説明

止血分析器及び止血分析方法

血分析を行う方法及び装置を開示する。血液サンプルは、共振状態に到達するように変位される。血液サンプルの共振周波数は、止血プロセス前、止血プロセス中及び止血プロセス後に決定される。血液サンプルの共振周波数の変化は、血液サンプルの止血特性を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは血液分析に関し、より詳しくは血液の止血分析器(hemostasis analyzer)及び止血分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血液は、体通路内を乱れなく流れるときは液状をなしている。しかしながら、負傷すると、負傷部位で血液の迅速なクロッティング(凝塊)が生じ、最初に出血を停止させ、次に治癒プロセスを補助する。患者の血液が適時、かつ有効な態様で凝固し、かつ次に渙散(lysis)する能力を正確に測定することは、或る外科的処置及び薬学的処置にとって極めて重要である。また、異常な止血の正確な検出は、クロッティング障害を患っている患者に適切な治療を行うことに関して特に重要である。
【0003】
止血は、血液を液体状態から固体状態に変態させる高度に複雑な生化学的プロセスの結果である。クロットの強度等の血液の特性は、特性を決定する場合に、血液の機械的特性の方が、液体状態にあるときの血液の粘度よりも重要であると推測される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
図1を参照すると、ここには、本発明の教示による止血分析器10の全体が示されている。分析器10は、血液サンプルの止血が血液サンプルを液体状態からゲル状状態に変化させ、かつ血液サンプルの弾性係数が血液サンプルの固有周波数を制御するため、止血中に血液サンプルの固有周波数の変化を測定することによって血液サンプルの止血特性を得ることができるという原理に従って作動する。この原理に従って、本発明の止血分析器10は、血液サンプルの止血特性を得るため、止血及び渙散プロセス中に血液サンプルの基本固有周波数の変化を測定する。上記原理を実行するため、分析器10は、概略的に、血液サンプル14を保持する容器12と、該容器12を変位させて、血液サンプル14を共振周波数に励振させる加振器16と、血液サンプル14の合成振幅を測定するセンサ18とを有している。
【0005】
以下、本発明の止血分析を遂行する一例示方法を説明する。液体の共振は、振り子運動に類似したスロッシングに極めて似ている。従って、クロッティング中に液体状態からゲル状状態(及び固体状態になることもある)に遷移すると、血液の基本固有周波数が増大する。本発明の例示方法は、止血/クロッティング及び渙散プロセス中の血液サンプル14の基本固有周波数の変化を測定するものである。
【0006】
最初に、血液サンプル14が容器12内に入れられる。次に、加振器16により容器12が振動され、これにより、最初は液体状態の血液サンプル14がリニアスロッシングモードで振動される。液体は、一般に、その第一基本固有周波数の近くで、スロッシングモードで振動し、これは、容器内での液体の全マスの揺動従って振り子に類似するものとして定義できる。血液サンプル14がその基本固有周波数で振動されるとき、スロッシングの振幅は最大に到達する。かくして、血液サンプル14を共振周波数に励振させるため、加振器16は、容器12を、血液サンプル14基本固有周波数で、又はこれに非常に近い周波数で振動させる。また、この周波数は止血プロセス(及び渙散プロセスのこともある)の全体を通して変化するので、加振器16は、容器12を血液サンプル14の基本固有周波数で又はこれに非常に近い周波数で振動させる。
【0007】
当業者ならば、加振器16により、容器12を、止血及び渙散プロセスの全体を通して基本固有周波数で又はこれに非常に近い周波数で振動させる多くの方法を容易に理解できるであろう。しかしながら、本発明の例では、容器12は、最初に、血液サンプル14の基本固有周波数より低い周波数で振動される。次に、周波数が小さいステップで増大され、これと同時に、血液サンプル14の合成変位振幅が測定される。容器12の振動周波数が血液サンプルの基本固有周波数の近くまで増大すると、血液サンプル14の変位振幅は劇的に増大するであろう。血液サンプル14の変位振幅は、その基本固有周波数で最大に到達する。かくして、血液サンプル14の最大となる変位振幅をモニタリングすれば、最大に到達するときの血液サンプル14の基本固有周波数の値が得られる。
