説明

歌詞テロップ表示装置及びプログラム

【課題】漢字を含む歌詞テロップと模範歌唱線とを併せて表示する際に、歌唱者がより歌唱しやすい態様にて歌詞テロップを表示する。
【解決手段】画面の横軸に左から右に進む時間軸をとり、画面の縦軸に上方が高音、下方が低音となる音階をとるグラフ状の模範歌唱線により歌唱模範メロディの音階を表示する(参考図〈b〉)。歌詞テロップの各文字を模範歌唱線の時間軸と音階とに対応付けた位置に表示することで、模範歌唱線で示される歌唱模範メロディの音階及び歌唱タイミングと、歌詞テロップの各文字の表示位置とを合致させる。さらに、歌詞の漢字1文字に対応する演奏区間に対して、歌唱模範メロディにおいて異なる複数の音階が割当てられている変換条件に該当する場合、その歌詞の漢字表記を仮名表記に変換して歌詞テロップを表示する。一方、歌詞の漢字が上記の変換条件に該当しない場合には、漢字表記のままで歌詞テロップを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ楽曲の演奏に合わせてモニタに歌詞テロップを表示する歌詞テロップ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケ楽曲の演奏に合わせてモニタに表示する歌詞テロップは、読みやすさや歌詞本来の表現を重視する観点から、漢字を使用した歌詞テロップを主に表示するようになっている。また、漢字を含む歌詞テロップを主として表示した場合、歌詞テロップ内の漢字に振り仮名(ルビ)を添えて表示することが行われている。また、特許文献1には、ユーザの好みに応じてルビの表示を自由にオン/オフする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−284908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、歌詞テロップに漢字を使用することは、読みやすさが向上したり歌詞本来の表現が実現するという観点では長所となる反面、1文字内に複数の音節を含む漢字は音として分離しにくいといった短所もある。例えば、「涙」という文字は漢字だと1文字だが、読みは「なみだ」という3つの音節が含まれる。しかしながら、この「涙」という歌詞に対して、異なる複数の音階による歌唱表現が求められる場面であっても、歌詞テロップの文字表現としては「涙」1文字で表現せざるを得ない。
【0005】
また、カラオケの歌唱を支援するアプリケーションの1つに、歌唱パートのメロディを構成する楽音の音階や音程変化を示すグラフ状の線(以下、模範歌唱線と称する。)を、歌唱の手本として歌詞テロップと併せてモニタに表示するものがある。このような機能は、例えば、歌唱者の歌唱音声を詳しく分析して、歌唱の巧拙を通常の採点機能よりも更に詳細に分析して採点する分析採点機能を利用する際に、歌唱者がより正確に歌唱できるように支援する目的で利用される。
【0006】
このような模範歌唱線を表示する場合、「なみだ」という歌詞に対応する歌唱メロディが複数の音階で構成されていても、歌詞テロップを「涙」1文字だけで表示すると、歌詞テロップの文字と歌唱メロディを示す模範歌唱線とが合わなくなる。このようになっていると、歌詞の音節と歌唱メロディの音階との対応が歌唱者に分かりにくくなり、歌唱者が歌唱しにくいという問題がある。また、従来のルビ表示方法では、ルビは漢字に付随して間近に表示することを前提としているため、歌詞の音節と歌唱メロディの音階との対応が分かりにくいという問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされており、漢字を含む歌詞テロップと模範歌唱線とを併せて表示する際に、歌唱者がより歌唱しやすい態様にて歌詞テロップを表示するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の歌詞テロップ表示装置は、歌詞テロップ表示制御手段と、歌唱線表示制御手段と、音階判定手段とを備える。
歌詞テロップ表示制御手段は、カラオケ楽曲の歌詞を示す歌詞テロップを構成する歌詞データであって、歌詞を構成する文字としての漢字を示すデータと、歌詞を構成する漢字の読み仮名を示すデータとを含む歌詞データに基づいて、カラオケ楽曲の演奏の進行に合わせて歌詞テロップを所定のモニタに表示させる。歌唱線表示制御手段は、カラオケ楽曲の歌唱メロディを構成する楽音の音階や音程変化を示す模範歌唱線を、カラオケ楽曲の演奏の進行に合わせてモニタに表示させる。音階判定手段は、歌唱線表示制御手段により模範歌唱線がモニタに表示される条件下において、歌詞データに含まれる歌詞の漢字部分に対応する歌唱メロディの演奏区間内に異なる複数の音階が含まれているか否かを判定する。
【0009】
そして、歌詞テロップ表示制御手段は、音階判定手段により歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に異なる複数の音階が含まれていると判定された場合、その判定された漢字部分の歌詞を読み仮名に相当する仮名表記に変換して歌詞テロップを表示させる。一方、音階判定手段により歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に異なる複数の音階が含まれていないと判定された場合、その判定された漢字部分の歌詞を漢字表記のままで歌詞テロップを表示させる。
