説明

歯ブラシ殺菌装置

【課題】歯ブラシ保持部を扉の開閉動作と連動させることにより、使い勝手の良さ、及び衛生面の向上を図ることができる歯ブラシ殺菌装置を提供すること。
【解決手段】扉12の蓋板12aの内側端部に連結板20を固定し、連結板20の先端部に設けられた突起21が、歯ブラシ保持トレイ30の裏側に形成された第1ガイド溝34、第2ガイド溝37、及び第3ガイド溝38に従って、ガイド溝内を案内されるようにする。これにより、扉12と歯ブラシ保持トレイ30を連結させることによって、歯ブラシ保持トレイ30を、扉12の開動作と連動させて収容部から開口部側へ可動させるとともに、扉12の閉動作と連動させて開口部側から収容部へ可動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシの植毛部に付着した細菌類を除去することのできる歯ブラシ殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者が口腔洗浄のために使用する歯ブラシを清潔な状態で管理するために、歯ブラシの植毛部に付着した細菌類を除去することのできる歯ブラシ殺菌装置が数多く提案されている。
【0003】
このような歯ブラシ殺菌装置には、例えば、歯ブラシを収納する箱状本体の中に紫外線を照射する殺菌手段としての殺菌灯を設置し、歯ブラシの植毛部に紫外線を照射して殺菌する歯ブラシ殺菌装置がある(特許文献1)。また、特許文献1の歯ブラシ殺菌装置では、箱状本体の一側部側に、扉が回動可能に組み付けられているとともに、歯ブラシを保持する差し込み穴が形成された歯ブラシ保持部(歯ブラシ支持台)が箱状本体に収納されるようになっている。また、箱状本体の内部側壁には、箱状本体の前後方向に向けて延びる一対のレールが形成されている。そして、特許文献1の歯ブラシ殺菌装置では、扉を開動させて箱状本体を開口状態にすると、扉の開動作とは別に、手動で歯ブラシ保持部をレールに沿って箱状本体内から外部に向けて取り外すことができるようになっている。
【特許文献1】特開2000−325442
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の歯ブラシ殺菌装置では、扉を開動作したからといって、それに伴って歯ブラシ保持部も開口側に引き出されるわけではない。したがって、扉の開動作とは別に歯ブラシ保持部を開口側に引き出さなければならず、その作業は二度手間であり、使い勝手が悪くて煩雑であった。また、扉の開動作とは別に歯ブラシ保持部を手動で開口側に引き出さなければならないため、殺菌処理後の歯ブラシの植毛部に誤って使用者の手が触れてしまう虞もあり、せっかく殺菌処理したにもかかわらず、再度、菌が付着してしまう虞があった。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、歯ブラシ保持部を扉の開閉動作と連動させることにより、使い勝手の良さ、及び衛生面の向上を図ることができる歯ブラシ殺菌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、筐体に対して設けられた開口部を開閉するための扉が取り付けられた歯ブラシ殺菌装置において、歯ブラシを殺菌する殺菌手段と、前記歯ブラシを保持する歯ブラシ保持部と、を備え、前記殺菌手段及び前記歯ブラシ保持部は、前記筐体内部に収容されるようになっており、前記歯ブラシ保持部は、前記扉の開動作と連動して前記筐体内部から前記開口部側へ可動し、前記扉の閉動作と連動して前記開口部側から前記筐体内部に可動するように構成されていることを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の歯ブラシ殺菌装置において、前記扉は、前記筐体に対して所定の位置を支点として取り付けられており、該支点を中心として開閉動作することを要旨とする。
【0008】
請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、歯ブラシ保持部が扉の動作と連動して可動するように構成されているので、扉の開動作とは別に歯ブラシ保持部を可動させる手間を省くことができ、歯ブラシ保持部を扉の開閉動作と連動させることにより、使い勝手の良さ、及び衛生面の向上を図ることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の歯ブラシ殺菌装置において、前記歯ブラシ保持部は、前記扉に対して連結手段によって連結されることで、前記扉の開閉動作に連動することを要旨とする。
【0010】
これによれば、連結手段によって扉と歯ブラシ保持部を連結させるだけで、扉の動きに連動させて歯ブラシ保持部を可動させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の歯ブラシ殺菌装置において、前記連結手段は、前記歯ブラシ保持部の裏面側で前記歯ブラシ保持部と前記扉を連結することを要旨とする。
【0011】
これによれば、連結手段が歯ブラシ保持部の裏面に位置することになるので、連結手段が殺菌手段の殺菌雰囲気下に直接晒されることなく、連結手段へダメージを与え難くすることができるとともに、汚れ難く、連結手段の清掃を簡単に行うことができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の歯ブラシ殺菌装置において、前記連結手段には、前記歯ブラシ保持部を裏面側から支えるための支持部が形成されていることを要旨とする。
【0013】
