歯科用照明装置
【課題】照明器の外周に複数のLEDモジュールを配置し中央部にミラー等を取付ける照明器において、照明器と患者の口腔部までの距離は2倍近い範囲で変化するため、距離がある一定値以下又は以上になると照射光が周辺部に集中し、中央部の口腔部への照射光が減少するため照度を一定に保てないという問題があった。本発明では上記の課題を解決する手段を提供する。
【解決手段】複数のLEDモジュールを照明器の外周に配設し、同LEDモジュールを複数のグループに分け、照明器からの距離が異なる複数の位置で、複数のLEDモジュールからの照射光がグループ毎にそれぞれ交差するようにした。また照明器の中央部にはミラー、拡大鏡、モニター、カメラ、距離センサー等を配設することにより、診療サービスの向上を図っている。
【解決手段】複数のLEDモジュールを照明器の外周に配設し、同LEDモジュールを複数のグループに分け、照明器からの距離が異なる複数の位置で、複数のLEDモジュールからの照射光がグループ毎にそれぞれ交差するようにした。また照明器の中央部にはミラー、拡大鏡、モニター、カメラ、距離センサー等を配設することにより、診療サービスの向上を図っている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科診療における口腔部の照明に関し、特に光源としてLEDモジュールを利用した歯科用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源としてLEDモジュールを利用した医療用照明装置として、無影効果を持たせるために複数のLEDを配置したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−156074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、歯科診療中患者の口腔部を患者自身で見られるようにするために、照明器からの照射光の光路と、患者の口腔部からミラーまでの反射光の光路がほぼ同じになるように、照明器前面中央部付近にミラーを配置することが一般的になっているが、前記ミラーによって、光源からの照射光が遮られ、照度が低下するという問題点があった。
この問題を解決するため、光源としてLEDモジュールを利用した歯科用照明器であれば、前記ミラーに照射光が遮られないように、ミラーの回りにLEDモジュールを配置することも可能であるが、
実際の臨床では、照明器と患者の口腔部までの距離は、症例、診療方法、又は施術者の好み等により2倍近い範囲(例えば400〜700mm)で変化する可能性があるため、口腔部と照明装置の距離がある一定値以下又は以上になると、LEDモジュールが中央部に配置されていないので、
照射光が照射野の中央部を除く周辺部に集中し、照射野中央部の口腔部への照射光が減少し、口腔部の照度を一定に保てないという別の問題が発生していた。
本発明では上記の課題を解決する手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記に鑑み本発明者等は鋭意実験研究の結果、下記の手段により課題を解決した。
(1)照明装置が矩形環状の照明器を備え、前記照明器の構成は、その表面に複数のLEDモジュールが分散して配設され、かつ前記複数のLEDモジュールの照射光が照射面で交差するように配設されてなることを特徴とする歯科用照明装置。
(2)照明器の構成が、その表面に複数のLEDモジュールが、前記照明器の外周に分散して配設されてなり、かつ、前記複数のLEDモジュールは、複数のグループに分けられ、各グループ内の全てのLEDモジュールは、照射光が、前記照明器から等距離の位置で交差するように配設されており、さらに、前記照明器から前記照射光が交差するまでの距離が、前記グループ毎に異なる照明器を備えてなることを特徴とする歯科用照明装置。
(3)前記照明器の、複数のLEDモジュールの発光用電源及び、同発光用電源電流を調節する調整器を有してなり、複数のLEDモジュールの輝度を、それぞれ独立して調整できるようにしたことを特徴とする前項(1)又は(2)に記載の歯科用照明装置。
(4)前記照明器の、LEDモジュールの発光用電源と同発光用電源電流の自動調整器及び、前記照明器に設けられた距離計測センサーを備えてなり、前記距離計測センサーにより計測した前記照明器と患者の口腔部までの距離の値に基づいて、前記発光用電源電流の自動調整器を制御し、前記口腔部における照度が常に一定になるように、前記複数のLEDモジュールの輝度を自動的に調整できるようにしたことを特徴とする前項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【0006】
(5)歯科用チェアユニットのライトアームの先端部に装着された前記照明器と、前記ライトアーム駆動用のアクチュエーターと、同アクチュエーターの制御装置を備えてなり、前記距離計測センサーからの信号に基づいて、前記アクチュエーターを自動的に制御して、前記照明器と患者の口腔部までの距離を、常に一定に保つようにしたことを特徴とする前項(1)〜(4)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
(6)前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、ミラー又はハーフミラーが配設されてなることを特徴とする前項(1)〜(5)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
(7)前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、モニターが配設されてなることを特徴とする前項(1)〜(5)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
(8)前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、拡大鏡が配設されてなることを特徴とする前項(1)〜(5)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
(9)前記照明器に、固定の又は位置や向きが変更可能な、カメラが配設されてなることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば次のような優れた効果を発揮することができる。
1、請求項1の発明によれば、
照明器が矩形環状であるため、患者にとって圧迫感のない優れたデザインであり、
清掃性にも非常に優れ衛生上有効である。
また、歯科用として必要十分な個数のLEDモジュールを省スペースの中に効率良く配置することができ、かつ、照度を低下させること無く、照明器の中央部にミラーやモニター等を配置することができる。そして十分な無影効果が得られるため、歯科診療用として最適な照明装置を提供することができる。
2、請求項2の発明によれば、
複数のLEDモジュールが、前記照明器の外周に配設され、かつ、前記複数のLEDモジュールが複数のグループに分けられ、各グループ内の全てのLEDモジュールは、照射光が照明器から等距離で交差するように配設され、さらに、照明器から照射光が交差するまでの距離が、前記グループ毎に異なるため、
照度を低下させること無く、照明器の中央部にミラーやモニター等を配置することができ、
また、患者の口腔部と照明器との距離を大きく変化させた場合、(例えば400〜700mm)でも多数のLEDモジュールを使用することなく、どの距離でも十分な照度を保つことができるとともに、十分な無影効果が得られるため、歯科診療用として最適な照明装置を提供することができる。
【0008】
3、請求項3の発明によれば、
前記複数のLEDモジュールの発光用電源及び、同発光用電源電流を調節する調整器を有してなり、前記複数のLEDモジュールの輝度を、それぞれ独立して調整できるようにしたため、
患者の口腔部において常に診療に最適な照度が得られる。
例えば、比較的観察しにくい臼歯の症例では照度を上げ、比較的観察しやすい前歯の症例では照度を下げるなど、症例に応じた照度での診療が可能であり、また施術者の都合等により患者の口腔部と照明器との距離が大きくなり照度が低下したときは照度を上げ、反対に距離が小さくなり照度が上がったときは照度を下げるなどの調整が、口腔部における照度のムラを最小限に抑えた状態で行うことができる。
【0009】
4、請求項4の発明によれば、
前記LEDモジュールの発光用電源と同発光用電源電流の自動調整器及び、前記照明器に設けられた距離計測センサーを備えてなり、前記距離計測センサーにより計測した照明器と患者の口腔部までの距離の値に基づいて、前記発光用電源電流の自動調整器を制御し、前記口腔部における照度が常に一定になるように、前記複数のLEDの輝度を自動的に調整できるようにしたため、
