歯車加工装置
【課題】クラウニング加工を行うことができ、かさ高にならず、しかも加工時の機械強度を維持することができる、歯車加工装置を提供する。
【解決手段】基台と、この基台上に配置され、被加工歯車と噛み合って加工を行う内歯車状の工具を有する工具ユニットと、基台上に配置され、被加工歯車を回転自在に支持し、工具ユニットに対して相対的に近接離間するワーク支持ユニットと、工具の回転中心を通過する第1軸線と直交する第2軸線周りに、当該工具を回転させる第1回転駆動機構と、を備えている。
【解決手段】基台と、この基台上に配置され、被加工歯車と噛み合って加工を行う内歯車状の工具を有する工具ユニットと、基台上に配置され、被加工歯車を回転自在に支持し、工具ユニットに対して相対的に近接離間するワーク支持ユニットと、工具の回転中心を通過する第1軸線と直交する第2軸線周りに、当該工具を回転させる第1回転駆動機構と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工歯車に、内歯車状の工具を噛合させて加工を行う歯車加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、歯車に対する仕上げ加工として、例えばホーニング加工が知られている。これらの加工においては、加工対象となる被加工歯車と砥石用歯車とを互いにかみ合わせた状態で、回転させて仕上げ加工を行っている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ホーニング加工を行う歯車加工装置が記載されている。この装置では、被加工歯車であるワークを、主軸台と心押し台からなるワーク支持ユニットにより軸方向の両端から挟むことで支持し、両固定具の間に配置された、内歯車状の工具を有する環状の工具ユニットをワークに噛合させている。そして、この状態で工具ユニットの工具を回転させることにより、ワークと工具とを連れ周りさせ、ワークの加工を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許2880407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、歯車を加工する際には、クラウニングと呼ばれる加工を施すことがある。クラウニングは、加工中に、ワーク支持ユニットを垂直軸周りに回転させることで行われる。ところが、ワーク加工ユニットは、主軸台及び心押し台を近接させるためのテーブルがそれぞれ必要となり、さらにこれらテーブルをクラウニング用に回転させるためのテーブルが必要となる。したがって、従来の形態では、複数のテーブルを積層する必要があり、装置がかさ高になるという問題があった。また、ワークとの工具との噛み合い時には大きい力が作用するところ、テーブルの積層により、この力に抗する強度が低下するという問題もある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、クラウニング加工を行うことができ、かさ高にならず、しかも加工時の機械強度を維持することができる、歯車加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基台と、前記基台上に配置され、被加工歯車と噛み合って加工を行う内歯車状の工具を有する工具ユニットと、前記基台上に配置され、前記被加工歯車を回転自在に支持し、前記工具ユニットに対して相対的に近接離間するワーク支持ユニットと、前記工具の回転中心を通過する第1軸線と直交する第2軸線周りに、当該工具を回転させる第1回転駆動機構と、を備えている。
【0008】
この構成によれば、工具ユニットが第2軸線周りに回転可能となっているため、ワーク支持ユニットを回転させる必要がない。したがって、ワーク支持ユニットを回転させるためのテーブルが不要になり、クラウニングを行うことができつつ、装置がかさ高にならず、コンパクトにすることができる。また、テーブルが少なくとも一層不要になるため、加工時における装置の機械強度も向上することができる。なお、被加工歯車の加工時に切り込みを入れるには、工具ユニットまたはワーク支持ユニットのいずれかを移動させればよいが、ワーク支持ユニットを移動させるようにすると、次の利点がある。一般的に、ワーク支持ユニットは、工具ユニットよりも重量が小さいため、ワーク支持ユニットを移動させるようにすると、移動の制御精度が高くなる。その結果、加工精度も向上することができる。
【0009】
上記歯車加工装置においては、第1軸線周りの工具の角度位置を固定してもよいが、第1軸線周りに、工具を回転させる第2回転駆動機構を、さらに設けることもできる。これにより、被加工歯車に形成される交差角を変化させることができ、種々の交差角を形成することができる。
【0010】
ワーク支持ユニットは、例えば、基台上で、工具ユニットの工具に近接離間する支持台と、この支持台上に配置され、被加工歯車を回転駆動させる主軸台と、で構成することができる。そして、支持台において主軸台を支持する支持面は、工具との噛み合い位置から離れるにしたがって上方へ傾斜させることができる。この構成によれば、次の効果を得ることができる。上記のように、ワーク支持ユニットは、工具ユニットよりも重量が小さいため、加工時にワーク支持ユニットを工具に近接させると、反力により主軸台が工具から離れる方向に押されることがある。これにより、主軸台が浮き上がり、正確な位置を維持できないおそれがある。これに対して、上記のように、支持台において主軸台を支持する支持面を、工具との噛み合い位置から離れるにしたがって上方へ傾斜させると、主軸台が略水平方向に受ける反力を支持面によって受け止めることができる。その結果、主軸台が動くのを防止でき、加工時の位置を維持することができる。
【0011】
上記ワーク支持ユニットは、種々の構成にすることができるが、例えば、被加工歯車を回転駆動させる主軸台と、この主軸台に対し相対的に近接離間し、主軸台との間で被加工歯車を回転可能に挟持する心押し台と、で構成することができる。そして、主軸台と心押し台とは、工具ユニットを挟んで配置され、被加工歯車を挟持した状態で、同期して前記工具ユニットに対して近接離間するように制御することができる。この構成によれば、被加工歯車を主軸台と芯押し台とで挟んで支持しているため、被加工歯車を強固に固定することができる。したがって、加工中に被加工歯車の位置がずれるのを防止でき、加工精度を向上することができる。
【0012】
上記歯車加工装置においては、被加工歯車にクラウニングを施すために、次のように構成することができる。例えば、工具ユニットを、上記第2軸線周りに回転自在に支持される支持体と、この支持体上で工具を支持し、上記第1軸線周りに前記支持体に回転可能に支持されるハウジングと、で構成することができる。この構成によれば、支持体を第2軸線周りに回転できるため、加工中に支持体を第2軸線周りに回転させることで、被加工歯車にクラウニングを施すことができる。また、工具を支持するハウジングが支持体に対して第1軸線周りに回転できるため、ハウジングを傾斜させて加工を行えば、被加工歯車に交差角を形成することもできる。
【0013】
上記のようなクラウニングを施すため、上述した第1回転駆動機構は、例えば、支持体に、上記第2軸線の延びる方向と平行に延びる第3軸線周りに回転可能に支持される回転部材と、この回転部材に係合され、上記第3軸線と直交する方向に移動可能に支持される移動部材と、この移動部材を駆動する駆動手段と、で構成することができる。
【0014】
この構成によれば、移動部材を駆動手段によって直線方向に移動させると、回転部材も移動部材とともに移動する。回転部材は、支持体上に回転自在に支持とされているため、移動部材の直線運動が回転運動に変換され、支持体は、第2軸線周りに回転する。したがって、駆動手段の駆動により、支持体を第2軸線周りに回転させることができ、クラウニングが可能となる。
