説明

歯科用カラー分析装置

【課題】修復のより調和的機能が達成可能であり、取り扱うのが容易で、特にその製造費用が経済的である歯科用カラー分析装置を得る。
【解決手段】参照物体を示す少なくとも一つの第1の画像部と、歯、歯領域または歯肉部を表示する少なくとも一つの第2の画像部が、コンピュータ装置を用いて検出されることができ、参照物体は、歯に取り付けられ、特にそれに付着されるとともに、表示の歯より小さいサイズを含み、参照物体は、お互いに続いて配置されるとともに各自に歯科用カラーを示すカラー・サンプルを含んでいる歯科用カラー・キーであり、第2の画像部のカラーに最もマッチするカラー・サンプルがディスプレイに表示されるように、コンピュータ装置を用いて、第2の、特に選択可能な画像部のカラーと、表示カラー・サンプルを比較可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は請求項1の前文に記載の歯科用カラー分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
修復歯に天然外観を与えることを可能にするために、修復される歯の色を選ぶ時に、隣接した歯との類似または最高のマッチングを達成するために、歯色を測定するためのカラー・キーが、長い間使用された。
【0003】
この種類の歯科用カラー・キーは、独国特許第19509830C2号明細書に開示される。
【0004】
最近においては、例えば独国特許出願公開第102007035610A1号明細書から明らかであるように、電子カラー測定が実施される。
【0005】
歯においては、色合い、特に半透明度が典型的に変化する。
【0006】
評価の間に人間の影響を除外するために、例えばA2、A3などのように、歯科用カメラを用いて既存の歯色を検出し、適切な歯色を電子的に選ぶことが、同様に提唱された。しかし、この種の解決案のためには、精巧な較正工程が実行されなければならなく、電子カラー検出装置は、むしろ大きい歯科医院の考慮すべき事柄に入る。
【0007】
しかし、例えば歯科用カメラが不十分にしか半透明度を感知できないので、電子カラー検出は、驚くほど多くの場合に最適の結果をもたらさない。いくつかの改良を達成するために、場合によっては、基本的に余分の効果を含む商用カラー・キーを有する更なるマッチングが実施される。
【0008】
更に、自動的にイメージ検出または歯科用カメラによって撮られる既存画像の検索を実行することも、すでに提唱されている。カラーの誤差を補うために、カラー変換を実行することもさらに提唱され、その結果として、残念ながらその効果にもかかわらず、この解決案が改良された結果をもたらさないことが見出された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許第19509830C2号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102007035610A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、請求項1の前文に記載の歯科用カラー分析装置および請求項13の前文に記載の歯科用カラーを分析する方法をもたらすことが、本発明の目的である。それは、歯修復または部分的修復の製品の実用のために改良されており、それを用いて、修復のより調和的機能が達成可能であり、この歯科用カラー分析装置は、取り扱うのが容易で、特にその製造費用が経済的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、装置クレーム1および方法クレーム13によって創意的に解決される。有利な更なる実施態様は、従属請求項から明らかになる。
【0012】
発明の歯科用カラー分析装置によって、単一装置及び修復される歯及び隣接した歯の単一像(イメージまたは画像が、更なる歯科用カメラを必要とせずに、分析装置によって撮られたものである)によって、修復される歯の正確なカラー分析を達成することが可能であり、必要であれば、修復される歯の画像表現は、分析装置のディスプレイに表示される。
【0013】
カラー分析は、参照歯の前庭面より小さい、いわゆるミニチュアのカラー・キーを用いて、創意的に実行される。ミニチュアのカラー・キーは、複数の個々のカラー・サンプルを含み、カラー・サンプルを選ぶ場合に、修復される歯は、選択されたカラーが提供され、画像に図示される参照歯および/または更なる隣接歯との比較が、自動的に実行される。参照歯がカラー・キーによって部分的にカバーされるとはいえ、歯色を評価するのに、問題とならない。修復される歯へのカラー・キーの物理的な近接によって、直接見られるときに、カラー調和のより良い評価が達成される。