常に診療に最適な照度を得るために必要な、照明器と患者の口腔部までの距離の情報が的確に得られとともに、施術者の都合等により患者の口腔部と照明器との距離が大きくなり照度が低下したときは自動的に照度が上がり、反対に距離が小さくなったときは自動的に照度が下がるので、施術者に負担をかけることなく常に診療に最適な照度が得られる。
【0010】
5、請求項5の発明によれば、
歯科用チェアユニットのライトアームの先端部に装着された前記照明器と、前記ライトアーム駆動用のアクチュエーターの制御装置を備えてなり、前記距離計測センサーからの信号に基づいて、前記アクチュエーターを自動的に制御して、前記照明器と患者の口腔部までの距離を、常に一定に保つようにしたしたため、
施術者に負担をかけることなく常に診療に最適な照度が得られ、
また、前記患者が、診療姿勢変更等のため照明器と衝突することがないようにするための安全装置用としても利用することができる。
【0011】
6、請求項6の発明によれば、
前記照明器中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、ミラー又はハーフミラーが配設されてなるため、
ミラーの場合は、診療中の姿勢のまま患者の口腔部を、患者自身種々の角度で見ることができ、
また、ハーフミラーの場合は、同様に診療中の姿勢のまま患者の口腔部を、患者自身種々の角度で見ることができると共に、施術者はハーフミラーの背後から患者の状況を透視して観察することができる。
また、ミラーや、ハーフミラーが、LEDモジュールの照射光を遮り照度を低下させることもないので最適な照度での診療ができる。
さらに、飛沫が飛びやすい治療のとき等に、ミラー又ハーフミラーの位置や向きを変え、表面が飛沫で汚れないようにすることができる。
【0012】
7、請求項7の発明によれば
前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能なモニターが配設されてなるため、
診療中の姿勢のまま、モニターに表示される患者の口腔内カメラの撮影像を、患者自身種々の角度で見ることができ、インフォームドコンセントのために有用であるとともに、
モニターがLEDモジュールの照射光を遮り照度を低下させることもないので最適な照度での診療ができる。
また、モニターでは患者をリラックスさせるための映像や、インフォームドコンセントのために必要な映像等を診療中の姿勢のまま患者に見てもらうことができ、患者本位の診療を行う上で大変有効である。
さらに、飛沫が飛びやすい治療のとき等に、モニターの位置や向きを変え、モニターの表面が飛沫で汚れないようにすることができる。
【0013】
8、請求項8の発明によれば、
前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な拡大鏡が配設されてなるため、
照明装置の後ろ側から施術者が、前記拡大鏡を通して患者の口腔部を拡大して観察することができ、顕微鏡等を準備しなくても、手軽に口腔部の詳細な観察ができる。
【0014】
9、請求項9の発明によれば、
前記照明器に固定の又は位置や向きが変更可能なカメラが配設されてなるため、
口腔内カメラを使用することなく、ハンズフリーで患者の口腔部が患者自身で見られるようにモニターに映すことができ、患者本位の診療を衛生的に、効率良く行うことができる。
さらに、照明器に取り付けられた前記カメラで取得した患者の口腔部の映像を、施術者に見やすい方向に移動させた前記モニターや、施術者が見やすい位置に配置した別のモニターに映すことにより、施術者が必要に応じて、口腔内カメラを使用することなく、ハンズフリーで患者の口腔部の映像を観察することもできるので、衛生的に、効率良く診療を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】歯科診療用チェアユニットに装備された本発明の歯科用照明装置の外観斜視図。
【図2】本発明の歯科用照明器の基本を示す外観斜視図。
【図3】本発明の他の歯科用照明器の外観斜視図。
【図4a】LEDモジュール単体の外観斜視図。
【図4b】LEDモジュール単体の分解図。
【図5】複数のLEDモジュールを1グループとし、照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図。
【図6】LEDモジュールを外側及び内側の2グループに分け、外側のグループは、照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差し、内側のグループは、照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図。
【図7】図6の分解図で、内側のグループが、照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図。
【図8】図6の分解図で外側のグループが、照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差するようにした模式図
【図9】複数のLEDモジュールを1グループとし照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにしたときの、400mmの距離における照度分布図。
【図10】複数のLEDモジュールを1グループとし照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにしたときの、700mmの距離における照度分布図。
【図11】複数個のLEDモジュールを上下、左右のグループに分け、上下のグループを照明装置からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにし、左右のグループを照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差するように設定したときの、400mmの距離における照度分布図。
【図12】複数個のLEDモジュールを上下、左右のグループに分け、上下のグループを照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにし、左右のグループを照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差するように設定したときの、700mmの距離における照度分布図。
【図13】距離計測センサーを備えた歯科用照明器の外観斜視図。
【図14】ミラーを備えた歯科用照明器の外観斜視図。
【図15a】他の実施例におけるミラー使用時を示す右側面一部断面図。
【図15b】他の実施例におけるミラー不使用時を示す右側面一部断面図。
【図16】モニターを備えた歯科用照明器の外観斜視図。
【図17】拡大鏡を備えた歯科用照明器の外観斜視図。
【図18】カメラ及びモニターを備えた歯科用照明器の外観斜視図。
【図19】従来の歯科用照明器の外観斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明を実施するための最良の形態を以下順次説明する。
図1は、歯科診療用チェアユニットに装備された本発明の歯科用照明装置の外観斜視図である。
図において、1は歯科用照明装置、2は歯科用照明器、3はヘッドレスト部、4は背もたれ、5は座部、6はライトポール、7はライトアーム、8はライト用ブラケット、26は歯科用チェアユニットを示す。
歯科用照明器2は、ライトアーム7の先端部のライト用ブラケット8に取付けられており、
患者(図示せず)は、チェアに仰臥あるいは座位の姿勢で、かつ口腔(図示せず)はヘッドレスト部3の位置にある。
そして照明光は、前記患者の口腔に対して歯科用照明器2から照射される。
【0017】
図19は、従来の歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、9bは従来の筐体、10はLEDモジュール、11aはハンドルを示す。
従来の歯科用照明器では、従来の筐体9bの照射光を照射する側の前面にわたり複数個のLEDモジュール10が配設されていた。このため、照射光を遮らずに照明装置の前面に、ミラーやモニター等を配置することはできなかった。
【0018】
図2は、本発明の歯科用照明器の基本を示す外観斜視図である。
図において9は筐体を示す。
本事例の筐体9の形状は矩形環状であり、図示したように、矩形環状9の中に、12個のLEDモジュール10が、上下に各4個、左右に各2個配設され、かつ中央部は中空になっている。
【0019】
