説明

残響付加装置、プログラム、及び残響付加方法

【課題】残響音の効果が高音域に偏ることのない簡便な構成の残響付加装置を提供する。
【解決手段】1つの音声信号を構成する第1チャンネル信号Lch及び第2チャンネル信号Rchの差分を残響信号として出力する残響信号出力部11〜13、16〜18を備えた残響付加装置において、前記差分の出力に供される第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号のレベル比(α11:α12、α21:α22)を変更するレベル比変更部11、12、16、17と、残響信号出力部が出力する残響信号を第1チャンネル信号又は第2チャンネル信号に加算する加算部15、20とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステレオ信号などに残響音の信号を付加して音の広がり感を付与する残響付加装置、コンピュータを該残響付加装置として機能させるプログラム、及び該残響付加装置に適した残響付加方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サラウンドシステムによれば、たとえば5個のスピーカをチャンネル毎に周囲に配置して再生を行うことにより、周囲からの各チャンネルの音によって包まれるようなサラウンド効果を得ることができる。そして近年、スピーカを左右チャンネル用の2個のみ配置したステレオシステムにおいても、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)などの処理によって音の広がり感を得ることができるようになっている。
【0003】
このような音場調整を行う技術として、種々の音場を再現し、狭い空間での音をライブ演奏のように響かせることもできるようにしたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。この技術においては、各遅延要素から、任意の反射波のレベルを乗じた信号を取り出し、それぞれを加算することによって、残響音の信号を生成するようにしている。
【0004】
一方、テレビジョンや携帯電話などのように、スピーカの配置が制限されているものの場合、コンテンツをそのまま再生しても、音の広がり感が少ない。そこで、左右2チャンネルの音声信号を再生する場合に、左チャンネル及び右チャンネルの相関性がない残響音を元の音に加算し、残響効果を高めた再生を行うことによって、スピーカの配置よりも音場を広げる効果を生じさせるようにした技術も知られている(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2の技術においては、この残響効果の向上を、左チャンネル信号L及び右チャンネル信号Rの差分信号(L−R)に遅延処理を施した信号と、左チャンネル信号L及び右チャンネル信号Rの和信号(L+R)とを加算することにより実現している。
【0005】
図6はこのように残響音を付加して音の広がり感を得るようにした従来の残響付加装置の一般的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、この装置は、左チャンネル信号Lchにゲイン係数を乗算する乗算器61、右チャンネル信号Rchにゲイン係数を乗算する乗算器62、乗算器61及び62の出力を加算する加算器63、加算器63の出力に対して帯域制限を施す帯域制限フィルタ64、帯域制限フィルタ64が出力する信号についての特性や遅延を制御する残響フィルタ65、残響フィルタ65の出力に対してゲイン係数を乗算する乗算器66及び67、左チャンネル信号Lchに対して乗算器66の出力を加算する加算器68、及び右チャンネル信号Rchに対して乗算器67の出力を加算する加算器69を備える。
【0006】
この構成において、左チャンネル信号Lchと、右チャンネル信号Rchとの差分信号を得るために、乗算器61及び62の各ゲイン係数は符号が反転した同じ値とされる。たとえば各ゲイン係数は「1」及び「−1」とされる。加算器63から出力される差分信号は、帯域制限フィルタ64によって所定の帯域制限が施され、残響フィルタ65によって遅延特性が制御され、残響信号として出力される。残響フィルタ65の出力は、乗算器66を経てから、加算器68により左チャンネル信号Lchに加算される。残響フィルタ65の出力はまた、乗算器67を経てから、加算器68により左チャンネル信号Lchに加算される。その際、乗算器66のゲイン係数はα、乗算器67のゲイン係数は−αとされる。αは付加する残響信号のレベルを表す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−339798号公報