【0014】
必要に応じて、一般に知られているように、修復を必要とし、異なる暗度を含むことができる修復される歯の一部のためのカラー測定を実行するために、ミニチュアのカラー・キーの小さい寸法が、参照歯の異なる一部または断片において、その付着ができるようにする。たとえば、天然歯は、その歯肉部で残存歯より暗い暗度を含む。
【0015】
発明の歯科用カラー分析装置を用いて、歯科用カラー分析装置に含まれるイメージ探知装置によって、歯および/またはその隣接歯及び歯科用カラー・キーが1つの単一画像において表現され、分析装置のコンピュータ装置に保存されることができる。この点において、歯科用カラー・キーは、少なくとも一つの歯に取り付けおよび固定されるように形成される。しかし、安定したまたは一般的に普及している歯色だけではなく、さらに漂白色および/または歯肉色を含むいくつかのカラー・キーが、修復される歯の隣接歯の上に仮想カラー・キーとしてそれを配置するために、歯科用カラー分析装置の記憶装置に保存されることができる。この点で、歯色の共通の測定を可能にするために、カラー・キーは、歯より小さい寸法を含み、その上にカラー・キーが装着または固定される。さらに、参照としてのカラー・サンプルと、歯を示す第2の画像部との間に、近い空間近辺または物理的近接が存在する。
【0016】
カラー・キーの小さい寸法は、それが修復される歯と隣接する歯の異なる位置に配置または設置されることを可能にする。この点について、お互いに続いて配置されるカラー・サンプルを含むカラー・キーの小さい寸法は、歯色分析の精度を妨げることはなく、カラー・キーで提供される参照歯として、拡大した方法でディスプレイに示されることができ、歯の特定の空間が、選択及び表示されることができる。各自の空間のより良い画像表現を実現するために、仮想カラー・キーが、参照歯の選択された、拡大した空間に配置されることができ、カラー比較は、同様に肉眼によっても実行されることもできるので特に有利である。
【0017】
参照物体が歯に付着する場合、すなわち、カラー・キーが中央部で参照歯に付着される場合に、特に好ましいと考えられ、全てのカラー・サンプルは、参照歯の隣接表面から最高でもカラー・サンプルの1つの単一幅および/または高さで離れており、すなわち、最高でも1つの更なるカラー・サンプルが、評価される歯の表面と、カラーがこの表面と最も類似するカラー・サンプルとの間に配置される。その結果、歯科医または歯科技士は、シンプルな方法で、カラーに関して適切なカラー・サンプルを測定することができ、たとえ裸眼による方法でも高い確実性を有する。歯科用カラー・キーが歯の上に装着及び固定されることができるかまたは、さらに仮想カラー・キーとして歯に適用できるという事実によって、本発明の歯科用カラー分析装置のユーザは、歯の表面上にカラー・キーを動かすことができ、評価される歯の自由な空間と、カラー・キーのカラー・サンプルとの間に、多くても1つの更なるカラー・サンプルが常にあるように、それを変化させることができる。
【0018】
本発明によると特に有利なところは、歯科用カラー分析装置が、ハウジング、記憶装置およびディスプレイを有するコンピュータ装置を備えて、そこに少なくとも一つの歯および/または歯肉部と参照物体が表現され、参照物体の少なくとも一つの画像部(第1の画像部)と、歯、歯空間または歯肉部の少なくとも一つの画像部(第2の画像部)が、コンピュータ装置を用いて検出される。
【0019】
本発明によると特に有利なところは、参照物体がお互いに続いて配置され、各自が歯科用カラーを表現するカラー・サンプルを含んでいる歯科用カラー・キーであり、第2の、特に選択可能な画像部のカラーは、コンピュータ装置によって表示のカラー・サンプルと比較され、コンピュータ装置が表示または出力するそのカラー・サンプルは、第2の画像部のカラーに最も類似または最もマッチする。
【0020】
