説明

殺真菌性混合物およびその使用

本発明は、成分(A)および成分(B)を含む農薬混合物、組成物およびそれらの使用に関し、成分(A)および(B)は、(A)カルボン酸アミド殺真菌剤、および(B)ベンズアミド殺真菌剤である。ただし、前記混合物は、1).フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびクロチアニジン、または2).フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびイミダクロプリド、または3).フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびチアメトキサムを含まない。本発明は、成分(A)がメタラキシル−Mであり、成分(B)がベンズアミド殺真菌剤である混合物、組成物およびその使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(殺真菌性混合物)
本発明は、植物病原性(phytopathogenic)の病気から作物植物を保護するための混合物および組成物、植物病原性の病気に感染した作物植物を処理するための混合物および組成物、ならびに、植物病原性の病気から作物植物を保護する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4から、マンジプロパミドなどの特定のカルボン酸アミド誘導体と他の殺真菌剤との殺真菌性混合物が知られている。マンジプロパミドは、式(I):
【0003】
【化1】

に示されている化学構造を有する。
【0004】
フルオピコリドは、特許文献5に開示されているピリジルメチルベンズアミド誘導体であり、殺真菌活性を有することが知られている。特許文献6は、フルオピコリドと殺虫剤との混合物を開示している。フルオピコリドは、式(II):
【0005】
【化2】

に示されている化学構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第610764号明細書
【特許文献2】国際公開第01/44215号
【特許文献3】国際公開第01/87822号
【特許文献4】国際公開第2004/049804号
【特許文献5】国際公開第99/42447号
【特許文献6】国際公開第2008/077924号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
栽培植物のさまざまな作物における適用のための植物殺真菌剤として、種々の化学的な分類のさまざまな殺真菌化合物が広く知られている。しかし、より広い範囲の活性を示し、殺真菌剤抵抗性に対処し、より低い比率で適用することができ、それによって環境中に放出される農薬の量を最小限にする新しい殺真菌剤が絶えず求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、植物病原性真菌によって引き起こされる病気の制御のための新規な混合物および組成物を提供することによって、これらの求めに対処しようとするものである。広い局面においては、本発明は、カルボン酸アミド殺真菌剤およびベンズアミド殺真菌剤、特にマンジプロパミドおよびフルオピコリドを含む混合物および組成物、ならびにメタラキシル−Mおよびベンズアミド殺真菌剤、特にメタラキシル−Mおよびフルオピコリドを含む混合物および組成物を提供する。
【0009】
本発明の第1の局面においては、成分(A)および成分(B)を含む農薬混合物が提供される。成分(A)および(B)は、
(A)カルボン酸アミド殺真菌剤、および
(B)ベンズアミド殺真菌剤
である。ただし、組成物は、
1.フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびクロチアニジン、または
2.フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびイミダクロプリド、または
3.フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびチアメトキサム
を含まない。
【0010】
本発明のさらなる局面においては、
(A)カルボン酸アミド殺真菌剤、および
(B)ベンズアミド殺真菌剤
を含む、植物病原体によって引き起こされる真菌病を制御するための組成物が提供される。ただし、組成物は、
1.フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびクロチアニジン、または
2.フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびイミダクロプリド、または
3.フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびチアメトキサム
を含まない。
【0011】
一実施態様において、本発明の混合物および組成物は、殺虫剤を含まないことがある。
【0012】
成分(A)は、
式III:
【0013】
【化3】

(式中、Halは、フルオロ、クロロまたはブロモである)
のN−アルコキシカルボニル−アルファ−アミノ酸アミド誘導体またはその光学異性体、
式IV:
【0014】
【化4】

(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルまたはハロフェニルであり、Rは、C〜Cアルキルである)
のN−アルキルスルホニル−アルファ−アミノ酸アミド誘導体またはその光学異性体、
式V:
【0015】
【化5】

