説明

歯ブラシ

使用の間の洗浄圧力(F)により歯(27)に対し押圧される歯磨き部材(5)が配置されている少なくとも1つの洗浄ゾーン(4)と、洗浄圧力(F)により歯の表面(27)の形状にこの洗浄ゾーン(4)を適合させることができる少なくとも1つの可変部材(6)とを備えた歯ブラシであって、この可変部材(6)が洗浄ゾーン(4)に向いている少なくとも第1の可撓性ウイングと、洗浄ゾーン(4)とは反対側に向けられた第2の可撓性ウイングとを有し(8、9、108、109)、少なくとも1つの案内部材(10、110)を有し、第1および第2の可撓性ウイング(8、9、108、109)は案内部材(10、110)により可動的に一緒に保持されている。歯をより効果的に洗浄させ、同時により優しく洗浄させる改良された歯ブラシを提供するため、これらウイング(8、9、108、109)が、一端(11)にて互いに接合し、他端(12)にて互いに離間することにより、くさびを構成するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯ブラシに関する。歯ブラシは公知の道具であり、一般に、歯ブラシが保持される取手と、洗浄ゾーン(一般に“ヘッド”として知られている)とからなっている。この洗浄ゾーンには歯磨き部材が配置され、この洗浄ゾーンは歯磨きの間に歯に対し洗浄圧力が加えられるようになっている。このヘッドおよび取手は歯ブラシの取手−ヘッド長手方向を画定するものであり、ネック部がヘッドと、取手との間に長手方向に設けられている。歯磨き部材が洗浄ゾーンから法線方向に突出すると共に、長手方向を横断する方向に設けられている。この方向をここでは“ブリスル方向”と呼ぶことにする。なぜならば、ブリスル(毛ブラシ)が歯磨き部材の最も通常のタイプであるからである。
【0002】
特に、本発明は、歯磨き部材が配置されている洗浄ゾーンと、洗浄圧力により歯の表面の形状にこの洗浄ゾーンを適合させることができる可変部材とを備えた歯ブラシに関する。この場合、この可変部材は洗浄ゾーンの方へ向いている少なくとも第1の可撓性ウイングと、洗浄ゾーンとは反対側に向けられた第2の可撓性ウイングとを有すると共に、少なくとも1つの案内部材とを具備してなり、第1および第2のウイングは案内部材により可動的に一緒に保持されている。
【背景技術】
【0003】
このような歯ブラシは、例えば、特許文献1に開示されており、この場合、歯ブラシの取手は使用者の指圧力により様々な程度のS形に変化させることができるようになっている。この特許文献1による歯ブラシは当接困難な小臼歯を洗浄することを容易にするものである。
【0004】
この特許文献1の歯ブラシ並びにその他公知の歯ブラシの欠点は、歯からのプラークの完全な除去が、きちんとしたブラッシングによっても一般に保障されないということである。プラークの完全な除去のためには、ブラッシングに加えて、例えば、デンタルフロスを使用して歯間の隙間をきれいにする必要がある。
【特許文献1】独国特許出願公開第10154969号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、公知の歯ブラシと比較して、歯をより効果的に洗浄することができると共に、より優しく歯をより洗浄することができる改良された歯ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明によれば、使用の間の洗浄圧力により歯に対し押圧される歯磨き部材が配置されている少なくとも1つの洗浄ゾーンと、洗浄圧力により歯の表面の形状にこの洗浄ゾーンを適合させることができる少なくとも1つの可変部材とを備えた歯ブラシであって、この可変部材が相対的に洗浄ゾーンへ向いて配置される少なくとも第1の可撓性ウイングと、相対的に洗浄ゾーンとは離れて配置される第2の可撓性ウイングとを有し、また少なくとも1つの案内部材を有し、第1および第2のウイングは案内部材により可動的に一緒に保持され、これらウイングがくさびを構成し、一端にて互いに接合され、他端にて互いに離間していることを特徴とする歯ブラシが提供される。
【0007】
上記課題は本発明の歯ブラシにより解決される。すなわち、ウイングが一端にて互いに接合され、他端にて互いに離間しているくさびを形成している。好ましくは、ウイングが取手から比較的遠い地点で一緒に接合され、取手に比較的近い地点で互いに離間するようなくさびを形成する。このような構造では、くさび形が、取手から、洗浄ゾーンへ向かって狭くなるように長手方向にテーパーをなしている。
【0008】
この驚くべき単純な解決策において、本発明による歯ブラシの洗浄ゾーンが、ブラッシングの間に歯表面に沿って驚くほどぴったり合い、従って、歯磨き部材もまた歯間の隙間に侵入し、そこに存在するプラークをより効果的に除去することができる。
【0009】
歯によるウイングに対する反力として作用する、ブラッシングの間における洗浄圧力の結果として、このウイングと、洗浄ゾーンもまた、個々の歯、複数の歯又は歯列弓周りで凹面上に湾曲するようになる。従って、本発明による解決策では、個々に配列された歯磨き部材により最適に適合した洗浄ゾーンが使用者の歯の各部位に対して形成される。本発明による解決策の結果として、歯をブラッシングする際には洗浄される歯となる、向かい合った面の形状に洗浄ゾーンが適合することになる。
【0010】
ブラッシングの間に、使用者により加えられる洗浄圧力が洗浄ゾーンを歯の表面に適合させるものであるから、圧力は歯の表面の特定の箇所に必ずしも作用することにはならず、洗浄ゾーン全体に対して作用することになる。これは歯が特に優しく洗浄され得ることを意味する。
【0011】
