説明

歪測定装置

【課題】外径が所要範囲にある限り外径が異なる種々のパイプ部材(100)の表面に摩擦型歪ゲージ(64)を充分迅速に且つ容易に押圧して、パイプ部材の表面の歪を測定することができる歪測定装置を提供する。
【解決手段】歪測定装置の支持ケース(2)に、支持ケースから延出し且つ磁石(88)を所要方向に移動自在に保持する一対の保持手段(86、200、300、400)を付設し、かかる一対の保持手段の各々に保持された磁石を、歪を測定すべきパイプ部材の表面に吸着せしめるようになす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造部材の表面に接着する必要なく単に構造部材の表面に押圧することによって構造部材の表面の歪を測定することができる摩擦型歪ゲージを利用した歪測定装置に関する
【背景技術】
【0002】
化学プラントの如き種々の構造物に使用されている構造部材に生成されている歪を測定するゲージとして、近時においては、構造部材に接着して使用される歪ゲージに代えて、単に構造部材に所要押圧力で押圧せしめることによって構造部材の歪を測定することができる摩擦型歪ゲージが提案され、実用に供されている。摩擦型歪ゲージは歪を測定すべき構造部材に接着する必要がなく、それ故に摩擦型歪ゲージを利用した単一の歪測定装置を使用して多数の構造部材の歪を測定することができる。摩擦型歪ゲージの典型例としては、株式会社東京測器研究所から商品名「CBF−6」として販売されている摩擦型歪ゲージを挙げることができる。また、摩擦型歪ゲージを利用した歪測定装置の典型例としては、同様に株式会社東京測器研究所から商品名「応力聴診器FGMH−1」として販売されている歪測定装置を挙げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
而して、特に化学プラントの場合、種々の直径のパイプ部材が多数使用されているが、摩擦型歪ゲージを利用した従来の歪測定装置には、歪を測定すべき構造部材の表面が平坦な場合には、特に問題なく構造部材の表面に摩擦型歪ゲージを押圧して構造部材の表面の歪を測定することができるが、歪を測定すべき構造部材が円筒形状のパイプ部材の場合には摩擦型歪ゲージをパイプ部材の表面に適切に押圧することが不可能ではないにしても相当困難であり、パイプ部材の表面の歪を迅速且つ容易に測定することができないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、外径が所要範囲にある限り外径が異なる種々のパイプ部材の表面に摩擦型歪ゲージを充分迅速に且つ容易に押圧して、パイプ部材の表面の歪を測定することができる、新規且つ改良された歪測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意検討及び実験の結果、歪測定装置の支持ケースに、支持ケースから延出し且つ磁石を所要方向に移動自在に保持する一対の保持手段を付設し、かかる一対の保持手段の各々に保持された磁石を歪を測定すべきパイプ部材の表面に吸着せしめるようになすことによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
【0006】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する歪測定装置として、支持ケースと、該支持ケースに摺動自在に装着された押圧ロッド手段と、該押圧ロッド手段に摺動自在に組み合わされたゲージ装着手段と、該ゲージ装着手段に装着された摩擦型歪ゲージと、該支持ケースと該押圧ロッド手段との間に介在された弾性偏倚手段と、該押圧ロッド手段に接続され、該押圧ロッド手段が該摩擦型歪ゲージに作用しない非作用位置と該弾性偏倚手段の弾性偏倚力が該押圧ロッド手段を介して該摩擦型歪ゲージに加えられる作用位置とに選択的に該押圧ロッド手段を位置付けるための切り替え手段とを具備する歪測定装置において、
該支持ケースには該支持ケースから延出する一対の保持手段が付設されており、該保持手段の各々は該押圧ロッド手段に接近及び離隔する方向に移動自在に磁石を保持している、ことを特徴とする歪測定装置が提供される。
【0007】
