説明

機能性の円筒状のブラシローラの製造方法

【課題】 円形シャフトの芯体の周囲に装着したブラシング用の円筒状のブラシローラ、特に円筒の周方向に伸縮し、軸方向に非伸縮の円筒状のブラシローラを提供する。
【解決手段】 パイル5を有する地糸2からなる織物を用い、ブラシローラ9すなわちパイル5を有する円筒状のブラシローラ7を形成するために、これらを形成する織物の地糸2として、一方向すなわち円筒の回転方向に対して伸縮もしくは熱収縮する繊維を用い、ブラシローラ9すなわちパイル5を有する円筒状のブラシローラ7に形成する。この場合、地糸2に非伸縮性もしくは非熱収縮性の糸を用いることで、円筒の軸方向の長手方向に対する伸縮性を有さないものとしている。この様に形成した円筒状のブラシローラ7すなわちプラシローラ9を所定の径の芯体8に被せ、伸縮力又は収縮力によりブラシローラ9すなわちパイル5を有する円筒状のブラシローラ7を芯体8に密着固定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円形シャフトの芯体の周囲に装着して形成したブラシング用の円筒状のブラシローラ、特に円筒の円周方向には伸縮できるが、円筒の軸方向である長手方向には伸縮できない機能を有するブラシング用の円筒状のブラシローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブラシング用の円筒状のブラシローラはブラシ状の帯体を螺旋状に巻回して造られているか、あるいは、円筒状のブラシローラを有する収縮チューブを芯体の周囲に嵌合して円筒状のブラシローラが造られているが、ブラシがパイルから形成されている円筒状のブラシローラはなかった。
【0003】
ところで、従来技術として、筒状ブラシ又はパイル織物からなるブラシを有するローラが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1には、パイル糸を混入して袋状織物をつくり、この袋状織物の経糸と緯糸を収縮させて、筒状ブラシ又はパイル織物からなるブラシローラとする製法が記載されている。しかし、経糸及び緯糸の両方がともに収縮する糸を使用しているため、熱収縮したときに半径方向及び長手方向が共に収縮してパイル密度が相乗効果的に変化することとなる。このためにパイル密度が不均一になり、機能を求めるブラシローラもしくはパイルを有する円筒状のブラシローラには十分とはいえないものとなっていた。
【0004】
さらに、静電植毛方式による植毛ローラの製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この静電植毛方式によるブラシローラもしくはパイルを有する円筒状のブラシローラにおいては、静電植毛を行うパイルの長さが長くなると、十分な密度が得られにくい。したがって長いパイルが必要なブラシローラにはこの静電植毛方式によるものは適用できなかった。また、静電植毛方式によるものはパイルが斜めに植毛されやすく、機能性ブラシローラもしくはパイルを有する円筒状のブラシローラとしては、性能が不十分になる点と、静電植毛方式であることより、パイルと芯体との接着が接着剤によるものであるので、回転ローラとして用いた時に、毛抜けが発生しやすく、この点が使用時の問題点として挙げられていた。
【0005】
また、さらにチューブの外周に静電植毛したブラシを貼り付け、軸に弾性体を採用し、この軸にブラシを貼り付けて製造の、チューブに被せたブラシローラからなるものが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この特許文献3には、静電植毛を用いた新しいブラシローラの製造方法が開示されているが、上記したようにパイルの長さが長くなると、十分な密度が得られにくかったり、パイルが斜めに植毛されやすいなど、静電植毛の基本的な問題点があり、この特許文献3の方法もこの静電植毛の基本的な問題を改善する方法にはなっていない。
【0006】
さらに、回転円筒の周囲に螺旋状に植設した電子写真装置のブラシローラが開発されている(例えば、特許文献4参照。)。このブラシローラは電子写真装置の感光体を疵つけることなく、クリーニングされたトナーを確実に回収して再使用できるようにしたクリーニング装置に使用されている。このブラシローラは円筒体の表面に螺旋状のブラシを植設して形成されているので、同一部分の残留トナーを円筒体の軸方向に拡散させて拭い払う構造となっており、同一部分のブラシが汚れることが防止できる。さらにブラシに沿って形成された溝によって拭い取ったトナーを、ブラシを植設した円筒体の軸方向に搬送して、効率よく排出することができる。
【0007】
また、リボン状のブラシ体を螺旋状に巻き回しからなるものが提案されている(例えば、特許文献5参照。)。このものは、パイル織りからなる織物でリボン状のブラシ体を芯棒に巻きつけて回転型ブラシローラを形成している。この回転型ブラシローラの形成方法では、螺旋状に巻きつけて製造されているために、合わせ目が多数生じている。さらにブラシの毛が短い場合には、合わせ目におけるブラシのピッチ間隔が広くなり、機能性のブラシローラとして問題が生じる。また、製造工程において、螺旋状に構成するため、製造に時間を要し生産性に問題がある。
