説明

歯間ブラシ

【課題】ブラシ体の先端が歯肉に接触して使用者に刺激を与えることを防止すると共に、携行時のワイヤへの物理的な負荷を緩和できる歯間ブラシを提供する。
【解決手段】捻り合わせたワイヤ14の間にフィラメント12が挟持された植毛部11を備えるブラシ体10と、該ブラシ体10の前記ワイヤ14部分が取り付けられたハンドル体20とを備える歯間ブラシ1において、前記ハンドル体20には、前記ブラシ体10を覆い、前記ワイヤ14の延在方向に伸縮自在な支持体30がその基端38を前記ハンドル体20に固定されて設けられ、前記支持体30には、前記ブラシ体10の先端に対応する位置に、前記植毛部11を出し入れ自在とする開口部32が形成されると共に、該開口部32の周縁部に緩衝部34が設けられ、前記緩衝部34は、前記支持体30が伸長した際に、前記ブラシ体10の先端16よりも前記ワイヤ14の延在方向先方に位置することよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯間ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
歯間ブラシは、主として歯ブラシでは清掃が困難な歯牙と歯牙の間の隙間(隣接歯間)を清掃するための補助清掃用具として使用されるものである。このような歯間ブラシによる清掃においては、ブラシ体を狭い隣接歯間に挿入し往復動することで、隣接歯間に堆積した歯垢等をフィラメントで絡み取りつつ除去する。
歯間ブラシは隣接歯間の形状等に応じ、SSSS(4S)、SSS(3S)、SS(2S)、S、M、L等、あるいは1〜6の記号や数字を使った数種類のサイズが用意されており、適宜、隣接歯間の形状や空隙量に合わせて使用者が選択できる。
【0003】
一般的な歯間ブラシは、捻り合わせた金属製のワイヤの間にフィラメントを挟持してなるブラシ体と、該ブラシ体のワイヤが取り付けられたハンドル体とで構成されたものである。このような歯間ブラシでは、ブラシ体を狭い隣接歯間に挿入するため、0.23〜0.35mm程度の細いワイヤが用いられることに加え、ブラシ体の先端にワイヤがむき出しとなっている。
【0004】
隣接歯間にブラシ体を挿入する際は、まず歯牙の付け根部分、即ち歯牙と歯肉とで形成された領域にブラシ体の挿入を試みるのが通常である。この際、歯間ブラシの操作を誤り、ブラシ体の先端を歯肉に接触させると、ブラシ体の先端はワイヤがむき出しとなっているため、力加減によっては痛みや違和感等の刺激を生じることがある。加えて、ワイヤは、物理的な負荷が与えられると容易に屈曲し、ワイヤが屈曲すると歯間ブラシの操作がさらに煩雑となる。
特に、細いワイヤを用いる4Sや3Sサイズの歯間ブラシにおいては、歯肉への刺激の問題、ワイヤの屈曲の問題が顕在する。
【0005】
従来、ブラシ体の先端が歯肉に接触した際の使用者への刺激を緩和するため、ワイヤの折返部にシリコンゴム等の弾性部材で被覆した歯間ブラシが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、携行時におけるワイヤの保護の観点から、歯間ブラシと歯間ブラシを収納する収納体とを備え、該収納体の前端から歯間ブラシのブラシ体を出し入れ自在とした歯間ブラシが提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−9025号公報
【特許文献2】実用新案登録第3097244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の発明では、ブラシ体の先端が歯肉に接触した際の刺激を緩和するための十分な大きさの弾性部材を設けると、ブラシ体自体が隣接歯間に入りにくいため、歯肉への刺激の問題を十分に解消できない。また、特許文献2の発明は、携行時における歯間ブラシのワイヤの保護が図られているものの、ブラシ体の先端による使用者への刺激について考慮されていない。
そこで、本発明は、ブラシ体の先端が歯肉に接触して使用者に刺激を与えることを防止すると共に、携行時におけるワイヤへの物理的な負荷を緩和できる歯間ブラシを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の歯間ブラシは、捻り合わせたワイヤの間にフィラメントが挟持された植毛部を備えるブラシ体と、該ブラシ体の前記ワイヤ部分が取り付けられたハンドル体とを備える歯間ブラシにおいて、前記ハンドル体には、前記ブラシ体を覆い、前記ワイヤの延在方向に伸縮自在な支持体の基端が固定され、前記支持体には、前記ブラシ体の先端に対応する位置に、前記植毛部を出し入れ自在とする開口部が形成されると共に、該開口部の周縁部に緩衝部が設けられ、前記緩衝部は、前記支持体が伸長した際に、前記ブラシ体の先端よりも前記ワイヤの延在方向先方に位置することを特徴とする。