取手領域にバネ部材を有し、ブラッシングの間に取手の角度が変化する公知の歯ブラシと比較して、本発明による解決法は、本発明の曲っていない歯ブラシはブラッシングの間にコントロールすることがより容易であるという利点を有する。
【0012】
本発明の歯ブラシは種々の特徴を発現させるものである。これらの特徴並びに設計に関連する利点についての簡単な説明を以下に述べる。
【0013】
上記ウイングは、ブリスル方向を含む面で少なくとも可撓性である長手方向に長尺の部材を具備してなるものである。すなわち、これらウイングは、相対的に洗浄ゾーンへ向いて配置される引張ウイングと、相対的に洗浄ゾーンから離れて配置される圧縮ウイングとして提供され得る。この歯ブラシは、洗浄ゾーンに対して加えられる洗浄圧力により静止位置から洗浄位置に移動可能なものとし、それにより、静止位置と比較して、洗浄位置においては洗浄ゾーンが洗浄圧力の方向へ曲がるようになっている。これは、洗浄ゾーンを歯の凹凸に適合させ、各歯に対し歯磨き部材を個々に洗浄ゾーンと共に適合させるという利点を奏するものとなる。
【0014】
本発明の歯ブラシを特に衛生的並びに洗浄容易形態で提供するため、可変部材を歯ブラシの内側に収容させてもよい。これらウイングの間にくさび状空間を画成させ、それに少なくとも部分的に、弾性物質を満たすようにしてもよい。このような弾性物質は好ましくは弾性的に圧縮変形可能なものとする。その他、又はそれに加えて、このくさび状空間にゲル又は流体を含ませるようにすることもできる。これにより、本発明の歯ブラシの洗浄圧力による変形が影響を受け、このくさび状空間への異なる充填物により違ったタイプの歯ブラシを簡単に製造することができる。
【0015】
この充填されたくさび状空間は少なくとも部分的に外見上透明にすることができ、これは、例えば、透明弾性、ゲル状又は液状物質を用いることによって行うことができ、従って、可変部材の視覚的コントロールを可能にするため、この可変部材を外から見えるようにする。この視覚的コントロールは可変部材の状態をチェックすることを可能にする。すなわち、案内部材、引張ウイング又は圧縮ウイング並びに損傷などを使用者が見ることができるようになる。
【0016】
有益な進歩として、この可変部材は少なくとも部分的に洗浄ゾーン内に延出させてもよく、その場合、この洗浄ゾーンは、歯磨き部材に比較的接近した第1の可撓性ウイングと、歯磨き部材から比較的離れた第2の可撓性ウイングと、さらに少なくとも1つの案内部材とを具備してなり、これら第1および第2のウイングは案内部材により可動的に一緒に保持され、これらウイングがくさびを構成し、一端にて互いに接合され、他端にて互いに離間していることを特徴とするものとなる。これは、ブラッシングの間において、洗浄圧力が可変部材に直接向けられ、従って、可変部材の変形が洗浄ゾーンへ直接、伝達されるという利点を有する。
【0017】
その他又は、これに加えて、この可変部材を、洗浄ゾーンから離れた歯ブラシの取手領域に収容することができる。これにより、実質的に洗浄ゾーンと接続しているこの可変部材もまた、取手領域の有利な変形を生じさせることができる。
【0018】
この可変部材を特に硬直なものとするため、案内部材を、引張および圧縮に抗するよう基本的に設計することもできる。その他、案内部材を、引張媒体として引張のみに基本的に抗するようにすることもでき、これは一般的な引張媒体、例えば、プラスチックフィルム、コード、ケーブル、チェーンなどの使用を可能にするものとなる。これは、本発明の歯ブラシの設計について種々の可能性を提供するものとなる。
【0019】
本発明の歯ブラシは、技術的又は美的理由により、洗浄ゾーンの変形を制限することは有益なものである。この目的のため、長手方向に作用する少なくとも1つの弾性バネ部材を、これらウイングの少なくとも一方に設けて、引張および圧縮ウイングの相対的変形性を相互との関係で制限させるようにする。このバネ部材は引張又は圧縮ウイングに作用する力を吸収し、可変部材の変形を変化させる。このようなバネ部材は例えば、弾性材料から作ることができ、これは歯ブラシの射出成形の際の二段成形プロセスで付加することができる。さらに、少なくとも1つの弾性バネ部材を案内部材内に設けることができ、これは所定の洗浄圧力を超える可変部材の変形を変化させるものであり、これはバネ部材の設計により変更し得る。
【0020】
特に有利なさらなる進歩では、案内部材を引張及び/又は圧縮ウイングと共に一体として提供することもできる。例えば、プラスチック材料を用いて一体的に成形させる。この一体構造において、案内部材は、比較的薄いヒンジ部品によりウイングに接合される。これは、本発明の歯ブラシの製造を単純化し、製造コストを軽減させるものとなる。なぜならば、この案内部材および引張及び/又は圧縮ウイングが1つの生産工程、例えば射出成形で製造することができるからである。その他、案内部材を引張又は圧縮ウイングとは別に提供することもできる。これは、例えば、案内部材を異なる材料から作るためである。この案内部材は関節形式でウイングに接合させてもよい。
【0021】
本発明の歯ブラシの有益な実施形態として、案内部材は分割壁を有し、くさび状空間を少なくとも2つの別々のセクションに分割し、その1又はそれ以上に弾性ゲル又は流体を満たすようにしてもよい。これは、可変部材の弾性が各セクションについて個々に影響を受けることを意味し、仕上り製品のバリエーションに対する多くの可能性を提供することとなる。
【0022】