【0008】
止血プロセスが連続するとき、血液サンプル14の基本固有周波数を見出す上記方法が反復される。血液サンプル14の測定した基本固有周波数を時間に対してプロットすれば、図2に示したのと同様な曲線30が得られる。曲線30は、一般に、x軸32に対するその鏡像が曲線31として示される。曲線30の形状は、血液の止血特性を示すものである。x軸32は時間を表し、一方、y軸34は、止血及び渙散プロセス中の血液サンプル14の基本固有周波数を表す。血液サンプル14の周波数は血液サンプル14の弾性係数に比例するので、当業者ならば、y軸は、止血及び渙散プロセス中の血液サンプル14の弾性係数の変化を表すものでもあることは理解されよう。
【0009】
当業者ならば、試験中に容器12の振動周波数を増大又は減少させる周波数ステップの大きさは、血液サンプル14の基本固有周波数がいかに迅速、かつ効率的にピンポイントされるかに影響を与えることは容易に理解されよう。例えば、非常に大きい周波数ステップでは、血液サンプル14の基本固有周波数の非常に正確な測定を確認するための詳細な周波数分解能は得られない。一方、非常に小さい周波数ステップでは、血液サンプル14の基本固有周波数のピンポインティングへの迅速なアプローチが得られない。従って、容器12が振動される周波数範囲内で血液サンプルの基本固有周波数を見出すためには、周波数ステップを頻繁に変更し及び/又は容器12の振動周波数から系統的態様で周波数ステップを加え又は減じることにより、血液サンプル14の基本固有周波数をサーチする必要がある。当業者には多くの数学的アルゴリズム及び方法が良く知られており、これらの方法を用いて周波数ステップを系統的に変化させることにより、血液サンプル14の振幅のピークを迅速にピンポインティングすることができる。
【0010】
当業者ならば、止血及び渙散プロセスの全体を通して血液サンプルの基本固有周波数を見出すための他の良く知られた方法を使用できよう。例えば、止血及び渙散プロセスの全体を通して、血液サンプル14の基本固有周波数に等しいか該周波数の近くの周波数成分を有する白色ノイズをエミュレートする周波数関数で容器12を変位させることにより、血液サンプル14を共振状態に励振することができる。白色ノイズとは、一定周波数範囲内で選択された周波数成分を有する周波数関数である。血液サンプルは、共振励振により、この基本固有周波数に等しいか該周波数の近くの周波数に応答するので、このような周波数成分を有する白色ノイズは、血液サンプル14を共振状態に励振するであろう。当業者ならば、フーリエ周波数分析等の良く知られた方法を使用して、変換白色ノイズにより励振された後に血液サンプル14の基本周波数を見出すことができることは容易に理解されよう。
【0011】
次に、血液サンプルの止血特性を決定する上記方法を用いる例示装置について説明する。図1に示すように、加振器16は、容器12を変位させて血液サンプル14を共振周波数に励振する。概略的にいえば、加振器16は、容器12を所望の周波数及び振幅で振動させることができる装置である。当業者ならば、対象物を振動させることができる多くの装置を理解できるであろう。本発明の例では、加振器は、スピーカのボイスコイルと同様なディップコイルである。換言すれば、加振器16は、電気信号により電流を駆動することにより静止永久磁石に対して振動する電磁石を有している。加振器16は、直接的に又は連結リンク36を介して容器12に連結できる。連結リンク36は、加振器16により発生された運動を容器12に伝達する。当業者には良く知られているように、電気信号の特性、すなわち電圧、電流、電流の方向等は、加振器16の振動特性を決定する。従って、加振器16は、該加振器16の作動限度内の任意の所望振幅及び周波数で容器12を変位させる。
【0012】
容器12は、血液サンプル14の励振中に、血液サンプルを保持している。容器12は、任意の形状又はサイズにすることができる。しかしながら、容器12は共振器として機能するため、その形状及びサイズは分析器10の作動に影響を与える。容器12が大きいほど、血液サンプル14の固有周波数は低くなるであろう。また、血液サンプル14の表面張力によってメニスカス効果が生じるため、容器12は小さ過ぎてはならない。逆に、容器12が大き過ぎると、分析器10での分析に多量の血液サンプル14が必要となってしまい、これは医療的に受入れられないことである。
【0013】