【0015】
上記歯車加工装置においては、被加工歯車の情報を検出する歯車検出手段をさらに設けることができる。この歯車検出手段は、例えば、被加工歯車と噛み合う基準歯車を回転自在に支持するアームと、アームを、前記主軸台に取り付けられた被加工歯車に対して近接離間させる駆動手段と、基準歯車と前記被加工歯車との噛み合い位置を検出する検出手段と、検出手段によって検出された前記噛み合い位置に基づいて、前記被加工歯車の加工開始位置を算出する制御手段と、で構成することができる。
【0016】
この構成によれば、基準歯車を被加工歯車に噛み合わせているため、かみ合い位置から、被加工歯車の形状を検出することができる。例えば、切削すべき加工量を特定することができる。そのため、加工を開始する位置を把握することができるため、いわゆるエアカットを少なくすることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明に係る歯車加工装置によれば、クラウニング加工を行うことができ、かさ高にならず、しかも加工時の機械強度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る歯車加工装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1の歯車加工装置の平面図である。
【図3】図1の歯車加工装置の側面図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】図3のB−B線断面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【図7】図4のD−D線断面図である。
【図8】図6からの動作図である。
【図9】ハウジングの正面図である。
【図10】図9のE−E線断面図である。
【図11】図2のF−F線矢視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る歯車加工装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1、図2、及び図3は、それぞれ本実施形態に係る歯車加工装置の正面図、平面図、及び側面図である。なお、以下の説明では、図1の左右をX軸方向、図1の上下をZ軸、図2の上下をY軸方向と称し、これを基準に説明をしていく。
【0020】
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る歯車加工装置は、基台1上に配置された工具ユニット2及びワーク支持ユニット3を備えている。工具ユニット2は、環状に形成され工具が固定されたハウジング21を有しており、その軸方向が、概ねX軸方向に向くように配置されて、ワークWである歯車と噛合するようになっている。ワーク支持ユニット3は、ワークWを挟持する主軸台31と心押し台32とで構成されており、これらは、工具ユニット2を挟んで、基台1の両側に配置されている。
【0021】
まず、工具ユニットについて、図4を詳細に説明する。図4は図1のA−A線断面図である。工具ユニット2のハウジング21は、ワークWに交差角を形成したりクラウニングを施すために、Y軸周り、及びZ軸周りに回転可能となっている。そのため、工具ユニット2は、基台1上に配置され、上述したハウジング21を支持する支持体23を備えている。図4に示すように、この支持体23は基台1上をZ軸周りに回転可能な基部231と、この基部231の両端からそれぞれ上方に延びる支持柱232、233とを有し、全体としてU字型に形成されている。ここでは、図4の右側に配置される支持柱を第1支持柱232、左側に配置される支持柱を第2支持柱233と称する。そして、ハウジング21には、径方向外方へY軸方向にそれぞれ反対方向へ突出する第1軸部材234(図4の右側)及び第2軸部材235(図4の左側)が取り付けられており、両軸部材234,235の軸心は工具6の回転中心に一致し、これを通過する軸線(第1軸線)N周りにハウジング21は各支持柱232、233に回転自在に支持されている。これにより、両支持柱232、233の間に配置されたハウジング21は、両軸部材234,235を中心にY軸周りに回転可能となっている。
【0022】
次に、ハウジング21のY軸周りの回転を駆動する駆動機構(第2回転駆動機構)について、図5も参照しつつ説明する。図5は図3のB−B線断面図である。図4に示すように、第1軸部材234の端部には、ウォームホイル236が取り付けられている。また、図5に示すように、第1支持柱232の内部には、ウォームホイル236と噛み合うウォーム237が設けられている。このウォーム237は、上下方向に延びる回転軸238に取り付けられており、この回転軸238はモータ239によって回転駆動されるようになっている。したがって、モータ239を駆動すると、ウォーム237が回転し、これに伴ってウォームホイル236が第1軸部材234とともに回転する。これにより、ハウジング21がY軸周りに回転する。
【0023】
続いて、ハウジング21のZ軸周りの回転機構について、図6も参照しつつ説明する。図6は、図4のC−C線断面図である。図4に示すように、支持体23は、ハウジング21を支持するものであるが、支持体23の基部231は、ハウジング21の下部に沿うように、円弧状に形成されている。これに対応するように、基台1において支持体23が配置される箇所には、支持体23を配置するための凹部11が形成されている。この凹部11には、上方へ突出する円柱状の軸部材12が取り付けられており、この軸部材12は、支持体23の基部231の下面に形成された貫通孔2311に回転自在に嵌め込まれている。また、貫通孔2311の上面は蓋部材2312によって閉じられている。軸部材12は、ハウジング21の中心からずれた位置に設けられており、工具6とワークWとが噛み合う位置Kのほぼ真下に設けられている。したがって、ハウジング21は、工具6とワークWとが噛み合う位置を通る垂直軸(第2軸線)L周りに回転するようになっている。また、図4及び図6に示すように、基台1の凹部11におけるY軸方向の両端部には、円弧状の摺動プレート13がそれぞれ配置されており、この摺動プレート13上に支持体23の基部231の両端部が載っている。基部231の両端部の下面には、複数のローラ2313が取り付けられており、摺動プレート13上を転がるようになっている。このような摺動プレート13及びローラ2313によって、支持体23は、基台1上を円滑に回転することができる。
【0024】
続いて、支持体23のZ軸周りの回転を駆動する駆動機構(第1回転駆動機構)について、図7及び図8も参照しつつ説明する。図7は図4のD−D線断面図、図8は図6からの動作図である。図6に示すように、支持体23の基部231の端部(図7の左側)にはブラケット24を介して、円筒状の回転部材25が回転自在に取り付けられている。この回転部材25は、ブラケット24に取り付けられた上下方向(第3軸線方向)に延びる軸部材241に回転可能に嵌まっている。そして、この回転部材25は、一対のアームを有する挟持部材(移動部材)26によりX軸方向から挟まれている。この狭持部材26はX方向に延びるレール261上を移動可能になっている。また、基台1の端部(図6の右側)には、ブラケット271を介してモータ27が取り付けられており、このモータ27によってX軸方向に延びるボールネジ28が回転駆動される。ボールネジ28にはナット29が螺合しており、このナット29が、上述した挟持部材26に固定されている。この構成によって、モータ27が駆動すると、ボールネジ28が回転し、これに伴って、図8に示すように、ナット29が挟持部材26とともにX方向に移動する。挟持部材26は、回転部材25を挟持しているため、回転部材25もX方向に移動する。このとき、回転部材25は、ブラケット24を介して支持体23に固定されているため、回転部材25の移動により、支持体23は、軸部材12を中心に角度αだけ揺動されることになる。なお、回転部材25は、挟持部材26に挟まれているだけであり、完全に固定されているわけではないので、ナット29の直線運動が揺動運動に変換されるとき、回転部材25は、挟持部材26のアームの間において、Y軸方向にわずかに移動可能であるため、支持体23はスムーズに揺動運動を行う。
