説明

機能的な駆動素子を備える投与装置

本発明は、流体製品を投与するための装置に関し、a)ハウジング(1)、b)流体製品または流体製品のための容器(4)のための収容部材(2)を有し、収容部材(2)は、初期位置から挿入された位置まで、ハウジングに対してハウジングの長手方向軸に沿って導入される。投与装置は、ハウジング(1)内に位置する駆動部材(3)を有し、駆動部材(3)は、流体製品を収容部材および/または容器から射出されるために、収容部材(2)に対して移動可能であり、駆動部材(3)は、少なくとも1つの保持素子(6)を有し、保持素子は駆動部材(3)を収容部材(2)のハウジングに対する初期位置に保持し、収容部材を挿入することにより、保持素子(6)は、保持位置から解放位置へ移動され、解放位置において、駆動部材(3)はハウジング(1)に対して移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体製品を投与するための装置に関し、またその装置を準備する方法に関する。特に、本発明は、流体製品を準備し投与するための工程を制御するための制御手段を有する2チャンバ容器から有効薬剤を投与するために装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において多数の投与装置が知られており、これを用いて、液体または流体薬剤あるいは他の流体製品が、たとえばガラスカープルのような容器から単純な方法で投与される。製品容器は投与装置に挿入され、ここで、製品を投与するためのたとえばピストンロッドのような駆動部材または駆動素子が容器内のストッパに接続されている。投与装置の容器に対する駆動部材の運動は、容器内のストッパを前進させ、薬剤が容器に接続された注射針を通って出射される。このような投与装置の使用は、装置が1回使われることを想定している、すなわち、容器が空になったら投与装置は容器とともに捨てられて容器の交換が必要ない、という事実により容易になっている。また、単純な使用のため、薬剤を出射するための前進運動の長さは、構造的な手段により予め決定され、特に使用者により設定される必要がないことが一般的である。さらに、別個の空気抜きステップが提供される装置が知られており、これにより、有効薬剤を投与する前に容器内に存在しうる空気の量を容器から取り除く。最後に、2チャンバカープルから流体製品を投与するのに特化した投与装置がある。このような2チャンバカープルにおいて、使用直前に流体製品を混合することが必要である。これは有効薬剤がたとえば固体の形態で第1チャンバ内に提供され、この有効薬剤に対応する溶媒が第2チャンバに提供されるからである。流体製品を混合するために、カープル内のストッパを前進させることにより2つのチャンバ間の流体接続が確立され、溶媒が固体有効薬剤のチャンバに入ることができる。このような2チャンバカープルの使用および混合方法は、たとえば欧州特許第098067号から知ることができる。
【0003】
予め充填されたシリンジが欧州特許第0911046号(EP0911046B1)において知られており、これは、2チャンバ容器内で製品を混合するための停止手段を有するピストンロッドを有し、ここで、製品が混合されるとき、この工程は停止手段により制御される。この目的のため、停止手段は、ピストンロッドから側方に突き出し、ピストンロッドがスライドするとき容器のリムに対して突き出した部分が当接し、ピストンロッドの運動を停止させる。バイパスを介して溶媒が有効薬剤のチャンバに入り、製品が混合される。ピストンロッドをさらにスライドさせると、停止手段はピストンロッドの軸に向かい、ピストンロッド内のキャビティ内に入り、ピストンロッドは容器内にさらにスライドできる。ピストンロッドをスライドさせ続けると、製品が容器から投与されることを可能にする。
【0004】
類似の装置が欧州特許0793973号(EP0793973A2)において知られている。この二重チャンバシリンジの実施形態において、ピストンロッドの円周は1つ以上の突起部を備え、これらはピストンロッドのシリンジ容器内への前進運動を一時的に中断させる。この中断は、溶媒がバイパスを通じて有効薬剤チャンバに入り混合手順が完了したことを示すために機能する。さらにピストンロッドをスライドさると、突起からの抵抗を克服し、製品をシリンジから投与することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、装置を準備の工程および投与の手順を簡略化し且つ統合し、装置の誤使用を排除し、また、いくつかの部品のみからなり且つ製造コストの低い、流体製品を投与するための装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、装置を簡略化し、また、2チャンバ容器から流体製品を投与することを確保することである。
【0007】
本発明の他の目的は、投与装置の扱いを簡単にし、間違うことなく使用されることを保証する、投与装置の準備のための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による流体製品を投与するための装置は、ハウジングを有し、この中に、流体製品のための収容部材および/または流体製品の容器が挿入される。駆動部材がハウジングに取り付けられ、流体製品を出射するために、駆動部材は収容部材に対して移動できる。ハウジングはキャビティの形状に形成することができ、また、1つ以上の素子から形成することができる。流体製品のための収容部材は、たとえば2チャンバカープルのような製品容器のためのホルダとして形成できる。好ましくは、収容部材は製品容器を囲み、また、遠位領域に注射針の取付けのための凹部を備え、注射針は、製品容器の内側への流体接続を確立する。収容部材の近位端において、収容部材は、ハウジングに接続されまたはハウジングに挿入される。収容部材は、ハウジングに対してハウジングの長手方向軸に沿って初期位置から挿入位置まで移動することができ、収容部材は、完全にまたは部分的にハウジングの内部に挿入される。収容部材をハウジングに挿入するため、およびハウジングに対する収容部材の運動を案内するための案内手段が提供される。これに関し、たとえば溝またはフルートがハウジング上に提供され、溝内を移動する対応する突起部またはカムが他の素子上に提供される。案内手段は、好ましくはネジ案内により提供される。これに関し、ハウジングの内側領域上に内ネジが備えられ、収容部材の外側上に外ネジが提供され、外ネジはハウジングの内ネジ内を案内される。