(式中、Halは、フルオロ、クロロまたはブロモであり、Rは、水素、C〜Cアルキルまたはハロフェニルであり、Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルまたはハロフェニルである)
のアルファ−アルキニルオキシフェニル酢酸アミド誘導体またはその光学異性体、
ジメトモルフ、
フルモルフ、
ベンチアバリカルブ、
イプロバリカルブ、および
バリフェナレート
からなる群より選択され得る。
【0016】
成分(A)は、
Halはフルオロまたはクロロである、式IIIの化合物、
は水素、フルオロフェニルまたはクロロフェニルであり、Rはメチルまたはエチルである、式IVの化合物、
Halはクロロまたはブロモであり、Rは水素またはメチルであり、Rは水素またはメチルである、式Vの化合物、
ジメトモルフ、
フルモルフ、
ベンチアバリカルブ、
イプロバリカルブ、および
バリフェナレート
からなる群より選択され得る。
【0017】
成分(A)は、
【0018】
【化6】

【0019】
【化7】

ジメトモルフ、
フルモルフ、
ベンチアバリカルブ、
イプロバリカルブ、および
バリフェナレート
からなる群より選択され得る。
【0020】
成分(A)は、
マンジプロパミド、
ジメトモルフ、
フルモルフ、
ベンチアバリカルブ、
イプロバリカルブ、および
バリフェナレート
からなる群より選択され得る。
【0021】
成分(B)は、式(IX):
【0022】
【化8】

(式中、
11は、水素原子、C〜Cアルキル基またはC〜Cアシル基であってよく、
12は、水素原子またはC〜Cアルキル基であってよく、
13およびR14は、独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、−SF、トリアルキルシリル基、アミノ基、C〜Cアシル基、フェニル、または基E、OEまたはSEであってよく、ここで、Eは、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニルであってよく、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはフェニルは、任意選択として、ハロゲンによって置換されていてよく、
pは、0、1、2、3または4を表し、
qは、0、1、2、3または4を表す)
の化合物、および
ゾキサミド
からなる群より選択され得る。
【0023】
成分Bは、式(X):
【0024】
【化9】

(式中、Halは、フルオロ、クロロまたはブロモであり、R15は、CHF、CFまたはCFである)
の化合物、および
ゾキサミド
からなる群より選択され得る。
【0025】
本発明の混合物および組成物は、成分(A)が
マンジプロパミド、
ジメトモルフ、
フルモルフ、
ベンチアバリカルブ、
イプロバリカルブ、および
バリフェナレート
からなる群より選択され、成分(B)がフルオピコリドである成分(A)および(B)を含み得る。
【0026】
本発明の混合物および組成物は、成分(A)がマンジプロパミドであり、成分(B)がフルオピコリドである成分(A)および(B)を含み得る。
【0027】
さらなる局面においては、本発明は、活性成分として、
(A)マンジプロパミド、
(B)フルオピコリド、および任意選択として
(C)殺真菌剤、殺虫剤、殺菌剤および植物生長調節剤(bioregulator)からなる群より選択される活性成分であって、殺虫剤は、チアメトキサム、イミダクロプリドまたはクロチアニジンではない、活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
を含む組成物を提供する。
【0028】
さらなる局面において、本発明は、活性成分として、
(A)マンジプロパミド、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)マンコゼブ、クロロタロニル、メタラキシル−M、メタラキシル、アメトクトラジン、アゾキシストロビン、イソピラザム、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、シプロコナゾール、セダキサン、シプロジニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、ボスカリド、ビクサフェン、フルオピラム、ペンチオピラド、チアベンダゾール、フルアジナム、フェンプロピジン、シフルフェナミド、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、フルキサピロキサド、ペンフルフェン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、フルスルファミドおよび式C−5.1の化合物から選択される殺真菌剤、
テフルトリン、ピメトロジン、ラムダシハロトリンおよびフィプロニルから選択される殺虫剤、
酸化銅および酸化銀から選択される殺菌剤、および
アシベンゾラル−S−メチル
からなる群より選択される活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
を含む組成物を提供する。
【0029】
さらなる局面において、本発明は、
(A)マンジプロパミド、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)殺真菌剤、殺虫剤、殺菌剤および植物生長調節剤からなる群より選択される活性成分であって、殺虫剤は、チアメトキサム、イミダクロプリドまたはクロチアニジンではない、活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
からなる組成物を提供する。
