歌唱指導装置
【課題】歌唱の評価を行う歌唱指導装置において、練習者が歌唱の練習を行う際の操作性を向上させる。
【解決手段】カラオケ装置1の制御部11は、まず、お手本音声を歌唱区間毎に再生し、次いで、伴奏データ記憶領域121に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、歌唱区間毎にスピーカ17に放音させることによってカラオケ伴奏を行う。練習者が、スピーカ17から放音される伴奏にあわせて歌唱を行うと、練習者の音声が収音され、練習者音声データとして練習者音声データ記憶領域125に記憶される。制御部11は、お手本音声データと練習者音声データとを比較し、比較結果に基づいて練習者音声データを評価区間毎に評価し、評価結果を、評価区間毎に表示部13に表示させる。
【解決手段】カラオケ装置1の制御部11は、まず、お手本音声を歌唱区間毎に再生し、次いで、伴奏データ記憶領域121に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、歌唱区間毎にスピーカ17に放音させることによってカラオケ伴奏を行う。練習者が、スピーカ17から放音される伴奏にあわせて歌唱を行うと、練習者の音声が収音され、練習者音声データとして練習者音声データ記憶領域125に記憶される。制御部11は、お手本音声データと練習者音声データとを比較し、比較結果に基づいて練習者音声データを評価区間毎に評価し、評価結果を、評価区間毎に表示部13に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱指導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歌唱を練習するための装置が種々提案されている。例えば、特許文献1に記載されたカラオケ装置は、伴奏音楽の演奏を利用者が中断して、演奏を再開させるポイントを利用者に自由に設定させることによって、利用者が希望する部分だけを的確に演奏することができるようになっている。また、特許文献2に記載のカラオケ装置によれば、フレーズ単位でお手本の再生と評価結果表示を繰り返し、歌唱練習を行うことができるようになっている。
【特許文献1】特許第3482355号公報
【特許文献2】特許第3588596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、表示させる歌詞から演奏を再開させるポイントを選択するものであり、表示される歌詞だけではジャンプ先(再開ポイント)が分かりにくいことがある。また、特許文献2に記載の装置は、フレーズ単位で歌唱練習を行うものであるが、練習単位となるフレーズ単位が短すぎる場合がある。一方、フレーズの長さを歌いやすい(練習に適した)長さにとると、歌詞の各文字に対してピッチやタイミング等を評価する場合、評価結果の表示が画面に収まらない場合がある。また、曲の先頭からフレーズ毎に模範演奏と歌唱、評価を進めていくため、特定の部分だけを練習することはできない。
本発明は上述した背景の下になされたものであり、歌唱の評価を行う歌唱指導装置において、練習者が歌唱の練習を行う際の操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の好適な態様である歌唱指導装置は、伴奏音を表す伴奏データを予め定められた歌唱区間毎に記憶する伴奏データ記憶手段と、音声を表す第1の音声データを記憶する第1の音声データ記憶手段と、前記伴奏データ記憶手段に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、前記歌唱区間毎に放音手段に放音させる制御手段と、収音し、収音した音声を表す第2の音声データを出力する収音手段と、前記第1の音声データ記憶手段に記憶された前記第1の音声データと前記収音手段から出力される第2の音声データとを比較し、該比較結果に基づいて、前記第2の音声データを、前記歌唱区間よりも短い評価区間毎に評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を、前記評価区間毎に報知する評価結果報知手段とを備える。
【0005】
また、本発明の好適な態様である歌唱指導装置は、伴奏音を表す伴奏データを予め定められた歌唱区間毎に記憶する伴奏データ記憶手段と、歌詞を表す歌詞データを前記歌唱区間毎に記憶する歌詞データ記憶手段と、音声を表す第1の音声データを記憶する第1の音声データ記憶手段と、前記歌詞データ記憶手段に記憶された歌詞の前記歌唱区間毎の一覧を、表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段により前記表示手段に表示された前記歌唱区間毎の歌詞のうちのいずれかの選択を決定する選択決定手段と、前記選択決定手段により選択が決定された歌詞の歌唱区間に対応する伴奏データを前記伴奏データ記憶手段から読み出し、読み出した伴奏データの表す伴奏音を放音手段に放音させるとともに、放音される伴奏音に対応する歌詞データを前記歌詞データ記憶手段から読み出し、読み出した歌詞データの表す歌詞を、前記歌唱区間よりも短い評価区間毎に前記表示手段に表示させる制御手段とを備える。
【0006】
この態様において、収音し、収音した音声を表す第2の音声データを出力する収音手段と、前記第1の音声データ記憶手段に記憶された前記第1の音声データと前記収音手段から出力される第2の音声データとを比較し、該比較結果に基づいて、前記第2の音声データを、前記評価区間毎に評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を、前記評価区間毎に報知する評価結果報知手段とを備えてもよい。
【0007】
また、この態様において、前記表示制御手段により前記表示手段に表示された歌詞のうちのいずれかを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された歌詞の歌唱区間に対応する前記第1の音声データを、前記放音手段に放音させる放音制御手段とを備えてもよい。
また、この態様において、前記収音手段から出力される前記第2の音声データを記憶する第2の音声データ記憶手段と、前記表示制御手段により前記表示手段に表示された歌詞のうちのいずれかを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された歌詞の歌唱区間に対応する前記第2の音声データを、前記放音手段に放音させる放音制御手段とを備えてもよい。
また、この態様において、歌唱の指導内容を表す指導データを、前記評価区間毎に記憶する指導データ記憶手段と、前記制御手段により放音される伴奏音に対応する評価区間の指導データを、前記指導データ記憶手段から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を、前記評価区間毎に報知する指導内容報知手段とを備えてもよい。
【0008】
また、この態様において、歌唱の指導内容を表す指導データを、前記評価区間毎に記憶する指導データ記憶手段と、前記伴奏データ記憶手段に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、前記放音手段に放音させる放音制御手段と、前記放音制御手段により伴奏音が放音されている最中に、操作手段からの操作信号の入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段により前記操作信号の入力を受け付けた場合に、放音されていた伴奏音の評価区間に対応する指導データを前記指導データ記憶手段から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を報知する指導内容報知手段と、前記指導内容報知手段により報知された指導内容に対応する歌唱区間のデータを前記伴奏データ記憶手段から読み出し、読み出した伴奏データの表す伴奏音を放音する第2の放音制御手段とを備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、歌唱の評価を行う歌唱指導装置において、練習者が歌唱の練習を行う際の操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<A:構成>
図1は、本実施形態であるカラオケ装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。カラオケ装置1は、歌唱の練習者に対して歌唱指導を行う歌唱指導装置として機能する。図において、制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、ROM又は記憶部12に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、カラオケ装置1の各部を制御する。記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムやその実行時に使用されるデータを記憶するための記憶手段であり、例えばハードディスク装置である。表示部13は、液晶表示パネルを備え、制御部11による制御のもとに各種の画像を表示する表示手段である。操作部14は、テンキーや上下キー、演奏開始キー、採点キーなどの各種のキーを備えるリモコンなどの操作手段であり、練習者による操作に応じた操作信号を制御部11に出力する。マイクロフォン15は、収音して、収音した音声を表す音声信号(アナログデータ)を出力する収音手段である。音声処理部16は、マイクロフォン15が出力する音声信号(アナログデータ)をデジタルデータに変換して制御部11に出力する。スピーカ17は、音声処理部16から出力される音声信号に応じた強度で放音する放音手段である。なお、スピーカ17に代えて、耳に装着可能なイヤホンやヘッドフォンを放音手段として用いることもできる。