【特許文献2】特開2000−102100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来の残響付加装置によれば、残響信号を生成するために、多くの遅延メモリを備えた残響フィルタによる処理を行う必要があるので、装置の回路が大規模なものとなる。このため、処理能力が高いDSPなどが必要となり、装置が高価なものとなる。さらに、従来の残響付加装置によれば、高音域における残響音が大きくなり過ぎてしまい、低音域に比べ、高音域がうるさく感じるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、残響音の効果が高音域に偏ることのない、簡便な構成の残響付加装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、第1の発明に係る残響付加装置は、1つの音声信号を構成する第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号のレベル比を変更する第1レベル比変更部(11、12)と、前記第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号のレベル比を別途変更する第2レベル比変更部(16、17)と、前記第1レベル比変更部によりレベル比が変更された第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号の差分を第1残響信号として出力する第1残響信号出力部(11〜13)と、前記第2レベル比変更部によりレベル比が変更された第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号の差分を第2残響信号として出力する第2残響信号出力部(16〜18)と、前記第1残響信号を前記第1チャンネル信号に加算する第1加算部(15)と、前記第2残響信号を前記第2チャンネル信号に加算する第2加算部(20)とを具備することを特徴とする。
【0011】
第2の発明に係る残響付加装置は、第1発明において、前記第1レベル比変更部は、前記第1チャンネル信号のレベルが前記第2チャンネル信号のレベルより大きくなるように前記レベル比の変更を行うものであり、前記第2レベル比変更部は、前記第2チャンネル信号のレベルが前記第1チャンネル信号のレベルより大きくなるように前記レベル比の変更を行うものであることを特徴とする。
【0012】
第3の発明に係る残響付加装置は、第1又は第2の発明において、前記第1残響信号のレベルを変更する第1レベル変更部(14)と、前記第2残響信号のレベルを変更する第2レベル変更部(19)とを備えることを特徴とする。
【0013】
第4の発明に係る残響付加装置は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記第1残響信号出力部及び第1加算部間に設けられ、前記第1残響信号の周波数帯域を制限する第1帯域制限フィルタ(21)、及び記第2残響信号出力部及び第2加算部間に設けられ、前記第2残響信号の周波数帯域を制限する第2帯域制限フィルタ(21)、又は、前記第1残響信号出力部及び第1加算部間に設けられ、前記第1残響信号の遅延特性を制御する第1残響フィルタ(31)、及び前記第2残響信号出力部及び第2加算部間に設けられ、前記第2残響信号の遅延特性を制御する第2残響フィルタ(32)を備えることを特徴とする。
【0014】
第5の発明に係るプログラムは、コンピュータを、第1〜第4のいずれかの発明に係る残響付加装置として機能させることを特徴とする。
【0015】
第6の発明に係る残響付加方法は、1つの音声信号を構成する第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号のレベル比を変更する第1レベル比変更工程(11)と、前記第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号のレベル比を別途変更する第2レベル比変更工程(11)と、前記第1レベル比変更工程によりレベル比が変更された第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号の差分を第1残響信号として出力する第1残響信号出力工程(11〜13)と、前記第2レベル比変更工程によりレベル比が変更された第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号の差分を第2残響信号として出力する第2残響信号出力工程(16〜18)と、前記第1残響信号を前記第1チャンネル信号に加算する第1加算工程(15)と、前記第2残響信号を前記第2チャンネル信号に加算する第2加算工程(20)とを具備することを特徴とする。
【0016】
第7の発明に係る残響付加方法は、第6発明において、前記第1残響信号のレベルを変更する第1レベル変更工程(14)と、前記第2残響信号のレベルを変更する第2レベル変更工程と(19)を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、残響音の効果が高音域に偏ることのない、簡便な構成の残響付加装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る残響付加装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る残響付加装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態に係る残響付加装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の装置における残響フィルタの作用を示す図である。
