説明

機能画像化

本方法は、被験者のスキャンに用いる画像化システムにより生成された画像データにより、前記被験者の関心領域の画像を取得する段階と、前記スキャン前に前記被験者の生理的状態を示す信号を取得する段階と、前記画像と、前記生理的状態を示すデータとを表示する段階と、を有する方法である。他の一態様では、一方法は、プロセッサにより、トレーサ吸収補正ファクタに基づいて目標関心領域のトレーサ吸収値を補正する段階を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明する発明は、全体として画像化に関し、具体的には機能PET画像化に応用できる。しかし、機能画像化と非機能画像化を含む、その他の画像化モダリティにも適している。
【背景技術】
【0002】
機能画像化により、新陳代謝、血流、及び吸収の変換に関する情報が得られる。しかし、被験者の生理的状態や行動状態が、得られる画像の量的情報に影響し、そのため画像の解釈に影響する。例として、F−18−FDG−PETでは、患者に放射性トレーサFDG(フルオロデオキシグルコース)を患者に投与する。患者は、投与されたFDGが体内に吸収され、全身に行き渡り、スキャンが終わるまで、(例えば、60から90分間)安静にして、食事をしない必要がある。
【0003】
投与されたFDGは、放射性の糖類を含み、脳、腎臓、及び癌細胞などのブドウ糖を消費する細胞により吸収される。吸収されたFDGは放射性崩壊し、陽電子を生成する。この陽電子が陽電子消滅イベントで電子と相互作用して、511keVのガンマ線対が同時に発生する。ガンマ線は反応線に沿って反対方向に進み、同時ウィンドウで検出されたガンマ線対が消滅イベントとして記録される。スキャン中に補足されたイベントを再構成して、放射性核種、すなわち人体の細胞に吸収されたFDGの分布を示す画像を作成する。
【0004】
前年ながら、患者は、トレーサ投与後、いろいろな感情に襲われる。例えば、スキャンを受けたことがない患者は不安をいだく。その結果、心拍数が高くなり、代謝が活発になる。あるいは、患者の動きにより、筋肉の代謝が活発になる。例えば、患者がせきをすると、腹筋の代謝が活発になる。患者が起きて歩くと、脚筋の代謝が活発になる。あるいは、スキャン前に患者が糖類を含む食物や飲み物を摂取する場合もある。上記は、目標関心領域におけるトレーサの吸収に影響を与える生理的状態と行動状態の非限定的な例示である。
【0005】
上記その他の生理的状態及び/または行動状態は、人体におけるトレーサの吸収と分布に影響する可能性がある。結果として、一般的に、トレーサの吸収率が予想より大きく、関心領域以外でのトレーサ吸収量が予想より大きく、関心領域の画像コントラストが低下することがある。こうした結果として、画像に示されたトレーサ吸収に基づくその画像の解釈が困難となったり、間違ったりすることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の諸態様は、上記その他の事項を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様による方法は、被験者のスキャンに用いる画像化システムにより生成された画像データにより、前記被験者の関心領域の画像を取得する段階と、前記スキャン前に前記被験者の生理的状態を示す信号を取得する段階と、前記画像と、前記生理的状態を示すデータとを表示する段階と、を有する。
【0008】
他の一態様によるシステムは、被験者の関心領域の画像と、前記被験者の生理的状態または行動状態のうち少なくとも一方を示すデータとをパッケージ化するデータパッケージャを有し、前記画像は前記被験者をスキャンするのに用いた画像化システムにより生成された画像データにより生成され、前記状態は前記被験者をスキャンする前に取得したものである。
【0009】
他の一態様による方法は、被験者のスキャン前に、前記被験者の生理的状態または行動状態を示す信号を取得する段階と、前記信号に基づいて、前記スキャンの計画スキャンプロトコルを適合または変更する段階と、適合または変更したスキャンプロトコルに基づき、前記被験者をスキャンする段階とを有する。
【0010】
他の一態様による方法は、被験者のスキャン前に、前記被験者の生理的状態または行動状態を示す信号を取得する段階と、前記信号に基づいて、前記被験者の状態におけるトレーサ吸収に対する前記状態の影響を示す補足データを生成する段階と、前記捕捉データとともに前記画像を表示する段階と、を有する。
【0011】
他の一態様による方法は、被験者のスキャン前に、前記被験者の生理的状態または行動状態を示す信号を取得する段階と、前記被験者の状態におけるトレーサ吸収に対して、前記状態の予測される影響を補正する、前記スキャンから求めた画像または画像データの補正を前記信号に基づき生成する段階と、前記補正に基づき、前記画像または画像データを補正する段階とを有する。
【0012】
他の一態様による方法は、プロセッサにより、トレーサ吸収補正ファクタに基づいて目標関心領域のトレーサ吸収値を補正する段階を有する。
【0013】
他の一態様によるシステムは、処理コンポーネントと目標ROIトレーサ吸収補正器を有する。処理コンポーネントは、目標関心領域のトレーサ吸収値を決定する目標ROIトレーサ吸収決定器と、非目標関心領域の同時トレーサ吸収値を決定する非目標ROIトレーサ吸収決定器と、生理的プロセスの同時トレーサ吸収値を決定するプロセストレーサ吸収決定器と、を有する。 前記非目標関心領域の同時トレーサ吸収値、または前記生理的プロセスの同時トレーサ吸収値に基づき、前記目標関心領域のトレーサ吸収値を補正する目標ROIトレーサ吸収補正器とを有する。
【0014】
本発明のさらに別の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解すれば当業者には明らかになるであろう。
【0015】
本発明は、様々なコンポーネントとその構成、及び様々なステップとその構成の形を取る。図面は好ましい実施形態を例示することのみを目的とし、本発明を限定するものと解してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像化システムの一例を示す図である。
