説明

殺有害生物剤及び2−プロピルヘプチルアミンのアルコキシレートを含む組成物

本発明は、殺有害生物剤及びアルコキシレートを含む化合物に関する。本発明は、アルコキシレート、その生成方法、及び殺有害生物剤含有噴霧混合液中の助剤としてのその使用にさらに関する。本発明は、植物病原性菌類及び/又は望ましくない植物成長及び/又は望ましくない昆虫若しくはダニの発生を防除する方法、並びに/或いは植物の成長を調節する方法にさらに関し、前記方法において、化合物は、それぞれの有害生物、それらの生息環境又はそれぞれの有害生物から保護されるべき植物に、地面及び/又は望ましくない植物及び/又は有用植物及び/又はそれらの生育環境に作用可能である。本発明は、前記化合物を含む種子にさらに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺有害生物剤及びアルコキシレートを含む組成物に関する。さらに、本発明は、アルコキシレート、その調製方法、及び殺有害生物剤を含む噴霧混合物中のアジュバントとしてのその使用に関する。本発明は、植物病原性菌類及び/又は望ましくない植物及び/又は望ましくない昆虫若しくはダニの攻撃を防除する方法、並びに/或いは植物の成長を調節する方法にさらに関し、前記方法において、組成物は、それぞれの有害生物、それらの環境、又はそれぞれの有害生物から保護されるべき植物に、土壌及び/又は望ましくない植物及び/又は作物植物及び/又はそれらの環境に作用可能である。さらに、本発明は、組成物を含む種子に関する。本発明は、他の好ましい特徴との好ましい特徴の組合せを含む。
【背景技術】
【0002】
アルコキシレート及び農薬製剤中のアジュバントとしてのそれらの使用は公知である。
【0003】
WO2009/004044は、フェノキシ酸除草剤及びアジュバントとしてアルコキシル化アルキルアミンを含む除草組成物を開示し、アルキルアミンは、例えば3から20個のエチレンオキシド基でアルコキシル化されている2-プロピルヘプチルメチルアミンであることが可能である。
【0004】
米国特許第5,668,085号は、グリホセート及び界面活性剤の水溶液を含む除草組成物を開示する。界面活性剤は、アルキル基が8から22個の炭素原子を含むアルコキシル化アルキルアミンであってもよい。
【0005】
アルコキシル化アルキルアミン、特に市販されているエトキシル化獣脂脂肪族アミン(POEA)は、重要な毒性(皮膚及び目の炎症など)及び生態毒性(藻類及びミジンコなどの水生生物への高い生態毒性など)を有する。したがって、例えば、湿展剤としてRoundup(登録商標)除草剤中にしばしば存在するPOEA(CAS番号61791-26-2)は、水生生物に比較的毒性であるとみなされる(Tsui及びChu、Chemosphere 2003、52巻、1189〜1197頁)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、より低毒性(特に水生生物により低毒性)でありながら、グリホセートなどの除草剤によく適しているアジュバントを見出すことであった。さらに、アジュバントは殺有害生物剤の貯蔵安定製剤を可能にするべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、殺有害生物剤及びアルコキシレートを含む組成物によって解決された。前記アルコキシレートはアミンアルコキシレート(A)
【化1】