【0025】
次に、図9及び図10を参照しつつ、ハウジングについて説明する。図9はハウジングの正面図、図10は図9のE−E線断面図である。図9及び図10に示すように、ハウジング21は、軸方向の中央付近で、外周面が陥没し径方向内方に向かって突出する凸部212を有している。そして、ハウジング21の凸部212にはベアリング4が取り付けられ、これを介して環状の支持部材5が回転可能に配置されている。また、この支持部材5の内周面には内歯車状の工具6が固定されている。支持部材5は、ハウジング21の軸方向の一端部(図10の下側)とベアリング4を覆う基部51と、この基部51に連結され、ハウジング21の他端部(図10の上側)を覆う延在部52とで構成されている。これにより、ハウジング21には、凸部212を挟んで軸方向に2つの空間が形成されている。すなわち、図5の下側には支持部材5の基部51とハウジング21とで、モータを収容するためのモータ収容部250が形成されている。一方、図10の上側には、支持部材5の延在部52とハウジング21とで、検出器を収容するための検出器収容部260が形成されており、この検出器によって支持部材5の回転角度位置が検出される。
【0026】
続いて、モータ収容部250の構成について説明する。図10に示すように、モータ収容部250には、熱伝導性の高い材料で、環状に形成された断面L字型の冷却ジャケット7が取り付けられている。そして、冷却ジャケット7には、環状に形成されたモータのステータ部81が固定されている。一方、支持部材5の外周面には、このステータ部81と対向する位置に環状に形成されたモータのロータ部82が固定されている。ステータ部81には、ハウジング21の凹部211を介して外部から導線(図示省略)が連結されており、ステータ部81に対して電力が供給される。なお、ステータ部81及びロータ部82は公知のものを使用することができる。
【0027】
続いて、検出器収容部260について説明する。図10に示すように、検出器収容部260には、支持部材5の回転角度位置を検出する検出器が収容されている。この検出器は、支持部材5に固定される環状の磁気メモリ付スケール83と、ハウジング21に固定される磁気エンコーダ84とで構成されている。磁気エンコーダ84は、磁気メモリスケール83と対向するように配置されており、ハウジング21の外部へと延びる導線85と接続されている。
【0028】
次に、ワーク支持ユニットについて図11も参照しつつ説明する。図11は図2のF−F線矢視図である。図1に示すように、ワーク支持ユニット3は、上述した主軸台31と、心押し台32とで構成されており、これらは、X軸方向に互いに近接離間し、ワークWを回転自在に挟持するようになっている。主軸台31は、基台1上に配置された支持ブロック(支持台)33上に配置されており、この支持ブロック33が、Y軸方向に配置されたレール34上を移動可能となっている。Y軸方向の移動については、支持ブロック33に連結されたナット(図示省略)に、ボールねじ(図示省略)を螺合し、このボールねじを基台1に配置されたモータ332で駆動することで行われる。
【0029】
図11に示すように、支持ブロック33は、断面三角形状に形成されており、主軸台31が配置される支持面331が工具6との噛み合い位置から離れるにしたがって上方へ傾斜している。この支持面331には、X軸方向に配置されたレール35が配置されており、このレール35に沿って主軸台31がX軸方向に移動可能となっている。図1に示すように、主軸台31の移動は、支持ブロック33に設けられたモータ333によって行われる。そして、主軸台31の先端には、X方向に突出しワークWを支持する軸部材311が回転自在に設けられており、内蔵されているモータ(図示省略)によって回転駆動する。心押し台32も同様に構成されており、基台1上をレール37を介してY軸方向に移動可能なテーブル36上に配置されている。テーブル36の移動は、図2に示すように、基台1上に配置されたモータ361、ボールねじ(図示省略)、ナット(図示省略)によって行われる。そして、心押し台32自身もレール38を介してテーブル36上をX軸方向に移動可能となっている。また、心押し台32の先端には、ワークWを支持する軸部材321が回転自在に設けられており、主軸台31の軸部材311との間で、ワークWを挟持するようになっている。主軸台31と心押し台32とは、一体的にY軸方向に移動するように制御されており、両者がワークWを狭持した状態でY軸方向に移動し、ワークWを工具ユニット2の工具に近接離間するようになっている。
【0030】
続いて、ワークの形状を検出するワーク検出器について説明する。図1及び図11に示すように、ワーク検出器9は、ブラケット91を介して、支持ブロック33の上部に取り付けられており、主軸台31の近傍から上方に延びる棒状の支持部92を備えている。この支持部92には、主軸台31側へ下方に向かって移動可能なアーム93が移動可能に支持されており、アーム93の移動は、支持部92に取り付けられたシリンダ94によって行われる。アーム93の下方の先端には、基準歯車95を回転自在に支持するための軸受けが取り付けられている。基準歯車95とは、後述するように、ワークWに噛み合うことで、ワークの形状、特に、加工すべき量を検出するためのものである。そして、基準歯車95はワークWの種類ごとに規定されており、軸受けに対して着脱自在に取り付けられる。また、アーム93及び支持部92には、支持部92に対するアーム93の位置を検出するセンサ(図示省略)が設けられており、これにより、基準歯車95とワークWのかみ合い位置を検出することができる。
【0031】
さらに、この加工装置においては、図示を省略するが、各部材の駆動を制御し、加工を最適に行うための制御装置(コンピュータ)が設けられている。
【0032】
次に、上記のように構成された歯車加工装置の動作について説明する。まず、工具ユニットに取り付けたワークの形状を検出する。はじめに、主軸台31の軸部材311にワークWを取り付ける。次に、上述したワーク検出器9において、アーム93の軸受けにワークWと対応する基準歯車95を取り付けた後、シリンダ94を駆動してアーム93を移動し、主軸台31のワークWと基準歯車95とを噛み合わせる。そして、両者が噛み合ったときのアーム93の位置からワークWの形状を算出する。すなわち、制御装置によって加工すべき量を算出し、これによってワークWと工具6が噛み合って加工を開始する位置を計算する。このような計算により、いわゆるエアカットを小さくすることができる。
【0033】
次に、ワークWに所定の交差角を形成するために、工具ユニット2のハウジング21をY軸周りに回転させ、位置決めする。続いて、主軸台31及び心押し台32を互いに近接させ、ワークWを挟持する。この状態で、主軸台31の軸部材311をワークWとともに回転させる。これと並行して、各モータを駆動し工具ユニット2の工具6をワークWと同期するように、回転させる。これに続いて、主軸台31及び心押し台32を一体的にY軸方向に移動させ、ワークWを工具6に近接させる。そして、ワークWと工具6とを噛み合わせ、連れ廻りさせることで、ワークWの加工を行う。また、必要に応じてハウジング21をZ軸周りに回転させ、ワークWにクラウニングを施す。このとき、検出器が支持部材5の回転角度位置を検出することで、工具6とワークWの回転が同期するように、各モータの回転が制御される。また、このような加工作業と同時に、工具6とワークWとの噛み合わせ部分に切削油を噴射し、加工部位の冷却、潤滑、切り屑除去を行う。こうして、所定時間加工を行った後、各モータの駆動を停止し、加工されたワークWを取り外す。