発明の歯科用カラー分析装置によって、コンピュータ装置を用いて選択可能な画像部のカラーが、歯科用カラー分析装置のディスプレイに表現されるカラー・キーのカラー・サンプルと比較され、カラー・キーは、参照物体上に装着されるともに、その大きさは参照物体より実質的に小さく、選択された画像部のカラーと、最も類似であるカラー・サンプルは、ディスプレイに表示されることができる。このように、本発明の歯科用カラー分析装置を用いて、仮想歯カラー・キーに、参照歯の特定のゾーンを適応させることが可能である。この点で、例えば周知のA2、A3のように、歯科用カラー・キーが本当の歯色を表現するように、イメージ探知装置の色誤差は自動的に補われることができ、カラー探知装置は、単にクロム勾配がイメージの範囲内に存在しないことを確認すればよく、しかし、それは一般的に通常のCCDセンサを用いる場合ではない。
【0021】
驚くべきことに、本発明の歯科用カラー分析装置において、イメージ探知装置の較正が必要とされるわけではなく、更に、特に歯科研究所において不必要である複雑または時間のかかる再調整も、もう実行される必要はない。本発明によれば、画像またはイメージがディスプレイに表現される場合に、コンピュータ装置は、自動的にカラー比較を実行し、歯科用カラー・キーとして形成される参照物体のカラー・サンプルが表示されるかまたは保存された歯、歯領域または歯茎部位のカラーと最も類似である第1の画像部として出力される。さらに電子的に容易にできることは、その場合に、ディスプレイ上の直接の視覚的比較によるカラー測定が、驚くべきことに、相当に改良される。本発明によれば、参照物体は、さらにディスプレイ上の第2の画像部に、特にそれに隣接して表現される。
【0022】
従って、人間による視覚的評価の利点は、実際には電子比較の利点と結合されることができ、歯科技工士または歯科医がここで処置でき、例えば歯の咬合空間を電子比較によって提供されるものより透過的に構成することができる。
【0023】
有利な実施態様において、検出歯または歯領域の変化なく着色した空間への接近が、自動的に実質的に実行される。複写は、カラー複写として提供されてはならず、しかし、例えば、A2、A3などに指定されるようなけば(hachure)またはパターンを用いて、どの歯色がどの位置に使用されるべきかについて直ちに必須の援助を歯科医または歯科技工士に提出可能である。
【0024】
歯用カラー・キーのカラー・サンプルの数は、あらゆる選ばれた方法で要件に適することができる。一般的に、異なるいくつかのカラー・キーが、使われることができ、修復に最も適するカラー・キーが基本的色合いから選ばれ、このカラー・キーは、例えばマトリックスの形で配置される16種のカラー・サンプルを有することができる。
【0025】
コンピュータ装置によって出力及び保存される結果または値は、さらに電子的被処理方法で容易に、例えば、歯製造用のCAD/CAM装置に伝えられることができ、修正が歯科技工士の手動によって実施される場合に、それは特に有利である。
【0026】
一般的に、それが第2の画像部に近い近辺においてあるように、歯科用カラー・キーはミニチュアの歯科用カラー・キーとしてのあらゆる位置の歯の前庭の表面上に付着されて及び形成される。歯前庭の表面の全ての部位を検出することを可能にするために、それは、スライド可能な方法で付着されてもよい。この点において、選択された歯色が歯の定められたゾーンに示される場合、それは特に有利であると考慮される。しかし、カラー・キーは、さらに異なる歯上に装着されることもできる。仮想カラー・キーとして保存されている一つまたはいくつかのカラー・キーの場合には、参照歯と最も合う大きいカラーを有するカラー・キーは、例えばカーソルを用いて選ばれ、参照歯の上に配置されることができる。この点に関して、保存されたカラー・キーが歯科用カラー分析装置のディスプレイに表示される場合、それは特に有利であると考慮される。
【0027】
特に有利な構成によれば、各カラー・サンプルは、特に境界線によって囲まれる空間的に制限空間の形で、ディスプレイに表現される。この点において、修復される歯上の選択されたカラーを示すために、カーソルがこの空間を示すことができる。この際、コンピュータ装置は、示されるカラーと参照歯のカラーとの偏差を算出することができる。あまりに大きい偏差の場合に、混合カラーは、コンピュータ装置を用いて算出され、前記混合カラーは、2つまたはより多くのカラー・サンプルを含むことも可能である。したがって、本発明の歯科用カラー分析装置によって、複数の色合いが電子的に作成されることができ、複数のカラー・キーを保存または確保する必要はない。この方法で分析装置によって作成されるカラー・サンプルは、混合カラーを含み、必ずしもカラー・キーに含まれる、カラーA1、A2などのうちの1つに対応するわけではなく、修復製品のために使われることができる。
【0028】