【図2】図1の画像化システムの画像化と関連する、生理的状態情報及び/または行動状態情報を用いる方法の一例を示す図である。
【図3】図1の画像化システムで取得したデータで生成した画像とともに、生理的状態情報及び/または行動状態情報を提供する方法の一例を示す図である。
【図4】図1の画像化システムで用いる画像化プロトコルを適合または変更する、生理的状態情報及び/または行動状態情報を用いる方法の一例を示す図である。
【図5】図1の画像化システムで取得した画像データ及び/または画像を補正する、生理的状態情報及び/または行動状態情報を用いる方法の一例を示す図である。
【図6】トレーサ吸収値決定器の一例を示す図である。
【図7】非目標関心領域及び/またはプロセスの同時トレーサ吸収に基づく目標関心領域のトレーサ吸収を補正する方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明は、全体として、機能的または非機能的画像化手順の前及び/または間の、その手順に関連する被験者の生理的状態及び/または行動状態を示す情報の利用に関する。詳細は以下に説明するが、この利用は、かかる情報及び/またはそれに基づく補足情報を、画像データ及び/またはそれに基づき生成された画像とともに提供する段階を含む。追加的、または代替的に、この利用は、生理的状態情報及び/または行動状態情報を利用して、画像化手順のプロトコルを適合または変更する段階を含み得る。追加的、または代替的に、この利用は、生理的状態情報及び/または行動状態情報を利用して、画像データを補正する段階を含み得る。他の実施形態では、生理的状態情報及び/または行動状態情報を代替的に用いてもよい。
【0018】
最初に図1を参照して、システム100はスキャナ102を含む。このスキャナ102は、陽電子放出コンピュータ断層撮影装置(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影装置(SPECT)、磁気共鳴装置(MR)、コンピュータ断層撮影装置(CT)、超音波診断装置(US)その他のスキャナであり得る。説明を簡潔にするため、スキャナ102はPETスキャナであるとして説明する。
【0019】
スキャナ102は、全体として環状に配置されて、長手方向に沿って、検査領域106の回りに配置された、ガンマ放射に感度のある検出器アレイ104を含む。検出器は1つ以上のシンチレーション結晶と、それに対応する光電子増倍管やフォトダイオードなどの光センサとを含む。ガンマ線が当たると結晶が光を出し、その光を光センサが受けて、それを示す信号を発生する。検出器アレイ104が、検査領域106で発生する陽電子消滅イベントのガンマ放射特性を検出する。
【0020】
リストモードで動作するように設定されているとき、この信号を処理して、検出した消滅イベントのリストを生成する。このリストには、イベントの検出時刻、対応する反応線(line-of-response LOR)の位置と方向などの情報を含む。飛行時間(time-of-flight TOF)機能を有する構成の場合、反応線に沿った消滅位置の推定も提供する。PET再構成器110は、好適な再構成アルゴリズムを用いてデータを再構成し、スキャンした対象または被験者における崩壊の分布を示す画像データ及び/または画像を生成する。
【0021】
支持部108は、検査領域106において画像化する人間や動物の患者などである対象または被験者を支持する。支持部108は、システムの動作と調和して長手方向に可動であり、対象または被験者を長手方向の複数の位置でスキャンできる。
【0022】
コンピュータはオペレータコンソール112として機能し、モニタやディスプレイなどの人が読み取れる出力デバイスと、キーボードやマウスなどの1つ以上の入力デバイスとを含む。コンソール112のプロセッサは、ソフトウェアまたはコンピュータ読み取り可能媒体にエンコードされたコンピュータ読み取り可能命令を実行する。これにより、オペレータは、画像化プロトコルの選択及び/または変更、スキャンの開始、中断、及び終了、投影及び/または画像データの視聴及び/または操作などの機能を実行できる。
【0023】
システム100は、1つ以上の生理モニタ116を有する生理的状態モニタリング装置114も含む。好適な生理モニタには、心拍モニタ、血圧モニタ、呼吸モニタ、体温モニタ、湿度モニタ、血糖値モニタなどの生理モニタ、及び/または生理パラメータを示す信号を検出できる加速度計やトランスデューサなどのデバイスが含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
一実施例では、少なくとも1つのモニタ116は、患者が持ち運びできるポータブルモニタである。例えば、少なくとも1つのモニタ116が、リストバンド、取り外し可能な吸着パッチ、腕カフ、指カフ、耳クリップ、ベルト、衣服、患者が身につけるその他のデバイスに組み込むことができる。また、携帯電話、ページャ、(音楽、ビデオなどの)ポータブルメディアプレーヤ、その他のポータブルデバイスに組み込むこともできる。
【0025】
かかるモニタ116は、トレーサ投与の適切な時間(例えば、12時間や24時間)だけ前に被験者に装着できる。トレーサ投与前に、及びスキャナ102でのスキャン中に、かかる情報を取得することができる。もう一つのモニタ116を、壁に取り付け、車輪のついた可動または移動可能デバイスに組み込み、またはテーブルなどの表面に置くこともできる。モニタ116は、ケーブル及び/または(IR、RF、光などの)ワイヤレスメディアを介して、データ通信を行う、通信用ポートなどを含む。
【0026】
システム100は、任意的に、1つ以上の行動モニタ120を有する行動状態モニタリング装置118を含む。かかるモニタは、カメラ、ビデオレコーダ、マイクロホン、動き検知器など、行動を示す信号を検出できるその他の行動モニタやデバイスを含むが、これらに限定されない。一般的に、カメラやビデオレコーダなどは、壁、天井、三脚などに取り付けるか、何かの面上に置く。マイクロホンは、生理的モニタのように被験者の身体に取り付けてもよいし、被験者の近くに配置してもよい。動き検出器も、被験者の身体に取り付けるものであってもなくてもよい。
【0027】
モニタリング装置114、118は、クロック、タイマなども含む。そのため、モニタリング装置114で取得した情報にはタイムスタンプを付すことができる。
