歩行型作業機
【課題】歩行型作業機においてバッテリを内装するバッテリケース内にコントローラ部をコンパクトに収容でき、併せて充放電回路の安全性を確保しようとする。
【解決手段】
充電可能なバッテリBと電動モータ8とを備え、作業部または走行部を該電動モータ8によって駆動する歩行型作業機において、バッテリBを収容するバッテリケース9を機体に着脱自在に装着し、該バッテリケース9内には充電制御基板42と放電制御基板43を設け、前記バッテリケース9に、充電制御基板42の充電制御回路42aに接続する充電端子19と、放電制御基板43の放電制御回路43aに接続する出力端子18を設ける。
【解決手段】
充電可能なバッテリBと電動モータ8とを備え、作業部または走行部を該電動モータ8によって駆動する歩行型作業機において、バッテリBを収容するバッテリケース9を機体に着脱自在に装着し、該バッテリケース9内には充電制御基板42と放電制御基板43を設け、前記バッテリケース9に、充電制御基板42の充電制御回路42aに接続する充電端子19と、放電制御基板43の放電制御回路43aに接続する出力端子18を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能なバッテリと電動モータとを備え耕耘部や草刈部などの作業部または走行部を該電動モータによって駆動する歩行型作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはバッテリユニットと電動モータの配置構成及びコントローラの配置構成について開示されている。また、特許文献2には、操作信号受信部、制御部、モータ駆動回路等を接続したコントローラを備え、制御部には、充電器、ハンドル装着スイッチ、回転センサ等からの信号を受け、表示部に表示信号を発するとともに、モータ駆動回路を介して電動モータを回転制御するものである。
【0003】
さらに、電動作業機において、電動モータの電気回路にブレーカを設け、作業機の負荷増大によって電気回路の電流が過大になるときには自動的に回路を遮断する構成が公知である(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−22173号公報
【特許文献2】特開2004−275100号公報
【特許文献3】特開平6−98601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コントローラは充電機能と放電機能を備えるものであるが、特許文献1のコントローラはバッテリケースの外に配置されるもので、バッテリとの一体的な取扱性やスペース拡大を余儀なくされる点に難があり、特許文献2にはコントローラの配置構成について具体的な開示がない。この発明は、バッテリを内装するバッテリケース内にコントローラ部をコンパクトに収容でき、併せて充放電回路の安全性を確保しようとする。また、ブレーカの復帰用手動スイッチをメンテナンス用スイッチに代替させて安全性を確保しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はかかる技術的課題を解決するために請求項1記載の発明では、
充電可能なバッテリBと電動モータ8とを備え、作業部または走行部を該電動モータ8によって駆動する歩行型作業機において、バッテリBを収容するバッテリケース9を機体に着脱自在に装着し、該バッテリケース9内には充電制御基板42と放電制御基板43を設け、前記バッテリケース9に、充電制御基板42の充電制御回路42aに接続する充電端子19と、放電制御基板43の放電制御回路43aに接続する出力端子18を設けてなる歩行型作業機の構成とする。
【0007】
このように構成することにより、コントローラの一部を構成する充電制御基板42と放電制御基板43とをバッテリBを収容するバッテリケース9内に装着しておき、充電端子19にてバッテリBの充電を行い、出力端子18から電動モータ8を駆動する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、出力端子18から電動モータ8へのモータ駆動回路20途中に該モータ駆動回路20中の負荷電流が所定以上になるとモータ駆動回路20を電気的に遮断するブレーカ55を設け、ブレーカ55による電気的遮断状態に関わらず任意にモータ駆動回路20を電気的な接続状態と遮断状態とに切り替える手動操作部55aを設け、該手動操作部55aを作業部または走行部の近傍の機体部に設けてなる請求項1に記載の歩行型作業機とする。
【0009】
このように構成することにより、モータ駆動回路20に負荷が掛かり電流が所定以上になると、ブレーカ55はモータ駆動回路20を電気的に遮断する側に作用させて手動操作部55aを切り側に切り替える。従って、再度起動するに当たっては操作部55aを操作して入りに切り替えておくものである。なお、作業部のメンテナンスなどの時にはブレーカ55の操作部55aを操作してモータ駆動回路20を遮断に切り替えておくことにより、確実に電動モータ8の非駆動を確保でき安全である。なお、この操作部55aは作業部または走行部の近傍の機体部に配設されるものであるから、メンテナンス作業対象箇所に近い位置にあって便利である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記バッテリケース9に着脱自在なカバー9dを備え、バッテリケース9内にはバッテリBを構成する複数のセル41,41と各セル41,41の夫々の上面に充電制御回路42aを組み込んだ充電制御基板42,42とを一体的に構成して挿脱自在に設け、充電制御基板42を充電端子19に配線接続し、
前記充電制御基板42,42の上方には適宜間隔離れて放電制御回路43aを組み込んだ放電制御基板43を、バッテリケース9の内周側壁部に形成した案内凹部に挿入して装着または離脱させる構成とし、放電制御基板43は複数のバッテリセル41,41の直列接続による電圧出力が出力端子18に出力できるように回路構成してなる請求項1または請求項2に記載の歩行型作業機の構成とする。
【0011】
このように構成することにより、充電制御基板42,42を夫々バッテリセル41,41に直接接続し、バッテリケース9内に収容するとともに、放電制御基板43の方は充電制御基板42,42とは上下に間隔離れてバッテリケース9内に装着する構成であるから、充電制御基板42,42とバッテリセル41,41との接続は直接接続が可能となってコンパクト化が図れる一方、放電制御基板43はバッテリセル41,41や充電制御基板42,42とは独立的に着脱でき、組立性や分解メンテナンス性が良好である。
【0012】
