歯科用プローブ
【課題】歯の表面に付着した歯垢の検査に適した歯科用プローブを提供すること。
【解決手段】本発明の歯科用プローブ1は、柱状の把柄部2と把柄部2に連結された測定部3とを有している。測定部3は、把柄部2の軸線方向Xと交差する方向に延びる柱状の触針部31と、触針部31に連続し触針部31と交差する方向に延びる柱状の支持部32とを有している。測定部3は、把柄部2との連結部を回動支点として、触針部31及び支持部32それぞれの軸線を含む仮想平面に直交する方向に回動可能になされている。
【解決手段】本発明の歯科用プローブ1は、柱状の把柄部2と把柄部2に連結された測定部3とを有している。測定部3は、把柄部2の軸線方向Xと交差する方向に延びる柱状の触針部31と、触針部31に連続し触針部31と交差する方向に延びる柱状の支持部32とを有している。測定部3は、把柄部2との連結部を回動支点として、触針部31及び支持部32それぞれの軸線を含む仮想平面に直交する方向に回動可能になされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯に付着した歯垢の有無や付着高さ等を検査するための歯科用プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、図11に示すように、プローブと呼ばれる検査器具で歯肉溝の深さを測定することが行われている(例えば特許文献1参照)。歯周病等により歯肉溝が深くなることで歯周ポケットが形成され、歯肉溝の深さは歯周病の進行を把握する基準の一つになっている。
【0003】
図11に示すプローブ90は、歯科医師等が把持する柱状の把柄部91(図11では一端部のみ示す)と、把柄部91の一端に連結された測定部92とを有している。測定部92は、把柄部91の軸線方向Xと交差する方向に延びる柱状の触針部93と、触針部93に連続し触針部93と交差する方向に延びる柱状の支持部94とを有し、両部93,94からなる、への字に屈曲した屈曲部を有している。斯かる構成のプローブ90を用いた歯周ポケットの深さ測定においては、通常、図11に示すように、歯肉100と歯101との間(歯肉溝)に触針部93の先端を挿入し、その挿入深さの最大値を、触針部93の周面に設けられた目盛り(図示せず)によって測定し、その測定値を歯肉溝又は歯周ポケットの深さとしている。
【0004】
また、歯科用プローブとしては、歯周ポケットの深さ測定作業を容易にする等の観点から、図11に示すプローブ90において、測定部92が、把柄部91との連結部95を回動支点として、触針部93及びそれに連なる支持部94それぞれの軸線を含む仮想平面(即ち図11が記載された紙面に平行な面)方向に回動可能になされており、触針部93が図11中矢標Zで示す方向に回動可能になされているものが知られている(例えば特許文献2〜4参照)。このような測定部92の回動機構としては、例えば、スプリングを用いたヒンジ機構やボールジョイント機構等が提案されている。
【0005】
特許文献1〜4に記載の従来の歯科用プローブは、何れも、歯周ポケットの深さを測定することを主たる目的とし、その測定部の触針部が歯周ポケット内に挿入されて使用されることを前提として設計されており、特許文献2〜4に記載の測定部の回動機構も、そのような、測定部の歯周ポケット内への挿入と斯かる挿入状態における測定部の目盛り読み取り等を容易にする観点から、設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭40−20160号公報
【特許文献2】実開昭59−30215号公報
【特許文献3】特開昭57−161603号公報
【特許文献4】特開2007−82609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、プローブを用いて歯に付着した歯垢の有無やその付着高さ(付着量)等を検査することにより、例えば、付着した歯垢をとるための製品評価の指標としたり、ブラッシング指導のための評価に用いたり、又は、これらの評価によって虫歯や歯肉炎を予防する歯ブラシ、口腔用組成物、又はブラッシング方法を提案することができる。例えば図12に示すように、プローブ90の測定部92の触針部93の周面を、歯垢102が付着した歯101の表面に押し当て、触針部93の周面に設けられた目盛り(図示せず)によって歯垢102の付着高さHを測定することができる。そして、歯垢の付着高さは、歯垢の付着量の指標となる。斯かる歯垢検査に用いるプローブには、1)歯の表面の任意の部位に測定部を沿わせやすいこと、及び2)測定部を歯の表面に押し当てた状態で測定部に設けられた目盛りを読み取りやすいこと、等が要望されるところ、特許文献1〜4に記載の従来の歯科用プローブは、歯周ポケットの深さ測定を想定して設計されたものであって、これらの要望に十分に応えうるものではなかった。
【0008】
特許文献1に記載の歯科用プローブは、測定部92が把柄部91に対して回動不能に固定されているため、奥歯の測定等において歯の表面に触針部93を沿わせづらい場合や、触針部93の目盛りを読み取りにくい場合がある。また、特許文献2〜4に記載の歯科用プローブは、前述した回動機構によって測定部92の触針部93が、触針部93の周面による歯101の押圧方向(図12が記載された紙面に垂直な方向)と直交する方向(図12中矢標Zで示す方向)に可動するため、奥歯等の測定場所によっては、歯の表面に触針部93を沿わせづらい場合や、触針部93の目盛りを読み取りにくい場合がある。
【0009】
従って本発明の課題は、歯の表面の任意の部位に測定部を沿わせやすく、且つ測定時において測定部に設けられた目盛りを読み取りやすく、歯の表面に付着した歯垢の検査に適した歯科用プローブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、柱状の把柄部と把柄部に連結された測定部とを有し、測定部は、把柄部の軸線方向と交差する方向に延びる柱状の触針部と、触針部に連続し触針部と交差する方向に延びる柱状の支持部とを有している歯科用プローブであって、測定部は、把柄部との連結部を回動支点として、触針部及び支持部それぞれの軸線を含む仮想平面に直交する方向に回動可能とされている歯科用プローブを提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の歯科用プローブは、歯の表面の任意の部位に測定部を沿わせやすく、測定時において測定部に設けられた目盛りを読み取りやすく、歯の表面に付着した歯垢を容易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(a)及び図2(b)は、それぞれ、本発明の歯科用プローブの第1実施形態を示す図であり、図1(a)は、第1実施形態の側面図、図1(b)は、第1実施形態の上面図(図1(a)の矢標Z方向から見た図)である。
【図2】図2は、図1に示す歯科用プローブの分解図であり、一部を破断して示す分解平面図である。
【図3】図3(a)は、図1(a)に示す歯科用プローブの要部の一部を破断して示す側面視における断面図、図3(b)は、歯科用プローブの要部の一部を破断して示す上面視における断面図である。
【図4】図4は、図1に示す歯科用プローブの測定部の触針部を拡大して示す側面図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、それぞれ、本発明に係る触針部の具体例を示す図であり、図5(a)及び図5(b)それぞれにおいて、左側の図は、触針部の目盛りの上面図、右側の図は、目盛りの一部(谷部)の、触針部の軸線方向と直交する方向の断面図である。