これによれば、支持部が、歯ブラシ保持部を裏面側から支えることにより、歯ブラシ保持部がガタつくことを抑制し、安定して歯ブラシ保持部を支えることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5のうちいずれか一項に記載の歯ブラシ殺菌装置において、前記扉の開動作が行われた場合に、前記支点を中心とする前記扉の開口角度を略直角となる位置に規制する規制手段を備えていることを要旨とする。
【0014】
これによれば、扉が、支点を中心とする開口角度が略直角となる位置で停止することで、扉の開放時における占有面積を減らすことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項3〜請求項6のうちいずれか一項に記載の歯ブラシ殺菌装置において、前記連結手段による前記扉と前記歯ブラシ保持部との連結を解除する連結解除手段を備え、前記連結解除手段によって前記扉と前記歯ブラシ保持部との連結が解除され、前記扉は、前記歯ブラシ保持部との連結が解除されると、前記支点を中心として前記扉の開口角度が鈍角となる位置まで開放可能に構成されていることを要旨とする。
【0015】
これによれば、連結解除手段によって扉と歯ブラシ保持部との連結が解除され、扉が大きく開くことによって、たとえ扉の開口方向が利き手と同じ方向であっても、使用者の手が入り込めるスペースが新たに作り出されるので、利き手による使い難さを改善することができ、より使い勝手の良さや衛生面の向上を図ることができる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の歯ブラシ殺菌装置において、前記扉を、前記支点を中心とする前記扉の開口角度が鈍角となる位置まで開いた状態から閉動作を行う際、前記連結手段を前記歯ブラシ保持部における所定の連結位置まで誘導するガイド部が、前記歯ブラシ保持部の裏面の側部に形成されていることを要旨とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の歯ブラシ殺菌装置において、前記扉を、前記支点を中心とする前記扉の開口角度が鈍角となる位置まで開いた状態から閉動作を行う際、前記連結手段を前記歯ブラシ保持部における所定の連結位置まで誘導させるガイド部が、前記歯ブラシ保持部の裏面であって、前記筐体の開口部側に形成されていることを要旨とする。
【0018】
請求項8及び請求項9に記載の発明によれば、連結手段を歯ブラシ保持部における所定の連結位置まで誘導するガイド部を、歯ブラシ保持部の裏面側に形成したことにより、連結手段を歯ブラシ保持部から外した状態からでも、容易に連結手段と歯ブラシ保持部を連結させることができる。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の歯ブラシ殺菌装置において、前記歯ブラシ保持部は、前記筐体に対して着脱自在に取り付けられていることを要旨とする。
【0020】
これによれば、歯ブラシ保持部を、筐体に対して着脱自在に取り付けられていることにより、歯ブラシ保持部の清掃を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、歯ブラシ保持部を扉の開閉動作と連動させることにより、使い勝手の良さ、及び衛生面の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を歯ブラシの植毛部に付着した細菌類を殺菌する歯ブラシ殺菌装置に具体化した一実施形態を図1〜図9にしたがって説明する。なお、本実施形態では、歯ブラシ殺菌装置を洗面台などに設置した状態(使用状態)の上下方向を、図1では矢印Y1で示すとともに、左右方向を矢印Y2で示し、前後方向(奥行き方向)を矢印Y3で示す。
【0023】
図1、図2、図4に示すように、歯ブラシ殺菌装置1は、ブロック状の基台60の上方に、前面に開口部Kを有する有底四角箱状の筐体10と、電動歯ブラシを起立状態で保持するための電動歯ブラシホルダ50とが併設されている。
【0024】
筐体10は、正面視長方形の背板11の上短辺に上板11aを、両長辺にそれぞれ左側板11b、右側板11cを立設するとともに、上板11a、左側板11b、及び右側板11cによって囲み形成された開口部Kを一面に有している。なお、左側板11bの奥行き方向への長さは、右側板11cの奥行き方向への長さの略半分となっており、左側板11b及び右側板11cは、背板11に立設されているため、筐体10を開口部K側から見ると、奥行き方向への左側板11bと右側板11cの長さが異なって見える。
【0025】
また、左側板11bの外側の開口端部には、開口部Kと略同一面積の正面視長方形状の蓋板12aと、蓋板12aの端部に直角形成された正面視長方形状の側板12bとで構成された平面視略L字状の扉12が、支点Qを中心として回動し、開口部Kを開閉するように取り付けられている。なお、支点Qには、側板12bの端部が取り付けられており、開口部Kが、扉12によって閉塞される場合、奥行き方向において左側板11bと側板12bが略面一となって、略一直線状となるとともに、蓋板12aによって開口部Kが閉塞される。また、扉12を閉じた状態での蓋板12aの左右方向への長さは、背板11の左右方向への長さと略同じ長さとなっている一方で、扉12を閉じた状態での蓋板12aの上下方向への長さは、左側板11bの上下方向への長さと略同一となっている。一方、扉12を閉じた状態での左側板11bと側板12bとを合わせた奥行き方向への長さは、右側板11cの奥行き方向への長さと略同一となっている一方で、扉12を閉じた状態での側板12bの上下方向への長さは、左側板11bの上下方向への長さと略同一となっている。つまり、扉12の支点Qは、歯ブラシ殺菌装置1において、該装置の奥行き方向への長さの略半分となる位置に形成されていることになる。