【0008】
又はアミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)
【化2】

【0009】
[式中、
R1、R2及びR5は、互いに独立にエチレン、プロピレン、ブチレン又はこれらの混合物であり、
R3は、H、-OH、-OR4、-[R5-O]p-R6、C1〜C6-アルキル又は酸素アニオンであり、
R4は、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル又はC2〜C6-アルキニルであり、
R6は、H、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、-SO3Ra、-P(O)ORbORc、-CH2CO2Rd又は-C(O)Reであり、
Ra及びRdは、互いに独立にH、無機又は有機のカチオンであり、
Rb及びRcは、互いに独立にH、無機若しくは有機のカチオン、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル又はC2〜C6-アルキニルであり、
Reは、C1〜C22-アルキル、C2〜C22-アルケニル、C2〜C22-アルキニル、C6〜C22-アリール又はC7〜C22-アルキルアリールであり、
n、m及びpは、互いに独立に1から30の値を有し、
A-は農業上許容されるアニオンであるか、又はR3が酸素アニオンである場合は、A-は存在しない]
である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好ましくは、本発明による組成物は、殺有害生物剤及びアルコキシレートを含み、前記アルコキシレートはアミンアルコキシレート(A)である。
【0011】
好ましくは、nは1から20、特に好ましくは1から15の値を有する。好ましくは、mは1から20、特に好ましくは1から15の値を有する。好ましくは、pは1から30、特に好ましくは1から20の値を有する。n、m及びoの値は、大部分がアルコキシドによるアルコキシル化の結果生じるので、それらの値は通常平均値である。したがって、n、m及びoは、整数だけでなく、整数間の全ての値であってもよい。
【0012】
好ましくは、アミンアルコキシレート(A)の場合、n及びmの合計は2から40であり、その四級化誘導体(AQ)では、n、m及びpの合計は3から80である。
【0013】
アミンアルコキシレート(A)の場合、n及びmの合計は、特に好ましくは3から30、特に5から25である。さらに特に好ましい実施形態では、n及びmの合計は6から9、特に6.5から8.5、特に6.9から7.9である。さらに特に好ましい実施形態では、n及びmの合計は11から40、特に12から30、特に13.5から25である。さらに特に好ましい実施形態では、n及びmの合計は8から13、特に9から11である。
【0014】
アミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)の場合、n、m及びpの合計は、特に好ましくは3から40、特に5から25である。特に好ましい一実施形態では、n及びmの合計は8から13、特に9から11である。
【0015】
R1、R2及びR5は、好ましくは互いに独立にエチレン、エチレン及びプロピレン、エチレン及びブチレン、又はエチレン、プロピレン及びブチレンである。さらに好ましい実施形態では、R1、R2及びR5は、プロピレンである。さらに好ましい実施形態では、R1、R2及びR5は、ブチレンである。特に好ましくは、R1、R2及びR5は、互いに独立にエチレン、又はエチレン及びプロピレンである。非常に特に好ましくは、R1、R2及びR5は、エチレンである。
【0016】
R1、R2又はR5がブチレン基を含む場合、後者はn-ブチレン、イソブチレン又は2,3-ブチレン基として存在することができ、n-ブチレン及びイソブチレンが好ましく、n-ブチレンが最も好ましい。
【0017】
R1、R2及びR5は、互いに独立にエチレン、プロピレン、又はブチレンの混合物であってもよい。この文脈で、例えば一つ又は全ての基R1、R2及びR5は、各アルコキシレート鎖でこれらの基の混合物を含むことができる。そのような混合物は、任意の所望の順序で、例えばランダムに、又はブロックごとに(例えば、一つのブロックはエチレン及び一つのブロックはプロピレン)互いに連結されてもよい。さらに、各場合に、基R1、R2及びR5の一つ又は複数が、異なるアルキレン基で構成される完全なアルコキシレート鎖を形成することが可能である。例えば、R1及びR2はエチレンで、R5はプロピレンで構成されてもよい。
【0018】
R3は、好ましくはH、-OH、C1〜C4-アルキル又は酸素アニオンであり、特に好ましくはH、メチル、ブチル又は酸素アニオンである。特に好ましい実施形態では、R3はメチルである。さらに特に好ましい実施形態では、R3は酸素アニオンである。さらに特に好ましい実施形態では、R3はHである。
【0019】
R4は、好ましくはC1〜C6-アルキル、特にメチル又はブチル、特にブチルである。
【0020】
R6は、好ましくはH又はC1〜C6-アルキル、より好ましくはH又はメチル、特にHである。
【0021】
Ra及びRdは、互いに独立にH又は無機若しくは有機のカチオンであり、それらは単一に又は多重に正に荷電してよい。無機のカチオンの例は、アンモニウム、Na+、K+、Mg2+、Ca2+又はZn2+のカチオンである。有機のカチオンの例は、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリス(2-ヒドロキシエチル)-アンモニウム、テトラ(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムである。好ましくは、Ra及びRdは、互いに独立にH又は無機のカチオンである。無機又は有機のカチオンが存在するならば、関連するアニオン基が、R6上で対応する官能基(例えば、-SO3-、-P(O)O-O-又はCH2CO2-)によって形成されるであろう。
【0022】
Rb及びRcは、好ましくは互いに独立にH、無機又は有機のカチオンである。適する無機又は有機のカチオンは、Raの下で明記されているものである。
【0023】
別の実施形態では、四級誘導体(AQ)では、基Ra、Rb、Rc及びRdは互いに独立に有機カチオンであってよく、カチオン基はAQそれ自体の四級窒素カチオンである。したがって、AQが双性イオンを形成することもでき、アニオン基はAQのR6上で対応する官能基(例えば、-SO3-、-P(O)O-O-又はCH2CO2-)によって形成され、カチオン基はAQの四級窒素によって形成される。AQのこの双性イオン形では、農業上許容されるアニオンA-の存在は任意選択である。Reは、好ましくはC1〜C12-アルキル、C6〜C12-アリール又はC7〜C12-アルキルアリール、より好ましくはC1〜C6-アルキルである。
【0024】
A-は農業上許容されるアニオンであり、当業者に公知である。好ましくは、A-はハロゲン化物イオン(塩化物イオン又は臭化物イオンなど)、リン酸イオン、硫酸イオン又はアニオン性殺有害生物剤である。特に好ましくは、A-はアニオン性殺有害生物剤、例えばグリホセートアニオン又はグルホシネートアニオンである。R3が酸素アニオンである場合、アミンオキシドが存在する。この場合、A-などのさらなるアニオンは存在しない。
【0025】
アミンアルコキシレート(A)の場合、R1及びR2は互いに独立にエチレン、エチレン及びプロピレン、エチレン及びブチレン、又はエチレン、プロピレン及びブチレンであることが好ましく、n及びmの合計は2から60、好ましくは2から40、特に好ましくは3から30、特に5から25である。さらに好ましい実施形態では、R1及びR2はエチレン、エチレン及びプロピレン、エチレン及びブチレン、又はエチレン、プロピレン及びブチレンであり、n及びmの合計は6から9、特に6.5から8.5、特に6.9から7.9である。さらに好ましい実施形態では、R1及びR2はエチレン、エチレン及びプロピレン、エチレン及びブチレン、又はエチレン、プロピレン及びブチレンであり、n及びmの合計は11から40、特に12から30、特に13.5から25である。特に好ましい一実施形態では、R1及びR2はエチレン、エチレン及びプロピレン、エチレン及びブチレン、又はエチレン、プロピレン及びブチレンであり、n及びmの合計は6から14、より詳細には8から12、特に9から11である。
【0026】
アミンアルコキシレート(A)の場合、R1及びR2はエチレンであり、n及びmの合計は2から60、好ましくは2から40、特に好ましくは3から30、特に5から25であることが特に好ましい。さらに特に好ましい実施形態では、R1及びR2はエチレンであり、n及びmの合計は6から9、特に6.5から8.5、特に6.9から7.9である。さらに特に好ましい実施形態では、R1及びR2はエチレンであり、n及びmの合計は11から40、特に12から30、特に13.5から25である。
【0027】
化合物(A)及び(AQ)は、立体異性体の混合物として、又は単離された立体異性体として存在することができる。互変異性体及びベタインは、構造(A)及び(AQ)に同様に包含される。
【0028】
ほとんどの場合、本発明による組成物は、0.1から90重量%、好ましくは1から50重量%、特に3から30重量%のアルコキシレートを含む。
【0029】
殺有害生物剤という用語は、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、除草剤、薬害軽減剤、殺軟体動物剤、殺鼠剤及び/又は成長調節剤の群から選択される少なくとも一つの活性物質を指す。好ましい殺有害生物剤は、殺菌剤、殺虫剤、除草剤及び成長調節剤である。特に好ましい殺有害生物剤は、除草剤及び成長調節剤である。前記のクラスの二つ以上からの殺有害生物剤の混合物を用いることもできる。当業者はそのような殺有害生物剤に精通しており、それらは、例えばPesticide Manual、14版(2006)、The British Crop Protection Council、Londonに見出すことができる。適する殺有害生物剤は以下の通りである:
A)ストロビルリン:
アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、クモキシストロビン、クメトキシストロビン、エネストロブリン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリザストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリベンカルブ、トリフロキシストロビン、メチル2-[2-(2,5-ジメチルフェニルオキシメチル)フェニル]-3-メトキシアクリレート、2-(2-(3-(2,6-ジ-クロロフェニル)-1-メチルアリリデンアミノオキシメチル)フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチルアセトアミド;
B)カルボキサミド:
- カルボキシアニリド:ベナラキシル、ベナラキシル-M、ベノダニル、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フェンヘキサミド、フルトラニル、フラメトピル、イソピラザム、イソチアニル、キララキシル、メプロニル、メタラキシル、メタラキシル-M(メフェノキサム)、オフレース、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ペンフルフェン(N(2-(1,3-ジメチルブチル)フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)、ペンチオピラド、セダキサン、テクロフタラム、チフルザミド、チアジニル、2-アミノ-4-メチルチアゾール-5-カルボキシアニリド、N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(4'-トリフルオロメチルチオビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(2-(1,3,3-トリメチルブチル)フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド;