【0011】
記憶部12は、図示のように、伴奏データ記憶領域121と歌詞データ記憶領域122と背景画データ記憶領域123とお手本音声データ記憶領域124と練習者音声データ記憶領域125と指導データ記憶領域126とを備えている。伴奏データ記憶領域121には、MIDI(Musical Instruments Digital Interface)形式などのデータ形式の伴奏データであって、各楽曲の伴奏楽音を構成する伴奏データが予め定められた歌唱区間毎に記憶されている。この伴奏データは、その曲の伴奏を行う各種楽器の音高(ピッチ)を示す情報が楽曲の進行に伴って記されたデータである。歌詞データ記憶領域122には、楽曲の歌詞を示す歌詞データが記憶されている。歌詞データは、カラオケ歌唱の際に歌詞テロップとして表示部13に表示される。背景画データ記憶領域123には、伴奏データと対応する動画像を示す背景画データが記憶されている。
【0012】
歌詞データ記憶領域122に記憶された歌詞データは、図2に示すように、評価区間毎に区分されるとともに、歌唱区間毎に区分されている。評価区間は、歌唱区間よりも短い区間であり、この実施形態においては、複数の評価区間がまとめられて歌唱区間が構成されている。評価区間は、制御部11が評価を行う際の単位として用いられるものであり、歌唱区間は、練習者に歌唱練習を行わせるための単位として用いられるものである。この実施形態においては、歌詞を表示部13の画面に表示しきれる程度に区分したそれぞれの区間を評価区間として用い、一方、練習者が歌唱練習を行いやすい程度の時間区間毎(例えば、フレーズ毎)に区分したそれぞれを歌唱区間として用いる。
【0013】
お手本音声データ記憶領域124には、歌唱のお手本として予め収録されたお手本音声信号を表すお手本音声データ(第1の音声データ)が記憶されている。お手本音声データは、WAVE形式やMP3(MPEG1 Audio Layer-3)形式などのデータ形式である。練習者音声データ記憶領域125には、マイクロフォン15によって収音されて音声処理部16でデジタルデータに変換される音声データ(以下、「練習者音声データ」という)が記憶される。この練習者音声データも、WAVE形式やMP3形式などのデータ形式である。指導データ記憶領域126には、歌唱の指導内容を表す指導データが評価区間毎に記憶されている。
【0014】
<B:実施形態の動作>
次に、この実施形態の動作について説明する。まず、練習者は、カラオケ装置1の操作部14を操作して、歌唱したい楽曲を選択する操作を行う。操作部14は操作された内容に応じた操作信号を制御部11へ出力し、制御部11は、操作部14から出力される操作信号に応じて楽曲を選択する。次いで、制御部11は、練習コースの選択を促す画面を表示部13に表示させる。図3は、表示部13に表示される画面の一例を示す図である。図示のように、この画面には、「フレーズ毎練習コース」と「通常カラオケ+部分練習コース」と「ポイント練習コース」とのいずれかのコースを選択するための画面が表示される。「フレーズ毎練習コース」は、フレーズ(歌唱区間)毎にお手本の再生、歌唱、指導画面を繰り返して順にフレーズを練習するコースである。「通常カラオケ+部分練習コース」は、通常のカラオケのとおり歌唱をしていって、指導を受けたい箇所になったら練習者の入力で指導画面を表示するコースである。「ポイント練習コース」は、曲中の任意の箇所にジャンプし、ジャンプした箇所について練習するコースである。
【0015】
練習者は、表示部13に表示された画面を確認し、操作部14を操作して練習コースを選択する。操作部14は操作された内容に応じた操作信号を制御部11へ出力し、制御部11は、操作部14から出力される操作信号に応じて選択されたコースを判定し、選択されたコースに応じた動作を行う。
【0016】
<B−1:「フレーズ毎練習コース」が選択された場合の動作>
まず、「フレーズ毎練習コース」が選択された場合の処理について、図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。フレーズ単位(歌唱区間単位)で歌詞と指導内容との表示を行うと次のような問題がある。カラオケ画面の解像度は通常あまり高くない(VGA(Video Graphics Array)程度)ので、フレーズが長いと指導画面に入りきらず、一方でフレーズが短いと歌いにくい(歌唱練習を行い難い)。そのため、この実施形態においては、歌唱単位と評価単位を別々にしている。
【0017】
「フレーズ毎練習コース」が選択されたと判定された場合には、制御部11は、まず、歌唱区間毎のお手本音声を再生する(ステップS1)。このとき、制御部11は、お手本音声にあわせて伴奏音を再生することもできる。次いで、制御部11は、伴奏データ記憶領域121に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、予め定められた歌唱区間毎にスピーカ17に放音させることによって、カラオケ伴奏を行う(ステップS2)。すなわち、制御部11は、伴奏データ記憶領域121から伴奏データを読み出して音声処理部16に供給し、音声処理部16は、伴奏データをアナログ信号に変換し、スピーカ17に供給して放音させる。また、制御部11は、歌詞データ記憶領域122から歌詞データを読み出して歌詞テロップを表示部13に表示させる。
【0018】
練習者は、スピーカ17から放音される伴奏にあわせて歌唱を行う。このとき、練習者の音声はマイクロフォン15によって収音されて音声信号に変換され、音声処理部16へと出力される。音声処理部16によってA/D変換された練習者音声データ(第2の音声データ)は、伴奏開始からの経過時間を示す情報と共に、練習者音声データ記憶領域125に時系列に記憶(録音)されていく(ステップS3)。
【0019】
次いで、制御部11は、お手本音声データ記憶領域124に記憶されたお手本音声データと、音声処理部16から出力される練習者音声データとを比較し、該比較結果に基づいて、練習者音声データを、歌唱区間よりも短い評価区間毎に評価する(ステップS4)。
【0020】
ここで、制御部11がステップS4において行う評価処理について、以下に詳細に説明する。制御部11は、お手本音声データと練習者音声データとをそれぞれ所定時間長(例えば、「3msec」)のフレーム単位で、ピッチ、パワー、スペクトルを検出する。スペクトルの検出にはFFT(Fast Fourier Transform)が用いられる。この実施形態においては、お手本音声データ(又は練習者音声データ)のピッチ、パワー、スペクトルを、お手本音声データ(又は練習者音声データ)の「特徴」と呼ぶ。
次いで、制御部11は、お手本音声データと練習者音声データとから検出された両者のスペクトルに基づいて両者の対応関係を求める。お手本音声と練習者音声とは時間的にずれている可能性がある。このようにお手本音声と練習者音声とが時間的に前後にずれている場合であっても、両者を対応付けられるようにするため、練習者音声データの時間軸を伸縮させる時間正規化(DTW:Dynamic Time Warping)を行い、両者の時間軸を合わせる。このDTWを行うための手法としては、この実施形態ではDP(Dynamic Programming:動的計画法)を用いる。
次いで、制御部11は、お手本音声データの特徴と練習者音声データの特徴とを比較し、両者の隔たりの度合いに応じて練習者音声データを評価区間毎に評価する。具体的には、例えば、ピッチ、パワー、スペクトルのそれぞれの特徴について比較を行い、それぞれの隔たりの度合いに応じて、特徴毎に評価(採点)を行ってもよい。
【0021】
図4の説明に戻る。制御部11は、ステップS5での評価結果を、評価区間毎に表示部13に表示させることによって、評価結果を報知する(ステップS5)。このとき、制御部11は、その評価区間に対応する指導データを、指導データ記憶領域126から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を、評価区間毎に表示部13に表示することもできる。
なお、評価結果の報知方法は、表示に限らず、評価結果を示す音声メッセージを放音することによって報知してもよく、要するに、評価結果を報知するものであればどのようなものであってもよい。
【0022】
図5は、ステップS5において表示部13に表示される画面の一例を示す図である。図示のように、ひとつの評価区間に含まれる歌詞W1が表示され、この評価区間の指導内容を表すコメントC1〜C4、その評価区間において用いるべき歌唱技法を表す図形I10〜I14、この指導区間に対応する評価結果を示す図形H1〜H9(例えば、「×」や「○」)など、その評価区間に対応する歌詞や指導内容、評価結果が表示される。