好適には、該保持手段の各々は板ばねを含んでいる。該板ばねは該押圧ロッド手段の延在方向に延びる基部と該基部に続いて該押圧ロッド手段から離隔する方向に傾斜して延出する傾斜延出部とを有し、該基部が該支持ケースに固定され、該傾斜延出部に該磁石が固定されているのが好都合である。該保持手段の各々は、該押圧ロッド手段の延在方向に対して直角な方向に延びる旋回軸線を中心として旋回自在に装着された旋回部材を含んでいる、或いは該支持ケースに対して該押圧ロッド手段の延在方向に位置調整自在に装着された調整部材を含んでいるのも好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の歪測定装置によれば、一対の保持手段の各々に保持されている磁石を周方向に離隔せしめてパイプ部材の表面に吸着せしめ、次いで切り替え手段を手動操作して押圧ロッド手段を非作用位置から作用位置に移動せしめると、弾性偏倚手段が押圧ロッド手段を介して摩擦型歪ゲージをパイプ部材の表面に押圧せしめ、かくしてパイプ部材の表面の歪を測定することができる。パイプ部材の外径の変動は、一対の保持部材の各々に保持されている磁石が押圧ロッド手段に接近及び離隔する方向に適宜に移動することによって補償される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従って構成された歪測定装置の好適実施形態を示す斜面図。
【図2】図1に示す歪測定装置の分解斜面図。
【図3】図1に示す歪測定装置の正面図。
【図4】保持手段の変形例を示す正面図。
【図5】図4に図示する変形例の側面図。
【図6】保持手段の他の変形例を示す正面図。
【図7】保持手段の更に他の変形例を示す正面図。
【発明実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に従って構成された歪測定装置の好適実施形態を図示している添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【0011】
図1乃至図3、特に図2を参照して説明すると、図示の歪測定装置は、全体として縦長直方体形状である支持ケース2を含んでいる。この支持ケース2の下半部には前面から後面まで貫通し且つ下面が開放されている直方体形状の凹所4が形成されている。支持ケース2の上半部には凹所4の上面から支持ケース2の上面まで延びる貫通穴6が形成されている。この貫通穴6は比較的大径の下部6aと比較的小径の上部6bとから構成されている。
【0012】
支持ケース2の上方には補助ケース10が配設されている。この補助ケース10にはその下面から上面まで貫通して延在する雌ねじ孔12が形成されている。又、この雌ねじ孔12に対して直角に全面から雌ねじ孔12までの延びる補助雌ねじ孔14も形成されている。更に、補助ケース10にはその後半部に片側面から他側面まで連続して延在する孔16も形成されている。
【0013】
図示の歪測定装置は比較的大径の丸ロッド部材20、比較的小径の丸ロッド部材22及び先端部材24を含む押圧ロッド手段18を含んでいる。丸ロッド部材20の上端部外周面には雄ねじ26が形成され、下端部外周面には雄ねじ28が形成されている。更に、丸ロッド部材20にはその下端面から上方に延びる盲雌ねじ孔(図示していない)が形成されている。丸ロッド部材20は上記支持ケース2の凹所4及び貫通穴6を通して延在せしめられ、その上端部外周面に形成されている雄ねじ26が上記補助ケース10に形成されている雌ねじ孔12に螺合せしめられる。上記補助ケース10の補助雌ねじ孔14には止めねじ30が螺合され、これによって丸ロッド部材20の雄ねじ26と補助ケース10の雌ねじ孔12との螺合の緩みが阻止される。丸ロッド部材20には、その下方から圧縮コイルばね32とワッシャ34が被嵌され、そして丸ロッド部材20の下端部外周に形成されている雄ねじ28にはナット部材36が螺合される。弾性偏倚手段を構成する圧縮コイルばね32の上端部は支持ケース2に形成されている貫通孔6の下部6a内に挿入され、圧縮コイルばね32の上端は貫通孔6の下部6aと上部6bとの境界に存在する環状肩面に当接され、圧縮コイルばね32の下端はナット部材36の上面に当接されて圧縮され、従って圧縮コイルばね32は支持ケース2に対して丸ロッド部材20を図1乃至図3において下方に弾性的に偏倚する。
【0014】
丸ロッド部材22は、その上端部に雄ねじ38をその下端部に雄ねじ40を有する。丸ロッド部材22の雄ねじ38を丸ロッド部材20の上記盲雌ねじ孔に螺合せしめることによって、丸ロッド部材20の下端に丸ロッド部材22が連結される。先端部材24にはその上端面から下方に延びる盲雌ねじ孔が形成されており、かかる盲雌ねじ孔を丸ロッド部材22の雄ねじ40に螺合せしめることによって、丸ロッド部材22の下端に先端部材24が連結される。
【0015】