【0028】
データパッケージャ122は、生理的状態モニタリング装置114及び/または行動状態モニタリング装置118からの情報に基づき、スキャナ102により生成された画像データまたは画像を、さまざまなパッケージにする。例えば、一例では、データパッケージャ122は、1つ以上の画像に対して、装置114及び/または118から、心拍数、ECG信号、呼吸数、体温などの情報を、スーパーインポーズ、オーバーレイ、注釈、あるいは合成する。
【0029】
付加的または代替的に、データパッケージャ122は、これらの情報を含むメッセージやレポートを生成する。メッセージやレポートは、画像データや画像にリンクされ、または関連付けられた、別のファイルに含めても、(DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)その他の電子送信フォーマットなどの)電子データパック中のフィールドに含めてもよい。追加的、または代替的に、データパッケージャ122は、画像データ及び/または画像の少なくとも一部、及びモニタされた情報やメッセージの少なくとも一部を含む、新しいデータを生成する。
【0030】
追加的、または代替的に、データパッケージャ122は、画像データや画像とともに、補足データをパッケージ化する。補足情報識別器124は、生理的状態モニタリング装置114及び/または行動状態モニタリング装置118からの情報に基づき、好適な補足データを識別して提供する。補足情報バンク126が補足データを格納する。装置114、118からの情報に基づいて、補足情報識別器124は、補足情報バンク126中のメッセージを識別、取得できる。ここで、メッセージは、例えば、「トレーサ吸収期間中、被験者の心拍数が高かった」、「トレーサ投与後、被験者は頻繁に動き回った」、「トレーサ投与前に被験者は糖分を摂取した」などのメッセージである。
【0031】
補足情報バンク126は、装置114、118からの情報やその情報から導き出した情報を、1つ以上のメッセージに変換(map)する1つ以上のルックアップテーブルや規則などを含んでいてもよい。ルックアップテーブルは、現在の被験者に関する履歴データに基づき、及び/または同様のトレーサを投与され、同様の画像化プロトコルでスキャンされた、性別、年齢、体重、身長、人種などが同様の、同様の病歴を有する他の被験者に関する履歴データに基づき、人が作成しても、または(機械学習などにより)自動的または半自動的に作成してもよい。他の例では、装置114、118からの情報に基づいて、かかる情報を求めるコンピュータ実行可能ロジックを設けてもよい。
【0032】
画像データ及び/または画像とパッケージ化、及び/または画像データ及び/または画像と共に利用できるその他の情報には、被験者により提供される情報、及び/または観察された情報が含まれる。例えば、被験者に、感情、生理的状態、行動などに関する様々な質問をして、それから得られた情報を、画像データ及び/または画像とともにパッケージ化、及び/または利用できる。他の一例では、かかる情報は臨床医、家族、及び/または被験者を観察したその他の人により提供されてもよい。また、画像データ及び/または画像とともに、患者の準備と画像化手順に関する情報をパッケージ化してもよい。あるいは、画像データ及び/または画像とは別に、かかる情報を提供する。
【0033】
出力デバイス128は、パッケージ化したデータを提示及び/または転送する。一例では、出力デバイス128はコンピュータディスプレイを含み、パッケージ化されたデータはディスプレイ上に視覚的に提示される。他の一例では、出力デバイス128は、フィルム化器(filmer)、プリンタなどを含む。さらに他の一例では、出力デバイス128は、ケーブルで、または無線で、ネットワークやバスなどによりパッケージ化されたデータを送るデータ通信ポートを含む。さらに他の一例では、出力デバイス128は、ポータルメモリ、及び/またはポータルメモリに書き込めるデバイスを含む。
【0034】
プロトコル分析器130は、計画された画像化プロトコルと、装置114、118からの情報を分析する。かかる分析は、装置114、118からの情報が画像データまたは画像中の情報に影響するかどうか、及び/または以下に影響するかを、選択されたプロトコルに基づいて予測するステップを含み得る。プロトコル分析器130は、これに応じて、プロトコルを好適に適合させる変更を特定し、示唆する。例えば、プロトコル分析器130は、装置114、118からの情報に基づき、スキャンを時間Tだけ遅らせる、またはスキャン時間を延長することをオペレータが検討すべきである旨の通知を、コンソール112に送る。
【0035】
他の一例では、この通知には、追加的または代替的に、代替プロトコルを含んでいてもよい。かかるプロトコルは、パターンマッチング、推論、機械学習などにより決定できる。さらに他の一例では、この通知には、スキャンのキャンセルや計画した手順の見直しをオペレータが検討すべき旨のものであってもよい。かかる情報は、コンソール112などによりユーザに提示される。一例では、コンソール112の入力デバイスによる、変更や代替プロトコルの選択、またはスキャンの停止により、ユーザはプロトコルを変更できる。かかるインターラクション(interaction)は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、コマンドラインインタフェース、その他のインタフェースで行うことができる。
【0036】
データ補正器132は、装置114、118からの情報を利用して、画像データ及び/または画像を補正する。この補正は、補正アルゴリズムバンク134に含まれるアルゴリズムなどの、所定アルゴリズムに基づき得る。かかるアルゴリズムは、履歴データと、生理的及び/または行動データ間の相関と、画像データや画像にある情報に基づくものであってもよい。かかるデータは、スキャンされる被験者に関する情報、及び/または同様のトレーサを投与され、同様の画像化プロトコルでスキャンされ、性別、体重、身長、人種など同様の生物学的特徴を有し、同様の病歴を有するその他の被験者に関する情報のプールに基づき生成できる。他の一例では、装置114、118からの情報に基づいて、かかる情報を求めるコンピュータ実行可能ロジックを設けてもよい。これはシミュレーションなどにより行うこともできる。試行前情報を使うこともできる。