さらに、充電制御基板42,42の充電制御回路42a,42aと充電端子19とを並列接続して充電を各バッテリセル41,41に対して並列接続処理を行い、放電制御基板43の放電制御回路43aに対してバッテリセル41,41は直列接続によって出力端子18を介して電動モータ8に出力しており、並列接続と直列接続とを効果的に組み立て得る。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明においては、コントローラの一部を構成する充電制御基板42と放電制御基板43とをバッテリBを収容するバッテリケース9内に装着しておき、充電端子19にてバッテリBの充電を行い、出力端子18から電動モータ8を駆動するものであるから、配線類は出力端子18から外し、バッテリケース9を機体から取り外してメンテナンスや充電作業を行うことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明においては、ブレーカ55の操作部55aは作業部または走行部の近傍の機体部に配設されるものであるから、メンテナンス作業対象箇所に近い位置にあってモータ駆動回路20を任意に遮断又は接続できメンテナンス作業を安全に行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、充電制御基板42,42とバッテリセル41,41との接続は直接接続が可能となってコンパクト化が図れる。また、放電制御基板43はバッテリセル41,41や充電制御基板42,42とは独立的に着脱でき、組立性や分解メンテナンス性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電動耕耘機の側面図
【図2】電動耕耘機の背面図
【図3】電動耕耘機の平面図
【図4】電動耕耘機の拡大側面図
【図5】バッテリケース内の正面図
【図6】ブロック図
【図7】バッテリケースの正面図(A)、及びバッテリケースの背面図(B)
【図8】バッテリケースの底面図(A)、及びバッテリケースの側面図(B)
【図9】安全装置の作動を示す側面図(A)(B)
【図10】安全装置の作動を示す平面図(A)(B)
【図11】ハンドルの折り畳み状態を示す側面図
【図12】バケットの斜視図
【図13】ハンドルフレーム部の拡大側面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の歩行型作業機の一例を電動耕耘機により図面に基づき説明する。
2は伝動軸41を内装する伝動フレームで、上部には皿状の機体フレーム10を固定し、該伝動フレーム2から後方に向けて作業機フレーム1を延出している。そして伝動フレーム2の下部に、前記伝動軸41を介した伝動により横軸芯周りに回転駆動するロータリ軸3を軸支し、伝動フレーム2から左右方向に延びるこのロータリ軸3の外周に複数のロータリ爪4を配設するとともに、該ロータリ軸3の左右両端にサイドディスク5,5を取り付けロータリ部Rを構成している。
【0018】
ロータリ部Rの上方を覆う平面視円盤形状のロータリカバー6を前記機体フレーム10の上部に取り付ける。ロータリカバー6の左右中央部には平面視U字型の壁部6aを形成し、壁部6aの内側に沿って開口部6bを形成する。そして該開口部6bの前側にはモータカバー7を取り付け、モータカバー7の内部には前記伝動軸41に動力を伝動する電動モータ8を内装し、開口部6bの後ろ側にはバッテリBを収容したバッテリケース9を着脱自在に挿入する。電動モータ8とバッテリケース9は前記機体フレーム10に載置し、開口部6bを貫通して配置する構成としている。
【0019】
前記作業機フレーム1の後部にはハンドルフレーム11の前下端側を取り付けている。ハンドルフレーム11は斜め後ろ後方に向かって延びており、ハンドルフレーム11の後端側から左右の操作ハンドル12a,12bを分岐して設け、左右の操作ハンドル12a,12bの後端部にはグリップ13a,13bを設ける構成である。
【0020】
作業機フレーム1の後端部には電動耕耘機を移動するときに機体を支持する支持車輪14と、耕耘作業時にダッシングを防止する抵抗棒15を取り付けている。なお図1は支持車輪14を跳ね上げ状態とした作業姿勢である。
【0021】
次に、機体の駆動構成について説明する。
ハンドルフレーム11と操作ハンドル12a,12bの分岐位置に電源の入り切りをする電源スイッチ16を設け、左右一方のグリップ13b近傍に電動モータ8の駆動を入り切りする操作レバー17を設ける。バッテリケース9の後面にはバッテリケース9内のバッテリBと電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20の出力端子18とバッテリBに充電するための充電端子19とを設ける。
【0022】
ここでバッテリケース9の内部構造について説明する。バッテリケース9は直方体形状を呈し後部外壁には前記出力端子18、充電端子19を備え、前部壁は着脱自在なカバー9aに構成される。このようなバッテリケース9内にはその容積の1/2以上を占める複数のセル41,41からなるバッテリBと各セル41,41の夫々の上面に充電制御回路42aを組み込んだ充電制御基板42,42を底部の案内リブ9b,9bをレール状に設けて前後にスライドすることにより挿脱自在に設けている。充電制御基板42の端子は、前記充電端子19(図例では2組の端子としている)に配線接続される一方、各セル41,41との間は直接電気的に接続する。
【0023】
ほぼ同一平面上に配設される前記充電制御基板42,42の上方には適宜間隔離れて放電制御回路43aを組み込んだ放電制御基板43を設ける。バッテリケース9の内周側壁部に前後方向の案内凹部を形成したリブ9c,9cを形成し、この案内凹部に放電制御基盤43の端部を挿入してスライドさせて装着または離脱させる構成としている。なお、放電制御基板43は複数のバッテリセル41,41の直列接続による電圧が出力端子18に出力できるように回路構成されている。バッテリケース9の内側面にはバッテリセル41,41と内壁との間に距離を置くリブ9d,9d…を設けている。
【0024】
前記充電制御基板42,42には過充電防止回路44を組み込み、一方放電制御基板43には過電流保護回路45、ON・OFF信号平滑回路46、サージ電流制御回路47、過放電防止回路48、短絡防止回路49を組み込んでいる。また、このうち放電制御基板43に対する短絡防止は上記短絡防止回路49で防止できる構成であるが、充電制御回路42,42に対する短絡防止は、これら放電制御基板42,42毎に設けることなく、共通の短絡防止回路50を、充電端子19と放電制御基板42,42との間であって、該放電制御基板43の一側に縦姿勢で挿抜自在に前記バッテリケース9内に設けている。
【0025】
次いでバッテリケース9の出力端子18について説明する。電動モータ8への出力端子18a,18aとしてはプラス・マイナスの2端子で前記モータ駆動回路20により電動モータ8側に接続する構成であるが、残る2端子18b,18bは信号入出力用の端子である。即ち、この一対の端子18b,18bは信号制御基板51から前記電源スイッチ16や操作レバー17に連動するリミットスイッチ33等の入り切り信号を入力し前記放電制御回路43aに制御信号を出力でき、あるいは放電制御回路43aからの出力に基づいて信号制御基板51から電池残量や後述する警告表示信号を入力して、電源入切LED26a、運転警告LED26b、電池残量LED26cに出力する構成としている。
【0026】
前記出力端子18a,18aは、ブレーカ55を介して電動モータ8に接続されている。即ち、ブレーカ55は、モータ駆動回路20を断接に切り替える操作部55aを備え、操作部55aはソレノイド(図示せず)を組み込み、モータ駆動回路20の電流値が上昇すると励磁して操作部55aを作動しモータ駆動回路20を遮断状態におき、電動モータ8を切りとする構成である。なお、前記ブレーカ55の操作部55aは前記ロータリカバー6の上面に配設されている。
【0027】