上述した押圧ロッド手段18の丸ロッド部材22及び先端部材24には、ゲージ装着手段42が摺動自在に組み合わされる。図示の実施形態においては、ケージ装着手段42は、第一の部材44と第二の部材46とを含んでいる。第一の部材44はチャンネル形状であり、上壁48並びにこの上壁48の前縁及び後縁から下方に垂下する前及び後壁50を有する。上壁48には貫通孔52が形成されている。第二の部材46もチャンネル形状であり、上壁54並びにこの上壁54の両側縁から垂下する両側壁56を有する。上壁54には貫通孔58が形成されている。両側壁56の下端内面には支持突条60が形成されている。第二の部材46の前後方向長さは第一の部材44の前及び後壁50間の間隔に対応せしめられており、第二の部材46は第一の部材44の前及び後壁50間に収容される。第一の部材44の上壁48に形成されている貫通孔52及び第二の部材46の上壁54に形成されている貫通孔58には、丸ロッド部材22が挿通せしめられる。丸ロッド部材22は、更に、ワッシャ61及び圧縮コイルばね62にも挿通せしめられる。ワッシャ61はゲージ装着手段42の第二の部材46における上壁54の下方に位置する。圧縮コイルばね62は先端部材24の上端に形成されているフランジ64とワッシャ61との間で圧縮され、ワッシャ61を介してゲージ装着手段42の第二の部材46及び第一の部材44を上方に弾性的に偏倚して丸ロッド部材20の下端部に装着されているナット部材36に押圧する。圧縮コイルばね62の弾性偏倚力は上記圧縮コイルばね32の弾性偏倚力よりも充分小さい。
【0016】
ゲージ装着手段42の第二の部材46には摩擦型歪ゲージ64が着脱自在に装着されている。図示の摩擦型歪ゲージ64は全体として長方形状の薄板形態であり、その両側面には係止溝66が形成されている。かような摩擦型歪ゲージ64は、その係止溝66をゲージ装着手段42における第二の部材46の両側壁56の内面に形成されている突条60に係合せしることによって、第二の部材46に着脱自在に装着される。摩擦型歪ゲージ64自体は周知の形態のでよく、株式会社東京測器研究所から商品名「CBF−6」として販売されている摩擦型歪ゲージを好都合に使用することができる。図3を参照することによって明確に理解される如く、第二の部材46に装着された摩擦型歪ゲージ64は、押圧ロッド手段18の先端部材24の下方に位置せしめられている。押圧ロッド手段18と摩擦型歪ゲージ64との関係については、後に更に言及する。
【0017】
図1乃至3を参照して説明を続けると、歪測定装置には切り換え手段68も配設されている。図示の実施形態における切り替え手段68は、細長く延在する上壁70とこの上壁70の両側縁から垂下する両側壁72を有する部材から構成されている。両側壁72の前半部は比較的長く下方に垂下している。両側壁72の前端部には孔74が形成されている。かような切り替え手段68は、両側壁72間に上記補助ケース10を収容して、片側壁72に形成されている孔74、補助ケース10に形成されている孔16及び他側壁72に形成されている孔74を通して止めねじ76の軸を挿通し、止めねじ76の軸の突出先端部にワッシャ78を被嵌すると共にナット80を螺着することによって、補助ケース10に旋回自在に装着され、かくして押圧ロッド手段18に接続される。切り替え手段68は図1乃至図3に実線で示す非作用位置と図1に二点鎖線で示す作用位置とに選択的に位置せしめられる。切り替え手段68が非作用位置に位置せしめられている時には、両側壁72の直線縁82が支持ケース2の上面に当接し、かかる状態においては押圧ロッド手段18の先端部材24の先端即ち下端は摩擦型歪ゲージ64の上面よりも若干上方に位置する。切り替え手段68が作用位置に切り替えられると、両側壁72の直線縁84が支持ケース2の上面に当接するようになり、押圧ロッド手段18が幾分下降され、押圧ロッド手段18の先端部材24の先端即ち下端が摩擦型歪ゲージ64の上面に当接され、圧縮コイルばね32が押圧ロッド手段18を介して摩擦型歪ゲージ64を下方に弾性的に偏倚する。
【0018】
本発明に従って構成された歪測定装置には、更に、上記支持ケース2から延出する一対の保持手段86が付設されており(図2には一対の保持手段86の片方のみを図示している)、かかる保持手段86の各々には上記押圧ロッド手段18に接近及び離隔する方向に移動自在に磁石88が装着されていることが重要である。図示の実施形態においては、保持手段86の各々は、押圧ロッド手段18の延在方向、即ち図1乃至図3において上下方向に延びる基部90とこの基部90に続いて押圧ロッド手段18から離隔する方向に傾斜して下方に延出する傾斜延出部92とを有する板ばねから構成されている。保持手段86の基部90は、凹所4の両側に位置する壁部と締結片93との間に挟持し止めねじ94とナット(図示していない)によって締結することによって、支持ケース2に固定される。永久磁石でよい磁石88は保持手段86の傾斜延出部92の下面側に止めねじ96とナット98とによって締結することによって固定される。磁石88の下面には止めねじ96の頭部を収容する凹部が形成されている。