ただし、LEDモジュールの数は限定されるものではなく、また、筐体が環状、円板状、方形板状、その他の形状でも、その外周にLEDモジュールが複数個配設され、中央にスペース(中空でなくてもよい)があってもよい。
図3は、本発明の他の歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、9aは方形板状の筐体を示す。
本事例の筐体9aの形状は図示したように、方形板状であり、その外周の周囲の前面に、14個のLEDモジュール10が、上下に各4個、左右に各3個配設され、かつ方形板の中央部はスペースを有し、このスペースには後記モニター(16)が設けられている。
【0020】
次に、前記歯科用照明器の詳細について、事例の図に基づき説明する。
図4aは、LEDモジュール単体の外観斜視図である。
図において20は投影用凸レンズを示す。
図4bは、LEDモジュール単体の分解図である。
図において、21はガイドマスク、21aは長方形開口部、22はLEDチップを示す。
ガイドマスク21は、投影する照射パターンと相似形をした長方形開口部21aを有し、照射パターンは長方形である。
【0021】
本事例では、図2に示すように、歯科用照明器2の外周に配設されたLEDモジュール10は、複数の12個であり、上方に4個、下方に4個の上下対称グループと、左方に2個、右方に2個の左右対称グループに分けられている。
前記2つのLEDモジュールは、2個のグループに分けられ、各グループ内の複数のモジュールは、照射光が前記歯科用照明器2から等距離で交差するように配設されており、
さらに、照明器2から照射光が交差するまでの距離が、前記グループ毎に異なるように取付けられる。
本事例では、患者の口腔部と照明器との距離を大きく変化させた場合でも、下記の所定範囲内なら適用できるように、
前記上下のグループは、歯科用照明器2からの距離は700mmで照射光が交差し、前記左右のグループは、歯科用照明器2からの距離は400mmで照射光が交差するような角度で各取付けられている。
【0022】
次に上記におけるLEDモジュールの取付け角度の設定の事例について記載する。
前記、図7及び図8の模式図参照。
照射光の交差面は、前述したように、照射光の光束の一断面は拡大された長方形であり、
かつ、同長方形が左右から傾斜角度をもって所定距離で交差するため、複雑な形状の交差面となるが、
次のような基本的な設定角度の算出と、その結果による交差面におけるムラの無い照度分布の実測値とは、実用上同一であることが知見されているので、
以下、前記、図7及び図8の模式図を参照して説明する。
【0023】
前記、LEDモジュールの取付け角度を算出するために、前記長方形の照射パターンの中心点を交差の中心とすれば、
表現を変えると、二等辺三角形の図形として表わすことができる。
すなわち、二等辺三角形ABCの底辺の長さBCが、照明器固有の長さBCであり、
その両端に底角αでLEDモジュールが取付けられ、頂角βを持つ頂点Aが交差点に相当する。
そして、この形状から、前記底辺BCの中心点迄頂点Aから垂線をおろすと、この垂線の長さが前記照明器から照射光が交差する距離に相当する。
また、前記垂線が引かれた形状は、垂線に関して対称な、直角三角形の形をしたものである。
さらに、前記直角三角形の低辺の長さは、前記二等辺三角形の底辺の長さの半分であるから一定で既知であり、前記垂線の長さも一定で既知であり、かつ角度の一つは直角であるから、
前記三つの既知の値から、底角αすなわちLEDモジュールの取付け角度は、三角関数式によって容易に算出することができる。
また、上記の手段において、図7と図8との相違は、前記換算される底辺及び垂線の長さが、それぞれ異なるだけで、基本は同じである。
なお、本事例の歯科用照明器においては、筐体の大きさに制限があるので、上記底辺の長さすなわち筐体の長さは、前記垂線すなわち照明器から照射光が交差する距離より短いものになる。
【0024】
前記の状態を以降に順次説明する。
図5は、複数のLEDモジュールを1グループとし、歯科用照明器2からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図であり、従来の歯科用照明器を説明するものである。
同図では、LEDモジュールの数は原理的な4個とした。
図において、10a、10b、10c、10dは各LEDモジュールを示す。
【0025】
図6は、LEDモジュールを外側及び内側の、2グループに分け、外側のグループは、歯科用照明器2からの距離が400mmの位置で照射光が交差し、内側のグループは、歯科用照明器2からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図であり、本発明の歯科用照明装置を説明するものである。
図において、10a、10dは外側のグループ、10b、10cは内側のグループのLEDを示す。
【0026】
図7は、図6の分解図で、内側のグループが、歯科用照明装置からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図で、
10b、10cは内側のグループのLEDモジュールを示す。
図8は、図6の分解図で外側のグループが、歯科用照明装置からの距離が400mmの位置で照射光が交差するようにした模式図で、
10a、10dは外側のグループのLEDモジュールを示す。
【0027】
次に、前記模式図に準ずる設定によって、実際の歯科用照明装置を用いて計測した照度分布図を以下に示す。
図9は、複数のLEDモジュールを1グループとし、照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにしたときの、400mmの距離における照度分布図で、
従来の照明器を説明するものである。
前記複数のLEDモジュールは、1グループ12個である。
図において23、24、25は各等照度線を示す。
そして、点々で示される幅広い線は等照度線を表わし、線上のいずれにおいても等照度である。照度は23が最も明るく、23〜25の順に次第に暗くなる。
図示したように、距離400mmにおいて、中央部は前記等照度線24の部分によって等照度線23の部分が、上下に2分され、照度ムラが発生していることが分かる。
【0028】
次に図10は、複数のLEDモジュールを1グループとし、歯科用照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにしたときの、700mmの距離における照度分布図で、図9と同様に従来の照明器を説明するものである。
複数のLEDモジュールは、12個である。
図示したように、照度は中央部が最も明るく、外側にゆくにつれて徐々に暗くなっており、理想的な照度分布であることが分かる。
このように,LEDモジュールのグループが一つで、全ての照射光が照明器から等しい距離で交差する従来の照明器では、照射光が交差する距離では理想的な照度分布を示すが、異なる距離では照度ムラ等の問題が発生することが分かる。
【0029】
図11は、複数個のLEDモジュールを上下、左右のグループに分け、
上下のグループを照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにし、
左右のグループを照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差するように設定したときの、400mmの距離における照度分布図であり、本発明の照明器を説明するものである。
全LEDモジュール数は12個で、上下8個、左右4個の2グループである。
図示したように、23、24,25の等照度線において、23の等照度線は分割されず、照度は中央部が最も明るく、外側にゆくにつれて徐々に暗くなっており、前記図9の照度ムラは解消されている。
【0030】
次に図12は、複数個のLEDモジュールを、上下、左右のグループに分け、
上下のグループを照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにし、
左右のグループを照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差するように設定したときの、700mmの距離における照度分布図であり、本発明の歯科用照明器を説明するものである。
全LEDモジュール数は12個で、上下8個、左右4個の2グループである。
図示したように、照度は中央部が最も明るく、外側にゆくにつれて徐々に暗くなっており、理想的な照度分布を保っている。
このように本発明の照明器では、照明器からの距離が400から700mmの広い範囲で、照度ムラ等の問題が無く、常に診療に適した照度分布を維持できることが分かる。
【0031】