- カルボン酸モルホリド:ジメトモルフ、フルモルフ、ピリモルフ;
- ベンズアミド:フルメトベル、フルオピコリド、フルオピラム、ゾキサミド;
- 他のカルボキサミド:カルプロパミド、ジクロシメット、マンジプロパミド、オキシテトラサイクリン、シルチオファム、N-(6-メトキシピリジン-3-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
C)アゾール:
- トリアゾール:アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホル、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、オキシポコナゾール、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール;
- イミダゾール:シアゾファミド、イマザリル、硫酸イマザリル、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール;
- ベンズイミダゾール:ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール;
- 他:エタボキサム、エトリジアゾール、ヒメキサゾール、2-(4-クロロフェニル)-N-[4-(3,4-ジメトキシフェニル)イソキサゾール-5-イル]-2-プロパ-2-イニロキシアセトアミド;
D)含窒素ヘテロシクリル化合物
- ピリジン:フルアジナム、ピリフェノックス、3-[5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチルイソキサゾリジン-3-イル]-ピリジン、3-[5-(4-メチルフェニル)-2,3-ジメチルイソキサゾリジン-3-イル]ピリジン;
- ピリミジン:ブピリメート、シプロジニル、ジフルメトリム、フェナリモル、フェリムゾン、メパニピリム、ニトラピリン、ヌアリモル、ピリメタニル;
- ピペラジン:トリホリン;
- ピロール:フルジオキソニル、フェンピクロニル;
- モルフォリン:アルジモルフ、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ;
- ピペリジン:フェンプロピジン;
- ジカルボキシイミド:フルオリミド、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
- 非芳香族5員環複素環:ファモキサドン、フェナミドン、フルチアニル、オクチリノン、プロベナゾール、S-アリル5-アミノ-2-イソプロピル-3-オキソ-4-オルトトリル-2,3-ジヒドロ-ピラゾール-1-チオカルボキシレート;
- 他:アシベンゾラル-S-メチル、アミスルブロム、アニラジン、ブラスチシジン-S、キャプタホル、キャプタン、キノメチオネート、ダゾメット、デバカルブ、ジクロメジン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチルサルフェート、フェノキサニル、ホルペット、オキソリン酸、ピペラリン、プロキナジド、ピロキロン、キノキシフェン、トリアゾキシド、トリシクラゾール、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オン、5-クロロ-1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、5-エチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
E)カルバメート及びジチオカルバメート
- チオ-及びジチオカルバメート:フェルバム、マンコゼブ、マネブ、メタム、メタスルホカルブ、メチラム、プロピネブ、チラム、ジネブ、ジラム;
- カルバメート:ジエトフェンカルブ、ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、バリフェナル、(4-フルオロフェニル) N-(1-(1-(4-シアノフェニル)エタンスルホニル)-ブタ-2-イル)カルバメート;
F)他の殺菌剤
- グアニジン:ドジン、ドジン遊離塩基、グアザチン、グアザチン酢酸塩、イミノクタジン、イミノクタジン三酢酸塩、イミノクタジントリス(アルベシレート);
- 抗生物質:カスガマイシン、カスガマイシンヒドロクロリド水和物、ポリオキシン、ストレプトマイシン、バリダマイシンA;
- ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル、ジクロラン、ジノブトン、ジノキャップ、ニトロタール-イソプロピル、テクナゼン;
- 有機金属化合物:フェンチン塩、例えばフェンチン酢酸塩、塩化フェンチン、水酸化フェンチン;
- 含硫ヘテロシクリル化合物:ジチアノン、イソプロチオラン;
- 有機リン化合物:エジフェンホス、ホセチル、ホセチル-アルミニウム、イプロベンホス、リン酸及びその塩、ピラゾホス、トルクロホスメチル;
- 有機塩素化合物:クロロタロニル、ジクロフルアニド、ジクロルフェン、フルスルファミド、ヘキサクロロベンゼン、ペンシクロン、ペンタクロロフェノール及びその塩、フタリド、キントゼン、チオファネートメチル、トリルフルアニド、N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-N-エチル-4-メチルベンゼンスルホンアミド;
- 無機の活性物質:リン酸及びその塩、ボルドー液、銅塩、例えば酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄;
- 菌類を防除するための生物学的製剤、植物強化製品:枯草菌(Bacillus subtilis)株NRRL番号B-21661(例えばAgraQuest, Inc.、USAからの製品RHAPSODY(登録商標)、SERENADE(登録商標)Max及びSERENADE(登録商標)ASO)、バシラス・プミルス(Bacillus pumilus)株NRRL番号B-30087(例えばAgraQuest, Inc.、USAからのSONATA(登録商標)及びBALLAD(登録商標)Plus)、ウロクラジウム・ウデマンシー(Ulocladium oudemansii)(例えばBotriZen Ltd.、New ZealandからのBOTRY-ZEN)、キトサン(例えばBotriZen Ltd.、New ZealandからのARMOUR-ZEN)。
【0030】
- 他:ビフェニル、ブロノポール、シフルフェナミド、シモキサニル、ジフェニルアミン、メトラフェノン、ミルジオマイシン、オキシン銅、プロヘキサジオンカルシウム、スピロキサミン、トリルフルアニド、N-(シクロ-プロピルメトキシイミノ-(6-ジフルオロメトキシ-2,3-ジフルオロフェニル)メチル)-2-フェニルアセトアミド、N'-(4-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(5-ジフルオロメチル-2-メチル-4-(3-トリメチルシラニルプロポキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N-メチル-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)-2-{1-[2-(5-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-1-イル)アセチル]ピペリジン-4-イル}チアゾール-4-カルボキシレート、N-メチル-(R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル2-{1-[2-(5-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-1-イル)アセチル]ピペリジン-4-イル}チアゾール-4-カルボキシレート、6-tert-ブチル-8-フルオロ-2,3-ジメチルキノリン-4-イルアセテート、6-tert-ブチル-8-フルオロ-2,3-ジメチルキノリン-4-イルメトキシアセテート、N-メチル-2-{1-[2-(5-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル]ピペリジン-4-イル}-N-[(1R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル]-4-チアゾールカルボキサミド;
G)成長調節剤
アブシジン酸、アミドクロール、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノリド、ブトラリン、クロルメコート(塩化クロルメコート)、塩化コリン、シクラニリド、ダミノジド、ジケグラック、ジメチピン、2,6-ジメチルプリジン、エテホン、フルメトラリン、フルルプリミドール、フルチアセット、ホルクロルフェヌロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸、マレインヒドラジド、メフルイディド、メピコート(塩化メピコート)、メトコナゾール、ナフタレン酢酸、N-6-ベンジルアデニン、パクロブトラゾール、プロヘキサジオン(プロヘキサジオンカルシウム)、プロヒドロジャスモン、チジアズロン、トリアペンテノール、トリブチルホスホロトリチオエート、2,3,5-トリヨード安息香酸、トリネキサパックエチル及びウニコナゾール;
H)除草剤
- アセトアミド:アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、フルフェナセット、メフェナセット、メトラクロール、メタザクロール、ナプロパミド、ナプロアニリド、ペトキサミド、プレチラクロール、プロパクロル、テニルクロール;
- アミノ酸類似体:ビラナホス、グリホセート、グルホシネート、スルホセート;
- アリールオキシフェノキシプロピオネート:クロジナホップ、シハロホップブチル、フェノキサプロップ、フルアジホップ、ハロキシホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ-P-テフリル;
- ビピリジル:ジクワット、パラコート;
- カルバメート及びチオカルバメート:アスラム、ブチレート、カルベタミド、デスメディファム、ジメピペラット、エプタム(EPTC)、エスプロカルブ、モリネート、オルベンカルブ、フェンメジファム、プロスルホカルブ、ピリブチカルブ、チオベンカルブ、トリアラート;
- シクロヘキサンジオン:ブトロキシジム、クレトジム、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム;
- ジニトロアニリン:ベンフルラリン、エタルフルラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、トリフルラリン;
- ジフェニルエーテル:アシフルオルフェン、アクロニフェン、ビフェノックス、ジクロホップ、エトキシフェン、ホメサフェン、ラクトフェン、オイフルオルフェン;
- ヒドロキシベンゾニトリル:ブロモキシニル、ジクロベニル、イオキシニル;
- イミダゾリノン:イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル;
- フェノキシ酢酸:クロメプロップ、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、2,4-DB、ジクロルプロップ、MCPA、MCPA-チオエチル、MCPB、メコプロップ;
- ピラジン:クロリダゾン、フルフェンピルエチル、フルチアセット、ノルフルラゾン、ピリデート;
- ピリジン:アミノピラリド、クロピラリド、ジフルフェニカン、ジチオピル、フルリドン、フルロキシピル、ピクロラム、ピコリナフェン、チアゾピル;
