説明

段ボールシートのスリッタスコアラ装置及びそのスリッタナイフ及びスコアラの位置補正制御方法

【課題】所望するシート幅の段ボールシートを得るようスリッタナイフの幅方向の位置決めを効果的に行うことが出来るスリッタスコアラ装置を提供する。
【解決手段】本発明のスリッタスコアラ装置1は、段ボールシートの供給方向に対して幅方向に並列して配置されシートを切断するスリッタナイフ80,82を有する複数のスリッタ6と、複数のスリッタをシート幅方向にそれぞれ独立して移動させるスリッタ幅方向移動手段90,112,104,84,114,16と、複数のスリッタのうち生産オーダに基づいて使用されるスリッタを選択し、所望する段ボールシートの幅方向の寸法を基準にした初期位置に対し、スリッタナイフによる削り量に応じて幅方向の位置の補正量を算出し、この算出された補正量に基づいた位置にスリッタナイフを位置決めするようスリッタ幅方向移動手段を制御する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールシートのスリッタスコアラ装置及びそのスリッタナイフ及びスコアラの位置補正制御方法に係わり、特に、幅方向に複数のスリッタが設けられた段ボールシートのスリッタスコアラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スリッタスコアラ装置として、スリッタナイフがシートの丁数に応じた幅方向の所定位置に位置決めされ、切断加工を行うものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、特許文献2には、多数個の工具を、待機区域から設定区域に向けて移送させ、待機区域と設定区域との間の原点位置を基準として設定区域内のシートの所定の位置に位置決めする工具位置決め方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3717167号
【特許文献2】特公平01−14017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1のようなスリッタスコアラ装置において、上述した「所定位置」は、スリッタナイフの切断加工によって段ボールシートに削れ等に伴う寸法変化が起こらないと仮定して定められる。ところが、通常、切断時には、スリッタナイフの厚み等の要因によりシートが削られ、丁取り後(切断後)のシートの幅方向の寸法が、所望するシート寸法より小さくなる。
【0006】
ここで、例えば、スリッタナイフによる段ボールシートの削れ等による寸法変化量を「d」とし、所望するシートの幅寸法を「L」とすると、図8(a)に示すように、2丁取りの場合、SN6、SN0、SN5のスリッタナイフによりそれぞれ段ボールシートが削られ、加工後のそれぞれのシートの幅寸法が、所望する幅方向寸法Lより小さい「L−d」となり、また、3丁取りの場合、図8(b)に示すように、SN6、SN2、SN1、SN5のスリッタナイフによりそれぞれ段ボールシートが削られ、加工後のそれぞれのシートの幅寸法が、所望する幅方向寸法Lより小さい「L−d」となってしまう。
【0007】
そこで、従来は、例えば、スリッタスコアラ装置を据付後、寸法変化が起こらないと仮定して定めたスリッタナイフの位置で全てのスリッタナイフをロードした後、シートを流し(初期調整用に生産し)、所望するシート幅が得られるように、スリッタナイフの初期位置を調整していた。具体的には、この調整は、実際にシートを流して得られたシート幅を作業者が測定し、所望するシート幅に対する不足分を補うよう、スリッタナイフの位置を調整していた。また、その調整したスリッタナイフの位置で、所望するシート幅が得られたか、実際にシートを流して得られたシートを測定して確認する、という作業を繰り返す必要もあった。このような作業者による調整や作業のため、かなりの時間と労力を要するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、所望するシート幅の段ボールシートを得るようスリッタナイフの幅方向の位置決めを効果的に行うことが出来るスリッタスコアラ装置及びスリッタナイフ及びスコアラの位置補正制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、供給ラインに沿って連続的に供給される段ボールシートを切断すると共にその表面に罫線を付与するスリッタスコアラ装置であって、段ボールシートの供給方向に対して幅方向に並列して配置され、段ボールシートの表面に罫線を付与するための複数のスコアラと、段ボールシートの供給方向に対して幅方向に並列して配置され、段ボールシートを切断するスリッタナイフを有する複数のスリッタと、複数のスコアラを段ボールシートの幅方向にそれぞれ独立して移動させるスコアラ幅方向移動手段と、複数のスリッタを段ボールシートの幅方向にそれぞれ独立して移動させるスリッタ幅方向移動手段と、複数のスリッタのうち、生産オーダに基づいて使用されるスリッタを選択し、選択されたスリッタのスリッタナイフについて、所望する段ボールシートの幅方向の寸法に合わせた初期位置に対し、スリッタナイフによる削り量に応じて幅方向の位置の補正量を算出し、この算出された補正量に基づいた位置にスリッタナイフを位置決めするようスリッタ幅方向移動手段を制御する制御手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、使用されるスリッタのスリッタナイフについて、所望する段ボールシートの幅方向の寸法に合わせた初期位置に対し、スリッタナイフによる削り量に応じて幅方向の位置の補正量が算出され、この算出された補正量に基づいた位置にスリッタナイフが位置決めされるので、所望するシート幅の段ボールシートを得るようスリッタナイフの幅方向の位置決めを効果的に行うことが出来る。その結果、装置の据付時の初期調整の時間や労力を大幅に低減させることが出来る。