【0030】
さらなる局面において、本発明は、
(A)マンジプロパミド、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)マンコゼブ、クロロタロニル、メタラキシル−M、メタラキシル、アメトクトラジン、アゾキシストロビン、イソピラザム、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、シプロコナゾール、セダキサン、シプロジニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、ボスカリド、ビクサフェン、フルオピラム、ペンチオピラド、チアベンダゾール、フルアジナム、フェンプロピジン、シフルフェナミド、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、フルキサピロキサド、ペンフルフェン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、フルスルファミドおよび式C−5.1の化合物から選択される殺真菌剤、
テフルトリン、ピメトロジン、ラムダシハロトリンおよびフィプロニルから選択される殺虫剤、
酸化銅および酸化銀から選択される殺菌剤、および
アシベンゾラル−S−メチル
からなる群より選択される活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
からなる組成物を提供する。組成物は、活性成分として、マンジプロパミドおよびフルオピコリド、ならびに慣用的処方物成分を含み得る。組成物は、マンジプロパミドおよびメタラキシル−M、ならびに慣用的処方物成分からなり得る。
【0031】
本発明は、成分(A)および(B)が
(A)メタラキシル−M、
(B)ベンズアミド殺真菌剤
である、成分(A)および成分(B)を含む農薬混合物も提供する。ただし、混合物は、
1.フルオピコリドおよびメタラキシル−Mおよびクロチアニジン、または
2.フルオピコリドおよびメタラキシル−Mおよびイミダクロプリド、または
3.フルオピコリドおよびメタラキシル−Mおよびチアメトキサム
を含まない。
【0032】
さらなる局面において、本発明は、
(A)メタラキシル−M、および
(B)ベンズアミド殺真菌剤
を含む、植物病原体によって引き起こされる真菌病を制御するための組成物を提供する。ただし、組成物は、
1.フルオピコリドおよびメタラキシル−Mおよびクロチアニジン、または
2.フルオピコリドおよびメタラキシル−Mおよびイミダクロプリド、または
3.フルオピコリドおよびメタラキシル−Mおよびチアメトキサム
を含まない。
【0033】
成分(B)は、上記に記載されているベンズアミド殺真菌剤であり得るが、好ましくはフルオピコリドである。
【0034】
メタラキシル−Mは、立体異性体であり、式:
【0035】
【化10】

を有する。メタラキシルは、メタラキシル−Mと他の立体異性体とのラセミ混合物である。従って、メタラキシル−Mは、メタラキシルと同じではない。これは、例えば、本発明の混合物および組成物は実質的にメタラキシル−Mの他の立体異性体を含まないことを意味し、例えば、本発明の混合物または組成物はメタラキシル−Mの他の立体異性体を含まない。
【0036】
さらなる局面において、本発明は、活性成分として
(A)メタラキシル−M、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)殺真菌剤、殺虫剤、殺菌剤および植物生長調節剤からなる群より選択される活性成分であって、殺虫剤は、チアメトキサム、クロチアニジンまたはイミダクロプリドではない、活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
を含む組成物を提供する。
【0037】
さらなる局面において、本発明は、活性成分として
(A)メタラキシル−M、
(B)フルオピコリド、および任意選択として
(C)マンコゼブ、クロロタロニル、マンジプロパミド、アメトクトラジン、アゾキシストロビン、イソピラザム、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、シプロコナゾール、セダキサン、シプロジニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、ボスカリド、ビクサフェン、フルオピラム、ペンチオピラド、チアベンダゾール、フルアジナム、フェンプロピジン、シフルフェナミド、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、フルキサピロキサド、ペンフルフェン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、フルスルファミドおよび式C−5.1の化合物から選択される殺真菌剤、
テフルトリン、ピメトロジン、ラムダシハロトリンおよびフィプロニルから選択される殺虫剤、
酸化銅および酸化銀から選択される殺菌剤、および
アシベンゾラル−S−メチル
からなる群より選択される活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
を含む組成物を提供する。
【0038】
さらなる局面において、本発明は、
(A)メタラキシル−M、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)殺真菌剤、殺虫剤、殺菌剤および植物生長調節剤からなる群より選択される活性成分であって、殺虫剤は、チアメトキサム、クロチアニジンまたはイミダクロプリドではない、活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