【0026】
また、蓋板12aの内側上部には、扉12を閉める際に筐体10に係合される正面視略L字状に形成された係合片13が形成されている一方で、筐体10の右側板11cにおいて係合片13と対向する位置には、係合片13が係合される係合溝14が形成されている。そして、係合片13と係合溝14との係合によって、扉12が筐体10にロックされ、開口部Kが開かないようになっている。
【0027】
また、上板11aの上面には、歯ブラシ殺菌装置1の電源ON、OFFを切り替える際に押圧操作される電源スイッチ15と、扉12のロック状態を解除する扉解除スイッチ16とが併設されている。
【0028】
筐体10の内部は収容部Sとなっており、該収容部Sの奥方には、歯ブラシHの植毛部HSに付着した細菌類を殺菌する殺菌手段としての円柱状のUVランプ17が配設されている。UVランプ17の外周は、使用者の指や歯ブラシHの植毛部HSが直接UVランプ17に接触することを防ぐため、複数個の孔が形成された第1カバー18によって囲まれており、さらにUVランプ17の下部は、略円筒状の第2カバー19によって囲まれている。
【0029】
また、左側板11b及び右側板11cの内側下部には、筐体10の奥行き方向に向かって延びる一定の溝幅を持ったレールRが形成されている。そして、筐体10の開口部K側に位置するレールRの端部には、緩やかな突部が、レールRの溝幅において下部に向かって突出するように形成されている(図1,図8,図9参照)。
【0030】
また、収容部Sにおいて、UVランプ17よりも前方には、レールRによって案内されることで奥行き方向への可動が許容されるとともに、電動歯ブラシの歯ブラシHを保持する歯ブラシ保持部としての歯ブラシ保持トレイ30が収容されるようになっている。歯ブラシ保持トレイ30は、平面視が略長方形状に形成されており、その外周縁部を囲うように壁32が立設されている。壁32の上下方向への長さは、レールRの溝幅よりもやや短くなるように形成されており、レールRの溝幅内に壁32が案内されるようになっている。そして、歯ブラシ保持トレイ30が、レールRに沿って筐体10の奥行き方向に可動できるようになっている。
【0031】
また、歯ブラシ保持トレイ30の両短辺に立設された壁32には、さらに、収容部Sの奥方に向かって一対の延設部32aが延設されている(図3、図9参照)。延設部32aは、レールRの開口部K側に形成された突部と係合するように、先端がゆるいカーブを描くように上方向に向かって折り曲げ形成されている。
【0032】
扉12を閉じた状態での歯ブラシ保持トレイ30の左右方向への長さは、収容部Sの左右方向への長さよりも短くなっているとともに、扉12を閉じた状態での歯ブラシ保持トレイ30の奥行き方向への長さは、収容部Sの奥行き方向への長さの略半分となっている。そして、収容部Sには、UVランプ17と歯ブラシ保持トレイ30の両方が収容されるようになっている。また、収容部Sの上下方向への長さは、歯ブラシHよりも少し長くなっている。
【0033】
歯ブラシ保持トレイ30の底板31の表面には、複数個(本実施形態では2個)の突片33が所定の間隔を空けて立設されている。なお、電動歯ブラシの歯ブラシH部分は、電動歯ブラシ本体に対して取り外しが可能となるように構成されており、歯ブラシHの内部には、電動歯ブラシ本体に取り付けるための取り付け孔(図示せず)が、歯ブラシHの基端部から歯ブラシHの植毛部HSに向かって形成されている。そして、歯ブラシ保持トレイ30の突片33は、歯ブラシHの取り付け孔に嵌挿されるような形状に成形されており、この突片33を歯ブラシHの取り付け孔に嵌挿させることで、歯ブラシHを起立状態で保持できるようになっている。また、本実施形態における2個の突片33は、歯ブラシHを起立状態で保持した状態で、歯ブラシH同士が接触しないような位置であるとともに、歯ブラシHの植毛部HSが、UVランプ17が配設されている方向を向くような角度となる位置に立設されている。
【0034】
また、電動歯ブラシホルダ50には、電動歯ブラシを起立状態で保持するとともに、電動歯ブラシを充電可能な電動歯ブラシ充電部51が凹設されている。電動歯ブラシ充電部51は、その直径が、電動歯ブラシの直径よりもやや長くなっており、電動歯ブラシ充電部51に電動歯ブラシが嵌挿されるようになっている。
【0035】
また、図5に示すように、筐体10及び電動歯ブラシホルダ50の下方に形成された基台60には、電動歯ブラシ充電部51やUVランプ17の照射強度を制御する下制御回路61が内蔵されている。さらに、収容部Sの上方には、上収容部62が形成されており、上収容部62には、収容部S内を乾燥させるファン63が収容されているとともに、ファン63の動作や電源スイッチ15の押圧操作を受けて歯ブラシ殺菌装置1の起動を制御する上制御回路64が内蔵されている。本実施形態では、下制御回路61にタイマ機能が搭載されており、所定時間が経過すると、UVランプ17の照射が自動的に停止されるようになっている。
【0036】
このように構成された歯ブラシ殺菌装置1では、歯ブラシ保持トレイ30が、扉12の開閉動作に連動して可動するようになっている。以下、歯ブラシ保持トレイ30が、扉12の開閉動作に連動して可動するための構成を図2,図3に従って説明する。なお、図3では、歯ブラシ殺菌装置1を洗面台などに設置した状態(使用状態)において、歯ブラシ保持トレイ30が収容部Sの奥行き方向に沿って可動する方向を、図1と同一の矢印Y3で示す。そして、矢印Y3で示す前方向を開口部K側とし、矢印Y3で示す後方向を収容部Sの奥側とする。
