説明

機能性食品の製造のためのホスファチジルセリン富化乳画分

優れた分散性と感覚刺激、並びに物理的安定性を有する天然組成物の牛乳に由来するホスファチジルセリン供給源を開示する。前記供給源は、パウダー、液体、または分散物の形態で栄養学的に有用である。前記供給源は、バターオイル生産から由来する漿液から、または脱脂目的のホエーの精密濾過から得られる残渣物から調製できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウシホスファチジルセリン、その調製および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスホリピド(PL)は、生物学の世界で非常に有名な物質である。それらは、植物と動物の両者で、ほとんどの細胞において膜を形成している。これらの脂質は、各種の区画の間のバリアとして機能し、レセプター、酵素、及び輸送タンパク質のための正確な環境を提供する二重層構造を構成している。それらはまた、細胞間の連絡のための伝達物質としても機能している。脳の大部分は、ホスホリピドによって構成されている。人の脳のホスホリピドプールの15%は、ホスファチジルセリン(PS)からなる。脳が加齢すると、この物質は失われていき、コレステロールのような不活性な物質によって置換されていく。
【0003】
PSは、認識能力の改善、記憶喪失の反作用、及びストレス放出剤として、栄養食における活性成分として最近著しい興味が示されている。この参考文献として、Benton等の文献, Nutritional Neuroscience, Vol. 4, pp. 169-178, 表題"The influence of Phosphatidylserine Supplementation on Mood and Heart Rate when Faced with an Acute Stressor"が例示される。
【0004】
ストレス及び認識能力に対するPSの取り込みの顕著に陽性の結果に関して、数年に亘り試験が実施されている。例えば、Arjan Blokland等, "Cognition-Enhancing Properties of Subchronic Phosphatidylserine (PS) Treatment in Middle-Aged Rats: Comparison of Bovine Cortex PS With Egg PS and Soybean PS", Nutrition Vol. 15, No. 10, 1999参照。
【非特許文献1】Benton等の文献, Nutritional Neuroscience, Vol. 4, pp. 169-178, 表題"The influence of Phosphatidylserine Supplementation on Mood and Heart Rate when Faced with an Acute Stressor"
【非特許文献2】Arjan Blokland等, "Cognition-Enhancing Properties of Subchronic Phosphatidylserine (PS) Treatment in Middle-Aged Rats: Comparison of Bovine Cortex PS With Egg PS and Soybean PS", Nutrition Vol. 15, No. 10, 1999
【特許文献1】WO 2005/027822
【非特許文献3】Vesper等, (1999), Sphingolipids in food and the emerging importance of sphingolipids to nutrition, J. Nutr. 129: p. 1239-1250
【非特許文献4】Kirschbaum, C, Prike, KM, Hellhammer, DH, The "Trier Social Stress Test" A tool for investigating psychobiological stress responses in a laboratory setting, Neurophysiobiology, 1993, 28, p. 76-81
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PSは、栄養成分として使用することができ、各種の食品調製物、飲料、錠剤、健康に有益な成分の濃縮物を含む各種のバーに導入することができる。
【0006】
歴史的に、ウシの脳は、PSの単離のための原材料として使用されていた;しかしながら、狂牛病(BSE)の発覚の後、この材料は明白な理由のためそれ以上使用されていない。
【0007】