【図6】図6は、図1に示す歯科用プローブの測定部の回動状態の説明図である。
【図7】図7(a)及び図7(b)は、それぞれ、本発明の歯科用プローブの第2実施形態を示す図であり、図7(a)は、第2実施形態の要部の一部を破断して示す側面視における断面図、図7(b)は、第2実施形態の要部の一部を破断して示す上面視における断面図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、それぞれ、本発明の歯科用プローブの第3実施形態を示す図であり、図8(a)は、第3実施形態の要部の一部を破断して示す側面視における断面図、図8(b)は、第3実施形態の要部の一部を破断して示す上面視における断面図である。
【図9】図9(a)及び図9(b)は、それぞれ、本発明の歯科用プローブの第4実施形態を示す図であり、図9(a)は、第4実施形態の要部の一部を破断して示す側面視における断面図、図9(b)は、第4実施形態の要部の一部を破断して示す上面視における断面図である。
【図10】図10(a)及び図10(b)は、それぞれ、本発明の歯科用プローブの第5実施形態を示す図であり、図10(a)は、第5実施形態の要部の一部を破断して示す側面視における断面図、図10(b)は、第5実施形態の要部の一部を破断して示す上面視における断面図である。
【図11】図11は、歯科用プローブを用いた歯周ポケットの深さ測定方法の一例を説明する図である。
【図12】図12は、歯科用プローブを用いた歯垢の付着高さ測定方法の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の歯科用プローブを、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。第1実施形態のプローブ1は、図1に示すように、柱状の把柄部2と把柄部2の前端部2aに連結された測定部3とを有している。測定部3は、把柄部2の軸線方向X(図1の左右方向)と交差する方向に延びる柱状の触針部31と、触針部31に連続し触針部31と交差する方向に延びる柱状の第1支持部32と、第1支持部32に連続し把柄部2の軸線方向Xに延びる柱状の第2支持部33とを有している。
【0014】
第1実施形態のプローブ1について更に説明すると、把柄部2は、図2及び図3に示すように、測定部3(第2支持部33)と回動可能に連結される柱状の支持体21と、把柄部2の外周面を形成する中空柱状の外装体22を含んで構成されており、支持体21は、外装体22の中空部22Sに収容される。支持体21の前端部21aは測定部3と連結される端部であり、前端部21aには、斯かる連結に使用される構造として、前端部21aの一部を切り欠いて形成された切り欠き部23と、前端部21aにおける切り欠き部23の存する部位を軸線方向Xと直交する方向(図2の上下方向)に貫通する貫通孔24(図2参照)とが設けられている。貫通孔24は、軸線方向Xに沿う断面形状が円形となっている。
【0015】
図2に示すように、外装体22の中空部22Sは、外装体22の軸線方向Xの全長に亘って形成されており、外装体22の軸線方向Xの両端部(前端部22a及び後端部22b)は何れも開放端部となっている。外装体22(中空部22S)の軸線方向Xの全長は、支持体21の軸線方向Xの全長よりも長く、中空部22Sに支持体21を、支持体21の後端部21bの端面と外装体22の後端部22bの端面とが面一になるように揃えて収容した場合に、外装体22の前端部22aの中空部22Sには、支持体21が存していない空間が生じる。この空間は、測定部3(第2支持部33)の端部が挿入・収容される開口部20となる。一方、開放端部である外装体22の後端部22bは、図2に示すように、軸線方向の一端が閉じた中空柱状の蓋体25が被せられることによって閉塞されている。把柄部2(外装体22)の軸線方向Xの全長は、作業性の観点から、好ましくは5〜20cm、更に好ましくは8〜15cmである。
【0016】
開口部20(外装体22の前端部22aの中空部22S)の内部には、図2及び図3に示すように、中空柱状の壁材26が、その軸線方向を外装体22の軸線方向Xに一致させて挿入・収容されており、壁材26は、外装体22と共に、開口部20の側壁を構成しており、この側壁(外装体22及び壁材26)は、後述するように、測定部3の回動を規制する回動規制部となっている。壁材26としては、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド等の硬質合成樹脂、ステンレス、チタン、黄銅、リン青銅等の金属、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等のセラミックを用いることが可能であり、成形性、軽量性から硬質合成樹脂が好適である。
【0017】
開口部20に挿入・収容される測定部3(第2支持部33)の端部は、図2及び図3に示すように、相対的に外径が大きい大径部34と、大径部34よりも外径が小さい小径部35とを有している。大径部34及び小径部35は、何れも把柄部2の軸線方向Xに直交する方向の断面形状が円形である。小径部35は、大径部34よりも触針部31から遠い位置にある。小径部35には、図2に示すように、小径部35を軸線方向Xと直交する方向に貫通し且つ支持体21の貫通孔24と略同径であり、前記断面形状が円形の貫通孔36が設けられている。
【0018】
測定部3の端部(大径部34及び小径部35)は、図3に示すように、開口部20の内部に挿入・収容されており、開口部20の内部にて開口部20の側壁(外装体22及び壁材26)に包囲されている。測定部3は、開口部20の内部に収容された端部以外の部分は、開口部20の開口端から外方に突出している。大径部34の周面の全域は、開口部20の側壁(外装体22)に密着しており、これにより開口部20の内部への水等の液体の侵入が防止されている。特に、後述するように、開口部20の側壁(外装体22)がゴム等の弾性部材を含んで構成されている場合には、開口部20の側壁と大径部34との密着性が一層高まるため、液体の侵入防止効果が一層高められる。
【0019】
測定部3は、ステンレス、チタン、黄銅、リン青銅等の金属、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド等の硬質合成樹脂等から形成されており、各部が一体的に形成されている。触針部31及び第1支持部32からなる部位(測定部3の先端部)は、プローブ1の使用時において通常口腔内に挿入される部位であり、測定部3は全体としてへの字状部位を有している。測定作業の容易、測定精度の向上等の観点から、触針部31と第1支持部32とのなす角度θ1(図1(a)参照)は、好ましくは70〜110°、更に好ましくは80〜100°であり、第1支持部32と第2支持部33とのなす角度θ2(図1(a)参照)は、好ましくは120〜160°、更に好ましくは130〜150°である。
【0020】
図4に示すように、触針部31は、第1支持部32との連続部分(測定部3の先端部の屈曲部分)から先端にかけて徐々に細くなっている。触針部31の長さLは、好ましくは3〜15mmである。触針部31の先端は、図4に示すように、外方に向けて凸の曲面に形成されている。このように、触針部31の先端が凸曲面で形成されていると、測定時に触針部31の歯肉への当たりをソフトにすることができる。
【0021】
