機器であって、
複数の機器に共用されるポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
連係動作の指示が行われた旨、連係動作を表す連係動作情報および個人識別情報を他の機器に通知するとともに、他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
他の機器から通知された個人識別情報とポインティングデバイスから受信した個人識別情報とが一致するか否かを判定する手段と、
個人識別情報の一致を条件として、前記データ通信手段を介して他の機器と前記通知された連係動作情報で示された連係動作を行う手段と、
を備えた連係動作可能な機器。
【請求項28】
ユーザの個人識別情報を検出するセンサと、
検出された個人識別情報を外部の機器に対して送信する近距離通信手段と、
指示情報を外部に出力する手段とを備え、
複数の機器に共用し得ることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項29】
ペン、マウス、リモートコントローラのいずれかである請求項28記載のポインティングデバイス。
【請求項1】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
相手機器およびその連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段とを備え、
前記第1および第2の機器のいずれか一方の機器は前記データ通信手段により他方の機器に対して、前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報、連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を通知し、この通知を受けた他方の機器は前記ポインティングデバイスから個人識別情報を受信した個人識別情報を前記一方の機器から通知された個人識別情報と照合した結果に応じて、前記データ通信手段を介して前記機器識別情報で示された機器と前記登録された連係動作を行う
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項2】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段とを備え、
前記第1および第2の機器のいずれか一方の機器は前記データ通信手段により他方の機器に対して、前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報、連係動作の種類を示す連係動作情報および自己の機器識別情報を通知し、この通知を受けた他方の機器は前記ポインティングデバイスから個人識別情報を前記一方の機器から通知された個人識別情報と照合した結果に応じて、前記データ通信手段を介して前記機器識別情報で示された機器と前記連係動作情報で示された連係動作を行う
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項3】
第1および第2の機器の少なくとも一方は、ポインティングデバイスから受信した個人識別情報を、予め登録してある個人識別情報と照合して、その一致を連係動作実行の条件とする請求項1または2記載の機器連係動作システム。
【請求項4】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録するともに、相手機器およびその連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
新たに検出された個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段とを備え、
前記第1および第2の機器のいずれか一方の機器は前記データ通信手段により他方の機器に対して、前記ポインティングデバイスから受信した連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を通知し、この通知を受けた他方の機器は前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報に対する前記個人識別情報の照合の結果に応じて、前記データ通信手段を介して前記機器識別情報で示された機器と当該連係動作を行う
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項5】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録する登録手段と、
新たに検出された個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段とを備え、
前記第1および第2の機器のいずれか一方の機器は前記データ通信手段により他方の機器に対して、前記ポインティングデバイスから受信した連係動作の指示を受けた旨、連係動作の種類を示す連係動作情報および自己の機器識別情報を通知し、この通知を受けた他方の機器は前記ポインティングデバイスから受信した個人識別情報に対する前記個人識別情報の照合の結果に応じて、前記データ通信手段を介して前記機器識別情報で示された機器と前記連係動作情報で示された連係動作を行う
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項6】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器と前記データ通信手段により接続された第3の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
前記検出された個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を第3の機器へ送信する手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記第3の機器からの指示に応じて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段とを備え、
前記第3の機器は、
機器間の連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
前記第1および第2の機器からそれぞれ個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を受信したとき、両個人識別情報が一致したか否かを判定する手段と、
この判定結果に応じて、前記第1および第2の機器に当該登録された連係動作を実行することを指示する手段とを備えた
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項7】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器と前記データ通信手段により接続された第3の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
前記検出された個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨および機器間の連係動作の種類を表す連係動作情報を第3の機器へ送信する手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記第3の機器からの指示に応じて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段とを備え、
前記第3の機器は、
前記第1および第2の機器からそれぞれ個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を受信したとき、両個人識別情報が一致したか否かを判定する手段と、
この判定結果に応じて、前記第1および第2の機器に前記連係動作情報で示された連係動作を実行することを指示する手段とを備えた
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項8】
第1および第2の機器の少なくとも一方は、ポインティングデバイスから受信した個人識別情報を、予め登録してある個人識別情報と照合して、その一致を連係動作実行の条件とする請求項6または7記載の機器連係動作システム。
【請求項9】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器と前記データ通信手段により接続された第3の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録するともに、相手機器およびその連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