【0019】
上述したとおりの歪測定装置に使用様式を説明すると次のとおりである。図3に二点鎖線100で示すパイプ部材の表面の歪を測定する場合には、一対の保持手段86の各々に装着されている磁石88をパイプ部材100の表面に吸着せしめ、摩擦型歪ゲージ64をパイプ部材100の表面に接触乃至近接せしめる。この際には、図3に二点鎖線で示す如く、パイプ部材100の外径に応じて板ばねから形成されている保持手段86を適宜に撓ませて磁石88を適宜に移動、即ち押圧ロッド手段18から離隔乃至近接する方向に適宜の移動せしめて、パイプ部材100の表面における磁石88の吸着位置を適宜に調整して、パイプ部材100に対する摩擦型歪ゲージ64の位置を適宜に調整することができる。しかる後に、切り換え手段68を手動操作して図1乃至図3に実線で示す非作用位置から図1に二点鎖線で示す作用位置に旋回せしめる。かくすると、図3に二点鎖線で示す如く、押圧ロッド手段18が幾分下降せしめられて、先端部材24の先端即ち下端が摩擦型歪ゲージ64の上面に押圧され、圧縮コイルばね32の弾性偏倚力が押圧ロッド手段18を介して摩擦型歪ゲージ64に加えられ、摩擦型歪ゲージ64がパイプ部材100の表面に所要圧力で押圧される。かくして、パイプ部材100の表面に存在する歪に応じた電流が摩擦型歪ゲージ64に生成され、かかる電流が適宜の配線102を介して測定器(図示していない)に送給される。
【0020】
図4及び図5には保持手段の変形例が図示されている。一対の保持手段200の各々は、調整部材202と旋回部材204とを含んでいる。調整部材202は図4及び図5において上下方向(従って、押圧ロッド手段18の延在方向)に延びる基部206と、図5において左右方向に間隔をおいて基部206から延出する一対の支持部208とを有する。基部206には上下方向に延びる一対の細長い開口210が形成されており、かかる開口210を通して締結ボルト212を支持ケース2に締結することによって支持ケース2に固定されている。開口210が上下方向に延びる細長い形態である故に、調整部材202は上下方向、即ち押圧ロッド手段18の延在方向位置を適宜に調整することができる。一対の支持部208には、図4において紙面に垂直な方向、図5に置いては左右方向(従って押圧ロッド手段18の延在方向に対して直角な方向)、に延びる貫通孔が形成されている。旋回部材204は一対の支持部208間に収容される装着部216と平板形状の保持部218とを有する。装着部216には調整部材202の支持部208に形成されている上記貫通孔に整合して延在する貫通孔が形成されており、これらの貫通孔を通して延在する連結ピン222を固定することによって、旋回部材204がピン222を旋回軸として旋回自在に調整部材202に装着されている。旋回部材204の保持部218には、ボルトとナットによる締結或いは接着材による接合等の適宜の様式によって磁石88が固定されている。かような保持手段200においては、旋回部材204の旋回によって、そして又必要に応じて調整部材202の上下方向位置を調整することによって、表面の歪を測定すべきパイプ部材の外径の変動に拘らず、歪を測定すべきパイプ部材の表面に摩擦型歪ゲージ64が所要とおりに位置せしめることができる。
【0021】
図6は保持手段の他の変形例を図示している。一対の保持手段300の各々は、板ばねから形成された撓み部材302と撓み部材302に旋回自在に装着された旋回部材304から構成されている。更に詳述すると、板ばねから構成された撓み部材302は、上下方向に延在する基部306、この基部306に対して実質上垂直に外方に延出する延出部308及び延出部308の前縁及び後縁から下方に垂下する一対の垂下部310を有する。撓み部材302の基部306は、ボルト及びナット(図示していない)による締結或いは接着剤による接合等の適宜の様式によって、支持ケース2における凹所4の両側に位置する壁部材の外面に固定される。旋回部材304は、連結ピン312を介して撓み部材302の一対の垂下部310間に旋回自在に連結された連結部314とこの連結部314に対して実質上垂直に連結部314の先端縁から延出する平板形状の延出部316を有する。連結ピン312は図6において紙面に垂直な方向、従って押圧ロッド手段18に対して直角な方向に延在しており、旋回部材304は押圧ロッド手段18に対して直角な方向に延在する旋回軸線を中心として旋回自在である。延出部316の下面側には、ボルト及びナットによる締結或いは接着剤による接合等の適宜の様式によって、磁石88が固定されている。かような保持手段300においては、表面の歪を測定すべきパイプ部材の外径に応じて、板ばねから構成された撓み部材302が適宜に撓み、そしてまた旋回部材304が適宜に旋回し、かくして歪を測定すべきパイプ部材の表面に摩擦型歪ゲージ64が所要とおりに位置せしめられる。