【0034】
その後、新たなワークWを主軸台31に取り付けて加工を続ける場合にも、上記と同様に、ワーク検出器9でワークWの形状を検出する。このとき、ワークWと基準歯車95とが噛み合ったときのアーム93の位置からワークWの形状を算出するのであるが、前回加工したワークWを検査したときのアーム93の位置を記憶しておけば、今回検出されたアーム93の位置との差から、加工量を算出することができる。すなわち、今回の検出されたアーム93の位置に基づいて、加工開始位置を計算し直す手間を省くことができる。
【0035】
上記加工中、工具ユニット2は次のように動作する。まず、ベアリング4に対しては、潤滑油を供給する。また、冷却ジャケット7の溝711に冷却油が供給されることにより、冷却ジャケット7の基部71及び側板部72が冷却される。これにより、ステータ部81が周方向外方及び軸方向の外方から冷却され、ステータ部81が高温になるのを防止している。ワークWの加工中は、以上のような動作が行われて工具ユニット2の安定的な動作が保証される。
【0036】
以上のように、本実施形態では、工具ユニット2が垂直軸周りに回転可能となっているため、ワーク支持ユニット3を回転させる必要がない。したがって、ワーク支持ユニット3を回転させるためのテーブルが不要になり、クラウニングを行うことができつつ、装置がかさ高にならず、コンパクトにすることができる。また、ワーク支持ユニット側のテーブルが少なくとも一層不要になるため、加工時における装置の機械強度も向上することができる。さらに、工具ユニット2よりも重量が小さいワーク支持ユニット3を移動させて切り込みを行っているため、移動の制御精度が高くなる。その結果、加工精度も向上することができる。
【0037】
また、ワーク支持ユニット3の支持ブロック33の支持面331を傾斜させているため、次の効果を得ることができる。上記のように、ワーク支持ユニット3は、工具ユニット2よりも重量が小さいため、加工時にワーク支持ユニット3を工具に近接させると、反力により主軸台31が工具から離れる方向に押されることがある。これにより、主軸台31が浮き上がり、正確な位置を維持できないおそれがある。これに対して、上記のように、主軸台31を支持する支持面331を、工具6との噛み合い位置から離れるにしたがって上方へ傾斜させると、主軸台31が略水平方向に受ける反力を支持面によって受け止めることができる。その結果、主軸台31が動くのを防止でき、加工時の位置を維持することができる。
【0038】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、工具ユニット2を固定し、ワーク支持ユニット3を工具ユニット2に近接させることで、加工を行っているが、これとは反対に、ワーク支持ユニット3を固定し、工具ユニット2を移動させても良い。また、ワーク支持ユニット3においては、主軸台31と心押し台32とでワークWを狭持しているが、主軸台31のみでワークWを支持するような形態であってもよい。
【0039】
上記実施形態では、ハウジング21を水平方向に延びる軸線N周り,及び鉛直方向に延びる軸線L周りに回転させるようにしているが、これらの軸方向は、基台1の向きによって適宜変更される。例えば、ハウジング21が配置される基台1の面が、鉛直方向に延びるように配置すれば、上記軸線Lは、水平方向に延びる軸となる。したがって、ハウジング21を回転するための軸線の方向は、基台1を基準として適宜変更される。
【0040】
上記実施形態では、クラウニングは、工具6とワークWとの噛み合い位置を通過する軸線L周りにハウジング21を回転させることで行っているが、上記軸線Nと直交し、支持体23の基部231を通過する軸線であれば、特には限定されない。また、ハウジング21が軸線N周りに回転可能にしているが、これを固定して所定の交差角のみ形成できるようにしておき、回転ができないように構成することもできる。また、交差角を形成するために工具を回転させるための第1軸線は、上記のような工具の直径方向に延びる軸線Nに限定されず、工具の回転中心を通過する軸線であればよく、この軸線周りに工具を回転させて交差角を形成することができる。
【0041】
上記実施形態では、工具ユニットのハウジングの中にビルトインのモータを配置しているが、工具ユニットの外部にモータを配置し、ギアやモータなどの機構を介して工具ユニット内の工具を回転させることもできる。
【符号の説明】
【0042】
2 工具ユニット
21 ハウジング
23 支持体
25 回転部材
26 挟持部材(移動部材)
27 モータ(駆動手段)
3 ワーク支持ユニット
31 主軸台
32 心押し台
33 支持ブロック(支持台)
6 工具
9 ワーク検出器(歯車検出器)
93 アーム
94 シリンダ(駆動手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工歯車に、内歯車状の工具を噛合させて加工を行う歯車加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、歯車に対する仕上げ加工として、例えばホーニング加工が知られている。これらの加工においては、加工対象となる被加工歯車と砥石用歯車とを互いにかみ合わせた状態で、回転させて仕上げ加工を行っている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ホーニング加工を行う歯車加工装置が記載されている。この装置では、被加工歯車であるワークを、主軸台と心押し台からなるワーク支持ユニットにより軸方向の両端から挟むことで支持し、両固定具の間に配置された、内歯車状の工具を有する環状の工具ユニットをワークに噛合させている。そして、この状態で工具ユニットの工具を回転させることにより、ワークと工具とを連れ周りさせ、ワークの加工を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許2880407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、歯車を加工する際には、クラウニングと呼ばれる加工を施すことがある。クラウニングは、加工中に、ワーク支持ユニットを垂直軸周りに回転させることで行われる。ところが、ワーク加工ユニットは、主軸台及び心押し台を近接させるためのテーブルがそれぞれ必要となり、さらにこれらテーブルをクラウニング用に回転させるためのテーブルが必要となる。したがって、従来の形態では、複数のテーブルを積層する必要があり、装置がかさ高になるという問題があった。また、ワークとの工具との噛み合い時には大きい力が作用するところ、テーブルの積層により、この力に抗する強度が低下するという問題もある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、クラウニング加工を行うことができ、かさ高にならず、しかも加工時の機械強度を維持することができる、歯車加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基台と、前記基台上に配置され、被加工歯車と噛み合って加工を行う内歯車状の工具を有する工具ユニットと、前記基台上に配置され、前記被加工歯車を回転自在に支持し、前記工具ユニットに対して相対的に近接離間するワーク支持ユニットと、前記工具の回転中心を通過する第1軸線と直交する第2軸線周りに、当該工具を回転させる第1回転駆動機構と、を備えている。