【0009】
従って、収容部材をハウジングへ挿入するための挿入運動は、ハウジングと収容部材とのらせん運動により、ハウジングの長手方向軸に沿って近位方向に行われる。互いに対する並進運動の部分のスピードは、ネジのピッチにより設定できる。
【0010】
ハウジング内に取り付けられた駆動部材は、流体製品を流体製品容器から出射するように機能し、すなわち容器内のストッパを遠位方向に前進させるように機能する。これに関し、駆動部材は、ハウジングに対して遠位方向に移動することができる。駆動部材は、たとえばピストンロッドにより形成できる。投与装置が、製品を投与する準備ができている位置にあるときは、ピストンロッドは、ハウジングから近位端において突き出し、容器内のストッパのための前進運動が、ピストンロッドのハウジングの遠位方向へのスライドにより発生させられ、ここで、ピストンロッドは手動でスライドさせることができる。しかし、駆動部材を前進させるために駆動部材上に力を付与する、たとえばバネのような付力素子により、自動出射を提供することも可能である。
【0011】
本発明によれば、駆動部材は制御手段を有し、これを用いて投与装置を扱うときの工程、すなわち、混合、空気抜き、投与、注入、装置のブロックの連続的な順序を制御できる。制御手段は、個別ステップのシーケンスを機械的に制御する機能的な駆動部材により形成される。これに関し、駆動部材は少なくとも1つの保持素子を備える。保持素子は、駆動部材をハウジングに対して収容部材とハウジングとの間で初期位置に保持する。保持位置において、駆動部材は、ハウジングに対して近位方向にハウジングの長手方向軸に沿って移動できない。保持位置において、また、駆動部材はハウジングに取り付けられ、ハウジングに対する遠位方向への移動も防止される。これに関し、駆動部材上に当接部を提供することができ、また、ハウジング上またはハウジングに対して固定された一部に、対応する当接部を提供することができ、これは、駆動部材のハウジング内での遠位方向の運動を防止する。それゆえ保持位置において、駆動部材は、好ましくはハウジングに対する遠位方向の運動、およびハウジングに対する近位方向への運動の両方が妨害され、すなわち有効な接続が存在し、保持素子がハウジングに対して固定され、つまり移動できない。
【0012】
本発明によれば、収容部材を挿入することにより、駆動部材はハウジングに対して解放される。収容部材とハウジングとの間の相対的な運動は、駆動部材とハウジングおよび/またはハウジングに対して固定された装置の素子との間の有効な接続を解放する。この解放位置において、駆動部材は、ハウジングに対して投与位置と言及される位置まで近位方向に移動することができる。それゆえ、駆動部材をハウジングに対して運動させることが可能であり、ハウジングに対して遠位方向に投与ストロークを実行できる。
【0013】
保持素子は、駆動部材を保持するためにハウジングに連結される。これは、保持素子とハウジングとの間の直接的な接触により達成でき、または、投与素子内のハウジングに対して固定される中間素子を介在させて達成できる。駆動部材を保持位置から解放するために、駆動部材は、ハウジングからまたはハウジングに対して固定された部品から脱連結される。保持位置は、たとえば、軸方向当接部に当接するハウジングに対して固定された保持素子により解放でき、また、ハウジング、保持素子、そして駆動素子の長手方向軸に沿った軸方向運動を防止する。
【0014】
好ましい実施形態において、駆動部材の保持素子は、駆動部材から半径方向に突出する少なくとも1つの可撓性連続体から形成される。可撓性連続体は、たとえば、アームまたはブレースとして形成でき、これは保持素子と一体的な部品とすることができ、または保持素子に取り付けることができる。従って、保持素子は、駆動部材から半径方向に突き出すが、可撓性により駆動部材に対して運動することができる。しかし、保持素子は、駆動部材に対する基本位置から保持素子を曲げるために、張力が必要とされる程度に十分な硬さを備える。可撓性連続体は、それゆえ、保持素子上に配置されたバネ弾性体である。力を付与することにより、保持素子および/または連続体が駆動部材に対して運動することを可能にし、好ましくは、駆動部材の軸に向かって半径方向に運動することを可能にする。好ましい実施形態において、可撓性連続体は、保持素子から実質的に収容部材の挿入運動の方向に突き出す。たとえば、これは、小アームにより提供することができ、この小アームはフォークの形状に広がり、駆動部材上に近位端で固定され、駆動部材から近位端において突き出す。保持位置において、小アームの近位端は、ハウジングに対して固定された当接部に当接し、または、エッジに当接し、駆動部材の近位方向への運動を防止する。
【0015】
保持位置を解放するために、および/または、保持係合または有効な接続を解放するために、収容部材は保持素子に係合し、挿入されて、保持素子を解放位置に移動させる。保持素子が小アームの形態で可撓性連続体として形成され、小アームが駆動部材から広がる場合、収容部材は、たとえば、ハウジングへの挿入運動の間、小アーム状をスライドすることができ、小アーム上に半径方向内側に作用する力を付与する。保持素子が、保持位置から出るように運動し、駆動部材はそれゆえ近位方向への運動のために解放される。
【0016】