前記緩衝部は、前記支持体が伸長する際に、前記植毛部に摺動することが好ましく、前記支持体には、この支持体を伸長する際の操作用の把持部が、前記緩衝部の近傍に形成されていることが好ましく、前記支持体は、前記ワイヤの延在方向に弾性的に伸縮自在であってもよく、前記緩衝部は、前記支持体を圧縮した際に、前記植毛部の前記ハンドル体側に係合されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の歯間ブラシによれば、ブラシ体を覆い、前記ブラシ体のワイヤの延在方向に伸縮自在な支持体の基端が前記ハンドル体に固定され、前記支持体には、前記ブラシ体の先端に対応する位置に、前記植毛部を出し入れ自在とする開口部が形成されると共に、該開口部の周縁部に緩衝部が設けられ、前記緩衝部は、前記支持体が伸長した際に、前記ブラシ体の先端よりも前記ワイヤの延在方向先方に位置するため、ブラシ体を隣接歯間に挿入する際にブラシ体の先端が歯肉に接触することを防止すると共に、携行時のワイヤへの物理的な負荷を緩和できる。
本発明の歯間ブラシによれば、前記緩衝部は、前記支持体が伸長する際に、前記植毛部に摺動するため、前記植毛部のフィラメントに絡め取られた歯垢等を緩衝部で掻き取れ、歯垢等の除去実感の向上が図れる。
本発明の歯間ブラシによれば、前記支持体には、この支持体を伸長する際に操作する把持部が前記緩衝部の近傍に形成されているため、使用者は、容易に支持体でブラシ体が覆われた状態(以下、常態ということがある)とし、携行時のワイヤの保護が図れる。
本発明の歯間ブラシによれば、前記支持体は、前記ワイヤの延在方向に弾性的に伸縮自在なため、使用者が支持体を伸長する操作をすることなく、支持体を常態とすることができる。
本発明の歯間ブラシによれば、前記緩衝部は、前記支持体を圧縮した際に、前記植毛部の前記ハンドル体側に係合されるため、歯間ブラシの使用中におけるワイヤへの応力を緩和し、ワイヤの耐久性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態にかかる歯間ブラシの破断図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる歯間ブラシの破断図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる歯間ブラシの正面図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる支持体の正面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる支持体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の歯間ブラシについて、以下に図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる歯間ブラシ1の常態を示す破断図である。
図1に示すように、歯間ブラシ1は、ブラシ体10と、ブラシ体10が固定されたハンドル体20と、ハンドル体20に設けられブラシ体10を覆う支持体30とで概略構成されている。
【0012】
ブラシ体10は、その先端16で折り返され螺旋状に捻り合わされたワイヤ14及びワイヤ14に挟持されたフィラメント12を備え、ワイヤ14の延在方向に直交する断面が略円形、即ちワイヤ14を中心軸として各々のフィラメント12が放射状に伸びるように設けられたものである。ハンドル体20は、細長に成形された把持部22、把持部22から長さ方向に突出したヘッド部24及びヘッド部24から長さ方向に突出したノズル部26で構成されたものである。
ブラシ体10は、ワイヤ14がノズル部26の先端からハンドル体20に挿入されて固定され、ブラシ体10には、フィラメント12がワイヤ14に挟持されてなる植毛部11と、ワイヤ14が露出した露出部15とが形成されている。
植毛部11の大きさは、歯間ブラシ1の用途、即ち、想定する隣接歯間の形状等を勘案して決定でき、例えば、ワイヤ14の延在方向の長さが5〜15mm程度とされる。露出部15は、ワイヤ14の延在方向の長さが、好ましくは0.1〜3.0mm、より好ましくは1.0〜2.0mmとされる。
【0013】
支持体30は、谷部42と山部44が交互に形成され長さ方向に伸縮自在な、いわゆる蛇腹形状とされ、支持体30の基端38は、把持部22のヘッド部24側の端部に固定されている。支持体30には、基端38との反対側の端部に、ブラシ体10を出し入れ自在な開口部32が形成されると共に、開口部32の周縁部が緩衝部34とされ、緩衝部34と基端38側で隣接する把持部36が形成されている。開口部32は、後述する使用方法において、圧縮状態の支持体30を伸長して常態に戻す際、緩衝部34が植毛部11に摺動し、フィラメント12に付着している歯垢等を掻き取れる大きさとされている。