【0008】
さらに織物スリーブの収縮からなるものが提案されている(例えば、特許文献6参照。)。この特許文献6には、パイル織りではないが、収縮繊維を用いた円筒状の織物で長手方向と周方向に収縮性を規定した織物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭53−49862号公報
【特許文献2】特開昭56−91260号公報
【特許文献3】特開2005−275292公報
【特許文献4】特公昭63−45115号公報
【特許文献5】特開平10−293439号公報
【特許文献6】特表2000−513072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、上記の従来技術における問題点に鑑み、円形シャフトの芯体の周囲に装着して形成したブラシング用の円筒状のブラシローラ、特に円筒の円周方向すなわち経方向には伸縮できるが、円筒の軸方向すなわち緯方向である長手方向には伸縮できない機能を有するブラシング用の円筒状のブラシローラの製造上の生産性の向上と、ブラシローラのブラシ状又はパイル状の毛の毛抜け及びムラを解消して品質の向上を図た機能性のブラシローラの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、芯体となる棒状支持体もしくは円筒状支持体の表面にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有するブラシローラの製造方法におけるものである。そこで、ブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有し、円筒状のブラシローラのパイルを形成する織物もしくは編物を用いて、円筒状のブラシ又はパイルを有する円筒状のブラシローラを形成する。このために、これらを形成する織物又は編物の地糸として、一方向に伸縮又は熱収縮する繊維のストレッチ糸からなる地糸を用い、ブラシ又はパイルを有する円筒状のブラシローラに形成する。この一方向に伸縮又は収縮する方向とは円筒の径方向であり、円筒の軸方向である長手方向に対しては、地糸に非伸縮性糸又は非熱収縮性糸を用いることで、伸縮性を有さないように形成している。この様に形成したブラシ又はパイルを有する円筒状のブラシローラを用いて、これらを所定の芯体に被せることにより、ブラシ又はパイルを有する円筒状のブラシローラの径方向への伸縮力もしくは収縮力により、ブラシ又はパイルを有する円筒状のブラシローラを芯体に密着固定して製造する機能性のブラシローラの製造方法である。
【0012】
すなわち、上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、芯体となる棒状支持体もしくは円筒支持体の表面にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有するブラシローラの製造方法である。この方法において、経方向に伸縮する繊維の地糸と緯方向に非伸縮性の繊維からなる挿入糸を挿入して有する地糸から織物を形成する。さらに、これらの地糸にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を形成するとともに、この経方向に伸縮する繊維の地糸の向きを円筒の円周方向に向け、円筒の径方向に伸縮するが円筒の軸方向に非伸縮である円筒状の織物を形成する。次いで、この円筒状の織物の円筒内に円筒状表面を有する支持体である芯体を円筒状の織物の軸方向から挿入し、円筒状の織物の径方向にのみ伸縮する繊維の弾性により、上記の挿入した芯体に円筒状の織物を支持せしめることで、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とするブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法である。
【0013】
請求項2の発明では、芯体となる棒状支持体もしくは円筒支持体の表面にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有するブラシローラの製造方法である。この方法において、経方向に熱収縮する繊維の地糸と緯方向に非伸縮性の繊維からなる挿入糸を挿入して有する地糸から織物を形成する。さらに、これらの地糸にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を形成するとともに、この経方向に熱収縮する繊維の地糸の向きを円筒の円周方向に向け、円筒の径方向に熱収縮するが円筒の軸方向に非伸縮である円筒状の織物を形成する。次いで、この円筒状の織物の円筒内に円筒状表面を有する支持体である芯体を円筒状の織物の軸方向から挿入し、円筒状の織物の径方向にのみ熱収縮する繊維の収縮性により挿入した芯体に円筒状の織物を支持せしめることで、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とするブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法である。