【0010】
このような構成によれば、歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に歌唱メロディの音階が複数含まれている場合に、その漢字を仮名表記に変換した歌詞テロップを表示することで、漢字1文字で複数音節を含む歌詞を単一の音節ごとに分離した態様で表示できる。一方で、歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に単一の音階しか含まれていない場合には、漢字表記のまま歌詞テロップを表示するようにしたことで、全ての漢字を一律に仮名表記に変換する場合と比較して、歌詞の読みやすさが必要以上に損なわれることがない。
【0011】
本発明により、従来の漢字表記の歌詞テロップでは歌唱者にとって分かりにくかった歌詞の音節と歌唱メロディの音階との対応が一段と分かりやすくなる。特に、歌唱メロディを可視化するための模範歌唱線が表示されている条件下において、歌詞の音節と歌唱メロディの音階との対応が歌唱者に分かりやすく表示できるので、歌唱者が歌詞テロップと模範歌唱線とを見ながら、より正確な歌唱を行うことができる。よって、本発明の歌詞テロップ及び模範歌唱線の表示と、歌唱の巧拙を評価する採点機能とを併用することで、歌唱者による正確な歌唱によって高得点を狙うことができる。
【0012】
さらに、歌唱者が歌唱メロディに合わせて正確に歌唱できるようにするための工夫として、請求項2に記載のように構成してもよい。すなわち、歌詞テロップ表示制御手段は、歌唱線表示制御手段により表示される模範歌唱線で示される演奏区間の表示位置に対応付けて、その演奏区間に該当する歌詞の文字を配置して歌詞テロップを表示する。このように構成することで、模範歌唱線により可視化された歌唱メロディと歌詞の文字との対応関係を一層明確にして歌詞テロップを表示することができる。これにより、模範歌唱線と歌詞テロップとを見ながら歌う歌唱者が、歌唱メロディに合わせて一層正確に歌うことができるようになる。
【0013】
つぎに、請求項3に記載の歌詞テロップ表示装置は、以下の特徴を有する。すなわち、歌唱線表示制御手段は、カラオケ楽曲を演奏するカラオケ装置がカラオケ演奏に対する歌唱の巧拙度合を採点するための評価基準として用いる、楽曲として歌唱すべき音階を規定する歌唱模範データを取得し、その取得した歌唱模範データに従って模範歌唱線を描画してモニタに表示させる。このように、歌唱模範データに基づいて模範歌唱線を表示することで、歌唱を採点する機能における評価基準に則った正確な歌唱メロディを可視化できる。
【0014】
また、請求項4に記載のように、音階判定手段が、歌唱模範データで示される歌唱メロディの音階を参照して、歌詞データに含まれる歌詞の漢字部分に対応する歌唱メロディの演奏区間内に異なる複数の音階が含まれているか否かを判定するように構成してもよい。これにより、歌唱を採点する機能における評価基準に則った正確な歌唱メロディに合わせて、歌唱しやすい歌詞テロップを表示できる。これにより、採点機能において歌唱者が正確に歌唱することができ、高得点を狙うことができる。
【0015】
つぎに、歌詞テロップを歌唱者にとって一層読みやすくするための工夫として、請求項5に記載のように構成してもよい。すなわち、歌詞テロップ表示装置は、歌詞データに含まれる歌詞の漢字1文字に対応する読み仮名が複数文字であるか否かを判定する読み仮名判定手段を更に備える。そして、歌詞テロップ表示制御手段は、音階判定手段により歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に異なる複数の音階が含まれていると判定され、かつ、読み仮名判定手段により当該漢字1文字に対応する読み仮名が複数文字であると判定された場合、その判定された漢字部分の歌詞を読み仮名に相当する仮名表記に変換して歌詞テロップを表示させる。一方、読み仮名判定手段により漢字1文字に対応する読み仮名が1文字であると判定された場合、その判定された漢字部分の歌詞を漢字表記のままで歌詞テロップを表示させる。
【0016】
漢字1文字に対応する読み仮名が1文字である場合、漢字表記を仮名表記に変換したとしても、歌詞テロップとして表示する歌詞の文字数に変わりはない。つまり、その漢字に割当てられている歌唱メロディの音階の数に関わらず、漢字表記のままであると歌唱しにくくなるという心配はなく、むしろ、漢字表記のままの方が意味を理解しやすいという利点がある。そこで、歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に複数の音階が含まれており、かつ、その漢字1文字に対応する読み仮名が複数文字であるという条件に該当する場合に限り、歌詞の漢字を仮名表記に変換し、それ以外は漢字表記のまま歌詞テロップを表示するようにしたことで、歌詞の読みやすさが必要以上に損なわれることがない。
【0017】