- スルホニル尿素:アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン-エチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、メトスルフロンメチル、ニコスルフロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフロキシスルフロン、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、1-((2-クロロ-6-プロピル-イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)スルホニル)-3-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)尿素;
- トリアジン:アメトリン、アトラジン、シアナジン、ジメタメトリン、エチオジン、ヘキサジノン、メタミトロン、メトリブジン、プロメトリン、シマジン、テルブチラジン、テルブトリン、トリアジフラム;
- 尿素:クロルトルロン、ダイムロン、ジウロン、フルオメツロン、イソプロチュロン、リニュロン、メタベンズチアズロン、テブチウロン;
- 他のアセトラクテート合成酵素阻害剤:ビスピリバックナトリウム、クロランスラムメチル、ジクロスラム、フロラスラム、フルカルバゾン、フルメトスラム、メトスラム、オルトスルファムロン、ペノクスラム、プロポキシカルバゾン、ピリバムベンズプロピル、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリミノバックメチル、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピロキサスルホン、ピロクスラム;
- 他:アミカルバゾン、アミノトリアゾール、アニロホス、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベンカルバゾン、ベンフルレセート、ベンゾフェナップ、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ブロマシル、ブロモブチド、ブタフェナシル、ブタミホス、カフェンストロール、カルフェントラゾン、シニドン-エスリル(ethlyl)、クロルタール、シンメチリン、クロマゾン、クミルロン、シプロスルファミド、ジカンバ、ジフェンゾコート、ジフルフェンゾピル、ドレクスレラ・モノセラス(Drechslera monoceras)、エンドタール、エトフメセート、エトベンザニド、フェントラザミド、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、フルポキサム、フルオロクロリドン、フルルタモン、インダノファン、イソキサベン、イソキサフルトール、レナシル、プロパニル、プロピザミド、キンクロラック、キンメラック、メソトリオン、メチル化ヒ素酸、ナプタラム、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメホン、ペントキサゾン、ピノキサデン、ピラクロニル、ピラフルフェンエチル、ピラスルホトール、ピラゾキシフェン、ピラゾリネート、キノクラミン、サフルフェナシル、スルコトリオン、スルフェントラゾン、テルバシル、テフリルトリオン、テムボトリオン、チエンカルバゾン、トプラメゾン、4-ヒドロキシ-3-[2-(2-メトキシエトキシメチル)-6-トリフルオロメチルピリジン-3-カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-エン-2-オン、エチル(3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)フェノキシ]ピリジン-2-イルオキシ)アセテート、メチル6-アミノ-5-クロロ-2-シクロ-プロピルピリミジン-4-カルボキシレート、6-クロロ-3-(2-シクロプロピル-6-メチルフェノキシ)-ピリダジン-4-オール、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロフェニル)-5-フルオロピリジン-2-カルボン酸、メチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボキシレート及びメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-3-ジメチルアミノ-2-フルオロフェニル)ピリジン-2-カルボキシレート;
I)殺虫剤
- 有機(チオ)リン酸塩:アセフェート、アザメチホス、アジンホスメチル、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルフォトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチルパラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシデメトンメチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ホラート、ホキシム、ピリミホスメチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
- カルバメート:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メトミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、トリアザメート;
- ピレスロイド:アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、ベータシペルメトリン、ゼータシペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロクス、フェンプロパスリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダシハロトリン、ペルメトリン、プラレスリン、ピレトリンI及びII、レスメトリン、シラフルオフェン、タウフルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン、
- 昆虫成長阻害剤: a)キチン合成阻害剤:ベンゾイル尿素:クロルフルアズロン、シラマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール、クロフェンタジン; b)エクジソンアンタゴニスト:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン; c)ジュベノイド:ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ; d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラメート;
- ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト:クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセトアミプリド、チアクロプリド、1-(2-クロロチアゾール-5-イルメチル)-2-ニトリミノ-3,5-ジメチル-[1,3,5]トリアジナン;
- GABAアンタゴニスト:エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、N-5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-4-メチルフェニル)-4-スルフィナモイル-1H-ピラゾール-3-チオカルボキシアミド;
- 大環状のラクトン:アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド、スピネトラム;
- ミトコンドリアの電子伝達系阻害剤(METI)I殺ダニ剤:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム;
- METI II及びIII物質:アセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン;
- デカプラー:クロルフェナピル;
- 酸化的リン酸化阻害剤:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチンオキシド、プロパルギット;
- 昆虫脱皮阻害物質:クリオマジン;
- 「複合機能オキシダーゼ」阻害剤:ピペロニルブトキシド;
- ナトリウムチャネル遮断薬:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
- 他:ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、クロルアントラニリプロール、シアジピル(HGW86);シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメット、イミシアホス、ビストリフルロン及びピリフルキナゾン。
【0031】
好ましい殺有害生物剤は、少なくとも一つのH-酸性基(カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基など)を有する少なくとも一つの殺有害生物剤、又はそのアニオン性塩(例えば、モノ、ジ又はトリ塩)を含む。H-酸性基を有する殺有害生物剤のこれらのアニオン性塩は、基A-のアニオン性殺有害生物剤としても適する。H-酸性基を有する好ましい殺有害生物剤は、H-酸性基を有する除草剤である。H-酸性基を有する除草剤の例は、アミノ酸類似体(グリホセート又はグルホシネートなど)又はイミダゾリノン(イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピルなど)である。H-酸性基を有する特に好ましい殺有害生物剤は、グリホセート及びグルホシネートである。別の好ましい実施形態では、H-酸性基を有する殺有害生物剤は、イミダゾリノンである。
【0032】
特に好ましくは、殺有害生物剤は、H-酸性基を有する殺有害生物剤及びさらなる殺有害生物剤を含む。別の実施形態では、殺有害生物剤は、H-酸性基を有する少なくとも二つの殺有害生物剤、及び任意選択でさらなる殺有害生物剤(少なくとも一つの殺菌剤、除草剤、殺虫剤及び/又は薬害軽減剤などで、殺菌剤及び/又は除草剤が好ましい)の混合物を含む。
【0033】
さらに好ましい実施形態では、殺有害生物剤はグリホセート(例えば遊離酸、ナトリウム塩、セスキナトリウム塩、カリウム塩、ジカリウム塩、アンモニウム塩、ジアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメシウム塩又はイソプロピルアミン塩として)又はグルホシネート(例えばアンモニウム塩として)を含む。特に好ましくは、殺有害生物剤はグリホセート(例えばカリウム塩、アンモニウム塩又はイソプロピルアミン塩として)を含む。特に好ましくは、殺有害生物剤はグリホセート又はグルホシネート、及びさらに別の除草剤を含む。別の好ましい実施形態では、殺有害生物剤は、グリホセート又はグルホシネート、及びさらに別の殺有害生物剤(少なくとも一つの殺菌剤、除草剤、殺虫剤及び/又は薬害軽減剤などで、殺菌剤及び/又は除草剤が好ましい)を含む。
【0034】
本発明による組成物は、農薬製剤のために従来から使用されているアジュバントをさらに含むこともでき、アジュバントの選択は具体的な使用形態、製剤又は活性物質の種類に依存する。適するアジュバントの例は、溶媒、固体担体、表面活性物質(界面活性剤、可溶化剤、保護コロイド、湿展剤及び粘着付与剤など)、有機及び無機の増粘剤、殺細菌剤、不凍剤、泡止め剤、任意選択で着色剤及び接着剤(例えば種子処理のための)又は餌製剤(例えば誘引剤、飼料物質、苦み物質)のための従来のアジュバントである。
【0035】