前記出力端子18と充電端子19は機体背面視でハンドルフレーム11の左右両側にそれぞれ設ける構成で、作業者が操作側の機体後ろ側からハンドルフレーム11が邪魔になり難く配線の着脱を行ない易くしている。また、出力端子18と充電端子19を背面視でハンドルフレーム11を挟んで左右両側に配置したため、視覚的にも分かりやすく左右を誤った差込みとすることを防止できる。
【0028】
前記ブレーカ55と電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20は、バッテリケース9の下部からロータリカバー6の壁部6aの外周に形成する傾斜部6cの下方と機体フレーム10の間の空間を通過する構成としている。
【0029】
バッテリケース9は上面に取手9eを形成し、下面に位置固定用の凸部9fを複数形成し、位置固定用の該凸部9fを機体フレーム10に形成する位置固定用の穴部10aに挿入することで、バッテリケース9の載置位置を固定できる構成としている。また、バッテリケース9はその左右側面をロータリカバー6の壁部6aで支持されると共に、その前面に上下方向に長く位置固定用の凸条部9gを形成し、モータカバー7に形成する位置固定用の凹部7aと係合する構成としている。また、機体フレーム10の左右中央には開口部10bを設け、機体フレーム10に雨水等で流入した水の水はけができるようにしている。
【0030】
バッテリケース9を機体にセットするときには位置固定用の凸条部9gを位置固定用の凹状部7aに対応させ両者を嵌合状態としてそのまま下に下ろすと位置固定用の凸部9fが位置固定用の穴10aに挿入されてバッテリケース9の位置固定がなされる。バッテリケース9を取り出すときは取手9eを引き上げるだけで取り出すことができる。
【0031】
本実施の形態のバッテリケース9は前側をモータカバー7で、側面をロータリカバー6の壁部6aで支持されるが、該壁部6aはロータリカバー6とは別体に形成しても良い。例えば機体フレーム10側に取り付けた壁部によって形成する構成としても良い。
【0032】
また、壁部6aは後ろ上がり傾斜状に形成することで、バッテリケース9の支持を強固にすると共に機体全体の美観を向上させることができる。また、バッテリケース9の背面側には後支持壁部6dを形成してバッテリケース9を背面から支持している。後支持壁部6dはバッテリケース9の側面を支持する壁部6aよりも低く形成し、出力端子18と充電端子19を機体背面側に露出する構成とすることで出力端子18と充電端子19への接続をし易くしている。
【0033】
なおバッテリケース9の前記カバー9aは、モータケース7との間に位置するものであるが、バッテリケース9の本体外周の内側に形成され、併せてモータケース7とバッテリケース9との外周を略揃えて形成することで隙間を少なくし、外観からカバー9aが視認できないため美観を高め、併せて雨水の浸入を少なくする。
【0034】
次に、操作レバー17の安全装置Tについて説明する。
操作レバー17は横軸心の支点30周りに回動する構成とし、支点30の前側に形成するスイッチ操作部17aと、支点30の後側に形成する把持部17bとを設ける。33は電動モータ8の駆動を入切すべく前記信号制御基板51の制御部に信号入力するリミットスイッチでスイッチ操作部17aの回動動作により電動モータ8の駆動が入切に行なわれる。25は把持して回動させた操作レバー17を初期位置に戻すスプリングである。
【0035】
前記把持部17bの上方にあって該把持部17bと交差する方向(左右方向)に支持され、この左右方向に摺動する移動軸31を設ける。移動軸31の機体内側端には移動軸31を機体外側に向かって押し出し操作するための押し部31cを形成し、押し部31cに隣接してスプリング35を移動軸31に巻回する構成としている。移動軸31は機体内側から順に小径部31aと大径部31bとを隣接して形成している。そして、安全装置Tの初期位置では大径部31bが把持部17bの回動軌跡上に位置する構成としている(図10(A))。
【0036】
操作レバー17と安全装置Tの耕耘作業時の操作について以下説明する。
バッテリBの充電状態を電池残量LED53の点滅の有無によって確認し、不足の場合は充電器あるいは100V電源を充電端子19に接続し所定の充電を行なう。
【0037】
耕耘作業の開始にあたっては、電源スイッチ16を入りにして、移動軸31の端部に形成する押し部31cを親指で押し、小径部31aを操作レバー17の回動軌跡上に位置させ(図10(B))、そして、作業者は把持部17bを把持してリミットスイッチ33がONとなる位置まで回動する。リミットスイッチ33のON信号は、信号制御基板51を経由して放電制御回路43aに送信されバッテリBにより電動モータ8が駆動する。電動モータ8の回転を受けてロータリ部Rが回転し耕耘作業が行われる(図9(B))。
【0038】
耕耘作業を停止するときには、作業者が把持部17bを離すとスプリング25の作用でスイッチ操作部17aが初期位置まで回動し、リミットスイッチ33のOFF信号が伝えられてバッテリBの駆動電流が遮断されロータリ部Rは停止する(図9(A))。
【0039】
作業者が電源スイッチ16を入りにした状態で電動耕耘機を持ち運んでいるときに、不意に操作レバー17の把持部17bに当接して把持部17bが回動しても、把持部17bが移動軸31の大径部31bに当接して、スイッチ操作部17aがリミットスイッチ33の入り位置まで回動せず、リミットスイッチ33は入りされず、電源スイッチ16が入り状態であることを作業者が気づかずに持ち運んでいるときであっても不意にロータリ部Rが回転することがないので安全である。
【0040】
モータ駆動回路20に負荷が掛かり電流が所定以上になると、ブレーカ55は該モータ駆動回路20を遮断側に作用させ、併せて操作部55aを切り側に切り替える。従って、再度起動するに当たっては操作部55aを操作して入りに切り替えておくものである。なお、ロータリ部Rのメンテナンスなどの時にはブレーカ55の操作部55aを操作してモータ駆動回路20を遮断側(切り)に切り替えておくことにより、確実に電動モータ8の非駆動を確保でき安全である。
【0041】
なお、この操作部55aはロータリカバー6部(図例ではロータリカバー6の後部左側)に配設されるものであるから、メンテナンス作業対象箇所に近い位置にあって便利である。つまり、電源スイッチ16をハンドルフレーム11に配設しておくとハンドル操作する作業者にとっては使い易いけれども、ロータリ部Rをメンテナンスする場合には遠くになって不便であるが、上記のようにロータリカバー6の上面に構成すると手が届き易く便利である。
【0042】
前記放電制御基板43に構成される過電流保護回路45は、放電制御回路43a部の過電流を検出すると放電出力を停止する構成とし、モータ駆動回路20に電流が流れない。また、ON・OFF信号平滑回路46は、特に起動時の電流が不安定であってもこれを滑らかに平滑処理して滑らかな発信を確保する。また、サージ電流制御回路47は、起動時の前記操作レバー17によるリミットスイッチ33のON・OFFが断続的に繰り返された場合に生じる恐れのあるサージ電流の発生を防止する。従って、これらON・OFF信号平滑回路46及びサージ電流制御回路47は機械的な操作レバー17によるリミットスイッチ33断接に伴う回路構成である。
【0043】
さらに放電制御基板43の過放電防止回路48は、バッテリBからの電圧が過剰のときにはこれを所定以下(例えば18V以下)に抑制制御する。短絡防止回路49は出力端子18部の短絡状態となったときに放電制御回路43a部の保護に係り、もう一方の短絡防止回路50によって充電端子19部の短絡状態となったときに充電制御回路42a部の保護が図れる。