さらに有益な実施形態として、案内部材は直線状に延び、引張ウイングと、圧縮ウイングとの間を等距離で基本的に延びる軸に対し基本的に直角に配列されたものでもよい。これは、可変部材の厚み、すなわち、引張ウイングと圧縮ウイングとの間の距離が静止位置において最も大きくなり、変形状態において減少するという利点を有する。なぜならば、案内部材が洗浄位置においてゆがむからである。これは、本発明の歯ブラシの厚みが洗浄圧力により減少することを意味し、これは当接困難な小臼歯を洗浄する場合に特に有益なものとなる。逆に、案内部材を、変形した洗浄位置において上記軸に略直角になるように配列させることもできる。それにより可変部材の厚みが偏向状態で最も大きくなるようにしてもよい。その他、案内部材を、静止位置又は洗浄位置において、上記軸に対し斜めの任意の角度となるように配置させてもよい。
【0023】
他の有利な実施形態として、案内部材は、双方のウイングを、とびとびに位置するいくつかの接続点で交互に一緒に輪にするように(例えば、曲りくねったパターン、斜め、又は螺旋状)設けてもよい。末端では、このようなループ状案内部材を引張又は圧縮ウイングに接合させることができる。有利なことは、このループ状案内部材の長さを変えることにより、予め湾曲した可変部材の形状が変化することである。例えば、この接続手段の長さを、案内部材がその上を回動することができるローラーのような調整手段の助けにより変化させることができる。これは洗浄ゾーンの形状を個々に調節することができることを意味している。
【0024】
洗浄ゾーンのより大きい変形可能性を有する本発明の歯ブラシを提供するため、歯ブラシはいくつかの可変部材を有することができる。これら可変部材は、例えば、電気歯ブラシの回転可能なブラシヘッドにおいて互いに平行に、星状に、又はピボット点から螺旋状に広がったネック部から延び、ジョイント洗浄ゾーンを形成したものでもよい。さらに、可変部材は、さらなる可変部材を収容することもできる。
【0025】
本発明の歯ブラシの特に有利なさらなる進歩では、可変部材は、基本的に並行して延びた2つの引張ウイングと、1つの圧縮ウイングを有するものとすることができ、それにより案内部材が圧縮ウイングを2つの引張ウイングに接合するようにしている。この実施形態において、洗浄ゾーンを双方の引張ウイング上に配置させ、案内部材を例えばV−形状とすることができる。この実施形態は、洗浄圧力を1つの引張ウイングにのみ作用させたとき、歯ブラシが捩れるという利点を有する。さらに、2つの引張ウイングと、1つの圧縮ウイングを有する可変部材は少なくとも2つの案内部材を有するもので、その各々が圧縮ウイングを2つの引張ウイングの1つと接続させたものとなっている。各引張ウイングについて別々の案内部材を設けたことは、1つの引張ウイングに向けられた洗浄圧力が第2の引張ウイングに対し、より弱く伝達されることを意味する。
【0026】
本発明の歯ブラシは2つの可変部材を有することができ、そのウイングの各々が1つの面にわたり、それによってこれら2つの面が基本的に互いに直角をなして延びている。この実施形態は本発明の歯ブラシが、異なる方向に働く異なる洗浄圧力により変形するという利点を有する。
【0027】
洗浄ゾーンにおいて歯磨き部材の異なる配置を達成するため、引張及び/又は圧縮ウイングを互いに凹面状、凸面状又は波形に設けることができる。これらのウイングはさらに、異なる長さのもので、可変部材に予め湾曲した形状を与えるものでもよい。
【0028】
洗浄ゾーンにおける歯磨き部材も互いに並行に配置したり、交叉状に配置させることができる。歯磨き部材を、洗浄位置にて互いに交叉するよう配置させ、本発明の歯ブラシの洗浄特性をさらに改良するようにしてもよい。
【0029】
洗浄の際に洗浄ゾーンにて部品が突出したり凹んだりする構造が形成されるから、洗浄ゾーンに洗浄舌片が形成され得る。これは洗浄ゾーンが曲げられたとき、接線となる。これらの舌片は洗浄ゾーンの部分的切欠領域となり、これは切欠部のため、洗浄ゾーンの残りのものと共に屈曲しない。
【0030】
以下、本発明を添付図面を参照して説明する。個々の有利な実施形態との関連で既に説明したように、それらの種々の構成要素を組合わせたり、互いに独立して省略したりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
まず、本発明の歯ブラシの全体的構造を図1ないし3を参照して説明する。
【0032】
図1は本発明の歯ブラシの第1の実施形態を示す斜視図である。
【0033】
歯ブラシ1は、取手領域2と、ネック領域3と、洗浄ゾーン4とを有する。このネック領域3は取手領域2と、洗浄ゾーン4との間に位置している。洗浄ゾーン4上には歯磨き部材5が設けられており、これは図1に単に概略的に示されている。ブリスル、ブレード、フリース、エラストマー歯磨き部材、その他の適当な材料を歯磨き部材5として使用することができる。本発明の歯ブラシ1はさらに可変部材6を有し、これは図1の実施形態においてはネック領域3から洗浄ゾーン4に延びている。この可変部材6は歯ブラシの内側のくさび状空間17に位置している。
【0034】
取手領域2が歯をブラッシングする際、歯ブラシ1を使用者が保持するために設けられている。この取手領域2は任意の形状のものでよく、すなわち、使用者の手内で歯ブラシ1を心地よく位置させ、美的要件を満たすものであればよい。この取手領域は、使用者による洗浄動作を電動動作で置換えるものである電気歯ブラシの一部であってもよい。使用者は洗浄動作および洗浄圧力を図1の歯ブラシ1の取手領域2を介して伝達することができる。図1の実施形態の取手領域は親指領域7を有し、使用者が親指をその上に載せて歯のブラッシングを行うことができ、この取手領域は例えば、特別の非スリップ性材料から作られる。
【0035】