好ましくは、歯科用カラー・キーのカラー・サンプルは、お互いに続いて配置され、共に、そのサイズは、ディスプレイ上の歯空間の表示または歯茎の部位のサイズの最高でも二倍の大きさを有し、少なくともその半分である。
【0029】
特に有利なことは、第1の画像部と最も類似であるカラー・サンプルが、光学的または音響的に選択された方法で表示される一方、カーソルのようなポインタ・ユニットは第2の画像部、すなわち歯、歯空間または歯肉部を標本化する。本発明の歯科用カラー分析装置の有利な構成において、カラー・サンプル、特に選択されたカラー・サンプルの表示に加えて、命名またはその指示(A1、A2など)が、特にディスプレイ上に光学的に、および/または音響的に出力されることができる。特に重要なことは、個々のカラー・サンプルが、指示A1、A2などと共に表示されることができ、カラー測定が、参照歯及び修復される歯の画像が撮られる照明状態及び画質に依存しないことである。この点について、比較の目的で、カラー・キーの基盤ボディ上に固定的に装着されるかまたは、1つまたは2つの参照歯上に装着されるカラー・サンプルは修復材料を含み、したがって、その上に装着されるカラー・キーを有する参照歯の画像が、画質にかかわりなく実際の照明状態を表現する場合に、特に有利であると考慮される。したがって、カラー分析の及び従って歯修復の精度は、同様に相当に増加する。
【0030】
本発明によれば、特に有利なところは、歯科用カラー・キーが、少なくとも3種、特に16種の異なるカラー・サンプルから成り、少なくとも一つのカラー・サンプルが、漂白色に対応する。しかし、単にカラー・サンプルとして漂白色を含むカラー・キーの1つまたはいくつかを確保または保存することも、本発明による歯科用カラー分析装置によって実現するのが容易であると同様に考えられる。
【0031】
しかし、カラー・キーはさらに歯肉色に対応する少なくとも一つのカラー・サンプルを含むことができる。
【0032】
好ましくは、ミニチュアのカラー・キーは、歯科用カラー分析装置の記憶装置に保存され、前記ミニチュアのカラー・キーは参照歯より小さく、単に格子の形で各自のカラー・サンプルの空間を定めるマトリックスを単に含むだけであり、所望の混合カラーが開発されるまでに、多数のカラー・サンプルが、さらに保存及び混合されるかまたはお互いに組み合わせられる。コンピュータ装置によって選ばれるそれらのカラー・サンプルは、「雑多な」カラー・キーを用いて分析の精度を増加させるために、事実上カラー・キーの自由表面に適用されることができる。
【0033】
好ましくは、分析装置は、装置に統合される歯科用カメラを含む。しかし、分析装置はさらに外部歯科用カメラと相互に作用することができ、画質は分析プロセスのために不可欠なほど重要ではない。
【0034】
本発明の歯科用カラー分析装置の特に有利な構成によって、歯色を有する完結した再構築が、分析プロセス後に、歯科用カラー分析装置のディスプレイに表示され、三次元イメージとして、後の修復プロセスのための予備設定またはパラメータの機能を果たす。従って、本発明による分析装置は、単にカラー分析のためではなく、さらにデジタル製造のために、及び分析プロセスの後の測定されるカラー及び暗度を有する完結した修復の表示のために使用される。この点で、歯科用カラー分析装置をパソコンに接続するためにインタフェースが提供され、分析プロセスの結果がパソコンに、更に、インターネット経由で歯科研究所に伝達されることができる場合は、特に好ましいと考慮される。その結果、歯科技工士は変更を加えることができる。
【0035】
本発明の特に有利なところは、コンピュータ装置が自動的に歯科用カラーに信号を送り、特に光学的におよび/または音響的に歯科用カラーを出力する。
【0036】
特に有利なことは、分析装置の記憶装置において少なくとも、2つの歯のデータ、特にお互いに隣接した歯のデータが、保存されることができ、前記データは探知装置、例えばカメラを用いて、データ・トランスポート装置を経て記憶装置に供給されている。記憶装置に、数人の患者のデータが保存されることができ、歯科用カメラを用いて完全な口状況、すなわち上下顎の歯と歯肉部の画像が撮られ、個々の患者のために保存されることができる。
【0037】
本発明の特に有利なことは、歯科カラーが、例えば、歯製造のCAD/CAM装置へ伝達および/または送信される。
【0038】