【0008】
この構成によれば、工具ユニットが第2軸線周りに回転可能となっているため、ワーク支持ユニットを回転させる必要がない。したがって、ワーク支持ユニットを回転させるためのテーブルが不要になり、クラウニングを行うことができつつ、装置がかさ高にならず、コンパクトにすることができる。また、テーブルが少なくとも一層不要になるため、加工時における装置の機械強度も向上することができる。なお、被加工歯車の加工時に切り込みを入れるには、工具ユニットまたはワーク支持ユニットのいずれかを移動させればよいが、ワーク支持ユニットを移動させるようにすると、次の利点がある。一般的に、ワーク支持ユニットは、工具ユニットよりも重量が小さいため、ワーク支持ユニットを移動させるようにすると、移動の制御精度が高くなる。その結果、加工精度も向上することができる。
【0009】
上記歯車加工装置においては、第1軸線周りの工具の角度位置を固定してもよいが、第1軸線周りに、工具を回転させる第2回転駆動機構を、さらに設けることもできる。これにより、被加工歯車に形成される交差角を変化させることができ、種々の交差角を形成することができる。
【0010】
ワーク支持ユニットは、例えば、基台上で、工具ユニットの工具に近接離間する支持台と、この支持台上に配置され、被加工歯車を回転駆動させる主軸台と、で構成することができる。そして、支持台において主軸台を支持する支持面は、工具との噛み合い位置から離れるにしたがって上方へ傾斜させることができる。この構成によれば、次の効果を得ることができる。上記のように、ワーク支持ユニットは、工具ユニットよりも重量が小さいため、加工時にワーク支持ユニットを工具に近接させると、反力により主軸台が工具から離れる方向に押されることがある。これにより、主軸台が浮き上がり、正確な位置を維持できないおそれがある。これに対して、上記のように、支持台において主軸台を支持する支持面を、工具との噛み合い位置から離れるにしたがって上方へ傾斜させると、主軸台が略水平方向に受ける反力を支持面によって受け止めることができる。その結果、主軸台が動くのを防止でき、加工時の位置を維持することができる。
【0011】
上記ワーク支持ユニットは、種々の構成にすることができるが、例えば、被加工歯車を回転駆動させる主軸台と、この主軸台に対し相対的に近接離間し、主軸台との間で被加工歯車を回転可能に挟持する心押し台と、で構成することができる。そして、主軸台と心押し台とは、工具ユニットを挟んで配置され、被加工歯車を挟持した状態で、同期して前記工具ユニットに対して近接離間するように制御することができる。この構成によれば、被加工歯車を主軸台と芯押し台とで挟んで支持しているため、被加工歯車を強固に固定することができる。したがって、加工中に被加工歯車の位置がずれるのを防止でき、加工精度を向上することができる。
【0012】
上記歯車加工装置においては、被加工歯車にクラウニングを施すために、次のように構成することができる。例えば、工具ユニットを、上記第2軸線周りに回転自在に支持される支持体と、この支持体上で工具を支持し、上記第1軸線周りに前記支持体に回転可能に支持されるハウジングと、で構成することができる。この構成によれば、支持体を第2軸線周りに回転できるため、加工中に支持体を第2軸線周りに回転させることで、被加工歯車にクラウニングを施すことができる。また、工具を支持するハウジングが支持体に対して第1軸線周りに回転できるため、ハウジングを傾斜させて加工を行えば、被加工歯車に交差角を形成することもできる。
【0013】
上記のようなクラウニングを施すため、上述した第1回転駆動機構は、例えば、支持体に、上記第2軸線の延びる方向と平行に延びる第3軸線周りに回転可能に支持される回転部材と、この回転部材に係合され、上記第3軸線と直交する方向に移動可能に支持される移動部材と、この移動部材を駆動する駆動手段と、で構成することができる。
【0014】
この構成によれば、移動部材を駆動手段によって直線方向に移動させると、回転部材も移動部材とともに移動する。回転部材は、支持体上に回転自在に支持とされているため、移動部材の直線運動が回転運動に変換され、支持体は、第2軸線周りに回転する。したがって、駆動手段の駆動により、支持体を第2軸線周りに回転させることができ、クラウニングが可能となる。
【0015】
上記歯車加工装置においては、被加工歯車の情報を検出する歯車検出手段をさらに設けることができる。この歯車検出手段は、例えば、被加工歯車と噛み合う基準歯車を回転自在に支持するアームと、アームを、前記主軸台に取り付けられた被加工歯車に対して近接離間させる駆動手段と、基準歯車と前記被加工歯車との噛み合い位置を検出する検出手段と、検出手段によって検出された前記噛み合い位置に基づいて、前記被加工歯車の加工開始位置を算出する制御手段と、で構成することができる。
【0016】
この構成によれば、基準歯車を被加工歯車に噛み合わせているため、かみ合い位置から、被加工歯車の形状を検出することができる。例えば、切削すべき加工量を特定することができる。そのため、加工を開始する位置を把握することができるため、いわゆるエアカットを少なくすることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明に係る歯車加工装置によれば、クラウニング加工を行うことができ、かさ高にならず、しかも加工時の機械強度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る歯車加工装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1の歯車加工装置の平面図である。
【図3】図1の歯車加工装置の側面図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】図3のB−B線断面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【図7】図4のD−D線断面図である。
【図8】図6からの動作図である。
【図9】ハウジングの正面図である。
【図10】図9のE−E線断面図である。
【図11】図2のF−F線矢視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る歯車加工装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1、図2、及び図3は、それぞれ本実施形態に係る歯車加工装置の正面図、平面図、及び側面図である。なお、以下の説明では、図1の左右をX軸方向、図1の上下をZ軸、図2の上下をY軸方向と称し、これを基準に説明をしていく。
【0020】
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る歯車加工装置は、基台1上に配置された工具ユニット2及びワーク支持ユニット3を備えている。工具ユニット2は、環状に形成され工具が固定されたハウジング21を有しており、その軸方向が、概ねX軸方向に向くように配置されて、ワークWである歯車と噛合するようになっている。ワーク支持ユニット3は、ワークWを挟持する主軸台31と心押し台32とで構成されており、これらは、工具ユニット2を挟んで、基台1の両側に配置されている。
【0021】