歯ブラシ1の洗浄ゾーン4は、ネック領域3により取手領域2から離れていて、例えば、後方小臼歯の容易な洗浄を可能にするものであり、この場合、取手領域2および使用者の手は、口の外側にある。
【0036】
歯ブラシ1の洗浄ゾーン4は歯磨き部材5を担持し、この歯磨き部材5は、ブラッシングの際、使用者により加えられる洗浄圧力により歯に対し押圧され、使用者の洗浄動作により歯が洗浄されるようになっている。歯磨き部材5は公知の様式で歯ブラシ1の洗浄ゾーン4に固定させることができる。例えば、洗浄ゾーン4に複数の孔(図示しない)が設けられていて、その中にいわゆるアンカーと呼ばれる固定手段を備えた歯磨き部材5が嵌挿される。公知の歯ブラシと同様に、歯磨き部材5は洗浄ゾーン4に対して任意の角度で配置することが出来、互いに異なる角度で配置することができる。この形態は以下のように対処することができる。その他、歯ブラシ1の洗浄ゾーン4は座(図示しない)を有するものであってもよく、その中に歯磨き部材5を担持するキャリア部材を収容することができる。従って、歯磨き部材5を伴ったキャリア部材を交換することが出来、歯ブラシ1の残りの部分を継続して使用することができる。このキャリア部材は例えば、スナップイン装置により上記座内に保持させることができる。
【0037】
本発明の歯ブラシ1の可変部材6について図2を参照して以下に詳述する。
【0038】
図2は図1に示す本発明の歯ブラシ1の一部を概略的に描いた側面図である。
【0039】
図2において可変部材6は引張ウイング8、圧縮ウイング9及び数個の案内部材10を有する。
【0040】
長手方向Lに対し可撓的に斜めに設けられたこれら引張ウイング8および圧縮ウイング9はそれぞれ接合端部11と、取手端部12とを有する。接合端部11において、引張ウイング8および圧縮ウイング9は、図1ないし3の実施例では互いに堅く接続されている。取手領域2側の取手端部12において、引張ウイング8および圧縮ウイング9は互いに離間している。従って、可変部材6は実質的にくさび形をなしている。取手端部12は、本発明の歯ブラシ1の取手2に堅く接続されている。取手2は任意の実質的に固い材料から作られており、例えば、歯ブラシを構成する通常のプラスチック材料から作られており、従って、取手端部12はこれに互いに固定される。引張ウイング8および圧縮ウイング9は各々、図2の面内の長手方向Lに対し斜め方向に可撓的に設けられている。
【0041】
引張ウイング8および圧縮ウイング9はくさび形を形成し、長手方向断面において端部11および12により画定されている。端部11、12の間で、このくさび形は任意に設計することができ、例えば、凹面状、凸面状又は波形であってもよい。例えば図1に示すように、引張ウイング8および圧縮ウイング9は歯磨き部材5に隣接する辺にて凹面状に湾曲している。
【0042】
互いにくさび形を形成する引張ウイング8と圧縮ウイング9との間には、長手方向“L”を横方向にほぼ直線状に延びた数個のリブ形案内部材10が、図1〜3の実施形態において、配列されている。これらの案内部材は引張ウイング8を圧縮ウイング9に接続させている。
【0043】
図1〜3の案内部材10は引張および圧縮に抗するプラスチック材料から作られている。その他、引張に対してのみ抗する引張媒体、例えばフィルム、コード又はチェーンを案内部材10として使用することもできる。
【0044】
図2に示す実施形態において、案内部材10は互いに略等しい長手方向距離で配列されている。その他、各案内部材10間の長手方向距離を変化させ、可変部材6内で異なるように設けてもよい。各案内部材10の一端は引張ウイング8と接合点14にて接合し、他端は圧縮ウイング9と接合している。図2に示す実施形態において、引張ウイング8の接合点14間の距離は圧縮ウイング9の接合点間の距離と略同一となっている。その他、これらの距離を異なるものとすることができる。
【0045】
図1の案内部材10は引張ウイング8と圧縮ウイング9との間にてプレート状リブ部材として設けられている。これら案内部材10はくさび状空間17を数個の別々のセクション17'に分割している。このくさび状空間17の断面によっては、案内部材10は図1aに示すように台形であってもよい。
【0046】
図2aは接合点14の1つを図2の詳細部Aとして示している。図2aの案内部材10は図示の実施形態では圧縮ウイングとの一体物として形成されている。図2の実施形態の他の接合点14も引張ウイング8又は圧縮ウイング9との一体物として形成してもよい。
【0047】
案内部材10の両端は可動性であり、図2の実施形態では、特に、引張ウイング8および圧縮ウイング9に対し関節形式又はヒンジ様式で接続している。案内部材10が引張ウイング8および圧縮ウイング9と接合する接合点14において、案内部材10は肉薄化されていてヒンジ型接合点を提供している。案内部材10により互いに接続されたこれらウイング8、9は従って、長手方向Lに相互との関係で変位できるように配置されている。図1〜3の実施形態において、略直線状の案内部材10が、引張ウイング8と圧縮ウイング9との間にて等距離で延びた長手方向軸Mに対し直角に配置されている。
【0048】
