説明

歯科治療椅子

【課題】歯科治療を行う際、患者は歯科治療椅子に長時間座ることがあるが、室温や治療への恐怖心から発汗して椅子シートとの間でムレを生じることがあり、不快な思いをする。又、前の患者のぬくもりが椅子シートに残っていることも不快な感覚につながる。
【解決手段】バックレスト12,コンターシート13,レッグレスト14等のシート部外装12a,13a,14aは、通気性を有する布帛等の部材で構成されている。これらシート内には、該シート内に空気を放出する空気流路31を具備し、該空気流路31に設けられた開口32,33,34等からシート内に空気を放出する。これらシート内に放出された空気は前記通気性の外装を通して外部に放出され、患者との接触部におけるムレや前患者のぬくもり等をなくす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科治療椅子、より詳細には、治療椅子のシート外装に通気性の布帛を用いるとともに、空気流路を通してシート内に空気を放出し、シート表面と患者との間の通気性をよくした歯科治療椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
図2は、本発明が適用される歯科治療椅子の一例を説明するための要部構成図で、該歯科治療椅子は、安頭台11,バックレストシート12,コンターシート13,レッグレストシート14,フットレスシート15等よりなる着座部10と該着座部10を移動可能に搭載した基台部20等から成り、周知のように、歯科治療に当たり、患者は着座部に座り、頭を安頭台11に固定して治療を受ける。治療中、着座部10を基台部20上で上下動,起倒,傾斜動等させて、患者を治療しやすい姿勢にして治療を行う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のごとき歯科治療椅子において、従来、歯科治療を行う際、患者は歯科治療椅子に長時間座ることがあるが、室温や治療への恐怖心から発汗して椅子シートとの間でムレを生じることがあり、不快な思いをする。又、前の患者のぬくもりが椅子シートに残っていることも不快な感覚につながる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上述のごとき課題を解決するためになされたもので、通気性を有する外装で構成されたシートから成る歯科治療椅子において、前記シート内に空気を放出する空気流路を具備し、該シート内に放出された空気を前記通気性の外装を通して外部に放出するようにしたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0005】
歯科治療椅子のシート内部にあらかじめ空気を流すための流路を設けておくことにより、シート表面と患者との間の通気性をよくすることができる。また、その空気を暖めることで冬などの寒い時期にはシートヒーターとしての機能も果たす。また、その空気を冷やしておくことにより、夏等の暑い時期にシートを冷やしておくことができ、患者に爽快感を与えることができる。また、その空気を乾燥しておくことにより、前の患者が発汗して生じたムレをなくすことができる。また、その空気に香りをつけることで、患者への治療への恐怖心を和らげることも出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明による歯科治療椅子の一実施例を説明するための要部概略構成図で、図1(A)は、着座部10を寝状態にした時の要部側断面図、図1(B)は同状態の要部平断面図で、図中、図2に示した歯科治療椅子と同じ機能を有する部分には、図2の場合と同一の参照番号が付してある。而して、本発明においては、バックレストシート12,コンターシート13,レッグレストシート14の外装12a,13a,14aは、少なくとも、患者と接する側の部分は通気性の布帛で構成されており、内部には、これらシート内に空気を送り込むための空気流路31が設けられている。空気流路31は、例えば、基台部20内に設けられている空気供給源30に連結されており、該空気供給源30からの空気が空気流路31を通して各シートに供給され、各シート内に設けられた開口32,33,34を通して、それぞれのシート12,13,14内に放出される。
【0007】
各シート内に放出された空気は、各シートの通気性の外装部を通して外部へ放出されるが、この通気性の外装部は、少なくとも、患者と接する側の面に形成されており、この通気性の外装部を介して患者と接するようにすることにより、患者に好感を与えることができる。
【0008】
空気供給源30は、空気流路31を通して各シートに供給する空気を生成するためのもので、例えば、外気を空気流路31内に圧入するためのブロアを有し、更には、該ブロアからの空気を暖めるための加熱器、冷却するための冷却器、乾燥するための乾燥器、該ブロアからの空気に香り等を付加するための香料添加器等が設けられており、該空気流路31を通して、暖空気、又は、冷空気、又は、乾燥空気、又は、香り付き空気等が供給される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による歯科治療椅子の一実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図2】本発明が適用される歯科治療椅子の一例を説明するための要部構成図である。
【符号の説明】
【0010】
10…着座部、11…安頭台、12…バックレストシート、13…コンターシート、14…レッグレストシート、15…フットレスシート、12a,13a,14a…外装、20…基台部、30…空気供給源、31…空気流路、32,33,34…開口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性を有する外装で構成されたシートから成る歯科治療椅子において、前記シート内に空気を放出する空気流路を具備し、該シート内に放出された空気を前記通気性の外装を通して外部に放出するようにしたことを特徴とする歯科治療椅子。
【請求項2】
前記通気性の外装は、少なくとも、患者と接する面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の歯科治療椅子。
【請求項3】
前記空気は、暖空気、又は、冷空気、又は、乾燥空気、又は、香り付き空気であることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯科治療椅子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−236867(P2007−236867A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67505(P2006−67505)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000150671)株式会社長田中央研究所 (194)
【Fターム(参考)】