【図5】図3の装置における残響フィルタとして用いることができるコムフィルタの一例を示すブロック図である。
【図6】従来の残響付加装置の一般的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る残響付加装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この装置は、ステレオ信号を構成する左チャンネル信号Lchにゲイン係数を乗算する乗算器11、前記ステレオ信号を構成する右チャンネル信号Rchにゲイン係数を乗算する乗算器12、乗算器11及び12の出力を加算する加算器13、加算器13の出力に対しゲイン係数を乗算する乗算器14、乗算器14の出力を左チャンネル信号Lchに加算する加算器15を備える。また、右チャンネル信号Rchにゲイン係数を乗算する乗算器16、左チャンネル信号Lchにゲイン係数を乗算する乗算器17、乗算器16及び17の出力を加算する加算器18、加算器18の出力に対しゲイン係数を乗算する乗算器19、乗算器19の出力を右チャンネル信号Rchに加算する加算器20を備える。構成要素11〜15により左チャンネル用の残響付加経路が形成され、構成要素16〜20により右チャンネル用の残響付加経路が形成される。
【0020】
乗算器11のゲイン係数は正の値であるα11とされ、乗算器12のゲイン係数は負の値である−α12とされる。ただし、α11>α12である。乗算器16のゲイン係数は正の値であるα21とされ、乗算器17のゲイン係数は負の値である−α22とされる。ただし、α21>α22である。乗算器14及び19のゲイン係数はそれぞれβ1及びβ2とされる。なお、これとは逆に、α11<α12、及びα21<α22としてもよい。
【0021】
この構成において、左チャンネル信号Lchに対して、乗算器11によりゲイン係数α11が乗じられる。一方、右チャンネル信号Rchに対して、乗算器12によりゲイン係数−α12が乗じられる。乗算器11及び12の出力は加算器13により加算される。これにより、左右チャンネルの信号Lch及びRchの差分信号として、左チャンネル用の残響信号が得られる。この残響信号は乗算器14によってゲイン係数β1が乗じられ、レベルが調整される。調整された左チャンネル用の残響信号は加算器15によって左チャンネル信号Lchに加算される。
【0022】
また、左チャンネル信号Lchに対し、乗算器17によりゲイン係数−α22が乗じられ、右チャンネル信号Rchに対し、乗算器16によりゲイン係数α21が乗じられる。乗算器16及び17の出力は加算器18により加算される。これにより、左右チャンネルの信号Lch及びRchの差分信号として、右チャンネル用の残響信号が得られる。この残響信号は乗算器19によってゲイン係数β2が乗じられ、レベルが調整される。調整された右チャンネル用の残響信号は加算器20によって右チャンネル信号Rchに加算される。
【0023】
これにより、出力側における左チャンネル信号Lch及び右チャンネル信号Rchは次式で表したものとなる。
【数1】

【0024】
ここで、左チャンネル信号Lch及び右チャンネル信号Rchの低音域成分においては波長が長く、高音域成分においては波長が短い。そして、ステレオマイクで録音することにより左右チャンネルの信号Lch及びRchを取得する場合、左チャンネル用のマイクと右チャンネル用のマイクとの間には物理的な一定の距離が存在する。この場合、低音域成分については、波長が長いため、左右のマイクには、音源のうちの1つから発した同じ波がほぼ同じ位相で入射する。しかしながら、高音域成分については、波長が短いため、音源のうちの1つから異なるタイミングで発した異なる波が同時に入射する。したがって左チャンネル信号Lch及び右チャンネル信号Rchの相関は、低音域成分においては高いが、高音域成分においては低い。
【0025】
このとき、左チャンネル信号Lch及び右チャンネル信号Rchについて何ら重み付けを行わない場合、すなわちゲイン係数α11、α12、α21、及びα22のいずれもが「1」である場合、左チャンネル信号Lch及び右チャンネル信号Rchの差分信号として、相関性が低い高音域成分における残響信号が多く抽出される。たとえば、左チャンネル信号Lch及び右チャンネル信号Rchとして、いずれもレベル値が0.8のデータが入力された場合、つまり相関性がある場合、加算器13又は18が出力する差分信号の値は0(=0.8−0.8)となるので、残響成分を抽出することができない。このため、差分信号においては、相関性の高い低音域での残響成分は少なく、相関性の低い高音域での残響成分が多く含まれることになる。したがって、上述図6の従来の残響付加装置の場合のように、差分信号に基づく残響信号を、そのまま元の左右チャンネルの信号Lch及びRchに加算すると、高音域における残響成分が多すぎて、高音域がうるさく感じることになる。
【0026】