適する溶媒は、水又は有機溶媒、例えば中から高の沸点の鉱油分画、例えば灯油及びディーゼル油、さらにコールタール油及び植物若しくは動物起源の油、脂肪族、環式及び芳香族の炭化水素、例えば、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン及びそれらの誘導体、アルキル化ベンゼン及びそれらの誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノールなどのアルコール、グリコール、シクロヘキサノン、ガンマブチロラクトン、ジメチル脂肪酸アミド、脂肪酸及び脂肪酸エステルなどのケトン、並びに強極性の溶媒、例えばN-メチルピロリドンなどのアミンである。原則として、溶媒混合物並びに上述の溶媒及び水の混合物を用いることもできる。
【0036】
固体担体は、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、石灰岩、石灰、チョーク、陶土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土などの鉱物土、硫酸カルシウム及び硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成材料、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素などの肥料、並びに穀類の粗びき粉、樹皮粗びき粉、木材粗びき粉及び堅果の殻の粗びき粉などの植物産物、セルロース粉末又は他の固体担体である。
【0037】
適する表面活性物質(アジュバント、湿展剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤)は、アルカリ金属、アルカリ土金属、芳香族スルホン酸、例えばリグノスルホン酸(Borresperse(登録商標)型、Borregaard、Norway)、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(Morwet(登録商標)型、Akzo Nobel、USA)及びジブチルナフタレンスルホン酸(Nekal(登録商標)型、BASF、Germany)、並びに脂肪酸のアンモニウム塩、アルキル-及びアルキルアリールスルホネート、アルキルエーテル、ラウリルエーテル及び脂肪族アルコールサルフェート、並びに硫酸化ヘキサ-、ヘプタ-及びオクタデカノール並びに脂肪族アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレン及びその誘導体のホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレン又はナフタレンスルホン酸のフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチル-、オクチル-又はノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪族アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル、リグニン亜硫酸蒸煮液及びタンパク質、変性タンパク質、多糖(例えばメチルセルロース)、疎水性改変デンプン、ポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)型、Clariant、Switzerland)、ポリカルボン酸塩(Sokalan(登録商標)型、BASF、Germany)、ポリアルコキシレート、ポリビニルアミン(Lupamin(登録商標)型、BASF、Germany)、ポリエチレンイミン(Lupasol(登録商標)型、BASF、Germany)、ポリビニルピロリドン及びそれらのコポリマーである。
【0038】
本発明による組成物は、アルコキシレート(A)及び(AQ)の量を考慮しない場合、0.1から40重量%、好ましくは1から30、特に2から20重量%の表面活性物質を含むことができる。
【0039】
適する増粘剤は、改変された流動挙動、すなわち静止時の高粘性及び攪拌状態での低粘性を製剤に付与する化合物である。例として、多糖、タンパク質(カゼイン又はゼラチンなど)、合成ポリマー又は無機の層状鉱物が挙げられる。そのような増粘剤は、例えばキサンタンガム(Kelzan(登録商標)、CP Kelco、USA)、Rhodopol(登録商標)23(Rhodia、France)又はVeegum(登録商標)(R.T. Vanderbilt、USA)又はAttaclay(登録商標)(Engelhard Corp.、NJ、USA)など市販されている。製剤中の増粘剤含有量は、増粘剤の効力に依存する。当業者は、製剤の所望の粘性が得られるような含有量を選択するであろう。含有量は、ほとんどの場合0.01から10重量%になるであろう。
【0040】
組成物を安定させるために、殺細菌剤を加えることができる。殺細菌剤の例として、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマール(hemiformal)、さらにイソチアゾリノン誘導体、例えばアルキルイソチアゾリノン及びベンゾイソチアゾリノン(Thor ChemieからのActicide(登録商標)MBS)に基づくものが挙げられる。適する不凍剤の例として、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセロールが挙げられる。泡止め剤の例として、シリコーンエマルション(例えばSilikon(登録商標)SRE、Wacker、Germany又はRhodorsil(登録商標)、Rhodia、Franceなど)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、有機フッ素化合物及びこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
本発明による組成物は、好ましくは農薬製剤の形で存在することができる。そのような製剤及びそれらの調製の例は、以下の通りである:
i)水溶性濃縮物(SL、LS): 90重量部の水又は水溶性溶媒を用いて、10重量部の活性物質を溶解する。或いは、湿展剤又は他のアジュバントを加える。水で希釈すると、活性物質は溶解する。これは、10重量%の活性物質含有量の組成物を与える。
【0042】
ii)分散性濃縮物(DC): 10重量部の分散剤、例えばポリビニルピロリドンを添加して、20重量部の活性物質を70重量部のシクロヘキサノンに溶解する。水で希釈すると、分散液が得られる。活性物質含有量は20重量%になる。
【0043】
iii)乳剤(EC):カルシウムドデシルベンゼンスルホネート及びヒマシ油エトキシレート(いずれの場合も5重量部で)を添加して、15重量部の活性物質を75重量部のキシレンに溶解する。水で希釈すると、乳濁液が得られる。組成物は、15重量%の活性物質含有量を有する。
【0044】
iv)エマルション(EW、EO、ES):カルシウムドデシルベンゼンスルホネート及びヒマシ油エトキシレート(いずれの場合も5重量部で)を添加して、25重量部の活性物質を35重量部のキシレンに溶解する。乳化剤(例えばUltra-Turrax)を用いて、この混合液を30重量部の水に入れ、均一な乳濁液にする。水で希釈すると、乳濁液が得られる。組成物は、25重量%の活性物質含有量を有する。
【0045】
v)懸濁剤(SC、OD、FS):撹拌ボールミルに10重量部の分散剤及び湿展剤、並びに70重量部の水又は有機溶媒を添加して、20重量部の活性物質を微粉砕して、微細な活性物質懸濁液を与える。水で希釈すると、活性物質の安定した懸濁液が得られる。組成物中の活性物質含有量は20重量%になる。
【0046】
vi)顆粒水和剤及び顆粒水溶剤(WG、SG): 50重量部の分散剤及び湿展剤を添加して50重量部の活性物質を微細に磨砕し、専用装置(例えば押し出し、スプレー塔、流動床)によって顆粒水和剤又は顆粒水溶剤に製剤化する。水で希釈すると、活性物質の安定した分散液又は溶液が得られる。組成物は、50重量%の活性物質含有量を有する。
【0047】
vii)水和剤及び水溶剤(WP、SP、SS、WS): 25重量部の分散剤及び湿展剤及びさらにシリカゲルを添加して、75重量部の活性物質をローター-ステータミルで磨砕する。水で希釈すると、活性物質の安定した分散液又は溶液が得られる。組成物の活性物質含有量は、75重量%に達する。
【0048】
viii)ゲル(GF):ボールミルで、20重量部の活性物質、10重量部の分散剤、1重量部のゲル化剤及び70重量部の水又は有機溶媒を磨砕して、微細な懸濁液を与える。水で希釈すると、20重量%の活性物質含有量の安定した懸濁液が得られる。
【0049】
ix)粉剤(DP、DS): 5重量部の活性物質を微細に磨砕して、95重量部の微粉砕されたカオリンとよく混合する。これは、5重量%の活性物質含有量の粉剤を与える。
【0050】
x)顆粒剤(GR、FG、GG、MG): 0.5重量部の活性物質を微細に磨砕して、99.5重量部の担体と結合させる。この目的のための従来の方法は、押し出し、噴霧乾燥又は流動床である。これは、0.5重量%の活性物質含有量を有する直接施用のための顆粒剤を与える。
【0051】
xi)ULV溶液(UL): 10重量部の活性物質を、90重量部の有機溶媒、例えばキシレンに溶解する。これは、10重量%の活性物質含有量を有する直接施用される組成物を与える。
【0052】
一般に、組成物は、0.01から95重量%、好ましくは0.1から90重量%の殺有害生物剤を含む。
【0053】
使用者は、本発明による組成物を、前計量装置、背負噴霧機、噴霧タンク又は散布航空機で使用するために一般に用いるであろう。ここでは、製剤は、水及び/又は緩衝液で、任意選択でさらなる補助剤を添加して所望の使用濃度にされ、それによってすぐに使用できる噴霧混合液(タンクミックスとして知られる)が得られる。通常、利用可能な農業地域の1ヘクタールにつき50から500リットル、好ましくは100から400リットルのすぐに使用できる噴霧混合液が散布される。特定の区画では、これらの量を上回る量(例えば、果樹栽培)でも下回る量(例えば、航空機散布)でもよい。すぐに使用できる製剤中の活性物質濃度は、相当の範囲で異なり得る。一般に、それらは0.0001から10%の間、好ましくは0.01から1%の間である。
【0054】
活性物質又はそれらを含む製剤、さらに任意選択でタンクミックスに、様々な種類の油、湿展剤、ドリフト軽減剤、展着剤、拡展剤、アジュバント、肥料、植物強化製品、微量元素、除草剤、殺細菌剤、殺菌剤及び/又は殺有害生物剤を使用直前に加えることができる。これらの製品は、重量比1:100から100:1で、好ましくは1:10から10:1で、本発明による組成物に混合することができる。この文脈の中で適するアジュバントは、特に以下の通りである:有機改変ポリシロキサン、例えばBreak Thru S 240(登録商標);アルコールアルコキシレート、例えばAtplus(登録商標)245、Atplus(登録商標)MBA 1303、Plurafac(登録商標)LF 300及びLutensol(登録商標)ON 30; EO/POブロックポリマー、例えばPluronic(登録商標)RPE 2035及びGenapol(登録商標)B;アルコールエトキシレート、例えばLutensol(登録商標)XP 80;並びにジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、例えばLeophen(登録商標)RA。
【0055】
所望の効果の性質に従い、植物保護で用いる場合の活性物質の施用量は、1ヘクタールにつき0.001から2.0kgの間の活性物質、好ましくは1ヘクタールにつき0.005から2kgの間、特に好ましくは1ヘクタールにつき0.05から0.9kgの間、特に1ヘクタールにつき0.1から0.75kgの間である。
【0056】
本発明は、植物病原性菌類及び/又は望ましくない植物及び/又は望ましくない昆虫若しくはダニの攻撃を防除する方法、並びに/或いは植物の成長を調節する方法にさらに関し、本発明による組成物は、それぞれの有害生物、それらの環境又はそれぞれの有害生物から保護されるべき植物に、土壌及び/又は望ましくない植物及び/又は作物植物及び/又はそれらの環境に作用可能である。
【0057】