【0010】
本発明において、好ましくは、制御手段は、さらに、複数のスコアラのうち、生産オーダに基づいて使用されるスコアラを選択し、この選択されたスコアラについて、所望する段ボールシートの罫線位置に合わせた初期位置に対して、上記スリッタナイフの幅方向の位置の補正量に応じたスコアラの補正量を算出し、この算出された補正量に基づいた位置にスコアラを位置決めするようスコアラ幅方向移動手段を制御する。
このように構成された本発明においては、スコアラの幅方向の位置決めを効果的に行うことが出来る。その結果、装置の据付時の初期調整の時間やシートロスを大幅に減少させることが出来る。
【0011】
本発明において、好ましくは、制御装置は、スリッタスコアラ装置の幅方向の一方側から、順に、使用されるスコアラの第1の補正量を算出すると共に、装置の幅方向の他方側から、順に、使用されるスリッタナイフの第2の補正量を算出し、次に、使用されるスコアラ及びスリッタナイフを機械中心に合わせるようそれらの算出された第1及び第2の補正量を補正して、スリッタナイフによる削り量に基づくスリッタナイフの幅方向の位置の補正量及びスコアラの補正量を算出する。
このように構成された本発明においては、簡易な制御でスリッタナイフ及びスコアラの位置決め制御を行うことが出来る。また、使用されるスコアラ及びスリッタナイフを機械中心に合わせるよう第1及び第2の補正量が補正されるので、幅方向の一方側の最も端に位置するスリッタナイフ及び幅方向の他方側の最も端に位置するスリッタナイフを機械中心に対し対称な位置とすることが出来、従って、それぞれのスリッタナイフにより切断されるトリムの幅寸法を均等とすることにことができる。その結果、製造時において、両側のトリムの幅寸法に偏りが生じた状態で、狭幅の一方側のトリムが消失してしまうことにより、最も外側で切断加工される段ボールシートが不良シートとなることを防止することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、制御手段は、使用されるスリッタナイフ及び使用されるスコアラを同時に位置決めするようスリッタ幅方向移動手段及びスコアラ幅方向移動手段を制御する。
【0013】
本発明において、好ましくは、さらに、段ボールシートの反り量を検出する反り量検出センサを有し、制御手段は、反り量検出センサにより検出された段ボールシートの反り量に応じて、スリッタナイフによる削り量に基づくスリッタナイフの幅方向の位置の補正量をさらに補正する。
このように構成された本発明においては、より精度よく、所望するシート幅の段ボールシートを得ることが出来る。
【0014】
また、上記の目的を達成するために、本発明においては、段ボールシートの供給方向に対して幅方向に独立して移動可能に並列して配置されシートを切断するスリッタナイフを有する複数のスリッタと、段ボールシートの供給方向に対して幅方向に独立して移動可能に並列して配置されシートの表面に罫線を付与するための複数のスコアラと、を有するスリッタスコアラ装置におけるスリッタナイフ及びスコアラの位置補正制御方法であって、複数のスリッタ及びスコアラのうち、生産オーダに基づいて使用されるスリッタ及びスコアラを選択し、スリッタスコアラ装置の幅方向の一方側から、順に、スリッタナイフによる削り量に基づいて、使用されるスコアラのそれぞれの第1の補正量を算出し、装置の幅方向の他方側から、順に、スリッタナイフによる削り量に基づいて、使用されるスリッタナイフのそれぞれの第2の補正量を算出し、使用されるスコアラ及びスリッタナイフを機械中心に合わせるようそれらの算出された第1及び第2の補正量を補正して、所望する段ボールシートの幅方向の寸法を基準にした初期位置に対するスリッタナイフ及びスコアラの補正量を算出し、使用されるスリッタ及びスコアラを、この算出された補正量に基づいた位置に位置決めする、ことを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、使用されるスリッタのスリッタナイフについて、所望する段ボールシートの幅方向の寸法を基準にした初期位置に対するスリッタナイフ及びスコアラの補正量が算出され、使用されるスリッタ及びスコアラが、この算出された補正量に基づいた位置に位置決めされるので、所望するシート幅の段ボールシートを得るようスリッタナイフの幅方向の位置決め、及び、所望する位置の罫線位置でのスコアラの位置決めを効果的に行うことが出来る。その結果、装置の据付時の初期調整の時間や労力を大幅に低減させることが出来る。また、使用されるスコアラ及びスリッタナイフを機械中心に合わせるよう第1及び第2の補正量が補正されるので、幅方向の一方側の最も端に位置するスリッタナイフ及び最も幅方向の他方側の最も端に位置するスリッタナイフを機械中心に対し対称な位置とすることが出来、従って、それぞれのスリッタナイフにより切断されるトリムの幅寸法がそれぞれ均等となり、その結果、製造時において、段ボールシートが供給方向に対して蛇行するようなことを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、所望するシート幅の段ボールシートを得るようスリッタナイフの幅方向の位置決めを効果的に行うことが出来る。また、段ボールシートの所望の位置に罫線加工をするようスコアラの幅方向の位置決めを効果的に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置の全体側面図である。