図3には、容器12の一例が示されている。容器12は、下方部分40及び上方部分42を有している。下方部分40及び上方部分42は、全体的に矩形である。上方部分42は、下方部分40より大きい幅、大きい長さ及び小さい深さを有し、内側段部44が形成されている。容器12はまた、上方部分42の頂部に密封して取付けられる蓋45を有している。容器12は、血液サンプル14を受入れるためのポート48を有している。血液サンプル14が容器12内に入れられたときに、血液サンプル14のメニスカス効果を低減させるため、下方部分40は、上方部分42が開始するところまで血液サンプルが充填される。従って、血液サンプル14の体積は、下方部分40の体積に実質的に等しい。
【0014】
試験中に血液サンプル14が蒸発すること及び血液サンプルが汚染されることを防止するため、ポート48はセルフシーリング構造にすることができる。例えば、ポート48はゴム又はシリコンで構成でき、これにより、注射器の針がポート48内に挿入されたとき、ゴム又はシリコンが注射器の針を弾性的に包囲して、容器12内に血液サンプル14を注入する間に実質的にポート48をシールする。針がポート48から引抜かれるとき、ゴム又はシリコンの弾性により、針により形成された孔が実質的に再シールされる。血液サンプル14の蒸発を防止し、かつ空気への露出により生じる虞れのある血液サンプルのあらゆる反応を防止するため、容器12には、予めヘリウム等の不活性ガスを充填しておくか、これらのガスで加圧しておくことができる。或いは、容器12内の空気を除去して、容器内部を真空にしておくこともできる。当業者ならば、容器12内の圧力は、血液サンプル14の基本固有周波数に影響を与えないか、最小であることが理解されよう。本発明の例では、容器12は、各使用後に、安全に使い捨て、かつ安全に廃棄できる。容器が使い捨て可能であるため、血液サンプル14が、試験中に安全に取り扱われ、かつ試験後に安全に廃棄されることが確保される。また、使い捨て可能容器12は完全にシールされるように製造でき、かつポート48によってのみ容器12内へのアクセスが行われる。かくして、完全にシールされた容器12と、容器12の使い捨て可能性とを組合せることにより、血液サンプル14が空気に露出されないこと(すなわち、血液サンプル14の表面の乾燥を防止すること)、又は他のあらゆる汚染物質に露出されないことが確保され、更に、試験前、試験中及び試験後の血液サンプル14の取扱い及び使い捨て時の安全性が確保される。
【0015】
分析器10は、容器12を受入れるためのスロット(図示せず)を有している。当業者ならば、容器12が、任意の望ましい態様でスロット内に挿入され、かつスロットから取出されることは容易に理解されよう。しかしながら、分析器10への容易な挿入及び取出しができるようにするため、容器12には、それぞれ、分析器10への挿入及び分析器10からの取出しを行うために使用者が保持できるハンドル(図示せず)を設けることができる。
【0016】
容器12の変位の結果としての血液サンプル14の振動を測定するため、固定電磁波源60が血液サンプル14に向けてビーム62を放射する。図1に示すように、電磁波源60は、センサ18の一部(すなわち、能動センサ)として構成できる。或いは、電磁波源60と、センサ66(すなわち、受動センサ)とを独立デバイスとして構成できる。ビーム62は、血液サンプル14の表面から反射された後、センサ18により検出される。血液サンプル14の表面から反射された後のビームの特性は、容器12の変位に応答した血液サンプル14の運動を表すものである。
【0017】
当業者には、電磁波源60の電磁波ビームは、ビーム62が血液サンプル14の表面から反射できる限り、電磁波スペクトル内の任意の放射(emission)により作られること、及び血液サンプル14の表面から反射した後のビームの特性は、血液サンプル14の運動を表すものであることは明らかであろう。
【0018】
本発明の例では、電磁波源60は、血液サンプル14にビーム62を向ける固定LED(発光ダイオード)源である。次に、ビーム62は血液サンプル14の表面から反射される。従って、容器12は、ビーム62及びその反射64が、それぞれ、入ること及び出ることができる光学的に透明な部分を有している。本発明の例では、蓋46は、光に対して透明である。当業者ならば、蓋46は透明であっても、蓋自体がビーム62の幾分かを反射することは理解されよう。蓋46からの光の反射を低減させるため、蓋46に反射防止コーティングを塗布できる。メガネ、望遠鏡、カメラ等の種々の光学機器に塗布されるこのような反射防止コーティングは、当業者に良く知られている。ほとんどの液体は光に対して高度の透明性を有するが、血液の表面は高度の反射性表面を形成するため、ほとんどのビーム62は血液サンプル14の表面から反射される。