触針部31の周面には、図4に示すように、触針部31の軸線方向に沿った被測定物(例えば、歯の表面に付着した歯垢)の高さや長さを測定するための目盛り37が設けられている。目盛り37は、触針部31の周面にその全周に亘って形成された谷部37aと、谷部37aよりも触針部31の軸線方向と直交する方向の外方に突出する山部37bとが、軸線方向に交互に配置されて構成されている。目盛り37の読み取りを一層容易にする観点から、目盛り37を触針部31の地色とは異なる色に着色しても良い。例えば、複数の谷部37bの底部をそれぞれ異なる色で着色しても良い。
【0022】
触針部31の軸線方向と直交する方向の断面形状は、特に制限されないが、円形又は四角形以上の多角形が好ましい。また、触針部31の前記断面形状は、その全体に亘って一定の形状で無くても良く、円形と多角形とが混在していても良い。例えば、図4に示す目盛り37は、相対的に細い部分である谷部37aの前記断面形状を四角形、相対的に太い部分である山部37bの前記断面形状を円形とすることができる。触針部31の前記断面形状が円形の場合、その直径は、好ましくは0.3〜2mm、更に好ましくは0.5〜1mmである。また、触針部31の前記断面形状が四角形以上の多角形の場合、その断面積は、円形形状の場合と同様の範囲にあることが好ましい。
【0023】
図5には、触針部31の具体例が示されている。図5(a)に示す触針部31においては、目盛り37を構成する谷部37aの軸線方向と直交する方向の断面形状が円形となっており、また、図5(b)に示す触針部31においては、谷部37aの前記断面形状が八角形となっている。図5(a)及び図5(b)の何れにおいても、目盛り37を構成する山部37bの前記断面形状は円形となっている。
【0024】
第1実施形態における把柄部2(支持体21)と測定部3(第2支持部33)との連結は、図2に示すように、測定部3の端部(小径部35)を支持体21の切り欠き部23に挿入して、支持体21の貫通孔24と小径部35の貫通孔36とを一致させ、両貫通孔24,36に柱状の支軸30を挿入して形成されている。これにより、測定部3は、把柄部2との連結部(支軸30)を回動支点として、「触針部31及び第1支持部32それぞれの軸線を含む面」(以下、「仮想平面」又は「第1仮想平面」ともいう)に直交する方向に回動可能とされている。第1仮想平面は、図1(a)が記載された紙面に平行な面であり、第1仮想平面に直交する方向は、図1(b)中矢標Yで示す方向である。即ち、測定部3の触針部31の先端は、触針部31の先端を含み且つ第1仮想平面に直交する第2仮想平面において、回動可能とされている。一方、測定部3(触針部31の先端)は、第1仮想平面に沿う方向(図1(a)中矢標Zで示す方向)には回動不能である。
【0025】
測定部3の支軸30を回動支点とする、第1仮想平面に直交する方向の回動は、特に規制されていなければ、その最大回動角度が180°を超えるものであるが、測定部3の回動範囲は、i)測定部3を歯の表面に沿わせた位置で固定しやすくする観点、及びii)触針部31の目盛り37を安定して読み取り可能にする観点から、所定範囲に規制することが好ましい。第1実施形態においては、測定部3の回動を規制し、その回動範囲を所定範囲に抑えている。ここで、最大回動角度は、測定部3の回動が規制されていない状態における、測定部3が回動できる範囲の角度である。具体的には、最大回動角度は、測定部3の回動が規制されていない場合に、把柄部2の軸線を基準とした測定部3の回動できる最大の角度であって、「第1仮想平面に直交する一方向(図3(b)中矢標Y1で示す方向)において触針部31の先端が把柄部2の軸線から最も離れたときの位置」と、「第1仮想平面に直交し、一方向Y1とは反対側の他方向(図3(b)中矢標Y2で示す方向)において触針部31の先端が把柄部2の軸線から最も離れたときの位置」とのなす角度である。
【0026】
第1実施形態における把柄部2は、測定部3の回動を規制する手段として、2つの回動規制部を有している。そのうちの1つは、測定部3を第1仮想平面に直交する方向に回動させた際に、測定部3の最大回動角度内の所定の回動角度の位置で測定部3に当接して測定部3の回動を規制する、「当接による回動規制部」であり、他の1つは、所定位置に配置された弾性部材により測定部3の回動を規制する、「弾性部材による回動規制部」である。
【0027】
第1実施形態における前記「当接による回動規制部」は、測定部3の端部(大径部34及び小径部35)を包囲している、開口部20の側壁(外装体22、壁材26)である。即ち、図3(b)に示す如き測定部3の自然状態(第2支持部33の軸線方向が把柄部2の軸線方向Xと一致している状態)から、測定部3に外力を作用させて、測定部3を把柄部2との連結部(支軸30)を回動支点として第1仮想平面に直交する一方向(図3(b)中矢標Y1で示す方向)に所定量回動させると、開口部20の内部において、測定部3の端部(小径部35)が開口部20の側壁(壁材26)に当接し、これにより測定部3の一方向Y1への所定量を超えた回動が規制される。測定部3の第1仮想平面に直交する他方向(図3(b)中矢標Y2で示す方向)の回動についても、同様に規制される。測定部3の回動方向における、開口部20の側壁(壁材26)とこの側壁に対向する測定部3の端部(小径部35)との間には、隙間29が設けられており、測定部3の回動角度の上限は、この隙間29の大きさ(隙間29の軸線方向Xと直交する方向の長さ)によって調整することができる。
【0028】
また、第1実施形態における前記「弾性部材による回動規制部」は、開口部20の側壁を構成する外装体22である。第1実施形態においては、外装体22が弾性部材を備えて構成されており、「回動規制部が弾性部材を備えて構成されている」(弾性部材による回動規制部)も、「測定部3の端部が開口部20の内部にて開口部20の側壁に包囲されている」(当接による回動規制部)と同様に、測定部3の回動を規制する手段の一つとなっている。即ち、外装体22が弾性部材を備えて構成されていることによって、開口部20の内部にて測定部3の端部を包囲している外装体22自体、特に外装体22の先端領域が弾性を有していると、図3(b)に示す如き測定部3の自然状態から、測定部3に外力を作用させて、測定部3を図3(b)中矢標Y1で示す方向に回動させた場合に、外装体22が弾性変形し、このとき測定部3(第2支持部33)には、矢標Y1で示す方向とは反対方向である、矢標Y2で示す方向に応力が発生し、これにより測定部3の矢標Y1で示す方向への回動が抑制される。そして、測定部3に作用させていた外力を取り除くと、外装体の22の弾性回復力により、測定部3は自然状態(第2支持部33の軸線方向が把柄部2の軸線方向Xと一致している状態)に速やかに復帰する。回動規制部(外装体22)に用いられる弾性部材の材料としては、例えば、硬度ショアA50〜80のシリコンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等が挙げられる。
【0029】
第1実施形態においては、図3(a)と図3(b)との対比から明らかなように、回動規制部として機能する、開口部20の側壁を構成する外装体22(弾性部材)の厚みが部分的に異なっている。即ち、開口部20の側壁を構成する外装体22において、測定部3の回動方向(第1仮想平面に直交する方向。図3(b)中矢標Yで示す方向。)に存する部位(図3(b)において支軸30の上下に位置する部位)は、測定部3の回動方向に直交する方向(第1仮想平面に沿う方向。図3(a)中矢標Zで示す方向。)に存する部位(図3(a)において支軸30の上下に位置する部位)に比して、厚みが薄い。このように、測定部3の回動方向に存する外装体22(弾性部材)の厚みを相対的に薄くすることで、回動時に適度な抵抗をもたせつつ測定部3を回動可能にしている。