【図2】本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置の全体正面図である。
【図3】本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置に用いられるスリッタナイフの一例を示すスリッタナイフを円周側から見た図である。
【図4】本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置のスコアラ及びスリッタの幅方向の位置決め補正制御を示すフローチャートである。
【図6】3丁取りの場合(図6(a))、4丁取りの場合(図6(b))における、本発明の実施形態による位置決め補正制御により位置決めされたスリッタ及びスコアラの位置を模式的に示す平面図である。
【図7】スリッタナイフの刃先の摩耗後或いは研磨後の状態を一点鎖線で示す図3と同様の図である。
【図8】シート供給方向から見た段ボールシートの反り量を測定するレーザセンサ及び段ボールシートの反り状態を示す図である。
【図9】スリッタナイフによる段ボールシートの削れ量及びその削れに伴うシート幅を説明するためのスリッタ位置及び段ボールシートを模式的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置を説明する。先ず、図1乃至図3により、本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置の基本構造を説明する。図1は、本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置の概略を示す全体側面図であり、図2は、本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置の概略を示す全体正面図であり、図3は、本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置に用いられるスリッタナイフの一例を示す正面図である。
【0018】
図1に示すように、符号1は、本実施形態によるスリッタスコアラ装置を示す。このスリッタスコアラ装置1は、コルゲータのドライエンドにおける段ボールシートの供給ラインに設けられ、その上流側には、図示しない、シングルフェーサ、ダブルフェーサ等が設けられ、スリッタスコアラ装置1に段ボールシートSが供給される。図1に、その供給方向FWを示す。また、コルゲータの下流側には、図示しないカッタ、スタッカ等が設けられる。段ボールシートSは、サクションコンベア(図示せず)により搬送されるようになっている。なお、スリッタスコアラ装置1は、後述する図4で説明するように、制御装置200を有するが、以下では、先ず、装置1の機械本体180の構成を説明する。
【0019】
本実施形態によるスリッタスコアラ装置1は、供給方向FWに沿って配列された上流側スコアラ2及び下流側スコアラ4と、これらのスコアラ2、4の下流側に配列されたスリッタ6とを備える。
【0020】
先ず、図1により、上流側スコアラ2及び下流側スコアラ4の構成を説明する。
図1に示すように、上流側スコアラ2は、上罫線ロール8及び下罫線ロール10を有し、これらのロール8、10の組は、スリッタスコアラ装置1の幅方向に複数組設けられている。
【0021】
上罫線ロール8の円周面のほぼ中央には、その円周方向に連続した凸部が形成され、一方、下罫線ロール10の円周面のほぼ中央には、その円周方向に連続した凹部が形成されている。段ボールシートSは、ガイド11によりその下面がガイドされ、下罫線ロール10の円周面は、その供給される段ボールシートSの下面に一致するよう、図1に示すような位置に配置され、後述するヨーク12により装置1の上下方向には移動出来ないよう支持されている。
【0022】
一方、上罫線ロール8は、後述する回転駆動軸14を中心に揺動可能な揺動レバー16に連結されている。この揺動レバー16は、ヨーク18に連結されたエアシリンダ20の作動により揺動されるようになっており、その揺動に伴い、上罫線ロール8が、図1に一点鎖線で示すような罫線入れする位置と、図1に実線で示すような待機位置とに移動可能に構成されている。
【0023】
また、下流側スコアラ4も、上流側スコアラ6のものと同様に形成された上罫線ロール22及び下罫線ロール24を有している。下罫線ロール24は、上流側スコアラ6と同様に、ヨーク26により、装置1の上下方向には移動できないよう支持されている。上罫線ロール22は、上流側スコアラ6と同様に、後述する回転駆動軸28を中心に揺動可能な揺動レバー30、ヨーク32に連結されたエアシリンダ34により、罫線入れする位置と、待機位置とに移動可能に構成されている。
【0024】