さらに、歌詞テロップを歌唱者にとって一層読みやすくするための工夫として、請求項6に記載のように構成してもよい。すなわち、歌詞テロップ表示制御手段は、歌詞テロップにおいて漢字部分の歌詞を読み仮名に相当する仮名表記に変換して表示させる場合、その仮名表記に対応する漢字で表記されたルビを当該仮名表記に対応付けて傍記した歌詞テロップを表示させる。一方、歌詞テロップにおいて漢字部分の歌詞を漢字表記のままで表示させる場合、その漢字表記に対応する読み仮名のルビを当該漢字表記に対応付け傍記した歌詞テロップを表示させる。
【0018】
このようにすることで、歌詞の漢字を仮名表記に変換して歌詞テロップを表示する際、元々の漢字表記をルビとして仮名表記の歌詞に傍記することができる。つまり、通常では漢字表記の歌詞に対して読み仮名をルビとして表示していたものを、仮名表記の歌詞に漢字のルビという表示に入れ替える。これにより、仮名表記に変換された歌詞による歌唱メロディの音階に合わせた歌唱しやすさと、ルビとして傍記された漢字表記による歌詞の読みやすさとを両立できる。
【0019】
なお、本発明は、請求項7に記載のように、カラオケ楽曲の歌詞を示す歌詞テロップをモニタに表示させる処理を行う情報処理装置によって実行されるプログラム、あるいは該プログラムを記憶する記憶媒体等、種々の態様で実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】カラオケ装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】楽曲データの構造を示す説明図である。
【図3】歌詞テロップの表示例を示す説明図である。
【図4】歌詞テロップ表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】歌唱テロップにおける歌唱位置の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[カラオケ装置1の構成の説明]
図1に示すように、カラオケ装置1は、カラオケ装置1全体の制御を司る制御手段としてのCPU14、及びこのCPU14に接続された各部、すなわち、操作パネル10、映像処理部11、ディスプレイ12、ハードディスクドライブ(HDD)13、RAM15、ROM16、通信インタフェース17、音声処置部18等を備えている。
【0022】
操作パネル10は、カラオケ楽曲の再生予約等の各種操作を行うための入力装置である。映像処理部11は、画像情報を映像化するグラフィックエンジンや圧縮形式の映像データを再生するデコーダからなる映像処理装置である。映像処理部11によって映像化された画像情報等は、ビデオ出力端子に接続されたディスプレイ12に表示される。HDD13は、カラオケの楽曲データを多数収録した楽曲データベースや、カラオケ装置1の動作を制御するシステムプログラムやアプリケーションプログラム、歌詞テロップの文字表示に用いるフォントデータ等の各種データを記憶する記憶装置である。RAM15は、CPU14のメインメモリとして利用される記憶装置であり、CPU14によって読込まれたプログラムや各種データを一時的に記憶したり、画像データを展開するための画像バッファとして用いられる。ROM16は、読出し専用の記憶媒体であり、IPLやBIOSといった一部のシステムプログラムやシステムデータを記憶する。通信インタフェース17は、ネットワーク接続端子に接続されたインターネット等の外部ネットワークを介して配信サーバとのデータを行うための通信装置である。
【0023】
音声処理部18は、楽曲データに含まれるMIDI(Music Instrument Digital Interface)データに基づく演奏再生を行う。また、音声処理部18は、演奏再生を行うとともに、演奏再生音とオーディオ入力端子に接続されるマイクロフォン(図示省略)から入力される歌唱者の歌声とをミキシングする等して適宜音声処理を施し、その音声処理された音声信号をオーディオ出力端子から出力する。オーディオ出力端子から出力された音声信号は、オーディオ出力端子に接続されたアンプ(図示省略)で増幅された後にスピーカ(図示省略)から放音される。
【0024】
CPU14は、操作パネル10やリモコン端末(図示省略)を介してユーザから指定されたカラオケ楽曲の伴奏音楽を演奏する処理を行う。このとき、演奏対象の楽曲データに含まれるテロップデータに基づき、当該カラオケ楽曲の歌詞テロップをディスプレイ12の表示画面に表示するとともに、歌唱位置を歌唱者に対して示す目的で演奏の進行に同期して表示文字の色を変化させる。
【0025】
また、歌唱者による歌唱結果を採点する機能として、分析採点アプリケーションをユーザからの指示があった場合に実行する。分析採点は、歌唱者の歌唱音声を詳しく分析し、歌唱の巧拙を通常の採点機能よりも更に詳細に採点する機能である。また、分析採点アプリケーション実行をする際には、カラオケの歌唱を支援するアプリケーションとして、カラオケ楽曲の歌唱パートのメロディを構成する楽音(歌唱模範メロディ)の音階や音程変化を示すグラフ状の模範歌唱線を、歌唱の手本として歌詞テロップと併せてディスプレイ12に表示する。