【0014】
請求項3の発明では、ブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有し、かつ、緯方向に伸縮する繊維からなる地糸から織物を形成する方法は、先ず、パイル織りにより地糸に支持するパイルを形成する。この場合、このパイル織りの経糸をストレッチ性の弾性繊維を含む伸縮性糸から形成する。そして、この伸縮性糸により円筒の円周方向に伸縮可能でかつパイルを支持して有する円筒状の織物を形成する。次いで、このパイルを支持して有する円筒状の織物の円筒内に円筒状表面を有する円筒支持体である芯体を挿入し、円筒状の織物の径方向にのみ伸縮する繊維の弾性により挿入した芯体に円筒状の織物を支持せしめることで、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とする請求項1に記載のブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法である。
【0015】
請求項4の発明では、ブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有し、かつ、緯方向に熱収縮する繊維からなる地糸から織物を形成する方法は、パイル織りにより地糸に支持するパイルを形成する。この場合、このパイル織りの経糸をストレッチ性の弾性繊維を含む熱収縮性糸から形成する。そして、この熱収縮性糸により円筒の円周方向に収縮可能でかつパイルを支持して有する円筒状の織物を形成する。次いで、このパイルを支持して有する円筒状の織物の円筒内に円筒状表面を有する円筒支持体である芯体を挿入し、円筒状の織物の径方向にのみ熱収縮する繊維の収縮性により挿入した芯体に円筒状の織物を支持せしめることで、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とする請求項2に記載のブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法である。
【0016】
請求項5の発明では、芯体となる棒状支持体もしくは円筒支持体の表面にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有するブラシローラの製造方法である。この方法において、円筒の円周方向に伸縮する繊維の編み糸である地糸からなる円筒状の織物に代えて円筒の円周方向に伸縮する繊維の編み糸である地糸からなる円筒状編物を形成する。さらに、この円筒状編物の緯方向の編み糸である地糸に非伸縮性の繊維からなる挿入糸を挿入して径方向にのみ伸縮する円筒状編物に形成する。次いで、この円筒状編物の円筒内に円筒状表面を有する支持体である芯体を円筒状編物の軸方向から挿入し、円筒状編物の径方向にのみ伸縮する繊維の弾性により挿入した芯体に円筒状編物を支持せしめることで、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とするブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法である。
【0017】
請求項6の発明では、芯体となる棒状支持体もしくは円筒支持体の表面にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有するブラシローラの製造方法である。この方法において、円筒の円周方向に熱収縮する繊維の編み糸である地糸からなる円筒状の織物に代えて円筒の円周方向に熱収縮する繊維の編み糸である地糸からなる円筒状編物を形成する。さらに、この円筒状編物の緯方向の編み糸である地糸に非伸縮性の繊維からなる挿入糸を挿入して径方向にのみ熱収縮する円筒状編物に形成する。次いで、この円筒状編物の円筒内に円筒状表面を有する支持体である芯体を円筒状編物の軸方向から挿入し、円筒状編物の径方向にのみ熱収縮する繊維の収縮性により挿入した芯体に円筒状編物を支持せしめることで、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とするブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の方法は、上記の従来技術における問題点に鑑み、製造上における円筒状のブラシを又はパイルを有する円筒状のブラシローラの生産性の向上と、機能性のブラシローラとしてのブラシローラからの毛抜け及び毛抜けによるムラを解消して品質の向上を図った方法である。特に機能性のブラシローラとして使用する場合は、単位面積当たりの繊維であるファイバーの本数と明確として、かつ、単位積当たりの繊維がブラシローラの軸方向である長手方向及び回転方向に対し均一としなければならない。そこで、本発明はブラシローラの軸方向である長手方向に対して伸縮しない地糸を使用する方法により、軸方向に対する繊維の密度変化を最小限にできる。
【0019】