本発明の特に有利なことは、第1の画像部が、カラー・サンプルの幾何学的寸法に対応する個々の空間区分内へソフトウェアを用いて再分割されることができ、ソフトウェアに保存される特定の歯科用カラーが、各々空間区分に割り当てられ、少なくとも歯の一部または歯肉またはゴムの一部を含んでいる第2の画像部のカラーが、異なるカラー・サンプルと比較され、データ・コンピュータ及び記憶装置は、カラー・サンプルに割り当てられた前記歯科用カラーを表示または出力し、そのカラーは、第2の画像部のカラーに対応するかまたはそれと最も類似する。
【0039】
本発明によって特に有利なところは、特に、修復される歯の範囲が、ディスプレイ上の表示の2つの歯前庭(唇または頬側)表面より小さく、特に、歯の範囲より小さい。
【0040】
本発明による歯科用カラー分析装置の有利な実施態様によれば、その装置は、更なるカラー測定装置を備えており、それで各自の明るさグループが、まず最初に測定されることができる。その後、修復される歯、少なくとも隣接した歯とその上に装着及び固定されるカラー・キーのイメージが撮られ、本発明による分析装置のディスプレイに表示される。その後、残存カラー特性は、この明るさグループ内に割り当てられる。したがって、人は異なる色感覚を有するので、カラー測定におけるデジタル・サポートは特に重要である。加えて、更なる要素が、考慮すべき事柄に入り、それはすなわち人工光または天然光、空間環境によって反射される光及び、著しく主観的な印象である。それに対して反対に、カラー測定装置は、各要素を不確実性から解放され、恒常的な出力を提供すると予想される。デジタル式歯色測定の場合、光線はプローブを用いて放射され、その手段によって、歯の光反射が測定される。これらのデータは、ある特定のコンピュータプログラムによって評価され、歯色が測定される。
【0041】
本発明によると特に有利なところは、カラー・サンプルが、特に、境界線によって囲まれる、空間的に限定された範囲の形でディスプレイに表現される。
【0042】
本発明によれば特に有利なところは、カラー・キーが円盤状または薄片状に形成され、カラー・サンプルは、その上に固定的に装着され、カラー・キーは、歯上に装着されることができる薄い基盤体を含む。
【0043】
本発明によれば特に有利なところは、カラー・キーのカラー・サンプルが、お互いに続いて配置され、共に、歯領域の表示またはディスプレイ上の歯茎部位のサイズの最大二倍で、最小でその半分の寸法を有する。
【0044】
本発明によれば特に有利なところは、歯上に装着されるカラー・キーが参照歯上の中央に装着され、全てのカラー・サンプルは、参照歯の自由または暴露された範囲から最大でそれの単一の幅および/または高さで離れている。
【0045】
本発明によれば特に有利なところは、第1の画像部と最も類似のカラー・サンプルが、光学的におよび/または音響的に選択された方法で表示される一方、ポインタ・ユニットは、第2の画像部を標本化し、それはすなわち歯、歯領域または歯茎の部位である。
【0046】
本発明によれば特に有利なところは、カラー・サンプルのディスプレイ、特に選択されたカラー・サンプルのディスプレイに加えて、その指示(A1、A2、An)は、特にディスプレイに光学的に表示され、および/または音響的に出力される。
【0047】
本発明の特に有利なところは、参照歯と修復される歯と間のカラー・サンプルを選んだ後に、コンピュータ装置が分析装置のディスプレイ上で、好ましくはパーセント式でカラー・マッチを示す。
【0048】
本発明の特に有利なところは、カラー・キーが少なくとも3種、特に16種の異なるカラー・サンプルを含み、特に少なくとも一つのカラー・サンプルが漂白色に対応する。
【0049】
本発明の特に有利なところは、カラー・キーが、歯肉色に対応する少なくとも一つのカラー・サンプルを含む。
【0050】
本発明の特に有利なところは、分析装置がカメラを含み、またはカメラと相互に作用する。
【0051】
本発明の特に有利なところは、修復される歯の明るさグループを測定するために、カラー測定装置が備えられる。
【0052】
本発明の特に有利なところは、歯科用カラーを分析する方法が提供され、前記方法は、ハウジング、記憶装置を有するコンピュータ装置、及び少なくとも一つの歯および/または歯茎の部位と参照物体が表現されるディスプレイを含んでおり、参照物体を示す少なくとも一つの第1の画像部および、歯、歯領域または歯肉部を表示する少なくとも一つの第2の画像部が、コンピュータ装置を用いて検出され、特に歯がディスプレイに表現される前に、参照物体は歯上に装着されるとともに、表示歯より小さいサイズを含み、参照物体は、カラー・サンプルを含む歯科用カラー・キーであり、そのカラー・サンプルはお互いに続いて配置されるとともに各自が歯科用カラーを表現し、第2の、特に選択可能な画像部のカラーは、コンピュータ装置を用いて表示のカラー・サンプルと比較されて、第2の画像部のカラーに最もマッチするカラー・サンプルは、コンピュータ装置によって表示または出力されることができる特徴を有する。
