説明

歯科用計測装置

【課題】OCTの歯科用計測装置により2次元OCT信号中の信号強度ピークから計測組織の表面又は複数の組織の境界面を認識して特定し色分け表示できるが、組織の種類は自動的に特定できず、信号強度ピーク間の光学距離の2次元画像表示のみで、組織の特定と実際の厚さの計算は施術者が行っていた。本発明では組織の種類の特定及び実際の厚さの計算とその結果表示を自動で行う歯科用計測装置を提供する。
【解決手段】歯牙又は歯周の組織表面から深さ方向への1次元のOCT信号取得手段と、OCT信号における計測組織の表面と裏面又は異なる組織同士の境界面に対応する信号強度ピーク位置の検出手段と、ピーク位置中任意の2ヶ所の差からその間の光学距離を求める手段と、2ヶ所中片方又は両方の信号強度ピーク前後の信号強度分布から信号強度ピーク間の組織を特定する手段と、特定された組織の屈折率を選定する手段と、光学距離と屈折率から組織の実際の厚さを求める手段と、実際の厚さの表示手段から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件はOCTを利用した歯科用計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科医療において、歯のエナメル質厚さ、エナメル質表面を切削した後の残存エナメル質の厚さ、窩洞形成後の残存象牙質の厚さ又は歯槽骨までの歯肉の厚さ等を把握することは重要であるが、従来は非侵襲で手軽に利用できる計測装置が無いため厚さの判定は専ら施術者の勘と経験に委ねられていた。
このような状況の中、OCTを利用した歯科用計測装置の発明により、複数の組織から構成される被計測組織の2次元のOCT信号中の信号強度ピークから前記被計測組織の表面又は前記被計測組織中の複数の前記組織の境界面を認識し、前記組織毎に特定し色分けして表示することができるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−220779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしこのような方法では、前記組織の種類を自動的に特定する機能が無いため、前記信号強度ピーク間の光学距離をそのまま2次元画像で表示するだけで、前記光学距離を前記組織の屈折率で除算し前記組織の実際の厚さを計算させることはできなかった。
そのため、前記組織の種類の特定と前記組織の実際の厚さを求めるための計算は施術者が行わなければならなかった。
本発明では、前記組織の種類の特定と前記組織の実際の厚さを求めるための計算及び、その結果の表示を自動で行う歯科用計測装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記に鑑み本発明者は鋭意実験研究の結果下記の手段によりこの課題を解決した。
(1)歯牙組織又は/及び歯周組織の被計測組織の表面から深さ方向への1次元のOCT(Optical Coherence Tomography)信号を取得する信号取得手段と、前記OCT信号における、前記被計測組織の表面、裏面、あるいは前記被計測組織内に存在する複数の異なる組織同士の境界面に対応する信号強度ピーク位置の検出手段と、前記信号強度ピーク位置の内、任意の2ヶ所の位置の差から前記2ヶ所間の光学距離を求める手段と、前記2ヶ所の内、片方又は両方の信号強度ピーク前後の信号強度分布から前記2ヶ所の信号強度ピーク間の組織を特定する手段と、前記特定された組織から同組織の屈折率を選定する手段と、前記光学距離と前記屈折率から前記組織の実際の厚さを求める手段と、前記実際の厚さを表示する手段、から構成されたことを特徴とする歯科用計測装置。
【0006】
(2)前記2ヶ所の信号強度ピーク間の組織を特定する手段が、前記信号強度分布を、1次以上の多項式での近似、主成分分析、独立成分分析、ニューラルネットワーク、又は自己組織化マップのいずれかを利用して特定するものであることを特徴とする前項(1)に記載の歯科用計測装置。
【0007】
(3)前記実際の厚さを表示する手段に代わり、前記実際の厚さをブザーの音色、音の長さ、メロディー又は音声等の音により施術者に知らせることを特徴とする前項(1)又は(2)に記載の歯科用計測装置。