【0044】
本実施例に係るコントローラの構成は、充電制御基板42,42を夫々バッテリセル41,41に直接接続し、バッテリケース9内に収容するとともに、放電制御基板43の方は充電制御基板42,42とは上下に間隔離れてバッテリケース9内に装着する構成であるから、充電制御基板42,42とバッテリセル41,41との接続はワイヤレスで直接接続が可能となってコンパクト化が図れる一方、放電制御基板43はバッテリセル41,41や充電制御基板42,42とは独立的に着脱でき、組立性や分解メンテナンス性が良好である。
【0045】
さらに、充電制御基板42,42の充電制御回路42a,42aと充電端子19とを並列接続して充電を各バッテリセル41,41に対して並列接続処理を行い、放電制御基板43の放電制御回路43aに対してバッテリセル41,41は直列接続によって出力端子18を介して電動モータ8に出力しており、並列接続と直列接続とを効果的に組み立て得る効果がある。
【0046】
なお、バッテリセル41,41の上部に充電制御基板42,42を配設してバッテリケース9に挿入する構成であるため、水分が浸入しても下方に堆積して基板42,42自体に影響が少ない。
【0047】
次に電動耕耘機を持ち運ぶときの構成を以下説明する。
36は左右の操作ハンドル12a,12bの前後位置を固定・調節するための締付ノブで、該締付ノブ36を緩めて操作ハンドル12a,12bを横軸心の回動支点37周りに機体前側に倒し、締付ノブ36を締めて位置固定する(図11参照)。すると、左右の操作ハンドル12a,12bとを連結する連結棒38が機体の前後長の略中央で機体の略重心位置で、かつバッテリケース9の上方に位置する構成としている。作業者は連結棒38、又は連結棒38と機体前端のバンパー39を持って電動耕耘機を持ち運ぶことで、持ち運び時にバッテリケース9が外れるのを防止することができる。また、連結棒38は左右の操作ハンドル12a,12bを前側に倒したときに正面視で略門構えになる構成としており、バッテリケース9に当接しないで左右の操作ハンドル12a,12bをより下まで倒せる構成としている。
【0048】
40は持ち運び時にロータリ部Rの下を覆う位置に取り付けるバケットで、可撓性ゴムバンド41Aを係合しうる凸状部40aを左右に設け、該ゴムバンド41Aの上部に設けた孔41aを機体フレーム10の側面に形成したフック部10aに係止して機体に装着する構成で、ロータリ部Rに付着する土が落下するのを受け、持ち運び時に土が周辺に散乱するのを防止することができる。なお、バケット40は前壁40fに対して後壁40rを低く形成している。従ってバケット40を地面に置いた状態で後方から耕耘機を前進させることによってバケット40内に容易に進入できるため、可撓性ゴムバンドの利用と相まって、従来のように、ロータリカバーを下方に畳んでロータリ部の下方を囲う構成や、抵抗棒の支持パイプを利用した支持構成に比較して、装着や取り外しなどの取扱性が各段に優れている。40b,40bはゴムバンド41Aの通過させるための孔部である。
【0049】
次に本実施の形態の電動耕耘機の前後バランスの構成について以下説明する。
垂直方向に配置したモータ8のモータ軸8aの軸心をロータリ軸4の軸心位置よりも前に構成し、ロータリ軸4の軸心位置よりも後方にバッテリケース9を設け、バッテリケース9の後方にハンドルフレーム11を設ける構成にする。この構成により、バッテリケース9付近に重心が取れ、バッテリケース9内に収容するバッテリの容量を変更してバッテリケース9の重量が変化しても機体重心の変化が少ない。
【0050】
次に前記LED26の構成について以下説明する。
電源スイッチ16の近傍に各種運転状態を示す複数のLED26を設けている。即ち、ハンドルフレーム11に支持されたカバー部材60の傾斜上面60aに前記電源スイッチ16とLED26を設ける。LED26及び、このLED26の下側に位置すべく信号制御基板51を支持したホルダ61を備えている。この信号制御基板51は前記電源スイッチ16信号やリミットスイッチ33信号を入力して配線62により前記出力端子18の一対18b,18bに接続している。
【0051】
本実施の形態では、電源の入り切りのLED26a、運転の入り切りのLED26bとバッテリ残量のLED26cを設けている。電源の入り切りのLED26aでは電源スイッチ入りで第一の色である緑色が発光し、過負荷を検出して配線20に設ける過電流保護回路45が作動すると第二の色である赤色が発光する。運転の入り切りのLED26bではリミットスイッチ33が入りしてロータリ部Rが駆動すると第一の色である緑色が発光し、モータ8内蔵の温度センサーによる保護回路(図示せず)が作動すると第二の色である赤色が発光する。バッテリ残量のLED26cではバッテリの残量が通常の状態では第一の色である緑色が発光し、残量が設定量以下になると第二の色である赤色が発光する。なお、前記電源入り切りのLED26aは省略してもよい。
【0052】
このように、各種運転状態をLEDで表示し、また、第一の色から第二の色に適宜変色することで少ないLEDの数で多くの動作表示を行なうことができ、また、一箇所に集中して、かつ、操作側から見やすい位置にLEDを配置することで各種運転状況を確認しやすい。また、電源スイッチ16に隣接してLEDを設けたことで、電源入りから電源切の際にLEDを常に確認しやすい。
【符号の説明】
【0053】
B バッテリ
8 電動モータ
9 バッテリケース
9d カバー
18 出力端子
19 充電端子
20 モータ駆動回路
42 充電制御基板
42a 充電制御回路
43 放電制御基板
43a 放電制御開路
55 ブレーカ
55a 手動操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能なバッテリと電動モータとを備え耕耘部や草刈部などの作業部または走行部を該電動モータによって駆動する歩行型作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはバッテリユニットと電動モータの配置構成及びコントローラの配置構成について開示されている。また、特許文献2には、操作信号受信部、制御部、モータ駆動回路等を接続したコントローラを備え、制御部には、充電器、ハンドル装着スイッチ、回転センサ等からの信号を受け、表示部に表示信号を発するとともに、モータ駆動回路を介して電動モータを回転制御するものである。
【0003】
さらに、電動作業機において、電動モータの電気回路にブレーカを設け、作業機の負荷増大によって電気回路の電流が過大になるときには自動的に回路を遮断する構成が公知である(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−22173号公報
【特許文献2】特開2004−275100号公報
【特許文献3】特開平6−98601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コントローラは充電機能と放電機能を備えるものであるが、特許文献1のコントローラはバッテリケースの外に配置されるもので、バッテリとの一体的な取扱性やスペース拡大を余儀なくされる点に難があり、特許文献2にはコントローラの配置構成について具体的な開示がない。この発明は、バッテリを内装するバッテリケース内にコントローラ部をコンパクトに収容でき、併せて充放電回路の安全性を確保しようとする。また、ブレーカの復帰用手動スイッチをメンテナンス用スイッチに代替させて安全性を確保しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はかかる技術的課題を解決するために請求項1記載の発明では、