ここ数年の間、大豆レシチンから由来する半合成バリアントが開発されており、Lucas Meyer GmbH / Degussa、Enzymotec、Chemi、及びLipogenのような会社により市販されている。WO 2005/027822が参照される。PSの全ての記載された製造者によって使用されている原理的な方法は、我々が知る限り、基質中のホスホリピドの頭基を変換すること、例えば、反応が生ずるための活性酵素としてホスホリパーゼDを使用して、ホスファチジルコリンのコリン基をセリンに交換することである。
【0008】
これらの方法では、カルシウムで酵素を活性化する必要があるため、PSはしばしばほとんど分散しないCa塩として得られる。化合物の純度は20-90%まで変化し得る。頭基交換法と関連する別の問題は、ホスホリパーゼD酵素の活性の小残余物が存在することであり、これは水に基づく脂質系におけるPSの不安定性を導く。全体として由来する純粋なPL画分に関する更なる主たる問題は、水に基づく系においてあまり好ましくな味を生ずる点である。これらの欠点のため、PSはほとんど、オイルに溶解したカプセル形態で市販されている。上述の理由のため、水中に分散したPSの飲料調製物は、今まで成功していない。
【0009】
市販品に関する別の問題は、PSの起源である。頭基交換PSは、天然の起源を有するものではない。それは実際、ヒトの食料品における使用のための好適な健康に関する承認機関によって課される多くの制限を有する半合成物質である。
【0010】
上述の課題を解決するため、PSの新規な天然起源が探索された。
【課題を解決するための手段】
【0011】
乳は乳脂肪球皮膜(MFGM)にホスホリピドを含む。この膜は、MFGMタンパク質と称される球状のタンパク質とともに、整列した二重層構造に配向されている。
【0012】
乳腺中のゴルジから、及び小球から剥ぎ取られたMFGM物質から由来する球状MFGMフラグメントは、スキムミルク中に存在する。
【0013】
溶媒抽出法を実施した後、ホスホリピドの組成は、好ましくはP 31 NMR (Spectral Service GmbH,ドイツ)によって測定できる。
【0014】
乳のPLパターンの典型的な組成は、以下の通りである(P31 NMR法):
モル%
ホスファチジルコリン(PC) 27
ホスファチジルイノシトール(PI) 7
ホスファチジルセリン(PS) 13
スフィンゴミエリン(SPH) 25
ホスファチジルエタノールアミン(PE) 27
その他 1
【0015】
乳中のPL組成は、高濃度のPS及びスフィンゴミエリン(SPH)のため、天然で独特である。
【0016】
SPHもまた、乳中の生体活性極性脂質である。それはコレステロールの取り込みを減少し、大腸で抗腫瘍効果を有するとも考慮されている。活性な抗腫瘍形成効果は、興味ある管におけるSPHの分解産物、特にセラミドに確認されている。Vesper等, (1999), Sphingolipids in food and the emerging importance of sphingolipids to nutrition, J. Nutr. 129: p. 1239-1250を参照。
【0017】
全乳はPSの供給源としては乏しい。それは1リットル当たり約27mgのPSしか含まない。スキムミルクは約10mg/リットルを含む。クリームの攪拌由来のバターミルクは約130mg/リットルのPSを含む。バターオイルから由来するバターミルクはPSのより好適な供給源であり、約250mg/リットルのPSを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
定義
本明細書で使用される以下の用語は以下の意味を有する:
【0019】
「栄養学的」は、食品または食品の一部であり、疾患の予防及び治療を含む医学的利益及び/または健康上の利益を提供するいずれかの物質として定義される。
【0020】
「バターミルク」は、バターまたはバターオイルの生産の後の漿液相として定義される。
【0021】
「PL」は、ホスホリピドの略語である。
【0022】
「PS」は、ホスファチジルセリンの略語である。
【0023】
「SPH」は、スフィンゴミエリンの略語である。
【0024】
「MFGM」は、乳脂肪球皮膜の略語である。
【0025】
本発明で使用されるPL濃度は、牛乳から由来するホスホリピド濃度である。
【0026】
P31 NMR検出器での高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、乾燥サンプルの溶媒抽出後のPSを含むホスホリピド組成を測定するための汎用法である。
【0027】
トリーアソーシャルストレス試験モデル(TSST)は、Kirschbaum, C, Prike, KM, Hellhammer, DH, The "Trier Social Stress Test" A tool for investigating psychobiological stress responses in a laboratory setting, Neurophysiobiology, 1993, 28, p. 76-81に記載されたものである。
【0028】