適する作物植物の例として、穀類、例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、オートムギ又はイネ;ビート、例えばテンサイ又は飼料ビート;ナシ状果、核果及び柔らかい果実、例えばリンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、キイチゴ、スグリ又はグズベリー;豆類、例えばマメ、レンチル、エンドウマメ、アルファルファ又はダイズ;油料作物、例えばアブラナ、マスタード、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、カカオ、トウゴマ、アブラヤシ、ピーナッツ又はダイズ;ウリ科の植物、例えばカボチャ/スカッシュ、キュウリ又はメロン;繊維作物、例えばワタ、アマ、アサ又はジュート;柑橘類果実、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ又はタンジェリン;野菜植物、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、カボチャ/スカッシュ又はトウガラシ;ゲッケイジュ科の植物、例えばアボカド、シナモン又は樟脳;エネルギー作物及び工業用フィードストック作物、例えばトウモロコシ、ダイズ、コムギ、アブラナ、サトウキビ又はアブラヤシ;トウモロコシ;タバコ;ナッツ類;コーヒー;茶;バナナ;ワイン(デザートのブドウ及びワイン醸造のためのブドウ);ホップ;草、例えば芝;ハイノキ(ステビア・レバウダニア(Stevia rebaudania);ゴムの木及び森林植物、例えば花、潅木、落葉樹及び針葉樹、並びに繁殖材料、例えば種子、及びこれらの植物の収穫生産物が挙げられる。
【0058】
作物植物という用語には、市場に出ているか開発中の生物工学農産物を含む、育種、突然変異生成又は組換え方法によって改変された植物も含まれる。遺伝子改変植物は、その遺伝物質が、交雑、突然変異又は天然の組換え(すなわち遺伝物質の組換え)によって自然条件下で起こらない方法で改変されている植物である。ここでは、植物の特性を向上させるために、概して一つ又は複数の遺伝子が植物の遺伝物質に組み込まれることになる。そのような組換え改変は、例えばグリコシル化又は結合ポリマー、例えばプレニル化、アセチル化若しくはファルネシル化残基又はPEG残基などによるタンパク質、オリゴ-又はポリペプチドの翻訳後修飾も含む。
【0059】
挙げることができる例として、植物育種及び組換え手段の結果として、ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤、アセトラクテート合成酵素(ALS)阻害剤、例えばスルホニル尿素(EP-A 257 993、米国特許第5,013,659号)又はイミダゾリノン(例えば米国特許第6,222,100号、WO 01/82685、WO 00/26390、WO 97/41218、WO 98/02526、WO 98/02527、WO 04/106529、WO 05/20673、WO 03/14357、WO 03/13225、WO 03/14356、WO 04/16073)、エノイルピルビニルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(EPSP)阻害剤、例えばグリホセート(例えばWO 92/00377を参照)、グルタミンシンテターゼ(GS)阻害剤、例えばグルホシネート(例えばEP-A 242 236、EP-A 242 246を参照)又はオキシニル除草剤(例えば米国特許第5,559,024号を参照)などの特定のクラスの除草剤に対する耐性を得た植物がある。例えば、育種及び突然変異生成はClearfield(登録商標)アブラナ(BASF SE、Germany)を生み、それは、イミダゾリノン、例えばイマザモックス耐性を特徴とする。組換え方法を用いて、グリホセート又はグルホシネートに抵抗性であるダイズ、ワタ、トウモロコシ、ビート及びアブラナなどの作物植物が育成され、これらは商標名RoundupReady(登録商標)(グリホセート抵抗性、Monsanto、U.S.A)及びLiberty Link(登録商標)(グルホシネート抵抗性、Bayer CropScience、Germany)で入手できる。
【0060】
さらに、組換え手段を用いて一つ又は複数の毒素、例えば菌株バシラス(Bacillus)からのものを生成する植物が含まれる。そのような遺伝子改変植物によって生成される毒素は、例えば、バシラス属の種、特にB.チューリンジエンシス(B. thuringiensis)からの殺虫性タンパク質、例えばエンドトキシンCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1、Cry9c、Cry34Ab1若しくはCry35Ab1;又は植物殺虫性タンパク質(VIP)、例えばVIP1、VIP2、VIP3若しくはVIP3A;線虫定着細菌、例えばフォトラブダス属の種(Photorhabdus spp.)若しくはゼノラブダス属の種(Xenorhabdus spp.)からの殺虫性タンパク質;動物体からの毒素、例えばスズメバチ、クモ若しくはサソリ毒; 例えばストレプトミセス菌(Streptomycetes)由来の菌類の毒素;例えばエンドウ若しくはオオムギ由来の植物レクチン;アグルチニン;プロテイナーゼ阻害剤、例えばトリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン、シスタチン若しくはパパイン阻害剤;リボソーム不活性化タンパク質(RIP)、例えばリシン、トウモロコシRIP、アブリン、ルフィン、サポリン若しくはブリョジン;ステロイド代謝酵素、例えば3-水酸化ステロイドオキシダーゼ、エクジステロイドIDPグリコシルトランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤若しくはHMG CoA-レダクターゼ;イオンチャネル遮断薬、例えばナトリウム若しくはカルシウムチャネルの阻害剤;幼若ホルモンエステラーゼ;ジウレチックホルモンの受容体(ヘリコキニン受容体);スチルベン合成酵素、ビベンジル合成酵素、キチナーゼ及びグルカナーゼを含む。これらの毒素は、植物において、前毒素、ハイブリッドタンパク質、切断、さもなければ改変されたタンパク質の形で生成されてもよい。ハイブリッドタンパク質は、異なるタンパク質ドメインの新規組合せによって識別される(例えば、WO 2002/015701を参照)。そのような毒素又はこれらの毒素を生成する遺伝子改変植物のさらなる例は、EP-A 374 753、WO 93/07278、WO 95/34656、EP-A 427 529、EP-A 451 878、WO 03/18810及びWO 03/52073で開示されている。これらの遺伝子改変植物の生成方法は当業者に公知であり、例えば上述の刊行物で説明されている。多数の上述の毒素は、それらを生成する植物へ、節足動物の全ての分類クラス、特に甲虫類(Coeleropta)、双翅類(Diptera)及び鱗翅類(Lepidoptera)並びに線虫(Nematoda)からの有害生物への耐性を付与する。殺虫性毒素をコードする一つ又は複数の遺伝子を生成する遺伝子改変植物は、例えば上述の刊行物に記載され、場合によっては例えばYieldGard(登録商標)(毒素Cry1Abを生成するトウモロコシ品種)、YieldGard(登録商標)Plus(毒素Cry1Ab及びCry3Bb1を生成するトウモロコシ品種)、Starlink(登録商標)(毒素Cry9cを生成するトウモロコシ品種)、Herculex(登録商標)RW(毒素Cry34Ab1、Cry35Ab1及び酵素フォスフィノスリシンN-アセチルトランスフェラーゼ[PAT]を生成するトウモロコシ品種); NuCOTN(登録商標)33B(毒素Cry1Acを生成するワタ品種)、Bollgard(登録商標)I(毒素Cry1Acを生成するワタ品種)、Bollgard(登録商標)II(毒素Cry1Ac及びCry2Ab2を生成するワタ品種);VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を生成するワタ品種); NewLeaf(登録商標)(毒素Cry3Aを生成するジャガイモ品種); Bt-Xtra(登録商標)、NatureGard(登録商標)、KnockOut(登録商標)、BiteGard(登録商標)、Protecta(登録商標)、Bt11(例えばAgrisure(登録商標)CB)及びBt176(Syngenta Seeds SAS、Franceから)(毒素Cry1Ab及びPAT酵素を生成するトウモロコシ品種)、Syngenta Seeds SAS、FranceからのMIR604(毒素Cry3Aの改変バージョンを生成するトウモロコシ品種、これに関してWO 03/018810を参照)、Monsanto Europe S.A.、BelgiumからのMON 863(毒素Cry3Bb1を生成するトウモロコシ品種)、Monsanto Europe S.A.、BelgiumからのIPC 531(毒素Cry1Acの改変バージョンを生成するワタ品種)並びにPioneer Overseas Corporation、Belgiumからの1507(毒素Cry1F及びPAT酵素を生成するトウモロコシ品種)などが市販されている。
【0061】
組換え手段を用いて、細菌、ウイルス又は菌類の病原体への抵抗性の増強又はそれに耐える能力をもたらす一つ又は複数のタンパク質、例えば、いわゆる病原関連タンパク質(PRタンパク質、EP-A 0 392 225を参照)、抵抗性タンパク質(例えばメキシコ野生ジャガイモソラナム・バルボカスタナム(Solanum bulbocastanum)からのフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に対する二つの抵抗性遺伝子を生成するジャガイモ品種)又はT4リゾチーム(例えば、このタンパク質の生成の結果としてエルウィニア・アミルボーラ(Erwinia amylvora)などの細菌に抵抗性を示すジャガイモ品種)を生成する植物がさらに含まれる。
【0062】
組換え方法を用いて、例えば収量能力(例えばバイオマス、穀物収量、デンプン含有量、油含有量又はタンパク質含有量)、かんばつ、塩若しくは他の極限環境要因への耐性、又は有害生物並びに菌類、細菌及びウイルス病原体への抵抗性を増加させることによってその生産性が改善された植物もさらに含まれる。
【0063】
特にヒト又は動物の栄養を向上させるために、組換え方法を用いて、例えば健康増進長鎖オメガ3脂肪酸又は一価不飽和オメガ9脂肪酸を生成する油料植物(例えばNexera(登録商標)アブラナ、DOW Agro Sciences、Canada)によってその構成物質が改変された植物もさらに含まれる。
【0064】
本発明は、本発明による組成物を含む種子(種子又は他の植物繁殖材料など)にさらに関する。植物繁殖材料は、植え付け時かその前にでも、又は移植時かその前にでも、本発明による組成物で予防的に処理することができる。種子処理のためには、水溶性濃縮物(LS)、懸濁液(FS)、粉剤(DS)、水和剤及び水溶剤(WS、SS)、エマルション(ES)、乳剤(EC)並びにゲル(GF)が一般に用いられるであろう。これらの組成物は、繁殖材料、特に種子に未希釈の形で、又は好ましくは希釈された形で施用することができる。ここでは、問題の組成物は2から10倍に希釈することができるので、種子粉衣のために用いられる組成物には、0.01から60重量%、好ましくは0.1から40重量%の活性物質が存在する。施用は、植え付けの前か間に実行することができる。植物繁殖材料の処理、特に種子の処理は当業者に公知であり、植物繁殖材料を散粉、コーティング、ペレット化、浸漬又は液浸することによって実行され、処理は、例えば種子の早すぎる発芽が阻止されるように、好ましくはペレット化、コーティング及び散粉又は溝処理によって実行される。種子の処理のために、懸濁液の使用が好ましい。通常、そのような組成物は、1から800g/lの活性物質、1から200g/lの界面活性剤、0から200g/lの不凍剤、0から400g/lの結合剤、0から200g/lの着色剤及び溶媒、好ましくは水を含む。
【0065】
本発明はアルコキシレートにさらに関し、前記アルコキシレートはアミンアルコキシレート(A)、
【化3】