可変部材6はくさび状空間17内に収容されている。このくさび状空間17は歯ブラシ内にて長手方向Lに延びている。この可変部材6の引張ウイング8および圧縮ウイング9はくさび状空間17の頂部および底部を画定している。両側において、くさび状空間17は図1aに示す外皮18の形態で水密封止のものとなっている。案内部材10はくさび状空間17を別々の複数の水密セクション17'に分割している。このくさび状空間17の内側、特に、セクション17'の内側にはゲル又は流体が収容されていて、可変部材6の可撓性に影響を与えるようになっており、従って、歯ブラシ1の可変性に影響を与えるようになっている。その他、この案内部材を、くさび状空間を非水密様式で分割し、流体又はゲルにより囲まれた支柱として設けることもできる。図1に示す実施形態において、くさび状空間17の外皮18は透明材料から作られており、従って、可変部材6をチェックする目視窓が存在することになる。透明な外皮18を設けることにより、使用者は例えば案内部材10の損傷を視覚的にチェックすることができる。さらに、歯ブラシ1の美観が、外側から見ることができる可変部材6により向上することになる。
【0049】
図1に示す実施形態において、くさび状空間17は取手領域2の親指領域7まで延出している。可撓性材料から作られた親指領域7を押すことにより、使用者はくさび状空間17内側の圧力を増大させることができ、従って、可変部材6の弾性に影響を与えることができる。可変部材6は特に衛生的となっており、歯ブラシ1の内側でごみ、バクテリアが入り込まないように外部から封止されている。
【0050】
その他、くさび状空間17は、外皮18を設けることなく、両側をオープンとし、内部が全く充填されていないものとすることができる。
【0051】
図1、2において、本発明の歯ブラシ1は静止位置又は基本位置にあり、歯ブラシ1に対し外力が作用していない状態が示されている。
【0052】
歯のブラッシングの間での本発明の歯ブラシの有利な変形を、図3を参照して以下に記載する。図3は図2の歯ブラシ1による歯のブラッシング間での洗浄位置を示している。このとき、洗浄圧力Fが本発明の歯ブラシの洗浄ゾーン4に印加されることになる。この洗浄位置において、歯ブラシ1が使用者により取手2を介して保持され、1又はそれ以上の歯27の表面に対して押圧される。洗浄圧力Fは洗浄ゾーン4における歯からの反力として作用する。洗浄位置と、静止位置との間の比較のため、図2の可変部材6の外形が破線として図3に示されている。
【0053】
図3に示す洗浄位置において、洗浄ゾーン4は、静止位置との対比において、洗浄圧力Fに抗して湾曲している。このプロセスにおいて、洗浄圧力Fの接触点15は、静止位置におけるその位置15'との関係で、変形経路16で示すようにゆがんでいる。洗浄圧力の作用がないときは直線状である引張ウイング8および圧縮ウイング9は、洗浄圧力F下ではその力Fに抗して湾曲している。洗浄圧力Fが大きければ大きいほど、引張ウイング8および圧縮ウイング9はこの方向に抗してより大きく湾曲し、洗浄力が作用することになる。図3に示すように、この静止位置と洗浄位置との比較において、接触点15は、引張ウイング8および圧縮ウイング9の両端11、12との関係で、力Fの方向に変位することになる。この接合端部11は、静止位置との比較において、ずれ16'分だけ長手方向Lに移動することになる。洗浄位置において、可変部材6は洗浄圧力に抗して、フィン(ひれ)形状に湾曲している。案内部材10は静止位置と比較して反時計回りにゆがみ、引張ウイング8および圧縮ウイング9と接合する接合点14が相互との関係で長手方向に変位する。
【0054】
図3に示す可変部材6の変形の結果として、引張ウイング8上に位置する本発明の歯ブラシの洗浄ゾーン4も略等しく変形する。これは、洗浄ゾーン4に収容されている歯磨き部材5も撓んでいることを意味する。上述のように、可変部材6は洗浄圧力Fの接触点15の周りで曲るが、それは洗浄ゾーン4および歯磨き部材5がこの領域の周りで変形するようにしてなされる。このようにして、図3で長手方向Lの両側に配置されている歯磨き部材5が歯27の周りで撓み、それにより洗浄圧力Fが得られ、従って、ブラッシングの間において歯磨き部材5が歯間に押込まれる。
【0055】
案内部材10が、静止位置との関係で、洗浄位置においてゆがむにつれて、図3において引張ウイング8と圧縮ウイング9との間の距離(従って、歯ブラシ1の厚み)が減少することになる。これは特に有益なものである。なぜならば、このようにして、当接困難な小臼歯により容易に到達することができるからである。その他、案内部材10を静止位置において上記軸Mに対し90度未満の角度で配置することもできる。静止位置でのこの設計は、洗浄位置でのこの案内部材10のゆがみが引張ウイング8と圧縮ウイング9との間の距離の増大をもたらすことを意味する。これらウイング8、9が分離し、案内部材10は分離していないこの洗浄位置において、可変部材は1つのユニットとして変形する。
【0056】
図4は本発明の歯ブラシの他の実施形態を示しており、ここでは図1〜3の実施形態と相違する部分のみ言及することにする。図4の歯ブラシ1は、図1〜3の実施形態のものよりも小さなくさび状空間17と、より小さな可変部材6を有している。ここでは先の実施形態と構造上及び/又は機能上同様又は等しい部分については同一の参照符号が使用されている。可変部材6は歯ブラシ1の洗浄ゾーン4内のみに基本的に延びている。したがって、ネック部3は取手2と一体構造となっている。その他の点では、図4の実施形態は、図1〜3の実施形態と基本的に対応するものである。当然、可変部材6及びくさび状空間17を図4のものよりも、より小さくし、あるいはこれらを取手領域2に延ばすことにより図1のものよりも、より大きくした他の実施形態も可能である。
【0057】
図5〜12では、本発明の歯ブラシ1の他の例を示すものであり、可変部材6およびくさび状空間17の利点が異なる種々のバージョンを示している。簡便のため、図5〜12は概略的なものであり、それぞれ、図1〜3のものと異なる本発明の歯ブラシ1の部分を示す。
【0058】