【0008】
(4)前記OCT取得手段が、コリメータレンズと光ファイバー、及びそれらを収納するケースとで構成された計測用のプローブを備えたことを特徴とする前項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の歯科用計測装置。
【発明の効果】
【0009】
1.本発明の請求項1の発明によれば
組織の実際の厚さを求める手段と、前記実際の厚さを表示する手段を備えてなるため、施術者は歯のエナメル質表面を切削した後の残存エナメル質の厚さ、窩洞形成後の残存象牙質の厚さ、又は歯槽骨までの歯肉の厚さ等を、簡単な操作で即座に把握することができるので、従来のように勘と経験に頼らず科学的根拠に基づいた的確な診療を行うことができる。
2.本発明の請求項2の発明によれば
2ヶ所の信号強度ピーク間の組織を特定する手段が、
前記信号強度分布を、1次以上の多項式での近似、主成分分析、独立成分分析、ニューラルネットワーク、又は自己組織化マップのいずれかを利用して特定するものであるため、信号強度分布を既に確立された統計的手法により短時間で正確に分類し、組織を特定することができる。
【0010】
3.本発明の請求項3の発明によれば
実際の厚さをブザーの音色、音の長さ、メロディー又は音声等の音により施術者に知らせることができるため、施術者は患者から目を離して表示部を見ることなく、組織の実際の厚さを知ることができ効率的な診療が可能である。
4.本発明の請求項4の発明によれば
前記OCT取得手段が、コリメータレンズと光ファイバー、及びそれらを収納するケースと構成された計測用のプローブを備えてなり、光走査機構やその他のレンズ等がないため、軽量かつ低コストであり、歯科診療で特に重要な計測用のプローブの低コスト化と軽量化を同時に実現できる。
また構造が簡単であるため、患者に接触する部分を容易に取り外して滅菌したり、使い捨てにしたりできるので衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の歯科用計測装置の外観斜視図
【図2】本発明の歯科用計測装置のプローブの縦断面図
【図3】前歯の縦断面を表す模式図
【図4】臼歯の縦断面を表す模式図
【図5】切削前の前歯の計測結果
【図6】エナメル質表面切削後の前歯の計測結果
【図7】象牙質まで切削した臼歯の計測結果
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明を実施するための最良の形態を以下に説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明の歯科用計測装置の外観斜視図である。
図において、1は歯科用計測装置、2はプローブ、3は本体、3aは表示部、3bはメインスイッチを示す。
図2は、本発明の歯科用計測装置のプローブの縦断面図である。
図において、2aはコリメータレンズ、2bは光ファイバー、2cはケースを示す。
光ファイバー2bを接続したコリメータレンズ2aが、先端を細くしたケース2c内の先端近くに取り付けられる。
施術者は、プローブ2を手に持ち先端を計測部位に接触又は近接させて計測を行う。
本プローブは光走査機構やその他のレンズ等がないため、軽量かつ低コストである。
【0014】
図3は、前歯の縦断面を表す模式図である。
図において、11は前歯、11aは切削箇所、11bは残存エナメル質厚さ、11cはエナメル質、11dは象牙質、11eは歯髄、11fは歯肉、11gは歯槽骨を示す。
例えば、切削箇所11aの切削が必要なラミネートベニア装着の症例では、残存エナメル質厚さ11bの実際の厚さの計測を目的として、施術者は切削箇所11aの切削後の表面にプローブ2を接触又は近接させて計測を行う。
【0015】
図4は、臼歯の縦断面を表す模式図である。
図において、12は臼歯、12aは切削箇所、12bは残存象牙質厚さ、12cはエナメル質、12dは象牙質、12eは歯髄、12fは歯肉、12gは歯槽骨を示す。
例えば、切削箇所12aの切削が必要な窩洞形成では、残存象牙質厚さ12bの実際の厚さの計測を目的として、施術者は切削箇所12aの切削後の表面にプローブ2を接触又は近接させて計測を行う。
【0016】
図5は、図3における切削前の前歯の計測結果である。