なお、このとき、制御部11は、上述した歌詞と指導内容との表示にあわせて、図5に示すような、お手本音声のピッチの時間的な変化を示すグラフA1や練習者音声のピッチの時間的な変化を示すグラフA2を表示することもできる。また、図5に示すような、お手本音声のリズムを表す図形A3や練習者音声のリズムを表す図形A4を表示することもできる。また、お手本音声と練習者音声との音量やリズムの違いを比較するために、お手本音声に対応する歌詞W1にあわせて、練習者音声に対応する歌詞W2を表示することもできる。
【0023】
次いで、制御部11は、次の評価区間があるか否かを判定し(ステップS6)、次の評価区間がある場合には(ステップS6;YES)、ステップS4の処理に戻り、次の評価区間について評価を行い(ステップS4)、図5に例示したような画面を表示部13に表示させることによって評価結果を報知する(ステップS5)。すなわち、制御部11は、ステップS4〜ステップS6の処理を繰り返すことによって、練習者音声データを評価区間毎に評価し、該評価結果を報知する。一方、次の評価区間がない、すなわち歌唱区間の最後まで評価し終えたと判定された場合には(ステップS6;NO)、制御部11は、次の歌唱区間があるか否かを判定し(ステップS7)、次の歌唱区間があると判定された場合には(ステップS7;YES)、ステップS1の処理に戻って、歌唱区間のお手本音声を再生する(ステップS1)。ステップS7において、次の歌唱区間がない、すなわち曲の最後まで再生し終えたと判断された場合には(ステップS7;NO)、制御部11は、処理を終了する。
【0024】
制御部11が図4に示す処理を行うことによって、「歌唱区間単位でのお手本音声の再生」→「歌唱区間単位での歌唱練習」→「評価区間単位での評価結果表示」・・・が繰り返される。このように、この実施形態では、歌唱練習を行うための歌唱区間単位と評価結果を表示するための評価区間単位とを別々にするから、歌唱練習を行いやすくすることができるとともに、評価結果を表示しやすくすることができる。
【0025】
<B−2:「通常カラオケ+部分練習コース」が選択された場合の動作>
上述した「フレーズ毎練習コース」では、曲のすべての部分に対してお手本音声の再生と歌唱,評価を行う。これに対し、練習者が練習したいのは曲の一部分のみで、他の部分は普通のカラオケのように通して歌唱したいこともある。この「通常カラオケ+部分練習コース」はこのような場合に用いられるものである。
【0026】
図6は、「通常カラオケ+部分練習コース」が選択されたと判定された場合に制御部11が行う処理の流れを示すフローチャートである。「通常カラオケ+部分練習コース」が選択されたと判定された場合には、まず、制御部11は、歌詞テロップを表示部13に表示させるとともに、カラオケ伴奏を開始する(ステップS11)。すなわち、制御部11は、伴奏データ記憶領域121から伴奏データを読み出して音声処理部16に供給し、音声処理部16は、伴奏データをアナログ信号に変換し、スピーカ17に供給して放音させる。また、制御部11は、歌詞データ記憶領域122から歌詞データを読み出して歌詞テロップを表示部13に表示させる。
図7は、「通常カラオケ+部分練習コース」が選択された場合に表示部13に表示される画面の一例を示す図である。図示のように、表示部13には、歌詞テロップW3が表示される。
練習者は、スピーカ17から放音される伴奏にあわせて歌唱を行う。このとき、練習者の音声はマイクロフォン15によって収音されて音声信号に変換され、音声処理部16へと出力される。音声処理部16によってA/D変換された練習者音声データは、伴奏開始からの経過時間を示す情報と共に、練習者音声データ記憶領域125に時系列に記憶(録音)されていく(ステップS12)。
【0027】
この「通常カラオケ+部分練習コース」においては、制御部11は、図7に示すように、部分練習モードに移行するためのボタンB1を表示部13に表示させる。練習者が操作部14を操作することによってこのボタンB1が選択されると、操作部14は操作内容に応じた信号を制御部11に出力する。制御部11は、操作部14から出力される操作信号に応じて、部分練習モードに移行する。制御部11は、スピーカ17から伴奏音が放音されている最中に、操作部14からの操作信号の入力を受け付ける入力受付手段として機能する。操作信号が入力された、すなわち部分練習モードに移行すると判定された場合には(ステップS13;YES)、制御部11は、放音されていた伴奏音の評価区間に対応する指導データを指導データ記憶領域126から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を、表示部13に表示させることによって報知する(ステップS14)。
なお、指導内容の報知方法は、表示に限らず、指導内容を示す音声メッセージを放音することによって報知してもよく、要するに、指導内容を報知するものであればどのようなものであってもよい。
【0028】
図8は、ステップS14において表示される画面の一例を示す図である。図示のように、ひとつの評価区間に含まれる歌詞W4が表示され、この評価区間の指導内容を表すコメントC1,C2、その評価区間において用いるべき歌唱技法を表す図形I1〜I4など、その評価区間に対応する歌詞と指導内容とが表示される。
【0029】
また、制御部11は、表示手段に表示された指導内容に対応する歌唱区間の伴奏音を、スピーカ17から放音させることによって、歌唱区間の伴奏を再生する(ステップS15)。
【0030】
歌唱区間の伴奏の再生を終えると、制御部11は、部分練習モードを終了するか否かを判定する(ステップS16)。この判定は、例えば、部分練習モードを終了する旨の操作を練習者が行ったか否かを、操作部14から出力される操作信号によって判定する。部分練習モードを終了すると判定された場合には(ステップS16;YES)、制御部11は、ステップS11の処理に戻り、カラオケ伴奏を再開する(ステップS11)。一方、部分練習モードを終了しないと判定された場合には(ステップS16;NO)、制御部11は、ステップS14の処理に戻り、部分練習を繰り返す。
【0031】
また、ステップS13において、部分練習モードに移行しないと判定された場合には(ステップS13;NO)、制御部11は、曲が終了したか否かを判定し(ステップS17)、曲が終了したと判定された場合には(ステップS17;YES)、そのまま処理を終了し、一方、曲が終了していないと判定された場合には(ステップS17;NO)、ステップS11の処理に戻り、カラオケ伴奏を再開する(ステップS11)。
【0032】
この「通常カラオケ+部分練習コース」コースにおいては、練習者がとくに操作を行わずに歌唱している場合は通常のカラオケと同様に歌唱が続けられるが、練習したい場所やうまく歌えなかった場所などにきたときに、所定のキーを押下するなどの操作がされると、指導画面が表示され、それを見て練習者は再度そのフレーズ(歌唱区間)を練習することができる。その歌唱区間の練習が終わったら、練習者が操作部14を操作することによって、そこからまた通常の歌唱を再開できる。
【0033】
<B−3:「ポイント練習コース」が選択された場合の動作>
「ポイント練習コース」では、練習したい箇所までジャンプして、その歌唱区間の練習を行うことができる。
図9は、「ポイント練習コース」が選択されたと判定された場合に制御部11が行う処理の流れを示すフローチャートである。「ポイント練習コース」が選択されたと判定された場合には、制御部11は、歌詞データ記憶領域122に記憶された歌詞の歌唱区間毎の一覧を表示部13に表示させる(ステップS21)。
図10は、ステップS21において表示される画面の一例を示す図である。図おいて、各行L1〜L5には、歌唱区間単位毎の歌詞が表示されている。
【0034】
練習者は、操作部14を操作してカーソルを移動させることによって、練習したいフレーズ(歌唱区間)を選択する。操作部14は、操作された内容に応じた操作信号を制御部11に出力する。制御部11は、操作部14から出力される操作信号に応じて、表示部13に表示された歌唱区間毎の歌詞(歌唱区間)のうちのいずれかを選択する(ステップS22)。制御部11は、選択した歌詞の歌唱区間に対応するお手本音声データをお手本音声データ記憶領域124から読み出し、読み出したお手本音声データの表すお手本音声を、スピーカ17から放音させる(ステップS23)。このとき、制御部11は、お手本音声の再生に合わせて、再生されるお手本音声に対応する伴奏データの表す伴奏音をスピーカ17から放音させることもできる。
【0035】
具体的には、例えば、図10に示す画面において、行L4にカーソルが移動された場合には、制御部11は、行L4の歌詞の歌唱区間に対応するお手本音声と伴奏とを再生する。
このように、フレーズが選択される際に、フレーズ毎のお手本音声を再生することで、歌詞だけを見るよりも、ジャンプ先がどの部分であるかがわかりやすくなる。これにより、練習者が歌唱の練習を行う際の操作性を向上させることができる。
【0036】