支持体30は、全体として、基端38から開口部32に向かうに従い、漸次その径が小さくなる形状とされ、常態において、緩衝部34がブラシ体10の先端16よりワイヤ14の延在方向先方に位置するものとされている。
【0014】
ハンドル体20の材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ABS等が挙げられる。
【0015】
フィラメント12の材質は、想定する隣接歯間の大きさ等を勘案して決定でき、例えば、6−10ナイロン、6−12ナイロン等のナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル等が挙げられる。
また、フィラメント12は、単一のフィラメント糸からなるモノフィラメントであってもよいし、2以上のフィラメント糸を撚り合わせたマルチフィラメントであってもよい。
【0016】
フィラメント12の太さは、想定する隣接歯間の大きさ等を勘案して決定でき、例えば、0.062〜0.254mmφ程度とされる。
植毛部11のフィラメント12の数量は、想定する隣接歯間の大きさ、フィラメント12の個々の太さ等を勘案して決定でき、例えば、150〜400本程度とされる。
【0017】
ワイヤ14の材質は、ワイヤ14に求める強度等を勘案して決定でき、例えば、オーステナイト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、Co−Co合金等の金属、及びこれらの金属をナイロン、ポリウレタン又はフッ素樹脂等で被覆したものが挙げられる。
【0018】
ワイヤ14の太さは、歯間ブラシ1の用途等を勘案して決定でき、例えば、0.18〜0.35mmの範囲で決定される。
ワイヤ14の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形又は楕円形であってもよいし、四角形、六角形等の多角形であってもよい。
【0019】
支持体30の材質は、蛇腹状の形状において、ワイヤ14の延在方向に伸縮でき、かつブラシ体10を外的な衝撃から保護できればよく、例えば、PET、エラストマー、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の比較的軟質な材質が挙げられる。
【0020】
支持体30に形成される開口部32の形状は、特に限定されず、円形、楕円形や、四角形、六角形等の多角形が挙げられ、中でも円形が好ましい。開口部32を円形とすることで、圧縮された支持体30を常態とする際に、フィラメント12に付着した歯垢等を容易に掻き取れるためである。
開口部32の大きさは、植毛部11におけるワイヤ14の延在方向と直交する断面の大きさよりも小さいものであれば、特に限定されず、例えば、0.5〜4.0mmφ程度とされる。
【0021】
把持部36は、後述する使用方法において、圧縮状態の支持体30を伸長して常態とする際に、手指で把持できるものであればよく、例えば、支持体30の外周面の周方向に延びる凸条であってもよいし、支持体30の外周面に設けられた突起物であってもよい。
【0022】
次に、歯間ブラシ1の使用方法について、図1〜3を用いて説明する。図2は、ブラシ体10を隣接歯間に挿入させた際の歯間ブラシ1の破断図であり、図3は、隣接歯間の清掃後に、支持体30を常態とした歯間ブラシ1の正面図である。
【0023】
まず、歯間ブラシ1を常態とし、緩衝部34を清掃対象とする隣接歯間の入口に当接させ、ブラシ体10を挿入する位置を決定する。この際、ブラシ体10の先端16よりワイヤ14の延在方向先方に位置する緩衝部34は、隣接歯間の入口周縁に存在する歯肉に接触されている一方、先端16は歯肉と接触されていない。
次いで、ブラシ体10を隣接歯間に挿入するようにハンドル体20を操作し、先端16を開口部32から隣接歯間に向けて押し出して、隣接歯間に挿入する。この際、支持体30は、緩衝部34が隣接歯間の入口の歯牙や歯肉に当接されているため隣接歯間に挿入されず、ブラシ体10が隣接歯間に挿入されるに従い、緩衝部34が植毛部11とハンドル体20との間、即ち露出部15に移動するようにワイヤ14の延在方向に圧縮されて、図2の状態となる。
【0024】
支持体30は、緩衝部34が露出部15に一旦位置されると、植毛部11におけるハンドル体20側に緩衝部34が引っ掛かった状態、即ち、圧縮状態で維持される。支持体30が圧縮状態とされ露出されたブラシ体10を隣接歯間で往復動することで、隣接歯間の歯垢等をフィラメント12で絡め取って、隣接歯間を清掃する。清掃後、ブラシ体10を隣接歯間から抜き出す。この段階では、支持体30が圧縮状態(図2)のままとされている。
【0025】