さらに、回転方向に対して、円筒状に構成したブラシ状やパイル状の起毛もしくは斜毛を有し、径方向に伸縮するまたは熱収縮するストレッチ性にを有するが、無負荷時のブラシ又はパイルを有する円筒状のブラシローラの内径の長さあるいは円筒を展開した無負荷時の長さは一定であるので、芯体となる丸棒支持体もしくは円筒支持体を円筒状のブラシローラに挿入すれば、ブラシローラが円筒状であることから、芯体に対する締め付ける力がほぼ等分布作用する荷重となり、回転方向に対するパイル密度すなわち繊維密度のムラも最小限に抑えることができ、機能性のブラシローラとしての単位面積のパイル密度すなわち繊維密度も明確である機能性のブラシローラが形成できる。
【0020】
さらに、本発明の方法では、円筒状のブラシやパイルを有する織物や編物とし、さらに径方向に伸縮性すなわちストレッチ性もしくは収縮性すなわち熱収縮性を有するように、径方向である回転方向の地糸に収縮糸すなわちストレッチ糸もしくは熱収縮性糸を設け、さらに円筒状のブラシローラの軸方向の地糸には非伸縮性すなわち非ストレッチ糸を挿入して円筒状のブラシローラを形成する方法とすることで、もしくは、円筒状のブラシローラの軸方向の地糸には非熱収縮糸を挿入して円筒状のブラシローラを形成する方法とすることで、軸方向である一方向のみに芯体を挿入することにより、円筒状のブラシローラを製造できる方法である。
【0021】
この製造方法により、従来の製造方法である芯体に巻き付けて製造する工程が不必要となる結果、本発明の方法は製造時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の円筒状のブラシローラで、(a)は軸方向から見た非伸縮時の円筒状のブラシローラの断面図で、(b)は(a)のX−X方向で縦断した方向から見た断面を模式的に示す側面図である。
【図2】本発明の他の円筒状のブラシローラで、(a)は軸方向から見た非伸縮時の円筒状のブラシローラの断面図で、(b)は(a)のX−X方向で縦断した方向から見た断面を模式的に示す側面図である。
【図3】本発明のループパイルを有する編物による円筒状のブラシローラで、(a)は軸方向から見た非伸縮時のループパイルを有する円筒状のブラシローラの断面図で、(b)は(a)のX−X方向で縦断した方向から見た断面を模式的に示す側面図である。
【図4】平面状の地糸とパイルからなる収縮性の織物から円形シャフトの芯金を挿通した円筒状のブラシローラの製造工程を示す軸方向から見た模式的断面図と、それらの軸方向を切断する断面からなる模式的な側面図である。
【図5】地糸とパイルからなる熱収縮性の織物から円形シャフトの芯金を挿通したブラシローラの製造工程を示す軸方向から見た模式的断面図と、それらの軸方向を切断する断面からなる模式的な側面図である。
【図6】ストレッチ糸であるカバーリング糸の構造を示し、(a)はダブルカバーリング糸の構造を示す斜視図で、(b)はシングルカバーリング糸の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ジャガード織機によりパイル織りされる織機にて、地糸2の経糸3にストレッチ性を有するストレッチ糸3aからなる伸縮性糸を用い、緯糸4には非伸縮性糸のポリエステル糸4aを用い、パイル5には導電性ナイロンからなる420D/60Fの糸を用いて120,000本/インチ2の繊維からなる織物1aであるパイル織物1bを図4の(a)、(a’)に示すように形成する。なお、図6に示すように、ストレッチ糸3aは芯糸3cにポリウレタン繊維を用い、鞘糸3dには捲縮ウーリーナイロン糸を用いてカバーしたカバーリング糸3bを用いている。なお、Dはデニールを指し、Fは繊維の数であるフィラメント数を指す。
【0024】
次に、このパイル織物1bにパイル5の抜け防止と導通を兼ねて、導電性の弾性を有するバッキング剤6にて裏面にコーティングを行う。このコーティング方法には、表1に示す様に、スプレーで行うスプレーコートあるいはロールで行うロールコートがある。得られたパイル織物1bは経糸3の縦方向に対する伸びが約1.5倍、緯糸4の横方向に対する伸びがほぼ変化のない1倍である平面状パイル織物1cである。この平面状パイル織物1cを用いて、円周方向に地糸2の経糸3が配置されるようにし、軸方向の長手方向に緯糸4が配置されるように巻回して、このパイル織物1bの端部を突き合わせて円筒状に形状化して、円筒状の両端部を縫製加工し、パイル5を外周に形成して、例えば、内径8mmの図1の(a)および(b)に示す非伸縮時の円筒状のブラシローラ7とする。この円筒状のブラシローラ7は表1に示すパイル5が導電性であるので導電性ブラシとなっている。すなわち、図1に示す非伸縮時の円筒状のブラシローラ7の円筒の長手方向の地糸2である非伸縮性糸である緯糸4と、円筒の径方向である回転方向の地糸2である伸縮性糸からなる経糸3からなり、パイル5は導電性ナイロンからなっている。
【0025】
【表1】

【0026】