練習者は、操作部14を操作してカーソルを移動させ、表示される歌詞とカーソルの移動に伴って放音されるお手本音声とを参考にして、練習したい歌唱区間の選択を決定する操作を行う。制御部11は、操作部14から供給される操作信号に応じて、歌唱区間の選択が決定されたか否かを判定する(ステップS24)。決定されていないと判定された場合には(ステップS24;NO)、制御部11は、ステップS21の処理に戻り、歌唱区間の表示と選択された(カーソルのあたっている)歌唱区間に対応するお手本音声の再生とを行う。一方、歌唱区間の選択が決定されたと判定された場合には(ステップS24;YES)、制御部11は、操作部14から供給される操作信号に応じて、表示部13に表示された歌唱区間毎の歌詞のうちのいずれかの選択を決定する(ステップS25)。制御部11は、選択が決定された歌詞の歌唱区間に対応する伴奏データを伴奏データ記憶領域121から読み出し、読み出した伴奏データの表す伴奏音をスピーカ17に放音させるとともに、放音される伴奏音に対応する歌詞データを歌詞データ記憶領域122から読み出し、読み出した歌詞データの表す歌詞を、評価区間毎に表示部13に表示させることによって、決定された歌唱区間のカラオケ伴奏を行う(ステップS26)。
【0037】
<C:変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。
(1)上述した実施形態では、「ポイント練習コース」の動作において、カラオケ装置1の制御部11は、操作者によって選択された(カーソルのあたった)歌詞(歌唱区間)に対応するお手本音声を再生した。これに代えて、練習者が既に歌唱を行った場合には、練習者の歌唱音声を録音しておき、選択された歌詞に対応する歌唱済みの練習者音声を再生してもよい。このようにすれば、選択された(カーソルのあたっている)歌唱区間の練習者の歌唱音声が放音されるから、練習者は、自身が歌い間違えた部分を探しやすい。
なお、歌唱済みの歌唱区間については、制御部11が、評価区間毎に評価を行い、評価結果の低い歌唱区間に、図10に示すような図形H10,H11(「×」など)をつけるなどしてもよい。
【0038】
(2)上述した実施形態では、カラオケ装置1が、同実施形態に係る機能の全てを実現するようになっていた。これに対し、ネットワークで接続された2以上の装置が上記機能を分担するようにし、それら複数の装置を備えるシステムが同実施形態のカラオケ装置1を実現してもよい。例えば、マイクロフォンやスピーカを備える端末装置と、評価機能を備える専用のコンピュータ装置とがネットワークで接続されたシステムとして構成されていてもよい。
【0039】
(3)上述した実施形態におけるカラオケ装置1の制御部11によって実行されるプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由でカラオケ装置1にダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】カラオケ装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】歌詞データの内容の一例を示す図である。
【図3】表示部13に表示される画面の一例を示す図である。
【図4】制御部11が行うフレーズ毎練習コース処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】表示部13に表示される画面の一例を示す図である。
【図6】制御部11が行う通常カラオケ+部分練習コース処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】表示部13に表示される画面の一例を示す図である。
【図8】表示部13に表示される画面の一例を示す図である。
【図9】制御部11が行うポイント練習コース処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】表示部13に表示される画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1…カラオケ装置、11…制御部、12…記憶部、13…表示部、14…操作部、15…マイクロフォン、16…音声処理部、17…スピーカ、121…伴奏データ記憶領域、122…歌詞データ記憶領域、123…背景画データ記憶領域、124…お手本音声データ記憶領域、125…練習者音声データ記憶領域、126…指導データ記憶領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱指導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歌唱を練習するための装置が種々提案されている。例えば、特許文献1に記載されたカラオケ装置は、伴奏音楽の演奏を利用者が中断して、演奏を再開させるポイントを利用者に自由に設定させることによって、利用者が希望する部分だけを的確に演奏することができるようになっている。また、特許文献2に記載のカラオケ装置によれば、フレーズ単位でお手本の再生と評価結果表示を繰り返し、歌唱練習を行うことができるようになっている。
【特許文献1】特許第3482355号公報
【特許文献2】特許第3588596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、表示させる歌詞から演奏を再開させるポイントを選択するものであり、表示される歌詞だけではジャンプ先(再開ポイント)が分かりにくいことがある。また、特許文献2に記載の装置は、フレーズ単位で歌唱練習を行うものであるが、練習単位となるフレーズ単位が短すぎる場合がある。一方、フレーズの長さを歌いやすい(練習に適した)長さにとると、歌詞の各文字に対してピッチやタイミング等を評価する場合、評価結果の表示が画面に収まらない場合がある。また、曲の先頭からフレーズ毎に模範演奏と歌唱、評価を進めていくため、特定の部分だけを練習することはできない。
本発明は上述した背景の下になされたものであり、歌唱の評価を行う歌唱指導装置において、練習者が歌唱の練習を行う際の操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の好適な態様である歌唱指導装置は、伴奏音を表す伴奏データを予め定められた歌唱区間毎に記憶する伴奏データ記憶手段と、音声を表す第1の音声データを記憶する第1の音声データ記憶手段と、前記伴奏データ記憶手段に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、前記歌唱区間毎に放音手段に放音させる制御手段と、収音し、収音した音声を表す第2の音声データを出力する収音手段と、前記第1の音声データ記憶手段に記憶された前記第1の音声データと前記収音手段から出力される第2の音声データとを比較し、該比較結果に基づいて、前記第2の音声データを、前記歌唱区間よりも短い評価区間毎に評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を、前記評価区間毎に報知する評価結果報知手段とを備える。
【0005】
また、本発明の好適な態様である歌唱指導装置は、伴奏音を表す伴奏データを予め定められた歌唱区間毎に記憶する伴奏データ記憶手段と、歌詞を表す歌詞データを前記歌唱区間毎に記憶する歌詞データ記憶手段と、音声を表す第1の音声データを記憶する第1の音声データ記憶手段と、前記歌詞データ記憶手段に記憶された歌詞の前記歌唱区間毎の一覧を、表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段により前記表示手段に表示された前記歌唱区間毎の歌詞のうちのいずれかの選択を決定する選択決定手段と、前記選択決定手段により選択が決定された歌詞の歌唱区間に対応する伴奏データを前記伴奏データ記憶手段から読み出し、読み出した伴奏データの表す伴奏音を放音手段に放音させるとともに、放音される伴奏音に対応する歌詞データを前記歌詞データ記憶手段から読み出し、読み出した歌詞データの表す歌詞を、前記歌唱区間よりも短い評価区間毎に前記表示手段に表示させる制御手段とを備える。
【0006】
この態様において、収音し、収音した音声を表す第2の音声データを出力する収音手段と、前記第1の音声データ記憶手段に記憶された前記第1の音声データと前記収音手段から出力される第2の音声データとを比較し、該比較結果に基づいて、前記第2の音声データを、前記評価区間毎に評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を、前記評価区間毎に報知する評価結果報知手段とを備えてもよい。
【0007】
また、この態様において、前記表示制御手段により前記表示手段に表示された歌詞のうちのいずれかを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された歌詞の歌唱区間に対応する前記第1の音声データを、前記放音手段に放音させる放音制御手段とを備えてもよい。