【0030】
測定部3の回動可能角度θ3(図6参照)は、測定精度及び作業性の観点から、好ましくは0.5〜5°、更に好ましくは2〜4°である。同様の観点から、触針部31の先端の回動可能距離W(図6参照)は、好ましくは0.5〜5mm、更に好ましくは1〜4mmである。測定部3の回動可能角度θ3及び回動可能距離Wは、隙間29(図3(b)参照)の大きさ、回動規制部〔(開口部20の側壁(外装体22、壁材26)〕の材質等を適宜選択することにより調整することができる。ここで、回動可能距離Wは、前記第2仮想平面(触針部31の先端を含み且つ第1仮想平面に直交する仮想平面)において、測定部3を回動可能角度θ3の範囲内で回動させた場合における触針部31の、図3(b)に示す一方向Y1の最外側の位置と他方向Y2の最外側の位置との間の距離である。
【0031】
第1実施形態のプローブ1は、触針部31を歯の表面に押し当て歯の表面に付着した歯垢の高さ(付着高さ)を測定する、歯垢検査に好適である。斯かる歯垢検査で得られる歯垢の付着高さの測定値から、歯垢の有無や歯垢の付着量等を把握できる。プローブ1を用いた斯かる歯垢検査は、図12に示すように実施される。即ち、把柄部2を手で把持し、測定部3の触針部31の周面を、歯垢が付着した歯の表面に押し当て、触針部31の周面に設けられた目盛り37によって歯垢の付着高さ(付着量)を測定する。第1実施形態のプローブ1によれば、測定部3が、測定部3を含む第1仮想平面に直交する方向(図1(b)中矢標Yで示す方向)に回動可能であるため、触針部31の周面を歯の表面に軽く押し当てた状態で、把柄部2(支持体21)と測定部3(第2支持部33)とのなす角度を適宜調整することができ、そのため、触針部31を歯の表面に沿わせやすく、把柄部2を、測定部3との関係で目盛り37を視認容易な位置に調整することが容易であり、精度の高い測定を可能とする。
【0032】
特に、第1実施形態のプローブ1は、把柄部2の開口部20の周壁(外装体22、壁材26)が、測定部3の第1仮想平面に直交する方向の回動を規制する回動規制部として機能し、更には、外装体22が弾性部材を備えて構成されているため、精度の高い歯垢検査を容易に実施することができる。
【0033】
図7〜図10には、本発明の歯科用プローブの他の実施形態が示されている。後述する他の実施形態については、前述した第1実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、第1実施形態と同じ構成である。
【0034】
図7は、本発明の歯科用プローブの第2実施形態を示し、第1実施形態の図3相当図である。第2実施形態のプローブ1Aにおいては、把柄部2(支持体21)と測定部3(第2支持部33)とが弾性部材を介して連結されている。即ち、プローブ1Aにおいては、支持体21の前端部21aと第2支持部33の小径部35との間は、図7に示すように、弾性部材としての板バネ4で接合されている。板バネ4は、図7(a)中符号Zで示す方向(第1仮想平面に沿う方向)には湾曲せず、図7(b)中符号Yで示す方向(第1仮想平面に直交する方向)に湾曲する。板バネ4としては公知のものを用いることができる。第2実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0035】
図8は、本発明の歯科用プローブの第3実施形態を示し、第1実施形態の図3相当図である。第3実施形態のプローブ1Bは、第2実施形態のプローブ1Aにおける板バネ4に代えて弾性部材としてコイルスプリング5を採用したものである。コイルスプリング5としては公知のものを用いることができる。第3実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0036】
図9は、本発明の歯科用プローブの第4実施形態を示し、第1実施形態の図3相当図である。第4実施形態のプローブ1Cにおいては、把柄部2(支持体21)と測定部3(第2支持部33)とが互いに嵌合可能な凸部及び凹部を介して連結されている。即ち、プローブ1Cにおいては、支持体21の前端部2aの先端が球状に形成されて嵌合凸部27とされていると共に、測定部3の端部先端に位置する小径部35の端面に、嵌合凸部27が嵌合する嵌合凹部38が形成されており、嵌合凸部27が嵌合凹部38に嵌合されることにより、把柄部2(支持体21)と測定部3(第2支持部33)とが連結されている。第4実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0037】
図10は、本発明の歯科用プローブの第5実施形態を示し、第1実施形態の図3相当図である。第5実施形態のプローブ1Dは、測定部3と把柄部2との連結構成は第1実施形態と同じである。第5実施形態のプローブ1Dは、測定部3が支軸30を回動支点として第1仮想平面に直交する方向(図10(b)中矢標Yで示す方向)に回動可能に構成されている。一方、第5実施形態のプローブ1Dは、壁材26が金属又は硬質合成樹脂からなり、ゴム等の弾性部材で構成される外装体22の前端部22aの外面を被覆するように設けられている点で第1実施形態と異なる。図10(b)に示すように、外側に位置する壁材26と内側に位置する外装体22との間には、測定部3の回動角度の上限に影響を及ぼす隙間29が設けられている。第5実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0038】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、測定部3は第2支持部33を有していなくても良く、第1支持部32が支持体21と連結され、把柄部2の前端部2aから軸線方向Xに直接延びていても良い。
【符号の説明】
【0039】
1,1A,1B,1C,1D 歯科用プローブ
2 把柄部
20 開口部
21 支持体
22 外装体
22S 外装体の中空部
3 測定部
30 支軸
31 触針部
32 第1支持部
33 第2支持部
34 大径部(測定部の端部)
35 小径部(測定部の端部)
37 目盛り
4 板バネ
5 コイルスプリング
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯に付着した歯垢の有無や付着高さ等を検査するための歯科用プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、図11に示すように、プローブと呼ばれる検査器具で歯肉溝の深さを測定することが行われている(例えば特許文献1参照)。歯周病等により歯肉溝が深くなることで歯周ポケットが形成され、歯肉溝の深さは歯周病の進行を把握する基準の一つになっている。
【0003】
図11に示すプローブ90は、歯科医師等が把持する柱状の把柄部91(図11では一端部のみ示す)と、把柄部91の一端に連結された測定部92とを有している。測定部92は、把柄部91の軸線方向Xと交差する方向に延びる柱状の触針部93と、触針部93に連続し触針部93と交差する方向に延びる柱状の支持部94とを有し、両部93,94からなる、への字に屈曲した屈曲部を有している。斯かる構成のプローブ90を用いた歯周ポケットの深さ測定においては、通常、図11に示すように、歯肉100と歯101との間(歯肉溝)に触針部93の先端を挿入し、その挿入深さの最大値を、触針部93の周面に設けられた目盛り(図示せず)によって測定し、その測定値を歯肉溝又は歯周ポケットの深さとしている。
【0004】