次に、図4に示すように、径10mmの円形シャフトである芯金8aを芯体8として準備し、円筒状のブラシローラ7の径方向に対する弾性の伸縮性を利用して、この円筒状のブラシローラ7の径を拡大させ、この拡大させた円筒状のブラシローラ7の中に芯金8aとなる棒状支持体8bあるいは円筒支持体8cからなる芯体8を挿入して、円筒状のブラシローラ7の伸縮力により、それらの表面にパイル5であるループパイル5aからなるパイル状の起毛又は斜毛を有する未調整のブラシローラ9とする。その後、このパイル状の起毛又は斜毛を有する未調整のブラシローラ9を回転させながらシャーリング機のカッターにて外周の余分な長さのループパイル5aの先端部をカットしてカットパイル5bに長さを揃え、カットパイル5bからなるブラシ状の起毛又は斜毛を有する所望の長さの外径からなるブラシローラ9を得る。
【0027】
次にこれらのブラシローラ9を所定の面に対して当接荷重2kgで回転させると、芯金8aである芯体8と円筒状のブラシローラ7との間に回転によるズレは生じることは無く、この円筒状のブラシローラ7はその伸縮力すなわち弾力により芯体8に対して回転防止されていることが確認された。なお、芯体8である芯金8aと円筒状のブラシローラ7をより強固に固定化するために、芯金8aの表面もしくは円筒状のブラシローラ7の内面に、図4に示すように接着剤13を塗布した後、円筒状のブラシローラ7に芯金8aを挿入しても良い。
【0028】
また、他の実施の形態として、ジャガード織機によりパイル織りされる織機にて、地糸2の経糸3に非伸縮性糸のポリエステル糸4aを用い、緯糸4にはストレッチ性を有する伸縮性糸を用い、パイル5には導電性ナイロンからなる420D/60Fの糸を用いて120,000本/インチ2の繊維からなるパイル織物1aを、図4の(a)、(a’)と同様にして、形成する。なお、図6に示すように、ストレッチ糸3aは芯糸3cにポリウレタン繊維を用い、鞘糸3dには捲縮ウーリーナイロン糸を用いてカバーしたカバーリング糸3bを用いている。なお、上記したようにDはデニールを指し、Fは繊維の数であるフィラメント数を指す。
【0029】
次に、このパイル織物1aにパイル5の抜け防止と導通を兼ねて、導電性の弾性を有するバッキング剤にて裏面にコーティングを行い、平面状パイル織物1cとする。このコーティング方法には、表1に示す様に、スプレーで行うスプレーコートあるいはロールで行うロールコートがある。この平面状パイル織物1cを用いて、円周方向に伸縮性糸である地糸2の緯糸4が配置されるようにし、軸方向の長手方向に非伸縮性糸である地糸2の経糸3が配置されるように巻回して、この平面状パイル織物1cの端部を突き合わせて円筒状に形状化して、円筒状の両端部を縫製加工し、パイル5を外周に形成して、例えば、内径8mmの図2の(a)および(b)に示す非伸縮時の円筒状のブラシローラ7とする。この円筒状のブラシローラ7は、表1に示すパイル5が導電性であるので導電性のブラシローラ9となっている。すなわち、図2に示す非伸縮時の円筒状のブラシローラ7の長手方向の地糸2である非伸縮性糸である経糸3と回転方向の地糸2である伸縮性糸からなる緯糸4からなり、パイル5は導電性ナイロンからなっている。次に、図4により上記した様に、この円筒状のブラシローラ7の径を拡大させて、この円筒状のブラシローラ7の中に径10mmの芯金8aである棒状支持体8bあるいは円筒支持体8cからなる芯体8を挿入し、円筒状のブラシローラ7の伸縮力により、表面にパイル5からなるパイル状の起毛又は斜毛を有する未調整のブラシローラ9とする。その後、このパイル状の起毛又は斜毛を有する未調整のブラシローラ9を回転させながらシャーリング機のカッターにて外周の余分な長さのパイル5の先端部をカットしてカットパイル5bに長さを揃え、カットパイル5bからなるブラシ状の起毛又は斜毛を有する所望の長さの外径からなるブラシローラ9を得る。
【0030】
また、他の実施の形態として、図5に示すように、円筒状のブラシローラ7を織機にて直接に円筒状の織物11aに形成する。さらに、芯体8となる棒状の芯金8aもしくは円筒支持体8bの表面に摩擦係数の高いエラストマー10を設けることで、円筒状のブラシローラ7と芯体8となる棒状の芯金8aもしくは円筒支持体8bとの間のグリップ力をより向上させて、表面にパイル5からなるパイル状の起毛又は斜毛を有する未調整のブラシローラ9とする。このグリップ力を向上させた場合は、接着剤13などの塗布を芯体8に行わなくても、円筒状のブラシローラ7の空回転及び抜け防止を図ることもできる。さらに、図6に示すように、パイル織物1の鞘糸3dに伸縮糸であるカバーリング糸3bを用いているが、カバーリング糸3bの無い状態でストレッチ性(弾性)繊維であるポリウレタン繊維のエラストマー10からなる糸をそのまま使用しても良い。また、伸縮糸に潜在捲縮性を発現する糸や伸縮性のある素材を用いて伸縮性嵩高加工した糸を用いても良い。
【0031】
さらに、他の実施の形態について説明する。この実施の形態では、図3に示すように、横編であるプレーティングパイル編により、円筒の軸方向である長手方向に非伸縮性糸である挿入糸12を挿入し、かつ、円周方向に地糸2を用いた円筒状編物1dを形成する。パイル5にはナイロンからなる135D/45Fの糸を用いてループパイル5aとし、地糸2にはポリエステル76D/36Fを用い、挿入糸12にはポリエステルからなる非伸縮性の76D/36Fを用いる。得られる円筒状編物1dは、径方向に対する伸びが約1.3倍、長手である軸方向に対する伸びが1倍で、径方向と軸方向にほぼ変化のない円筒状の編物11bが形成される。