一実施形態において、流体製品を投与するための装置は、2チャンバ容器の形態の製品容器を有する。2チャンバ容器は、従来技術において知られているように、有効薬剤のための第1チャンバを有し、第1チャンバは第1ストッパにより制限され、2チャンバ容器はまた溶媒のための第2チャンバを有し、第2チャンバは第1ストッパおよび第2ストッパにより制限される。これらのチャンバは、有効薬剤および溶媒を混合するために、ストッパを移動させることにより、容器の壁内のバイパス部により接続できる。本発明によれば、保持素子は、保持位置において、収容部材が挿入されるときに、駆動部材が第2ストッパに当接するように形成され、挿入中に収容部材が第2ストッパを収容部材に対して収容部材が混合位置に至るまで移動させ、混合位置で有効薬剤は溶媒に混合される。混合に続いて、製品容器は好ましくは、製品が投与される前に、容器内に残っている空気を容器から除くために空気抜きされる。このような空気抜き手順は、もちろん1チャンバ容器においても実行する必要があるかもしれない。これに関し、収容部材がさらに混合位置からハウジング内に近位方向に挿入され、または、1チャンバ容器の場合、初期位置からハウジング内に近位方向に挿入され、空気抜き位置に至り、ここで容器内のストッパは、遠位方向にされあに移動させられる。空気抜きのために、針ユニットを収容部材に取り付けることが必要であり、ここでこの針ユニットは、ストッパが移動したときに空気が容器から針を通って逃げることができるように、容器と外部環境との間の接続を確立する。
【0017】
本発明によると、駆動部材は、2チャンバ容器において混合手順が、また好ましくは空気抜き手順が完了するまで、ハウジングに対して保持位置を維持する。混合手順および空気抜き手順は、好ましくは、収容部材を、ハウジング内のネジ案内部に沿って回転させることにより実行される。混合手順の時または空気抜き手順の時において、すなわち収容部材がハウジング内に十分にネジ入れられたらすぐに、ハウジング上のまたはハウジングに対して固定された部品上の保持素子の手段により駆動部材上のブロックを取り除くことにより、駆動部材の保持位置は好ましくは同時に解放される。収容部材は、その後、挿入位置にあり、この位置では、ハウジング内へさらなるねじ込みは必要なく、またはねじ込みすることができない。また、保持位置を解放するために、収容部材をハウジング内へさらに混合位置または空気抜き位置を越えて、解放位置に到達するまでわずかに挿入することも可能である。
【0018】
本発明の一実施形態において、駆動部材は、保持位置において、ハウジング内に取り付けられ、駆動ボタンとして形成できる駆動部材の近位端がハウジング内で静置する。駆動部材は、それゆえ、投与装置のこの位置において、収容部材および/または2チャンバ容器が挿入される前に、そして好ましくは空気抜き手順または混合手順の前に、使用者による干渉から保護される。流体製品を投与するために投与装置を操作することはできない。駆動部材上の駆動ボタンは、好ましくは、ハウジングの近位端と面一になる。駆動部材および/または駆動ボタンは、収容部材が空気抜きのためまたは容器を混合するために挿入される間、初期位置を維持することができる。しかし、空気抜きまたは混合のための挿入運動の間に、この運動によりハウジングの外に延びてもよい。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、駆動部材は、活性化素子または活性化部材を備え、収容部材が挿入運動中にこれに係合し、駆動部材をハウジングに対して活性化位置に移動させる。活性化位置は、好ましくは、ハウジングの近位端から外へ延びる駆動部材により画定される。しかし、たとえば、後に駆動バネをトリガするために、駆動部材が側方運動により活性化位置に移動させられる操作素子を有するようにすることも可能である。活性化素子を操作するために、活性化素子は、挿入運動中に収容部材に対して当接する軸方向当接部を有することができる。活性化素子は、たとえば、駆動部材から遠位方向に突き出す連続体により形成できる。収容部材がハウジングに挿入されるとき、活性化素子は、収容部材の近位端に当接でき、および/または収容部材のエッジに当接できる。挿入移動を続けると、この運動を、活性化素子を介して駆動部材上の運動に変換し、後者は収容部材とともに近位方向に移動させられる。活性化素子は、保持素子と同程度に、可撓性となるように形成でき、収容部材上の当接位置から外れてバイアスに対抗して移動できるバイアスを備える。これに関し、活性化素子は、たとえば、駆動部材の軸に向かって半径方向に曲げることができる。これに関して、たとえばハウジング上に案内突起部を提供することができる。この曲げ位置において、活性化部材は収容部材のリムに対して内側に曲がり、駆動部材が収容部材に対して遠位方向に移動することができる。
【0020】
この活性化位置において、駆動部材は、ハウジングに対しておよび収容部材に対して遠位方向に移動することができ、駆動部材は投与ストロークを実行できる。投与ストロークは、製品容器内のストッパを移動させ、製品を容器から注射針を通って投与する。この投与位置または終端位置は、流体製品が投与された後、活性化素子が収容部材内に位置する。好ましくは、駆動部材の駆動ボタン、および/または駆動部材の端部は、ハウジング内の静置位置にくる。
【0021】
終端位置において、保持素子は、ハウジングに対して固定された当接部に当接し、すなわち、保持素子は、収容部材がハウジングに挿入される前の最初の位置における曲げ位置に再び位置する。保持部材は再び駆動部材のハウジングに対する近位方向の運動を防止し、ここでは、保持素子は、終端位置において実質的に収容部材内の静置位置にくる。終端位置において、投与装置はもはや操作できないようにブロックされる。これは、保持素子とハウジングとの間の当接により、また、収容部材が完全にハウジング内に挿入されたときの収容部材のハウジングに対するラッチ留めにより達成される。
【0022】