【0037】
扉12の蓋板12aの内側下部には、歯ブラシ保持トレイ30の裏面側に連結される連結手段としての連結板20が、蓋板12aに対して直角形成されている。連結板20は、平面視略L字状の撓み変形可能な板であって、連結板20の長手方向への長さは、後に詳述するが、歯ブラシ保持トレイ30の裏面側を可動することが可能な長さとなっている。連結板20の基端部は、扉12に固定されている一方で、連結板20の先端部には、上方向に向かって突出する円柱状の突起21が立設されているとともに、先端部において突起21が立設されている位置と対向する位置には、蓋板12aと略平行となるように形成された突出部20aが延設されている(図6、図7、図9参照)。
【0038】
また、図3に示すように、歯ブラシ保持トレイ30の裏面には、歯ブラシ保持トレイ30の奥側端部における長辺の略中央に開口し、奥側端部から開口部K側へ向かってその溝幅が徐々に幅狭となるように形成されたガイド溝34aが形成されている。さらに、歯ブラシ保持トレイ30の裏面には、ガイド溝34aと直交するように連設され、扉12が取り付けられている方向に位置する左短辺の略中央へ向かってその溝幅が略一定となるように形成されたガイド溝34bが形成されている。そして、ガイド溝34a及びガイド溝34bによって、平面視略L字状の第1ガイド溝34が構成されている。なお、ガイド溝34bの端部は、開口部K側に向かうに連れてその溝幅が幅広となるように形成されている。
【0039】
また、ガイド溝34aの溝幅は、連結板20の突起21の直径よりもはるかに長くなるように形成されている一方で、ガイド溝34bの溝幅は、突起21の直径よりもやや長くなるように形成されており、突起21は、第1ガイド溝34に沿って移動するようになっている。これにより、連結板20の突起21が第1ガイド溝34を案内されることで、扉12と歯ブラシ保持トレイ30とが連結されることになる。さらに、突起21は、ガイド溝34aを形成している壁面に引っ掛かりにくくなるとともに、ガイド溝34bでは、ある程度その動きが規制されて移動できるようになっている。
【0040】
また、ガイド溝34bの端部側であって、歯ブラシ保持トレイ30の左側部には、第1規制壁35を挟み、歯ブラシ保持トレイ30の左短辺の略中央に開口し、第1規制壁35が形成されている位置に向かってその溝幅が徐々に幅狭となるように形成された、平面視台形状のガイド部としての第2ガイド溝37が凹設されている。また、第2ガイド溝37の溝幅は、連結板20の突起21の直径よりもはるかに長くなるように形成されており、突起21は、第2ガイド溝37に沿って移動するようになっている。これにより、突起21は、第2ガイド溝37を形成している壁面に引っ掛かりにくくなる。
【0041】
また、ガイド溝34bの端部を形成している第1規制壁35の壁面35aは、その傾斜角度が急勾配となるように形成されている一方で、第2ガイド溝37の端部を形成している第1規制壁35の壁面35bは、その傾斜角度が壁面35aよりも緩やかになるように形成されている。これにより、突起21が、ガイド溝34b側から第1規制壁35が形成されている位置までガイド溝34bを案内されると、壁面35aに形成された急斜面によって、突起21の移動が規制されるようになっている。一方、突起21が、第2ガイド溝37側から第1規制壁35が形成されている位置まで第2ガイド溝37を案内されると、壁面35bに形成された緩斜面によって、第2ガイド溝37からガイド溝34bに案内され易くなっている。
【0042】
さらに、歯ブラシ保持トレイ30の開口部K側であって、ガイド溝34bよりも開口部K側には、第2規制壁36を挟み、歯ブラシ保持トレイ30の開口部K側の長辺の略中央に開口し、第2規制壁36が形成されている位置に向かってその溝幅が徐々に幅狭となるように形成された、平面視台形状のガイド部としての第3ガイド溝38が凹設されている。また、第3ガイド溝38の溝幅は、連結板20の突起21の直径よりもはるかに長くなるように形成されているとともに、第3ガイド溝38の面積は、第2ガイド溝37の面積よりも広くなるように形成されており、突起21は、第3ガイド溝38に沿って移動するようになっている。これにより、突起21は、第3ガイド溝38を形成している壁面に引っ掛かりにくくなる。
【0043】
また、ガイド溝34bを形成している第2規制壁36の壁面36aは、その傾斜角度が急勾配となるように形成されている一方で、第3ガイド溝38を形成している第2規制壁36の壁面36bは、その傾斜角度が壁面36aよりも緩やかになるように形成されている。これにより、突起21が、第3ガイド溝38側から第2規制壁36が形成されている位置まで第3ガイド溝38を案内されると、壁面36bに形成された緩斜面によって、第3ガイド溝38からガイド溝34bに案内され易くなっている。なお、第1規制壁35と第2規制壁36は略同じ高さとなっている。
【0044】
このように構成された歯ブラシ殺菌装置1では、蓋板12aに立設(直角形成)された連結板20により、扉12と歯ブラシ保持トレイ30を連結させることによって、扉12と歯ブラシ保持トレイ30との動きを連動させることができる。具体的には、歯ブラシ保持トレイ30を、扉12の開動作と連動させて収容部Sから開口部K側へ可動できるとともに、扉12の閉動作と連動させて開口部K側から収容部Sへ可動できる。そして、扉12と歯ブラシ保持トレイ30との連動は、突起21が、歯ブラシ保持トレイ30の裏面に形成された第1ガイド溝34、第2ガイド溝37、及び第3ガイド溝38に沿って移動することで起こるようになっている。