充電可能なバッテリBと電動モータ8とを備え、作業部または走行部を該電動モータ8によって駆動する歩行型作業機において、バッテリBを収容するバッテリケース9を機体に着脱自在に装着し、該バッテリケース9内には充電制御基板42と放電制御基板43を設け、前記バッテリケース9に、充電制御基板42の充電制御回路42aに接続する充電端子19と、放電制御基板43の放電制御回路43aに接続する出力端子18を設けてなる歩行型作業機の構成とする。
【0007】
このように構成することにより、コントローラの一部を構成する充電制御基板42と放電制御基板43とをバッテリBを収容するバッテリケース9内に装着しておき、充電端子19にてバッテリBの充電を行い、出力端子18から電動モータ8を駆動する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、出力端子18から電動モータ8へのモータ駆動回路20途中に該モータ駆動回路20中の負荷電流が所定以上になるとモータ駆動回路20を電気的に遮断するブレーカ55を設け、ブレーカ55による電気的遮断状態に関わらず任意にモータ駆動回路20を電気的な接続状態と遮断状態とに切り替える手動操作部55aを設け、該手動操作部55aを作業部または走行部の近傍の機体部に設けてなる請求項1に記載の歩行型作業機とする。
【0009】
このように構成することにより、モータ駆動回路20に負荷が掛かり電流が所定以上になると、ブレーカ55はモータ駆動回路20を電気的に遮断する側に作用させて手動操作部55aを切り側に切り替える。従って、再度起動するに当たっては操作部55aを操作して入りに切り替えておくものである。なお、作業部のメンテナンスなどの時にはブレーカ55の操作部55aを操作してモータ駆動回路20を遮断に切り替えておくことにより、確実に電動モータ8の非駆動を確保でき安全である。なお、この操作部55aは作業部または走行部の近傍の機体部に配設されるものであるから、メンテナンス作業対象箇所に近い位置にあって便利である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記バッテリケース9に着脱自在なカバー9dを備え、バッテリケース9内にはバッテリBを構成する複数のセル41,41と各セル41,41の夫々の上面に充電制御回路42aを組み込んだ充電制御基板42,42とを一体的に構成して挿脱自在に設け、充電制御基板42を充電端子19に配線接続し、
前記充電制御基板42,42の上方には適宜間隔離れて放電制御回路43aを組み込んだ放電制御基板43を、バッテリケース9の内周側壁部に形成した案内凹部に挿入して装着または離脱させる構成とし、放電制御基板43は複数のバッテリセル41,41の直列接続による電圧出力が出力端子18に出力できるように回路構成してなる請求項1または請求項2に記載の歩行型作業機の構成とする。
【0011】
このように構成することにより、充電制御基板42,42を夫々バッテリセル41,41に直接接続し、バッテリケース9内に収容するとともに、放電制御基板43の方は充電制御基板42,42とは上下に間隔離れてバッテリケース9内に装着する構成であるから、充電制御基板42,42とバッテリセル41,41との接続は直接接続が可能となってコンパクト化が図れる一方、放電制御基板43はバッテリセル41,41や充電制御基板42,42とは独立的に着脱でき、組立性や分解メンテナンス性が良好である。
【0012】
さらに、充電制御基板42,42の充電制御回路42a,42aと充電端子19とを並列接続して充電を各バッテリセル41,41に対して並列接続処理を行い、放電制御基板43の放電制御回路43aに対してバッテリセル41,41は直列接続によって出力端子18を介して電動モータ8に出力しており、並列接続と直列接続とを効果的に組み立て得る。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明においては、コントローラの一部を構成する充電制御基板42と放電制御基板43とをバッテリBを収容するバッテリケース9内に装着しておき、充電端子19にてバッテリBの充電を行い、出力端子18から電動モータ8を駆動するものであるから、配線類は出力端子18から外し、バッテリケース9を機体から取り外してメンテナンスや充電作業を行うことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明においては、ブレーカ55の操作部55aは作業部または走行部の近傍の機体部に配設されるものであるから、メンテナンス作業対象箇所に近い位置にあってモータ駆動回路20を任意に遮断又は接続できメンテナンス作業を安全に行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、充電制御基板42,42とバッテリセル41,41との接続は直接接続が可能となってコンパクト化が図れる。また、放電制御基板43はバッテリセル41,41や充電制御基板42,42とは独立的に着脱でき、組立性や分解メンテナンス性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電動耕耘機の側面図
【図2】電動耕耘機の背面図
【図3】電動耕耘機の平面図
【図4】電動耕耘機の拡大側面図
【図5】バッテリケース内の正面図
【図6】ブロック図
【図7】バッテリケースの正面図(A)、及びバッテリケースの背面図(B)
【図8】バッテリケースの底面図(A)、及びバッテリケースの側面図(B)
【図9】安全装置の作動を示す側面図(A)(B)
【図10】安全装置の作動を示す平面図(A)(B)
【図11】ハンドルの折り畳み状態を示す側面図
【図12】バケットの斜視図
【図13】ハンドルフレーム部の拡大側面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の歩行型作業機の一例を電動耕耘機により図面に基づき説明する。
2は伝動軸41を内装する伝動フレームで、上部には皿状の機体フレーム10を固定し、該伝動フレーム2から後方に向けて作業機フレーム1を延出している。そして伝動フレーム2の下部に、前記伝動軸41を介した伝動により横軸芯周りに回転駆動するロータリ軸3を軸支し、伝動フレーム2から左右方向に延びるこのロータリ軸3の外周に複数のロータリ爪4を配設するとともに、該ロータリ軸3の左右両端にサイドディスク5,5を取り付けロータリ部Rを構成している。
【0018】
ロータリ部Rの上方を覆う平面視円盤形状のロータリカバー6を前記機体フレーム10の上部に取り付ける。ロータリカバー6の左右中央部には平面視U字型の壁部6aを形成し、壁部6aの内側に沿って開口部6bを形成する。そして該開口部6bの前側にはモータカバー7を取り付け、モータカバー7の内部には前記伝動軸41に動力を伝動する電動モータ8を内装し、開口部6bの後ろ側にはバッテリBを収容したバッテリケース9を着脱自在に挿入する。電動モータ8とバッテリケース9は前記機体フレーム10に載置し、開口部6bを貫通して配置する構成としている。