また、この態様において、前記収音手段から出力される前記第2の音声データを記憶する第2の音声データ記憶手段と、前記表示制御手段により前記表示手段に表示された歌詞のうちのいずれかを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された歌詞の歌唱区間に対応する前記第2の音声データを、前記放音手段に放音させる放音制御手段とを備えてもよい。
また、この態様において、歌唱の指導内容を表す指導データを、前記評価区間毎に記憶する指導データ記憶手段と、前記制御手段により放音される伴奏音に対応する評価区間の指導データを、前記指導データ記憶手段から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を、前記評価区間毎に報知する指導内容報知手段とを備えてもよい。
【0008】
また、この態様において、歌唱の指導内容を表す指導データを、前記評価区間毎に記憶する指導データ記憶手段と、前記伴奏データ記憶手段に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、前記放音手段に放音させる放音制御手段と、前記放音制御手段により伴奏音が放音されている最中に、操作手段からの操作信号の入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段により前記操作信号の入力を受け付けた場合に、放音されていた伴奏音の評価区間に対応する指導データを前記指導データ記憶手段から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を報知する指導内容報知手段と、前記指導内容報知手段により報知された指導内容に対応する歌唱区間のデータを前記伴奏データ記憶手段から読み出し、読み出した伴奏データの表す伴奏音を放音する第2の放音制御手段とを備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、歌唱の評価を行う歌唱指導装置において、練習者が歌唱の練習を行う際の操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<A:構成>
図1は、本実施形態であるカラオケ装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。カラオケ装置1は、歌唱の練習者に対して歌唱指導を行う歌唱指導装置として機能する。図において、制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、ROM又は記憶部12に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、カラオケ装置1の各部を制御する。記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムやその実行時に使用されるデータを記憶するための記憶手段であり、例えばハードディスク装置である。表示部13は、液晶表示パネルを備え、制御部11による制御のもとに各種の画像を表示する表示手段である。操作部14は、テンキーや上下キー、演奏開始キー、採点キーなどの各種のキーを備えるリモコンなどの操作手段であり、練習者による操作に応じた操作信号を制御部11に出力する。マイクロフォン15は、収音して、収音した音声を表す音声信号(アナログデータ)を出力する収音手段である。音声処理部16は、マイクロフォン15が出力する音声信号(アナログデータ)をデジタルデータに変換して制御部11に出力する。スピーカ17は、音声処理部16から出力される音声信号に応じた強度で放音する放音手段である。なお、スピーカ17に代えて、耳に装着可能なイヤホンやヘッドフォンを放音手段として用いることもできる。
【0011】
記憶部12は、図示のように、伴奏データ記憶領域121と歌詞データ記憶領域122と背景画データ記憶領域123とお手本音声データ記憶領域124と練習者音声データ記憶領域125と指導データ記憶領域126とを備えている。伴奏データ記憶領域121には、MIDI(Musical Instruments Digital Interface)形式などのデータ形式の伴奏データであって、各楽曲の伴奏楽音を構成する伴奏データが予め定められた歌唱区間毎に記憶されている。この伴奏データは、その曲の伴奏を行う各種楽器の音高(ピッチ)を示す情報が楽曲の進行に伴って記されたデータである。歌詞データ記憶領域122には、楽曲の歌詞を示す歌詞データが記憶されている。歌詞データは、カラオケ歌唱の際に歌詞テロップとして表示部13に表示される。背景画データ記憶領域123には、伴奏データと対応する動画像を示す背景画データが記憶されている。
【0012】
歌詞データ記憶領域122に記憶された歌詞データは、図2に示すように、評価区間毎に区分されるとともに、歌唱区間毎に区分されている。評価区間は、歌唱区間よりも短い区間であり、この実施形態においては、複数の評価区間がまとめられて歌唱区間が構成されている。評価区間は、制御部11が評価を行う際の単位として用いられるものであり、歌唱区間は、練習者に歌唱練習を行わせるための単位として用いられるものである。この実施形態においては、歌詞を表示部13の画面に表示しきれる程度に区分したそれぞれの区間を評価区間として用い、一方、練習者が歌唱練習を行いやすい程度の時間区間毎(例えば、フレーズ毎)に区分したそれぞれを歌唱区間として用いる。
【0013】
お手本音声データ記憶領域124には、歌唱のお手本として予め収録されたお手本音声信号を表すお手本音声データ(第1の音声データ)が記憶されている。お手本音声データは、WAVE形式やMP3(MPEG1 Audio Layer-3)形式などのデータ形式である。練習者音声データ記憶領域125には、マイクロフォン15によって収音されて音声処理部16でデジタルデータに変換される音声データ(以下、「練習者音声データ」という)が記憶される。この練習者音声データも、WAVE形式やMP3形式などのデータ形式である。指導データ記憶領域126には、歌唱の指導内容を表す指導データが評価区間毎に記憶されている。
【0014】
<B:実施形態の動作>
次に、この実施形態の動作について説明する。まず、練習者は、カラオケ装置1の操作部14を操作して、歌唱したい楽曲を選択する操作を行う。操作部14は操作された内容に応じた操作信号を制御部11へ出力し、制御部11は、操作部14から出力される操作信号に応じて楽曲を選択する。次いで、制御部11は、練習コースの選択を促す画面を表示部13に表示させる。図3は、表示部13に表示される画面の一例を示す図である。図示のように、この画面には、「フレーズ毎練習コース」と「通常カラオケ+部分練習コース」と「ポイント練習コース」とのいずれかのコースを選択するための画面が表示される。「フレーズ毎練習コース」は、フレーズ(歌唱区間)毎にお手本の再生、歌唱、指導画面を繰り返して順にフレーズを練習するコースである。「通常カラオケ+部分練習コース」は、通常のカラオケのとおり歌唱をしていって、指導を受けたい箇所になったら練習者の入力で指導画面を表示するコースである。「ポイント練習コース」は、曲中の任意の箇所にジャンプし、ジャンプした箇所について練習するコースである。
【0015】
練習者は、表示部13に表示された画面を確認し、操作部14を操作して練習コースを選択する。操作部14は操作された内容に応じた操作信号を制御部11へ出力し、制御部11は、操作部14から出力される操作信号に応じて選択されたコースを判定し、選択されたコースに応じた動作を行う。
【0016】
<B−1:「フレーズ毎練習コース」が選択された場合の動作>
まず、「フレーズ毎練習コース」が選択された場合の処理について、図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。フレーズ単位(歌唱区間単位)で歌詞と指導内容との表示を行うと次のような問題がある。カラオケ画面の解像度は通常あまり高くない(VGA(Video Graphics Array)程度)ので、フレーズが長いと指導画面に入りきらず、一方でフレーズが短いと歌いにくい(歌唱練習を行い難い)。そのため、この実施形態においては、歌唱単位と評価単位を別々にしている。
【0017】
「フレーズ毎練習コース」が選択されたと判定された場合には、制御部11は、まず、歌唱区間毎のお手本音声を再生する(ステップS1)。このとき、制御部11は、お手本音声にあわせて伴奏音を再生することもできる。次いで、制御部11は、伴奏データ記憶領域121に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、予め定められた歌唱区間毎にスピーカ17に放音させることによって、カラオケ伴奏を行う(ステップS2)。すなわち、制御部11は、伴奏データ記憶領域121から伴奏データを読み出して音声処理部16に供給し、音声処理部16は、伴奏データをアナログ信号に変換し、スピーカ17に供給して放音させる。また、制御部11は、歌詞データ記憶領域122から歌詞データを読み出して歌詞テロップを表示部13に表示させる。
【0018】
練習者は、スピーカ17から放音される伴奏にあわせて歌唱を行う。このとき、練習者の音声はマイクロフォン15によって収音されて音声信号に変換され、音声処理部16へと出力される。音声処理部16によってA/D変換された練習者音声データ(第2の音声データ)は、伴奏開始からの経過時間を示す情報と共に、練習者音声データ記憶領域125に時系列に記憶(録音)されていく(ステップS3)。