【0037】
上記の非限定的例の場合、画像化手順前及びまたは画像化手順中に、被験者の生理的及び/または行動パラメータを示すフィードバックや情報を用いて、手順の実行を容易にすることができる。これには、画像解釈の容易化、画像化手順プロトコルの適合や変更、画像データや画像の補整の容易化が含まれる。
【0038】
言うまでもなく、他の一実施形態では、データパッケージャ122とそれに対応するコンポーネント124、126、プロトコル分析器130、及び/またはデータ補正器132と補整アルゴリズム134のうち、1つまたは2つは省略することができる。
【0039】
また、データパッケージャ122、補助的データコンポーネント124、126、プロトコル分析器130、データ補正器132、及び/または補正アルゴリズム134は、スキャナ102とは別に、例えば、同じ検査室または異なる検査室の別のシステムの一部として配置されてもよい。あるいは、例えば、コンソール112と接続されたソフトウェア及び/またはハードウェアにより実装され、スキャナ102の一部であってもよい。
【0040】
システム100は、目標関心領域のトレーサ吸収値を決定するトレーサ吸収値決定器136も含む。以下に詳しく説明するように、一例では、トレーサ吸収値決定器136は、非組織及び/またはプロセスによる同時トレーサ吸収に基づき、目標関心領域のトレーサ吸収値を補正する。この同時トレーサ吸収は、画像化データ及び/または非画像化データに基づき決定できる。
【0041】
図2は、機能PET画像化手順に関連してシステム100を用いる方法を示す図である。上記の通り、システム100は、代替的に、異なる画像化モダリティに基づくスキャナを含み、非機能的画像化に利用することもできる。
【0042】
ステップ202において、被験者の機能的PET画像化手順を計画する。
【0043】
ステップ204において、その被験者に好適なモニタを特定する。ここで説明するように、モニタは、スキャンの前後で、被験者の生理的パラメータと行動を決定するように構成されていてもよい。
ステップ206において、検査の所定時間前に、被験者をモニタするため、特定または選択したモニタを、例えば、被験者が身につけているオブジェクトにより被験者に取り付け、または、被験者の近くに配置する。
【0044】
ステップ208において、トレーサ投与前の生理的及び/または行動状態を取得する。この情報は、ベースライン情報または基準情報として用いることができる。定期的な健康診断などで取得した履歴情報をベースライン情報または基準情報として用いることもできる。
【0045】
ステップ210において、トレーサを投与する。この例では、トレーサはFDGである。その他の好適なPETトレーサとしては、FLT(fluoro thymidine)、FET(fluoroethyltyrosine)、FMISO(fluoromisonidazole)、O15−H20、FAZA(fluoroazomycinarabinofuranoside)などがあるが、これらに限定されない。他の画像化モダリティを用いる場合、そのモダリティに適したトレーサを投与する。
【0046】
ステップ212において、スキャンへの備え方について被験者に指示する。これには、被験者に、避けなければならない動き、や、食事及び/または飲み物に関する制限などを知らせる段階を含む。
【0047】
ステップ214において、モニタを用いて、トレーサ投与後の生理的及び/または行動状態を取得する。
【0048】
ステップ216において、前後の生理的状態及び/または行動状態を用いて、可能性のある画像化プロトコルの適合及び/またはもしあれば代替案を特定する。これは、以下に図4を参照して、より詳しく説明する。このステップは省略してもよい。
【0049】
ステップ218において、被験者をスキャンして、画像データ及び/または画像を生成する。
【0050】
ステップ220において、生理的状態及び/または行動状態を利用して、スキャンデータやそれから得られた画像データ及び/または画像を補正する。これは、以下に図5を参照して、より詳しく説明する。このステップは省略してもよい。
【0051】
ステップ222において、生理的状態及び/または行動状態、それから求めた情報、被験者の行動を観察して得た情報、被験者からの質問に対する回答などを、レビューのため、画像データ及び/または画像とともに提供する。これは、以下に図3を参照して、より詳しく説明する。
【0052】
図3は、画像データ及び/または画像とともに情報を提供する方法を示す図である。
【0053】
ステップ302において、画像データ及び/または画像を取得する。かかる情報は、スキャナ102やデータリポジトリなどから得られる。
【0054】
ステップ304において、生理的状態及び/または行動状態の情報を取得する。かかる情報は、生理的状態装置114、行動状態装置118、データリポジトリなどから得られる。
【0055】
ステップ306において、画像データ及び/または画像と、生理的状態及び/または行動状態の情報とを共に提示するか決定する。
【0056】
共に提示する場合、ステップ308において、生理的状態及び/または行動状態の情報と、画像データ及び/または画像を合成する。これは、データをスーパーインポーズ、オーバーレイ、注釈することにより行える。例えば、元の画像と、トレーサ投与前すなわちベースラインECG信号または心拍数値と、トレーサ投与後のECG信号または心拍数値を含む画像を生成してもよい。画像を解釈する臨床医は、その画像を解釈するときに、トレーサ投与前後のECG信号または心拍数値を用いるかも知れない。
【0057】
ステップ310において、生理的状態及び/または行動状態の情報に基づいて補足データを生成すべきか決定する。生成すべきでないと決定した場合、補足情報は生成されない。
【0058】
生成すべきと決定した場合、ステップ312において、生理的状態及び/または行動状態の情報に基づいて補足データを生成する。ここで説明するように、これには、画像データ及び/または画像とともに提供または表示する好適なメッセージを特定または求めることを含み得る。例えば、被験者がトレーサ投与後に歩き回っていたことが観察された場合、そのメッセージは「被験者はトレーサ投与後歩き回っていた」というものになる。