【0053】
更なる利点、詳細及び本発明の特徴は、図面を参照する本発明のいくつかの実施態様の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の歯科用カラー・キーの実施態様の透視画を概略図で示す。
【図2】本発明の歯科用分析装置の透視画を示す。
【図3】歯に適用されたあとの本発明の歯科用カラー・キーの平面図を示す。
【図4】歯に適用されたあとの本発明の歯科用カラー・キーの更なる実施態様の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1に表現される本発明の歯科用カラー・キー10は、複数すなわち16種類の、マトリックスの方法で配置されるカラー・サンプル12を含む。各カラー・サンプルは、商業的な歯色(例えばA2、A3、A4など)に対応しており、お互いと類似の歯色は、お互いに続いて配置される。
【0056】
カラー・サンプル12は、固定的に円盤状歯科用カラー・キーに付着される。この点で、カラー・キーは、歯、すなわち、それの前庭面上に装着されることに適している薄い基盤体またはプレート14を含む。取付けは、接着剤またはクリップによって達成されることができ、接着剤は舌による柔らかい押し付けにも脱落しないように基盤体14を保持し、クリップは、歯、好ましくは切歯を挟み付け、その結果、所望の締め付け効果を提供する。カラー・キーは、ダブルのクリップを備えることができ、カラー・キーは、上顎の歯に、同時に反対の下顎の歯に付着されることもできる。従って、本発明の歯科用カラー分析装置を用いて、上下顎の歯の間のカラー比較が、実行されることができる。しかし、カラー・キーが、内蔵式クリップを備えてないが、クリップが1つまたは2つの歯上に装着されることができ、特に有利であると考えられるが、その後、歯色との最適のマッチングを測定するために、カラー・サンプルの異なる明るさグループを含んでいる異なるカラー・キーは、クリップ上に装着されることができる。
【0057】
基盤体をある程度柔軟に形成することも、さらに可能であり、それによって基盤体自体が僅かに湾曲した切歯の表面により容易に適応することができる。好ましくは、基盤体は著しく歯より小さく、例えばそれの半分の幅とし、また顕著に薄く、例えば1/10の単位よりも薄い厚みとする。その結果、本発明のカラー・キー10は、全面で歯に着合することができ、カラー・パターン12と歯との間の即時の比較を可能にする。この点において、歯の前庭面の充分な空きエリアが存続する一方、隣接した歯は、さらに本発明のカラー・キー10と容易に比較されることも可能であることが理解されるべきである。基盤体の柔軟な形成の代わりに、基盤体を僅かに湾曲させることにより、基盤体は天然歯に適応することができ、天然歯の唇側面の形態を表現することができる。
【0058】
歯科用カラー・キー10は、修復材料(好ましくはセラミック)から製造されるカラー・サンプル12を含む。歯または隣接歯のイメージが異なる照明状態下で撮られることがあるので、この実施態様は、特に歯色の正確な評価にとって重要である。カラー・サンプル12が、歯修復材料に対応するので、イメージの品質は修復結果に負の影響を及ぼさないことが達成された。
【0059】
図2は、歯科用分析装置20を示す。歯科用分析装置20は、記憶装置34とディスプレイ22を含む。その結果、その製造において従来の歯科用カラー分析装置より費用のかからないコンパクトな歯科用カラー分析装置が作成される。デジタル・フォトによるイメージ検出を可能にするために、歯科用分析装置20は、光学式のレンズを有するCCDセンサを含み、それは表現されてない側面、すなわちディスプレイ22と反対の側面に存在する。この点において、リリース40がデジタル・カメラから周知の方法で分析装置20の上部に装着される。
【0060】