駆動部材上に制限素子を設けることが可能であり、好ましくは、駆動部材の保持素子上に設けられ、制限素子は、ハウジングに対して固定された部品に当接することによりハウジングに対する近位方向への駆動部材の運動を制限する。制限素子は、たとえば、保持素子上のヒール部として形成でき、収容部材の挿入運動中に、保持素子は、保持位置の外へ曲げられ、活性化素子の手段により駆動部材がハウジングに対して近位方向にスライドする。しかし、駆動部材が拡張ストロークによりハウジングの外へ移動するとすぐに、ヒール部がハウジングに固定された部品に当接して、スライド運動はヒール部により制限される。また、ヒール部は、有利には保持素子を操作するときに、すなわち、保持素子が保持位置から外れて解放位置に曲げられるときに、収容部材のための案内通路として機能する。
【0023】
駆動部材が、製品を出射するためにハウジングおよび収容部材に対して遠位方向に移動されると、保持素子は、収容部材の内側にスライドする。保持素子が保持位置に戻ることができることを確保するために、収容部材内にキャビティが設けられ、保持素子のヒール部が終端位置においてこれと係合することができる。これは、保持素子が保持位置に復帰することを確保し、また、投与装置がこれ以上使用できないようにブロックされることを確保する。
【0024】
本発明による投与装置を準備する方法は以下のステップを有する。収容部材および/または容器は、初期位置から空気抜き位置に向かってハウジングに挿入され、ここで収容部材は第1挿入距離だけ移動する。この第1挿入距離だけ移動するとき、駆動部材はハウジングに対する保持位置に保持され、容器内のストッパは前進する。次のステップにおいて、駆動部材は、収容部材をさらにハウジング内に挿入することにより、保持位置から解放される。収容部材がハウジングに対して第2挿入距離にわたって前進するときに、保持位置は解放される。従って、駆動部材は解放位置に位置し、この位置において、駆動部材は、ハウジングに対する近位方向の移動に対してもはや保持されていない。後続のステップにおいて、駆動部材は、収容部材をさらに遠くへ挿入することにより、ハウジングに対する近位方向に拡張される。収容部材が第3挿入距離にわたって移動するときに、駆動部材は拡張される。このステップの後、すなわち、第3挿入距離にわたって移動した後、収容部材は挿入された位置にあり、駆動部材は駆動された位置にある。
【0025】
好ましくは、投与装置を準備する方法は、収容部材が挿入されるときに、ストッパが駆動部材により2チャンバ容器内を前進し、2チャンバ容器内で混合が実行されるステップを有する。このステップにおいて、収容部材は、初期位置から混合位置に移動する。この混合手順は、上述の収容部材の第1挿入距離の間に実行することができる。従って、この混合距離の後は、収容部材の混合位置から空気抜き位置への前進が続く。空気抜き手順は、同様に第1挿入距離の間に実行できる。
【0026】
投与装置を準備するための本発明による方法は、使用者に投与装置を提供するときに、個別的に必要なステップの工程の工程制御を与える。ここで、本発明による駆動部材の実施形態は、個別ステップを制御するための制御手段として機能する保持素子または活性化素子を有する。特に、有効薬剤が、乾燥状態で貯蔵されなければならず、また、注射による投与の直前に溶媒に溶解させなけらばならない場合、投与装置を準備するときに個別ステップは注意深く且つ正確に実行することが重要である。本発明の方法の支援により、混合、空気抜き、投与、注射、および装置のブロックの個別的な準備ステップは、単純に秩序つけられる。使用者が不注意に、あるステップを忘れ、また実行し忘れることはできない。製品が投与された後にペンをブロックすることは、既に使用された投与装置が不適切に使用されないことを確保する。
【0027】
本発明の他の側面によれば、流体製品を投与するための装置に、ハウジング内に収容部材を挿入するためにラッチ手段および/または指示手段を設けることができる。一方で、装置の間違った使用を避けるため、一度収容部材がハウジングに挿入され始めると、既に完了した個別の準備ステップは後戻りすることができないことを確保する。他方で、指示部は、個別の準備ステップが完了したときを指示し、指示部は、たとえば、視覚的なマーキングまたは知覚可能な音をすることができる。これに関し、たとえば、キャッチ手段が設けられ、キャッチ手段は、各準備ステップの後に、収容部材が挿入方向の反対に移動することをブロックする。また、随意に、キャッチ手段を解放可能に形成することもでき、これは好都合であろう。ハウジングと収容部材との間のネジ式案内の場合、キャッチは、たとえば、収容部材のハウジングの外への回転に対する反回転ブロックを形成する。このような反回転ブロックは、たとえば、収容部材またはハウジング上のスナップアームにより実現することができ、反対回転方向においてスナップアームは、ハウジングおよび/または収容部材内のキャビティ内にラッチし、前方運動においてはキャビティから出てスライドすることができる。このような反回転ブロックは、たとえば、混合手順および空気抜き手順が完了したときに提供される。さらに、このような反回転ブロックは、収容部材がハウジング内に挿入されるときにも提供でき、すなわち、初期位置においても提供でき、収容部材は、キャッチによりハウジングの外への回転に対して既に固定される。ラッチ留めは、同時に、対応する手順が完了したことを示す指示を形成する。混合および空気抜きの後の挿入位置において、キャッチは、近位方向における運動、すなわちネジ挿入方向運動、がブロックされるように形成することができる。挿入位置において、収容部材は、挿入進入および/または回転進入、および拡張外出および/または回転外出、の両方に対して固定される。代替的に、収容部材は、たとえば、上述のように、駆動部材の制限素子とのラッチ留めにより提供されてもよい。
【0028】
キャッチおよび/または反回転ブロックは、有利には、個別的な準備ステップの完了が音響的に認識できるように、ラッチまたはキャッチへのスナップが同時に音響信号を生成するように形成される。それゆえ、個別的な準備ステップのシーケンスは、使用者に音響的に示される。