これに対し、たとえば乗算係数α11及びα21を「1」、乗算係数α12及びα22を「0.5」とする重み付けを行なうことにより、上記例のような相関性がある場合においても、差分信号のレベルは0.4(=1×0.8−0.5×0.8)となり、残響成分を抽出することができる。本実施形態においては、このように、乗算係数α11及びα12として異なる値を採用し、乗算係数α21及びα22としても異なる値を採用し、左チャンネル信号Lch及び右チャンネル信号Rchに対して異なる重み付けを行ってから差分信号を取得するようにしているので、差分信号として、相関性が低い高音域については過大とならない程度に残響成分を含み、相関性の高い低音域についても残響成分を含むような残響信号を抽出することができる。すなわち、残響成分が高音域に偏ることなく、全周波数帯域にわたって残響成分を含む残響信号を、残響フィルタなどを用いる必要なく、簡便な構成により抽出することができる。
【0027】
図2は本発明の第2の実施形態に係る残響付加装置の構成を示すブロック図である。同図において、図1中の要素と同一の要素については、図1の場合と同一の符号が付されている。すなわち、図2の装置は、図1の装置に対し、加算器13及び乗算器14の間、並びに加算器18及び乗算器19の間にそれぞれ帯域制限フィルタ21及び22を設けたものとなっている。その他の構成は図1の場合と同様である。
【0028】
この構成において、加算器13及び18からの各差分信号は、それぞれ帯域制限フィルタ21及び22によって所定の帯域に制限されてから、乗算器14及び19に出力される。他の点については、図1の装置の場合と同様である。
【0029】
これによれば、加算器13及び18からの各差分信号に対し、帯域制限フィルタ21及び22により、所望の特性を付与することができる。たとえば、帯域制限フィルタ22の特性をより低音域を通過させるように調整することによって、右チャンネルのベースの音についての残響音を増大させることができる。
【0030】
図3は、本発明のさらに他の実施形態に係る残響付加装置の構成を示すブロック図である。同図において、図1中の要素と同一の要素については図1の場合と同一の符号を付している。すなわち、図3の装置は、図1の装置に対し、加算器13及び乗算器14の間、並びに加算器18及び乗算器19の間にそれぞれ残響フィルタ31及び32を設けたものとなっている。その他の構成は図1の場合と同様である。
【0031】
この構成において、加算器13及び18からの各差分信号は、それぞれ残響フィルタ31及び32によって所定の残響特性及び遅延が付与され、乗算手段14及び19に出力される。他の点については、図1の装置の場合と同様である。
【0032】
図4は残響フィルタ31及び32の作用を示す。図4(a)に示すように、音源から直接マイクに入力される直接音(基本波)41に対し、音源から反射してマイクに入力される反射音(反射波)42が付随し、この信号が左チャンネル信号Lch又は右チャンネル信号Rchとして入力されるとすれば、反射音42の成分は加算器13又は18の出力として抽出される。反射音42の成分はさらに、残響フィルタ31又は32によって、図4(b)に示すような残響成分43とされ、元の信号Lch又はRchに付加される。すなわち、残響フィルタ31又は32によって、残響音の存在が長期化してリバーブ効果が高まり、より大きな空間における音の響きを擬似的に表現することができる。
【0033】
図5は残響フィルタ31及び32として用いることができるコムフィルタの一例を示すブロック図である。このコムフィルタは直列に接続された4つの遅延素子51〜54、及び各遅延素子51〜54のタップに接続された乗算器55〜58、各乗算器55〜58の出力を加算する加算器59を備える。遅延素子51〜54はそれぞれ入力信号に対しnサンプル周期分の遅延を付与するものである。乗算器55〜58にはそれぞれ所定のフィルタ係数が設定される。コムフィルタに入力される信号は各遅延素子51〜54により順次nサンプル周期分の遅延が付与され、各遅延素子51〜54のタップには遅延量がnサンプル周期分ずつ異なる信号が出力される。各タップ出力は乗算器55〜58によりそれぞれのフィルタ係数が乗算され、加算器59により加算され、出力される。これにより、フィルタへの入力信号に対し、図4で示したような残響フィルタとしての効果を付与することができる。また、乗算器55〜58に設定されるフィルタ係数を適宜変更することによって、加算器13又は18(図3)から入力される残響信号の特性を任意に制御することができる。
【0034】
なお、本発明は、上述実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することができる。たとえば、上述においては言及しなかったが、乗算器11、12、14、16、17、18、加算器13、15、18、20、帯域制限フィルタ21、22、残響フィルタ31、32等を、コンピュータ及びプログラムを用いて構成するようにしてもよい。
【0035】
また、上述においては、デジタル音声信号をデジタル処理する場合について述べたが、アナログ音声信号をアナログ回路で処理する場合についても、同様にして処理を行うことができる。