回転駆動軸14、28は、それぞれ、装置1の幅方向の両側の各フレーム36、38(図2参照)に架設され幅方向に延びている。各回転駆動軸14、28は、それぞれ、タイミングベルト及び歯車機構を有する動力伝達機構を介して、回転駆動モータ40(図2参照)に連結され、また、タイミングベルト及びプーリを介して各上罫線ロール8、22に連結されている。各上罫線ロール8、22は、この回転駆動モータ40の回転により、図1において、時計回りに回転する。
【0025】
一方、下罫線ロール10、24も同様に、各フレーム36、38(図2参照)に架設された幅方向に延びる回転駆動軸42、44がそれぞれ設けられている。これらの回転駆動軸42、44は、回転駆動モータ40(図2参照)に連結され、各下罫線ロール22、24は、回転駆動モータ40の回転により、図1において、半時計回りに回転する。
【0026】
次に、上流側スコアラ2における複数組設けられた各上下罫線ロール8、10をそれぞれ幅方向に移動させるための構成について説明する。
複数の上下罫線ロール8、10をそれぞれ個別に機械1の幅方向に移動させるために、各フレーム36、38(図2参照)に架設された幅方向に延びるガイド体50、56と、各フレーム36、38(図2参照)に架設され幅方向に延びるネジ軸52、58とが、それぞれ、機械1の上方部分と下方部分に設けられている。これらのネジ軸52、58は、各ヨーク18、12を貫通するように設けられている。また、各ヨーク18、12は、ガイド体50、56に沿って幅方向に案内されるよう、ガイド体50、56と摺動するガイド部材53、59を備えている。
【0027】
各ヨーク18、12には、幅方向位置決め用モータ54、60がそれぞれ設けられている。これらのモータ54、60の出力軸は、上述したネジ軸52、58と螺合する回転体に連結され、各ヨーク18、12は、各モータ54、60の回転駆動により各回転体を回転させることにより、それぞれ個別に、ガイド体50、56に沿って幅方向に移動するよう構成されている。
【0028】
次に、下流側スコアラ4における各上下罫線ロール22、24も、上流側スコアラ2と同様の構成により、それぞれの幅方向の移動が行われる。即ち、上流側スコアラ2と同様に設けられたネジ軸62、64、ガイド部材66、68、幅方向位置決め用モータ70、72、及びネジ軸62、64と螺合する回転体により、各ヨーク32、26が、それぞれ個別に、ガイド体50、56に沿って幅方向に移動するよう構成されている。
【0029】
複数組の上下罫線ロールは、各オーダ、例えば、丁取り数、罫線数、スリット加工幅などに従って、選択的に作動され、幅方向に位置決めされる。
【0030】
次に、図1乃至図3により、スリッタ6の構成を説明する。
スリッタ6は、スリッタナイフ80と、スリッタナイフ受け部材82とを有する。
スリッタナイフ80は、図3(a)に示すように、1mm程度の刃物厚を有する全体的に薄い円盤状の回転式ナイフであり、刃先に向けて所定のテーパー角が付けられ、図3(b)に示すように、その円周部の刃先は所定のわずかな角度が付けられている。
【0031】
スリッタナイフ受け部材82の円周面のほぼ中央部には、円周方向に連続した溝が形成されている。後述するように、スリッタナイフ80は上下動するよう構成され、スリッタナイフ80の刃先がスリッタナイフ受け部材82の溝に侵入して噛み合い、段ボールシートSにスリット加工(切断加工)を行うよう構成されている。段ボールシートSは、ガイド83によりその下面がガイドされる。
【0032】
スリッタナイフ受け部材82の円周面は、その供給される段ボールシートSの上面に一致するよう、図1に示すような位置に配置され、後述するヨーク84により装置1の上下方向には移動出来ないよう支持されている。
【0033】
一方、スリッタナイフ80は、後述する回転駆動軸86を中心に揺動可能な揺動レバー88に連結されている。この揺動レバー88は、ヨーク90に連結されたエアシリンダ92の作動により揺動されるようになっており、その揺動に伴い、スリッタナイフ80が、図1に一点鎖線で示すようなスリット加工する位置と、図1に実線で示すような待機位置とに移動可能に構成されている。
【0034】
回転駆動軸86は、図2に示すように、装置1の各フレーム36、38に架設され幅方向に延びている。この回転駆動軸86は、タイミングベルト及び歯車機構を有する動力伝達機構を介して、図2に示す回転駆動モータ40に連結され、また、伝達ベルト及びプーリを介してスリッタナイフ80に連結されている。スリッタナイフ80は、この回転駆動モータ40の回転により、図1において、反時計回りに回転する。
【0035】
一方、スリッタナイフ受け部材82側にも、ヨーク84の下端部を貫通するよう、各フレーム36、38(図2参照)に架設された幅方向に延びる回転駆動軸94が設けられている。スリッタナイフ受け部材82は、伝達ベルト及びプーリを介して、この回転駆動軸94に連結されている。この回転駆動軸94も、上述した回転駆動軸86と同様に回転駆動モータ40に連結されている。スリッタナイフ受け部材82は、回転駆動モータ40の回転により、図1において、時計回りに回転する。
【0036】
なお、本実施形態では、図2に示すように、スリッタナイフ80及びスリッタナイフ受け部材82は、装置1の幅方向に7組設けられているが、以上説明した構造は、いずれも共通して有している。
【0037】