まず、工具ユニットについて、図4を詳細に説明する。図4は図1のA−A線断面図である。工具ユニット2のハウジング21は、ワークWに交差角を形成したりクラウニングを施すために、Y軸周り、及びZ軸周りに回転可能となっている。そのため、工具ユニット2は、基台1上に配置され、上述したハウジング21を支持する支持体23を備えている。図4に示すように、この支持体23は基台1上をZ軸周りに回転可能な基部231と、この基部231の両端からそれぞれ上方に延びる支持柱232、233とを有し、全体としてU字型に形成されている。ここでは、図4の右側に配置される支持柱を第1支持柱232、左側に配置される支持柱を第2支持柱233と称する。そして、ハウジング21には、径方向外方へY軸方向にそれぞれ反対方向へ突出する第1軸部材234(図4の右側)及び第2軸部材235(図4の左側)が取り付けられており、両軸部材234,235の軸心は工具6の回転中心に一致し、これを通過する軸線(第1軸線)N周りにハウジング21は各支持柱232、233に回転自在に支持されている。これにより、両支持柱232、233の間に配置されたハウジング21は、両軸部材234,235を中心にY軸周りに回転可能となっている。
【0022】
次に、ハウジング21のY軸周りの回転を駆動する駆動機構(第2回転駆動機構)について、図5も参照しつつ説明する。図5は図3のB−B線断面図である。図4に示すように、第1軸部材234の端部には、ウォームホイル236が取り付けられている。また、図5に示すように、第1支持柱232の内部には、ウォームホイル236と噛み合うウォーム237が設けられている。このウォーム237は、上下方向に延びる回転軸238に取り付けられており、この回転軸238はモータ239によって回転駆動されるようになっている。したがって、モータ239を駆動すると、ウォーム237が回転し、これに伴ってウォームホイル236が第1軸部材234とともに回転する。これにより、ハウジング21がY軸周りに回転する。
【0023】
続いて、ハウジング21のZ軸周りの回転機構について、図6も参照しつつ説明する。図6は、図4のC−C線断面図である。図4に示すように、支持体23は、ハウジング21を支持するものであるが、支持体23の基部231は、ハウジング21の下部に沿うように、円弧状に形成されている。これに対応するように、基台1において支持体23が配置される箇所には、支持体23を配置するための凹部11が形成されている。この凹部11には、上方へ突出する円柱状の軸部材12が取り付けられており、この軸部材12は、支持体23の基部231の下面に形成された貫通孔2311に回転自在に嵌め込まれている。また、貫通孔2311の上面は蓋部材2312によって閉じられている。軸部材12は、ハウジング21の中心からずれた位置に設けられており、工具6とワークWとが噛み合う位置Kのほぼ真下に設けられている。したがって、ハウジング21は、工具6とワークWとが噛み合う位置を通る垂直軸(第2軸線)L周りに回転するようになっている。また、図4及び図6に示すように、基台1の凹部11におけるY軸方向の両端部には、円弧状の摺動プレート13がそれぞれ配置されており、この摺動プレート13上に支持体23の基部231の両端部が載っている。基部231の両端部の下面には、複数のローラ2313が取り付けられており、摺動プレート13上を転がるようになっている。このような摺動プレート13及びローラ2313によって、支持体23は、基台1上を円滑に回転することができる。
【0024】
続いて、支持体23のZ軸周りの回転を駆動する駆動機構(第1回転駆動機構)について、図7及び図8も参照しつつ説明する。図7は図4のD−D線断面図、図8は図6からの動作図である。図6に示すように、支持体23の基部231の端部(図7の左側)にはブラケット24を介して、円筒状の回転部材25が回転自在に取り付けられている。この回転部材25は、ブラケット24に取り付けられた上下方向(第3軸線方向)に延びる軸部材241に回転可能に嵌まっている。そして、この回転部材25は、一対のアームを有する挟持部材(移動部材)26によりX軸方向から挟まれている。この狭持部材26はX方向に延びるレール261上を移動可能になっている。また、基台1の端部(図6の右側)には、ブラケット271を介してモータ27が取り付けられており、このモータ27によってX軸方向に延びるボールネジ28が回転駆動される。ボールネジ28にはナット29が螺合しており、このナット29が、上述した挟持部材26に固定されている。この構成によって、モータ27が駆動すると、ボールネジ28が回転し、これに伴って、図8に示すように、ナット29が挟持部材26とともにX方向に移動する。挟持部材26は、回転部材25を挟持しているため、回転部材25もX方向に移動する。このとき、回転部材25は、ブラケット24を介して支持体23に固定されているため、回転部材25の移動により、支持体23は、軸部材12を中心に角度αだけ揺動されることになる。なお、回転部材25は、挟持部材26に挟まれているだけであり、完全に固定されているわけではないので、ナット29の直線運動が揺動運動に変換されるとき、回転部材25は、挟持部材26のアームの間において、Y軸方向にわずかに移動可能であるため、支持体23はスムーズに揺動運動を行う。
【0025】
次に、図9及び図10を参照しつつ、ハウジングについて説明する。図9はハウジングの正面図、図10は図9のE−E線断面図である。図9及び図10に示すように、ハウジング21は、軸方向の中央付近で、外周面が陥没し径方向内方に向かって突出する凸部212を有している。そして、ハウジング21の凸部212にはベアリング4が取り付けられ、これを介して環状の支持部材5が回転可能に配置されている。また、この支持部材5の内周面には内歯車状の工具6が固定されている。支持部材5は、ハウジング21の軸方向の一端部(図10の下側)とベアリング4を覆う基部51と、この基部51に連結され、ハウジング21の他端部(図10の上側)を覆う延在部52とで構成されている。これにより、ハウジング21には、凸部212を挟んで軸方向に2つの空間が形成されている。すなわち、図5の下側には支持部材5の基部51とハウジング21とで、モータを収容するためのモータ収容部250が形成されている。一方、図10の上側には、支持部材5の延在部52とハウジング21とで、検出器を収容するための検出器収容部260が形成されており、この検出器によって支持部材5の回転角度位置が検出される。
【0026】
続いて、モータ収容部250の構成について説明する。図10に示すように、モータ収容部250には、熱伝導性の高い材料で、環状に形成された断面L字型の冷却ジャケット7が取り付けられている。そして、冷却ジャケット7には、環状に形成されたモータのステータ部81が固定されている。一方、支持部材5の外周面には、このステータ部81と対向する位置に環状に形成されたモータのロータ部82が固定されている。ステータ部81には、ハウジング21の凹部211を介して外部から導線(図示省略)が連結されており、ステータ部81に対して電力が供給される。なお、ステータ部81及びロータ部82は公知のものを使用することができる。
【0027】
続いて、検出器収容部260について説明する。図10に示すように、検出器収容部260には、支持部材5の回転角度位置を検出する検出器が収容されている。この検出器は、支持部材5に固定される環状の磁気メモリ付スケール83と、ハウジング21に固定される磁気エンコーダ84とで構成されている。磁気エンコーダ84は、磁気メモリスケール83と対向するように配置されており、ハウジング21の外部へと延びる導線85と接続されている。
【0028】
次に、ワーク支持ユニットについて図11も参照しつつ説明する。図11は図2のF−F線矢視図である。図1に示すように、ワーク支持ユニット3は、上述した主軸台31と、心押し台32とで構成されており、これらは、X軸方向に互いに近接離間し、ワークWを回転自在に挟持するようになっている。主軸台31は、基台1上に配置された支持ブロック(支持台)33上に配置されており、この支持ブロック33が、Y軸方向に配置されたレール34上を移動可能となっている。Y軸方向の移動については、支持ブロック33に連結されたナット(図示省略)に、ボールねじ(図示省略)を螺合し、このボールねじを基台1に配置されたモータ332で駆動することで行われる。