DMV International社製のEsprion 300は、約30%のタンパク質を有するホエータンパク質濃縮物である。
【0029】
本発明の記載
本発明は、優れた分散性と感覚刺激、並びに物理的安定性を有する天然組成物の牛乳由来ホスファチジルセリン供給源に関する。
【0030】
そのような供給源は、バターオイル生産から得られるバターミルクまたは漿液相から由来できる。それは、全固形分の重量に基づいて計算して0.2%超のPS、例えば全固形分の重量に基づいて計算して0.2から10%のPSまたは1.5から3%のPSを含むことができる。
【0031】
本発明の供給源は更に、ホスファチジルセリンの量の約2倍の量のスフィンゴミエリンを供給できる。
【0032】
そのような供給源は、栄養学的組成物において有用である。
【0033】
それは、パウダーまたは液体濃縮物の形態、分散物、または溶液で、栄養学的成分となり得る。
【0034】
栄養学的組成物の例は、チョコレート、アイスクリーム、飲料、ヨーグルト、栄養バー、またはいずれかの栄養学的調製物である。
【0035】
特に、一回当たり20mg超のPSと40mg超のSPH、例えば一回当たり20mgから500mgのPSと40mgから1500mgのSPHを含む飲料を提供する本発明の供給源を多量に含む、活性成分の沈降の問題のない飲料の形態の栄養学的組成物を提供することが可能である。
【0036】
日々の一回の量は、通常20から100mlまたは100から250mlである。
【0037】
栄養学的組成物は、単位または投与当たり20mgから500mgのPSと40mgから1500mgのSPHを与える固形形態の取り込みのためにも製剤化できる。
【0038】
20mgと500mgの間のPS、及び40mgと1500mgの間のSPHの全ての値が使用できる。特定の制限は存在しない。しかしながら、一日20mg未満のPSと40mg未満のSPHの効果は測定が困難であろう。一日500mg超のPSと1500mg超のSPHは健康に有害ではないであろう。
【0039】
栄養学的組成物は、乳または乳由来飲料、例えば飲むヨーグルト、または通常のヨーグルト、他のタイプの飲料、例えば水、酸性フルーツジュース、または2から8の範囲のpHを有する同様のフルーツ風味の飲料に基づくことができる。
【0040】
本発明は、遠心分離により通常のクリームを濃縮し、その後生成したエマルションをホモジェナイザーで破壊し、漿液相を回収し、脂肪を分離し、濾過透析を含む限外濾過により処理し、最後にスプレー乾燥する工程を含む、バターオイルの生産から得られる漿液からの牛乳由来ホスファチジルセリン供給源の製造方法にも関する。
【0041】
そのような方法は、ホスホリピド画分が濃縮物中に75%超の全脂肪を含む乳PL濃縮物を与えることができる。
【0042】
そのような方法では、クリームの通常の脂肪含量は、約40%から約80%まで濃縮される。相転換以前のクリーム中の脂肪濃縮物が高濃度になればなるほど、漿液相中のホスファチジルセリンを含むPL含量は高くなる。
【0043】
牛乳由来ホスファチジルセリン供給源はまた、脱脂後のホエーの精密濾過から得られる残渣物からも入手可能である。
【0044】
高含量の主にPSを含むパウダーを得るために、かくしてバターオイル生産のためのクリームは、約80%の脂肪を含むクリームに遠心分離によって濃縮される。高速剪断によりエマルションの破壊した後、濃縮バタークリームまたはバターミルクをバターオイルと共に得る。かくして得られたバターミルクを連続的に脂肪分離により加工し、漿液中の全脂質の約70−80%のPLを含む漿液を得る。この後、漿液を冷却して限外濾過に供し、ラクトースとアッシュ含量を減少し、全固形分中に約17%のPL、特に全固形分中に約2.0−2.5%のPSを有する残渣物を任意に濾過透析に供する。この濃縮物を最後にスプレー乾燥する。
【0045】
この方法に引き続き、以下の典型的な全体の組成を有する天然PSの良好な供給源が得られる:
(%)
全脂質 21−25
ホスホリピド 16−19(特に約2%のPSと5%のスフィンゴミエリン)
タンパク質 55−60
ラクトース 6−9
アッシュ 6
【0046】
驚くべきことに、水またはスキムミルクのような飲料ベースに、一回につき200ml当たり100mgのPSを与える上記特定される材料を添加した場合、冷蔵庫の温度での長期的な貯蔵の間でPSの沈降がなく味の劣化がない、PSの非常に有効な供給源が得られた。
【実施例】
【0047】
実施例1
市販品の頭基交換により変性されたダイズPE製品と比較した、本発明の供給源の効果
【0048】
被覆タンクに貯蔵された40リットルのスキムミルクの3のバッチを、以下の異なる供給源から由来するPSを含む3種の異なるパウダーと添加した:
・2.0%のPSを含むバターミルク起源の本発明に係る乳PL濃縮物;
・頭基交換大豆レシチンから由来するPS製品である、21%のPSを含むイスラエルのEnzymotec社製の"PS 20";
・62%のPSを含む、"PS 20"と同様の原理によって製造されたEnzymotec社製のDitto "PS 60"。