からなる組成物を提供する。
【0039】
さらなる局面において、本発明は、
(A)メタラキシル−M、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)マンコゼブ、クロロタロニル、マンジプロパミド、アメトクトラジン、アゾキシストロビン、イソピラザム、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、シプロコナゾール、セダキサン、シプロジニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、ボスカリド、ビクサフェン、フルオピラム、ペンチオピラド、チアベンダゾール、フルアジナム、フェンプロピジン、シフルフェナミド、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、フルキサピロキサド、ペンフルフェン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、フルスルファミドおよび式C−5.1の化合物から選択される殺真菌剤、
テフルトリン、ピメトロジン、ラムダシハロトリンおよびフィプロニルから選択される殺虫剤、
酸化銅および酸化銀から選択される殺菌剤、および
アシベンゾラル−S−メチル
からなる群より選択される活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
からなる組成物を提供する。
【0040】
組成物は、活性成分としてメタラキシル−Mおよびフルオピコリド、ならびに慣用的処方物成分を含み得る。組成物は、メタラキシル−M、フルオピコリドおよび慣用的処方物成分からなり得る。
【0041】
メタラキシル−Mおよびフルオピコリドを含む組み合わせは、種子処理適用に特に適している。従って、本発明は、植物病原体、例えば、腐敗カビおよび/またはさまざまな卵菌病原体によって引き起こされる繁殖材料の病気を制御する方法であって、本発明の混合物または組成物を植物繁殖材料に適用することを含む方法を提供する。コーン、ダイズ、コムギ、オオムギ、ワタおよびカノーラの種子が特に重要である。
【0042】
混合物および組成物は、成分(A)と(B)との組み合わせ、例えば、成分と、農業上許容されるキャリア、および任意選択として界面活性剤との殺真菌に有効な組み合わせを含み得る。
【0043】
本発明のさらなる局面においては、植物病原体によって引き起こされる有用植物またはその繁殖材料の病気を制御する方法が提供される。この方法は、有用植物、その場所またはその繁殖材料に本発明による混合物または組成物を適用することを含む。有用植物またはその場所に、より好ましくは有用植物に、本発明による混合物または組成物を適用することを含む方法が好ましい。有用植物の繁殖材料に本発明による混合物または組成物を適用することを含む方法がさらに好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は、相乗的有効量の成分(A)および成分(B)を含む農薬混合物、
相乗的有効量の成分(A)および(B)の混合物を含む農業組成物、相乗的有効量の、植物病原性真菌と戦うための成分(A)および(B)の混合物の使用、植物病原性真菌による攻撃または侵入から作物を保護するための方法であって、作物を相乗的有効量の成分(A)および(B)の混合物と接触させることを含む方法、植物病原性真菌からの種子および/または実生根およびシュートの保護のための方法であって、播種前および/または前発芽後に種子を相乗的有効量の成分(A)および(B)の混合物と接触させることを含む方法、相乗的有効量の成分(A)および(B)の混合物を含む、例えばそれでコーティングされた種子、相乗的有効量の成分(A)および(B)の混合物で種子をコーティングすることを含む方法、有用植物またはその繁殖材料において植物病原性の、例えば真菌性の病気を制御する方法であって、相乗的有効量の成分(A)および(B)の組み合わせを有用植物、その場所またはその繁殖材料に適用することを含む方法も含む。そのような適用において、(A)および(B)の混合物は、通常、殺真菌に有効な量で適用される。適用において、成分(A)および(B)は、同時にまたは別々に適用されてよい。
【0045】
炭素原子の数に応じて、アルキルは、そのままで、または別の置換基の一部として、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびそれらの異性体、例えばイソプロピル、イソブチル、tert−ブチルまたはsec−ブチルであると理解されるべきである。用語アルケニルおよびアルキニルも同様に理解されるべきである。
【0046】
炭素原子の数に応じて、シクロアルキルは、そのままで、または別の置換基の一部として、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであると理解されるべきである。
【0047】
ハロフェニル基は、1つ以上の(同じかまたは異なる)ハロゲン原子を含んでよく、例えばフルオロフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニルまたはヨードフェニルを表してよく、任意選択として、好ましくは1つまたは2つのフルオロ、クロロまたはブロモラジカルでさらに置換されている。例は、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、2−ブロモ−4−フルオロフェニル、3−ブロモ−4−フルオロフェニル、4−ブロモ−2−フルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジクロロ−4−フルオロフェニル、2,5−クロロフェニル、3,5−クロロフェニル、3,4,5−トリクロロフェニル、2−ブロモ−4,5−ジクロロフェニル、5−ブロモ−2,4−ジクロロフェニルおよび4−ブロモ−2,6−ジクロロフェニルを含む。