【0032】
この円筒状編物1dを用いて、芯体8である芯金8aの外径がこの円筒状編物1dの内径より大きい芯金8aを、この円筒状編物1dに挿入し、図4に示す織物の場合と同様にして、円筒状の編物11bのループパイル5aをシャーリングしてカットパイル5bからなるブラシローラ9とする。この場合、ループ5cの方向に対して直角の方向にストレッチ性を有する挿入糸12を用いて、円筒状の編物11bの周方向に、この挿入糸12を配置して、軸方向の長手方向よりも径方向により高い弾性力を持たせて、表面にパイル5からなるパイル状の起毛又は斜毛を有する未調整のブラシローラ9である円筒状のブラシローラ7とした。芯体8である芯金8aと円筒状のブラシローラ7を固定して一体化させるために、芯金8aの表面もしくは円筒状のブラシローラ7の内面に接着剤13を塗布した後、円筒状のブラシローラ7に芯金8aを挿入しても良い。また、芯体8となる棒状支持体8bの表面にもしくは円筒支持体8cの表面に摩擦係数の高いエラストマー10を配設することで、接着剤13などを塗布することなく、円筒状のブラシローラ7の回転及び抜け防止としても良い。このようにすることで、円筒状のブラシローラ7と芯体8のグリップ力を向上させることが可能である。
【0033】
上記で使用する非伸縮性糸としては、天然繊維や再生セルロース繊維、あるいはアセテート、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維の一種以上で構成してもよい。
【0034】
表2に示す様に、地糸2の経糸3には熱収縮性糸であるポリエステル繊維からなる糸を用い、緯糸4には耐熱低収縮性すなわち非熱収縮性糸であるアラミド繊維からなる糸を用い、パイル5の部分の生地に絶縁性ナイロンからなる480D/60Fの糸を用い、これらからパイル織物1aを作成した。得られたパイル織物1aは経糸3の方向及び緯糸4の方向に対して伸びがほぼ変化のない織物となった。
【0035】
【表2】

【0036】
このパイル織物1aを用いて、地糸2の熱収縮性の経糸3が円周方向すなわち回転方向に配置され、非熱収縮性の緯糸4が軸方向である長手方向に配置されるようにして、円筒状に縫製加工をして、パイル5を有する内径21mmの円筒状のブラシローラ7を構成した。図5に示すように、この円筒状のブラシローラ7に径20mmの金属パイプからなる芯体8である円筒支持体8cを挿入し、得られた円筒状のブラシローラ7の円周方向に対する熱収縮性を利用するために、金属パイプからなる芯体8の内面をヒーター14により120℃に設定して加温し、円筒状のブラシローラ7を半径方向に熱収縮させて金属パイプからなる芯体8に密に支持させて、未調整の表面にパイル5からなるパイル状の起毛又は斜毛を有する未調整のブラシローラ9である円筒状のブラシローラ7とした。この未調整のブラシローラ9は緯糸4に非熱収縮糸を用いた軸方向である長手方向の伸縮は1%以下であり、伸縮に関しては問題の無いレベルとなっていた。さらに所定の回転負荷以下では、未調整のブラシローラ9は円筒状のブラシローラ7が熱収縮により金属パイプの芯体8に対して回転が防止されていた。
【0037】
次に、得られた未調整のブラシローラ9の端部に端部フランジ部材15を挿着した。さらに、このブラシローラ9のパイル5の先端をカットし、所望の外径の大きさのブラシローラ9にするために、この芯体8を有する円筒状のブラシローラ7からなる未調整のブラシローラ9をその周方向に回転させ、シャーリング機にて外側に出ている余分な長さのパイル5の先端をカットしてカットパイル5bとし、所望する外径のブラシローラ9に完成した。
【0038】
なお、芯体8と円筒状のブラシローラ7をより固定化させるために、芯体8の表面もしくは円筒状のブラシローラ7の内面に接着剤13を塗布して円筒状のブラシローラ7に芯体8を挿入しても良い。また、非収縮性糸を構成する繊維は加温する温度に合わせ任意に選定できる。さらに高温での非収縮性糸としては、今回使用したアラミド繊維や、その他にPPS繊維、炭素繊維、金属(アルミ)繊維などを用いることができる。また、加温の温度が低い場合は、ポリエステル糸などの合成繊維からなる非伸縮性糸なども使用が可能である。さらに、糸の選定により湿潤状態での加温により収縮も可能であり、熱湯の中で収縮させ、その後に乾燥させても製造が可能である。
【0039】
なお、機能性のブラシローラとして使用する用途は、液晶用クリーニングブラシ、掃除機用のクリーニングブラシ、電子写真装置のクリーニングブラシ、電子写真装置の導電性ブラシである帯電ローラブラシ、トナー供給ローラなどの機能ローラである。
【0040】