【0026】
なお、カラオケ装置1のその他の機能や構成については公知技術に従っているのでここではその詳細な説明は省略する。
[楽曲データの構造の説明]
図2に示すとおり、HDD13が記憶する楽曲データベースは、個々のカラオケ楽曲に対応する楽曲データを多数収録したデータベースである。各楽曲データは、曲名、作曲者名、曲番号、楽曲のジャンルを示す情報が登録されたメタデータ、MIDI演奏をするためのMIDIデータ(MIDI演奏データ)、及び、歌詞テロップを表示するためのテロップデータから構成される。
【0027】
MIDIデータには、カラオケの伴奏パートのメロディを演奏するための演奏データの他に、歌唱パートとして歌唱すべき音階(歌唱模範メロディ)を規定する歌唱模範データが含まれる。この歌唱模範データは、採点機能において歌唱結果を採点するための基準や、歌唱メロディをユーザに可視化する模範歌唱線の表示、歌詞テロップにおいて漢字表記を仮名表記に変換するための判断基準等として用いられる。
【0028】
テロップデータは、読み仮名データ、歌詞データ及び属性データからなる複数の小データ群(ブロックデータB01〜Bnn)を時系列に並べた構成を有している。このうちの読み仮名データは、歌詞テロップに含まれる漢字の読み仮名としての文字列、読み仮名の文字を表示させる位置、及び、文字列のフォントサイズ等を規定する。歌詞データは、歌詞テロップを構成する文字列、歌詞テロップの文字表示させる位置、及び、文字列のフォントサイズ等を規定する。また、属性データは、歌詞データ及び読み仮名データの文字列を表示するタイミングを示す表示ステップ、表示中の文字列を画面から消去するタイミングを示す消去ステップ、及び、MIDI演奏の進行に同期して歌唱すべき歌詞の位置を表示する歌詞テロップの色替えタイミングを示す変化ステップ等を規定する。なお、ここでいう「ステップ」とは、MIDI演奏の基準となる計時値(発音タイミング)であり、この値をMIDI演奏と共有することで、演奏音と歌詞テロップの制御の同期をとるようになっている。
【0029】
[歌詞テロップの表示例]
つぎに、本実施形態のカラオケ装置1による歌詞テロップの表示例を、図3を参照しながら説明する。
【0030】
図3〈a〉は、模範歌唱線の表示を伴わない場合の通常の歌詞テロップの表示例を示す図である。通常の歌詞テロップの表示方法では、「忙しいから見逃しておくれ」といった漢字交じりで表記された歌詞の文字列と、歌詞の文字列に含まれる「忙」、「見」、「逃」の各漢字の読み仮名を示す「いそが」、「み」、「のが」といった仮名表記のルビが、対応する漢字の頂上に小さく傍記されている。また、通常の歌詞テロップでは、一節分の歌詞の文字列が横方向に一直線に並ぶように表示される。なお、このような通常の歌詞テロップの表示は公知技術である。
【0031】
一方、図3〈b〉は、本発明の特徴である、模範歌唱線の表示を伴う歌詞テロップの表示例を示す図である。この歌詞テロップの表示は、歌詞テロップの表示と歌唱模範メロディの模範歌唱線の表示とを併せて行う場合に適用される。なお、ここで例示する歌詞は図3〈a〉のものと同じ内容であるが、その表示方法が異なる。
【0032】
歌唱模範メロディの音階を示す模範歌唱線は、画面の横軸に左から右に進む時間軸をとり、画面の縦軸に上方が高音、下方が低音となる音階をとる階段状の棒グラフとして表示される。なお、歌詞テロップの表示色を演奏の進行に同期して徐々に色替えする場合、色替えの進行方向は、模範歌唱線と同じく画面の横軸に左から右に進む時間軸に沿った方向となる。
【0033】
これに対し、歌詞テロップは、画面の横軸方向において、模範歌唱線で示される演奏区間の時間軸に合わせて、そのタイミングで歌唱されるべき歌詞の文字が位置するようにレイアウトされるとともに、画面の縦軸方向において、模範歌唱線で示される音階の高さに合わせて模範歌唱線の直上にレイアウトされる。このように、歌詞テロップを構成する各文字を模範歌唱線の時間軸と音階とに対応付けて表示することで、模範歌唱線で示される歌唱模範メロディの音階及び歌唱タイミングと、歌詞テロップの各文字の表示位置とが合致する。
【0034】
特に、図3〈b〉の事例では、歌詞に含まれる「逃」という漢字に対応する演奏区間対し、歌唱模範メロディにおいて異なる複数の音階が割当てられており、「逃」の部分を歌唱する間に音程が変化する構成になっている。これに対し、本実施例における歌詞テロップの表示方法では、歌詞の漢字表記とルビの仮名表記とを入替えて表示する。つまり、本来の歌詞における「逃」という漢字表記を、読み仮名に相当する「のが」という仮名表記に変換して歌詞を表示する一方、仮名表記に変換された歌詞に対して「逃」という漢字表記をルビとして傍記している。このようにすることで、「逃」という漢字表記に含まれる「の」と「が」からなる複数の音節が個々に分解され、歌唱模範メロディ各音階に対応付けられて歌詞テロップが表示される。
【0035】