【0019】
前記作業機フレーム1の後部にはハンドルフレーム11の前下端側を取り付けている。ハンドルフレーム11は斜め後ろ後方に向かって延びており、ハンドルフレーム11の後端側から左右の操作ハンドル12a,12bを分岐して設け、左右の操作ハンドル12a,12bの後端部にはグリップ13a,13bを設ける構成である。
【0020】
作業機フレーム1の後端部には電動耕耘機を移動するときに機体を支持する支持車輪14と、耕耘作業時にダッシングを防止する抵抗棒15を取り付けている。なお図1は支持車輪14を跳ね上げ状態とした作業姿勢である。
【0021】
次に、機体の駆動構成について説明する。
ハンドルフレーム11と操作ハンドル12a,12bの分岐位置に電源の入り切りをする電源スイッチ16を設け、左右一方のグリップ13b近傍に電動モータ8の駆動を入り切りする操作レバー17を設ける。バッテリケース9の後面にはバッテリケース9内のバッテリBと電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20の出力端子18とバッテリBに充電するための充電端子19とを設ける。
【0022】
ここでバッテリケース9の内部構造について説明する。バッテリケース9は直方体形状を呈し後部外壁には前記出力端子18、充電端子19を備え、前部壁は着脱自在なカバー9aに構成される。このようなバッテリケース9内にはその容積の1/2以上を占める複数のセル41,41からなるバッテリBと各セル41,41の夫々の上面に充電制御回路42aを組み込んだ充電制御基板42,42を底部の案内リブ9b,9bをレール状に設けて前後にスライドすることにより挿脱自在に設けている。充電制御基板42の端子は、前記充電端子19(図例では2組の端子としている)に配線接続される一方、各セル41,41との間は直接電気的に接続する。
【0023】
ほぼ同一平面上に配設される前記充電制御基板42,42の上方には適宜間隔離れて放電制御回路43aを組み込んだ放電制御基板43を設ける。バッテリケース9の内周側壁部に前後方向の案内凹部を形成したリブ9c,9cを形成し、この案内凹部に放電制御基盤43の端部を挿入してスライドさせて装着または離脱させる構成としている。なお、放電制御基板43は複数のバッテリセル41,41の直列接続による電圧が出力端子18に出力できるように回路構成されている。バッテリケース9の内側面にはバッテリセル41,41と内壁との間に距離を置くリブ9d,9d…を設けている。
【0024】
前記充電制御基板42,42には過充電防止回路44を組み込み、一方放電制御基板43には過電流保護回路45、ON・OFF信号平滑回路46、サージ電流制御回路47、過放電防止回路48、短絡防止回路49を組み込んでいる。また、このうち放電制御基板43に対する短絡防止は上記短絡防止回路49で防止できる構成であるが、充電制御回路42,42に対する短絡防止は、これら放電制御基板42,42毎に設けることなく、共通の短絡防止回路50を、充電端子19と放電制御基板42,42との間であって、該放電制御基板43の一側に縦姿勢で挿抜自在に前記バッテリケース9内に設けている。
【0025】
次いでバッテリケース9の出力端子18について説明する。電動モータ8への出力端子18a,18aとしてはプラス・マイナスの2端子で前記モータ駆動回路20により電動モータ8側に接続する構成であるが、残る2端子18b,18bは信号入出力用の端子である。即ち、この一対の端子18b,18bは信号制御基板51から前記電源スイッチ16や操作レバー17に連動するリミットスイッチ33等の入り切り信号を入力し前記放電制御回路43aに制御信号を出力でき、あるいは放電制御回路43aからの出力に基づいて信号制御基板51から電池残量や後述する警告表示信号を入力して、電源入切LED26a、運転警告LED26b、電池残量LED26cに出力する構成としている。
【0026】
前記出力端子18a,18aは、ブレーカ55を介して電動モータ8に接続されている。即ち、ブレーカ55は、モータ駆動回路20を断接に切り替える操作部55aを備え、操作部55aはソレノイド(図示せず)を組み込み、モータ駆動回路20の電流値が上昇すると励磁して操作部55aを作動しモータ駆動回路20を遮断状態におき、電動モータ8を切りとする構成である。なお、前記ブレーカ55の操作部55aは前記ロータリカバー6の上面に配設されている。
【0027】
前記出力端子18と充電端子19は機体背面視でハンドルフレーム11の左右両側にそれぞれ設ける構成で、作業者が操作側の機体後ろ側からハンドルフレーム11が邪魔になり難く配線の着脱を行ない易くしている。また、出力端子18と充電端子19を背面視でハンドルフレーム11を挟んで左右両側に配置したため、視覚的にも分かりやすく左右を誤った差込みとすることを防止できる。
【0028】
前記ブレーカ55と電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20は、バッテリケース9の下部からロータリカバー6の壁部6aの外周に形成する傾斜部6cの下方と機体フレーム10の間の空間を通過する構成としている。
【0029】
バッテリケース9は上面に取手9eを形成し、下面に位置固定用の凸部9fを複数形成し、位置固定用の該凸部9fを機体フレーム10に形成する位置固定用の穴部10aに挿入することで、バッテリケース9の載置位置を固定できる構成としている。また、バッテリケース9はその左右側面をロータリカバー6の壁部6aで支持されると共に、その前面に上下方向に長く位置固定用の凸条部9gを形成し、モータカバー7に形成する位置固定用の凹部7aと係合する構成としている。また、機体フレーム10の左右中央には開口部10bを設け、機体フレーム10に雨水等で流入した水の水はけができるようにしている。
【0030】
バッテリケース9を機体にセットするときには位置固定用の凸条部9gを位置固定用の凹状部7aに対応させ両者を嵌合状態としてそのまま下に下ろすと位置固定用の凸部9fが位置固定用の穴10aに挿入されてバッテリケース9の位置固定がなされる。バッテリケース9を取り出すときは取手9eを引き上げるだけで取り出すことができる。
【0031】
本実施の形態のバッテリケース9は前側をモータカバー7で、側面をロータリカバー6の壁部6aで支持されるが、該壁部6aはロータリカバー6とは別体に形成しても良い。例えば機体フレーム10側に取り付けた壁部によって形成する構成としても良い。
【0032】
また、壁部6aは後ろ上がり傾斜状に形成することで、バッテリケース9の支持を強固にすると共に機体全体の美観を向上させることができる。また、バッテリケース9の背面側には後支持壁部6dを形成してバッテリケース9を背面から支持している。後支持壁部6dはバッテリケース9の側面を支持する壁部6aよりも低く形成し、出力端子18と充電端子19を機体背面側に露出する構成とすることで出力端子18と充電端子19への接続をし易くしている。
【0033】
なおバッテリケース9の前記カバー9aは、モータケース7との間に位置するものであるが、バッテリケース9の本体外周の内側に形成され、併せてモータケース7とバッテリケース9との外周を略揃えて形成することで隙間を少なくし、外観からカバー9aが視認できないため美観を高め、併せて雨水の浸入を少なくする。
【0034】
次に、操作レバー17の安全装置Tについて説明する。