【0049】
PS添加を計算し、スキムミルクベースの飲料の一回につき200ml当たり100mgのPS投与量を与えた。
【0050】
添加したPS材料を有する乳を被覆タンクで75℃に加熱し、10分間最終温度で保持した。
【0051】
分散物をそれぞれ40バールと160バールのに工程で均一化し、142℃で6秒間UHT(超高温)処理に供した。冷却後、生成物を500mlの滅菌フラスコに実装し、8℃で3ヶ月間貯蔵した。
【0052】
一週間後、1ヶ月後、2及び3ヵ月後に、味とPS含量(P31 NMR)について乳を試験した。
【0053】
味の結論は、バターミルクの乳添加特別画分は、物理的及び感覚刺激的に安定であった。
【0054】
乳添加PS 20及びPS 50は、物理的に不安定であった。一週間後すでに、70%のPSが沈降し、フラスコの底部にたまった。本発明の供給源に由来するPSで製造された飲料は、試験期間を通じて化学的に安定であり、沈降を示さないことが見出された。
【0055】
感覚刺激的な質に関しては、PS 20サンプルは、乳をほとんど飲めないものとするダイズに典型的な好ましくない味の劣化を生じた。PS 60サンプルの味は、試験期間の間でより安定であった。
【0056】
結論として、使用された製造方法によって、本発明に係るバターミルク由来のPSのみが、長期的な物理的安定性を有し、活性化合物の沈降を与えなかった。
【0057】
実施例2
40%の脂肪含量を有する240メートルトンのクリームを、遠心分離機で70℃で11.5m/hで濃縮し、約80%の脂肪クリームを得た。濃縮クリームを次の工程でホモジェナイザーで相転換し、ホスホリピドが富化した漿液相を、二工程分離法で1300リットル/hで採取し、約4℃に冷却した。漿液相(バターミルク)の限外濾過と乾燥の後、約1.2メートルトンの乳PL濃縮物を、全脂質に関して高割合のPL、即ち23.3%の全脂質含量に関して19%のPLで得た。より詳細な乳PL濃縮物の組成は、以下の表に記載されている:
(%)
タンパク質(Nx6.38, Kjeldahl) 58.5
ラクトース 6.6
アッシュ 5.3
水分 3.5
全脂質 23.3
全ホスホリピド 19.1
−スフィンゴミエリン 5.1
−ホスファチジルコリン 5.4
−ホスファチジルエタノールアミン 4.3
−ホスファチジルセリン 2.3
−ホスファチジルイノシトール 1.5
全セラミド 1.3
ガングリオシド 0.59
コレステロール 0.27
トリグリセリド 約3
【0058】
実施例3
製剤化、比較、及び臨床試験
250mlの投与量または一回の量当たり約300mgのホスファチジルセリンを含む試験飲料を、実施例2で生産された乳PL濃縮物を使用して製剤化した。約13.5gの乳PLパウダーを使用して、250mlの一回の体積について所望のホスファチジルセリン投与量を得た。飲料を使用して、内分泌に関する臨床試験を実施した。トリーアソーシャルストレス試験モデル(TSST)に従って、自律神経と心理学的なパラメーターを使用した。調査は、Dr. Juliane Hellhammerのリーダーシップの下で、Trier, GermanyでのInstitute Daacro / Diagnostic assessment and clinical research organizationで実施された。
【0059】
プラシーボ飲料は、スキムミルクパウダーとバターオイルで作製された。この飲料を50バールで均一化し、143℃で4秒間加熱処理した。製剤をバニラ抽出物によって香味付けし、スクラロースの添加により甘味付けした。試験飲料でラクトースを調節し、プラシーボと同じ含量を含んだ。プラシーボ飲料はホスホリピドをほとんど含んでおらず、分析後にそれを確認した。試験ヒントプラシーボの両者に含まれているものは、脂質(1.3%)、タンパク質(3.2%)、及びラクトース(4.4%)に関して同等であった。
【0060】
試験サンプルとプラシーボの両者は、少なくとも4ヶ月間の貯蔵で完全に安定であり、味の劣化を生じなかった。
【0061】
臨床試験は、二重盲目評価において全部で46人の患者を含んだ。試験飲料とプラシーボ飲料を、3週間制御された態様で消費し、その後患者をストレス試験TSST/トリーアソーシャルストレス試験に供した。心理学的、内分泌的、及び認識のパラメーターのそれぞれについて、記憶、気分/ストレスを測定し、グループ間で比較した。
【0062】
臨床試験の結果
以下の要約は、試験の評価から得られたものであった:
本研究の結果と共に、飲料製剤中への上記特定の13.5gの乳PLパウダー(即ち本発明の添加剤)の取り込みは、作動する記憶能力の増強と、心理学的及び内分泌的ストレス応答の消沈の強力な指標を与える。例えば、血漿及び唾液のコルチゾール濃度の含量は、試験グループで有意に低下した。
【0063】
更に、プラシーボグループと比較して、試験グループの血漿中で、コレステロール(LDL)は約10%まで有意に低下した。HDLの値は影響を受けなかった。
【0064】
実施例4