新たに検出された個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
前記照合の結果、前記検出された個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を第3の機器へ送信する手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記第3の機器からの指示に応じて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段とを備え、
前記第3の機器は、
機器間の連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
前記第1および第2の機器からそれぞれ個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を受信したとき、両個人識別情報が一致したか否かを判定する手段と、
この判定結果に応じて、前記第1および第2の機器に当該登録された連係動作を実行することを指示する手段とを備えた
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項10】
互いに連係動作を行うことができる第1および第2の機器と、
前記第1および第2の機器と前記データ通信手段により接続された第3の機器と、
前記第1および第2の機器に共用され、個人識別情報を検出することができるポインティングデバイスとを備え、
前記第1および第2の機器の各々は、
前記ポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録する登録手段と、
新たに検出された個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
前記照合の結果、前記検出された個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨および連係動作の種類を示す連係動作情報を第3の機器へ送信する手段と、
他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記第3の機器からの指示に応じて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段とを備え、
前記第3の機器は、
機器間の連係動作の種類を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
前記第1および第2の機器からそれぞれ個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を受信したとき、両個人識別情報が一致したか否かを判定する手段と、
この判定結果に応じて、前記第1および第2の機器に前記連係動作情報で示された連係動作を実行することを指示する手段とを備えた
ことを特徴とする機器連係動作システム。
【請求項11】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した動作を行わせる連係動作実行方法であって、
第1および第2の機器のいずれか一方の機器が、ポインティングデバイスにより予め定められた連係動作の指示を受けたとき、連係動作の指示を受けた旨、および自己の機器識別情報を他の機器に通知するステップと、
他方の機器が、ポインティングデバイスにより前記予め定められた個人識別情報とともに連係動作の指示を受けたとき、この個人識別情報と一方の機器から通知された前記個人識別情報とが一致するか否かを判定するステップと、
この個人識別情報の一致を条件として、他方の機器が前記機器識別情報で示された一方の機器と前記予め定められた連係動作を行うステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項12】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した動作を行わせる連係動作実行方法であって、
第1および第2の機器のいずれか一方の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、連係動作の指示を受けた旨、当該連係動作の種類を示す連係動作情報、および自己の機器識別情報を他の機器に通知するステップと、
他方の機器が、ポインティングデバイスにより個人識別情報とともに前記連係動作情報で示された連係動作の指示を受けたとき、この個人識別情報と一方の機器から通知された前記個人識別情報とが一致するか否かを判定するステップと、
この個人識別情報の一致を条件として、他方の機器が前記機器識別情報で示された一方の機器と前記連係動作情報で示された連係動作を行うステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項13】
第1および第2の機器の少なくとも一方は、ポインティングデバイスから受信した個人識別情報を、予め登録してある個人識別情報と照合して、その一致を連係動作実行の条件とする請求項11または12記載の連係動作実行方法。
【請求項14】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した処理を行わせる連係動作実行方法であって、
第1および第2の機器のいずれか一方の機器が、ポインティングデバイスにより予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
一方の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を他の機器に通知するステップと、
他方の機器が、ポインティングデバイスにより前記予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
他方の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、一方の機器と前記予め定められた連係動作を行うステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項15】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した動作を行わせる連係動作実行方法であって、
第1および第2の機器のいずれか一方の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
一方の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、当該連係動作の種類を示す連係動作情報および自己の機器識別情報を他の機器に通知するステップと、
他方の機器が、ポインティングデバイスにより前記連係動作情報で示された連係動作を行うことを指示されたとき、ポインティングデバイスから受けた個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
他方の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、前記機器識別情報で示された一方の機器との間で前記連係動作情報で示された連係動作を行うステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項16】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した処理を行わせる連係動作実行方法であって、
第1の機器が、ポインティングデバイスにより予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を第3の機器に通知するステップと、
第2の機器が、ポインティングデバイスにより前記予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨を第3の機器に通知するステップと、
第3の機器が、前記第1および第2の機器から受信した個人識別情報同士を照合するステップと、
この照合の結果に応じて、第3の機器が、第1および第2の機器に当該連係動作の実行を指示するステップと、
第1および第2の機器が、第3の機器からの指示に応じて、前記予め定められた連係動作を実行するステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項17】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した処理を行わせる連係動作実行方法であって、
第1の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨および連係動作の種類を示す連係動作情報を第3の機器に通知するステップと、