【0048】
化合物中の少なくとも1つの不斉炭素原子(によって示される)の存在は、化合物が光学的異性体の形およびエナンチオマーの形で生じることがあることを意味する。さらに、脂肪族炭素−炭素単結合の周りの自由回転に立体障害の可能性がある結果、幾何異性体も生じることがある。曖昧さを避けるために、本発明は、本発明の組成物に含まれ得るすべての化合物のすべての可能なエナンチオマー形および幾何異性体に及ぶ。本明細書におけるいずれかの特定の化合物への参照は、可能な場合には互変異性形および塩を指す。
【0049】
式III、IVおよびVの化合物の好ましいサブグループは、
Halは、フルオロ、クロロもしくはブロモであるか、または
Halは、フルオロもしくはクロロであるか、または、
Halは、クロロであり、
は、水素もしくはハロフェニルであるか、または
は、水素、フルオロフェニルもしくはクロロフェニルであるか、または
は、クロロフェニルであり、
は、C〜Cアルキルであるか、または
は、メチルもしくはエチルであるか、または
は、メチルであり、
は、水素もしくはC〜Cアルキルであるか、または
は、水素もしくはメチルであるか、または
は、水素であり、
は、水素もしくはC〜Cアルキルであるか、または
は、水素もしくはメチルであるか、または
は、水素である
ものである。
【0050】
例えば、Halは、フルオロ、クロロまたはブロモであり、Rは、水素またはハロフェニルであり、Rは、C〜Cアルキルであり、Rは、水素またはC〜Cアルキルであり、Rは、水素またはC〜Cアルキルであるか、あるいは、Rは、水素、フルオロフェニルまたはクロロフェニルであり、Rは、メチルまたはエチルであり、Halは、クロロまたはブロモであり、Rは、水素またはメチルであり、Rは、水素またはメチルであるか、あるいはRは、クロロフェニルであり、Rは、メチルまたはエチルであり、RおよびRは、水素である。
【0051】
式(IX)の化合物の好ましいサブグループは、
11は、水素原子もしくはC〜Cアルキル基であるか、または、
11は、水素原子もしくはメチル基であるか、または
11は、水素原子であり、
12は、水素原子もしくはメチル基であるか、または
12は、水素原子であり、
各R13は、独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキル基もしくはハロアルキル基であるか、または
各R13は、独立に、ハロゲン原子もしくはハロアルキル基であるか、または
各R13は、独立に、ハロゲン原子もしくはトリハロメチル基であり、
各R14は、独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキル基もしくはハロアルキル基であるか、または
各R14は、独立に、ハロゲン原子もしくはハロアルキル基であるか、または
各R14は、独立に、ハロゲン原子もしくはトリハロメチル基であり、
pは、0、1もしくは2であるか、または
pは、2であり、
qは、0、1もしくは2であるか、または
qは、2である
ものである。
【0052】
例えば、R11は、水素原子またはC〜Cアルキル基であり、R12は、水素原子またはメチル基であり、各R13は、独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキル基またはハロアルキル基であり、各R14は、独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキル基またはハロアルキル基であり、pは、0、1または2であり、qは、0、1または2であるか、あるいは、
11は、水素原子またはメチル基であり、R12は、水素原子であり、各R13は、独立に、ハロゲン原子またはハロアルキル基であり、各R14は、独立に、ハロゲン原子またはハロアルキル基であり、pは、2であり、qは、2であるか、あるいは、
11は、水素原子であり、R12は、水素原子であり、各R13は、独立に、ハロゲン原子またはトリハロメチル基であり、各R14は、独立に、ハロゲン原子またはトリハロメチル基であり、pは、2であり、qは、2である。
【0053】
式IIIの化合物は、欧州特許出願公開第775696号から公知である。特定の化合物VIは、同じ文書において化合物番号4として開示されている。式IVおよびVの化合物は国際公開第99/07674号および国際公開第01/87822号から公知である。化合物VIIおよびVIIbは前者の文書において化合物1.003および1.035として、化合物IおよびVIIIは後者の文書においてE1.011およびE1.025として開示されている。
【0054】
水酸化銅などの酸化銅は、商品名Kocide(登録商標)、Parasol(登録商標)で販売されている。硝酸オキシ銀などの酸化銀は、商品名Agress(登録商標)で販売され、例えば国際公開第2007/147267号に記載されている。
【0055】
式(IX)の化合物は、国際公開第2008/077924号から公知である。フルオピコリドは、国際公開第99/42447号に開示されている。
【0056】
本発明の化合物は、市販されているか、またはそれぞれの特許文書中またはそこで引用されている文献中に発表されているものと同様な手順によって得ることが可能である。