図13は、本発明の距離計測センサーを備えた歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、17は距離計測センサーを示す。
距離計測センサー17は、中空部(図2)の中央下部に配設されており、患者の口腔部(図1参照)との距離を直線的に、例えば赤外線等で計測することができる。
この計測距離に基づき連動して前記複数のLEDモジュールの駆動電流を増減し、前記複数のLEDモジュールの輝度を自動的に調整することができる。
なお、距離計測センサー17を歯科用照明器の他の場所に設置し、角度の補正を行なって計測することも可能である。
【0032】
次に、本発明の歯科用照明器は、前記複数のLEDモジュールの発光用電源及び、同発光用電源電流を調節する調整器(図示せず)を有し、前記複数のLEDモジュールの輝度を、それぞれ独立して調整できるようにしている。
前記調整器による調整は、例えば、LEDモジュール駆動用定電流電源回路を内蔵したスイッチイング電源の制御回路を可変してもよく、
そして、自動調整すなわち、前記距離計測センサーの遠近の計測値と連動させて、LEDモジュールの輝度を増減させる場合は、前記距離計測値の増減を、LEDモジュールの前記制御回路の入力値に変換して、前記自動調整器を制御すればよい。
【0033】
また、本発明の歯科用照明器2は、歯科用チェアユニット1のライトアーム7の先端部に装着されており(図1)、前記ライトアーム7駆動用の複数のアクチュエーターの、制御装置を備えている(図示せず)。
前記歯科用照明器2の位置の移動は、複数の関節部によって構成されている前記ライトアーム7(図1参照)の各関節部に、ライトアーム駆動用のアクチュエーターを配設し、同アクチュエーターの設定角度を変えることによって行なうことができる。
この設定角度の値は、予め、前記歯科用照明装置2と患者の口腔部との距離と、歯科用照明装置2の移動位置と、前記各アクチュエーターの設定角度との関係値を、コンピュータにメモリーしておき、
前記距離計測センサーからの距離信号に基づいて、前記アクチュエーターの設定角度を制御することによって、自動的に前記歯科用照明装置2と患者の口腔部までの距離を、常に一定に保つようにすることができる。
なお、前記距離の初期値の入力、及び前記制御の開始と終了は、手動又は自動で行なうことができる。
また、この機能は、前記患者が、診療姿勢変更等のため歯科用照明装置2と衝突することがないようにするための安全装置用として利用することもできる。
【0034】
次に、前記歯科用照明器中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能なミラー又はハーフミラーが配設されている事例を説明する。
図14は、本発明のミラーを備えた歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、12はミラー 、13は回転軸、14は回転方向を示す。
ミラー12は、回転軸13によって、回転方向14に自在に動かすことができる。
【0035】
図15aは本発明の他の実施例におけるミラー使用時を示す右側面一部断面図である。
図において、15はミラー用アームを示す。
図示したように、使用時にはミラー12は筐体9と平行であり、患者はミラーを直視することができる。
なお、施術者はLEDモジュール10からの照射光が患者の目に入らないように照射方向を調節するので、患者は、眩しさを感ずることなく良く見ることができる。
【0036】
図15bは、本発明の他の実施例におけるミラー不使用時を示す右側面一部断面図である。
使用しないときは、ミラー12を図のように倒すことができる。
【0037】
前記ミラー12に替えて、ハーフミラー12a(図示せず)とする場合は、前面から見た外形、取付け位置及び回転作用等は同じであるので説明を省略する。
ただし、ハーフミラー12aの場合は、患者はミラーとして口腔像を見ることができ、
かつ施術者は、ハーフミラー12aの背後から患者の状況を透視して観察することができる。
【0038】
図16は、本発明のモニターを備えた歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、16はモニターを示す。
モニター16は、薄型の液晶パネル等であり、前記ミラー12(図13)と同等の位置に配設され、後記、観察用のカメラ(図17)等で撮像された口腔内の映像、その他を表示する。
【0039】
図17は、拡大鏡を備えた歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、18は拡大鏡を示す。
拡大鏡18は、前記歯科用照明装置2の中央部に取付けられ、歯科用照明装置2の後ろ側から施術者が前記拡大鏡18を通して患者の口腔部を拡大して観察することができる。
【0040】
図18は、本発明のカメラ及びモニターを備えた歯科用照明装置の外観斜視図である。
図において、19はカメラを示す。
カメラ19で撮像された口腔内の映像は、モニター16に表示される。
また、カメラは、固定されないフリーのハンドピース状でもよく、この場合は口腔内のみでなく他の関係箇所や資料等を撮像し表示することもできる。
【符号の説明】
【0041】
1: 歯科用照明装置
2:歯科用照明器
3:ヘッドレスト部
4:背もたれ
5:座部
6:ライトポール
7:ライトアーム
8:ライト用ブラケット
9:本発明の筐体
9a:方形板状の筐体
9b:従来の筐体
10:LEDモジュール
10a、10b、10c、10d:LEDモジュール
11:カバー
11a:ハンドル
12:ミラー
12a:ハーフミラー
13:回転軸
14:回転方向
15:ミラー用アーム
16:モニター
17:距離計測センサー
18:拡大鏡
19:カメラ
20:投影用凸レンズ
21:ガイドマスク
21a:長方形開口部
22:LEDチップ
23、24、25:等照度線
26:歯科用チェアユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科診療における口腔部の照明に関し、特に光源としてLEDモジュールを利用した歯科用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源としてLEDモジュールを利用した医療用照明装置として、無影効果を持たせるために複数のLEDを配置したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−156074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、歯科診療中患者の口腔部を患者自身で見られるようにするために、照明器からの照射光の光路と、患者の口腔部からミラーまでの反射光の光路がほぼ同じになるように、照明器前面中央部付近にミラーを配置することが一般的になっているが、前記ミラーによって、光源からの照射光が遮られ、照度が低下するという問題点があった。
この問題を解決するため、光源としてLEDモジュールを利用した歯科用照明器であれば、前記ミラーに照射光が遮られないように、ミラーの回りにLEDモジュールを配置することも可能であるが、
実際の臨床では、照明器と患者の口腔部までの距離は、症例、診療方法、又は施術者の好み等により2倍近い範囲(例えば400〜700mm)で変化する可能性があるため、口腔部と照明装置の距離がある一定値以下又は以上になると、LEDモジュールが中央部に配置されていないので、
照射光が照射野の中央部を除く周辺部に集中し、照射野中央部の口腔部への照射光が減少し、口腔部の照度を一定に保てないという別の問題が発生していた。
本発明では上記の課題を解決する手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記に鑑み本発明者等は鋭意実験研究の結果、下記の手段により課題を解決した。
(1)照明装置が矩形環状の照明器を備え、前記照明器の構成は、その表面に複数のLEDモジュールが分散して配設され、かつ前記複数のLEDモジュールの照射光が照射面で交差するように配設されてなることを特徴とする歯科用照明装置。
(2)照明器の構成が、その表面に複数のLEDモジュールが、前記照明器の外周に分散して配設されてなり、かつ、前記複数のLEDモジュールは、複数のグループに分けられ、各グループ内の全てのLEDモジュールは、照射光が、前記照明器から等距離の位置で交差するように配設されており、さらに、前記照明器から前記照射光が交差するまでの距離が、前記グループ毎に異なる照明器を備えてなることを特徴とする歯科用照明装置。
(3)前記照明器の、複数のLEDモジュールの発光用電源及び、同発光用電源電流を調節する調整器を有してなり、複数のLEDモジュールの輝度を、それぞれ独立して調整できるようにしたことを特徴とする前項(1)又は(2)に記載の歯科用照明装置。