図5〜12の実施形態については、図1〜3の実施形態と異なる点のみが取り扱うことにする。先の実施形態と構造上及び/又は機能上同様又は等しい部分については同一の参照符号が使用されている。
【0059】
図5に示す実施形態においては、引張ウイング8、圧縮ウイング9および案内部材10の1つにそれぞれ形成された弾性バネ部材19が示されている。これらウイング中のバネ部材19のため、接合端部11の撓みが減少することになる。なぜならば、引張ウイング8および圧縮ウイング9の互いに向けての相対的移動が制限されるからである。案内部材10中のバネ部材19は、少なくともバネ部材19を備えた案内部材10の領域内において、或る洗浄圧力Fを超えた可変部材の変形を制限するものとなる。変形を変える洗浄圧力Fはバネ部材19のバネ定数に依存するものである。
【0060】
図6の実施形態は、引張ウイング8および圧縮ウイング9を、とびとびに位置するいくつかの接合点14a〜14jで曲りくねって一緒に輪になるようにした案内部材10を有する。引張ウイング8が圧縮ウイング9よりも短くなっていて、それにより可変部材6が予め湾曲している。引張媒体(例えば、ケーブル)として設けられている案内部材10の一端は、接合点14aで圧縮ウイング9と関節形式(例えば、ノブを介して)で接続されている。案内部材10は、続く接合点14b〜14iに沿って縫い目のようにループ状に引張ウイングの上を通り、圧縮ウイングの下を通って継続して延びている。案内部材10の第2の端部は接合点14jで引張ウイング8と接続されている。このようにして、案内部材10は数個の接合点14で同時に接続されており、これは生産時間が節減されるということを意味している。その他、可変部材6は、図6の案内部材10により予め応力を加えることができる。これは接合点14aと接合点14jとの間の案内部材10の長さを短くすることにより行うことができる。この短縮化により可変部材6が曲がり、接合端部11が撓むことになる。図6の案内部材10を例えば矢印20の方向に引っ張ったとき、接合端部11は矢印21の方向に撓むことになる。図6の可変部材6は例えば、僅か1つのループ状案内部材10を備えたものでもよい。当然、数個のループ状案内部材10又はループ状のもの並びに非ループ状のものの組み合わせからなる案内部材10を可変部材6内に配置することもできる。
【0061】
図7は本発明の歯ブラシ1のさらなる実施形態を示しており、ここで、可変部材6は単一のくさび形案内部材110を有する。先の実施形態同様に、引張ウイング108および圧縮ウイング109は互いに案内部材10により移動自在に接続されている。しかし、先の実施形態と異なって、案内部材110の両端部22はT溝23の形状をなしている。このT溝23は案内部材110の他の部分とは異なる材料からなるものでもよく、その場合、例えば接着剤で、その他の部分と固着させる。引張ウイング108および圧縮ウイング109はそれぞれ、T形レール部材24を備え、図7aに示すように、案内部材110のT溝23と嵌合し、一緒になって直線状トラックを形成している。この直線状トラックの結果、引張ウイング108および圧縮ウイング109は相互との関係で移動自在に接続されている。案内部材110は引張に抗する材料又は引張および圧縮に抗する材料から作られていて、ごく僅かな引張応力でも伝達されるようになっている。その他、他の形状の直線状トラックを用いてこれらウイング8、9を接続させてもよい。
【0062】
図8は本発明の歯ブラシ1のさらなる実施形態を示しており、ここで、可変部材6の断面はくさび状部分6bと、長方形部分6aとからなっている。すなわち、ウイング8、9はテーパーとなっていない。長方形部分6aにおいて、案内部材10のそれぞれの長さは基本的に同一であり、くさび状部分6bにおいて、案内部材10のそれぞれの長さは接合端部11に向うにつれて減少するようになっている。
【0063】
長方形部分6aとくさび状部分6bとを組み合わせることにより、洗浄位置における可変部材6の湾曲性が、同一の洗浄圧力Fでも、図2の実施形態と比較して減少することになる。
【0064】
洗浄位置を実線で表し、静止位置を破線で表した図9の実施形態において、可変部材6の断面は両側が波状のくさび形として形成されている。この波形は、波形ウイング8、9を用いることにより、若しくは図6の実施形態で示したような予めストレスを付加した1又はそれ以上のループ形案内部材10を用いることにより達成することができる。この可変部材6の波状断面は、洗浄ゾーン4および歯磨き部材5も波形であることを意味する。これは特に応答性のよい形状をもたらすものであり、さらに洗浄位置において歯ブラシ1の湾曲度を増大させたり、減少させたりするものとなる。この可変部材6の波状断面は、凸面、凹面又は任意の適当な形状とすることができる。その形状に関係なく、この可変部材6は洗浄位置において洗浄圧力に抗して曲げられる。洗浄位置において洗浄ゾーン4は基本的に並行に変位し、洗浄動作の回転軸を維持するものとなる。
【0065】
図10は本発明の歯ブラシ1のさらに有利な実施形態を斜視図として示している。この実施形態において、本発明の歯ブラシ1は互いに隣接する2つの可変部材6a、6bを備えている。この可変部材6a、6bの個々のものは、上述の各種実施形態の1つに従って設けられる。この可変部材6a、6bの各々の上には、歯磨き部材5が収容された別々の洗浄ゾーン4a、4bが存在する。
【0066】
図11は本発明の歯ブラシ1のさらなる実施形態を示すもので、ここでは、可変部材6が互いに長手方向Lに隣接する2つの引張ウイング8a、8bと、1つの圧縮ウイング9とが設けられている。この2つの引張ウイング8a、8bおよび圧縮ウイング9は、前記実施形態と同様に、その接合端部11で互いに堅く接続されている。
【0067】