次に、複数組設けられた各スリッタナイフ80及びスリッタナイフ受け部材82をそれぞれ幅方向に移動させるための構成について説明する。
複数のスリッタナイフ80及びスリッタナイフ受け部材82の組をそれぞれ個別に機械1の幅方向に移動させるために、図2に示すように、各フレーム36、38に架設された幅方向に延びるガイド体100、102と、各フレーム36、38に架設され幅方向に延びるネジ軸104、106とが、それぞれ、機械1の上方部分と下方部分に設けられている。これらのネジ軸104、106は、各ヨーク90、84を貫通するように設けられている。また、各ヨーク90、94は、ガイド体100、106に沿って幅方向に案内されるよう、ガイド体100、106と摺動するガイド部材108、110を備えている。
【0038】
各ヨーク90、84には、幅方向位置決め用モータ112、114がそれぞれ設けられている。これらのモータ112、114の出力軸は、上述したネジ軸104、106と螺合する回転体に連結され、各ヨーク90、94は、各モータ112、114の回転駆動により各回転体を回転させることにより、それぞれ個別に、ガイド体100、102に沿って幅方向に移動するよう構成されている。
【0039】
複数組のスリッタナイフ80及びスリッタナイフ受け部材82は、各オーダ、例えば、丁取り数、シート幅などに従って、選択的に作動され、幅方向に位置決めされる。
【0040】
スリッタスコアラ装置1は、図4に示すように、装置1の機械本体(図1、図2)180に接続された制御装置200を有し、この制御装置200は、上述した上流側スコアラ2、下流側スコアラ4及びスリッタ6の作動を制御する。制御装置200は、生産管理装置220に接続されている。
【0041】
以下では、図5により、本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置1の制御装置200によるスリッタ及びスコアラの幅方向の位置決め補正制御について説明する。
図5は、本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置のスコアラ及びスリッタの幅方向の位置決め補正制御を示すフローチャートである。図5において、Sは、各ステップを示す。
【0042】
図5に示す制御では、S3乃至S9においてスコアラの補正位置を算出し、S10乃至S12においてスリッタの補正位置を算出し、S13及びS14においてそれらの算出された補正位置のスコアラ及びスリッタが、装置1の機械中心ないしは段ボールシートの幅方向に対して対称に配置されるよう補正位置を修正する。
【0043】
先ず、S1において、生産管理装置220に入力されている生産指令データ、ここでは、原紙の幅寸法(段ボールシートのシート幅)、丁取り数(3丁取り、4丁取りなど)、スリット幅(補正制御前のスリッタの間隔)、罫線の位置寸法(補正制御前の罫線位置)、罫線圧、段ボールシートのフルート等が入力される。
また、S1において、入力されたシート幅、丁取り数に応じて軸の割り当てが行われる。即ち、複数のスリッタ6及び複数のスコアラ2、4のうち、シート幅、丁取り数に応じて、どのスリッタ6、スコアラ2、4を使用するかを決定する。使用するスリッタ6、スコアラ2、4に対しては、使用フラグが立てられる。例えば、丁取り数が3の場合には、4つのスリッタに対して使用フラグが立てられる。
【0044】
次に、S2において、S1において使用フラグが立てられたスリッタ及びスコアラに対して補正カウンタCを設定する(C=1)。
【0045】
次に、S3において、装置1の駆動側(図2に示すモータ40及びフレーム36が設けられた側)から数えて、使用フラグが立っているスリッタのカウンタCと、使用フラグが立っているスリッタのC+1番目(カウンタCのスリッタに対して、装置1の操作側(モータ40が設けられた側とは反対側のフレーム38の側)の使用フラグが立てられたスリッタ)のヨーク84、90の位置決め値をL(C)、L(C+1)に設定する。L(C)、L(C+1)は、S1で入力された、原紙の幅寸法、丁取り数、スリット幅から計算される初期位置(補正前の位置)である。
【0046】
次に、S4において、罫線補正係数Cvを以下の式、
Cv=(C+1)×d+1/2d・・・式(1)
により設定する。「d」は、スリッタナイフによる段ボールシートの削り量であり、ここでは、経験や実験等により得られ、予め入力された値が使用される。例えば、図3に示すようなスリッタナイフの場合は、その円周部によるシート削れ量は0.1mm前後である。
【0047】
次に、S5において、S1で使用フラグが立てられたスコアラのうち、それらの位置決め値(S1において入力された罫線の位置寸法)が、S3で設定したL(C)、L(C+1)の幅方向の範囲の間にあるものは、その位置決め値LS(C)を以下の式、
LS(C)=「現在の位置決め値(S1において入力された罫線の位置寸法)」+Cv・・・式(2)
により設定する。
【0048】
次に、S6において、カウンタCに1を加算し、S7に進む。
S7において、駆動側から数えてC+1番目のスリッタの使用フラグが立っている場合には、S3に戻り、S3乃至S7の各ステップを繰り返す。S7において、駆動側から数えてC+1番目のスリッタの使用フラグが立っていない場合には、S8に進む。
例えば、丁取り数が3の場合、S3〜S6の各処理を繰り返し、カウンタCが4になった場合、S7において、カウンタ「C+1=5」となり、残る操作側で使用されるスリッタは無い(使用フラグが立てられているスリッタは無い)ので、S8に進む。