【0059】
ステップ314において、メッセージを、画像データ及び/または画像とともに提供される。これには、このメッセージを含む別のファイルを提供すること、及び/またはこのメッセージを画像データ及び/または画像と合成することを含む。
【0060】
ステップ306において、画像データ及び/または画像と、生理的状態及び/または行動状態の情報とを合成しないと決定した場合、ステップ312と314を実行する。
【0061】
図4は、モニタした生理的状態及び/または行動状態を用いて、画像化プロトコルを適合または変更する方法を示す。
【0062】
ステップ402において、計画された画像化プロトコルを取得する。かかる情報は、コンソール112などにより提供できる。
【0063】
ステップ404において、生理的状態及び/または行動状態の情報を取得する。かかる情報は、生理的状態装置114、行動状態装置118、データリポジトリなどから得られる。
【0064】
ステップ406において、計画された画像化プロトコルを考慮しつつ、生理的状態及び/または行動状態の情報を分析する。
【0065】
ステップ408において、プロトコルの適合、及び/または1つ以上の代替的プロトコルを特定する。上記の通り、これには、スキャンまでの時間を延ばすことや、スキャン時間を延ばすことが含まれ得る。
【0066】
ステップ410において、特定したプロトコルの適合、及び/または1つ以上の代替的プロトコルを、使用/選択のために提示する。
【0067】
ステップ412において、提示した適合または代替案が選択されたか決定する。
【0068】
選択された場合、ステップ414において、その適合または代替案に基づいてスキャンを行う。
【0069】
選択されない場合、ステップ416において、計画したプロトコルを使用する。
【0070】
図5は、モニタした生理的状態及び/または行動状態を用いて、画像データ及び/または画像を補正する方法を示す。
【0071】
ステップ502において、画像データ及び/または画像を取得する。かかる情報は、スキャナ102やデータリポジトリなどから得られる。
【0072】
ステップ504において、生理的状態及び/または行動状態の情報を取得する。かかる情報は、生理的状態装置114、行動状態装置118、データリポジトリなどから得られる。
【0073】
ステップ506において、生理的状態及び/または行動状態の情報を分析する。
【0074】
ステップ508において、状態情報の分析に基づいて予期した効果を特定する。ここで説明するように、これは履歴データ、シミュレーションデータ、試行前データ、その他のデータに基づき行い得る。
【0075】
ステップ510において、予期した効果に基づく補正を取得する。ここに説明するように、補正は所定のアルゴリズム、及び/または機械学習その他の方法を用いて求めたアルゴリズムに基づく。
【0076】
ステップ512において、画像データ及び/または画像を補正する。
【0077】
図6は、トレーサ吸収値決定器136の一例を示す図である。セグメンタ602は、画像データ(PET、SPECT、MRI、CT、US、及び/または画像化データなど)の1つ以上の関心領域(ROI)へのセグメント化を行う。画像化データがマルチモダリティ情報を含む場合、画像化をレジスタ(register)するか、相関させる。1つ以上のROIは、脳、肝臓、腎臓、肺、膀胱などの人体構造上の組織の全体または一部を表す。
【0078】
一実施形態では、ユーザは、コンソールのグラフィカルユーザインタフェースやディスプレイに表示されたウェブアプリケーションなどのインタフェースにより、セグメンタ602とインターラクトする。この実施形態では、ユーザは、目標組織及び/またはその他の関心組織を含むがこれには限定されない、1つ以上の関心領域を特定する入力を与える。入力はマウス、ポインタ、キーボード、その他のデバイスにより与えられる。
【0079】
一例では、入力は関心領域の周囲を特定する。さらに他の一例では、入力がその周囲の一部を特定し、セグメンタ602がその周囲の残り部分を決定する。さらに別の一例では、入力が関心組織(例えば、脳)を特定し、セグメンタ602がその特定された関心組織に対応する画像データ中の関心領域を特定する。そのような好適なアルゴリズムとしては、メッシュアルゴリズム、グローイング(growing)アルゴリズム、その他がある。
【0080】
セグメンタ602が自動的にROIを特定する場合、入力は、関心組織(tissue of interest)を特定するしるし(indicia)と、自動的に決定されたROIを確認および拒絶する確認情報とを含み得る。また、言うまでもなく、ユーザはセグメンタ602が画定した関心領域を、サイズを大きくしたり小さくしたり、形状を変更したりして、修正できる。
【0081】
処理コンポーネント604は、目標ROIトレーサ吸収決定器606、非目標ROIトレーサ吸収決定器60610、及び生理的プロセストレーサ吸収決定器612を含む。これらのコンポーネントは、画像化データ及び/または非画像化データに基づき、トレーサ吸収値を決定できる。画像化データは、セグメンタ602からのセグメント化された、または部分的にセグメント化されたデータ、及び/またはデータリポジトリからの画像化データを含み得る。非画像化データは、実験データ、身体状態、身体活動、生命徴候、その他の情報を含み、これらはデータリポジトリまたはその他のデバイスから取得、または臨床医が入力できる。
【0082】
非限定的な例として、画像保管通信システム(PACS)からの画像化データを、(医用におけるデジタル画像と通信(DICOM)その他のフォーマットにより)処理コンポーネント604に転送して、トレーサ吸収値を決定することができる。他の一例では、ラボラトリ情報システム(LIS)からの非画像化データ(例えば、血液成分やグルコースレベルなど)、及び/またはその他の非画像化データ(例えば、生命徴候、患者の活動など)を取得して、処理コンポーネント604で利用できる。その他の有用なデータリポジトリには、放射線医学情報システム(RIS)、病院情報システム(HIS)などがあるが、これらに限定されない。
【0083】