【0029】
図11に示すように、支持ブロック33は、断面三角形状に形成されており、主軸台31が配置される支持面331が工具6との噛み合い位置から離れるにしたがって上方へ傾斜している。この支持面331には、X軸方向に配置されたレール35が配置されており、このレール35に沿って主軸台31がX軸方向に移動可能となっている。図1に示すように、主軸台31の移動は、支持ブロック33に設けられたモータ333によって行われる。そして、主軸台31の先端には、X方向に突出しワークWを支持する軸部材311が回転自在に設けられており、内蔵されているモータ(図示省略)によって回転駆動する。心押し台32も同様に構成されており、基台1上をレール37を介してY軸方向に移動可能なテーブル36上に配置されている。テーブル36の移動は、図2に示すように、基台1上に配置されたモータ361、ボールねじ(図示省略)、ナット(図示省略)によって行われる。そして、心押し台32自身もレール38を介してテーブル36上をX軸方向に移動可能となっている。また、心押し台32の先端には、ワークWを支持する軸部材321が回転自在に設けられており、主軸台31の軸部材311との間で、ワークWを挟持するようになっている。主軸台31と心押し台32とは、一体的にY軸方向に移動するように制御されており、両者がワークWを狭持した状態でY軸方向に移動し、ワークWを工具ユニット2の工具に近接離間するようになっている。
【0030】
続いて、ワークの形状を検出するワーク検出器について説明する。図1及び図11に示すように、ワーク検出器9は、ブラケット91を介して、支持ブロック33の上部に取り付けられており、主軸台31の近傍から上方に延びる棒状の支持部92を備えている。この支持部92には、主軸台31側へ下方に向かって移動可能なアーム93が移動可能に支持されており、アーム93の移動は、支持部92に取り付けられたシリンダ94によって行われる。アーム93の下方の先端には、基準歯車95を回転自在に支持するための軸受けが取り付けられている。基準歯車95とは、後述するように、ワークWに噛み合うことで、ワークの形状、特に、加工すべき量を検出するためのものである。そして、基準歯車95はワークWの種類ごとに規定されており、軸受けに対して着脱自在に取り付けられる。また、アーム93及び支持部92には、支持部92に対するアーム93の位置を検出するセンサ(図示省略)が設けられており、これにより、基準歯車95とワークWのかみ合い位置を検出することができる。
【0031】
さらに、この加工装置においては、図示を省略するが、各部材の駆動を制御し、加工を最適に行うための制御装置(コンピュータ)が設けられている。
【0032】
次に、上記のように構成された歯車加工装置の動作について説明する。まず、工具ユニットに取り付けたワークの形状を検出する。はじめに、主軸台31の軸部材311にワークWを取り付ける。次に、上述したワーク検出器9において、アーム93の軸受けにワークWと対応する基準歯車95を取り付けた後、シリンダ94を駆動してアーム93を移動し、主軸台31のワークWと基準歯車95とを噛み合わせる。そして、両者が噛み合ったときのアーム93の位置からワークWの形状を算出する。すなわち、制御装置によって加工すべき量を算出し、これによってワークWと工具6が噛み合って加工を開始する位置を計算する。このような計算により、いわゆるエアカットを小さくすることができる。
【0033】
次に、ワークWに所定の交差角を形成するために、工具ユニット2のハウジング21をY軸周りに回転させ、位置決めする。続いて、主軸台31及び心押し台32を互いに近接させ、ワークWを挟持する。この状態で、主軸台31の軸部材311をワークWとともに回転させる。これと並行して、各モータを駆動し工具ユニット2の工具6をワークWと同期するように、回転させる。これに続いて、主軸台31及び心押し台32を一体的にY軸方向に移動させ、ワークWを工具6に近接させる。そして、ワークWと工具6とを噛み合わせ、連れ廻りさせることで、ワークWの加工を行う。また、必要に応じてハウジング21をZ軸周りに回転させ、ワークWにクラウニングを施す。このとき、検出器が支持部材5の回転角度位置を検出することで、工具6とワークWの回転が同期するように、各モータの回転が制御される。また、このような加工作業と同時に、工具6とワークWとの噛み合わせ部分に切削油を噴射し、加工部位の冷却、潤滑、切り屑除去を行う。こうして、所定時間加工を行った後、各モータの駆動を停止し、加工されたワークWを取り外す。
【0034】
その後、新たなワークWを主軸台31に取り付けて加工を続ける場合にも、上記と同様に、ワーク検出器9でワークWの形状を検出する。このとき、ワークWと基準歯車95とが噛み合ったときのアーム93の位置からワークWの形状を算出するのであるが、前回加工したワークWを検査したときのアーム93の位置を記憶しておけば、今回検出されたアーム93の位置との差から、加工量を算出することができる。すなわち、今回の検出されたアーム93の位置に基づいて、加工開始位置を計算し直す手間を省くことができる。
【0035】
上記加工中、工具ユニット2は次のように動作する。まず、ベアリング4に対しては、潤滑油を供給する。また、冷却ジャケット7の溝711に冷却油が供給されることにより、冷却ジャケット7の基部71及び側板部72が冷却される。これにより、ステータ部81が周方向外方及び軸方向の外方から冷却され、ステータ部81が高温になるのを防止している。ワークWの加工中は、以上のような動作が行われて工具ユニット2の安定的な動作が保証される。
【0036】
以上のように、本実施形態では、工具ユニット2が垂直軸周りに回転可能となっているため、ワーク支持ユニット3を回転させる必要がない。したがって、ワーク支持ユニット3を回転させるためのテーブルが不要になり、クラウニングを行うことができつつ、装置がかさ高にならず、コンパクトにすることができる。また、ワーク支持ユニット側のテーブルが少なくとも一層不要になるため、加工時における装置の機械強度も向上することができる。さらに、工具ユニット2よりも重量が小さいワーク支持ユニット3を移動させて切り込みを行っているため、移動の制御精度が高くなる。その結果、加工精度も向上することができる。
【0037】
また、ワーク支持ユニット3の支持ブロック33の支持面331を傾斜させているため、次の効果を得ることができる。上記のように、ワーク支持ユニット3は、工具ユニット2よりも重量が小さいため、加工時にワーク支持ユニット3を工具に近接させると、反力により主軸台31が工具から離れる方向に押されることがある。これにより、主軸台31が浮き上がり、正確な位置を維持できないおそれがある。これに対して、上記のように、主軸台31を支持する支持面331を、工具6との噛み合い位置から離れるにしたがって上方へ傾斜させると、主軸台31が略水平方向に受ける反力を支持面によって受け止めることができる。その結果、主軸台31が動くのを防止でき、加工時の位置を維持することができる。
【0038】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、工具ユニット2を固定し、ワーク支持ユニット3を工具ユニット2に近接させることで、加工を行っているが、これとは反対に、ワーク支持ユニット3を固定し、工具ユニット2を移動させても良い。また、ワーク支持ユニット3においては、主軸台31と心押し台32とでワークWを狭持しているが、主軸台31のみでワークWを支持するような形態であってもよい。
【0039】