【0066】
又はアミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)
【化4】

【0067】
[式中、
R1、R2及びR5は、互いに独立にエチレン、プロピレン、ブチレン又はこれらの混合物であり、
R3は、H、-OH、-OR4、[R5-O]p-R6、C1〜C6-アルキル又は酸素アニオンであり、
R4は、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル又はC2〜C6-アルキニルであり、
R6は、H、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、-SO3Ra、-P(O)ORbORc、-CH2CO2Rd又は-C(O)Reであり、
Ra及びRdは、互いに独立にH、無機又は有機のカチオンであり、
Rb及びRcは、互いに独立にH、無機又は有機のカチオン、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル又はC2〜C6-アルキニルであり、
Reは、C1〜C22-アルキル、C2〜C22-アルケニル、C2〜C22-アルキニル、C6〜C22-アリール又はC7〜C22-アルキルアリールであり、
n、m及びpは、互いに独立に1から30の値を有し、
A-は農業上許容されるアニオンであるか、又はR3が酸素アニオンである場合は、A-は存在しない]
である。
【0068】
好ましいパラメータは、前記の通りである。
【0069】
一実施形態では、アルコキシレートはアミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)である。好ましい実施形態では、アルコキシレートはアミンアルコキシレート(A)である。
【0070】
さらなる好ましい実施形態では、アルコキシレートはアミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)である。ここで、好ましくは、A-はハロゲン化物イオン(塩化物イオン又は臭化物イオンなど)、リン酸イオン、硫酸イオン又はアニオン性殺有害生物剤である。特に好ましくは、A-はアニオン性殺有害生物剤、例えばグリホセートアニオン又はグルホシネートアニオンである。
【0071】
本発明は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はこれらの混合物による2-プロピルヘプチルアミンのアルコキシル化を含む、アミンアルコキシレート(A)又はアミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)の調製方法にさらに関する。2-プロピルヘプチルアミンの調製は一般に公知であり、米国特許第5,808,158号に記載のように例えばアンモニアを2-プロピルヘプタノールと反応させることによる。
【0072】
アルコキシル化は、強力な塩基、例えばアルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物、ブレンステッド酸又はルイス酸、例えばAlCl3、BF3によって触媒することができる。ハイドロタルサイト又はDMCなどの触媒は、狭い分布のアルコールアルコキシレートのために用いることができる。好ましくは、アルコキシル化は、約80から250℃、好ましくは約100から220℃の範囲の温度で実行される。圧力は、好ましくは周囲圧から600barの間である。所望により、アルキレンオキシドは、例えば約5から60%の不活性気体の混合物を含むことができる。
【0073】
アミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)は、アミンアルコキシレート(A)を四級化することによってさらなる反応工程で調製することができる。基R3をアミンアルコキシレート(A)に導入するために、後者を例えば塩化メチル、硫酸ジメチル又は塩化ブチルなどのアルキル化試薬と反応させることができる。一個の酸素アニオンをアミンアルコキシレート(A)に導入するために、例えばアミノ基を過酸化水素、過酸(メタクロロ過安息香酸又は過酢酸など)又はペルオキソ一硫酸と反応させることによって、後者を酸化することができる。
【0074】
R3がHである四級化誘導体(AQ)は、構造(A)の出発化合物の単純プロトン化によって調製することができる。R3がOHである四級化誘導体(AQ)は、R3が酸素アニオンである出発化合物(AQ)の単純プロトン化によって調製することができる。プロトン化に適する酸は、有機酸(例えばC1〜C20-カルボン酸、特に安息香酸)又は無機の酸(例えば塩酸、リン酸又は硫酸)である。同様に適する他のものは、H酸性殺有害生物剤、例えばグリホセート酸又はグリホセート単塩である。プロトン化は別個の合成で実行することができ、そのため四級化誘導体(AQ)を単離することができる。組成物又は噴霧混合液で出発化合物を一つ又は複数の酸と混合することによってプロトン化を実行することもできる。
【0075】
本発明は、殺有害生物剤含有噴霧混合液中の補助剤としての、上記のアミンアルコキシレート(A)又はアミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)の使用にさらに関する。補助剤は、好ましくは活性強化補助剤である。そのような活性強化補助剤は、アジュバントとも呼ばれる。それらは、アジュバントがない殺有害生物剤の活性と比較して、殺有害生物剤の活性を強化又は促進する。
【0076】
本発明の利点は、製剤及び噴霧混合液の高い安定性、噴霧散布の場合の風によるドリフトがほとんどないこと、処理植物の表面への製剤の良好な接着、製剤中の殺有害生物剤の溶解性の増加、植物への殺有害生物剤の浸透の増加、並びにその結果としてより速く、強化された活性である。重要な利点は、新規アルコキシレートの低い毒性、特に低い水生毒性である。別の利点は、作物植物に対する低い有害作用、すなわち低い植物毒性である。さらなる利点はこれらのアルコキシドの簡単な扱いであり、その理由は、例えば製剤へのそれらの組込みの結果、ゲル化が起こらないからである。
【0077】
以下の実施例は、いかなる限定も加えずに本発明を例示する。
【0078】
実施例
【実施例1】
【0079】
2-プロピルヘプチルアミン(2-PHamine)の合成
2-プロピルヘプタノール(BASF SE又はEvonikから市販されている)及びアルコールアミノ化触媒(EP 696 572 A1に記載されている;2-プロピルヘプタノールに基づき8重量%)をオートクレーブに入れ、系を窒素及び水素で洗い流した。次にアンモニアを17:1のアンモニア対アルコールのモル比で注入し、撹拌しながら混合液を加熱した。210℃で、240barのH2圧で10時間の反応時間の後、2-プロピルヘプチルアミンを濾過によって取り出し、ロータリーエバポレーターで水を取り除いた。
【実施例2】
【0080】
2-プロピルヘプチルアミンのアルコキシル化
A) 2-PHamine-7 EOの調製
先ず、実施例1からの2-プロピルヘプチルアミンの628g(4mol)を19.6gの水と混合した。次に、窒素で洗い流した後、100℃において352g(8mol)のエチレンオキシド(EO)を計り入れた。その後、80℃で、このバッチを減圧下で脱水した。これにより、468mg KOH/g(458mg KOH/g理論値)のOH数及び229mg KOH/g(229mg KOH/g理論値)のアミン数を有する988g(理論値の99%)の収量が与えられた。
【0081】
第二の工程では、この前駆体生成物269.5g(1.1mol)を2.0gの50%力価のKOHと混合し、脱水を90℃の減圧下で行った。窒素で洗い流した後、120℃において242g(5.5mol)のエチレンオキシドを計り入れた。数滴の酢酸で、生成物を9.9のpH(水に5%)に調整した。これにより、512gの収量(理論値の100%)の低い粘性の黄色がかった液体が与えられた(OH数: 279.1mg KOH/g(241mg KOH/g理論値);アミン数: 120mg KOH/g(121mg KOH/g理論値)、含水量<0.5重量%)。
【0082】
B) 2-PHamine-10 EOの調製
先ず、実施例1からの2-プロピルヘプチルアミン1280g(8.15mol)を40gの水と混合した。次に、窒素で洗い流した後、100℃において717g(16.3mol)のエチレンオキシドを計り入れた(2bar、16h)。その後、90℃で、残りの微量のエチレンオキシドを減圧下で除去した。これにより、229mg KOH/gのアミン数を有する定量的収率が与えられた。
【0083】
第二の工程では、この前駆体生成物821.5g(3.35mol)を8.0gの50%力価のKOHと混合し、脱水を90℃の減圧下で実行した。窒素で洗い流した後、120℃において1179g(26.8mol)のエチレンオキシドを計り入れた(1.5bar、12h)。これにより、低い粘性の黄色がかった液体が定量的収率で与えられた。
【0084】
C)からF) 2-PHamine-5 EO、2-PHamine-8.5 EO、2-PHamine-15 EO、2-PHamine-20 EOの調製
実施例1からの2-プロピルヘプチルアミンのエトキシ化は、実施例2A及び2Bに従って実行された。このようにして、2-PHamine-5 EO、2-PHamine-8.5 EO、2-PHamine-15 EO及び2-PHamine-20 EOを定量的収率で合成することができた。ここでは、コード「-5 EO」、「-8.5 EO」などは、2-プロピルヘプチルアミンと比較したエチレンオキシドのモル過剰を示す。
【0085】
G) 2-PHamine-エトキシレート-プロポキシレートの調製
一般調製指示書: 2-プロピルヘプチルアミン(1mol等量;実施例1から)を、反応器内で水(バッチ全量に基づき2重量%)と混合した。次に、窒素で洗い流し、圧を1.5barに調整した後、100℃〜130℃においてエチレンオキシド(2mol等量)を計り入れた。この後続けて、80℃の減圧下で脱水した。収率を決定し、さらに前駆体生成物の特質を決定するために、OH数及びアミン数も決定する。
【0086】
第二の工程では、この前駆体生成物(1mol等量)を50%力価のKOH(バッチ全量に基づき0.2重量%)と混合し、90℃の減圧下で脱水を実行した。窒素で洗い流した後、圧を1.5barに調整し、120℃〜140℃においてアルキレンオキシド(x mol等量のエチレンオキシド若しくはプロピレンオキシド、又はプロピレンオキシド若しくはエチレンオキシドの混合物)を計り入れる。圧が一定になるまで、反応混合液をこの温度で撹拌した。
【0087】
生成物を放出して氷酢酸で9.9のpH(水に5%)に調整したか、又は、同じ温度(120〜140℃)でプロピレンオキシド(y mol等量)を計り入れる。圧が一定になるまで、反応混合液をこの温度で撹拌する。生成物を単離し、氷酢酸で9.9のpH(水に5%)に調整する。
【0088】
2-PHamine-5 EO-15 POを与える2-プロピルヘプチルアミンのアルコキシル化は、一般的な調製指示書に従って実行された。第一の工程では、2モル過剰のエチレンオキシドで反応を行い、第二の工程では、残りのエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを加えた。これにより、2-PHamine-5 EO-15 POが定量的収率で与えられた。
【0089】
HからQ) 2-PHamine-プロポキシレート-エトキシレートの調製
一般調製指示書: 2-プロピルヘプチルアミン(1mol等量)を、反応器内で水(バッチ全量に基づき2重量%)と混合した。次に、窒素で洗い流し、圧を1.5barに調整した後、100℃〜130℃においてプロピレンオキシド(2mol等量)を計り入れた。この後続けて、80℃の減圧下で脱水した。収率を決定し、さらに前駆体生成物の特質を決定するために、OH数及びアミン数も決定した。
【0090】
第二の工程では、この前駆体生成物(1mol等量)を50%力価のKOH(バッチ全量に基づき0.2重量%)と混合し、90℃の減圧下で脱水を実行した。窒素で洗い流した後、圧を1.5barに調整し、120℃〜140℃においてアルキレンオキシド(x mol等量のエチレンオキシド若しくはプロピレンオキシド、又はプロピレンオキシド若しくはエチレンオキシドの混合物)を計り入れる。圧が一定になるまで、反応混合液をこの温度で撹拌する。
【0091】
生成物を放出して氷酢酸で9.9のpH(水に5%)に調整したか、又は、同じ温度(120〜140℃)でプロピレンオキシド(y mol等量)を計り入れた。圧が一定になるまで、反応混合液をこの温度で撹拌した。生成物を単離し、氷酢酸で9.9のpH(水に5%)に調整した。
【0092】
これらの指示書に従って、各々定量的収率で、以下のアルコキシレートを調製した:
I) 2-PHamine-2 PO-5 EO
J) 2-PHamine-2 PO-10 EO
K) 2-PHamine-2 PO-15 EO
L) 2-PHamine-4 PO-5 EO
M) 2-PHamine-4 PO-10 EO
N) 2-PHamine-4 PO-15 EO
O) 2-PHamine-6 PO-5 EO
P) 2-PHamine-6 PO-10 EO
Q) 2-PHamine-6 PO-15 EO
【実施例3】
【0093】
ブラキアレア・ムルチカ(Brachiarea multica)に対するグリホセートSL製剤
実地試験で、いずれの場合も6平方メートルの七つの実験区域に対して、いずれの場合も2反復(すなわちいずれの場合も3m2の二つのプロット)で、雑草ブラキアレア・ムルチカに対する処理を行った。この目的のために、人力噴霧器を用いていずれの場合にも1.0lの噴霧溶液(表1を参照)を各プロットに噴霧した。1.0lの噴霧溶液は、溶解したグリホセートイソプロピル-アンモニウム塩の水溶液剤7.5mlを含んだ。この製剤を調製するために、実施例2の100mlのアミンアルコキシレートを、46%力価のグリホセートイソプロピルアンモニウム塩溶液で事前に1.0lにした。散布の2、5及び7日後に、雑草の破壊を視覚的に百分率で推定した。散布から評価の間の日に、雨が繰り返し降った。
【0094】
比較のために、上記のグリホセート製剤を、アミンアルコキシレートなしで調製し、41.5重量%のグリホセートイソプロピルアンモニウム塩及び1アミン基につき約15molのエチレンオキシドを有する15.5重量%のエトキシル化獣脂脂肪族アミン(「獣脂脂肪族アミン-15 EO」)を含んだ市販のグリホセート製剤(Roundup(登録商標)、Monsanto)をさらに用いた。
【表1】