他の好適な非画像化情報には生物学的マーカがある。例えば、画像化(imaging studies)前にアルコールやカロリーの高い食事をしたことなどの食物に関する情報は、肝機能を表すGPT(Glutamic-Pyruvic Transaminase)、GOT(Glutamic-Oxaloacetic Transaminase)、γGT(GGT、Gamma-GT)、腎臓機能を表すクレアチニン(creatinine)、インシュリン、グルコース、血中アルコールなどの生物学的マーカに表れる。トレーサによっては、別のマーカも関係してくる。例えば、FMISO、低酸素トレーサ(hypoxia tracer)の場合、動脈血酸素飽和度がマーカとなる。HED、弱体化トレーサ(enervation tracer)の場合、処方状態(drug status)(β遮断薬)がマーカである。
【0084】
目標ROIトレーサ吸収決定器606は、少なくとも、特定した目標組織に対応するセグメント化した画像化データに基づいて、その目標組織のトレーサ吸収値を決定する。画像化データにおいて関心領域の一部のみをキャプチャする場合、その関心領域のトレーサ吸収値の決定は、モデルによりその関心領域の体積を推定すること、および推定した体積に、画像部分のトレーサ吸収値を外挿することにより行うことができる。このようなモデルはモデルバンク608に格納されている。
【0085】
非目標ROIトレーサ吸収決定器610は、目標組織以外の組織に対応するセグメント化関心領域のトレーサ吸収値を決定する。これらの領域は、追加的または代替的にその他の領域を含むかも知れないが、トレーサ吸収が比較的大きい領域、及び/または体積が大きい領域を含み得る。上記と同様に、画像化データが組織の一部のみを表している場合、モデルやその他のアルゴリズムを利用して、関心領域の体積を推定し、その部分と推定した体積に対する徒レーザ吸収値に基づいてトレーサ吸収を決定できる。
【0086】
トレーサを消費する筋肉などの組織では、一般的には、人体中のその組織全体をスキャンすることはない。かかる場合、モデルバンク608に格納された人口平均モデルから、ルックアップテーブル(LUT)及び/または数学的関数により、筋肉の体積を推定してもよい。このため、体重、サイズ、身長、幅、回旋(circumflex)などの患者情報を評価して、筋肉の体積の推定に用いることができる。トレーサ吸収は人体の部分によって異なるので、トレーサ吸収の決定に用いる様々なファクタは重み付けしてもよい。
【0087】
他の一例では、筋肉の所定数の部分領域(sub-regions)のトレーサ吸収値を決定できる。筋肉の他の部分領域のトレーサ吸収値を、このデータから決定して、足し合わせ、筋肉のトレーサ吸収値を生成する。他の一例では、筋肉のトレーサ吸収値は、所定の部分領域(sub-regions)のトレーサ吸収値を外挿して決定できる。さらに他の一例では、部分領域のトレーサ吸収値から平均値を決定し、その平均値を筋肉のトレーサ吸収値として用いること、またはその平均値を用いて筋肉のトレーサ吸収値を決定することができる。再び、人体の部分により吸収が異なることを考慮するため、データを重み付けしてもよい。
【0088】
生理的プロセストレーサ吸収決定器612は、生理的プロセスのトレーサ吸収値を決定する。かかるシステムの例は排尿である。かかるプロセスの場合、画像化プロトコルにおいて、画質を劣化させる膀胱へのトレーサの蓄積を考慮できる。例えば、一例では、プロトコルとして、被験者にスキャン前に排尿させてもよい。排尿により失われるトレーサ量を推定するため、尿の容量及び/または重量を測定または推定する。一例では、これは、被験者に容器内に排尿させ、その容器の重さを測定することを含む。他の一例では、排尿前後の被験者の体重を測り、排尿量を決定する。いずれの場合にも、セグメント化された膀胱の平均活動から、排尿した尿の活動を推定する。
【0089】
トレーサ吸収補正器614は、目標ROIトレーサ吸収決定器606が生成したトレーサ吸収値を補正する。例示した実施形態では、トレーサ吸収補正器614は、このトレーサ吸収値を、他の組織及び/またはプロセスの同時トレーサ吸収値などの補正ファクタに基づき補正する。同時トレーサ吸収は、非目標ROIトレーサ吸収決定器610及び/またはプロセストレーサ吸収決定器612により決定できる。一般的に、同時トレーサ吸収は、目標組織において吸収できるトレーサ量を減らす非目標組織及び/またはプロセスによるトレーサ吸収を指す。
【0090】
一例では、トレーサ吸収補正器614は、目標ROIトレーサ吸収値から、非目標セグメント化組織やプロセスなどの個々の同時トレーサ吸収値(またはその和)を差し引くことなどにより、数学的関数によりトレーサ吸収値を補正する。この減算は重み付けしてもしなくてもよい。この補正は、目標トレーサ吸収値、他の組織及び/またはプロセスの同時トレーサ吸収値、注入したトレーサの活動、関連するマーカのレベル、その他の情報に基づいて、トレーサ吸収値を規格化するステップを含み得る。
【0091】
記憶コンポーネント616は、コンピュータ読み取り可能記憶部を含み、これはトレーサ吸収値及び/または補正したトレーサ吸収値を格納できる。記憶コンポーネント616には、ローカル及び/またはリモートの、非ポータブル及び/またはポータブルのメモリが含まれ得る。プレゼンテーションコンポーネント618は、トレーサ吸収値及び/または補正したトレーサ吸収値を提示し、及び/またはそれに対応する画像化データ及び/または非画像化データを提示する。かかる情報は、測定した及び/または補正したトレーサ吸収値を示す、テーブル、グラフ、グラフィックスなどの形式で、さまざまに提示できる。情報は紙やその他の有体媒体に印刷することもできる。
【0092】
言うまでもなく、トレーサ吸収決定器136(及びそのコンポーネント)は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に格納されたコンピュータ読み取り可能命令を実行する、コンピュータプロセッサにより実施してもよい。図1に示したように、一例では、トレーサ吸収決定器136は、スキャナ102とは離れた、通信可能な計算装置により実施する。他の一例では、トレーサ吸収決定器136は、スキャナ102のコンソール112により実施する。
【0093】
図7は、目標関心領域のトレーサ吸収値を補正する方法を示す。
【0094】
ステップ702において、患者にトレーサを投与する。