次いで、把持部36を手指で把持しつつ、緩衝部34をブラシ体10の先端16に向かって移動させて、支持体30を伸長させる。この際、緩衝部34が植毛部11に摺動されることで、フィラメント12に付着している歯垢等が緩衝部34で掻き取られる。こうして、支持体30を常態に戻す操作により、フィラメント12から掻き取られ、緩衝部34の近傍に付着した歯垢50を目視で確認することができる(図3)。
支持体30を常態に戻した後、緩衝部34近傍に付着した歯垢50を取り除くことで、歯間ブラシ1を清掃する。
【0026】
本発明の歯間ブラシによれば、ブラシ体を覆う支持体が設けられているため、携行時において、外部からの物理的な衝撃を緩和し、ワイヤが屈曲するのを防止できると共に、フィラメントに強い外力が加わらず、フィラメントの屈曲や破断を防止できる。
加えて、支持体には開口部が形成されると共に該開口部の周縁が緩衝部とされているため、ブラシ体が隣接歯間に挿入される際にブラシ体の先端が歯肉に接触することを防止できると共に、歯肉への刺激を与えずにブラシ体の挿入位置を決定できる。
【0027】
従来の歯間ブラシは、ブラシ体を隣接歯間で往復動させる間、歯間ブラシを操作する角度や操作する振動により、ブラシ体がワイヤとノズル部との境界を基点として揺動し、ワイヤとノズル部との境界で破断しやすいという問題あった。
本発明の歯間ブラシは、伸縮自在な支持体の基端がハンドル体に固定され、かつ緩衝部が植毛部のハンドル体側に係合するため、隣接歯間の清掃中においてワイヤとノズル部との境界近傍で支持体の圧縮状態が維持されることとなる。この結果、ワイヤは、圧縮された支持体により、清掃中に受ける応力が緩和され、耐久性が向上する。
【0028】
本発明の歯間ブラシによれば、緩衝部は、支持体が伸長する際に、植毛部に摺動する大きさとされているため、フィラメントに付着した歯垢等を緩衝部で掻き取れ、歯垢等の除去実感の向上が図れる。
本発明の歯間ブラシによれば、支持体には把持部が緩衝部の近傍に形成されているため、使用者は、容易に支持体を常態とすることができる。
【0029】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものはない。
例えば、緩衝部は、支持体とは別に成形した部材が開口部周縁に装着されたものであってもよい。緩衝部を支持体と別の部材とする場合、緩衝部の材質は支持体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。緩衝部を支持体と別の部材とする場合、歯肉への刺激を少なくする観点から、緩衝部の材質は、エラストマー、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等とすることが好ましい。
【0030】
また、例えば、把持部は、支持体とは別に成形したリング状の部材や突起物が緩衝部の近傍に装着され形成されていてもよいし、把持部が形成されていなくてもよい。把持部を支持体と別の部材とする場合、把持部の材質は支持体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0031】
上述の実施形態では、蛇腹状の支持体が設けられているが、支持体は、ブラシ体を覆い、ワイヤの延在方向に伸縮自在で、開口部及び開口部周縁に緩衝部が形成されたものであれば特に限定されない。
例えば、図4に示す支持体130のように、大径のパイプに順次小径のパイプを格納する中空の本体140と、本体140の先端(開口部132側)に形成され、開口部132が形成された緩衝部134と、緩衝部134の近傍に形成された把持部136とを備えるものが挙げられる。
本体140は、略円筒形の第一のパイプ141と、第一のパイプ141より径が大きい略円筒形の第二のパイプ142と、第二のパイプ142より径が大きい略円筒形の第三のパイプ143と、第三のパイプ143より径が大きい略円筒形の第四のパイプ144とで構成されている。第一のパイプ141、第二のパイプ142、第三のパイプ143及び第四のパイプ144は、各々、基端138から開口部132に向かうに従い、漸次その径が小さくなる形状とされている。支持体130は、本体140を備えることで、第四のパイプ144に、第三のパイプ143、第二のパイプ142、第一のパイプ141が順次格納されて圧縮されたり、第四のパイプ144から、第三のパイプ143、第二のパイプ142、第一のパイプ141が順次繰り出されて伸長される。
本体140の材質としては、PE、PS、PC、ABS等が挙げられる。
【0032】
緩衝部132は、支持体130の基端138側から開口部132に向かうに従い、漸次その径が小さくなる形状の部材である。緩衝部132の材質としては、PET、エラストマー、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