【0019】
次いで、制御部11は、お手本音声データ記憶領域124に記憶されたお手本音声データと、音声処理部16から出力される練習者音声データとを比較し、該比較結果に基づいて、練習者音声データを、歌唱区間よりも短い評価区間毎に評価する(ステップS4)。
【0020】
ここで、制御部11がステップS4において行う評価処理について、以下に詳細に説明する。制御部11は、お手本音声データと練習者音声データとをそれぞれ所定時間長(例えば、「3msec」)のフレーム単位で、ピッチ、パワー、スペクトルを検出する。スペクトルの検出にはFFT(Fast Fourier Transform)が用いられる。この実施形態においては、お手本音声データ(又は練習者音声データ)のピッチ、パワー、スペクトルを、お手本音声データ(又は練習者音声データ)の「特徴」と呼ぶ。
次いで、制御部11は、お手本音声データと練習者音声データとから検出された両者のスペクトルに基づいて両者の対応関係を求める。お手本音声と練習者音声とは時間的にずれている可能性がある。このようにお手本音声と練習者音声とが時間的に前後にずれている場合であっても、両者を対応付けられるようにするため、練習者音声データの時間軸を伸縮させる時間正規化(DTW:Dynamic Time Warping)を行い、両者の時間軸を合わせる。このDTWを行うための手法としては、この実施形態ではDP(Dynamic Programming:動的計画法)を用いる。
次いで、制御部11は、お手本音声データの特徴と練習者音声データの特徴とを比較し、両者の隔たりの度合いに応じて練習者音声データを評価区間毎に評価する。具体的には、例えば、ピッチ、パワー、スペクトルのそれぞれの特徴について比較を行い、それぞれの隔たりの度合いに応じて、特徴毎に評価(採点)を行ってもよい。
【0021】
図4の説明に戻る。制御部11は、ステップS5での評価結果を、評価区間毎に表示部13に表示させることによって、評価結果を報知する(ステップS5)。このとき、制御部11は、その評価区間に対応する指導データを、指導データ記憶領域126から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を、評価区間毎に表示部13に表示することもできる。
なお、評価結果の報知方法は、表示に限らず、評価結果を示す音声メッセージを放音することによって報知してもよく、要するに、評価結果を報知するものであればどのようなものであってもよい。
【0022】
図5は、ステップS5において表示部13に表示される画面の一例を示す図である。図示のように、ひとつの評価区間に含まれる歌詞W1が表示され、この評価区間の指導内容を表すコメントC1〜C4、その評価区間において用いるべき歌唱技法を表す図形I10〜I14、この指導区間に対応する評価結果を示す図形H1〜H9(例えば、「×」や「○」)など、その評価区間に対応する歌詞や指導内容、評価結果が表示される。
なお、このとき、制御部11は、上述した歌詞と指導内容との表示にあわせて、図5に示すような、お手本音声のピッチの時間的な変化を示すグラフA1や練習者音声のピッチの時間的な変化を示すグラフA2を表示することもできる。また、図5に示すような、お手本音声のリズムを表す図形A3や練習者音声のリズムを表す図形A4を表示することもできる。また、お手本音声と練習者音声との音量やリズムの違いを比較するために、お手本音声に対応する歌詞W1にあわせて、練習者音声に対応する歌詞W2を表示することもできる。
【0023】
次いで、制御部11は、次の評価区間があるか否かを判定し(ステップS6)、次の評価区間がある場合には(ステップS6;YES)、ステップS4の処理に戻り、次の評価区間について評価を行い(ステップS4)、図5に例示したような画面を表示部13に表示させることによって評価結果を報知する(ステップS5)。すなわち、制御部11は、ステップS4〜ステップS6の処理を繰り返すことによって、練習者音声データを評価区間毎に評価し、該評価結果を報知する。一方、次の評価区間がない、すなわち歌唱区間の最後まで評価し終えたと判定された場合には(ステップS6;NO)、制御部11は、次の歌唱区間があるか否かを判定し(ステップS7)、次の歌唱区間があると判定された場合には(ステップS7;YES)、ステップS1の処理に戻って、歌唱区間のお手本音声を再生する(ステップS1)。ステップS7において、次の歌唱区間がない、すなわち曲の最後まで再生し終えたと判断された場合には(ステップS7;NO)、制御部11は、処理を終了する。
【0024】
制御部11が図4に示す処理を行うことによって、「歌唱区間単位でのお手本音声の再生」→「歌唱区間単位での歌唱練習」→「評価区間単位での評価結果表示」・・・が繰り返される。このように、この実施形態では、歌唱練習を行うための歌唱区間単位と評価結果を表示するための評価区間単位とを別々にするから、歌唱練習を行いやすくすることができるとともに、評価結果を表示しやすくすることができる。
【0025】
<B−2:「通常カラオケ+部分練習コース」が選択された場合の動作>
上述した「フレーズ毎練習コース」では、曲のすべての部分に対してお手本音声の再生と歌唱,評価を行う。これに対し、練習者が練習したいのは曲の一部分のみで、他の部分は普通のカラオケのように通して歌唱したいこともある。この「通常カラオケ+部分練習コース」はこのような場合に用いられるものである。
【0026】
図6は、「通常カラオケ+部分練習コース」が選択されたと判定された場合に制御部11が行う処理の流れを示すフローチャートである。「通常カラオケ+部分練習コース」が選択されたと判定された場合には、まず、制御部11は、歌詞テロップを表示部13に表示させるとともに、カラオケ伴奏を開始する(ステップS11)。すなわち、制御部11は、伴奏データ記憶領域121から伴奏データを読み出して音声処理部16に供給し、音声処理部16は、伴奏データをアナログ信号に変換し、スピーカ17に供給して放音させる。また、制御部11は、歌詞データ記憶領域122から歌詞データを読み出して歌詞テロップを表示部13に表示させる。
図7は、「通常カラオケ+部分練習コース」が選択された場合に表示部13に表示される画面の一例を示す図である。図示のように、表示部13には、歌詞テロップW3が表示される。
練習者は、スピーカ17から放音される伴奏にあわせて歌唱を行う。このとき、練習者の音声はマイクロフォン15によって収音されて音声信号に変換され、音声処理部16へと出力される。音声処理部16によってA/D変換された練習者音声データは、伴奏開始からの経過時間を示す情報と共に、練習者音声データ記憶領域125に時系列に記憶(録音)されていく(ステップS12)。
【0027】
この「通常カラオケ+部分練習コース」においては、制御部11は、図7に示すように、部分練習モードに移行するためのボタンB1を表示部13に表示させる。練習者が操作部14を操作することによってこのボタンB1が選択されると、操作部14は操作内容に応じた信号を制御部11に出力する。制御部11は、操作部14から出力される操作信号に応じて、部分練習モードに移行する。制御部11は、スピーカ17から伴奏音が放音されている最中に、操作部14からの操作信号の入力を受け付ける入力受付手段として機能する。操作信号が入力された、すなわち部分練習モードに移行すると判定された場合には(ステップS13;YES)、制御部11は、放音されていた伴奏音の評価区間に対応する指導データを指導データ記憶領域126から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を、表示部13に表示させることによって報知する(ステップS14)。
なお、指導内容の報知方法は、表示に限らず、指導内容を示す音声メッセージを放音することによって報知してもよく、要するに、指導内容を報知するものであればどのようなものであってもよい。
【0028】
図8は、ステップS14において表示される画面の一例を示す図である。図示のように、ひとつの評価区間に含まれる歌詞W4が表示され、この評価区間の指導内容を表すコメントC1,C2、その評価区間において用いるべき歌唱技法を表す図形I1〜I4など、その評価区間に対応する歌詞と指導内容とが表示される。
【0029】
また、制御部11は、表示手段に表示された指導内容に対応する歌唱区間の伴奏音を、スピーカ17から放音させることによって、歌唱区間の伴奏を再生する(ステップS15)。
【0030】
歌唱区間の伴奏の再生を終えると、制御部11は、部分練習モードを終了するか否かを判定する(ステップS16)。この判定は、例えば、部分練習モードを終了する旨の操作を練習者が行ったか否かを、操作部14から出力される操作信号によって判定する。部分練習モードを終了すると判定された場合には(ステップS16;YES)、制御部11は、ステップS11の処理に戻り、カラオケ伴奏を再開する(ステップS11)。一方、部分練習モードを終了しないと判定された場合には(ステップS16;NO)、制御部11は、ステップS14の処理に戻り、部分練習を繰り返す。