ジャガード織機によりパイル織りされる織機にて、図1に示すように、地糸2の回転方向の経糸3に伸縮性糸からなるストレッチ性を有するストレッチ糸3a、地糸2の長手方向の緯糸4に非伸縮性糸のポリエステル糸4aを用い、パイル5として導電性ナイロンからなる420D/60Fの糸を用い、120,000本/インチ2のパイル織物1aを作成した。なお、ストレッチ糸3aは芯糸3cにポリウレタン繊維を用い、鞘糸3dには捲縮ウーリーナイロン糸を用いてカバーした図6に示すカバーリング糸3bを用いて、パイル織により平面状のパイル織物1cを得た。次いで、得られたこの平面状のパイル織物1cのパイル5の抜け防止と導通を兼ねて、導電性の弾性を有するバッキング剤6によりパイル織物1aの裏面にコーティングを行った。得られたパイル織物1aは、経糸3の縦方向に対する伸びが約1.5倍、緯糸4の横方向に対する伸びが約1倍で、ほぼ変化のない図4の(a)、(a’)に見られる平面状のパイル織物1cが得られた。
【0041】
次いで、図4に示すように、この平面状のパイル織物1cを用いて、円周方向に地糸2の経糸3を配置し、軸方向に緯糸4を配置するように、円筒状に縫製加工を行って、内径8mmの円筒状のブラシローラ7を作成した。この円筒状のブラシローラ7は導電性ブラシローラとなっている。次に、このパイル織物1aからなる円筒状のブラシローラ7の径方向に対する伸縮性すなわち弾性を利用して、径10mmの芯金8aを芯体8として円筒状のブラシローラ7に挿入して表面にパイル5からなるパイル状の起毛又は斜毛を有する未調整のブラシローラ9とした。その後、この未調整のブラシローラ9を回転させてシャーリング機により余分な長さのパイル5の先端部をカットしてカットパイル5bとし、図4の(e)、(e’)に示す所望の外径を有するブラシローラ7を得た。次に所定の面に対し当接荷重2kgにてこのブラシローラ7を回転させたところ、芯金8aである芯体8の円形シャフトと円筒状のブラシローラ7との間のズレは生じることが無く、このブラシローラ7の伸縮力すなわち弾力により芯体8と円筒状のブラシローラ7の間の滑りによる回転が防止されていることが確認された。
【0042】
なお、芯金8aと円筒状のブラシローラ7をより一層に固定するために、芯金8aもしくは円筒状のブラシローラ7の内面に接着剤13を塗布して円筒状のブラシローラ7に芯金8aを挿入しても良い。また、円筒状のブラシローラ7は織機のほかに、編機にて円筒状に形成することもできる。さらには、芯体8となる棒状支持体8bもしくは円筒支持体8cの表面に摩擦係数の高いエラストマー10を設けることで、円筒状のブラシローラ7と芯体8のグリップ力を向上させることが可能であり、接着剤13などを塗布することなく円筒状のブラシローラ7の回転及び抜け防止としても良い。さらに上記したジャガード織機によるパイル織物1では伸縮糸にカバーリング糸3bを用いているが、カバーリング糸3bの無い状態のパイル5として、ストレッチ繊維からなる糸すなわち弾性のある繊維であるウレタンなどのエラストマー10からなる糸をそのまま使用しても良い。また、伸縮性糸に潜在捲縮性を発現する糸や伸縮性のある繊維を伸縮性嵩高加工した糸を用いても良い。
【符号の説明】
【0043】
1a 織物
1b パイル織物
1c 平面状パイル織物
1d 編物
2 地糸
3 経糸
3a ストレッチ糸
3b カバーリング糸
3c 芯糸
3d 鞘糸
4 緯糸
4a ポリエステル糸
5 パイル
5a ループパイル
5b カットパイル
5c ループ
6 バッキング剤
7 円筒状のブラシローラ
8 芯体
8a 芯金
8b 棒状支持体
8c 円筒支持体
9 ブラシローラ
10 エラストマー
11a 円筒状の織物
11b 円筒状の編物
12 挿入糸
13 接着剤
14 ヒーター
15 端部フランジ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯体となる棒状支持体もしくは円筒支持体の表面にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有するブラシローラの製造方法において、経方向に伸縮する繊維の地糸と緯方向に非伸縮性の繊維からなる挿入糸を挿入して有する地糸から織物を形成し、これらの地糸にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を形成し、かつ、この経方向に伸縮する繊維の地糸の向きを円筒の円周方向に向け、円筒の径方向に伸縮するが円筒の軸方向に非伸縮である円筒状の織物を形成し、この円筒状の織物の円筒内に円筒状表面を有する支持体である芯体を円筒状の織物の軸方向から挿入し、円筒状の織物の径方向にのみ伸縮する繊維の弾性により挿入した芯体に円筒状の織物を支持せしめて、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とするブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法。
【請求項2】