操作レバー17は横軸心の支点30周りに回動する構成とし、支点30の前側に形成するスイッチ操作部17aと、支点30の後側に形成する把持部17bとを設ける。33は電動モータ8の駆動を入切すべく前記信号制御基板51の制御部に信号入力するリミットスイッチでスイッチ操作部17aの回動動作により電動モータ8の駆動が入切に行なわれる。25は把持して回動させた操作レバー17を初期位置に戻すスプリングである。
【0035】
前記把持部17bの上方にあって該把持部17bと交差する方向(左右方向)に支持され、この左右方向に摺動する移動軸31を設ける。移動軸31の機体内側端には移動軸31を機体外側に向かって押し出し操作するための押し部31cを形成し、押し部31cに隣接してスプリング35を移動軸31に巻回する構成としている。移動軸31は機体内側から順に小径部31aと大径部31bとを隣接して形成している。そして、安全装置Tの初期位置では大径部31bが把持部17bの回動軌跡上に位置する構成としている(図10(A))。
【0036】
操作レバー17と安全装置Tの耕耘作業時の操作について以下説明する。
バッテリBの充電状態を電池残量LED53の点滅の有無によって確認し、不足の場合は充電器あるいは100V電源を充電端子19に接続し所定の充電を行なう。
【0037】
耕耘作業の開始にあたっては、電源スイッチ16を入りにして、移動軸31の端部に形成する押し部31cを親指で押し、小径部31aを操作レバー17の回動軌跡上に位置させ(図10(B))、そして、作業者は把持部17bを把持してリミットスイッチ33がONとなる位置まで回動する。リミットスイッチ33のON信号は、信号制御基板51を経由して放電制御回路43aに送信されバッテリBにより電動モータ8が駆動する。電動モータ8の回転を受けてロータリ部Rが回転し耕耘作業が行われる(図9(B))。
【0038】
耕耘作業を停止するときには、作業者が把持部17bを離すとスプリング25の作用でスイッチ操作部17aが初期位置まで回動し、リミットスイッチ33のOFF信号が伝えられてバッテリBの駆動電流が遮断されロータリ部Rは停止する(図9(A))。
【0039】
作業者が電源スイッチ16を入りにした状態で電動耕耘機を持ち運んでいるときに、不意に操作レバー17の把持部17bに当接して把持部17bが回動しても、把持部17bが移動軸31の大径部31bに当接して、スイッチ操作部17aがリミットスイッチ33の入り位置まで回動せず、リミットスイッチ33は入りされず、電源スイッチ16が入り状態であることを作業者が気づかずに持ち運んでいるときであっても不意にロータリ部Rが回転することがないので安全である。
【0040】
モータ駆動回路20に負荷が掛かり電流が所定以上になると、ブレーカ55は該モータ駆動回路20を遮断側に作用させ、併せて操作部55aを切り側に切り替える。従って、再度起動するに当たっては操作部55aを操作して入りに切り替えておくものである。なお、ロータリ部Rのメンテナンスなどの時にはブレーカ55の操作部55aを操作してモータ駆動回路20を遮断側(切り)に切り替えておくことにより、確実に電動モータ8の非駆動を確保でき安全である。
【0041】
なお、この操作部55aはロータリカバー6部(図例ではロータリカバー6の後部左側)に配設されるものであるから、メンテナンス作業対象箇所に近い位置にあって便利である。つまり、電源スイッチ16をハンドルフレーム11に配設しておくとハンドル操作する作業者にとっては使い易いけれども、ロータリ部Rをメンテナンスする場合には遠くになって不便であるが、上記のようにロータリカバー6の上面に構成すると手が届き易く便利である。
【0042】
前記放電制御基板43に構成される過電流保護回路45は、放電制御回路43a部の過電流を検出すると放電出力を停止する構成とし、モータ駆動回路20に電流が流れない。また、ON・OFF信号平滑回路46は、特に起動時の電流が不安定であってもこれを滑らかに平滑処理して滑らかな発信を確保する。また、サージ電流制御回路47は、起動時の前記操作レバー17によるリミットスイッチ33のON・OFFが断続的に繰り返された場合に生じる恐れのあるサージ電流の発生を防止する。従って、これらON・OFF信号平滑回路46及びサージ電流制御回路47は機械的な操作レバー17によるリミットスイッチ33断接に伴う回路構成である。
【0043】
さらに放電制御基板43の過放電防止回路48は、バッテリBからの電圧が過剰のときにはこれを所定以下(例えば18V以下)に抑制制御する。短絡防止回路49は出力端子18部の短絡状態となったときに放電制御回路43a部の保護に係り、もう一方の短絡防止回路50によって充電端子19部の短絡状態となったときに充電制御回路42a部の保護が図れる。
【0044】
本実施例に係るコントローラの構成は、充電制御基板42,42を夫々バッテリセル41,41に直接接続し、バッテリケース9内に収容するとともに、放電制御基板43の方は充電制御基板42,42とは上下に間隔離れてバッテリケース9内に装着する構成であるから、充電制御基板42,42とバッテリセル41,41との接続はワイヤレスで直接接続が可能となってコンパクト化が図れる一方、放電制御基板43はバッテリセル41,41や充電制御基板42,42とは独立的に着脱でき、組立性や分解メンテナンス性が良好である。
【0045】
さらに、充電制御基板42,42の充電制御回路42a,42aと充電端子19とを並列接続して充電を各バッテリセル41,41に対して並列接続処理を行い、放電制御基板43の放電制御回路43aに対してバッテリセル41,41は直列接続によって出力端子18を介して電動モータ8に出力しており、並列接続と直列接続とを効果的に組み立て得る効果がある。
【0046】
なお、バッテリセル41,41の上部に充電制御基板42,42を配設してバッテリケース9に挿入する構成であるため、水分が浸入しても下方に堆積して基板42,42自体に影響が少ない。
【0047】
次に電動耕耘機を持ち運ぶときの構成を以下説明する。
36は左右の操作ハンドル12a,12bの前後位置を固定・調節するための締付ノブで、該締付ノブ36を緩めて操作ハンドル12a,12bを横軸心の回動支点37周りに機体前側に倒し、締付ノブ36を締めて位置固定する(図11参照)。すると、左右の操作ハンドル12a,12bとを連結する連結棒38が機体の前後長の略中央で機体の略重心位置で、かつバッテリケース9の上方に位置する構成としている。作業者は連結棒38、又は連結棒38と機体前端のバンパー39を持って電動耕耘機を持ち運ぶことで、持ち運び時にバッテリケース9が外れるのを防止することができる。また、連結棒38は左右の操作ハンドル12a,12bを前側に倒したときに正面視で略門構えになる構成としており、バッテリケース9に当接しないで左右の操作ハンドル12a,12bをより下まで倒せる構成としている。
【0048】
40は持ち運び時にロータリ部Rの下を覆う位置に取り付けるバケットで、可撓性ゴムバンド41Aを係合しうる凸状部40aを左右に設け、該ゴムバンド41Aの上部に設けた孔41aを機体フレーム10の側面に形成したフック部10aに係止して機体に装着する構成で、ロータリ部Rに付着する土が落下するのを受け、持ち運び時に土が周辺に散乱するのを防止することができる。なお、バケット40は前壁40fに対して後壁40rを低く形成している。従ってバケット40を地面に置いた状態で後方から耕耘機を前進させることによってバケット40内に容易に進入できるため、可撓性ゴムバンドの利用と相まって、従来のように、ロータリカバーを下方に畳んでロータリ部の下方を囲う構成や、抵抗棒の支持パイプを利用した支持構成に比較して、装着や取り外しなどの取扱性が各段に優れている。40b,40bはゴムバンド41Aの通過させるための孔部である。