また、歯科用プローブとしては、歯周ポケットの深さ測定作業を容易にする等の観点から、図11に示すプローブ90において、測定部92が、把柄部91との連結部95を回動支点として、触針部93及びそれに連なる支持部94それぞれの軸線を含む仮想平面(即ち図11が記載された紙面に平行な面)方向に回動可能になされており、触針部93が図11中矢標Zで示す方向に回動可能になされているものが知られている(例えば特許文献2〜4参照)。このような測定部92の回動機構としては、例えば、スプリングを用いたヒンジ機構やボールジョイント機構等が提案されている。
【0005】
特許文献1〜4に記載の従来の歯科用プローブは、何れも、歯周ポケットの深さを測定することを主たる目的とし、その測定部の触針部が歯周ポケット内に挿入されて使用されることを前提として設計されており、特許文献2〜4に記載の測定部の回動機構も、そのような、測定部の歯周ポケット内への挿入と斯かる挿入状態における測定部の目盛り読み取り等を容易にする観点から、設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭40−20160号公報
【特許文献2】実開昭59−30215号公報
【特許文献3】特開昭57−161603号公報
【特許文献4】特開2007−82609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、プローブを用いて歯に付着した歯垢の有無やその付着高さ(付着量)等を検査することにより、例えば、付着した歯垢をとるための製品評価の指標としたり、ブラッシング指導のための評価に用いたり、又は、これらの評価によって虫歯や歯肉炎を予防する歯ブラシ、口腔用組成物、又はブラッシング方法を提案することができる。例えば図12に示すように、プローブ90の測定部92の触針部93の周面を、歯垢102が付着した歯101の表面に押し当て、触針部93の周面に設けられた目盛り(図示せず)によって歯垢102の付着高さHを測定することができる。そして、歯垢の付着高さは、歯垢の付着量の指標となる。斯かる歯垢検査に用いるプローブには、1)歯の表面の任意の部位に測定部を沿わせやすいこと、及び2)測定部を歯の表面に押し当てた状態で測定部に設けられた目盛りを読み取りやすいこと、等が要望されるところ、特許文献1〜4に記載の従来の歯科用プローブは、歯周ポケットの深さ測定を想定して設計されたものであって、これらの要望に十分に応えうるものではなかった。
【0008】
特許文献1に記載の歯科用プローブは、測定部92が把柄部91に対して回動不能に固定されているため、奥歯の測定等において歯の表面に触針部93を沿わせづらい場合や、触針部93の目盛りを読み取りにくい場合がある。また、特許文献2〜4に記載の歯科用プローブは、前述した回動機構によって測定部92の触針部93が、触針部93の周面による歯101の押圧方向(図12が記載された紙面に垂直な方向)と直交する方向(図12中矢標Zで示す方向)に可動するため、奥歯等の測定場所によっては、歯の表面に触針部93を沿わせづらい場合や、触針部93の目盛りを読み取りにくい場合がある。
【0009】
従って本発明の課題は、歯の表面の任意の部位に測定部を沿わせやすく、且つ測定時において測定部に設けられた目盛りを読み取りやすく、歯の表面に付着した歯垢の検査に適した歯科用プローブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、柱状の把柄部と把柄部に連結された測定部とを有し、測定部は、把柄部の軸線方向と交差する方向に延びる柱状の触針部と、触針部に連続し触針部と交差する方向に延びる柱状の支持部とを有している歯科用プローブであって、測定部は、把柄部との連結部を回動支点として、触針部及び支持部それぞれの軸線を含む仮想平面に直交する方向に回動可能とされている歯科用プローブを提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の歯科用プローブは、歯の表面の任意の部位に測定部を沿わせやすく、測定時において測定部に設けられた目盛りを読み取りやすく、歯の表面に付着した歯垢を容易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(a)及び図2(b)は、それぞれ、本発明の歯科用プローブの第1実施形態を示す図であり、図1(a)は、第1実施形態の側面図、図1(b)は、第1実施形態の上面図(図1(a)の矢標Z方向から見た図)である。
【図2】図2は、図1に示す歯科用プローブの分解図であり、一部を破断して示す分解平面図である。
【図3】図3(a)は、図1(a)に示す歯科用プローブの要部の一部を破断して示す側面視における断面図、図3(b)は、歯科用プローブの要部の一部を破断して示す上面視における断面図である。
【図4】図4は、図1に示す歯科用プローブの測定部の触針部を拡大して示す側面図である。
【図5】図5(a)及び図5(b)は、それぞれ、本発明に係る触針部の具体例を示す図であり、図5(a)及び図5(b)それぞれにおいて、左側の図は、触針部の目盛りの上面図、右側の図は、目盛りの一部(谷部)の、触針部の軸線方向と直交する方向の断面図である。
【図6】図6は、図1に示す歯科用プローブの測定部の回動状態の説明図である。
【図7】図7(a)及び図7(b)は、それぞれ、本発明の歯科用プローブの第2実施形態を示す図であり、図7(a)は、第2実施形態の要部の一部を破断して示す側面視における断面図、図7(b)は、第2実施形態の要部の一部を破断して示す上面視における断面図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、それぞれ、本発明の歯科用プローブの第3実施形態を示す図であり、図8(a)は、第3実施形態の要部の一部を破断して示す側面視における断面図、図8(b)は、第3実施形態の要部の一部を破断して示す上面視における断面図である。
【図9】図9(a)及び図9(b)は、それぞれ、本発明の歯科用プローブの第4実施形態を示す図であり、図9(a)は、第4実施形態の要部の一部を破断して示す側面視における断面図、図9(b)は、第4実施形態の要部の一部を破断して示す上面視における断面図である。
【図10】図10(a)及び図10(b)は、それぞれ、本発明の歯科用プローブの第5実施形態を示す図であり、図10(a)は、第5実施形態の要部の一部を破断して示す側面視における断面図、図10(b)は、第5実施形態の要部の一部を破断して示す上面視における断面図である。
【図11】図11は、歯科用プローブを用いた歯周ポケットの深さ測定方法の一例を説明する図である。
【図12】図12は、歯科用プローブを用いた歯垢の付着高さ測定方法の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の歯科用プローブを、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。第1実施形態のプローブ1は、図1に示すように、柱状の把柄部2と把柄部2の前端部2aに連結された測定部3とを有している。測定部3は、把柄部2の軸線方向X(図1の左右方向)と交差する方向に延びる柱状の触針部31と、触針部31に連続し触針部31と交差する方向に延びる柱状の第1支持部32と、第1支持部32に連続し把柄部2の軸線方向Xに延びる柱状の第2支持部33とを有している。
【0014】