【0031】
また、ステップS13において、部分練習モードに移行しないと判定された場合には(ステップS13;NO)、制御部11は、曲が終了したか否かを判定し(ステップS17)、曲が終了したと判定された場合には(ステップS17;YES)、そのまま処理を終了し、一方、曲が終了していないと判定された場合には(ステップS17;NO)、ステップS11の処理に戻り、カラオケ伴奏を再開する(ステップS11)。
【0032】
この「通常カラオケ+部分練習コース」コースにおいては、練習者がとくに操作を行わずに歌唱している場合は通常のカラオケと同様に歌唱が続けられるが、練習したい場所やうまく歌えなかった場所などにきたときに、所定のキーを押下するなどの操作がされると、指導画面が表示され、それを見て練習者は再度そのフレーズ(歌唱区間)を練習することができる。その歌唱区間の練習が終わったら、練習者が操作部14を操作することによって、そこからまた通常の歌唱を再開できる。
【0033】
<B−3:「ポイント練習コース」が選択された場合の動作>
「ポイント練習コース」では、練習したい箇所までジャンプして、その歌唱区間の練習を行うことができる。
図9は、「ポイント練習コース」が選択されたと判定された場合に制御部11が行う処理の流れを示すフローチャートである。「ポイント練習コース」が選択されたと判定された場合には、制御部11は、歌詞データ記憶領域122に記憶された歌詞の歌唱区間毎の一覧を表示部13に表示させる(ステップS21)。
図10は、ステップS21において表示される画面の一例を示す図である。図おいて、各行L1〜L5には、歌唱区間単位毎の歌詞が表示されている。
【0034】
練習者は、操作部14を操作してカーソルを移動させることによって、練習したいフレーズ(歌唱区間)を選択する。操作部14は、操作された内容に応じた操作信号を制御部11に出力する。制御部11は、操作部14から出力される操作信号に応じて、表示部13に表示された歌唱区間毎の歌詞(歌唱区間)のうちのいずれかを選択する(ステップS22)。制御部11は、選択した歌詞の歌唱区間に対応するお手本音声データをお手本音声データ記憶領域124から読み出し、読み出したお手本音声データの表すお手本音声を、スピーカ17から放音させる(ステップS23)。このとき、制御部11は、お手本音声の再生に合わせて、再生されるお手本音声に対応する伴奏データの表す伴奏音をスピーカ17から放音させることもできる。
【0035】
具体的には、例えば、図10に示す画面において、行L4にカーソルが移動された場合には、制御部11は、行L4の歌詞の歌唱区間に対応するお手本音声と伴奏とを再生する。
このように、フレーズが選択される際に、フレーズ毎のお手本音声を再生することで、歌詞だけを見るよりも、ジャンプ先がどの部分であるかがわかりやすくなる。これにより、練習者が歌唱の練習を行う際の操作性を向上させることができる。
【0036】
練習者は、操作部14を操作してカーソルを移動させ、表示される歌詞とカーソルの移動に伴って放音されるお手本音声とを参考にして、練習したい歌唱区間の選択を決定する操作を行う。制御部11は、操作部14から供給される操作信号に応じて、歌唱区間の選択が決定されたか否かを判定する(ステップS24)。決定されていないと判定された場合には(ステップS24;NO)、制御部11は、ステップS21の処理に戻り、歌唱区間の表示と選択された(カーソルのあたっている)歌唱区間に対応するお手本音声の再生とを行う。一方、歌唱区間の選択が決定されたと判定された場合には(ステップS24;YES)、制御部11は、操作部14から供給される操作信号に応じて、表示部13に表示された歌唱区間毎の歌詞のうちのいずれかの選択を決定する(ステップS25)。制御部11は、選択が決定された歌詞の歌唱区間に対応する伴奏データを伴奏データ記憶領域121から読み出し、読み出した伴奏データの表す伴奏音をスピーカ17に放音させるとともに、放音される伴奏音に対応する歌詞データを歌詞データ記憶領域122から読み出し、読み出した歌詞データの表す歌詞を、評価区間毎に表示部13に表示させることによって、決定された歌唱区間のカラオケ伴奏を行う(ステップS26)。
【0037】
<C:変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。
(1)上述した実施形態では、「ポイント練習コース」の動作において、カラオケ装置1の制御部11は、操作者によって選択された(カーソルのあたった)歌詞(歌唱区間)に対応するお手本音声を再生した。これに代えて、練習者が既に歌唱を行った場合には、練習者の歌唱音声を録音しておき、選択された歌詞に対応する歌唱済みの練習者音声を再生してもよい。このようにすれば、選択された(カーソルのあたっている)歌唱区間の練習者の歌唱音声が放音されるから、練習者は、自身が歌い間違えた部分を探しやすい。
なお、歌唱済みの歌唱区間については、制御部11が、評価区間毎に評価を行い、評価結果の低い歌唱区間に、図10に示すような図形H10,H11(「×」など)をつけるなどしてもよい。
【0038】
(2)上述した実施形態では、カラオケ装置1が、同実施形態に係る機能の全てを実現するようになっていた。これに対し、ネットワークで接続された2以上の装置が上記機能を分担するようにし、それら複数の装置を備えるシステムが同実施形態のカラオケ装置1を実現してもよい。例えば、マイクロフォンやスピーカを備える端末装置と、評価機能を備える専用のコンピュータ装置とがネットワークで接続されたシステムとして構成されていてもよい。
【0039】
(3)上述した実施形態におけるカラオケ装置1の制御部11によって実行されるプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由でカラオケ装置1にダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】カラオケ装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】歌詞データの内容の一例を示す図である。
【図3】表示部13に表示される画面の一例を示す図である。
【図4】制御部11が行うフレーズ毎練習コース処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】表示部13に表示される画面の一例を示す図である。
【図6】制御部11が行う通常カラオケ+部分練習コース処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】表示部13に表示される画面の一例を示す図である。
【図8】表示部13に表示される画面の一例を示す図である。
【図9】制御部11が行うポイント練習コース処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】表示部13に表示される画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1…カラオケ装置、11…制御部、12…記憶部、13…表示部、14…操作部、15…マイクロフォン、16…音声処理部、17…スピーカ、121…伴奏データ記憶領域、122…歌詞データ記憶領域、123…背景画データ記憶領域、124…お手本音声データ記憶領域、125…練習者音声データ記憶領域、126…指導データ記憶領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伴奏音を表す伴奏データを予め定められた歌唱区間毎に記憶する伴奏データ記憶手段と、
音声を表す第1の音声データを記憶する第1の音声データ記憶手段と、
前記伴奏データ記憶手段に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、前記歌唱区間毎に放音手段に放音させる制御手段と、
収音し、収音した音声を表す第2の音声データを出力する収音手段と、
前記第1の音声データ記憶手段に記憶された前記第1の音声データと前記収音手段から出力される第2の音声データとを比較し、該比較結果に基づいて、前記第2の音声データを、前記歌唱区間よりも短い評価区間毎に評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果を、前記評価区間毎に報知する評価結果報知手段と
を備えることを特徴とする歌唱指導装置。
【請求項2】
伴奏音を表す伴奏データを予め定められた歌唱区間毎に記憶する伴奏データ記憶手段と、
歌詞を表す歌詞データを前記歌唱区間毎に記憶する歌詞データ記憶手段と、
音声を表す第1の音声データを記憶する第1の音声データ記憶手段と、
前記歌詞データ記憶手段に記憶された歌詞の前記歌唱区間毎の一覧を、表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により前記表示手段に表示された前記歌唱区間毎の歌詞のうちのいずれかの選択を決定する選択決定手段と、