【0057】
Fungicide Resistance Action Committee(FRAC) Code List 2009によると、ベンズアミド殺真菌剤フルオピコリドおよびゾキサミドは、どちらも有糸分裂および細胞分裂に影響を及ぼす点で同様な作用様式を有する。これらは、分類Bに分類されている。マンジプロパミド、ジメトモルフ、フルモルフ、ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブおよびバリフェナレートも、それぞれが脂質および膜合成に影響を及ぼし、特にリン脂質生合成および細胞壁堆積(deposition)に影響を及ぼすと提案されている点で同様な作用様式を有する。これらは、分類F5に分類されている。
【0058】
本明細書全体にわたって、用語「組み合わせ」は、例えば、一定の比率の2つの活性成分を含む直ぐに使える(ready−to−use)処方物などの単一「レディーミックス(ready−mix)」形、または単独の活性成分構成要素の別々の処方物から構成される組み合わされた噴霧混合物、例えば「タンクミックス」、または普通の噴霧プランまたは順次方式のスケジュール、すなわち妥当に短い期間、例えば2、3時間または2、3日で次々に適用される場合の単独活性成分の組み合わされた使用、における成分(A)と(B)とのさまざまな組み合わせを表す。別々の噴霧で順次適用されるとき、本発明による生物的な結果を達成する上で、成分(A)および(B)を適用する順序は重要でない。
【0059】
本発明による混合物および組成物は、特に以下の分類に属する植物病原性真菌、すなわちAscomycetes(例えばVenturia、Podosphaera、Erysiphe、Monilinia、Mycosphaerella、Uncinula);Basidiomycetes(例えばHemileia属、Rhizoctonia属、Phakopsora属、Puccinia属、Ustilago属、Tilletia属);Plasmodiophora;Fungi imperfecti(別名Deuteromycetes、例えばBotrytis、Helminthosporium、Rhynchosporium、Fusarium、Septoria、Cercospora、Alternaria、PyriculariaおよびPseudocercosporella);Oomycetes(例えばPhytophthora、Peronospora、Pseudoperonospora、Albugo、Bremia、Pythium、Pseudosclerospora、Plasmopara)に対して有効である。
【0060】
本発明によれば、「有用植物」は、通常、以下の植物種、すなわちブドウの木;コムギ、オオムギ、ライムギまたはオートムギなどの穀類;サトウダイコンまたは飼料用ビートなどのビート;仁果、核果または柔らかい果物などの果物、例えばリンゴ、西洋ナシ、プラム、桃、アーモンド、チェリー、イチゴ、キイチゴまたはブラックベリー;インゲンマメ、レンズマメ、エンドウマメまたはダイズなどのマメ科植物;セイヨウアブラナ、カラシ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、ヒマシ油植物、カカオ豆または落花生などの油脂植物;マロー、キュウリまたはメロンなどのキュウリ植物;ワタ、アマ、麻またはジュートなどの繊維植物;オレンジ、レモン、グレープフルーツまたはミカンなどの柑橘類;ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ポテト、ウリ類またはパプリカなどの野菜;アボカド、シナモンまたはショウノウなどのクスノキ科;トウモロコシ;タバコ;ナッツ;コーヒー;サトウキビ;茶;ツル類;ホップ;ドリアン;バナナ;天然ゴム植物;芝、あるいは花、潅木、広葉樹または常緑植物、例えば針葉樹などの観賞植物を含む。芝および花が特に重要である。この一覧はいかなる限定も意味しない。
【0061】
用語「有用植物」は、従来法の育種または遺伝子工学の結果としてブロモキシニルのような除草剤または除草剤分類(例えばHPPDインヒビター、ALSインヒビター、例えばプリミスルフロン、プロスルフロンおよびトリフロキシスルフロン、EPSPS(5−エノール−ピロビル−シキミ酸−3−リン酸−シンターゼ)インヒビター、GS(グルタミンシンテターゼ)インヒビターまたはPPO(プロトポルフィリノーゲン−オキシダーゼ)インヒビターなど)に対して耐性となった有用植物も含むと理解されるべきである。従来法の育種(変異誘導)によってイミダゾリノン、例えばイマザモックスに対して耐性となった作物の例は、Clearfield(登録商標)サマーセイヨウアブラナ(カノーラ)である。遺伝子工学法によって除草剤または除草剤分類に対して耐性となった作物の例は、商品名Genuity(登録商標)、RoundupReady(登録商標)、Herculex I(登録商標)およびLibertyLink(登録商標)で市販されているグリホサートおよびグルフォシネート耐性トウモロコシの品種を含む。
【0062】
用語「有用植物」は、組み換えDNA技法を用いて例えばトキシン産生細菌、特にBacillus属のものからが知られているような、1つ以上の選択的に作用するトキシンを合成することができるように形質転換された有用植物も含むと理解されるべきである。
【0063】