このように、本実施形態では、歌詞データで示される歌詞の漢字1文字に対応する演奏区間に対して、歌唱模範メロディにおいて異なる複数の音階が割当てられている変換条件に該当する場合、その歌詞の漢字表記を仮名表記に変換(歌詞表記とルビとを入替える)する。その一方で、歌詞の漢字が上記の変換条件に該当しない場合には、漢字表記のままで歌詞テロップを表示する。すなわち、図3〈b〉に示す事例では、「逃」という漢字のみ仮名表記に変換されており、他の「忙」、「見」という漢字については、漢字表記のままで歌詞テロップが表示される。
【0036】
図3〈c〉は、図3〈b〉における歌詞テロップの表示例との比較対象として想定した参考例である。この事例においては、「忙しいから見逃しておくれ」という本来の歌詞に含まれる漢字表記を全て仮名表記に変換した上で、各文字を模範歌唱線の時間軸と音階とに対応付けて表示したものである。このような歌詞の表示方法によれば、図3〈b〉に示す表示例と同様に、歌詞の音節と模範歌唱線の音階とが一致するという利点がある。しかしながら、漢字表記を全て仮名表記にしたことで、図3〈b〉に示す表示例と比較して、歌詞の意味が著しく分かりにくくなるという欠点もある。この欠点に対し、本実施形態では、図3〈b〉の表示例のとおり、変換条件に該当しない漢字は漢字表記のまま歌詞テロップを表示するよう構成しているので、歌詞の読みやすさが必要以上に損なわれることがなく、上記欠点を克服している。よって、本実施形態の歌詞テロップの表示方法によれば、メロディに合わせた歌唱のしやすさと、歌詞の読みやすさとを両立できる。
【0037】
[歌詞テロップ表示処理の説明]
つぎに、カラオケ装置1のCPU14が実行する歌詞テロップ表示処理の手順について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、所定の選曲操作によって指定されたカラオケ楽曲の演奏を開始するときに実行される。
【0038】
CPU14は、カラオケ楽曲の演奏と並行して分析採点アプリケーションを起動するか否かを判定する(S100)。分析採点アプリケーションを起動する場合(S100:YES)、S102の処理に進み、分析採点アプリケーションを起動しない場合(S100:NO)、S104の処理に進む。
【0039】
分析採点アプリケーションを起動する場合に進むS102では、演奏対象となる楽曲データ内に歌唱パートのメロディを示す歌唱模範データが存在するか否かを判定する。楽曲データに歌唱模範データが存在する場合(S102:YES)、S106の処理に進み、歌唱模範データが存在しない場合(S102:NO)、S104の処理に進む。
【0040】
分析採点アプリケーションを起動しない場合、又は、楽曲データ内に歌唱模範データが存在しない場合に進むS104では、楽曲データに含まれるテロップデータを用いて、MIDI演奏の進行に合わせて通常の歌詞テロップの表示を行う。通常の歌詞テロップの表示例については、図3〈a〉を参照されたい。なお、テロップデータを用いた通常の歌詞テロップの表示は、公知技術に従っているので詳細な説明は省略する。MIDI演奏の終了に伴い、歌詞テロップの表示が完了した後、本処理を終了する。
【0041】
一方、演奏対象となる楽曲データに歌唱模範データが存在する場合に進むS106では、この楽曲データに含まれるテロップデータを対象に、ブロックデータ処理ループを開始する。具体的には、テロップデータに含まれる全てのブロックデータB01〜Bnnについて、1つずつS108〜S124の処理を実施する。このブロックデータ処理ループは、楽曲のMIDI演奏が終了するまで繰返される。
【0042】
なお、CPU14は、上記ブロックデータ処理ループと並列して行う処理として、模範歌唱線表示処理を別途実行する。この模範歌唱線表示処理は、演奏対象の楽曲データから歌唱模範データを読出し、この歌唱模範データに基づいて、歌唱パートのメロディの音階や音程変化を示す模範歌唱線をMIDI演奏の進行に合わせてディスプレイ12に表示する。模範歌唱線は、画面の横軸に左から右に進む時間軸をとり、画面の縦軸に上方が高音、下方が低音となる音階をとるグラフとしてディスプレイ12に表示する。なお、歌唱模範データを用いた模範歌唱線の表示は、公知技術に従っているので詳細な説明は省略する。
【0043】
ブロックデータ処理ループのS108では、今ループでの処理対象となるn番目のブロックデータを1つ読出すとともに、このブロックデータの属性値における各ステップ値に基づいて、このブロックデータに対応する演奏区間における歌唱模範データを読出す。
【0044】
つぎに、S110では、処理対象のブロックデータ内の歌詞データで示される文字列に漢字が存在するか否かを判定する。歌詞データの文字列に漢字が存在する場合(S110:YES)、S112の処理に進み、歌詞データの文字列に漢字が存在しない場合(S110:NO)、S120の処理に進む。
【0045】
歌詞データの文字列に漢字が存在する場合に進むS112では、文字列に含まれる漢字の中から未処理の漢字1文字を選んで処理対象とし、その処理対象の漢字に対応する読み仮名が複数文字であるか否かを、読み仮名データを参照して判定する。処理対象の漢字に対応する読み仮名が複数文字である場合(S112:YES)、S114の処理に進み、読み仮名が1文字である場合(S112:NO)、S118の処理に進む。
【0046】