【0049】
次に、S8において、カウンタCの値をZに記憶させる。
【0050】
次に、S9において、使用フラグが立てられ且つ最も操作側に位置するスリッタの補正位置ZLを以下の式、
ZL=L(C)+d×(C−1)・・・式(3)
により記憶する。
このS9において、例えば、丁取り数が3の場合、このS9ではカウンタCが4となっており、最も操作側に位置する使用フラグが立てられたスリッタの補正位置ZLは、S3で設定される初期位置L(4)に、補正量「削り量d×(C−1)」を加算した値に設定される。
【0051】
次に、S10において、駆動側から数えてC番目のスリッタの補正後の位置決め値L’(C)を以下の式、
L’(C)=L(C)+d×(C−1) ・・・式(4)
により設定する。即ち、S3で設定される初期位置L(C)に、補正量「削り量d×(C−1)」を加算した値を補正後の位置決め値L’(C)として設定する。
なお、S9から最初にこのS10の処理に移行した段階では、駆動側から数えてC番目のスリッタは、例えば、3丁取りの場合、C=4となっており、最も操作側に位置する使用フラグが立てられたスリッタとなっている。
【0052】
次に、S11において、C=C−1と補正カウンタの値を減算する。
【0053】
次に、S12において、C=1か否かを判定し、C=1と判定されるまで、S10乃至S12の処理を繰り返す。これにより、最も操作側に位置する使用フラグが立てられたスリッタから順に、最も駆動側に位置する使用フラグが立てられたスリッタまで、それぞれ、S10における補正後の位置決め値L’(C)が設定される。
【0054】
次に、S12において、C=1と判定された場合、S13に進み、各スリッタ及び各スコアラが、装置1の機械中心に合わせるための補正量Shを算出する。即ち、図5の制御では、駆動側から順に各スリッタ及びスコアラの補正量を演算しているため、各スリッタ及び各スコアラが装置1の操作側に偏ることになり、S13では、これらを機械中心に戻すための補正量Shを求める。
補正量Shは、S9で記憶させた最も操作側に位置するスリッタの補正位置ZLと、最も駆動側に位置するスリッタの初期位置L(1)と、S8で記憶させた最も操作側に位置するスリッタの位置L(Z)とにより、以下の式で表される。
Sh=((ZL−L(1))−(L(Z)−L(1)))/2・・・式(5)
【0055】
次に、S14において、全ての使用フラグが立っているスリッタ6及びスコアラ2、4(ヨーク84、90、18、12、32、26)の補正後の位置決め値、即ち、S5で求めたLS(C)、S10で求めたL’(C)からそれぞれShの値を引く。即ち、使用フラグが立っている各スリッタ最終的な補正位置L’’(C)及び各スコアラLS’(C)の最終的な補正位置は以下の式で表される。
L’’(C)=L(C)+d×(C−1)−Sh・・・式(6)
LS’(C)=LS(C)=S1において入力された罫線の位置寸法+Cv−Sh・・・式(7)
これにより、使用フラグが立っている最も駆動側に位置するスリッタと、使用フラグが立っている最も操作側に位置するスリッタとが、機械中心に対して対称な位置になり、段ボールシートのトリム(図6参照)の幅を駆動側と操作側とで均等にして、段ボールシート製造時、シートSが蛇行するようなことを防止するようにしている。
【0056】
次に、S15において、全ての使用フラグが立っているスリッタ6及びスコアラ2、4のヨーク84、90、18、12、32、26を、それぞれ補正後の位置決め値、L’’(C)、LS’(C)の位置に位置決めする。
【0057】
次に、図6により、図5による位置決め補正制御の内容を模式的に説明する。
図6は、3丁取りの場合(図6(a))、4丁取りの場合(図6(b))における、本発明の実施形態による位置決め補正制御により位置決めされたスリッタ及びスコアラの位置を模式的に示す平面図である。
なお、図6において、記号SNはスリッタナイフを示し、SCはスコアラの各罫線ロールを示し、Aは、スリッタナイフによって段ボールシートに削れ等に伴う寸法変化が起こらないと仮定して定められたスリッタナイフの位置、Ashは、本発明の実施形態による位置決め補正制御を実行した後のスリッタナイフの位置であり、dは、スリッタナイフによる段ボールシートの削れ量を表す。
【0058】
先ず、図6(a)に示すように、3丁取りの場合、上述した図5に示す位置決め補正制御により、段ボールシートSの中心側のスリッタナイフSN1、SN2は、いずれも、削れ量が無いと仮定した位置Aから、補正量d/2だけ幅方向外側のAshの位置に位置決めされている。この3丁取りの場合、シート中心にスリッタは無く、シートの削れは無いので、シートSの中心側のスリッタSN1、SN2の間のスコアラSC0、SC1の補正量は0である。
【0059】
一方、スコアラSC3、SC4、SC6、SC7は、いずれも、スリッタナイフSN1、SN2の幅方向外側への補正量と同一の補正量だけ幅方向外側に位置決めされる。
【0060】
最も駆動側のスリッタナイフSN6と、最も操作側のスリッタナイフSN5は、いずれも、削れ量が無いと仮定した位置Aから、それぞれ、補正量3d/2だけ幅方向外側のAshの位置に位置決めされている。
【0061】