【0045】
次に、扉12の開動作と連動して歯ブラシ保持トレイ30が収容部Sから開口部K側に可動する流れを説明する。
前述のように構成された歯ブラシ殺菌装置1では、扉12が閉状態の場合、図5及び図6(a)に示すように、連結板20は、歯ブラシ保持トレイ30の下部に収容される。具体的には、連結板20の基端部と歯ブラシ保持トレイ30の開口部K側の端部が略面一となる位置に収容されるとともに、連結板20の先端部は、歯ブラシ保持トレイ30からはみ出し、第1ガイド溝34の奥側端部よりも奥側に収容される。
【0046】
そして、使用者が扉解除スイッチ16を押圧操作し、支点Qを中心として扉12を開くと、図6(b)に示すように、扉12の開動作と連動して、連結板20の突起21が、第1ガイド溝34のガイド溝34aに案内(誘導)され、ガイド溝34aに沿って歯ブラシ保持トレイ30の奥側から開口部K側へ向かって移動する。また、前述したように、第1ガイド溝34のガイド溝34bの溝幅は、連結板20の突起21の直径よりもやや長いため、ガイド溝34aの溝幅は、突起21の直径よりもはるかに長いことになる。このため、突起21は、ガイド溝34aの周囲に引っ掛かることなくスムーズに移動することになる。
【0047】
さらに、使用者が扉12の開動作を続けると、図6(c)に示すように、扉12の開動作と連動して、突起21は、ガイド溝34aからガイド溝34bに案内される。前述したように、ガイド溝34bの溝幅は、突起21の直径よりもやや長く形成されているので、ガイド溝34bでは、突起21の移動はある程度規制されることになる。そして、ガイド溝34aとガイド溝34bとのほぼ境目となる位置が支点Q1となり、歯ブラシ保持トレイ30が、扉12の開動作と連動し、支点Q1を中心としてレールRに沿って開口部K側に徐々に可動される。
【0048】
さらに、使用者が扉12の開動作を続けると、突起21はガイド溝34bに沿って歯ブラシ保持トレイ30の左側部側に向かって移動し、第1規制壁35が形成されている位置まで移動されると、図6(d),(e)に示すように、第1規制壁35によって突起21の移動が規制される。このとき、連結板20と歯ブラシ保持トレイ30は略平行となっている。そして、扉12は、支点Qを中心とする開放角度が略90°(直角)となる位置で停止しているとともに、歯ブラシ保持トレイ30は、最も開口部K側に引き出された状態となる位置で停止している。
【0049】
このような構成により、本実施形態の歯ブラシ殺菌装置1では、歯ブラシ保持トレイ30を扉12の開動作とは別に開口部K側に引き出す必要がなく、扉12の開動作と連動して開口部K側に可動させることができる。
【0050】
また、図6(d)に示すように、歯ブラシ保持トレイ30が収容部Sから開口部K側に引き出された状態では、連結板20の突出部20aが、歯ブラシ保持トレイ30の裏面の一部に当接しており、突出部20aが歯ブラシ保持トレイ30を裏面側から支えている。
【0051】
本実施形態では、突起21と第1規制壁35が規制手段となる。また、突出部20aが、歯ブラシ保持トレイ30を裏面側から支える支持部となる。
さらに、使用者が図6(d)の状態から扉12の開動作を行うと、撓み変形可能な連結板20は、突起21が第1規制壁35の壁面35aを上るように案内されることで第1規制壁35を乗り越え、第2ガイド溝37へ案内される。そして扉12は、第2ガイド溝37の端部が開口されていることで突起21が第2ガイド溝37から外れることにより、歯ブラシ保持トレイ30との連結が解除される。これにより、扉12は、回動方向への規制がなくなり、支点Qを中心する開口角度を90°よりも広く(鈍角)開くことができ、最大で180°となる位置まで開くことが可能となる。本実施形態では、第1規制壁35の壁面35aが連結解除手段となる。
【0052】
次に、図7(a)の状態から連結板20と歯ブラシ保持トレイ30との連結を復帰させる流れを説明する。最初に、歯ブラシ保持トレイ30の裏面側部から連結板20を挿入し、扉12と歯ブラシ保持トレイ30との連結を復帰させる例を説明する。
【0053】
図7(a)の状態(扉12の開口角度が180°となっている状態)から使用者が扉12を閉動作させると、連結板20の突起21が、図7(b)に示すように第2ガイド溝37に進入する。そして、使用者が扉12の閉動作を行うと、連結板20は、第2ガイド溝37に進入した突起21が第1規制壁35の壁面35bを上るように案内されることで第1規制壁35を乗り越え、第1ガイド溝34へ案内される(所定の連結位置まで誘導される)。このとき、突起21は、図7(c)に示すように、第1規制壁35の壁面35bが緩やかな勾配で形成されていることから、スムーズに第1規制壁35を乗り越える。そして、突起21が第2ガイド溝37から第1ガイド溝34へ移動したことにより、扉12と歯ブラシ保持トレイ30は、連結板20によって連結される。
【0054】
その後、使用者が扉12の閉動作をさらに行うと、連結板20は、突起21がガイド溝34bからガイド溝34aに案内されることで、図6(b)〜(d)を用いて先に説明した扉12の開動作時と逆の動作、すなわち、図6(d)→図6(c)→図6(b)の順に動作する。この動作により、連結板20を介して扉12と連結された歯ブラシ保持トレイ30は、レールRに案内されながら扉12の閉動作に連動して収容部S側に移動し、図7(f)に示す収容位置に収容される。歯ブラシ保持トレイ30が、図7(f)に示す収容位置に収容された状態において扉12は、筐体10の開口部Kを閉塞している。
【0055】