芯体となる棒状支持体もしくは円筒支持体の表面にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有するブラシローラの製造方法において、経方向に熱収縮する繊維の地糸と緯方向に非伸縮性の繊維からなる挿入糸を挿入して有する地糸から織物を形成し、これらの地糸にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を形成し、かつ、この経方向に熱収縮する繊維の地糸の向きを円筒の円周方向に向け、円筒の径方向に熱収縮するが円筒の軸方向に非伸縮である円筒状の織物を形成し、この円筒状の織物の円筒内に円筒状表面を有する支持体である芯体を円筒状の織物の軸方向から挿入し、円筒状の織物の径方向にのみ熱収縮する繊維の収縮性により挿入した芯体に円筒状の織物を支持せしめて、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とするブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法。
【請求項3】
ブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有し、かつ、緯方向に伸縮する繊維からなる地糸から織物を形成する方法は、パイル織りにより地糸に支持するパイルを形成し、該パイル織りの経糸をストレッチ性の弾性繊維を含む伸縮性糸から形成し、該伸縮性糸により円筒の円周方向に伸縮可能でかつパイルを支持して有する円筒状の織物を形成し、該パイルを支持して有する円筒状の織物の円筒内に円筒状表面を有する円筒支持体である芯体を挿入し、円筒状の織物の径方向にのみ伸縮する繊維の弾性により挿入した芯体に円筒状の織物を支持せしめ、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とする請求項1に記載のブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法。
【請求項4】
ブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有し、かつ、緯方向に熱収縮する繊維からなる地糸から織物を形成する方法は、パイル織りにより地糸に支持するパイルを形成し、該パイル織りの経糸をストレッチ性の弾性繊維を含む熱収縮性糸から形成し、該熱収縮性糸により円筒の円周方向に収縮可能でかつパイルを支持して有する円筒状の織物を形成し、該パイルを支持して有する円筒状の織物の円筒内に円筒状表面を有する円筒支持体である芯体を挿入し、円筒状の織物の径方向にのみ熱収縮する繊維の収縮性により挿入した芯体に円筒状の織物を支持せしめ、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とする請求項2に記載のブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法。
【請求項5】
芯体となる棒状支持体もしくは円筒支持体の表面にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有するブラシローラの製造方法において、円筒の円周方向に伸縮する繊維の編み糸である地糸からなる円筒状の織物に代えて円筒の円周方向に伸縮する繊維の編み糸である地糸からなる円筒状編物を形成し、該円筒状編物の緯方向の編み糸である地糸に非伸縮性の繊維からなる挿入糸を挿入して径方向にのみ伸縮する円筒状編物に形成し、この円筒状編物の円筒内に円筒状表面を有する支持体である芯体を円筒状編物の軸方向から挿入し、円筒状編物の径方向にのみ伸縮する繊維の弾性により挿入した芯体に円筒状編物を支持せしめて、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とするブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法。
【請求項6】
芯体となる棒状支持体もしくは円筒支持体の表面にブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有するブラシローラの製造方法において、円筒の円周方向に熱収縮する繊維の編み糸である地糸からなる円筒状の織物に代えて円筒の円周方向に熱収縮する繊維の編み糸である地糸からなる円筒状編物を形成し、該円筒状編物の緯方向の編み糸である地糸に非伸縮性の繊維からなる挿入糸を挿入して径方向にのみ熱収縮する円筒状編物に形成し、この円筒状編物の円筒内に円筒状表面を有する支持体である芯体を円筒状編物の軸方向から挿入し、円筒状編物の径方向にのみ熱収縮する繊維の収縮性により挿入した芯体に円筒状編物を支持せしめて、所定の外径を有するブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する円筒状のブラシローラからなる回転用のブラシローラに形成することを特徴とするブラシ状又はパイル状の起毛もしくは斜毛を有する機能性のブラシローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−160948(P2011−160948A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26213(P2010−26213)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(596116363)三和テクノ株式会社 (16)
【出願人】(505094157)
【Fターム(参考)】