把持部136は、第一のパイプ141の先端(開口部132側)の周縁に装着されたリング状の樹脂製部材である。把持部136の材質は、特に限定されず、例えば、PE、PS、PC、ABS、PET、エラストマー、ウレタン樹脂、シリコン樹脂が挙げられる。
【0033】
支持体130は、ブラシ体(不図示)を覆い、その基端138がハンドル体(不図示)に固定される。支持体130を備えた歯間ブラシにおいては、把持部136を把持して支持体130の伸長がなされる。
なお、支持体130は、その本体140が略円筒状のパイプ141〜144を組み合わせたものであるが、本体140の形状はこれに限定されず、その伸縮方向に直交する断面形状が楕円形のパイプを組み合わせたものであってもよいし、三角形、四角形、六角形等の多角筒状のパイプを組み合わせたものであってもよい。
【0034】
また、例えば、図5に示す支持体230のように、螺旋状の本体240と、本体240の先端(開口部232側)に形成され、開口部232が形成された緩衝部234とを備え、全体として、基端238から開口部232に向かうに従い漸次その径が小さくなる形状のものが挙げられる。緩衝部234は、支持体230の基端238側から開口部232に向かうに従い、漸次その径が小さくなる略円筒形とされた口部235と、口部235の本体240側に形成され、その径方向に拡張されたリング状の台座236とで構成されている。
本体240は、いわゆる樹脂製のバネであり、基端238と開口部232とを結ぶ方向、即ち図示されないワイヤの延在方向に弾性的に伸縮自在なものである。本体240の材質としては、PE、PS、PC、ABS等が挙げられる。
緩衝部234の材質は、緩衝部134と同じである。
【0035】
支持体230は、弾性的に伸縮自在な本体240を備えることで、隣接歯間の清掃時には圧縮され、ブラシ体を隣接歯間から抜き出し押圧力を解除すると、本体240が弾性的に伸長し常態に復元する。このため、使用者は、歯間ブラシの使用後に特段の操作をすることなく、常態の歯間ブラシを隣接歯間の清掃に用いることができる。
【0036】
上述の実施形態では、ハンドル体にヘッド部及びノズル部が設けられているが、本発明はこれに限定されず、ハンドル体には、ヘッド部及び/又はノズル部が設けられていなくてもよい。ただし、ワイヤとハンドル体の接合点に生じる応力を緩和する観点から、ハンドル体には、ヘッド部又はノズル部が設けられていることが好ましい。
【0037】
上述の実施形態では、ブラシ体がハンドル体の長さ方向に延在する歯間ブラシを例にして説明したが、本発明はブラシ体を備える歯間ブラシであればその形状は限定されない。本発明は、例えば、ハンドル体の長さ方向と交差する方向にブラシ体が接続された歯間ブラシにも適用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 歯間ブラシ
10 ブラシ体
11 植毛部
12 フィラメント
14 ワイヤ
16 先端
20 ハンドル体
30、130、230 支持体
32、132、232 開口部
34、134、234 緩衝部
36、136 把持部
38、138、238 基端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
捻り合わせたワイヤの間にフィラメントが挟持された植毛部を備えるブラシ体と、該ブラシ体の前記ワイヤ部分が取り付けられたハンドル体とを備える歯間ブラシにおいて、
前記ハンドル体には、前記ブラシ体を覆い、前記ワイヤの延在方向に伸縮自在な支持体の基端が固定され、
前記支持体には、前記ブラシ体の先端に対応する位置に、前記植毛部を出し入れ自在とする開口部が形成されると共に、該開口部の周縁部に緩衝部が設けられ、
前記緩衝部は、前記支持体が伸長した際に、前記ブラシ体の先端よりも前記ワイヤの延在方向先方に位置することを特徴とする歯間ブラシ。
【請求項2】
前記緩衝部は、前記支持体が伸長する際に、前記植毛部に摺動することを特徴とする、請求項1に記載の歯間ブラシ。
【請求項3】
前記支持体には、この支持体を伸長する際の操作用の把持部が、前記緩衝部の近傍に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯間ブラシ。
【請求項4】
前記支持体は、前記ワイヤの延在方向に弾性的に伸縮自在であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯間ブラシ。
【請求項5】
前記緩衝部は、前記支持体を圧縮した際に、前記植毛部の前記ハンドル体側に係合されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯間ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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