前記選択決定手段により選択が決定された歌詞の歌唱区間に対応する伴奏データを前記伴奏データ記憶手段から読み出し、読み出した伴奏データの表す伴奏音を放音手段に放音させるとともに、放音される伴奏音に対応する歌詞データを前記歌詞データ記憶手段から読み出し、読み出した歌詞データの表す歌詞を、前記歌唱区間よりも短い評価区間毎に前記表示手段に表示させる制御手段と
を備えることを特徴とする歌唱指導装置。
【請求項3】
収音し、収音した音声を表す第2の音声データを出力する収音手段と、
前記第1の音声データ記憶手段に記憶された前記第1の音声データと前記収音手段から出力される第2の音声データとを比較し、該比較結果に基づいて、前記第2の音声データを、前記評価区間毎に評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果を、前記評価区間毎に報知する評価結果報知手段と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の歌唱指導装置。
【請求項4】
前記表示制御手段により前記表示手段に表示された歌詞のうちのいずれかを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された歌詞の歌唱区間に対応する前記第1の音声データを、前記放音手段に放音させる放音制御手段と
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の歌唱指導装置。
【請求項5】
前記収音手段から出力される前記第2の音声データを記憶する第2の音声データ記憶手段と、
前記表示制御手段により前記表示手段に表示された歌詞のうちのいずれかを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された歌詞の歌唱区間に対応する前記第2の音声データを、前記放音手段に放音させる放音制御手段と
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の歌唱指導装置。
【請求項6】
歌唱の指導内容を表す指導データを、前記評価区間毎に記憶する指導データ記憶手段と、
前記制御手段により放音される伴奏音に対応する評価区間の指導データを、前記指導データ記憶手段から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を、前記評価区間毎に報知する指導内容報知手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の歌唱指導装置。
【請求項7】
歌唱の指導内容を表す指導データを、前記評価区間毎に記憶する指導データ記憶手段と、
前記伴奏データ記憶手段に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、前記放音手段に放音させる放音制御手段と、
前記放音制御手段により伴奏音が放音されている最中に、操作手段からの操作信号の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段により前記操作信号の入力を受け付けた場合に、放音されていた伴奏音の評価区間に対応する指導データを前記指導データ記憶手段から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を報知する指導内容報知手段と、
前記指導内容報知手段により報知された指導内容に対応する歌唱区間のデータを前記伴奏データ記憶手段から読み出し、読み出した伴奏データの表す伴奏音を放音する第2の放音制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の歌唱指導装置。
【請求項1】
伴奏音を表す伴奏データを予め定められた歌唱区間毎に記憶する伴奏データ記憶手段と、
音声を表す第1の音声データを記憶する第1の音声データ記憶手段と、
前記伴奏データ記憶手段に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、前記歌唱区間毎に放音手段に放音させる制御手段と、
収音し、収音した音声を表す第2の音声データを出力する収音手段と、
前記第1の音声データ記憶手段に記憶された前記第1の音声データと前記収音手段から出力される第2の音声データとを比較し、該比較結果に基づいて、前記第2の音声データを、前記歌唱区間よりも短い評価区間毎に評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果を、前記評価区間毎に報知する評価結果報知手段と
を備えることを特徴とする歌唱指導装置。
【請求項2】
伴奏音を表す伴奏データを予め定められた歌唱区間毎に記憶する伴奏データ記憶手段と、
歌詞を表す歌詞データを前記歌唱区間毎に記憶する歌詞データ記憶手段と、
音声を表す第1の音声データを記憶する第1の音声データ記憶手段と、
前記歌詞データ記憶手段に記憶された歌詞の前記歌唱区間毎の一覧を、表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段により前記表示手段に表示された前記歌唱区間毎の歌詞のうちのいずれかの選択を決定する選択決定手段と、
前記選択決定手段により選択が決定された歌詞の歌唱区間に対応する伴奏データを前記伴奏データ記憶手段から読み出し、読み出した伴奏データの表す伴奏音を放音手段に放音させるとともに、放音される伴奏音に対応する歌詞データを前記歌詞データ記憶手段から読み出し、読み出した歌詞データの表す歌詞を、前記歌唱区間よりも短い評価区間毎に前記表示手段に表示させる制御手段と
を備えることを特徴とする歌唱指導装置。
【請求項3】
収音し、収音した音声を表す第2の音声データを出力する収音手段と、
前記第1の音声データ記憶手段に記憶された前記第1の音声データと前記収音手段から出力される第2の音声データとを比較し、該比較結果に基づいて、前記第2の音声データを、前記評価区間毎に評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果を、前記評価区間毎に報知する評価結果報知手段と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の歌唱指導装置。
【請求項4】
前記表示制御手段により前記表示手段に表示された歌詞のうちのいずれかを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された歌詞の歌唱区間に対応する前記第1の音声データを、前記放音手段に放音させる放音制御手段と
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の歌唱指導装置。
【請求項5】
前記収音手段から出力される前記第2の音声データを記憶する第2の音声データ記憶手段と、
前記表示制御手段により前記表示手段に表示された歌詞のうちのいずれかを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された歌詞の歌唱区間に対応する前記第2の音声データを、前記放音手段に放音させる放音制御手段と
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の歌唱指導装置。
【請求項6】
歌唱の指導内容を表す指導データを、前記評価区間毎に記憶する指導データ記憶手段と、
前記制御手段により放音される伴奏音に対応する評価区間の指導データを、前記指導データ記憶手段から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を、前記評価区間毎に報知する指導内容報知手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の歌唱指導装置。
【請求項7】
歌唱の指導内容を表す指導データを、前記評価区間毎に記憶する指導データ記憶手段と、
前記伴奏データ記憶手段に記憶された伴奏データの表す伴奏音を、前記放音手段に放音させる放音制御手段と、
前記放音制御手段により伴奏音が放音されている最中に、操作手段からの操作信号の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段により前記操作信号の入力を受け付けた場合に、放音されていた伴奏音の評価区間に対応する指導データを前記指導データ記憶手段から読み出し、読み出した指導データの表す指導内容を報知する指導内容報知手段と、
前記指導内容報知手段により報知された指導内容に対応する歌唱区間のデータを前記伴奏データ記憶手段から読み出し、読み出した伴奏データの表す伴奏音を放音する第2の放音制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の歌唱指導装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−20798(P2008−20798A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−194068(P2006−194068)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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