圧縮ウイング9は直線状の接続部材10aにより引張ウイング8aに、さらに別の同じく直線状の接続部材10bにより引張ウイング8bに接続されている。その他、2つの引張ウイング8a、8bは、長手方向に沿って見たときV字形をなす接続部材により圧縮ウイング9に接続させることもできる。
【0068】
図11に示す実施形態において、この2つの引張ウイング8a、8b上に洗浄ゾーン4a、4bが存在する。より明確にするため、歯磨き部材は図11には示されていない。
【0069】
図12は本発明の歯ブラシ1のさらなる実施形態を概略的平面図および側面図として示している。図12の平面図に示すように、引張ウイング8は洗浄ゾーン4に2つの洗浄舌片25を備えている。これら洗浄舌片25は洗浄ゾーン4の一部となっていて、その一方の側で洗浄ゾーン4に接続されている。他方の側においては、この洗浄舌片25は、仕切り26により引張ウイング8から分離されていて、小さなブリッジ28を残している。
【0070】
洗浄位置を示す図12の側面図において、洗浄舌片25は、湾曲した引張ウイング8に対し接線をなしている。なぜならば、これらがその一方の側で引張ウイング8に接続しているからである。洗浄舌片25上に配置された複数の歯磨き部材5'は、洗浄位置において他方の歯磨き部材5に対し片寄って配列されている。したがって、洗浄位置においては、歯磨き部材5、5'の構造配列が存在することになる。
【0071】
以上の図面で表したものに加えて、本発明の歯ブラシのさらなる実施形態も当然可能である。例えば、本発明の歯ブラシ1にアクチュエータ(例えば、電気モータ)を設けてもよく、これは使用者による洗浄動作を置換又はサポートするため、ウイング8、9の少なく一方の動きを開始させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の歯ブラシの実施形態の第1の実施例を示す斜視図である。
【図1a】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図2】図1の本発明の歯ブラシの可変部材を示す側面図である。
【図2a】図2のAの部分の拡大図である。
【図3】図2に示す可変部材の側面図であって、洗浄位置を示す図である。
【図4】本発明の歯ブラシの一実施形態のさらなる例を示す側面図である。
【図5】本発明の歯ブラシの一実施形態のさらなる例の可変部材を示す側面図である。
【図6】本発明の歯ブラシの一実施形態のさらなる例の可変部材を示す側面図である。
【図7】本発明の歯ブラシの一実施形態のさらなる例の可変部材を示す側面図である。
【図7a】図7のB−B線に沿う断面図である。
【図8】本発明の歯ブラシの一実施形態のさらなる例の可変部材を示す側面図である。
【図9】本発明の歯ブラシの一実施形態のさらなる例の可変部材を示す側面図である。
【図10】本発明の歯ブラシの一実施形態のさらなる例を示す側面図である。
【図11】本発明の歯ブラシの一実施形態のさらなる例を示す側面図である。
【図12】本発明の歯ブラシの一実施形態のさらなる例を示す平面図および側面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 歯ブラシ
2 取手領域
3 ネック領域
4 洗浄ゾーン
5 歯磨き部材
6 可変部材
7 親指領域
8 引張ウイング
9 圧縮ウイング
10 案内部材
11 接合端部
12 取手端部
14a〜14j 接合点
15 接触点
16 変形経路
17 くさび状空間
18 外皮
19 バネ部材
22 端部
23 T溝
25 洗浄舌片
26 仕切り
28 ブリッジ
108 引張ウイング
109 圧縮ウイング
110 案内部材
F 洗浄圧力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄の間の洗浄圧力(F)により歯(27)に対し押圧される、歯磨き部材(5)が配置されている少なくとも1つの洗浄ゾーン(4)と、洗浄圧力(F)により歯の表面(27)の形状にこの洗浄ゾーン(4)を適合させることができる少なくとも1つの可変部材(6)とを備えた歯ブラシ(1)であって、この可変部材(6)は、相対的に洗浄ゾーン(4)へ向いて配置される少なくとも第1の可撓性ウイング(8)と、相対的に洗浄ゾーン(4)とは離れて配置される第2の可撓性ウイング(9)とを有し(8、9、108、109)、また少なくとも1つの案内部材(10、110)を有し、第1および第2の可撓性ウイング(8、9、108、109)は案内部材(10、110)により可動的に一緒に保持され、これらウイング(8、9、108、109)がくさびを構成し、一端(11)にて互いに接合され、他端(12)にて互いに離間していることを特徴とする歯ブラシ(1)。
【請求項2】
ウイング(8、9)が、相対的に洗浄ゾーン(4)へ向いて配置される引張ウイング(8)と、相対的に洗浄ゾーン(4)とは離れて配置される圧縮ウイング(9)として設けられ、歯ブラシ(1)が静止位置から、洗浄ゾーン(4)に作用する洗浄圧力(F)によって洗浄位置へと移動可能となっていて、それにより、洗浄位置において、洗浄ゾーン(4)が静止位置と比較して洗浄圧力(F)の方向へ湾曲することを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ(1)。
【請求項3】
ウイング(8、9)がくさびを構成し、取手(2)から遠い一端(11)にて互いに接合され、取手(2)に近い他端(12)にて互いに離間していることを特徴とするである請求項1に記載の歯ブラシ(1)。
【請求項4】