【0029】
本発明が図面に基づいてより詳細に説明される。図面により開示される実施形態に関する特徴および、本発明による投与装置の機能は、本発明の範囲内であり、本発明の特徴の開示として機能する。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1A】本発明による、初期位置にある投与装置を示す図である。
【図1B】図1Aに示す投与装置の90°回転させた拡大図である。
【図2】本発明による、混合位置にある投与装置を示す図である。
【図3】本発明による、空気抜き位置にある投与装置を示す図である。
【図4A】本発明による、挿入された位置にある投与装置を示す図である。
【図4B】挿入された位置にある図1Bに類似する拡大図である。
【図5A】本発明による、終端位置にある投与装置を示す図である。
【図5B】終端位置にある図1Bに類似する拡大図である。
【図6A】ラッチ手段を有する投与装置の長手方向断面図である。
【図6B】空気抜き位置にある図6Aによる投与装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1Aは、本発明による、初期位置における流体製品を投与するための装置を示している。本装置は、ハウジング1、収容部材2、および駆動部材3を有する。本発明による本装置は、これら3つの部品だけを管理することができる。投与される所望の製品を有する製品容器、および注射針だけが追加される必要がある。投与装置がこれらの少ない個別的な部品だけを管理することは本発明の利点である。これは、部品を製造し組み立てるコストを減少させる。
【0032】
図示の実施形態の例によれば、製品容器は2チャンバ容器であり、2チャンバ容器は、ストッパ4bにより制限される第1チャンバ4a、および第1ストッパ4bと第2ストッパ4dとにより制限される第2チャンバ4cを有する。さらに、バイパス部12(図4a、5a参照)が、製品容器の壁の円周部に設けられ、従来技術において知られているように、第2チャンバ4cからの溶媒が、バイパス部12を通って製品チャンバ4a内に浸入する。
【0033】
収容部材2の近位端部は、部分的にハウジング1の遠位端部内に挿入される。ハウジング1と収容部材2との間に案内構造が設けられ、案内構造が、ハウジング1と収容部材2との間の相対運動を案内する。案内構造は、案内溝5aを有し、案内溝5aは、スリーブ形状の収容部材2の円周領域上をネジ状に循環する。案内カム5bは、ハウジング1の内側円周領域上に設けられ、案内カム5bは、同様にスリーブ形状内に形成され、案内溝5a内を案内される。また、案内カム5bは、ガイドレールまたはガイド区分のように形成することができる。この例示的な実施形態において、案内構造5a、5bは、ネジ式案内として実施される。収容部材2のハウジング1に対する回転運動は、収容部材2をハウジング1内に近位方向に軸方向に挿入する。
【0034】
駆動部材3は実質的にロッド形状に形成される。図1Aによる初期状態において、駆動部材3の遠位端は、製品容器4の近位のストッパ4dの反対側に位置する。
【0035】
図1Aによる初期位置における投与装置は、使用者に渡されたときの装置の状態であるディスパッチ状態に対応する。
【0036】
駆動部材3の近位端は、保持素子6および活性化素子7を有する。保持素子6および活性化素子7は、好ましくは駆動部材3と一体的な部品である。しかし、駆動部材のロッド形状の領域に保持素子6および活性化素子7を接続することもできる。駆動部材3の近位端は、また、駆動ボタン8と言及することができる拡張部を有する。駆動ボタン8は、ハウジング1内に埋没しているので、初期状態において使用者はアクセス不可である。
【0037】
保持素子6および活性化素子7は、可撓性の連続体またはアームとして駆動部材から側方に突き出している。原理的に、2つ以上のこのようなアームを駆動部材上に設けることも可能である。保持素子6は駆動部材から近位方向に突き出し、活性化素子7は駆動部材から遠位方向に突き出す。
【0038】
図1Aによる初期位置において、保持素子6は、内側に突き出すハウジングの突起部および/またはエッジ9の反対側で軸方向に静止している。従って、保持素子の近位端は、ハウジングの突起部9に対して軸方向に当接する。この位置において、保持素子は基本位置にある。しかし、保持素子は、柔軟にバイアスされることができ、それにより、駆動部材3の軸に向かう半径方向に移動することができる。活性化素子7は、駆動部材3から斜めに遠位方向に突き出す。活性化素子7は、初期位置において弛緩した状態にあるが、駆動部材3の軸に向かって半径方向に柔軟に曲げることができる。投与装置を準備するとき、これらは、個別的な準備ステップの工程制御のための異なる機能を満たす。駆動部材とともに、これらは、工程制御のための制御手段を形成する。
【0039】
図1Bは、図1Aに示す投与装置の近位領域の拡大図を示しており、同図において、装置は90°回転されている。固定素子10は、ハウジング1上の突起部11と協働するように示されている。固定素子10および突起部11は、保持素子6とハウジング突起部9との間の当接による、および、駆動ボタン8とハウジング突起部9との間の当接によるブロックに加えて、駆動部材3を固定するために、ともにクランプ接続を形成する。
【0040】
軸方向における保持素子6とハウジング突起部9との間の当接は、ハウジングに対する駆動部材の近位方向への運動をブロックする。反対に、駆動ボタン8およびハウジング突起部9との間の当接は、ハウジングに対する駆動部材3の遠位方向の運動をブロックする。
【0041】