【0095】
ステップ704において、灌流スキャンを実行する。灌流スキャンによりトレーサの吸収と放出(wash out)をキャプチャする。
【0096】
ステップ706において、スキャンにより求めた画像化データを処理して、目標関心領域のトレーサ吸収値を決定する。トレーサ吸収値の決定のため、モデル及び/または非画像化データを用いることもできる。
【0097】
ステップ708において、目標関心領域のトレーサ吸収値の補正ファクタ(factor)を生成する。ここに説明するように、一例では、
これは、画像化データ及び/または非画像化データを処理して、非目標関心領域及び/またはプロセスの同時トレーサ吸収値を決定するステップを含む。
一般的に、同時トレーサ吸収は、目標組織において吸収できるトレーサ量を減らす非目標組織及び/またはプロセスによるトレーサ吸収を指す。モデルを用いてトレーサ吸収値を決定してもよい。
【0098】
ステップ710において、関心領域のトレーサ吸収値を、補正ファクタに基づいて補正する。ここに記したように、これは、関心領域のトレーサ吸収値から、同時トレーサ吸収値を差し引くステップ、及び/またはデータを処理して規格化するステップを含み得る。
【0099】
上記は、コンピュータプロセッサで実行されると、そのプロセッサに上記の技術(techniques)を実行させるコンピュータ読み取り可能命令により実施できる。かかる場合、この命令を、コンピュータに付随する、またはアクセスできるコンピュータ読み取り可能記憶媒体に格納できる。
【0100】
言うまでもなく、一実施形態では、トレーサ吸収値決定器136を図1の構成から取り除くことができる。他の実施形態では、コンポーネント114−118を図1の構成から取り除くことができる。
【0101】
本発明を様々な実施形態を参照して説明した。詳細な説明を読めば、修正案や代替案に想到するかも知れない。本発明は、添付した請求項とその均等の範囲内に入るこのような修正案及び代替案をすべて含むものと解釈しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者のスキャンに用いる画像化システムにより生成された画像データにより、前記被験者の関心領域の画像を取得する段階と、
前記スキャン前に前記被験者の生理的状態を示す信号を取得する段階と、
前記画像と、前記生理的状態を示すデータとを表示する段階と、を有する方法。
【請求項2】
前記画像に前記生理的状態を注釈する段階をさらに有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生理的状態は、心拍数、呼吸数、体温、グルコースレベルのうちの1つである、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記信号に基づいて補足データを生成する段階と、
前記画像とともに前記捕捉データを表示する段階と、をさらに有する、
請求項1ないし3いずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記捕捉データは、ベースライン値に対する、所定閾値より大きい、前記生理的状態の値の変化を示すメッセージを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記画像に前記捕捉データをオーバーレイする段階をさらに有する、
請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記画像はトレーサ吸収を示す情報を含む、
請求項1ないし6いずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
トレーサ吸収を示す情報に基づき、目標関心領域のトレーサ吸収値を決定する段階と、
トレーサ吸収補正ファクタを決定する段階と、
前記トレーサ吸収補正ファクタに基づいて前記目標関心領域のトレーサ吸収値を補正する段階と、をさらに有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
生理的状態を示す信号に基づき、前記スキャンの計画スキャンプロトコルを適合または変更する段階をさらに有する、
請求項1ないし8いずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
生理的状態を示す信号に基づいて、前記画像または画像データの補正を生成する段階と、
前記補正に基づき、前記画像または画像データを補正する段階とをさらに有する、
請求項1ないし9いずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記補正は、前記画像データまたは画像に対する、前記生理的状態の期待効果に基づく、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スキャン前に前記被験者の行動状態を示す第2の信号を取得する段階と、
前記行動状態を示す第2のデータを前記画像と表示する段階とをさらに有する、
請求項1ないし11いずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
被験者の関心領域の画像と、前記被験者の生理的状態または行動状態のうち少なくとも一方を示すデータとをパッケージ化するデータパッケージャを有し、前記画像は前記被験者をスキャンするのに用いた画像化システムにより生成された画像データにより生成され、前記状態は前記被験者をスキャンする前に取得したものである、システム。
【請求項14】
前記データパッケージャは、前記画像に、前記被験者の前記状態を示すデータをオーバーレイする、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記被験者の生理的状態を決定する生理モニタを含む生理的状態モニタリング装置をさらに有する、
請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
前記被験者の行動状態を決定する行動モニタを含む行動状態モニタリング装置を更に有する、
請求項13ないし15いずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記状態に基づいて補足情報を特定する補足情報特定器をさらに有し、前記データパッケージャは前記補足情報を前記画像とパッケージ化する、