【0019】
図4を参照すると、ここには、休止位置に対する血液サンプル14の変位が、角度δを有する破線で示されている。従って、血液サンプル14が変位すると、ビーム62の反射64の角度が同じ角度δだけ変化される。センサ18は、血液サンプル14の表面からのビーム62の反射64を遮り、血液サンプル14の変位を表す電気信号を発生する。本発明の例では、センサ18は、ビームの反射64の変位を集合的に検出する複数のフォトダイオードを有している。ダイオードの出力は微分的に測定され、このため、血液サンプル14の変位のピーク(該ピークは共振を表す)が識別される。
【0020】
本発明の他の例では、血液サンプル14の振動が、多数の他のデバイスにより測定される。一例では、容器12内に配置された音響センサ(図示せず)が、血液サンプル14の表面からセンサまでの距離(これは血液サンプル14の振動を表す)を微分的に測定する。他の例では、容器12内に配置された電極(図示せず)が、容量ブリッジ又は抵抗ブリッジ(すなわち、ホイートストンブリッジ)として機能する。容量又は抵抗の電圧微分は血液サンプル14の振動を表す。更に別の例では、2つのフォトダイオード(図示せず)が、血液サンプル14の表面近くで容器の内壁上に配置される。血液サンプル14が振動すると、血液サンプルは、一方又は両方のダイオードを部分的又は完全に覆い隠す(すなわち、光がダイオードに到達するのを防止する)。従って、ダイオードの出力が微分的に測定されるため、血液サンプル14の変位のピーク(該ピークは共振を表す)を識別できる。
【0021】
当業者ならば、加振器16を駆動し、かつセンサ18からの信号を分析して血液サンプル14の止血特性を決定する多くの方法及び装置を考えることができよう。例えば図5に示すように、止血分析器10には、センサ18からの信号とは独立的に又は該信号に応答して加振器16を駆動するのに必要なハードウェア及びソフトウェアを備えた内部計算デバイス80を設けることができる。また、内部計算デバイス80は、センサ18からの信号を分析して、止血中に血液サンプル14の基本固有周波数を決定することができる。前述のように、このような分析により、曲線30を構成するデータ及び血液サンプル14の止血特性に関する他のデータを得ることができる。図6に示す他の例では、分析器10には、外部計算デバイス84により後で分析するためのセンサ18からのデータを記憶するメモリデバイス82が設けられている。加振器16は、メモリデバイス82に記憶された所定の方法により、又は外部計算デバイス84により駆動される。図7に示す更に別の例では、分析器10には、いかなる内部メモリ又は計算デバイスも設けられていない。分析器10は、試験中に、外部計算デバイス86(例えば、ラップトップ型、パーソナルデジタルアシスタント型、デスクトップ型コンピュータ等)に接続され、該外部計算デバイス86とリアルタイム通信を行う。外部計算デバイス86は加振器16を駆動し、かつセンサ18からの信号を受けて、前述のように血液サンプル14の止血特性を決定する。当業者ならば、他の多くの良く知られた方法、アルゴリズム及びデバイスを使用して、センサ18からの信号とは独立的に又は該信号に応答して加振器16を駆動し、かつセンサ信号から止血特性を決定することが考えられよう。また、決定された止血特性は、例えばディスプレイスクリーン上にデータをディスプレイするか、結果を紙に印刷する等の種々の良く知られた方法及び装置により使用者に提供できる。
【0022】
当業者ならば、概略的に説明した上記装置は非常に頑丈で、誤操作によっても容易には損傷を受けないことが理解されよう。本発明の装置は、破壊可能な非常に小さい多数の可動部品(単一又は複数)を有している。また、本発明の装置は簡単であるので、必要な場合に欠陥部品を迅速に交換できる。
【0023】
分析器10の周囲の振動又は地震ノイズが、止血分析に混乱を与え又は影響を与えることがある。従って、分析器10に振動濾過装置を設けて、該装置上に分析器10を取付けることができる。図8に示す第一例では、振動濾過装置はフック90であり、分析器10は、ケーブル92によりフック90から吊下げられる。実際には、分析器10は、振り子態様でフック90から吊下げられる。広範囲の地震ノイズ又は周囲の振動が、分析器10の読取りを行う前に、フック90及びケーブル92を介して消失される。当業者ならば、分析器10の運動に外的影響(例えば吊下げワイヤが他の物体に接触すること)が及ばないようにするため、給電又は通信の目的で分析器10に接続されるあらゆるワイヤをケーブル92により支持することを考えることができよう。図9に示す第二例では、地震濾過装置は、多数の脚102上に載っているプラットホーム100である。実際には、プラットホーム100は逆振り子である。使用時には、分析器10はプラットホーム100上に置かれ、広い周波数範囲内のあらゆる周囲振動又は地震ノイズは、分析器10に到達する前にプラットホーム100を介して消失される。当業者ならば、振動吸収発泡体、スプリングサスペンション等の使用を含む他の多くの方法を考えることができよう。