【0036】
また、上述においては、ステレオ信号を構成する左右チャンネルの信号に対して残響信号を付加する場合について述べたが、他の音声信号を構成する第1チャンネル及び第2チャンネルの信号に対して残響信号を付加する場合についても、本発明を同様にして適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
11,12,14,16,17,19,55〜58,61,62,66,67:乗算器、13,15,18,20,59,68,69:加算器、21,22,64:帯域制限フィルタ、31,32,65:残響フィルタ、51〜54:遅延素子、41:直接音、42:反射音、43:残響成分。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの音声信号を構成する第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号のレベル比を変更する第1レベル比変更部と、
前記第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号のレベル比を別途変更する第2レベル比変更部と、
前記第1レベル比変更部によりレベル比が変更された第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号の差分を第1残響信号として出力する第1残響信号出力部と、
前記第2レベル比変更部によりレベル比が変更された第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号の差分を第2残響信号として出力する第2残響信号出力部と、
前記第1残響信号を前記第1チャンネル信号に加算する第1加算部と、
前記第2残響信号を前記第2チャンネル信号に加算する第2加算部とを具備することを特徴とする残響付加装置。
【請求項2】
前記第1レベル比更部は、前記第1チャンネル信号のレベルが前記第2チャンネル信号のレベルより大きくなるように前記レベル比の変更を行うものであり、
前記第2レベル比変更部は、前記第2チャンネル信号のレベルが前記第1チャンネル信号のレベルより大きくなるように前記レベル比の変更を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の残響付加装置。
【請求項3】
前記第1残響信号のレベルを変更する第1レベル変更部と、
前記第2残響信号のレベルを変更する第2レベル変更部とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の残響付加装置。
【請求項4】
前記第1残響信号出力部及び第1加算部間に設けられ、前記第1残響信号の周波数帯域を制限する第1帯域制限フィルタ、及び記第2残響信号出力部及び第2加算部間に設けられ、前記第2残響信号の周波数帯域を制限する第2帯域制限フィルタ、
又は前記第1残響信号出力部及び第1加算部間に設けられ、前記第1残響信号の遅延特性を制御する第1残響フィルタ、及び前記第2残響信号出力部及び第2加算部間に設けられ、前記第2残響信号の遅延特性を制御する第2残響フィルタを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の残響付加装置。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1〜4のいずれかの残響付加装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
1つの音声信号を構成する第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号のレベル比を変更する第1レベル比変更工程と、
前記第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号のレベル比を別途変更する第2レベル比変更工程と、
前記第1レベル比変更工程によりレベル比が変更された第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号の差分を第1残響信号として出力する第1残響信号出力工程と、
前記第2レベル比変更工程によりレベル比が変更された第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号の差分を第2残響信号として出力する第2残響信号出力工程と、
前記第1残響信号を前記第1チャンネル信号に加算する第1加算工程と、
前記第2残響信号を前記第2チャンネル信号に加算する第2加算工程とを具備すること
を特徴とする残響付加方法。
【請求項7】
前記第1残響信号のレベルを変更する第1レベル変更工程と、
前記第2残響信号のレベルを変更する第2レベル変更工程とを備えることを特徴とする請求項6に記載の残響付加方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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