処理対象の漢字に対応する読み仮名が複数文字である場合に進むS114では、処理対象の漢字1文字分の歌詞に対応する演奏区間、すなわち、当該漢字1文字分の歌詞が歌唱されるべき演奏区間に対応する歌唱模範メロディに、異なる複数の音階が割当てられているか否かを判定する。なお、漢字部分の歌詞に対応する演奏区間は、当該ブロックデータの属性データにおける変化ステップから特定する。また、歌唱模範メロディの音階については、ブロックデータとともに読み出した歌唱模範データから特定する。処理対象の漢字に対応する演奏区間に異なる複数の音階が割当てられている場合(S114:YES)、S116の処理に進み、処理対象の漢字に対応する演奏区間に複数の音階が割当てられていない場合(S114:NO)、S118の処理に進む。
【0047】
処理対象の漢字に対応する演奏区間に異なる複数の音階が割当てられている場合に進むS116では、歌詞データにおける当該処理対象の漢字を読み仮名に相当する仮名表記に変換するとともに、読み仮名データにおける当該処理対象の漢字の読み仮名を漢字表記に変換する。
【0048】
そして、S118では、処理対象のブロックデータの歌詞データに含まれる全ての漢字に対してS112〜S116の処理を行ったか否かを判定する。判定の結果、未処理の漢字がある場合(S118:NO)、S112の処理に戻って次の未処理の漢字に対してS112〜S116の処理を繰返す。一方、全ての漢字が処理済みである場合(S118:YES)、S120の処理に進む。
【0049】
S120では、S108で読み出した処理対象のブロックデータに従って、歌詞テロップを構成する文字列を、模範歌唱線表示処理において表示される模範歌唱線の表示位置に対応させてレイアウトする。ここでは、歌詞データに基づいて歌詞テロップにおけるメインの歌詞をレイアウトし、読み仮名データに基づいてメインの歌詞に傍記するルビをレイアウトする。このとき、S116における処理結果、すなわち、歌詞データの漢字表記を仮名表記に変換した処理結果と、読み仮名データの仮名表記を漢字表記に変換した処理結果とを歌詞テロップのレイアウトに反映する。また、変換の条件外につきS116において変換しなかった漢字及びルビについては、通常どおり表記する。
【0050】
また、歌詞テロップの各文字の画面横方向の表示位置は、処理対象のブロックデータに対応する演奏区間中に表示される模範歌唱線で示される時間軸を基準とし、歌詞の文字が歌唱されるべきタイミングと合致する時間軸上にその歌詞の文字が表示されるように横方向の位置をレイアウトする。歌詞テロップの各文字の画面縦方向の表示位置は、処理対象のブロックデータに対応する演奏区間中に表示される模範歌唱線で示される音階の高さに合わせて、その模範歌唱線の表示位置の直上に歌詞の文字が表示されるように縦方向の位置をレイアウトする。
【0051】
つぎに、S122では、S120においてレイアウトを作成した歌詞テロップを、属性データの表示ステップで示される所定のタイミングでディスプレイ12に表示する。模範歌唱線に対応させた歌詞テロップの表示例については、図3〈b〉を参照されたい。
【0052】
そして、S124では、MIDI演奏が終了したか否かを判定する。MIDI演奏が継続している場合(S124:NO)、S126のブロックデータ処理ループ終端からS106の処理へ戻り、次のブロックデータを処理対象にしてブロックデータ処理ループを繰返す。そして、MIDI演奏が終了した場合(S126:YES)、本処理を終了する。
【0053】
[本実施形態に適用可能なその他の工夫]
つぎに、本実施形態のカラオケ装置1に適用可能な工夫について、図5を参照しながら説明する。
【0054】
図5〈a〉は、本実施形態において表示した歌詞テロップにおいて、歌詞の色替えによる歌唱位置を表示する事例を示す説明図である。この色替えによる歌唱位置の表現方法は、表示した歌詞テロップを演奏の進行に対応した色変化タイミングで左から右へと色変化させることで歌唱位置を示す公知技術である。本実施形態による歌詞テロップの表示方法においても、色替えによる歌唱位置の表現方法を適用可能である。
【0055】
図5〈b〉は、歌詞の色替え以外の方法で歌唱位置を表現する事例を示す説明図である。具体的には、画面の中央付近に現在の歌唱位置を示す縦方向の基準線を固定表示しておき、演奏の進行と同期した速度で歌詞テロップ及び模範歌唱線の画像を画面の右側から左側にスクロールさせ、画面中央の基準線と歌詞テロップ及び模範歌唱線の画像とが交差する位置によって歌唱位置を表現する。
【0056】
このような歌唱位置の表現方法によれば、歌唱者は視線を動かさずに基準線に合わせたままで演奏の進行に同期した歌唱位置及び歌唱メロディの音階を容易に把握することができ、歌唱に集中できる。よって、この歌唱位置の表現方法は、より正確な歌唱をすることが求められる分析採点アプリケーションを実行する場合に適している。
【0057】