図2は、混合位置における本発明による投与装置を示している。注射針13が、装置の遠位端に取り付けられている。図1Aによる初期位置から、収容部材2は、ハウジングの内部に、ハウジング1に対して近位方向に、案内構造5a、5bに沿って挿入されおよび/またはねじ込まれる。ここで、駆動部材3は、保持部材6とハウジング突起部9との間のブロックにより、また、固定素子10と突起部11との間のブロックにより、ハウジング1に対して固定されたままである。収容部材2を挿入することにより、駆動部材3の遠位端は、製品容器4のストッパ4dにぶつかり、挿入運動が続いているときに、ストッパ4dを製品容器内で遠位方向にスライドさせる。これは、チャンバ4c内の溶媒を通じて、ストッパ4b上に駆動力を伝達し、ストッパ4b、4dの両方が遠位方向に移動する。ストッパ4bがバイパス部の領域に位置するとすぐに、ストッパ4bは容器4に対して静止位置を保つ。反対に、ストッパ4dは駆動されつづけ、チャンバ4cからの溶媒がバイパス部を介してチャンバ4cに入り、チャンバ4a内に位置する有効薬剤を溶解させる。ストッパ4dは、ストッパ4bにぶつかるまで駆動される。こうして投与装置の混合位置に達する。この手順の間、収容部材2は、ハウジング1内へ連続的に挿入される。しかし、駆動部材3は静止したままである。
【0042】
図3は、空気抜き位置にある、本発明の投与装置を示している。図2による混合位置から、収容部材2は、ハウジング1内へ近位方向にさらに挿入される。この点に到達すると、収容部材2は、ハウジング内に第1挿入距離だけ挿入されており、ここで保持素子6は保持位置のままである。収容部材2の近位リムが、保持部材6上のヒール部6aに当接する。ヒール部6aは、収容部材の近位端に整合する傾斜面を備える。収容部材2がハウジング内へさらに第2挿入距離だけ挿入されると、近位端は、ヒール部6aの傾斜領域に当接し、この領域上でスライドして、ここで、保持素子6が、駆動部材3の軸に向かって半径方向に曲げられる。機能的なアームの形態の保持素子6は、ハウジング突起部9との当接から外れて曲がる。混合位置から前述の解放位置まで、ハウジング1に対する駆動部材の保持のために、駆動部材3の保持素子6が保持位置から曲がり、収容部材2が、解放距離と参照される第2挿入距離だけ進む。保持素子6がハウジング突起部9との当接から曲げられとすぐに、収容部材2の近位端は活性化素子7の遠位端部にぶつかる。駆動部材3は、ハウジング1に対して近位方向に、第3挿入距離にわたって移動できる。収容部材2は、保持素子6を曲げるために、ハウジング1に対してさらに前進し、ストッパ4b、4dは同時に製品容器4の遠位方向にさらに移動する。それゆえ、余分な空気は製品チャンバ4aから注射針13を通って逃げることができる。原理的に、空気抜き手順は、第1挿入距離だけ進んだときに完了するようにすることも考えられ、また、第2および第3の挿入距離だけ進んだときに保持素子の保持位置が解放されるようにすることも考えられる。
【0043】
図4Aは本発明による投与装置を示しており、収容部材が第3挿入距離だけ完全に、すなわち必要なだけ、前進して挿入された位置にあり、ハウジングの近位方向に挿入されている。この第3挿入距離に到達したら、駆動部材3はもはや保持素子6によりハウジングに対して保持されていない。収容部材2の近位端と活性化素子7の遠位端との間の当接により、駆動部材3は、ハウジングに対して近位方向に第3挿入距離にわたって従属し、ここで駆動ボタン8はハウジングの近位端から出て、使用者がアクセスできるようになる。駆動部材3の相対的な運動、およびそれゆえ活性化素子7のハウジング1に対する運動の間、活性化素子7は内側に突出する突起部11のエッジに沿ってスライドし、内側に曲げられる。第3挿入距離は、駆動部材3のハウジングから出るストロークに対応し、また、製品を投与するために駆動部材を遠位方向に前進させるときの必要な前進距離に対応する。従って、第3挿入距離は投与装置の投与ストロークに対応する。この挿入距離は、それゆえ、必要な投与ストロークに応じて、投与装置の設計により変更することができる。
【0044】
図4Bは図1Bに類似の拡大図を示しており、ここで投与装置は挿入された位置にある。駆動部材3がハウジング1から持ち上がると、固定素子10と突起部11との間のクランプ留めが解放される。
【0045】
収容部材2は完全にハウジング1内にねじ込まれ、有効薬剤は混合され、製品チャンバは空気抜きされている。投与装置は、駆動ボタンが拡張した活性化状態にある。有効薬剤の所望のドーズ量を投与する準備ができた状態である。
【0046】
これに関し、駆動部材3は、図5Aに示すようにハウジング1内を遠位方向にスライドし、ここで収容部材2はハウジング1に対して静止したままである。それゆえ、この前進運動は、ストッパ4bおよび4d上に伝達され、流体製品が製品チャンバ4aから出射される。駆動部材3は、ハウジング内を、駆動ボタン8がハウジング突起部9に当接するまで前進し、ここで、突起部11により内側に曲げられている活性化素子7は収容部材2の内側側面上をスライドし、収容部材2内に入る。保持部材6は同様に収容部材2の内側領域に沿ってスライドし、ここでヒール部6aは収容部材2の円周領域に沿って案内される。駆動ボタンがハウジング突起部9に当接するとすぐに、保持部材6の近位端はハウジング突起部9を過ぎて移動している。収容部材2の内側円周領域にヒール部6aのレベルにおいてキャビティが設けられ、ここにヒール部6aが入る。バイアスされているので、保持素子6は、キャビティ内に付勢されて、保持素子6の遠位端はハウジング突起部9に当接する保持位置に戻る。駆動ボタン8は再びハウジング1内に埋没する。
【0047】
従って、投与装置は終端位置にあり、ここで保持素子6は再び保持位置にあり、駆動部材3はハウジング1に対して固定される。投与装置は、それゆえ、これ以上操作できないようにブロックされる。図5Bは、図1Bに類似の拡大図を示しており、同図において投与装置は終端位置にある。固定素子10は再びハウジング1の突起部とのクランプ状態にあることが分かる。これは、保持素子6とハウジング突起部9との間の係合に加えて、駆動部材3をさらに移動しないようにまたは動かないように固定する。この固定状態において、投与装置を廃棄することができる。