第2の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報および連係動作の指示を受けた旨および連係動作の種類を示す連係動作情報を第3の機器に通知するステップと、
第3の機器が、前記第1および第2の機器から受信した個人識別情報同士を照合するステップと、
この照合の結果に応じて、第3の機器が、第1および第2の機器に前記連係動作情報で示された連係動作の実行を指示するステップと、
第1および第2の機器が、第3の機器からの指示に応じて、当該連係動作を実行するステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項18】
第1および第2の機器の少なくとも一方は、ポインティングデバイスから受信した個人識別情報を、予め登録してある個人識別情報と照合して、その一致を連係動作実行の条件とする請求項16または17記載の連係動作実行方法。
【請求項19】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した処理を行わせる連係動作実行方法であって、
第1の機器が、ポインティングデバイスにより予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
第1の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を第3の機器に通知するステップと、
第2の機器が、ポインティングデバイスにより前記予め定められた連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
第2の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、連係動作の指示を受けた旨および自己の機器識別情報を第3の機器に通知するステップと、
第3の機器が、第1および第2の機器に当該連係動作の実行を指示するステップと、
第1および第2の機器が、第3の機器からの指示に応じて、前記予め定められた連係動作を実行するステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項20】
第1および第2の機器に対して共通のポインティングデバイスを用いて第1および第2の機器の間で連係した処理を行わせる連係動作実行方法であって、
第1の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
第1の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、連係動作の指示を受けた旨、連係動作の種類を表す連係動作情報および自己の機器識別情報を第3の機器に通知するステップと、
第2の機器が、ポインティングデバイスにより連係動作の指示を受けたとき、ポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
第2の機器が、前記ユーザ認証の結果がOKであることを条件として、連係動作の指示を受けた旨、連係動作の種類を表す連係動作情報および自己の機器識別情報を第3の機器に通知するステップと、
第3の機器が、第1および第2の機器に前記連係動作情報で示された連係動作の実行を指示するステップと、
第1および第2の機器が、第3の機器からの指示に応じて、当該連係動作を実行するステップと、
を備えた連係動作実行方法。
【請求項21】
前記ポインティングデバイスは検出した個人識別情報に乱数を用いて加工したものを前記第1および第2の機器へ送信することを特徴とする請求項11〜20のいずれかに記載の連係動作実行方法。
【請求項22】
前記第2の機器がポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報は、前記第1の機器に対して送信された個人識別情報をポインティングデバイスが保持したものである請求項11〜20のいずれかに記載の連係動作実行方法。
【請求項23】
前記第2の機器がポインティングデバイスから受けたユーザの個人識別情報は、ポインティングデバイスが新たに取得したものである請求項11〜20のいずれかに記載の連係動作実行方法。
【請求項24】
他の機器と連係動作を行うことができる連係動作可能な機器であって、
複数の機器に共用されるポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録するともに、相手機器およびその連係動作を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
新たに検出された個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
連係動作の指示が行われた旨を通知するとともに、他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記個人識別情報の照合の結果および前記登録された連係動作情報に基づいて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段と、
を備えた連係動作可能な機器。
【請求項25】
他の機器と連係動作を行うことができる連係動作可能な機器であって、
複数の機器に共用されるポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
個人識別情報を登録する登録手段と、
ポインティングデバイスから受信した個人識別情報と前記登録されている個人識別情報とを照合する照合手段と、
指示された連係動作の種類を表す連係動作情報を他の機器に通知するとともに、他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
前記個人識別情報の照合の結果および他の機器から通知された連係動作情報に基づいて、前記データ通信手段を介して他の機器と連係動作を行う手段と、
を備えた連係動作可能な機器。
【請求項26】
他の機器と連係動作を行うことができる連係動作可能な機器であって、
複数の機器に共用されるポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
相手機器およびその連係動作を表す連係動作情報を登録する登録手段と、
連係動作の指示が行われた旨および個人識別情報を他の機器に通知するとともに、他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
他の機器から通知された個人識別情報とポインティングデバイスから受信した個人識別情報とが一致するか否かを判定する手段と、
個人識別情報の一致を条件として、前記データ通信手段を介して他の機器と前記登録された連係動作を行う手段と、
を備えた連係動作可能な機器。
【請求項27】
他の機器と連係動作を行うことができる連係動作可能な機器であって、
複数の機器に共用されるポインティングデバイスで検出されたユーザの個人識別情報を受信する手段と、
連係動作の指示が行われた旨、連係動作を表す連係動作情報および個人識別情報を他の機器に通知するとともに、他の機器とデータ通信を行うためのデータ通信手段と、
他の機器から通知された個人識別情報とポインティングデバイスから受信した個人識別情報とが一致するか否かを判定する手段と、
個人識別情報の一致を条件として、前記データ通信手段を介して他の機器と前記通知された連係動作情報で示された連係動作を行う手段と、
を備えた連係動作可能な機器。
【請求項28】
ユーザの個人識別情報を検出するセンサと、
検出された個人識別情報を外部の機器に対して送信する近距離通信手段と、
指示情報を外部に出力する手段とを備え、
複数の機器に共用し得ることを特徴とするポインティングデバイス。
【請求項29】
ペン、マウス、リモートコントローラのいずれかである請求項28記載のポインティングデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−181319(P2008−181319A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14028(P2007−14028)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(591112522)株式会社ACCESS (91)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(591112522)株式会社ACCESS (91)
【Fターム(参考)】
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