用語「有用植物」は、組み換えDNA技法を用いて例えばいわゆる「病原性関連蛋白質」(PRP、例えば欧州特許出願公開0 392 225号を参照)などの選択作用を有する抗病原性物質を合成することができるように形質転換された有用植物も含むと理解されるべきである。そのような抗病原性物質およびそのような抗病原性物質を合成することができる遺伝子導入植物の例は、例えば欧州特許出願公開第0 392 225号、国際公開第95/33818号および欧州特許出願公開第0 353 191号から公知である。そのような遺伝子導入植物を作り出す方法は、一般に当業者に知られており、例えば、上記に言及されている刊行物に記載されている。
【0064】
本明細書において用いられている用語、有用植物の「場所」は、有用植物が成長している場所、有用植物の植物繁殖材料が植え付けられる場所、または有用植物の植物繁殖材料が土壌中に配置される場所を包含するものとする。そのような場所の例は、作物植物が成長している畑である。
【0065】
用語「植物繁殖材料」は、植物の増殖のために用いることができる種子などの植物の生殖部分、および切片または塊茎、例えばポテトなどの栄養材料を示すと理解されるべきである。例えば、植物の種子(厳密な意味で)、根、果実、塊茎、球根、根茎および諸部分が言及されてよい。発芽した植物、および発芽後または土壌からの出現後に植え替えられる若い植物も言及されてよい。これらの若い植物は、浸漬による全体または部分の処理によって植え替え前に保護してよい。好ましくは、「植物繁殖材料」は、種子を示すと理解される。
【0066】
さらなる態様では、本発明は、本発明の混合物または組成物を含む種子を提供する。さらなる態様では、本発明は、本発明の混合物または組成物で種子をコーティングすることを含む方法を提供する。
【0067】
本発明の混合物および組成物は、真菌の攻撃に対して貯蔵商品を保護する分野でも用いてよい。本発明によれば、用語「貯蔵商品」は、天然のライフサイクルから取り出され、長期保護が望ましい植物および/または動物起源の天然物質およびそれらの加工形を示すと理解される。植物またはその一部、例えば茎、葉、塊茎、種子、果実または穀粒などの植物起源の貯蔵商品は、収穫された直後の状態で、または予備乾燥、加湿、粉砕、磨砕、圧縮または焙煎などの加工された形で保護することができる。建築木材、送電塔およびバリアなどの粗製木材の形であろうと、家具または材木から作られた物体などの仕上げられた物品の形であろうと、木材も貯蔵商品の定義に属する。動物起源の貯蔵商品は、ハイド、レザー、ファー、ヘアーおよび類似物である。本発明による組成物は、腐敗、変色またはカビなどの不利な影響を防ぐことができる。好ましくは、「貯蔵商品」は、植物起源の天然物質および/またはそれらの加工形、より好ましくは仁果、核果、柔らかい果物および柑橘類、ならびにそれらの加工形などの果実およびそれらの加工形を示すと理解される。本発明の別の好ましい実施態様においては、「貯蔵商品」は、材木を示すと理解される。
【0068】
従って、本発明のさらなる局面は、貯蔵商品に本発明による混合物または組成物を適用することを含む、貯蔵商品を保護する方法である。
【0069】
本発明の組成物は、真菌の攻撃に対して工業技術材料を保護する分野において用いてよい。本発明によると、用語「工業技術材料」は、紙;カーペット;建造物;冷却および加熱システム;壁板;換気および空調システムおよび類似物を含み、好ましくは、「工業技術材料」は、壁板を示すと理解される。本発明による組成物は、腐敗、変色またはカビなどの不利な影響を防ぐことができる。
【0070】
本発明による混合物および組成物は、ウドンコ病;サビ病;斑点病種;夏疫病およびカビ;特に穀類におけるSeptoria、Puccinia、Erysiphe、PyrenophoraおよびTapesia;ダイズにおけるPhakopsora;コーヒーにおけるHemileia;バラにおけるPhragmidium;ポテト、トマトおよびウリ類におけるAlternaria;芝、野菜、ヒマワリおよびアブラナにおけるSclerotinia;ツルにおける黒斑病、レッドファイア(red fire)、ウドンコ病、灰色カビおよびつる割(dead arm)病;果物におけるBotrytis cinerea;果物におけるMonilinia種および果物におけるPenicillium種に対して特に有効である。
【0071】
さらに、本発明による混合物および組成物は、Alternaria種、Ascochyta種、Botrytis cinerea、Cercospora種、Claviceps purpurea、Cochliobolus sativus、Colletotrichum種、Epicoccum種、Fusarium graminearum、Fusarium moniliforme、Fusarium oxysporum、Fusarium proliferatum、Fusarium solani、Fusarium subglutinans、Gaumannomyces graminis、Helminthosporium種、Microdochium nivale、Phoma種、Pyrenophora graminea、Pyricularia oryzae、Rhizoctonia solani、Rhizoctonia cerealis、Sclerotinia種、Septoria種、Sphacelotheca reilliana、Tilletia種、Typhula incarnata、Urocystis occulta、Ustilago種またはVerticillium種などの種子伝染病および土壌伝染病に対して、特に、コムギ、オオムギ、ライムギまたはオートムギなどの穀類;トウモロコシ;米;ワタ;ダイズ;芝;サトウダイコン;アブラナ;ポテト;エンドウマメ、レンズマメまたはヒヨコマメなどのマメ類;およびヒマワリの病原体に対して特に有効である。
【0072】