他にも、本発明に適用可能な工夫として、以下のようなものが挙げられる。上記実施形態では、カラオケ楽曲の演奏時に模範歌唱線が表示される条件下において、所定の変換条件に該当する漢字を仮名表記に自動的に変換する構成となっている。これに対し、所定の変換条件に該当する漢字を仮名表記に変換する機能を有効にするか否かを、ユーザにより設定可能に構成してもよい。すなわち、ユーザにより当該変換機能を有効にする設定指示がなされたことを条件に、所定の変換条件に該当する漢字を仮名表記に変換するように構成してもよい。
【0058】
あるいは、歌詞テロップの表示方法を、図3〈a〉,〈b〉,〈c〉の各表示例に対応する表示方法の中から、ユーザが所望する表示方法を任意に選択できるように構成してもよい。
【0059】
[実施形態の構成と特許請求の範囲に記載の構成との対応]
実施形態のカラオケ装置1のCPU14が、特許請求の範囲における歌詞テロップ表示制御手段、歌唱線表示制御手段、音階判定手段、及び、読み仮名判定手段に相当する。
【0060】
[効果]
実施形態のカラオケ装置1によれば、次のような効果を奏する。
歌詞の漢字部分に対応する演奏区間、すなわち、当該漢字の歌詞が歌唱されるべき演奏区間に対応する歌唱模範メロディに異なる複数の音階が割当てられている場合に、その漢字を仮名表記に変換した上で歌詞テロップを表示することで、漢字1文字で複数音節を含む歌詞を単一の音節ごとに分離した態様で表示できる。一方で、歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に単一の音階しか割当てられていない場合には、漢字表記のまま歌詞テロップを表示するようにしたことで、全ての漢字を一律に仮名表記に変換する場合と比較して、歌詞の読みやすさが必要以上に損なわれることがない。
【0061】
また、歌詞テロップを構成する各文字を模範歌唱線の時間軸と音階とに対応付けて表示することで、模範歌唱線で示される歌唱模範メロディの音階及び歌唱タイミングと、歌詞テロップの各文字の表示位置とが合致する。これにより、模範歌唱線により可視化された歌唱メロディと歌詞の文字との対応関係を一層明確にして歌詞テロップを表示することができるので、歌唱者が歌詞テロップと模範歌唱線とを見ながら、より正確な歌唱を行うことができる。特に、本実施形態の歌詞テロップ及び模範歌唱線の表示と、歌唱の巧拙を評価する採点機能とを併用することで、歌唱者による正確な歌唱によって高得点を狙うことができる。
【0062】
なお、上述の実施形態では、カラオケ楽曲を演奏するカラオケ装置に本発明を適用した事例について紹介した。その他に、情報表示機能を有する情報処理端末(例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ等の携帯情報端末、パーソナルコンピュータ等)についても本発明を適用可能である。
【0063】
また、本発明は、カラオケ楽曲の歌詞を示す歌詞テロップをモニタに表示させる処理を行う情報処理装置によって実行されるプログラム、あるいは該プログラムを記憶する記憶媒体といった態様で実現することもできる。このようなプログラムは、プログラム配信用のサーバからインターネット等の広域ネットワークを通じて、カラオケ装置や、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の各情報処理端末にダウンロードし、各情報処理端末において本発明のプログラムを実行するように構成することが考えられる。あるいは、CD−ROMや、DVD−ROM、フラッシュメモリ等の可搬型情報記憶媒体に記録された本発明のプログラムを各情報処理端末にインストールして、各情報処理端末において本発明のプログラムを実行するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…カラオケ装置、10…操作パネル、11…映像処理部、12…ディスプレイ、13…ハードディスクドライブ(HDD)、14…CPU、15…RAM、16…ROM、17…通信インタフェース、18…音声処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ楽曲の歌詞を示す歌詞テロップを構成する歌詞データであって、前記歌詞を構成する文字としての漢字を示すデータと、前記歌詞を構成する漢字の読み仮名を示すデータとを含む前記歌詞データに基づいて、カラオケ楽曲の演奏の進行に合わせて前記歌詞テロップを所定のモニタに表示させる歌詞テロップ表示制御手段と、
カラオケ楽曲の歌唱メロディを構成する楽音の音階や音程変化を示す模範歌唱線を、カラオケ楽曲の演奏の進行に合わせて前記モニタに表示させる歌唱線表示制御手段と、
前記歌唱線表示制御手段により前記模範歌唱線が前記モニタに表示される条件下において、前記歌詞データに含まれる歌詞の漢字部分に対応する歌唱メロディの演奏区間内に異なる複数の音階が含まれているか否かを判定する音階判定手段とを備え、
前記歌詞テロップ表示制御手段は、前記音階判定手段により歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に異なる複数の音階が含まれていると判定された場合、その判定された漢字部分の歌詞を読み仮名に相当する仮名表記に変換して前記歌詞テロップを表示させる一方、前記音階判定手段により歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に異なる複数の音階が含まれていないと判定された場合、その判定された漢字部分の歌詞を漢字表記のままで前記歌詞テロップを表示させること