このような構成により、本実施形態の歯ブラシ殺菌装置1では、歯ブラシ保持トレイ30を扉12の閉動作とは別に閉める必要がなく、扉12の閉動作と連動して奥側に可動させ、収容することができる。そして、第2ガイド溝37によって、連結板20を歯ブラシ保持トレイ30における所定の連結位置までスムーズに案内することができる。
【0056】
次に、歯ブラシ保持トレイ30の裏面の開口部K側から連結板20を挿入し、扉12と歯ブラシ保持トレイ30との連結を復帰させる例を説明する。
この例では、扉12と歯ブラシ保持トレイ30が連結板20によって連結されておらず、歯ブラシ保持トレイ30のみが図7(d)に示すような収容位置に収容されている場合に、歯ブラシ保持トレイ30の裏面の開口部K側から連結板20を挿入し、扉12と歯ブラシ保持トレイ30との連結を復帰させることができるようになっている。同様に、図7(a)の状態から扉12を閉動作させたが、突起21が第2ガイド溝37に進入し得ない位置まで歯ブラシ保持トレイ30が収容部S側に移動している場合にも、扉12と歯ブラシ保持トレイ30との連結を復帰させることができるようになっている。
【0057】
図7(d)の状態(歯ブラシ保持トレイ30のみが収容部Sに完全に収容されている状態)から使用者が扉12を閉動作させると、連結板20の突起21が、第3ガイド溝38に進入する。そして、使用者が扉12の閉動作を行うと、連結板20は、第3ガイド溝38に進入した突起21が第2規制壁36の壁面36bを上るように案内されることで第2規制壁36を乗り越え、第1ガイド溝34へ案内される(所定の連結位置まで誘導される)。このとき、突起21は、図7(e)に示すように、第2規制壁36の壁面36bが緩やかな勾配で形成されていることから、スムーズに第2規制壁36を乗り越える。そして、突起21が第3ガイド溝38から第1ガイド溝34へ移動したことにより、扉12と歯ブラシ保持トレイ30は、連結板20によって連結される。
【0058】
その後、使用者が扉12の閉動作をさらに行うと、連結板20は、突起21がガイド溝34bからガイド溝34aに案内されることで、図6(b),(c)を用いて先に説明した扉12の開動作時と逆の動作、すなわち、図6(c)→図6(b)の順に動作する。この動作により、連結板20を介して扉12と連結された歯ブラシ保持トレイ30は、レールRに案内されながら扉12の閉動作に連動して収容部S側に移動し、図7(f)に示す収容位置に収容される。歯ブラシ保持トレイ30が、図7(f)に示す収容位置に収容された状態において扉12は、筐体10の開口部Kを閉塞している。
【0059】
このような構成により、本実施形態の歯ブラシ殺菌装置1では、歯ブラシ保持トレイ30を扉12の閉動作とは別に閉める必要がなく、扉12の閉動作と連動して奥側に可動させ、収容することができる。そして、第3ガイド溝38によって、連結板20を歯ブラシ保持トレイ30における所定の連結位置までスムーズに案内することができる。
【0060】
次に、歯ブラシ保持トレイ30を筐体10の外側に取り外す流れについて説明する。
使用者は、扉12の開動作に連動して歯ブラシ保持トレイ30が収容部Sから引き出された状態で、図8(a)に示すように、歯ブラシ保持トレイ30の開口部K側を摘まみ、レールRに形成された突起を支点として歯ブラシ保持トレイ30を上方向に持ち上げる。これにより、図8(b)に示すように、歯ブラシ保持トレイ30の延設部32aに形成されたカーブと、レールRに形成された突起とがかみ合って歯ブラシ保持トレイ30が外れ易くなり、その状態でさらに歯ブラシ保持トレイ30を開口部K側にひっぱると、図9に示すように、歯ブラシ保持トレイ30を取り外すことができる。
【0061】
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)歯ブラシ保持トレイ30が扉12の動作と連動して可動するように構成されているので、扉12の開閉動作とは別に歯ブラシ保持トレイ30を可動させる手間を省くことができ、歯ブラシ保持トレイ30を扉12の開閉動作と連動させることにより、使い勝手の良さ、及び衛生面の向上を図ることができる。
【0062】
(2)また、扉12の開動作と連動して歯ブラシ保持トレイ30が開口部K側に引き出されるので、歯ブラシ保持トレイ30に保持された歯ブラシHが、歯ブラシ殺菌装置1の壁に当たりにくくなる。また、歯ブラシHを取り出す際に、使用者の手が歯ブラシHの植毛部HSに触れる機会も減り、衛生面の向上を図ることができる。また、扉12の開動作と連動して歯ブラシ保持トレイ30が開口部K側に引き出されるので、UVランプ17に歯ブラシHや使用者の指が触れる機会を少なくすることもできる。
【0063】
(3)歯ブラシ保持トレイ30を扉12の開閉動作に連動させるために連結板20で両者を連結した。このため、歯ブラシ保持トレイ30と扉12を簡単な構成で連結し、かつ連動させることができる。
【0064】
(4)連結板20を、歯ブラシ保持トレイ30の裏面側で連結することにより、連結板20に対してUVランプ17によるダメージを与え難くすることができる。また、連結板20が、歯ブラシ保持トレイ30の裏面側で連結されることによって、例えば歯ブラシHから水が垂れても連結板20に直接かかることがなくなるので、汚れ難くなり、連結板20自体の清掃を簡単に行うことができる。
【0065】
(5)連結板20の突出部20aが、歯ブラシ保持トレイ30を裏面側から支えることにより、歯ブラシ保持トレイ30がガタつくことを抑制し、安定して支えることができる。
【0066】
(6)扉12が、支点Qを中心とする開口角度が略直角となる位置で停止することで、歯ブラシ殺菌装置1の使用時における占有面積を減らすことができる。