第1実施形態のプローブ1について更に説明すると、把柄部2は、図2及び図3に示すように、測定部3(第2支持部33)と回動可能に連結される柱状の支持体21と、把柄部2の外周面を形成する中空柱状の外装体22を含んで構成されており、支持体21は、外装体22の中空部22Sに収容される。支持体21の前端部21aは測定部3と連結される端部であり、前端部21aには、斯かる連結に使用される構造として、前端部21aの一部を切り欠いて形成された切り欠き部23と、前端部21aにおける切り欠き部23の存する部位を軸線方向Xと直交する方向(図2の上下方向)に貫通する貫通孔24(図2参照)とが設けられている。貫通孔24は、軸線方向Xに沿う断面形状が円形となっている。
【0015】
図2に示すように、外装体22の中空部22Sは、外装体22の軸線方向Xの全長に亘って形成されており、外装体22の軸線方向Xの両端部(前端部22a及び後端部22b)は何れも開放端部となっている。外装体22(中空部22S)の軸線方向Xの全長は、支持体21の軸線方向Xの全長よりも長く、中空部22Sに支持体21を、支持体21の後端部21bの端面と外装体22の後端部22bの端面とが面一になるように揃えて収容した場合に、外装体22の前端部22aの中空部22Sには、支持体21が存していない空間が生じる。この空間は、測定部3(第2支持部33)の端部が挿入・収容される開口部20となる。一方、開放端部である外装体22の後端部22bは、図2に示すように、軸線方向の一端が閉じた中空柱状の蓋体25が被せられることによって閉塞されている。把柄部2(外装体22)の軸線方向Xの全長は、作業性の観点から、好ましくは5〜20cm、更に好ましくは8〜15cmである。
【0016】
開口部20(外装体22の前端部22aの中空部22S)の内部には、図2及び図3に示すように、中空柱状の壁材26が、その軸線方向を外装体22の軸線方向Xに一致させて挿入・収容されており、壁材26は、外装体22と共に、開口部20の側壁を構成しており、この側壁(外装体22及び壁材26)は、後述するように、測定部3の回動を規制する回動規制部となっている。壁材26としては、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド等の硬質合成樹脂、ステンレス、チタン、黄銅、リン青銅等の金属、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等のセラミックを用いることが可能であり、成形性、軽量性から硬質合成樹脂が好適である。
【0017】
開口部20に挿入・収容される測定部3(第2支持部33)の端部は、図2及び図3に示すように、相対的に外径が大きい大径部34と、大径部34よりも外径が小さい小径部35とを有している。大径部34及び小径部35は、何れも把柄部2の軸線方向Xに直交する方向の断面形状が円形である。小径部35は、大径部34よりも触針部31から遠い位置にある。小径部35には、図2に示すように、小径部35を軸線方向Xと直交する方向に貫通し且つ支持体21の貫通孔24と略同径であり、前記断面形状が円形の貫通孔36が設けられている。
【0018】
測定部3の端部(大径部34及び小径部35)は、図3に示すように、開口部20の内部に挿入・収容されており、開口部20の内部にて開口部20の側壁(外装体22及び壁材26)に包囲されている。測定部3は、開口部20の内部に収容された端部以外の部分は、開口部20の開口端から外方に突出している。大径部34の周面の全域は、開口部20の側壁(外装体22)に密着しており、これにより開口部20の内部への水等の液体の侵入が防止されている。特に、後述するように、開口部20の側壁(外装体22)がゴム等の弾性部材を含んで構成されている場合には、開口部20の側壁と大径部34との密着性が一層高まるため、液体の侵入防止効果が一層高められる。
【0019】
測定部3は、ステンレス、チタン、黄銅、リン青銅等の金属、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド等の硬質合成樹脂等から形成されており、各部が一体的に形成されている。触針部31及び第1支持部32からなる部位(測定部3の先端部)は、プローブ1の使用時において通常口腔内に挿入される部位であり、測定部3は全体としてへの字状部位を有している。測定作業の容易、測定精度の向上等の観点から、触針部31と第1支持部32とのなす角度θ1(図1(a)参照)は、好ましくは70〜110°、更に好ましくは80〜100°であり、第1支持部32と第2支持部33とのなす角度θ2(図1(a)参照)は、好ましくは120〜160°、更に好ましくは130〜150°である。
【0020】
図4に示すように、触針部31は、第1支持部32との連続部分(測定部3の先端部の屈曲部分)から先端にかけて徐々に細くなっている。触針部31の長さLは、好ましくは3〜15mmである。触針部31の先端は、図4に示すように、外方に向けて凸の曲面に形成されている。このように、触針部31の先端が凸曲面で形成されていると、測定時に触針部31の歯肉への当たりをソフトにすることができる。
【0021】
触針部31の周面には、図4に示すように、触針部31の軸線方向に沿った被測定物(例えば、歯の表面に付着した歯垢)の高さや長さを測定するための目盛り37が設けられている。目盛り37は、触針部31の周面にその全周に亘って形成された谷部37aと、谷部37aよりも触針部31の軸線方向と直交する方向の外方に突出する山部37bとが、軸線方向に交互に配置されて構成されている。目盛り37の読み取りを一層容易にする観点から、目盛り37を触針部31の地色とは異なる色に着色しても良い。例えば、複数の谷部37bの底部をそれぞれ異なる色で着色しても良い。
【0022】
触針部31の軸線方向と直交する方向の断面形状は、特に制限されないが、円形又は四角形以上の多角形が好ましい。また、触針部31の前記断面形状は、その全体に亘って一定の形状で無くても良く、円形と多角形とが混在していても良い。例えば、図4に示す目盛り37は、相対的に細い部分である谷部37aの前記断面形状を四角形、相対的に太い部分である山部37bの前記断面形状を円形とすることができる。触針部31の前記断面形状が円形の場合、その直径は、好ましくは0.3〜2mm、更に好ましくは0.5〜1mmである。また、触針部31の前記断面形状が四角形以上の多角形の場合、その断面積は、円形形状の場合と同様の範囲にあることが好ましい。
【0023】
図5には、触針部31の具体例が示されている。図5(a)に示す触針部31においては、目盛り37を構成する谷部37aの軸線方向と直交する方向の断面形状が円形となっており、また、図5(b)に示す触針部31においては、谷部37aの前記断面形状が八角形となっている。図5(a)及び図5(b)の何れにおいても、目盛り37を構成する山部37bの前記断面形状は円形となっている。
【0024】
第1実施形態における把柄部2(支持体21)と測定部3(第2支持部33)との連結は、図2に示すように、測定部3の端部(小径部35)を支持体21の切り欠き部23に挿入して、支持体21の貫通孔24と小径部35の貫通孔36とを一致させ、両貫通孔24,36に柱状の支軸30を挿入して形成されている。これにより、測定部3は、把柄部2との連結部(支軸30)を回動支点として、「触針部31及び第1支持部32それぞれの軸線を含む面」(以下、「仮想平面」又は「第1仮想平面」ともいう)に直交する方向に回動可能とされている。第1仮想平面は、図1(a)が記載された紙面に平行な面であり、第1仮想平面に直交する方向は、図1(b)中矢標Yで示す方向である。即ち、測定部3の触針部31の先端は、触針部31の先端を含み且つ第1仮想平面に直交する第2仮想平面において、回動可能とされている。一方、測定部3(触針部31の先端)は、第1仮想平面に沿う方向(図1(a)中矢標Zで示す方向)には回動不能である。