【0022】
図7は保持手段の更に他の変形例を図示している。一対の保持手段400の各々は、固定部材402、連結部材404及び旋回部材406を含んでいる。固定部材402は、ボルトとナット(図示していない)による締結等の適宜の様式支持ケース2のおける凹所4の両側位置する壁部に固定されている基部408とこの基部408から突出する連結部410とを有する。連結部410に形成されている孔と連結部材404の片端部に形成されている孔を通して延在する連結ピン412によって、連結部材404の片端部が固定部材402の連結部に旋回自在に連結されている。図6に図示する旋回部材304と同様な形態でよい旋回部材406は連結部414と平板形状の延出部416とを有する。連結部414に形成されている孔と連結部材404の他端部に形成されている孔を通して延在する連結ピン418によって、連結部材404の他端部に保持部材406が旋回自在に連結されている。旋回部材406の延出部416の下面には、ボルト及びナットによる締結或いは接着剤による接合等の適宜の様式によって、磁石88が固定されている。かような保持手段400においては、図7において紙面に垂直な方向に延びる(従って、押圧ロッド手段18の延在方向に対して直角な方向に延びる)連結ピン418を中心軸とした旋回部材406の旋回、そしてまた図7において紙面に垂直な方向に延びる連結ピン412を中心軸線とした連結部材404の旋回によって、表面の歪を測定すべきパイプ部材の外径の変動に拘らず、歪を測定すべきパイプ部材の表面に摩擦型歪ゲージ64が所要とおりに位置せしめることができる。
【符号の説明】
【0023】
2:支持ケース
18:押圧ロッド手段
32:圧縮コイルばね(弾性偏倚手段)
42:ゲージ装着手段
64:摩擦型歪ゲージ
68:切り替え手段
86:保持手段(板ばね)
88:磁石
100:パイプ部材
200:保持手段
202:調整部材
204:旋回部材
300:保持手段
302:撓み部材(板ばね)
304:旋回部材
400:保持手段
402:固定部材
404:連結部材
406:旋回部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持ケースと、該支持ケースに摺動自在に装着された押圧ロッド手段と、該押圧ロッド手段に摺動自在に組み合わされたゲージ装着手段と、該ゲージ装着手段に装着された摩擦型歪ゲージと、該支持ケースと該押圧ロッド手段との間に介在された弾性偏倚手段と、該押圧ロッド手段に接続され、該押圧ロッド手段が該摩擦型歪ゲージに作用しない非作用位置と該弾性偏倚手段の弾性偏倚力が該押圧ロッド手段を介して該摩擦型歪ゲージに加えられる作用位置とに選択的に該押圧ロッド手段を位置付けるための切り替え手段とを具備する歪測定装置において、
該支持ケースには該支持ケースから延出する一対の保持手段が付設されており、該保持手段の各々は該押圧ロッド手段に接近及び離隔する方向に移動自在に磁石を保持している、ことを特徴とする歪測定装置。
【請求項2】
該保持手段の各々は板ばねを含んでいる、請求項1記載の歪測定装置。
【請求項3】
該板ばねは該押圧ロッド手段の延在方向に延びる基部と該基部に続いて該押圧ロッド手段から離隔する方向に傾斜して延出する傾斜延出部とを有し、該基部が該支持ケースに固定され、該傾斜延出部に該磁石が固定されている、請求項2記載の歪測定装置。
【請求項4】
該保持手段の各々は該押圧ロッド手段の延在方向に対して直角な方向に延びる旋回軸線を中心として旋回自在に装着された旋回部材を含んでいる、請求項1記載の歪測定装置。
【請求項5】
該保持手段の各々は該支持ケースに対して該押圧ロッド手段の延在方向に位置調整自在に装着された調整部材を含んでいる、請求項1記載の歪測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−103153(P2012−103153A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252661(P2010−252661)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000003182)株式会社トクヤマ (839)
【Fターム(参考)】