【0049】
次に本実施の形態の電動耕耘機の前後バランスの構成について以下説明する。
垂直方向に配置したモータ8のモータ軸8aの軸心をロータリ軸4の軸心位置よりも前に構成し、ロータリ軸4の軸心位置よりも後方にバッテリケース9を設け、バッテリケース9の後方にハンドルフレーム11を設ける構成にする。この構成により、バッテリケース9付近に重心が取れ、バッテリケース9内に収容するバッテリの容量を変更してバッテリケース9の重量が変化しても機体重心の変化が少ない。
【0050】
次に前記LED26の構成について以下説明する。
電源スイッチ16の近傍に各種運転状態を示す複数のLED26を設けている。即ち、ハンドルフレーム11に支持されたカバー部材60の傾斜上面60aに前記電源スイッチ16とLED26を設ける。LED26及び、このLED26の下側に位置すべく信号制御基板51を支持したホルダ61を備えている。この信号制御基板51は前記電源スイッチ16信号やリミットスイッチ33信号を入力して配線62により前記出力端子18の一対18b,18bに接続している。
【0051】
本実施の形態では、電源の入り切りのLED26a、運転の入り切りのLED26bとバッテリ残量のLED26cを設けている。電源の入り切りのLED26aでは電源スイッチ入りで第一の色である緑色が発光し、過負荷を検出して配線20に設ける過電流保護回路45が作動すると第二の色である赤色が発光する。運転の入り切りのLED26bではリミットスイッチ33が入りしてロータリ部Rが駆動すると第一の色である緑色が発光し、モータ8内蔵の温度センサーによる保護回路(図示せず)が作動すると第二の色である赤色が発光する。バッテリ残量のLED26cではバッテリの残量が通常の状態では第一の色である緑色が発光し、残量が設定量以下になると第二の色である赤色が発光する。なお、前記電源入り切りのLED26aは省略してもよい。
【0052】
このように、各種運転状態をLEDで表示し、また、第一の色から第二の色に適宜変色することで少ないLEDの数で多くの動作表示を行なうことができ、また、一箇所に集中して、かつ、操作側から見やすい位置にLEDを配置することで各種運転状況を確認しやすい。また、電源スイッチ16に隣接してLEDを設けたことで、電源入りから電源切の際にLEDを常に確認しやすい。
【符号の説明】
【0053】
B バッテリ
8 電動モータ
9 バッテリケース
9d カバー
18 出力端子
19 充電端子
20 モータ駆動回路
42 充電制御基板
42a 充電制御回路
43 放電制御基板
43a 放電制御開路
55 ブレーカ
55a 手動操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能なバッテリ(B)と電動モータ(8)とを備え、作業部または走行部を該電動モータ(8)によって駆動する歩行型作業機において、バッテリ(B)を収容するバッテリケース(9)を機体に着脱自在に装着し、該バッテリケース(9)内には充電制御基板(42)と放電制御基板(43)を設け、前記バッテリケース(9)に、充電制御基板(42)の充電制御回路(42a)に接続する充電端子(19)と、放電制御基板(43)の放電制御回路(43a)に接続する出力端子(18)を設けてなる歩行型作業機。
【請求項2】
出力端子(18)から電動モータ(8)へのモータ駆動回路(20)途中に該モータ駆動回路(20)中の負荷電流が所定以上になるとモータ駆動回路(20)を電気的に遮断するブレーカ(55)を設け、ブレーカ(55)による電気的遮断状態に関わらず任意にモータ駆動回路(20)を電気的な接続状態と遮断状態とに切り替える手動操作部(55a)を設け、該手動操作部(55a)を作業部または走行部の近傍の機体部に設けてなる請求項1に記載の歩行型作業機。
【請求項3】
前記バッテリケース(9)に着脱自在なカバー(9a)を備え、バッテリケース(9)内にはバッテリ(B)を構成する複数のセル(41,41)と各セル(41,41)の夫々の上面に充電制御回路(42a)を組み込んだ充電制御基板(42,42)とを一体的に構成して挿脱自在に設け、充電制御基板(42)を充電端子(19)に配線接続し、前記充電制御基板(42,42)の上方には適宜間隔離れて放電制御回路(43a)を組み込んだ放電制御基板(43)を、バッテリケース(9)の内周側壁部形成した案内凹部に挿入して装着または離脱させる構成とし、放電制御基板(43)は複数のバッテリセル(41,41)の直列接続による電圧出力が出力端子(18)に出力できるように回路構成してなる請求項1または請求項2に記載の歩行型作業機。
【請求項1】
充電可能なバッテリ(B)と電動モータ(8)とを備え、作業部または走行部を該電動モータ(8)によって駆動する歩行型作業機において、バッテリ(B)を収容するバッテリケース(9)を機体に着脱自在に装着し、該バッテリケース(9)内には充電制御基板(42)と放電制御基板(43)を設け、前記バッテリケース(9)に、充電制御基板(42)の充電制御回路(42a)に接続する充電端子(19)と、放電制御基板(43)の放電制御回路(43a)に接続する出力端子(18)を設けてなる歩行型作業機。
【請求項2】
出力端子(18)から電動モータ(8)へのモータ駆動回路(20)途中に該モータ駆動回路(20)中の負荷電流が所定以上になるとモータ駆動回路(20)を電気的に遮断するブレーカ(55)を設け、ブレーカ(55)による電気的遮断状態に関わらず任意にモータ駆動回路(20)を電気的な接続状態と遮断状態とに切り替える手動操作部(55a)を設け、該手動操作部(55a)を作業部または走行部の近傍の機体部に設けてなる請求項1に記載の歩行型作業機。
【請求項3】
前記バッテリケース(9)に着脱自在なカバー(9a)を備え、バッテリケース(9)内にはバッテリ(B)を構成する複数のセル(41,41)と各セル(41,41)の夫々の上面に充電制御回路(42a)を組み込んだ充電制御基板(42,42)とを一体的に構成して挿脱自在に設け、充電制御基板(42)を充電端子(19)に配線接続し、前記充電制御基板(42,42)の上方には適宜間隔離れて放電制御回路(43a)を組み込んだ放電制御基板(43)を、バッテリケース(9)の内周側壁部形成した案内凹部に挿入して装着または離脱させる構成とし、放電制御基板(43)は複数のバッテリセル(41,41)の直列接続による電圧出力が出力端子(18)に出力できるように回路構成してなる請求項1または請求項2に記載の歩行型作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−72211(P2011−72211A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224938(P2009−224938)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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