【0025】
測定部3の支軸30を回動支点とする、第1仮想平面に直交する方向の回動は、特に規制されていなければ、その最大回動角度が180°を超えるものであるが、測定部3の回動範囲は、i)測定部3を歯の表面に沿わせた位置で固定しやすくする観点、及びii)触針部31の目盛り37を安定して読み取り可能にする観点から、所定範囲に規制することが好ましい。第1実施形態においては、測定部3の回動を規制し、その回動範囲を所定範囲に抑えている。ここで、最大回動角度は、測定部3の回動が規制されていない状態における、測定部3が回動できる範囲の角度である。具体的には、最大回動角度は、測定部3の回動が規制されていない場合に、把柄部2の軸線を基準とした測定部3の回動できる最大の角度であって、「第1仮想平面に直交する一方向(図3(b)中矢標Y1で示す方向)において触針部31の先端が把柄部2の軸線から最も離れたときの位置」と、「第1仮想平面に直交し、一方向Y1とは反対側の他方向(図3(b)中矢標Y2で示す方向)において触針部31の先端が把柄部2の軸線から最も離れたときの位置」とのなす角度である。
【0026】
第1実施形態における把柄部2は、測定部3の回動を規制する手段として、2つの回動規制部を有している。そのうちの1つは、測定部3を第1仮想平面に直交する方向に回動させた際に、測定部3の最大回動角度内の所定の回動角度の位置で測定部3に当接して測定部3の回動を規制する、「当接による回動規制部」であり、他の1つは、所定位置に配置された弾性部材により測定部3の回動を規制する、「弾性部材による回動規制部」である。
【0027】
第1実施形態における前記「当接による回動規制部」は、測定部3の端部(大径部34及び小径部35)を包囲している、開口部20の側壁(外装体22、壁材26)である。即ち、図3(b)に示す如き測定部3の自然状態(第2支持部33の軸線方向が把柄部2の軸線方向Xと一致している状態)から、測定部3に外力を作用させて、測定部3を把柄部2との連結部(支軸30)を回動支点として第1仮想平面に直交する一方向(図3(b)中矢標Y1で示す方向)に所定量回動させると、開口部20の内部において、測定部3の端部(小径部35)が開口部20の側壁(壁材26)に当接し、これにより測定部3の一方向Y1への所定量を超えた回動が規制される。測定部3の第1仮想平面に直交する他方向(図3(b)中矢標Y2で示す方向)の回動についても、同様に規制される。測定部3の回動方向における、開口部20の側壁(壁材26)とこの側壁に対向する測定部3の端部(小径部35)との間には、隙間29が設けられており、測定部3の回動角度の上限は、この隙間29の大きさ(隙間29の軸線方向Xと直交する方向の長さ)によって調整することができる。
【0028】
また、第1実施形態における前記「弾性部材による回動規制部」は、開口部20の側壁を構成する外装体22である。第1実施形態においては、外装体22が弾性部材を備えて構成されており、「回動規制部が弾性部材を備えて構成されている」(弾性部材による回動規制部)も、「測定部3の端部が開口部20の内部にて開口部20の側壁に包囲されている」(当接による回動規制部)と同様に、測定部3の回動を規制する手段の一つとなっている。即ち、外装体22が弾性部材を備えて構成されていることによって、開口部20の内部にて測定部3の端部を包囲している外装体22自体、特に外装体22の先端領域が弾性を有していると、図3(b)に示す如き測定部3の自然状態から、測定部3に外力を作用させて、測定部3を図3(b)中矢標Y1で示す方向に回動させた場合に、外装体22が弾性変形し、このとき測定部3(第2支持部33)には、矢標Y1で示す方向とは反対方向である、矢標Y2で示す方向に応力が発生し、これにより測定部3の矢標Y1で示す方向への回動が抑制される。そして、測定部3に作用させていた外力を取り除くと、外装体の22の弾性回復力により、測定部3は自然状態(第2支持部33の軸線方向が把柄部2の軸線方向Xと一致している状態)に速やかに復帰する。回動規制部(外装体22)に用いられる弾性部材の材料としては、例えば、硬度ショアA50〜80のシリコンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等が挙げられる。
【0029】
第1実施形態においては、図3(a)と図3(b)との対比から明らかなように、回動規制部として機能する、開口部20の側壁を構成する外装体22(弾性部材)の厚みが部分的に異なっている。即ち、開口部20の側壁を構成する外装体22において、測定部3の回動方向(第1仮想平面に直交する方向。図3(b)中矢標Yで示す方向。)に存する部位(図3(b)において支軸30の上下に位置する部位)は、測定部3の回動方向に直交する方向(第1仮想平面に沿う方向。図3(a)中矢標Zで示す方向。)に存する部位(図3(a)において支軸30の上下に位置する部位)に比して、厚みが薄い。このように、測定部3の回動方向に存する外装体22(弾性部材)の厚みを相対的に薄くすることで、回動時に適度な抵抗をもたせつつ測定部3を回動可能にしている。
【0030】
測定部3の回動可能角度θ3(図6参照)は、測定精度及び作業性の観点から、好ましくは0.5〜5°、更に好ましくは2〜4°である。同様の観点から、触針部31の先端の回動可能距離W(図6参照)は、好ましくは0.5〜5mm、更に好ましくは1〜4mmである。測定部3の回動可能角度θ3及び回動可能距離Wは、隙間29(図3(b)参照)の大きさ、回動規制部〔(開口部20の側壁(外装体22、壁材26)〕の材質等を適宜選択することにより調整することができる。ここで、回動可能距離Wは、前記第2仮想平面(触針部31の先端を含み且つ第1仮想平面に直交する仮想平面)において、測定部3を回動可能角度θ3の範囲内で回動させた場合における触針部31の、図3(b)に示す一方向Y1の最外側の位置と他方向Y2の最外側の位置との間の距離である。
【0031】
第1実施形態のプローブ1は、触針部31を歯の表面に押し当て歯の表面に付着した歯垢の高さ(付着高さ)を測定する、歯垢検査に好適である。斯かる歯垢検査で得られる歯垢の付着高さの測定値から、歯垢の有無や歯垢の付着量等を把握できる。プローブ1を用いた斯かる歯垢検査は、図12に示すように実施される。即ち、把柄部2を手で把持し、測定部3の触針部31の周面を、歯垢が付着した歯の表面に押し当て、触針部31の周面に設けられた目盛り37によって歯垢の付着高さ(付着量)を測定する。第1実施形態のプローブ1によれば、測定部3が、測定部3を含む第1仮想平面に直交する方向(図1(b)中矢標Yで示す方向)に回動可能であるため、触針部31の周面を歯の表面に軽く押し当てた状態で、把柄部2(支持体21)と測定部3(第2支持部33)とのなす角度を適宜調整することができ、そのため、触針部31を歯の表面に沿わせやすく、把柄部2を、測定部3との関係で目盛り37を視認容易な位置に調整することが容易であり、精度の高い測定を可能とする。
【0032】
特に、第1実施形態のプローブ1は、把柄部2の開口部20の周壁(外装体22、壁材26)が、測定部3の第1仮想平面に直交する方向の回動を規制する回動規制部として機能し、更には、外装体22が弾性部材を備えて構成されているため、精度の高い歯垢検査を容易に実施することができる。
【0033】