図において、21は切削前の前歯の信号強度分布、21aはエナメル質表面のピーク、21bはエナメル質と象牙質の境界面のピークを示す。
信号強度分布21のグラフは、横軸は深さ(μm)、縦軸は信号強度(dB)である。
横軸の0の位置が計測開始点で、ここは被計測組織表面から離れた空間のある一点である。
グラフ中の深さは計測開始点からの光学距離を表しており、後述する信号強度分布22及び信号強度分布23においても同様である。
エナメル質表面のピーク21aにおける横軸の数値は、エナメル質表面の位置(計測開始点からの光学距離)を表している。エナメル質と象牙質の境界面のピーク21bにおける横軸の数値は、エナメル質と象牙質の境界面の位置(計測開始点からの光学距離)を表している。
【0017】
図6は、図3におけるエナメル質表面切削後の前歯の計測結果である。
図において、22はエナメル質表面切削後の前歯の信号強度分布、22aは切削後のエナメル質表面のピーク、22bはエナメル質と象牙質の境界面のピークを示す。
切削後のエナメル質表面のピーク22aにおける横軸の数値は、切削後のエナメル質表面の位置(計測開始点からの光学距離)を表している。エナメル質と象牙質の境界面のピーク22bにおける横軸の数値は、エナメル質と象牙質の境界面の位置(計測開始点からの光学距離)を表している。
【0018】
図7は、図4における象牙質まで切削した臼歯の計測結果である。
図において、23は象牙質まで切削した臼歯の信号強度分布、23aは切削後の象牙質表面のピーク、23bは象牙質と歯髄の境界面のピークである。
切削後の象牙質表面のピーク23aにおける横軸の数値は、切削後の象牙質表面の位置(計測開始点からの光学距離)を表している。
象牙質と歯髄の境界面のピーク23bにおける横軸の数値は、象牙質と歯髄の境界面の位置(計測開始点からの光学距離)を表している。
【0019】
臨床において本発明の歯科用計測装置を使用する際、本体3に内蔵するコンピュータで行われる演算について説明する。
ここでは一例として、切削前の歯牙を被計測組織とし、
歯牙表面のエナメル質から深さ方向へ1次元のOCT信号を取得し、
前記OCT信号におけるエナメル質表面と、エナメル質裏面の信号強度ピーク位置を検出し、前記エナメル質表面と、エナメル質裏面の信号強度ピーク間の光学距離を求め、
前記エナメル質表面の信号強度ピーク前後の信号強度分布から前記エナメル質が、エナメル質であることを自動的に特定し、前記エナメル質の屈折率を選定する。
【0020】
前記光学距離と前記屈折率から前記エナメル質の実際の厚さを求め、表示する方法について以下に説明する。
またこの場合、図5のようなOCT信号が得られるので、以下の説明では便宜上図5を利用する。
1.臨床にて施術者が本発明の歯科用計測装置を用いて、図5のように歯牙のエナメル質表面から深さ方向への1次元のOCT信号を取得する。
2.前記1次元のOCT信号において、必要に応じて高速フーリエ変換によるフィルタ処理を行い、前記OCT信号からノイズとなる高周波成分を取り除く、この処理を行えば、以下の処理がより簡単になる。
またこれらの処理が、以下の処理も含め本発明の歯科用計測装置に内蔵されるコンピュータにより自動的に行われる。
3.必要に応じて高周波成分を取り除かれた前記OCT信号の傾きの変化から通常複数現れるピーク位置を検出する。
つまり21aと21bにおける深さを求めるということであり、21aでは1300μm、21bでは2800μmとなる。
【0021】
4.前記ピーク位置の内、深さ値が小さいもの(21a)をエナメル質表面に対応させ、次に深さが大きいもの(21b)を、エナメル質裏面に対応させる。
5.前記エナメル質表面及び前記エナメル質裏面の信号強度ピーク位置に対応する深さの差から、前記信号強度ピーク間の光学距離、つまり前記エナメル質表面から前記エナメル質裏面までの光学距離を求める。
前記より、光学距離=2800μm−1300μm=1500μmである。
【0022】
6.被計測組織がエナメル質であることは施術者が設定する必要は無く、後述する分類方法により自動的に分類され特定される。
7.ここでは被計測組織としてエナメル質が特定されるので、エナメル質に対応する屈折率が本発明の歯科用計測装置に内蔵されるデータベースから自動的に読み取られる。つまりエナメル質の屈折率として1.65が読み取られる。これは既に学会等で認められた値である。