を特徴とする歌詞テロップ表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の歌詞テロップ表示装置において、
前記歌詞テロップ表示制御手段は、前記歌唱線表示制御手段により表示される前記模範歌唱線で示される演奏区間の表示位置に対応付けて、その演奏区間に該当する歌詞の文字を配置して前記歌詞テロップを表示すること
を特徴とする歌詞テロップ表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の歌詞テロップ表示装置において、
前記歌唱線表示制御手段は、カラオケ楽曲を演奏するカラオケ装置がカラオケ演奏に対する歌唱の巧拙度合を採点するための評価基準として用いる、楽曲として歌唱すべき音階を規定する歌唱模範データを取得し、その取得した歌唱模範データに従って前記模範歌唱線を描画して前記モニタに表示させること
を特徴とする歌詞テロップ表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の歌詞テロップ表示装置において、
前記音階判定手段は、前記歌唱模範データで示される歌唱メロディの音階を参照して、前記歌詞データに含まれる歌詞の漢字部分に対応する歌唱メロディの演奏区間内に異なる複数の音階が含まれているか否かを判定すること
を特徴とする歌詞テロップ表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の歌詞テロップ表示装置において、
前記歌詞データに含まれる歌詞の漢字1文字に対応する読み仮名が複数文字であるか否かを判定する読み仮名判定手段を更に備え、
前記歌詞テロップ表示制御手段は、前記音階判定手段により歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に異なる複数の音階が含まれていると判定され、かつ、前記読み仮名判定手段により当該漢字1文字に対応する読み仮名が複数文字であると判定された場合、その判定された漢字部分の歌詞を読み仮名に相当する仮名表記に変換して前記歌詞テロップを表示させる一方、前記読み仮名判定手段により漢字1文字に対応する読み仮名が1文字であると判定された場合、その判定された漢字部分の歌詞を漢字表記のままで前記歌詞テロップを表示させること
を特徴とする歌詞テロップ表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の歌詞テロップ表示装置において、
前記歌詞テロップ表示制御手段は、前記歌詞テロップにおいて漢字部分の歌詞を読み仮名に相当する仮名表記に変換して表示させる場合、その仮名表記に対応する漢字で表記されたルビを当該仮名表記に対応付けて傍記した前記歌詞テロップを表示させる一方、前記歌詞テロップにおいて漢字部分の歌詞を漢字表記のままで表示させる場合、その漢字表記に対応する読み仮名のルビを当該漢字表記に対応付け傍記した前記歌詞テロップを表示させること
を特徴とする歌詞テロップ表示装置。
【請求項7】
カラオケ楽曲の歌詞を示す歌詞テロップをモニタに表示させる処理を行う情報処理装置によって実行されるプログラムであって、
カラオケ楽曲の歌詞を示す歌詞テロップを構成する歌詞データであって、前記歌詞を構成する文字としての漢字を示すデータと、前記歌詞を構成する漢字の読み仮名を示すデータとを含む前記歌詞データに基づいて、カラオケ楽曲の演奏の進行に合わせて前記歌詞テロップを前記モニタに表示させる歌詞テロップ表示制御手順と、
カラオケ楽曲の歌唱メロディを構成する楽音の音階や音程変化を示す模範歌唱線を、カラオケ楽曲の演奏の進行に合わせて前記モニタに表示させる歌唱線表示制御手順と、
前記歌唱線表示制御手順により前記模範歌唱線が前記モニタに表示される条件下において、前記歌詞データに含まれる歌詞の漢字部分に対応する歌唱メロディの演奏区間内に異なる複数の音階が含まれているか否かを判定する音階判定手順とを有し、
前記歌詞テロップ表示制御手順では、前記音階判定手順において歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に異なる複数の音階が含まれていると判定された場合、その判定された漢字部分の歌詞を読み仮名に相当する仮名表記に変換して前記歌詞テロップを表示させる一方、前記音階判定手順において歌詞の漢字部分に対応する演奏区間内に異なる複数の音階が含まれていないと判定された場合、その判定された漢字部分の歌詞を漢字表記のままで前記歌詞テロップを表示させること
を特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−73091(P2013−73091A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212990(P2011−212990)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】