ミルクチョコレート製剤
乳PL濃縮物を添加したミルクチョコレートを、以下のレシピに従って製造し、100kgの最終製品のバッチを得た。
量(kg)
糖 39.00
ココアマス 16.50
ココアバター 18.50
ラクトース 4.00
ミルクパウダー 17.50
乳PLパウダー 4.50
バニリン 0.03
【0065】
この製品は、乳PLを含まない対照品と、物理的及び感覚刺激的に十分に匹敵した。100gのチョコレートの毎日の量は、100mgのPS(プラス160mgのSPH)を提供するであろう。
【0066】
実施例5
アイスクリーム製剤
以下のレシピに従ってアイスクリームを製造し、100kgのバッチを得た。
量(kg)
クリーム(40%の脂肪) 25.00
SMP(スキムミルクパウダー) 3.62
Esprion 300(ホエータンパク質濃縮物) 0.67
糖 9.00
フルクトースシロップ 9.00
乳化剤(LBG) 0.12
グアゴム 0.08
乳PLパウダー 4.33
水 100とする残部
【0067】
アイスクリームの通常の毎日の量は75gである。2.2%のPSを有する4.33%の乳PLパウダーで、毎日の量は70mgのPS(160mgのSPH)である。この製品は、味と安定性の両者について対照品に匹敵した。乳化剤の量は、試験製品において有利に減少させることができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
優れた分散性及び感覚刺激、並びに物理的安定性を有する天然組成物の牛乳由来ホスファチジルセリン供給源。
【請求項2】
バターオイル生産から由来するバターミルクまたは漿液相から由来する請求項1に記載の供給源。
【請求項3】
全固形分の重量に基づいて計算して0.2%超のPSを含む請求項1に記載の供給源。
【請求項4】
全固形分の重量に基づいて計算して0.2から10%のPSを含む請求項1に記載の供給源。
【請求項5】
全固形分の重量に基づいて計算して1.5から3%のPSを含む請求項1に記載の供給源。
【請求項6】
ホスファチジルセリンの量の約2倍の量でスフィンゴミエリンを提供する請求項1に記載の供給源。
【請求項7】
請求項1に記載の供給源の形態で栄養成分を含む栄養組成物。
【請求項8】
チョコレート、アイスクリーム、飲料、ヨーグルト、栄養バー、またはいずれかの栄養調製物の形態の請求項7に記載の栄養組成物。
【請求項9】
一回につき20mg超のPSと40mg超のSPHを含む飲料を提供する、請求項1に記載の供給源を多量に含む飲料の形態の請求項8に記載の栄養組成物。
【請求項10】
一回につき20mgから500mgのPSと40mgから1500mgのSPHを含む飲料を提供する、請求項1に記載の供給源を多量に含む飲料の形態の請求項9に記載の栄養組成物。
【請求項11】
毎日の一回の量が20から1000mlである請求項10に記載の栄養組成物。
【請求項12】
毎日の一回の量が100から250mlである請求項11に記載の栄養組成物。
【請求項13】
単位または投与量当たり20mgから500mgのPSと40mgから1500mgのSPHを提供する、固形分として取り込むための請求項8に記載の栄養組成物。
【請求項14】
乳に基づく請求項6に記載の栄養組成物。
【請求項15】
水、酸性フルーツジュース、または2から8の範囲のpHを有する同様なフルーツ風味の飲料を含む、別のタイプの飲料に基づく請求項6に記載の栄養組成物。
【請求項16】
遠心分離により通常のクリームを濃縮し、その後生成したエマルションをホモジェナイザーで破壊し、漿液相を回収し、脂肪を分離し、濾過透析を含む限外濾過により処理し、最後にスプレー乾燥する工程を含む、バターオイルの生産から得られる漿液から由来する請求項1に記載の供給源の製造方法。
【請求項17】
ホスホリピド画分が濃縮物中の全脂肪の75%超を含む乳PL濃縮物を与える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
クリームの通常の脂肪含量が約40%から約80%に濃縮される請求項16に記載の方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法によって入手可能な請求項1に記載の供給源。
【請求項20】
脱脂目的のためのホエーの精密濾過から得られる残渣物から入手可能な請求項1に記載の供給源。

【公表番号】特表2008−541740(P2008−541740A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513930(P2008−513930)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000303
【国際公開番号】WO2006/128465
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(501295969)アルラ・フーズ・エイ・エム・ビィ・エイ (11)
【Fターム(参考)】