【0024】
以上、本発明の教示に従って構成された或る装置を説明したが、本発明がカバーする範囲はこれらの装置に限定されるものではない。それどころか、本発明は、文字通りに又は均等物の教義の下で、特許請求の範囲内に包含される本発明の教示のあらゆる例をカバーするものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の教示に従って構成された止血分析器を示す概略図である。
【図2】本発明の教示による血液サンプルの止血特性を示すグラフである。
【図3】本発明の教示による血液サンプルを保持する容器を示す分解斜視断面図である。
【図4】本発明の教示に従って血液サンプルが入れられ、かつ血液サンプルが振動されている図3の容器を示す概略図である。
【図5】本発明の教示による分析器を示す概略図である。
【図6】本発明の教示による分析器を示す概略図である。
【図7】本発明の教示による分析器を示す概略図である。
【図8】本発明の教示に従って構成された止血分析器用の第一例示スタンドを示す斜視図である。
【図9】本発明の教示に従って構成された止血分析器用の第二例示スタンドを示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液サンプルを保持できる容器を有し、該容器は、センサからの放射に対して透明な部分を備え、
血液サンプルの励振を引き起こすために容器を変位させるようになっている加振器を有し、血液サンプルは共振状態に励振され、
センサは、前記放射を発生させ、かつ該放射を前記透明部分を通して血液サンプルに向けることにより、加振器による容器の変位に応答する容器内の血液サンプルの運動を決定するようになっており、
センサからのデータは血液サンプルの共振状態を表すことを特徴とする止血測定装置。
【請求項2】
前記センサからのデータを受けるようにセンサに接続された分析器を更に有し、該分析器は、センサからのデータに基いて血液サンプルの止血特性を得ることができることを特徴とする請求項1記載の止血測定装置。
【請求項3】
前記加振器は、一定範囲の周波数からランダムに選択された周波数成分を有する周波数関数で容器を変位させることを特徴とする請求項1記載の止血測定装置。
【請求項4】
前記加振器は、変位関数で容器を変位させ、かつ血液サンプルの共振状態の変化に応答して変位周波数を変位させることを特徴とする請求項1記載の止血測定装置。
【請求項5】
前記容器は、血液サンプルを受入れるためのセルフシーリングポートを有していることを特徴とする請求項1記載の止血測定装置。
【請求項6】
前記容器はシールされた容器であることを特徴とする請求項1記載の止血測定装置。
【請求項7】
前記容器は安全に使い捨てできることを特徴とする請求項1記載の止血測定装置。
【請求項8】
前記容器は第一部分を有し、該第一部分はより大きい第二部分に連結され、血液サンプルは第一部分を充填することを特徴とする請求項1記載の止血測定装置。
【請求項9】
前記センサは光学的センサであることを特徴とする請求項1記載の止血測定装置。
【請求項10】
前記センサは電気的センサであることを特徴とする請求項1記載の止血測定装置。
【請求項11】
前記センサは音響的センサであることを特徴とする請求項1記載の止血測定装置。
【請求項12】
血液サンプルが入れられた容器を受入れるためのスロットを有し、容器は、センサからの放射に対して透明な部分を備え、
容器を変位させて、血液サンプルの励振を生じさせることができる加振器を有し、血液サンプルは共振状態に励振され、
センサは、前記放射を発生させ、かつ該放射を前記透明部分を通して血液サンプルに向けることにより、加振器による容器の変位に応答する容器内の血液サンプルの運動を決定でき、
センサからのデータは血液サンプルの共振状態を表すことを特徴とする止血測定装置。
【請求項13】
前記加振器は、一定範囲の周波数から選択されたランダムに選択された周波数成分を有する周波数関数で容器を変位させることを特徴とする請求項9記載の止血測定装置。