【0023】
8.周知のように、光学距離は実際の距離に屈折率をかけたものであるから、
実際の距離は光学距離を屈折率で除算すると得られる。
本例の場合、光学距離は1500μm、屈折率は1.65であるから、
前記エナメル質の実際の厚さ=1500μm÷1.65=909μmである。
上記の値は、前記本体に内蔵するコンピュータによって自動的に求められる。
【0024】
9.前記実際の厚さは、例えば表示器にて「909μm」と数字で表示され る。
ここでは実際の厚さを求めた被計測組織表面の組織は切削前のエナメル質であったが、それ以外の組織であっても方法は同じである。
ただし、実際の厚さを求める組織を被計測組織表面の組織とするか、あるいはその奥の第二層目以降の組織とするかは、施術者が決めて計測前に設定するものであり、前項4.又は5.において何番目のピーク位置を利用するかは、この設定により変化する。
【0025】
以下に、一例として主成分分析による前記分類方法について説明する。そのために、まず分類のために必要な固有ベクトルの求め方について説明する。
(1)切削前、エナメル質表面切削後、象牙質まで切削後等の各症例におけるサンプルを多数準備し、前記サンプル表面から深さ方向へ1次元のOCT信号のデータを十分に多く取る。ここでデータ数はm個とする。
(2)必要に応じて高速フーリエ変換によるフィルタ処理を行い、各データからノイズとなる高周波成分を取り除く。
(3)各データの波形全体から症例毎及びピーク毎に、ピーク前後のデータを取り出す。
ここでピーク毎とは、深さが大きくなるにつれて現れるピークの順番毎にということであり、以降も同様である。
ピーク前後の取り出す範囲は予め決めておくが、最後の確認の段階で十分な分類精度が得られない場合は、前記範囲を広くしたり狭くしたりして調整した後、(3)からやり直す。
【0026】
(4)前記範囲における計測ポイント数をn個とし、取り出されたピーク前後の各データをn次のベクトルと考える。データ数はm個であり、前記ベクトルをm×n行列に置き換える。
(5)各行列の固有ベクトルを求める。固有ベクトルは第一、第二・・・の順に予め決めたところまで求めるが、最後の確認の段階で十分な分類精度が得られない場合は(5)からやり直し、より下位のものまで求める。
(6)多数準備した前記サンプルや、他のサンプルにて、再度、表面から深さ方向へ1次元のOCT信号を取得する。
(7)必要に応じて高速フーリエ変換によるフィルタ処理を行い、データからノイズとなる高周波成分を取り除く。
(8)ピーク前後のデータの取り出す範囲は(3)と同じにする。
【0027】
(9)各データの波形全体から症例毎及びピーク毎に、ピーク前後のデータを取り出す。
(10)各データをn次のベクトルと考え、前記各行列の固有ベクトルとの内積を求める。
(11)内積は各データと前記各行列の固有ベクトルとの距離を現しているので、これが最も小さい症例が、各データの属する症例となる。ここで、分類の精度が高ければ各固有ベクトルが確定するが、分類の精度が不十分な場合は、(3)や(5)に戻ってやり直す。ここで、(1)から(11)までの作業は本発明者により行われるものであり、前記各固有ベクトルは予め本発明の歯科用計測装置に入力しておくものである。
【0028】
前項6.における分類方法について以下に説明する。これは確定した前記各固有ベクトルを使い主成分分析を利用した方法である。
a.前記OCT信号の信号強度分布の波形全体からピーク21a前後のデータを取り出す。ピーク前後の取り出す範囲は(3)と同じである。
b.前記データをn次のベクトルと考え、前記各固有ベクトルとの内積を求める。
c.内積は前記データと前記各固有ベクトルとの距離を現しているので、これが最も小さい症例が、前記データの属する症例となる。ここでは前記ピークが切削前のエナメル質表面のものであることが自動的に特定され、被計測組織がエナメル質であると自動的に分類される。
【0029】
本発明の歯科用計測装置を歯牙切削のためのエアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピース、又は歯科用レーザー装置のプローブ等に装備し、計測しながら歯牙を切削することにより、エナメル質又は象牙質が目標の厚さになったときに自動的に前記
エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピース、又は歯科用レーザー装置等を停止させるようにすることもできる。
本実施例では、1次元のOCT信号を取得するとしているが、2次元又は3次元のOCT信号を取得し、そこから必要な箇所の1次元のOCT信号を取り出しても良い。また、計測対象を歯のエナメル質表面を切削した後の残存エナメル質の厚さ、窩洞形成後の残存象牙質の厚さ、又は歯槽骨までの歯肉の厚さ等としたが、歯科の他の症例や、皮膚科、眼科等の医療分野、工業分野、あるいは化粧品分野等、あらゆる分野において応用できることは言うまでも無い。
さらに、本発明は被計測組織の分類を自動で行うものであるが、これを手動とすることも可能である。ただし、操作は煩雑となる。
【符号の説明】
【0030】
1:歯科用計測装置
2:プローブ
2a:コリメータレンズ
2b:光ファイバー
2c:ケース
3:本体
3a:表示部
3b:メインスイッチ
11:前歯
11a:切削箇所
11b:残存エナメル質厚さ
11c、12c:エナメル質
11d、12d:象牙質
11e、12e:歯髄
11f、12f:歯肉
11g、12g:歯槽骨
12:臼歯
12a:切削箇所
12b:残存象牙質厚さ
21:切削前の前歯の信号強度分布
21a:エナメル質表面のピーク
21b:エナメル質と象牙質の境界面のピーク
22:エナメル質表面切削後の前歯の信号強度分布
22a:切削後のエナメル質表面のピーク
22b:エナメル質と象牙質の境界面のピーク
23:象牙質まで切削した臼歯の信号強度分布
23a:切削後の象牙質表面のピーク
23b:象牙質と歯髄の境界面のピーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯牙組織又は/及び歯周組織の被計測組織の表面から深さ方向への1次元のOCT(Optical Coherence Tomography)信号を取得する信号取得手段と、
前記OCT信号における、前記被計測組織の表面、裏面、あるいは前記被計測組織内に存在する複数の異なる組織同士の境界面に対応する信号強度ピーク位置の検出手段と、
前記信号強度ピーク位置の内、任意の2ヶ所の位置の差から前記2ヶ所間の光学距離を求める手段と、
前記2ヶ所の内、片方又は両方の信号強度ピーク前後の信号強度分布から前記2ヶ所の信号強度ピーク間の組織を特定する手段と、
前記特定された組織から同組織の屈折率を選定する手段と、
前記光学距離と前記屈折率から前記組織の実際の厚さを求める手段と、
前記実際の厚さを表示する手段、から構成されたことを特徴とする歯科用計測装置。
【請求項2】
前記2ヶ所の信号強度ピーク間の組織を特定する手段が、
前記信号強度分布を、
1次以上の多項式での近似、
主成分分析、
独立成分分析、
ニューラルネットワーク、
又は自己組織化マップ
のいずれかを利用して特定するものであることを特徴とする請求項1に記載の歯科用計測装置。
【請求項3】
前記実際の厚さを表示する手段に代わり、
前記実際の厚さをブザーの音色、音の長さ、メロディー又は音声等の音により施術者に知らせることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯科用計測装置。
【請求項4】
前記OCT信号取得手段が、コリメータレンズと光ファイバー及び、それらを収納するケースとで構成された計測用のプローブを備えてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の歯科用計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−100825(P2012−100825A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251100(P2010−251100)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(390011121)株式会社モリタ東京製作所 (28)
【Fターム(参考)】