(4)前記照明器の、LEDモジュールの発光用電源と同発光用電源電流の自動調整器及び、前記照明器に設けられた距離計測センサーを備えてなり、前記距離計測センサーにより計測した前記照明器と患者の口腔部までの距離の値に基づいて、前記発光用電源電流の自動調整器を制御し、前記口腔部における照度が常に一定になるように、前記複数のLEDモジュールの輝度を自動的に調整できるようにしたことを特徴とする前項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【0006】
(5)歯科用チェアユニットのライトアームの先端部に装着された前記照明器と、前記ライトアーム駆動用のアクチュエーターと、同アクチュエーターの制御装置を備えてなり、前記距離計測センサーからの信号に基づいて、前記アクチュエーターを自動的に制御して、前記照明器と患者の口腔部までの距離を、常に一定に保つようにしたことを特徴とする前項(1)〜(4)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
(6)前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、ミラー又はハーフミラーが配設されてなることを特徴とする前項(1)〜(5)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
(7)前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、モニターが配設されてなることを特徴とする前項(1)〜(5)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
(8)前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、拡大鏡が配設されてなることを特徴とする前項(1)〜(5)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
(9)前記照明器に、固定の又は位置や向きが変更可能な、カメラが配設されてなることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば次のような優れた効果を発揮することができる。
1、請求項1の発明によれば、
照明器が矩形環状であるため、患者にとって圧迫感のない優れたデザインであり、
清掃性にも非常に優れ衛生上有効である。
また、歯科用として必要十分な個数のLEDモジュールを省スペースの中に効率良く配置することができ、かつ、照度を低下させること無く、照明器の中央部にミラーやモニター等を配置することができる。そして十分な無影効果が得られるため、歯科診療用として最適な照明装置を提供することができる。
2、請求項2の発明によれば、
複数のLEDモジュールが、前記照明器の外周に配設され、かつ、前記複数のLEDモジュールが複数のグループに分けられ、各グループ内の全てのLEDモジュールは、照射光が照明器から等距離で交差するように配設され、さらに、照明器から照射光が交差するまでの距離が、前記グループ毎に異なるため、
照度を低下させること無く、照明器の中央部にミラーやモニター等を配置することができ、
また、患者の口腔部と照明器との距離を大きく変化させた場合、(例えば400〜700mm)でも多数のLEDモジュールを使用することなく、どの距離でも十分な照度を保つことができるとともに、十分な無影効果が得られるため、歯科診療用として最適な照明装置を提供することができる。
【0008】
3、請求項3の発明によれば、
前記複数のLEDモジュールの発光用電源及び、同発光用電源電流を調節する調整器を有してなり、前記複数のLEDモジュールの輝度を、それぞれ独立して調整できるようにしたため、
患者の口腔部において常に診療に最適な照度が得られる。
例えば、比較的観察しにくい臼歯の症例では照度を上げ、比較的観察しやすい前歯の症例では照度を下げるなど、症例に応じた照度での診療が可能であり、また施術者の都合等により患者の口腔部と照明器との距離が大きくなり照度が低下したときは照度を上げ、反対に距離が小さくなり照度が上がったときは照度を下げるなどの調整が、口腔部における照度のムラを最小限に抑えた状態で行うことができる。
【0009】
4、請求項4の発明によれば、
前記LEDモジュールの発光用電源と同発光用電源電流の自動調整器及び、前記照明器に設けられた距離計測センサーを備えてなり、前記距離計測センサーにより計測した照明器と患者の口腔部までの距離の値に基づいて、前記発光用電源電流の自動調整器を制御し、前記口腔部における照度が常に一定になるように、前記複数のLEDの輝度を自動的に調整できるようにしたため、
常に診療に最適な照度を得るために必要な、照明器と患者の口腔部までの距離の情報が的確に得られとともに、施術者の都合等により患者の口腔部と照明器との距離が大きくなり照度が低下したときは自動的に照度が上がり、反対に距離が小さくなったときは自動的に照度が下がるので、施術者に負担をかけることなく常に診療に最適な照度が得られる。
【0010】
5、請求項5の発明によれば、
歯科用チェアユニットのライトアームの先端部に装着された前記照明器と、前記ライトアーム駆動用のアクチュエーターの制御装置を備えてなり、前記距離計測センサーからの信号に基づいて、前記アクチュエーターを自動的に制御して、前記照明器と患者の口腔部までの距離を、常に一定に保つようにしたしたため、
施術者に負担をかけることなく常に診療に最適な照度が得られ、
また、前記患者が、診療姿勢変更等のため照明器と衝突することがないようにするための安全装置用としても利用することができる。
【0011】
6、請求項6の発明によれば、
前記照明器中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、ミラー又はハーフミラーが配設されてなるため、
ミラーの場合は、診療中の姿勢のまま患者の口腔部を、患者自身種々の角度で見ることができ、
また、ハーフミラーの場合は、同様に診療中の姿勢のまま患者の口腔部を、患者自身種々の角度で見ることができると共に、施術者はハーフミラーの背後から患者の状況を透視して観察することができる。
また、ミラーや、ハーフミラーが、LEDモジュールの照射光を遮り照度を低下させることもないので最適な照度での診療ができる。
さらに、飛沫が飛びやすい治療のとき等に、ミラー又ハーフミラーの位置や向きを変え、表面が飛沫で汚れないようにすることができる。
【0012】
7、請求項7の発明によれば
前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能なモニターが配設されてなるため、
診療中の姿勢のまま、モニターに表示される患者の口腔内カメラの撮影像を、患者自身種々の角度で見ることができ、インフォームドコンセントのために有用であるとともに、
モニターがLEDモジュールの照射光を遮り照度を低下させることもないので最適な照度での診療ができる。
また、モニターでは患者をリラックスさせるための映像や、インフォームドコンセントのために必要な映像等を診療中の姿勢のまま患者に見てもらうことができ、患者本位の診療を行う上で大変有効である。
さらに、飛沫が飛びやすい治療のとき等に、モニターの位置や向きを変え、モニターの表面が飛沫で汚れないようにすることができる。
【0013】
8、請求項8の発明によれば、
前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な拡大鏡が配設されてなるため、
照明装置の後ろ側から施術者が、前記拡大鏡を通して患者の口腔部を拡大して観察することができ、顕微鏡等を準備しなくても、手軽に口腔部の詳細な観察ができる。
【0014】
9、請求項9の発明によれば、
前記照明器に固定の又は位置や向きが変更可能なカメラが配設されてなるため、
口腔内カメラを使用することなく、ハンズフリーで患者の口腔部が患者自身で見られるようにモニターに映すことができ、患者本位の診療を衛生的に、効率良く行うことができる。
さらに、照明器に取り付けられた前記カメラで取得した患者の口腔部の映像を、施術者に見やすい方向に移動させた前記モニターや、施術者が見やすい位置に配置した別のモニターに映すことにより、施術者が必要に応じて、口腔内カメラを使用することなく、ハンズフリーで患者の口腔部の映像を観察することもできるので、衛生的に、効率良く診療を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】歯科診療用チェアユニットに装備された本発明の歯科用照明装置の外観斜視図。
【図2】本発明の歯科用照明器の基本を示す外観斜視図。