これらの補正量d/2、3d/2は、基本的に、補正量を求めるスリッタナイフの幅方向中心断面(図6ではAshが通っている断面)からシート中心までのシート削れ量を合計したものとなっている。
【0062】
これらのスリッタナイフSN0〜SN6の位置決めにより、図6(a)に示すように、切断後の段ボールシートSの幅方向の寸法は、所望する幅寸法Lと同一の寸法Lとなっている。
【0063】
次に、図6(b)に示すように、4丁取りの場合、上述した図5に示す位置決め補正制御により、シート中心のスリッタナイフSN0は初期位置のままであり、その両側のスリッタナイフSN1、SN2は、いずれも、削れ量が無いと仮定した位置Aから、補正量dだけ幅方向外側のAshの位置に位置決めされている。
【0064】
一方、シート中心のスリッタナイフSN0とSN1或いはSN2との間のスコアラSC1、SC2、或いは、SC0、SC6は、いずれも、補正量d/2だけ幅方向外側に位置決めされる。これは、シート中心のスリッタナイフSN0の片側がd/2削れる分、スコアラSC1、SC2、SC0、SC6も補正量d/2だけ幅方向外側に位置決めするようにしたものである。
【0065】
また、最も駆動側のスリッタナイフSN6と、最も操作側のスリッタナイフSN5は、いずれも、削れ量が無いと仮定した位置Aから、それぞれ、補正量2dだけ幅方向外側のAshの位置に位置決めされている。
【0066】
スリッタナイフSN1とSN5の間のスコアラSC3、SC4、及び、スリッタナイフSN2とSN6の間のスコアラSC7、SC8は、いずれも、スリッタナイフSN1、SN2の幅方向外側への補正量と同一の補正量dだけ幅方向外側に位置決めされる。
【0067】
この4丁取りの場合も、いずれのスリッタナイフSN1、SN2、SN5、SN6の補正量d、2dは、基本的に、補正量を求めるスリッタナイフの幅方向中心断面(図6ではAshが通っている断面)からシート中心までのシート削れ量を合計したものとなっている。
【0068】
これらのスリッタナイフSN0〜SN6の位置決めにより、図6(b)に示すように、切断後の段ボールシートSの幅方向の寸法は、所望する幅寸法Lと同一の寸法Lとなっている。
【0069】
また、図6(a)及び(b)に示すように、駆動側及び操作側のトリム幅も互いに均等となっている。
【0070】
以上、本実施形態によれば、図5に示すようなスリッタナイフの削り量に基づく補正制御により、例えば3丁取りや4丁取りの場合を図6(a)、図6(b)で示すように、スリッタナイフSN0〜SN6が、初期位置(切断による削りによる寸法変化がないと仮定して定められた位置)に対し、切断後の段ボールシートSの幅方向寸法が所望する幅寸法Lと同一の寸法Lとなるような位置に位置決めされる。
【0071】
次に、「スリッタナイフによる段ボールシートの削り量d」を左右する要因について説明する。本実施形態では、図5のS4において、上述した補正量L’’(C)、LS’(C)を求めるために、予め経験や実験等により得られた削り量dを使用している。
削り量dは、段ボールシートの紙質、厚み、種類、シート製造時のシートの反り量や反り形状、シートが含む水分量や温度、スリッタナイフの摩耗量などの要因(パラメータ)によって左右されることが本発明者らの知見として明らかとなっている。
【0072】
このうち、特に、スリッタナイフの摩耗量(研磨量)及び段ボールシートの反り量が削り量dに大きく影響を与えることも明らかとなっている。
スリッタナイフの摩耗量(研磨量)については、図7の一点鎖線で示すように、刃先の摩耗或いは研磨を重ねていくうちに、刃物厚の大きい部分で段ボールシートを切断することになるため、削り量に影響を与える。
従って、補正量dは、スリッタナイフの刃先の摩耗量或いは研磨量に応じて増大するので、図5の位置決め補正制御に加え、スリッタナイフの刃先の摩耗量或いは研磨量が大のとき(大きく摩耗しているときや、研磨したとき)、そのような刃先の摩耗量或いは研磨量を加味して、上述した補正量L’’(C)、LS’(C)を増大させるようにさらに補正してもよい。
【0073】
また、段ボールシートの反り量については、シート反りのある状態でスリット加工及び罫線加工したシートを平らな状態に延ばすと、それらの加工位置がシートの中心に対し外側に移動するため、削り量dに大きく影響を与える。
従って、反り量が大きいほど、上述した補正量L’’(C)、LS’(C)を減少させるようにしてもよい。
例えば、図8に示すように、スリッタスコアラ装置1の上流側にビームセンサ200、202を設け、ビームが段ボールシートによって遮蔽される高さを計測することにより、段ボールシートSの反り量を検出して、上述した補正量L’’(C)、LS’(C)を増大させるように、さらに補正してもよい。
【0074】
また、水分センサ、温度センサにより段ボールシートの水分量や温度を検出し、シートの紙質のデータを組み合わせた段ボールシートの縮み量に応じて、補正量L’’(C)、LS’(C)を減少させるように、さらに補正してもよい。
【0075】
さらに、使用されるスリッタナイフおよびスコアラの補正量は、駆動側から順に算出しても、操作側から順に算出しても、いずれでもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 スリッタスコアラ装置
2 上流側スコアラ
4 下流側スコアラ
6 スリッタ
8、22 上罫線ロール
10、24 下罫線ロール
12、18、26、32 スコアラ用ヨーク