【0048】
保持素子6を用いてハウジングに対する近位方向への運動に対して駆動部材3を固定することは、本発明の目的にとって十分であるという事実により、参照が明示的に用いられている。この固定素子10は、単により使い勝手のよい操作および駆動部材3のための追加的な案内として機能する。
【0049】
図6Aは、本発明による投与装置の断面を示し、ラッチのためおよび投与装置の個別的な準備ステップを指示するための、ラッチ手段および/または指示装置が示されている。図6Aにおいて、投与装置はすでに混合位置にある。指示手段またはラッチ手段は、第1ラッチフルート14、ラッチ開口としても形成できる第2ラッチフルート15、および第3ラッチフルート16を有する。円周方向に整合するラッチアーム17は、収容部材2上に設けられ、これは半径方向外側にバイアスされて、収容部材2がハウジング内1で回転するときにハウジングの内側円周領域に沿ってスライドする。収容部材2がハウジング1内に挿入されると、ラッチアーム17が第1ラッチフルートにラッチするまで収容部材2がハウジング内1を回転する。このラッチ状態において、投与装置は初期位置にある。ラッチアーム17は、第1ラッチフルート14に対して当接することにより、収容部材2がバイアスにより回転してハウジングから戻らないようにブロックするように形成される。初期状態からは、収容部材2をハウジング1内に近位方向に回転させることだけが可能である。原理的に、収容部材の各回転の後にラッチが開始されるように、第1ラッチフルートがハウジングの長さにわたって配置されるようにすることも可能である。ラッチアーム17とラッチフルートとの間のラッチ係合は、初期状態に到達したことを示す指示を生成する。初期状態からは、収容部材2はラッチアーム17が第2ラッチ開口部15内にラッチ係合するまで挿入され、これは、2チャンバ容器における混合が完了したことを指示する。この第2ラッチフルートが開口として形成されている場合、原理的に、ラッチアーム17がラッチ開口部から内側へ押され、収容部材をハウジング1の後ろへ回転させることができる。このオプションは、混合の直後に投与装置から投与することを意図していない製品である場合に、原理的に好都合である。しかし、一般に、この第2ラッチフルートは、開口として形成されず、この第2ラッチは収容部材のハウジングに対する反対回転ブロックを可能にするように形成される。この混合位置からは、収容部材は、ラッチアーム17が第3ラッチフルート内にラッチ係合するまで、ハウジング内へ近位方向にねじ込むことができ、これは空気抜き位置を指示する。ラッチアーム17と第3ラッチフルート16との間のラッチ係合は、同様に反対回転ブロックを形成し、この位置において、収容スリーブ2が同時にハウジング突起部9に軸方向において当接するので、収容部材はハウジングに対するさらなる運動がブロックされる。
【0050】
図6Bは投与装置の断面を示し、同図において、ラッチアーム17および収容部材2は、ラッチフルートがハウジング1内にあるラッチ位置にある。図6Bから、収容部材2はラッチにより反時計回りの回転が防止され、ラッチアーム17が内側に撓みフルートの面に沿ってフルートの外へスライドできるという事実により、収容部材2のハウジング1内での時計回りの回転は可能であることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体製品を投与するための投与装置であって、前記装置は、
a)ハウジング(1)と、
b)流体製品のためのおよび/または流体製品のための容器(4)のための、収容部材(2)と、を有し、前記収容部材(2)は、前記ハウジングの長手方向に沿って初期位置から挿入された位置まで、前記ハウジング(1)に対して挿入され、
c)前記装置はさらに、前記ハウジング(1)に取り付けられ、且つ、前記収容部材(2)および/または前記容器(4)から流体製品を射出するために前記収容部材(2)に対して移動できる、駆動部材(3)を有し、
d)前記駆動部材(3)は、前記駆動部材(3)を前記ハウジング(1)に対して前記収容部材(2)の前記初期位置に保持する、少なくとも1つの保持素子(6)を備え、前記保持素子(6)は、前記保持位置から、前記収容部材(2)を挿入することにより前記駆動部材(3)が前記ハウジング(1)に対して移動できる、解放位置まで移動される、
投与装置。
【請求項2】
請求項1に記載の投与装置であって、前記保持素子(6)は、前記駆動部材(3)を保持するために前記ハウジング(1)に連結され、前記駆動部材(3)を解放するために前記ハウジング(1)から脱連結される、投与装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の投与装置であって、前記保持素子(6)は、前記駆動部材(3)を保持するために、前記ハウジングに対して固定される軸方向当接部(9)に当接する、投与装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の投与装置であって、前記保持素子(6)は、前記駆動部材(3)から半径方向に突出する、少なくとも1つの可撓性の連続体として形成される、投与装置。
【請求項5】