【0095】
表1のデータは、本発明による2-プロピルヘプチルアミンエトキシレート(「2-PHamine-7 EO」)が、グリホセートの活性を強化及び促進することを実証した。さらに、製剤は耐雨性であった。5から+55℃の温度で、製剤は少なくとも2週間の保存に安定であった。
【0096】
20℃でのグリホセート溶液への2-PHamine-7 EOの添加の結果、獣脂脂肪族アミン-15 EOが加えられたときに通常起こっていたゲル化が、都合よく観察されなかった。
【実施例4】
【0097】
水毒性
- 2-PHamine-7 EO(実施例2から):EC50 ダフニア・マグナ(Daphnia magna)で60mg/l(48h)、OECDガイドライン202パート1に準じて決定された。
【0098】
- 2-PHamine-10 EO(実施例2から):魚毒性LC50 >100mg/l(96h)、ゼブラフィッシュ(Brachydanio rerio)、OECD 203; ISO 7346; 84/449/EEC、C.1.に準じて決定された; EC50(72h) >100mg/l、藻類、OECDガイドライン201に準じて決定された。
【0099】
- Lutensol(登録商標)FA15 T(15 EOとの獣脂脂肪族アミンエトキシレート): EC50 ダフニア・マグナで2.6mg/l(48h)、OECDガイドライン202パート1に準じて決定された;魚毒性LC50 1〜10mg/l(96h)、ロイシスカス・イドゥス(Leuciscus idus)(BASF SEからの2006年3月8日の安全性データシート)。
【0100】
- Lutensol(登録商標)FA 12(12 EOとのオレイルアミンエトキシレート):EC50 ダフニア・マグナで0.1〜1mg/l(48h)、魚毒性LC50 1〜10mg/l(96h)、ロイシスカス・イドゥス(BASF SEからの2006年8月18日の安全性データシート)。
【実施例5】
【0101】
アブラナでのグリホセートSL製剤
温室試験の場合、冬アブラナ(栽培種Remy)を、ローム砂土に1〜2cmの深さで播種するか鉢植えにした。植物が10〜25cmの高さに成長したとき(すなわち、播種から約10〜21日後)、噴霧混合液を噴霧キャビン中の植物に散布した。
【0102】
水溶液のグリホセートイソプロピルアンモニウム及び実施例2からのアミンアルコキシレートを含む濃厚製剤を脱イオン水で希釈し、375l/ヘクタール(140g/haのグリホセート及び300g/haのアミンアルコキシレート)の散布水量で散布した。3〜4週間の実験期間中の温度は、18〜35℃の間にあった。この期間中、実験植物は最適な灌水を受け、栄養素は灌水のために用いた水を通して供給された。
【0103】
未処理の対照植物との比較で処理植物に評価を与えることによって、除草活性を評価した(表2)。評価スケールは、0%から100%の活性である。100%の活性は、少なくとも植物地上部の完全な死滅を意味する。反対に、0%の活性は、処理済み植物及び未処理の植物の間に差がなかったことを意味する。表2の結果は、アミンアルコキシレートの添加の結果としての活性物質の活性増加を実証する。
【表2】

【実施例6】
【0104】
コムギ、ダイズ又はトウモロコシでのグリホセートSL製剤
冬コムギ(栽培種Cubus)、ダイズ(栽培種Oxford)及びトウモロコシ(栽培種Amadeo)で、実験を実施例5の場合のように実行した。散布量は、280g/haのグリホセート及び300g/haのアミンアルコキシレートであった。表3の結果は、アミンアルコキシレートの添加の結果としての活性物質の活性増加を実証する。
【表3】

【実施例7】
【0105】
アブラナでのグリホセートSL製剤
冬アブラナ(栽培種Remy)で、実験を実施例5の場合のように実行した。散布量は140g/haのグリホセート及び300g/haのアミンアルコキシレートであった。表4の結果は、アミンアルコキシレートの添加の結果としての活性物質の活性増加を実証する。
【表4】

【実施例8】
【0106】
アンブロシア及びケノポジウムでのイマザモックスSL製剤
ブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)(AMBEL)及びアカザ(Chenopodium album)(CHEAL)で実施例5の場合のように実験を実行し、14日後に記録した。120g/lのイマザモックスアンモニウム塩及び1.2-プロピレングリコールを含む水性SL製剤から開始して、噴霧混合液を調製した。散布量は、10g/haのイマザモックス及び400g/haのアミンアルコキシレートであった。結果を表5に要約する。比較のために、12個のエチレンオキシド単位を有する獣脂脂肪族アミンエトキシレートを用いた(液体、約100%の含有量、モル質量約730g/mol(OH数から計算された)、BASF SEからLutensol(登録商標)FA12Kとして市販されている)。
【表5】

【実施例9】
【0107】
コムギにおける成長調節のためのイマザキン、塩化クロルメコート及び塩化コリンSL製剤
コムギで、実験を実施例5の場合のように実行した。茎の高さを、散布から7、14及び21日後に測定した。噴霧混合液は、0.8g/lのイマザキン、368g/lの塩化クロルメコート、28g/lの塩化コリン及び80g/lの実施例2Cからのアミンアルコキシレート(2-PHamine-10 EO)を含む水性SL製剤から開始して調製した。散布量は、1500g/ha、1000g/ha又は500g/haの塩化クロルメコートであった。結果を表6に要約する。
【表6】

【実施例10】
【0108】
耐雨性
四個のトウモロコシ植物及び四個の冬コムギ植物を、280g/haのグリホセートイソプロピルアンモニウム塩及び300g/haのアミンアルコキシレートで各々処理した。この処理から1.5又は3時間の後、3.33barの圧及び2.8m/sの速度で、100lの水を植物に20分間潅漑した。次に植物を温室の中に置き、実施例5の場合のように14日後及び21日後に評価した。比較のために、Genamine(登録商標)T 150を用いた(15 EO単位を有するC16/18-アミンエトキシレート、Clariantから市販されている)。
【0109】
表7は、潅漑がグリホセートを植物からより弱く引き離し、その結果として潅漑の後でさえ活性が高いままであることを示す。
【表7】

【実施例11】
【0110】
顆粒水溶剤SG
グリホセートモノアンモニウム塩(80.75g)を、コーヒーグラインダー中で亜硫酸ナトリウム(0.5g)と完全に混合した。その後18.7gの2-PHamine-15 EO(実施例2から)及び4gの水の溶液で混合物をペーストにし、押し出した(ベンチトップ、0.8mm多孔板)。極めて均一な顆粒サイズ(平均長約1mm)を与えるために、押出物をその後乾燥させ、微粉砕した。このようにして得られたグリホセート顆粒水溶剤(SG)は、物理的及び化学的に安定していた。水にそれらを溶解することによって、これらの顆粒剤から簡易な方法で高品質及び高安定性の噴霧混合液(例えば、2%の力価)を調製することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺有害生物剤及びアルコキシレートを含む組成物であって、前記アルコキシレートはアミンアルコキシレート(A)
【化1】

又はアミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)
【化2】

[式中、
R1、R2及びR5は、互いに独立にエチレン、プロピレン、ブチレン、又はこれらの混合物であり、
R3は、H、-OH、-OR4、-[R5-O]p-R6、C1〜C6-アルキル、又は酸素アニオンであり、
R4は、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、又はC2〜C6-アルキニルであり、
R6は、H、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、-SO3Ra、-P(O)ORbORc、-CH2CO2Rd、又は-C(O)Reであり、
Ra及びRdは、互いに独立にH、無機又は有機のカチオンであり、
Rb及びRcは、互いに独立にH、無機若しくは有機のカチオン、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、又はC2〜C6-アルキニルであり、
Reは、C1〜C22-アルキル、C2〜C22-アルケニル、C2〜C22-アルキニル、C6〜C22-アリール、又はC7〜C22-アルキルアリールであり、
n、m及びpは、互いに独立に1から30の値を有し、
A-は農業上許容されるアニオンであるか、又はR3が酸素アニオンである場合は、A-は存在しない]
である、組成物。
【請求項2】
R1、R2及びR5が、互いに独立にエチレン、エチレン及びプロピレン、エチレン及びブチレン、又はエチレン、プロピレン及びブチレンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
A-がハロゲン化物イオン、リン酸イオン、硫酸イオン、又はアニオン性殺有害生物剤である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
R3がHである、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
アミンアルコキシレート(A)では、n及びmの合計は2から40であり、その四級化誘導体(AQ)では、n、m及びpの合計は3から80である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
アルコキシレートがアミンアルコキシレート(A)である、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
殺有害生物剤が少なくとも一つのH酸性基を有する殺有害生物剤を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
殺有害生物剤がグリホセート又はグルホシネート、及びさらに別の殺有害生物剤を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載のアミンアルコキシレート(A)、又はアミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)。
【請求項10】
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物による2-プロピルヘプチルアミンのアルコキシル化を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のアミンアルコキシレート(A)、又はアミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)の調製方法。
【請求項11】
植物病原性菌類及び/又は望ましくない植物及び/又は望ましくない昆虫若しくはダニの攻撃を防除する、並びに/或いは植物の成長を調節する方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を、それぞれの有害生物、それらの環境、又はそれぞれの有害生物から保護されるべき植物に、土壌及び/又は望ましくない植物及び/又は作物植物及び/又はそれらの環境に作用させる方法。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を含む種子。
【請求項13】
請求項1〜5のいずれかに記載のアミンアルコキシレート(A)、又はアミンアルコキシレート(A)の四級化誘導体(AQ)の、殺有害生物剤含有噴霧混合液中のアジュバントとしての使用。
【請求項14】
アジュバントが活性強化アジュバントである、請求項13に記載の使用。

【公表番号】特表2013−517249(P2013−517249A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548431(P2012−548431)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050369
【国際公開番号】WO2011/086115
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】