【図3】本発明の他の歯科用照明器の外観斜視図。
【図4a】LEDモジュール単体の外観斜視図。
【図4b】LEDモジュール単体の分解図。
【図5】複数のLEDモジュールを1グループとし、照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図。
【図6】LEDモジュールを外側及び内側の2グループに分け、外側のグループは、照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差し、内側のグループは、照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図。
【図7】図6の分解図で、内側のグループが、照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図。
【図8】図6の分解図で外側のグループが、照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差するようにした模式図
【図9】複数のLEDモジュールを1グループとし照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにしたときの、400mmの距離における照度分布図。
【図10】複数のLEDモジュールを1グループとし照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにしたときの、700mmの距離における照度分布図。
【図11】複数個のLEDモジュールを上下、左右のグループに分け、上下のグループを照明装置からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにし、左右のグループを照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差するように設定したときの、400mmの距離における照度分布図。
【図12】複数個のLEDモジュールを上下、左右のグループに分け、上下のグループを照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにし、左右のグループを照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差するように設定したときの、700mmの距離における照度分布図。
【図13】距離計測センサーを備えた歯科用照明器の外観斜視図。
【図14】ミラーを備えた歯科用照明器の外観斜視図。
【図15a】他の実施例におけるミラー使用時を示す右側面一部断面図。
【図15b】他の実施例におけるミラー不使用時を示す右側面一部断面図。
【図16】モニターを備えた歯科用照明器の外観斜視図。
【図17】拡大鏡を備えた歯科用照明器の外観斜視図。
【図18】カメラ及びモニターを備えた歯科用照明器の外観斜視図。
【図19】従来の歯科用照明器の外観斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明を実施するための最良の形態を以下順次説明する。
図1は、歯科診療用チェアユニットに装備された本発明の歯科用照明装置の外観斜視図である。
図において、1は歯科用照明装置、2は歯科用照明器、3はヘッドレスト部、4は背もたれ、5は座部、6はライトポール、7はライトアーム、8はライト用ブラケット、26は歯科用チェアユニットを示す。
歯科用照明器2は、ライトアーム7の先端部のライト用ブラケット8に取付けられており、
患者(図示せず)は、チェアに仰臥あるいは座位の姿勢で、かつ口腔(図示せず)はヘッドレスト部3の位置にある。
そして照明光は、前記患者の口腔に対して歯科用照明器2から照射される。
【0017】
図19は、従来の歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、9bは従来の筐体、10はLEDモジュール、11aはハンドルを示す。
従来の歯科用照明器では、従来の筐体9bの照射光を照射する側の前面にわたり複数個のLEDモジュール10が配設されていた。このため、照射光を遮らずに照明装置の前面に、ミラーやモニター等を配置することはできなかった。
【0018】
図2は、本発明の歯科用照明器の基本を示す外観斜視図である。
図において9は筐体を示す。
本事例の筐体9の形状は矩形環状であり、図示したように、矩形環状9の中に、12個のLEDモジュール10が、上下に各4個、左右に各2個配設され、かつ中央部は中空になっている。
【0019】
ただし、LEDモジュールの数は限定されるものではなく、また、筐体が環状、円板状、方形板状、その他の形状でも、その外周にLEDモジュールが複数個配設され、中央にスペース(中空でなくてもよい)があってもよい。
図3は、本発明の他の歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、9aは方形板状の筐体を示す。
本事例の筐体9aの形状は図示したように、方形板状であり、その外周の周囲の前面に、14個のLEDモジュール10が、上下に各4個、左右に各3個配設され、かつ方形板の中央部はスペースを有し、このスペースには後記モニター(16)が設けられている。
【0020】
次に、前記歯科用照明器の詳細について、事例の図に基づき説明する。
図4aは、LEDモジュール単体の外観斜視図である。
図において20は投影用凸レンズを示す。
図4bは、LEDモジュール単体の分解図である。
図において、21はガイドマスク、21aは長方形開口部、22はLEDチップを示す。
ガイドマスク21は、投影する照射パターンと相似形をした長方形開口部21aを有し、照射パターンは長方形である。
【0021】
本事例では、図2に示すように、歯科用照明器2の外周に配設されたLEDモジュール10は、複数の12個であり、上方に4個、下方に4個の上下対称グループと、左方に2個、右方に2個の左右対称グループに分けられている。
前記2つのLEDモジュールは、2個のグループに分けられ、各グループ内の複数のモジュールは、照射光が前記歯科用照明器2から等距離で交差するように配設されており、
さらに、照明器2から照射光が交差するまでの距離が、前記グループ毎に異なるように取付けられる。
本事例では、患者の口腔部と照明器との距離を大きく変化させた場合でも、下記の所定範囲内なら適用できるように、
前記上下のグループは、歯科用照明器2からの距離は700mmで照射光が交差し、前記左右のグループは、歯科用照明器2からの距離は400mmで照射光が交差するような角度で各取付けられている。
【0022】
次に上記におけるLEDモジュールの取付け角度の設定の事例について記載する。
前記、図7及び図8の模式図参照。
照射光の交差面は、前述したように、照射光の光束の一断面は拡大された長方形であり、
かつ、同長方形が左右から傾斜角度をもって所定距離で交差するため、複雑な形状の交差面となるが、
次のような基本的な設定角度の算出と、その結果による交差面におけるムラの無い照度分布の実測値とは、実用上同一であることが知見されているので、
以下、前記、図7及び図8の模式図を参照して説明する。
【0023】
前記、LEDモジュールの取付け角度を算出するために、前記長方形の照射パターンの中心点を交差の中心とすれば、
表現を変えると、二等辺三角形の図形として表わすことができる。
すなわち、二等辺三角形ABCの底辺の長さBCが、照明器固有の長さBCであり、
その両端に底角αでLEDモジュールが取付けられ、頂角βを持つ頂点Aが交差点に相当する。
そして、この形状から、前記底辺BCの中心点迄頂点Aから垂線をおろすと、この垂線の長さが前記照明器から照射光が交差する距離に相当する。
また、前記垂線が引かれた形状は、垂線に関して対称な、直角三角形の形をしたものである。
さらに、前記直角三角形の低辺の長さは、前記二等辺三角形の底辺の長さの半分であるから一定で既知であり、前記垂線の長さも一定で既知であり、かつ角度の一つは直角であるから、
前記三つの既知の値から、底角αすなわちLEDモジュールの取付け角度は、三角関数式によって容易に算出することができる。
また、上記の手段において、図7と図8との相違は、前記換算される底辺及び垂線の長さが、それぞれ異なるだけで、基本は同じである。
なお、本事例の歯科用照明器においては、筐体の大きさに制限があるので、上記底辺の長さすなわち筐体の長さは、前記垂線すなわち照明器から照射光が交差する距離より短いものになる。
【0024】
前記の状態を以降に順次説明する。
図5は、複数のLEDモジュールを1グループとし、歯科用照明器2からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図であり、従来の歯科用照明器を説明するものである。