請求項13ないし16いずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記捕捉情報特定器は、前記状態を、補足情報バンクの所定情報に変換することにより、前記補足情報を特定する、
請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記スキャンのスキャンプロトコルに対する修正、または前記計画スキャンプロトコルと前記状態とに基づき前記スキャンの代替スキャンプロトコルを決定するプロトコル分析器を更に有する、
請求項13ないし18いずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
計画プロトコルと前記状態とに基づいて画像または画像データの補正を決定し、前記補正に基づいて前記画像または画像データを補正する段階をさらに有する、
請求項13ないし19いずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記生理的状態または行動状態は、トレーサ投与後、前記スキャン前に取得した状態情報を含む、
請求項13ないし20いずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記生理的状態または行動状態は、前記被験者にトレーサ投与前に取得した状態情報を含む、
請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
被験者のスキャン前に、前記被験者の生理的状態または行動状態を示す信号を取得する段階と、
前記信号に基づいて、前記スキャンの計画スキャンプロトコルを適合または変更する段階と、
適合または変更したスキャンプロトコルに基づき、前記被験者をスキャンする段階と、を有する方法。
【請求項24】
被験者のスキャン前に、前記被験者の生理的状態または行動状態を示す信号を取得する段階と、
前記信号に基づいて、前記被験者の状態におけるトレーサ吸収に対する前記状態の影響を示す補足データを生成する段階と、
前記捕捉データとともに前記画像を表示する段階と、を有する方法。
【請求項25】
被験者のスキャン前に、前記被験者の生理的状態または行動状態を示す信号を取得する段階と、
前記被験者の状態におけるトレーサ吸収に対して、前記状態の予測される影響を補正する、前記スキャンから求めた画像または画像データの補正を前記信号に基づき生成する段階と、
前記補正に基づき、前記画像または画像データを補正する段階と、を有する方法。
【請求項26】
プロセッサにより、トレーサ吸収補正ファクタに基づいて目標関心領域のトレーサ吸収値を補正する段階を有する方法。
【請求項27】
非目標関心領域の同時トレーサ吸収値を決定する段階と、
前記非目標関心領域の前記同時トレーサ吸収値に基づき、前記補正ファクタを生成する段階と、をさらに有する、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
生理的プロセスの同時トレーサ吸収値を決定する段階と、
前記生理的プロセスの前記同時トレーサ吸収値に基づき、前記補正ファクタを生成する段階とをさらに有する、
請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
画像化データ及び/または非画像化データに基づき、前記同時トレーサ吸収値を決定する段階をさらに有する、
請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記非目標関心領域の一部の測定トレーサ吸収値を前記非目標関心領域の推定体積に外挿して、前記非目標関心領域の同時トレーサ吸収値を決定する段階をさらに有する、
請求項26ないし29いずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記非目標関心領域の一部を、前記非目標関心領域の人体構造モデルとレジストレーションすることにより、前記非目標関心領域の体積を推定する段階をさらに有する、
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
目標関心領域のトレーサ吸収値を決定する目標ROIトレーサ吸収決定器と、
非目標関心領域の同時トレーサ吸収値を決定する非目標ROIトレーサ吸収決定器と、
生理的プロセスの同時トレーサ吸収値を決定するプロセストレーサ吸収決定器と、を有する処理コンポーネントと、
前記非目標関心領域の同時トレーサ吸収値、または前記生理的プロセスの同時トレーサ吸収値に基づき、前記目標関心領域のトレーサ吸収値を補正する目標ROIトレーサ吸収補正器と、を有するシステム。
【請求項33】
前記補正器は、前記目標関心領域のトレーサ吸収値から前記同時トレーサ吸収値を差し引いて、前記目標関心領域の補正トレーサ吸収値を決定する、
請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記目標ROIトレーサ吸収決定器は、前記目標関心領域の一部の測定トレーサ吸収値と、前記目標関心領域の推定体積とに基づいて、前記目標関心領域のトレーサ吸収値を決定する、
請求項32または33に記載のシステム。
【請求項35】
前記推定体積は、人体構造人口平均モデルまたは数学関数のうち一方に基づく、
請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記処理コンポーネントは、画像化データと非画像化データとに基づきトレーサ吸収値を決定する、
請求項32ないし35いずれか一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−520717(P2012−520717A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500336(P2012−500336)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050579
【国際公開番号】WO2010/106449
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】