請求項4に記載の投与装置であって、前記可撓性の連続体は、前記保持位置から前記解放位置まで、張力に逆らって移動できる、投与装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の投与装置であって、前記可撓性の連続体は、前記保持素子(6)から、挿入運動の方向に突き出す、投与装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の投与装置であって、前記収容部材(2)が挿入されたとき、前記収容部材(2)は前記保持素子(6)に係合して、前記保持素子(6)を解放位置に移動させる、投与装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の投与装置であって、前記容器(4)は、2チャンバ容器として形成され、前記容器(4)は、有効薬剤のための1ストッパ(4b)により制限される第1チャンバ(4a)、および、溶媒のための前記第1ストッパ(4b)および第2ストッパ(4d)により制限される第2チャンバ(4c)、を有し、前記第1および第2のチャンバ(4a、4c)は、有効薬剤および溶媒を混合するために、前記ストッパを移動させることにより、バイパス部を介して接続される、投与装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の投与装置であって、前記保持素子(6)は、前記保持位置において、前記駆動部材(3)が挿入されるときに前記駆動部材(3)が第2ストッパ(4d)に当接するように形成され、挿入中に前記第2ストッパ(4d)を前記収容部材(2)に対して、前記収容部材(2)が混合位置または空気抜き位置に到るまで、移動させる、投与装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の投与装置であって、前記駆動部材(3)は、活性化素子(7)を有し、前記収容部材(2)は、挿入運動中に前記活性化素子(7)に係合し、前記活性化素子(7)は前記駆動部材(3)を前記ハウジング(1)に対して活性化位置まで移動させる、投与装置。
【請求項11】
請求項10に記載の投与装置であって、前記活性化素子(7)は、挿入運動中に、前記収容部材(2)上の軸方向当接部に当接する、投与装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の投与装置であって、前記駆動部材(3)は、前記活性化位置において、前記ハウジングから近位方向に突き出す、投与装置。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか一項に記載の投与装置であって、前記活性化素子(7)は、流体製品が投与された後の終端位置において、前記収容部材(2)内に位置する、投与装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の投与装置であって、終端位置において、前記保持素子(6)は、前記ハウジングに対して固定された当接部(9)に当接する、投与装置。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の投与装置であって、終端位置において、前記保持素子(6)は、実質的に前記収容部材(2)内に位置する、投与装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一項に記載の投与装置であって、前記保持素子(6)は、ヒール部(6a)を有し、前記ヒール部(6a)は、前記ハウジングに対して固定されたエッジ部(9)に当接することにより、前記ハウジングに対する前記駆動部材(3)の近位方向への運動を制限する、投与装置。
【請求項17】
請求項16に記載の投与装置であって、前記収容部材(2)はスリーブ形状に形成され、且つ、キャビティを有し、終端位置において、前記保持素子(6)の前記ヒール部(6a)が前記キャビティに係合する、投与装置。
【請求項18】
制御手段を有する流体製品のための投与装置を準備する方法であって、前記方法は、
a)収容部材(2)および/または容器(4)をハウジング(1)内に、初期位置から空気抜き位置まで、挿入方向に挿入するステップを有し、保持位置において駆動部材(3)が前記ハウジング(1)に対して保持され、前記駆動部材(3)は収容部材(2)内のストッパ(4b、4d)を空気抜きのために前進させ、
b)前記方法はさらに、前記収容部材(2)を前記ハウジング(1)内に近位方向に挿入することにより前記保持位置を解放するステップと、
c)前記収容部材(2)を前記挿入方向に、挿入された位置まで挿入することにより、前記駆動部材(3)を活性化させるステップと、を有する方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記収容部材(2)を前記初期位置から混合位置まで挿入するステップを有し、混合は、挿入中に、前記駆動部材(3)を用いてストッパ(4b、4d)を前進させることにより、2チャンバ容器(4)内で行われる、
前記方法はさらに、前記収容部材(2)を、前記混合位置から空気抜き位置へさらに挿入するステップを有する、方法。
【請求項20】
請求項1乃至17に記載の流体製品のための投与装置を準備する方法であって、前記方法は、
a)収容部材(2)および/または容器(4)をハウジング(1)内に、初期位置から混合位置へ、挿入方向へ挿入するステップを有し、駆動部材(3)は前記ハウジング(1)に対して保持位置に保持され、前記駆動部材(3)は混合のためにストッパ(4b、4d)を前記収容部材(2)内で前進させ、
b)前記方法は、前記収容部材(2)を前記ハウジング(1)内へ、近位方向へ挿入することをにより、前記保持位置を解放するステップと、
c)前記収容部材(2)を挿入方向に挿入された位置まで挿入することにより、前記駆動部材(3)を活性化させるステップと、を有する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2010−523181(P2010−523181A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501345(P2010−501345)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000560
【国際公開番号】WO2008/122132
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(503459785)テクファーマ・ライセンシング・アクチェンゲゼルシャフト (100)
【Fターム(参考)】