同図では、LEDモジュールの数は原理的な4個とした。
図において、10a、10b、10c、10dは各LEDモジュールを示す。
【0025】
図6は、LEDモジュールを外側及び内側の、2グループに分け、外側のグループは、歯科用照明器2からの距離が400mmの位置で照射光が交差し、内側のグループは、歯科用照明器2からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図であり、本発明の歯科用照明装置を説明するものである。
図において、10a、10dは外側のグループ、10b、10cは内側のグループのLEDを示す。
【0026】
図7は、図6の分解図で、内側のグループが、歯科用照明装置からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにした模式図で、
10b、10cは内側のグループのLEDモジュールを示す。
図8は、図6の分解図で外側のグループが、歯科用照明装置からの距離が400mmの位置で照射光が交差するようにした模式図で、
10a、10dは外側のグループのLEDモジュールを示す。
【0027】
次に、前記模式図に準ずる設定によって、実際の歯科用照明装置を用いて計測した照度分布図を以下に示す。
図9は、複数のLEDモジュールを1グループとし、照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにしたときの、400mmの距離における照度分布図で、
従来の照明器を説明するものである。
前記複数のLEDモジュールは、1グループ12個である。
図において23、24、25は各等照度線を示す。
そして、点々で示される幅広い線は等照度線を表わし、線上のいずれにおいても等照度である。照度は23が最も明るく、23〜25の順に次第に暗くなる。
図示したように、距離400mmにおいて、中央部は前記等照度線24の部分によって等照度線23の部分が、上下に2分され、照度ムラが発生していることが分かる。
【0028】
次に図10は、複数のLEDモジュールを1グループとし、歯科用照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにしたときの、700mmの距離における照度分布図で、図9と同様に従来の照明器を説明するものである。
複数のLEDモジュールは、12個である。
図示したように、照度は中央部が最も明るく、外側にゆくにつれて徐々に暗くなっており、理想的な照度分布であることが分かる。
このように,LEDモジュールのグループが一つで、全ての照射光が照明器から等しい距離で交差する従来の照明器では、照射光が交差する距離では理想的な照度分布を示すが、異なる距離では照度ムラ等の問題が発生することが分かる。
【0029】
図11は、複数個のLEDモジュールを上下、左右のグループに分け、
上下のグループを照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにし、
左右のグループを照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差するように設定したときの、400mmの距離における照度分布図であり、本発明の照明器を説明するものである。
全LEDモジュール数は12個で、上下8個、左右4個の2グループである。
図示したように、23、24,25の等照度線において、23の等照度線は分割されず、照度は中央部が最も明るく、外側にゆくにつれて徐々に暗くなっており、前記図9の照度ムラは解消されている。
【0030】
次に図12は、複数個のLEDモジュールを、上下、左右のグループに分け、
上下のグループを照明器からの距離が700mmの位置で照射光が交差するようにし、
左右のグループを照明器からの距離が400mmの位置で照射光が交差するように設定したときの、700mmの距離における照度分布図であり、本発明の歯科用照明器を説明するものである。
全LEDモジュール数は12個で、上下8個、左右4個の2グループである。
図示したように、照度は中央部が最も明るく、外側にゆくにつれて徐々に暗くなっており、理想的な照度分布を保っている。
このように本発明の照明器では、照明器からの距離が400から700mmの広い範囲で、照度ムラ等の問題が無く、常に診療に適した照度分布を維持できることが分かる。
【0031】
図13は、本発明の距離計測センサーを備えた歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、17は距離計測センサーを示す。
距離計測センサー17は、中空部(図2)の中央下部に配設されており、患者の口腔部(図1参照)との距離を直線的に、例えば赤外線等で計測することができる。
この計測距離に基づき連動して前記複数のLEDモジュールの駆動電流を増減し、前記複数のLEDモジュールの輝度を自動的に調整することができる。
なお、距離計測センサー17を歯科用照明器の他の場所に設置し、角度の補正を行なって計測することも可能である。
【0032】
次に、本発明の歯科用照明器は、前記複数のLEDモジュールの発光用電源及び、同発光用電源電流を調節する調整器(図示せず)を有し、前記複数のLEDモジュールの輝度を、それぞれ独立して調整できるようにしている。
前記調整器による調整は、例えば、LEDモジュール駆動用定電流電源回路を内蔵したスイッチイング電源の制御回路を可変してもよく、
そして、自動調整すなわち、前記距離計測センサーの遠近の計測値と連動させて、LEDモジュールの輝度を増減させる場合は、前記距離計測値の増減を、LEDモジュールの前記制御回路の入力値に変換して、前記自動調整器を制御すればよい。
【0033】
また、本発明の歯科用照明器2は、歯科用チェアユニット1のライトアーム7の先端部に装着されており(図1)、前記ライトアーム7駆動用の複数のアクチュエーターの、制御装置を備えている(図示せず)。
前記歯科用照明器2の位置の移動は、複数の関節部によって構成されている前記ライトアーム7(図1参照)の各関節部に、ライトアーム駆動用のアクチュエーターを配設し、同アクチュエーターの設定角度を変えることによって行なうことができる。
この設定角度の値は、予め、前記歯科用照明装置2と患者の口腔部との距離と、歯科用照明装置2の移動位置と、前記各アクチュエーターの設定角度との関係値を、コンピュータにメモリーしておき、
前記距離計測センサーからの距離信号に基づいて、前記アクチュエーターの設定角度を制御することによって、自動的に前記歯科用照明装置2と患者の口腔部までの距離を、常に一定に保つようにすることができる。
なお、前記距離の初期値の入力、及び前記制御の開始と終了は、手動又は自動で行なうことができる。
また、この機能は、前記患者が、診療姿勢変更等のため歯科用照明装置2と衝突することがないようにするための安全装置用として利用することもできる。
【0034】
次に、前記歯科用照明器中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能なミラー又はハーフミラーが配設されている事例を説明する。
図14は、本発明のミラーを備えた歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、12はミラー 、13は回転軸、14は回転方向を示す。
ミラー12は、回転軸13によって、回転方向14に自在に動かすことができる。
【0035】
図15aは本発明の他の実施例におけるミラー使用時を示す右側面一部断面図である。
図において、15はミラー用アームを示す。
図示したように、使用時にはミラー12は筐体9と平行であり、患者はミラーを直視することができる。
なお、施術者はLEDモジュール10からの照射光が患者の目に入らないように照射方向を調節するので、患者は、眩しさを感ずることなく良く見ることができる。
【0036】
図15bは、本発明の他の実施例におけるミラー不使用時を示す右側面一部断面図である。
使用しないときは、ミラー12を図のように倒すことができる。
【0037】
前記ミラー12に替えて、ハーフミラー12a(図示せず)とする場合は、前面から見た外形、取付け位置及び回転作用等は同じであるので説明を省略する。
ただし、ハーフミラー12aの場合は、患者はミラーとして口腔像を見ることができ、
かつ施術者は、ハーフミラー12aの背後から患者の状況を透視して観察することができる。
【0038】
図16は、本発明のモニターを備えた歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、16はモニターを示す。