(7)歯ブラシ保持トレイ30の短辺の側部に位置する第2ガイド溝37の端部を開口状態とし、歯ブラシ保持トレイ30から連結板20が外れやすくし、扉12と歯ブラシ保持トレイ30との連結を解除することができるようにした。これにより、扉12の回動方向に規制がなくなり、利き手による使い難さを改善することができ、たとえ扉12の開口方向が利き手と同じ方向であっても、使用者の手が入り込めるスペースが新たに作り出されるので、利き手による使い難さを改善することができ、より使い勝手の良さや衛生面の向上を図ることができる。
【0067】
(8)連結板20を歯ブラシ保持トレイ30における所定の連結位置まで誘導する第2ガイド溝37を、歯ブラシ保持トレイ30の裏面側部に形成したことにより、連結板20を歯ブラシ保持トレイ30から外した状態からでも、容易に連結板20と歯ブラシ保持トレイ30を連結させることができる。
【0068】
(9)連結板20を歯ブラシ保持トレイ30における所定の連結位置まで誘導する第3ガイド溝38を、歯ブラシ保持トレイ30の開口部K側に形成した。このことにより、連結板20を歯ブラシ保持トレイ30から外した状態であって、突起21が第2ガイド溝37に進入し得ない位置まで歯ブラシ保持トレイ30が収容部S側に移動している場合にも、開口部K側から奥側に向けて扉12を閉める方向に力を加えるだけで、容易に連結板20と歯ブラシ保持トレイ30を連結させることができる。
【0069】
(10)第1ガイド溝34には傾斜状(急斜面)の壁面35aを連設し、第2ガイド溝37には傾斜状(緩斜面)の壁面35bを連設した。これにより、扉12を開動作させる場合には第1ガイド溝34を案内される連結板20の突起21が壁面35aに係止することで扉12の開放角度を略90°に保持する。そして、壁面35aを傾斜状としたことで、壁面35aと突起21の係止状態を解除させるほどの力を加えることにより、扉12の開放角度を広げることもできる。また、扉12を大きく開放させた状態(略90°以上の状態)から扉12を閉動作させる場合には、第2ガイド溝37を案内される連結板20の突起21が傾斜状の壁面35bに案内される。これにより、連結板20と歯ブラシ保持トレイ30との連結をスムーズに復帰させることができ、扉12を閉動作させることができる。
【0070】
(11)また、第3ガイド溝38には、傾斜状(緩斜面)の壁面36bを連設した。これにより、連結板20と歯ブラシ保持トレイ30との連結をスムーズに復帰させることができる。
【0071】
(12)歯ブラシ保持トレイ30を、筐体10の外側に取り外し可能な構成とすることにより、歯ブラシ保持トレイ30の清掃を容易に行うことができる。
(13)扉12の支点Qを、左側板11bであって、歯ブラシ殺菌装置1の奥行き方向への長さの略半分となる位置に設けることによって、扉12の開放時における扉12自体の奥行き方向への占有幅を減らすことができ、歯ブラシ殺菌装置1が設置される機会の多い洗面台での使い勝手を向上させることができる。
【0072】
(14)歯ブラシ保持トレイ30が扉12の開動作と連動して開口部K側に引き出されるので、収容部Sにおける上方向へのスペースが必要なくなり、歯ブラシ殺菌装置1を小型化することができる。
【0073】
(15)第1ガイド溝のガイド溝34a、第2ガイド溝37、第3ガイド溝38の溝幅を、突起21の直径よりもはるかに長くした。このことにより、突起21が、ガイド溝の周囲に引っ掛かることなくスムーズに移動することができる。
【0074】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、歯ブラシ保持トレイ30が保持できる歯ブラシHの本数は、2本に限られず、1本でも良いし、3本以上であっても良い。
【0075】
○ 実施形態において、UVランプ17は扉12の開動作が行われると照射が停止され、扉12が閉められているときにUVを照射するものであっても良い。
○ 本実施形態では、歯ブラシ殺菌装置1は、電動歯ブラシの充電を行うことができる電動歯ブラシホルダ50を備えていたが、歯ブラシHの殺菌のみを行うものとし、電動歯ブラシホルダ50を省略しても良い。この場合、歯ブラシ殺菌装置1を小型化することができる。
【0076】
○ 実施形態において、図10(a)に示すように、左側板11bを右側板11cと略同じ面積となるようにして、扉12の支点を左側板11bの開口部K側の端部に設けても良い。この場合、扉12自体が占有する面積が歯ブラシ殺菌装置1と重複する部分が多くなるので、歯ブラシ殺菌装置1の横幅を短くすることができる。また、図10(b)に示すように、扉12の支点を左側板11bの最も奥方に設けても良い。この場合、扉12自体が占有する奥行き方向への面積が歯ブラシ殺菌装置1と重複する部分が多くなるので、歯ブラシ殺菌装置1の奥行き方向への長さを短くすることができる。
【0077】
○ 実施形態において、第2ガイド溝37、第3ガイド溝38のうちいずれか一方を省略しても良い。
○ 実施形態において、第1規制壁35を弾性部材で構成して、その基端部を、ガイド溝を構成する壁に固定し、突起21がガイド溝34b側から案内されると、第1規制壁35の先端部が第2ガイド溝37側に弾性変形することで、突起21が第2ガイド溝37に案内されるようにしても良い。同様に、突起21が第2ガイド溝37側から案内されると、第1規制壁35の先端部がガイド溝34b側に弾性変形することで、突起21がガイド溝34bに案内されるようにしても良い。
【0078】
○ 実施形態において、連結板20の突出部20aを省略しても良い。