上記実施形態では、ハウジング21を水平方向に延びる軸線N周り,及び鉛直方向に延びる軸線L周りに回転させるようにしているが、これらの軸方向は、基台1の向きによって適宜変更される。例えば、ハウジング21が配置される基台1の面が、鉛直方向に延びるように配置すれば、上記軸線Lは、水平方向に延びる軸となる。したがって、ハウジング21を回転するための軸線の方向は、基台1を基準として適宜変更される。
【0040】
上記実施形態では、クラウニングは、工具6とワークWとの噛み合い位置を通過する軸線L周りにハウジング21を回転させることで行っているが、上記軸線Nと直交し、支持体23の基部231を通過する軸線であれば、特には限定されない。また、ハウジング21が軸線N周りに回転可能にしているが、これを固定して所定の交差角のみ形成できるようにしておき、回転ができないように構成することもできる。また、交差角を形成するために工具を回転させるための第1軸線は、上記のような工具の直径方向に延びる軸線Nに限定されず、工具の回転中心を通過する軸線であればよく、この軸線周りに工具を回転させて交差角を形成することができる。
【0041】
上記実施形態では、工具ユニットのハウジングの中にビルトインのモータを配置しているが、工具ユニットの外部にモータを配置し、ギアやモータなどの機構を介して工具ユニット内の工具を回転させることもできる。
【符号の説明】
【0042】
2 工具ユニット
21 ハウジング
23 支持体
25 回転部材
26 挟持部材(移動部材)
27 モータ(駆動手段)
3 ワーク支持ユニット
31 主軸台
32 心押し台
33 支持ブロック(支持台)
6 工具
9 ワーク検出器(歯車検出器)
93 アーム
94 シリンダ(駆動手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台上に配置され、被加工歯車と噛み合って加工を行う内歯車状の工具を有する工具ユニットと、
前記基台上に配置され、前記被加工歯車を回転自在に支持し、前記工具ユニットに対して相対的に近接離間するワーク支持ユニットと、
前記工具の回転中心を通過する第1軸線と直交する第2軸線周りに、当該工具を回転させる第1回転駆動機構と、
を備えている、歯車加工装置。
【請求項2】
前記第1軸線周りに、当該工具を回転させる第2回転駆動機構を、さらに備えている、請求項1に記載の歯車加工装置。
【請求項3】
前記ワーク支持ユニットは、
前記基台上で、前記工具ユニットの工具に対して近接離間する支持台と、
前記支持台上に配置され、前記被加工歯車を回転駆動させる主軸台と、
を備え、
前記支持台において前記主軸台を支持する支持面は、前記工具との噛み合い位置から離れるにしたがって上方へ傾斜している、請求項1または2に記載の歯車加工装置。
【請求項4】
前記ワーク支持ユニットは、
前記被加工歯車を回転駆動させる主軸台と、
前記主軸台に対して相対的に近接離間し、当該主軸台との間で前記被加工歯車を回転可能に挟持する心押し台と、
を備え、
前記主軸台と心押し台とは、前記工具ユニットを挟んで配置され、前記被加工歯車を挟持した状態で、同期して前記工具ユニットに対して近接離間するように制御される、請求項1または2に記載の歯車加工装置。
【請求項5】
前記工具ユニットは、
前記第2軸線周りに回転自在に支持される支持体と、
前記支持体上で前記工具を支持し、前記第1軸線周りに前記支持体に回転可能に支持されるハウジングと、
を備えている、請求項1から4のいずれかに記載の歯車加工装置。
【請求項6】
前記第1回転駆動機構は、
前記支持体に、前記第2軸線の延びる方向と平行に延びる第3軸線周りに回転可能に支持される回転部材と、
前記回転部材に係合され、前記第3軸線と直交する方向に移動可能に支持される移動部材と、
前記移動部材を駆動する駆動手段と、
を備えている、請求項5に記載の歯車加工装置。
【請求項7】
被加工歯車の情報を検出する歯車検出器をさらに備えており、
当該歯車形状検出手段は、
前記被加工歯車と噛み合う基準歯車を回転自在に支持するアームと、
前記アームを、前記主軸台に取り付けられた被加工歯車に対して近接離間させる駆動手段と、
前記基準歯車と前記被加工歯車との噛み合い位置を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記噛み合い位置に基づいて、前記被加工歯車の加工開始位置を算出する制御手段と、
を有している、請求項1から6のいずれかに記載の歯車加工装置。
【請求項1】
基台と、
前記基台上に配置され、被加工歯車と噛み合って加工を行う内歯車状の工具を有する工具ユニットと、
前記基台上に配置され、前記被加工歯車を回転自在に支持し、前記工具ユニットに対して相対的に近接離間するワーク支持ユニットと、
前記工具の回転中心を通過する第1軸線と直交する第2軸線周りに、当該工具を回転させる第1回転駆動機構と、
を備えている、歯車加工装置。
【請求項2】
前記第1軸線周りに、当該工具を回転させる第2回転駆動機構を、さらに備えている、請求項1に記載の歯車加工装置。
【請求項3】
前記ワーク支持ユニットは、
前記基台上で、前記工具ユニットの工具に対して近接離間する支持台と、
前記支持台上に配置され、前記被加工歯車を回転駆動させる主軸台と、
を備え、
前記支持台において前記主軸台を支持する支持面は、前記工具との噛み合い位置から離れるにしたがって上方へ傾斜している、請求項1または2に記載の歯車加工装置。
【請求項4】
前記ワーク支持ユニットは、
前記被加工歯車を回転駆動させる主軸台と、
前記主軸台に対して相対的に近接離間し、当該主軸台との間で前記被加工歯車を回転可能に挟持する心押し台と、
を備え、
前記主軸台と心押し台とは、前記工具ユニットを挟んで配置され、前記被加工歯車を挟持した状態で、同期して前記工具ユニットに対して近接離間するように制御される、請求項1または2に記載の歯車加工装置。
【請求項5】
前記工具ユニットは、
前記第2軸線周りに回転自在に支持される支持体と、
前記支持体上で前記工具を支持し、前記第1軸線周りに前記支持体に回転可能に支持されるハウジングと、
を備えている、請求項1から4のいずれかに記載の歯車加工装置。
【請求項6】
前記第1回転駆動機構は、
前記支持体に、前記第2軸線の延びる方向と平行に延びる第3軸線周りに回転可能に支持される回転部材と、
前記回転部材に係合され、前記第3軸線と直交する方向に移動可能に支持される移動部材と、
前記移動部材を駆動する駆動手段と、
を備えている、請求項5に記載の歯車加工装置。
【請求項7】
被加工歯車の情報を検出する歯車検出器をさらに備えており、
当該歯車形状検出手段は、
前記被加工歯車と噛み合う基準歯車を回転自在に支持するアームと、
前記アームを、前記主軸台に取り付けられた被加工歯車に対して近接離間させる駆動手段と、
前記基準歯車と前記被加工歯車との噛み合い位置を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記噛み合い位置に基づいて、前記被加工歯車の加工開始位置を算出する制御手段と、
を有している、請求項1から6のいずれかに記載の歯車加工装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−18097(P2013−18097A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155127(P2011−155127)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000125853)株式会社 神崎高級工機製作所 (210)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000125853)株式会社 神崎高級工機製作所 (210)
【Fターム(参考)】
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