同時にコンピュータ装置及び記憶装置を含む制御ユニット34が、付着される歯科用カラー・キー10を有する患者の前庭口状況の画像を撮る。カーソル42は、ディスプレイ22、例えばタッチスクリーン全体へ移動されることができる。ディスプレイ22を横切るカーソル42の動きの場合に、カラー・サンプル指示44、例えば「A2」、及び、同時に歯科用カラー・キー10のカラー・サンプルの選択されたカラー12に対応する輪郭46が、各々ディスプレイ上の特定の領域に示される。歯状況と共に歯科用カラー・キーの画像が撮られるので、較正を行わなくても色誤差は、この点において起こらない。
【0061】
このような方法で、1つの歯のためのカラー勾配が、入手可能な歯科用歯色を用いて測定される。このように保存される画像は、現在出力されることができ、インタフェース50を用いてあらゆる適切な方法で更に処理されることができる。
【0062】
図2に示されるように、付着されるカラー・サンプルを有するカラー・キーは、ミニチュアのカラー・キーとして歯上に装着される。ミニチュアのカラー・キーは、機械的にまたは接着剤で歯に付着されることができる。しかしそれは、修復される歯に隣接する歯のイメージに仮想カラー・キーとしてさらに付着されることができる。カーソル42を用いて、装置のユーザは、カラー・サンプルの一つを指し示すことができ、修復される歯は、ディスプレイ上で表示された歯色を図示する。それからユーザは、歯修復のためにどの歯色を選ぶかを主観的に評価または決定することができ、または、分析装置は、それ自体で隣接した歯に最も近い歯色を選ぶことができる。
【0063】
カラー・キー10が仮想カラー・キーとして表現される場合に、それは、カーソルの動きを用いて隣接した歯または上に表示される歯に位置されることができ、単に1つの単一像によって、上下顎の歯の完全なカラー状況が、検出及び分析されることができる。単に1つの歯だけが修復を必要とするわけではなく、さらに、歯冠または義歯、または、一組の義歯も、修復されなければならない場合に、それは特に有利である。
【0064】
さらにあらゆる選ばれた方法で、拡声器52は音響信号を出力することができ、例えば、それはさらに検出カラー・サンプルを命名することもできる。
【0065】
図3は、どのように本発明のカラー・キー10が歯24上に装着されるかを示す。表示の実施態様において、カラー・キー10は、歯の前庭面26の中央に装着され、それによって、自由面28はその全ての面でカラー・キー10を囲むことになる。このことは、歯が異なる色合いを有するときに、特に有利である。ミニチュアのカラー・キーは、実際は異なる位置で、歯の唇側面上に装着されることができる。
【0066】
光学比較(直接的にまたはツールを使って)によって、人は、隣接した歯32の表面30とカラー・パターン12とのマッチングを検出するように処理し、そして表面30のための歯色が測定され、したがって検出される。
【0067】
特に有利なことは、光学的なサポートの場合に、これは同じ写真によって実現され、それから較正が必要とされないように、各自の歯カラーが自動的に検出される。
【0068】
図4は、どのような方法でカラー・キー10が対象38の範囲36を検出するために使用されるのかを示す。図示した実施例において、歯科用カラー・キー10は、歯の前庭面上に遠位的に装着され、それによって、特に歯色を評価することに最適な3つの面に比較的大きい自由な範囲26が形成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、記憶装置を有するコンピュータ装置および少なくとも一つの歯(24)および/または歯肉部と参照物体(12)が示されるディスプレイ(22)を含む歯科用カラー分析装置であって、
参照物体(12)を示す少なくとも一つの第1の画像部と、歯(24)を表示する少なくとも一つの第2の画像部と、歯部位または歯肉部が、コンピュータ装置を用いて検出されることができて、
参照物体が歯に取り付けられ、特にそれに付着されるとともに表示歯より小さいサイズを含み、
参照物体がお互いに続いて配置され、各自が歯科色を示す色サンプル(12)を含んでいる歯科用カラー・キー(10)であり、
最も第2の画像部のカラーにマッチするカラー・サンプル(12)がディスプレイに表示されることができるようにコンピュータ装置を用いて第2の特に選択可能な画像部(45)のカラーと表示のカラー・サンプル(12)が比較されることを特徴とする前記歯科カラー分析装置。
【請求項2】
カラー・サンプル(12)が特に境界線によって囲まれる空間的に限定の領域の形でディスプレイに示される請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