84、90 スリッタ用ヨーク
36、38 装置1のフレーム
54、60、70、72 スコアラの軸方向位置決め用モータ
80 スリッタナイフ
82 スリッタナイフ受け部材
112、114 スリッタの軸方向位置決め用モータ
S 段ボールシート
L 所望する段ボールシートの幅方向の寸法
d スリッタナイフによる段ボールシートの削れ量
A シートの寸法変化(削れ)が起こらないと仮定して定められるスリッタナイフの位置
Ash スリッタナイフの削れ量に基づいて補正されたスリッタナイフの位置
SN0〜SN6 第1〜第7スリッタナイフ
SC0〜SC8 第1〜第9スコアラ(上流側スコアラ2及び下流側スコアラ4)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給ラインに沿って連続的に供給される段ボールシートを切断すると共にその表面に罫線を付与するスリッタスコアラ装置であって、
段ボールシートの供給方向に対して幅方向に並列して配置され、段ボールシートの表面に罫線を付与するための複数のスコアラと、
段ボールシートの供給方向に対して幅方向に並列して配置され、段ボールシートを切断するスリッタナイフを有する複数のスリッタと、
上記複数のスコアラを段ボールシートの幅方向にそれぞれ独立して移動させるスコアラ幅方向移動手段と、
上記複数のスリッタを段ボールシートの幅方向にそれぞれ独立して移動させるスリッタ幅方向移動手段と、
上記複数のスリッタのうち、生産オーダに基づいて使用されるスリッタを選択し、選択されたスリッタのスリッタナイフについて、所望する段ボールシートの幅方向の寸法に合わせた初期位置に対し、スリッタナイフによる削り量に応じて幅方向の位置の補正量を算出し、この算出された補正量に基づいた位置にスリッタナイフを位置決めするよう上記スリッタ幅方向移動手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とするスリッタスコアラ装置。
【請求項2】
上記制御手段は、さらに、上記複数のスコアラのうち、生産オーダに基づいて使用されるスコアラを選択し、この選択されたスコアラについて、所望する段ボールシートの罫線位置に合わせた初期位置に対して、上記スリッタナイフの幅方向の位置の補正量に応じたスコアラの補正量を算出し、この算出された補正量に基づいた位置にスコアラを位置決めするよう上記スコアラ幅方向移動手段を制御する請求項1記載のスリッタスコアラ装置。
【請求項3】
上記制御装置は、上記スリッタスコアラ装置の幅方向の一方側から、順に、使用されるスコアラの第1の補正量を算出すると共に、装置の幅方向の他方側から、順に、使用されるスリッタナイフの第2の補正量を算出し、次に、使用されるスコアラ及びスリッタナイフを機械中心に合わせるようそれらの算出された第1及び第2の補正量を補正して、上記スリッタナイフによる削り量に基づくスリッタナイフの幅方向の位置の上記補正量及び上記スコアラの上記補正量を算出する請求項2に記載のスリッタスコアラ装置。
【請求項4】
上記制御手段は、上記使用されるスリッタナイフ及び上記使用されるスコアラを同時に位置決めするよう上記スリッタ幅方向移動手段及び上記スコアラ幅方向移動手段を制御する請求項2又は請求項3記載のスリッタスコアラ装置。
【請求項5】
さらに、段ボールシートの反り量を検出する反り量検出センサを有し、
上記制御手段は、上記反り量検出センサにより検出された段ボールシートの反り量に応じて、上記スリッタナイフによる削り量に基づくスリッタナイフの幅方向の位置の上記補正量をさらに補正する請求項1乃至4のいずれか1項記載のスリッタスコアラ装置。
【請求項6】
段ボールシートの供給方向に対して幅方向に独立して移動可能に並列して配置されシートを切断するスリッタナイフを有する複数のスリッタと、段ボールシートの供給方向に対して幅方向に独立して移動可能に並列して配置されシートの表面に罫線を付与するための複数のスコアラと、を有するスリッタスコアラ装置におけるスリッタナイフ及びスコアラの位置補正制御方法であって、
複数のスリッタ及びスコアラのうち、生産オーダに基づいて使用されるスリッタ及びスコアラを選択し、
上記スリッタスコアラ装置の幅方向の一方側から、順に、スリッタナイフによる削り量に基づいて、使用されるスコアラのそれぞれの第1の補正量を算出し、
装置の幅方向の他方側から、順に、スリッタナイフによる削り量に基づいて、使用されるスリッタナイフのそれぞれの第2の補正量を算出し、
使用されるスコアラ及びスリッタナイフを機械中心に合わせるようそれらの算出された第1及び第2の補正量を補正して、所望する段ボールシートの幅方向の寸法を基準にした初期位置に対するスリッタナイフ及びスコアラの補正量を算出し、
使用されるスリッタ及びスコアラを、この算出された補正量に基づいた位置に位置決めする、ことを特徴とするスリッタナイフ及びスコアラの位置補正制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−35511(P2012−35511A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177801(P2010−177801)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000139931)株式会社ISOWA (39)
【Fターム(参考)】