○ 実施形態において、連結板20は扉12に固定されているものに限られず、連結板20自体も取り外し可能としても良い。
【0079】
○ 実施形態において、連結手段は連結板20に限られず、扉12と歯ブラシ保持トレイ30を連結できるものであれば、バネを利用したものであっても良い。
○ 実施形態において、扉12は上下方向に開閉動作するものであっても良い。
【0080】
○ 実施形態において、歯ブラシ殺菌装置1は、電動歯ブラシの歯ブラシH部分を殺菌するものに限られず、手動式の歯ブラシの殺菌に用いるものでも良い。
○ 実施形態において、殺菌手段として、青色LED、オゾン発生装置、イオン発生装置、温風発生装置等を使用しても良い。
【0081】
○ 実施形態において、歯ブラシ保持トレイ30を、差込穴が形成されたものとし、差込穴に歯ブラシを差し込んで保持するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】歯ブラシ殺菌装置の斜視図。
【図2】歯ブラシ殺菌装置を裏から見た斜視図。
【図3】歯ブラシ保持トレイの裏側を示す平面図。
【図4】歯ブラシ殺菌装置の正面図。
【図5】図4のA−A線断面図。
【図6】(a)〜(e)は、扉を開動作した時の動きを示す模式図。
【図7】(a)〜(f)は、扉を閉動作した時の動きを示す模式図。
【図8】(a),(b)は、歯ブラシ保持トレイを取り出す様子を示す模式図。
【図9】歯ブラシ保持トレイを取り出す様子を示す模式図。
【図10】(a),(b)は、変更例において、扉の取り付け位置が異なる歯ブラシ殺菌装置の平面図。
【符号の説明】
【0083】
K…開口部、S…収容部、1…歯ブラシ殺菌装置、10…筐体、11…背板、11b…左側板、12…扉、17…UVランプ、20…連結板、20a…突出部、21…突起、30…歯ブラシ保持トレイ、34…第1ガイド溝、35…第1規制壁、36…第2規制壁、37…第2ガイド溝、38…第3ガイド溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に対して設けられた開口部を開閉するための扉が取り付けられた歯ブラシ殺菌装置において、
歯ブラシを殺菌する殺菌手段と、
前記歯ブラシを保持する歯ブラシ保持部と、を備え、
前記殺菌手段及び前記歯ブラシ保持部は、前記筐体内部に収容されるようになっており、
前記歯ブラシ保持部は、前記扉の開動作と連動して前記筐体内部から前記開口部側へ可動し、前記扉の閉動作と連動して前記開口部側から前記筐体内部に可動するように構成されていることを特徴とする歯ブラシ殺菌装置。
【請求項2】
前記扉は、前記筐体に対して所定の位置を支点として取り付けられており、該支点を中心として開閉動作することを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ殺菌装置。
【請求項3】
前記歯ブラシ保持部は、前記扉に対して連結手段によって連結されることで、前記扉の開閉動作に連動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歯ブラシ殺菌装置。
【請求項4】
前記連結手段は、前記歯ブラシ保持部の裏面側で前記歯ブラシ保持部と前記扉を連結することを特徴とする請求項3に記載の歯ブラシ殺菌装置。
【請求項5】
前記連結手段には、前記歯ブラシ保持部を裏面側から支えるための支持部が形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の歯ブラシ殺菌装置。
【請求項6】
前記扉の開動作が行われた場合に、前記支点を中心とする前記扉の開口角度を略直角となる位置に規制する規制手段を備えていることを特徴とする請求項2〜請求項5のうちいずれか一項に記載の歯ブラシ殺菌装置。
【請求項7】
前記連結手段による前記扉と前記歯ブラシ保持部との連結を解除する連結解除手段を備え、
前記連結解除手段によって前記扉と前記歯ブラシ保持部との連結が解除され、前記扉は、前記歯ブラシ保持部との連結が解除されると、前記支点を中心として前記扉の開口角度が鈍角となる位置まで開放可能に構成されていることを特徴とする請求項3〜請求項6のうちいずれか一項に記載の歯ブラシ殺菌装置。
【請求項8】
前記扉を、前記支点を中心とする前記扉の開口角度が鈍角となる位置まで開いた状態から閉動作を行う際、前記連結手段を前記歯ブラシ保持部における所定の連結位置まで誘導するガイド部が、前記歯ブラシ保持部の裏面の側部に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の歯ブラシ殺菌装置。
【請求項9】
前記扉を、前記支点を中心とする前記扉の開口角度が鈍角となる位置まで開いた状態から閉動作を行う際、前記連結手段を前記歯ブラシ保持部における所定の連結位置まで誘導させるガイド部が、前記歯ブラシ保持部の裏面であって、前記筐体の開口部側に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の歯ブラシ殺菌装置。
【請求項10】
前記歯ブラシ保持部は、前記筐体に対して着脱自在に取り着けられていることを特徴とする請求項1〜請求項9のうちいずれか一項に記載の歯ブラシ殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−5200(P2010−5200A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169145(P2008−169145)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】