カラー・キー(10)が円盤状または薄片状に形成され、カラー・サンプル(12)が固定的にその上に取り付けられ、カラー・キー(10)が歯に取り付け可能な細い基盤体(14)を含む請求項1または請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
カラー・キー(10)のカラー・サンプル(12)がお互いに続いて配置されるとともにディスプレイで歯部位または歯茎の部位の表示の最高でも二倍に大きく、少なくともその半分サイズの寸法を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項5】
歯に取り付けられるカラー・キー(10)が参照歯の中央に取り付けられ、全てのカラー・サンプル(12)が参照歯の空きまたは露出部から多くてもその単一幅および/または高さで離れている請求項1〜4のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項6】
第1の画像部と最も類似のカラー・サンプル(12)が光学的および/または音響的に選択された方法で表示される一方、ポインタ・ユニットは第2の画像部、すなわち歯、歯部位または歯茎部位を標本化する請求項1〜5のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項7】
カラー・サンプル(12)の表示、特に選択されたカラー・サンプル(12)の表示に加えて、その指示(A1、A2、An)が特にディスプレイに光学的に表示されるか、および/または音響的に出力される請求項1〜6のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項8】
参照歯と修復される歯との間のカラー・サンプルを選んだ後にコンピュータ装置が分析装置の表示にマッチするカラーを示す請求項1〜7のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項9】
カラー・キー(10)が少なくとも3種、特に16種の異なるカラー・サンプル(12)を含み、特に少なくとも一つのカラー・サンプル(12)が漂白色に対応する請求項1〜8のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項10】
カラー・キー(10)が歯肉色に対応する少なくとも一つのカラー・サンプル(12)を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項11】
分析装置がカメラを含むか、またはカメラと対話する請求項1〜10のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項12】
修復される歯の明度グループを測定するカラー測定装置によって特徴づけられる請求項1〜11のいずれか一項に記載の分析装置。
【請求項13】
ハウジング、記憶装置を有するコンピュータ装置および少なくとも一つの歯および/または歯茎部と参照物体が表示されるディスプレイを含む歯科用カラーを分析する方法であって、
参照物体を示す少なくとも一つの第1の画像部と、歯を表示する少なくとも一つの第2の画像部と、歯部位または歯肉部は、コンピュータ装置を用いて検出され、特に歯がディスプレイに示される前に参照物体は歯に取り付けられるとともに表示歯より小さいサイズを含み、参照物体はお互いに続いて配置されるとともに各自に歯科用カラーを示すカラー・サンプル(12)を含む歯科用カラー・キーであり、
第2の画像部のカラーに最もマッチするカラー・サンプル(12)がコンピュータ装置によって表示または出力されるようにコンピュータ装置を用いて第2の、特に選択可能な画像部のカラーが表示カラー・サンプル(12)と比較されることを特徴とする前記歯科用カラーを分析する方法。
【請求項14】
コンピュータ装置が自動的に歯科用カラーに信号を送り、特に光学的におよび/または音響的に歯科用カラーを出力する請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−276608(P2010−276608A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123635(P2010−123635)
【出願日】平成22年5月29日(2010.5.29)
【出願人】(596032878)イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト (63)
【Fターム(参考)】