【請求項14】
前記加振器は、変位関数で容器を変位させ、かつ血液サンプルの共振周波数の変化に応答して変位周波数を変位させることを特徴とする請求項9記載の止血測定装置。
【請求項15】
血液サンプルを用意し、
血液サンプルを変位させて血液サンプルに運動を生じさせることにより、血液サンプルを共振状態に励振させ、
血液サンプルの運動を観察し、
血液サンプルの複数の共振周波数を得るため、血液サンプルの共振周波数を周期的に決定し、
血液サンプルの複数の共振周波数から血液サンプルの止血特性を得ることからなることを特徴とする止血測定方法。
【請求項16】
前記血液サンプルを或る周波数で変位させ、かつ血液サンプルの共振周波数が決定されるまで周波数を増分的に変化させることを特徴とする請求項15記載の止血測定方法。
【請求項17】
前記血液サンプルの止血前、止血中及び止血後に血液サンプルの複数の共振周波数を決定するために、周波数を共振周波数から増分的に変化させる段階を更に有し、複数の共振周波数は血液サンプルの止血特性を表すことを特徴とする請求項15記載の止血測定方法。
【請求項18】
前記血液サンプルを、一定範囲の周波数からランダムに選択された周波数成分を有する周波数関数で変位させ、
血液サンプルの止血前、止血中及び止血後に血液サンプルの複数の共振周波数を決定し、
複数の共振周波数は血液サンプルの止血特性を表すことを特徴とする請求項15記載の止血測定方法。
【請求項19】
血液サンプルを、センサからの放射に対して透明な部分を備えた容器内に入れ、
容器を加振器で変位させて、血液サンプルに運動を生じさせ、
血液サンプルの運動を表す放射を受けるセンサを用いて、血液サンプルの運動を測定し、放射は、センサにより受けられる前に、血液サンプルの少なくとも一部と接触し、
血液サンプルの複数の共振周波数を得るため、血液サンプルの運動から血液サンプルの共振周波数を周期的に決定し、
血液サンプルの複数の共振周波数から血液サンプルの止血特性を得ることからなることを特徴とする止血測定方法。
【請求項20】
容器を或る周波数で変位させ、
血液サンプルの共振周波数が決定されるまで、周波数を増分的に変化させ、
血液サンプルの止血前、止血中及び止血後に血液サンプルの複数の共振周波数を決定するために、周波数を共振周波数から増分的に変化させ、
複数の共振周波数は血液サンプルの止血特性を表すことを特徴とする請求項19記載の止血測定方法。
【請求項21】
前記容器を、一定範囲の周波数からランダムに選択された周波数成分を有する周波数関数で変位させ、
血液サンプルの止血前、止血中及び止血後に血液サンプルの複数の共振周波数を決定し、
複数の共振周波数は血液サンプルの止血特性を表すことを特徴とする請求項19記載の止血測定方法。
【請求項22】
前記血液サンプルを容器内に入れる段階は、更に、容器のセルフシーリングポートを介して血液を容器内に注入することを含むことを特徴とする請求項19記載の止血測定方法。
【請求項23】
血液サンプルを試験するための、血液サンプルを保持するシールされた容器において、
包囲された空間を形成する壁と、
該壁に配置され、かつ前記包囲空間に連通しているセルフシーリング一方向ポートとを有し、
前記壁の一部はセンサの放射に対して透明であり、
前記ポートは、容器内に血液サンプルを導入して、サンプルの試験中にサンプルを前記空間内に保持できることを特徴とする容器。
【請求項24】
前記包囲された空間は第一部分を有し、該第一部分はより大きい第二部分に連結され、血液サンプルは第一部分を充填することを特徴とする請求項23記載の容器。
【請求項25】
安全に使い捨てできることを特徴とする請求項23記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−524824(P2006−524824A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513340(P2006−513340)
【出願日】平成16年4月26日(2004.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/012833
【国際公開番号】WO2004/097409
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(505121361)ヒーモスコープ コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】