図7〜図10には、本発明の歯科用プローブの他の実施形態が示されている。後述する他の実施形態については、前述した第1実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、第1実施形態と同じ構成である。
【0034】
図7は、本発明の歯科用プローブの第2実施形態を示し、第1実施形態の図3相当図である。第2実施形態のプローブ1Aにおいては、把柄部2(支持体21)と測定部3(第2支持部33)とが弾性部材を介して連結されている。即ち、プローブ1Aにおいては、支持体21の前端部21aと第2支持部33の小径部35との間は、図7に示すように、弾性部材としての板バネ4で接合されている。板バネ4は、図7(a)中符号Zで示す方向(第1仮想平面に沿う方向)には湾曲せず、図7(b)中符号Yで示す方向(第1仮想平面に直交する方向)に湾曲する。板バネ4としては公知のものを用いることができる。第2実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0035】
図8は、本発明の歯科用プローブの第3実施形態を示し、第1実施形態の図3相当図である。第3実施形態のプローブ1Bは、第2実施形態のプローブ1Aにおける板バネ4に代えて弾性部材としてコイルスプリング5を採用したものである。コイルスプリング5としては公知のものを用いることができる。第3実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0036】
図9は、本発明の歯科用プローブの第4実施形態を示し、第1実施形態の図3相当図である。第4実施形態のプローブ1Cにおいては、把柄部2(支持体21)と測定部3(第2支持部33)とが互いに嵌合可能な凸部及び凹部を介して連結されている。即ち、プローブ1Cにおいては、支持体21の前端部2aの先端が球状に形成されて嵌合凸部27とされていると共に、測定部3の端部先端に位置する小径部35の端面に、嵌合凸部27が嵌合する嵌合凹部38が形成されており、嵌合凸部27が嵌合凹部38に嵌合されることにより、把柄部2(支持体21)と測定部3(第2支持部33)とが連結されている。第4実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0037】
図10は、本発明の歯科用プローブの第5実施形態を示し、第1実施形態の図3相当図である。第5実施形態のプローブ1Dは、測定部3と把柄部2との連結構成は第1実施形態と同じである。第5実施形態のプローブ1Dは、測定部3が支軸30を回動支点として第1仮想平面に直交する方向(図10(b)中矢標Yで示す方向)に回動可能に構成されている。一方、第5実施形態のプローブ1Dは、壁材26が金属又は硬質合成樹脂からなり、ゴム等の弾性部材で構成される外装体22の前端部22aの外面を被覆するように設けられている点で第1実施形態と異なる。図10(b)に示すように、外側に位置する壁材26と内側に位置する外装体22との間には、測定部3の回動角度の上限に影響を及ぼす隙間29が設けられている。第5実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0038】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、測定部3は第2支持部33を有していなくても良く、第1支持部32が支持体21と連結され、把柄部2の前端部2aから軸線方向Xに直接延びていても良い。
【符号の説明】
【0039】
1,1A,1B,1C,1D 歯科用プローブ
2 把柄部
20 開口部
21 支持体
22 外装体
22S 外装体の中空部
3 測定部
30 支軸
31 触針部
32 第1支持部
33 第2支持部
34 大径部(測定部の端部)
35 小径部(測定部の端部)
37 目盛り
4 板バネ
5 コイルスプリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の把柄部と把柄部に連結された測定部とを有し、測定部は、把柄部の軸線方向と交差する方向に延びる柱状の触針部と、触針部に連続し触針部と交差する方向に延びる柱状の支持部とを有している歯科用プローブであって、
測定部は、把柄部との連結部を回動支点として、触針部及び支持部それぞれの軸線を含む仮想平面に直交する方向に回動可能とされている歯科用プローブ。
【請求項2】
前記把柄部は、前記測定部を前記仮想平面に直交する方向に回動させた際に、所定の回動角度の位置で測定部に当接して、測定部の回動を規制する回動規制部を有している請求項1記載の歯科用プローブ。
【請求項3】
前記回動規制部が弾性部材を備えている請求項2記載の歯科用プローブ。
【請求項4】
前記測定部の回動可能角度が0.5〜5°である請求項1〜3の何れか一項に記載の歯科用プローブ。
【請求項5】
前記触針部の先端の回動可能距離が0.5〜5mmである請求項1〜4の何れか一項に記載の歯科用プローブ。
【請求項6】
前記触針部の軸線方向と直交する方向の断面視形状が、円形形状又は四角形以上の多角形形状であり、触針部の周面に、触針部の軸線方向に沿った被測定物の長さを示す、目盛りが設けられている請求項1〜5の何れか一項に記載の歯科用プローブ。
【請求項7】
前記触針部の先端が、外方に向けて凸の曲面で形成されている請求項1〜6の何れか一項に記載の歯科用プローブ。
【請求項8】
前記触針部を歯の表面に押し当て歯の表面に付着した歯垢の高さを測定する、歯垢検査に用いられる請求項1〜7の何れか一項に記載の歯科用プローブ。
【請求項1】
柱状の把柄部と把柄部に連結された測定部とを有し、測定部は、把柄部の軸線方向と交差する方向に延びる柱状の触針部と、触針部に連続し触針部と交差する方向に延びる柱状の支持部とを有している歯科用プローブであって、
測定部は、把柄部との連結部を回動支点として、触針部及び支持部それぞれの軸線を含む仮想平面に直交する方向に回動可能とされている歯科用プローブ。
【請求項2】
前記把柄部は、前記測定部を前記仮想平面に直交する方向に回動させた際に、所定の回動角度の位置で測定部に当接して、測定部の回動を規制する回動規制部を有している請求項1記載の歯科用プローブ。
【請求項3】
前記回動規制部が弾性部材を備えている請求項2記載の歯科用プローブ。
【請求項4】
前記測定部の回動可能角度が0.5〜5°である請求項1〜3の何れか一項に記載の歯科用プローブ。
【請求項5】
前記触針部の先端の回動可能距離が0.5〜5mmである請求項1〜4の何れか一項に記載の歯科用プローブ。
【請求項6】
前記触針部の軸線方向と直交する方向の断面視形状が、円形形状又は四角形以上の多角形形状であり、触針部の周面に、触針部の軸線方向に沿った被測定物の長さを示す、目盛りが設けられている請求項1〜5の何れか一項に記載の歯科用プローブ。
【請求項7】
前記触針部の先端が、外方に向けて凸の曲面で形成されている請求項1〜6の何れか一項に記載の歯科用プローブ。
【請求項8】
前記触針部を歯の表面に押し当て歯の表面に付着した歯垢の高さを測定する、歯垢検査に用いられる請求項1〜7の何れか一項に記載の歯科用プローブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−135426(P2012−135426A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289539(P2010−289539)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
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