モニター16は、薄型の液晶パネル等であり、前記ミラー12(図13)と同等の位置に配設され、後記、観察用のカメラ(図17)等で撮像された口腔内の映像、その他を表示する。
【0039】
図17は、拡大鏡を備えた歯科用照明器の外観斜視図である。
図において、18は拡大鏡を示す。
拡大鏡18は、前記歯科用照明装置2の中央部に取付けられ、歯科用照明装置2の後ろ側から施術者が前記拡大鏡18を通して患者の口腔部を拡大して観察することができる。
【0040】
図18は、本発明のカメラ及びモニターを備えた歯科用照明装置の外観斜視図である。
図において、19はカメラを示す。
カメラ19で撮像された口腔内の映像は、モニター16に表示される。
また、カメラは、固定されないフリーのハンドピース状でもよく、この場合は口腔内のみでなく他の関係箇所や資料等を撮像し表示することもできる。
【符号の説明】
【0041】
1: 歯科用照明装置
2:歯科用照明器
3:ヘッドレスト部
4:背もたれ
5:座部
6:ライトポール
7:ライトアーム
8:ライト用ブラケット
9:本発明の筐体
9a:方形板状の筐体
9b:従来の筐体
10:LEDモジュール
10a、10b、10c、10d:LEDモジュール
11:カバー
11a:ハンドル
12:ミラー
12a:ハーフミラー
13:回転軸
14:回転方向
15:ミラー用アーム
16:モニター
17:距離計測センサー
18:拡大鏡
19:カメラ
20:投影用凸レンズ
21:ガイドマスク
21a:長方形開口部
22:LEDチップ
23、24、25:等照度線
26:歯科用チェアユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状が矩形環状の照明器を備え、前記照明器の構成は、その表面に複数のLEDモジュールが分散して配設され、かつ前記複数のLEDモジュールの照射光が照射面で交差するように配設されてなることを特徴とする歯科用照明装置。
【請求項2】
照明器の構成が、その表面に複数のLEDモジュールが、前記照明器の外周に分散して配設されてなり、かつ、前記複数のLEDモジュールは、複数のグループに分けられ、各グループ内の全てのLEDモジュールは、照射光が、前記照明器から等距離の位置で交差するように配設されており、さらに、前記照明器から前記照射光が交差するまでの距離が、前記グループ毎に異なる照明器を備えてなることを特徴とする歯科用照明装置。
【請求項3】
前記照明器の、複数のLEDモジュールの発光用電源及び、同発光用電源電流を調節する調整器を有してなり、複数のLEDモジュールの輝度を、それぞれ独立して調整できるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の歯科用照明装置。
【請求項4】
前記照明器の、LEDモジュールの発光用電源と同発光用電源電流の自動調整器及び、前記照明器に設けられた距離計測センサーを備えてなり、前記距離計測センサーにより計測した前記照明器と患者の口腔部までの距離の値に基づいて、前記発光用電源電流の自動調整器を制御し、
前記口腔部における照度が常に一定になるように、前記複数のLEDモジュールの輝度を自動的に調整できるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項5】
歯科用チェアユニットのライトアームの先端部に装着された前記照明器と、
前記ライトアーム駆動用のアクチュエーターと、同アクチュエーターの制御装置を備えてなり、
前記距離計測センサーからの信号に基づいて、前記アクチュエーターを自動的に制御して、
前記照明器と患者の口腔部までの距離を、常に一定に保つようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項6】
前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、ミラー又はハーフミラーが配設されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項7】
前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、モニターが配設されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項8】
前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、拡大鏡が配設されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項9】
前記照明器に、固定の又は位置や向きが変更可能な、カメラが配設されてなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項1】
形状が矩形環状の照明器を備え、前記照明器の構成は、その表面に複数のLEDモジュールが分散して配設され、かつ前記複数のLEDモジュールの照射光が照射面で交差するように配設されてなることを特徴とする歯科用照明装置。
【請求項2】
照明器の構成が、その表面に複数のLEDモジュールが、前記照明器の外周に分散して配設されてなり、かつ、前記複数のLEDモジュールは、複数のグループに分けられ、各グループ内の全てのLEDモジュールは、照射光が、前記照明器から等距離の位置で交差するように配設されており、さらに、前記照明器から前記照射光が交差するまでの距離が、前記グループ毎に異なる照明器を備えてなることを特徴とする歯科用照明装置。
【請求項3】
前記照明器の、複数のLEDモジュールの発光用電源及び、同発光用電源電流を調節する調整器を有してなり、複数のLEDモジュールの輝度を、それぞれ独立して調整できるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の歯科用照明装置。
【請求項4】
前記照明器の、LEDモジュールの発光用電源と同発光用電源電流の自動調整器及び、前記照明器に設けられた距離計測センサーを備えてなり、前記距離計測センサーにより計測した前記照明器と患者の口腔部までの距離の値に基づいて、前記発光用電源電流の自動調整器を制御し、
前記口腔部における照度が常に一定になるように、前記複数のLEDモジュールの輝度を自動的に調整できるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項5】
歯科用チェアユニットのライトアームの先端部に装着された前記照明器と、
前記ライトアーム駆動用のアクチュエーターと、同アクチュエーターの制御装置を備えてなり、
前記距離計測センサーからの信号に基づいて、前記アクチュエーターを自動的に制御して、
前記照明器と患者の口腔部までの距離を、常に一定に保つようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項6】
前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、ミラー又はハーフミラーが配設されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項7】
前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、モニターが配設されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項8】
前記照明器の中央部に、固定の又は位置や向きが変更可能な、拡大鏡が配設されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【請求項9】
前記照明器に、固定の又は位置や向きが変更可能な、カメラが配設されてなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科用照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−76737(P2011−76737A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224043(P2009−224043)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(390011121)株式会社モリタ東京製作所 (28)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(390011121)株式会社モリタ東京製作所 (28)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
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