可変部材(6)が、歯ブラシ(1)内に収容されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の歯ブラシ(1)。
【請求項5】
ウイング(8、9)が、弾性材料で少なくとも部分的に満たされたくさび状空間(17)を保持していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項6】
くさび状空間(17)が、ゲル又は流体を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の歯ブラシ(1)。
【請求項7】
くさび状空間(17)が、少なくとも部分的に透明であり、可変部材(6)が外部から見えることを特徴とする請求項6に記載の歯ブラシ(1)。
【請求項8】
可変部材(6)が、少なくとも部分的に洗浄ゾーン(4)内に延出していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項9】
ウイング(8、9)の少なくとも1つにおいて、長手方向(L)に弾性的な少なくとも1つのバネ部材(19)が存在し、引張力又は圧縮力を吸収することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項10】
案内部材(10、110)において、少なくとも1つのバネ部材(19)が存在することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項11】
案内部材(10、110)が、引張に対し基本的に抗するものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項12】
案内部材(10、110)が、圧縮に対し基本的に抗するものであることを特徴とする請求項11に記載の歯ブラシ(1)。
【請求項13】
案内部材(10)が、引張及び/又は圧縮ウイング(8、9)と共に一体として形成されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項14】
案内部材(10)が、関節形式でウイング(8、9)に接合されることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項15】
案内部材(10)がリブ形状であり、くさび状空間(17)を互いに分離された少なくとも2つのセクション(17')に分割し、これらがゲル又は液体で満たされることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項16】
案内部材(10)が基本的に直線状であり、引張及び圧縮ウイング(8、9)がその最大距離で離れているとき、引張ウイングと圧縮ウイング(8、9)とから等距離にある軸(M)に対し基本的に直角に配列されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項17】
案内部材(10)が、ウイング(8、9)を一緒に、互いに離れたいくつかの接続点(14)で交互に輪にしていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項18】
歯ブラシ(1)が、歯の外形にそれぞれ適合するいくつかの可変部材(6)を有していることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項19】
可変部材(6)が、2つの引張ウイングと、1つの圧縮ウイング(8、9)を有し、それにより案内部材(10、110)は圧縮ウイング(9)を2つの引張ウイング(8)に接合することを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項20】
可変部材(6)が、2つの引張ウイングと、1つの圧縮ウイング(8、9)と、少なくとも2つの案内部材(10、110)とを有し、これら案内部材はそれぞれ圧縮ウイング(9)を2つの引張ウイング(8)の内の1つに接合することを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。
【請求項21】
洗浄ゾーン(4)に洗浄舌片(25)が存在し、これが洗浄ゾーン(4)が湾曲したときに、接線方向に突出することを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の歯ブラシ(1)。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図2a】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7a】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−531080(P2008−531080A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555554(P2007−555554)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001770
【国際公開番号】WO2006/089784
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(501390806)グラクソスミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト (20)
【氏名又は名称原語表記】GlaxoSmithKline Consumer Healthcare GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】