さらに、本発明による混合物および組成物は、Botrytis cinerea、Colletotrichum musae、Curvularia lunata、Fusarium semitecum、Geotrichum candidum、Monilinia fructicola、Monilinia fructigena、Monilinia laxa、Mucor piriformis、Penicilium italicum、Penicilium solitum、Penicillium digitatumまたはPenicillium expansumなどの収穫後の病気に対して、特に、仁果、例えばリンゴおよび洋ナシ、核果、例えば桃およびプラム、柑橘類、メロン、パパイア、キウイ、マンゴー、ベリー、例えばイチゴ、アボカド、ザクロおよびバナナ、ならびにナッツなどの果物の病原体に対して、特に有効である。
【0073】
本発明による混合物および組成物は、以下の作物に対する以下の病気、すなわち、果物および野菜におけるAlternaria種;マメ類におけるAscochyta種;ブドウに対するBotrytis cinereaなどのイチゴ、トマト、ヒマワリ、マメ類、野菜およびブドウにおけるBotrytis cinerea;ピーナッツにおけるCercospora arachidicola;穀類におけるCochliobolus sativus;マメ類におけるColletotrichum種;穀類におけるErysiphe種;例えばコムギにおけるErysiphe graminisおよびオオムギにおけるErysiphe graminis;ウリ類におけるErysiphe cichoracearumおよびSphaerotheca fuliginea;穀類およびトウモロコシにおけるFusarium種;穀類および芝生におけるGaeumannomyces graminis;トウモロコシ、コメおよびポテトにおけるHelminthosporium種;コーヒーに対するHemileia vastatrix;コムギおよびライムギにおけるMicrodochium種;バナナにおけるMycosphaerella fijiensis;ダイズにおけるPhakopsora種、例えばダイズにおけるPhakopsora pachyrizi;穀類、広葉作物および多年生植物におけるPuccinia種;例えばコムギに対するPuccinia recondita、コムギに対するPuccinia striiformisおよびオオムギに対するPuccinia recondita;穀類におけるPseudocercosporella種、例えばコムギにおけるPseudocercosporella herpotrichoides;バラにおけるPhragmidium mucronatum;果物におけるPodosphaera種;オオムギにおけるPyrenophora種、例えばオオムギに対するPyrenophora teres;コメにおけるPyricularia oryzae;オオムギにおけるRamularia collo−cygni;ワタ、ダイズ、穀類、トウモロコシ、ポテト、コメおよび芝生におけるRhizoctonia種、例えばポテト、コメ、芝およびワタに対するRhizoctonia solani;オオムギに対するRhynchosporium secalis、ライムギに対するRhynchosporium secalis;芝生、レタス、野菜およびアブラナにおけるSclerotinia種、例えばアブラナにおけるSclerotinia sclerotiorumおよび芝に対するSclerotinia homeocarpa;穀類、ダイズおよび野菜におけるSeptoria種、例えばコムギに対するSeptoria tritici、コムギに対するSeptoria nodorumおよびダイズに対するSeptoria glycines;トウモロコシにおけるSphacelotheca reilliana;穀類におけるTilletia種;ツル類におけるUncinula necator、Guignardia bidwelliiおよびPhomopsis viticola;ライムギにおけるUrocystis occulta;インゲンマメにおけるUromyces種;穀類およびトウモロコシにおけるUstilago種;果物におけるVenturia種、例えばリンゴに対するVenturia inequalis;果物に対するMonilinia種;柑橘類およびリンゴに対するPenicillium種を制御するために特に有用である。
【0074】
例えば、本発明の混合物および組成物は、卵菌病原体、特に、
べと病(例えばPlasmopora viticola、Bremia lactucae、Peronospora parasitica、Peronospora destructor、Pseudoperonospora cubensis)、
Phytophthora胴枯れ病(Phytophthora capsici)、
葉枯れ病(Phytophthora infestans)、
青カビ病(Peronospora effusa)
を、例えば以下の作物、すなわち、Brassica野菜(例えばブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、コラード、ケール);カラシナ(例えば球および茎(head and stem)亜群−カバロ・ブロッコロ(Cavalo broccolo)、中国ブロッコリー、白菜、中国カラシキャベツおよびコールラビ)(葉野菜亜群−ブロッコリーラーブ、白菜、ミズナ、カラシホウレンソウ、セイヨウアブラナ野菜);鱗茎菜(例えば乾球(ニンニク、球タマネギ、エシャロット));ネギ(例えばセイヨウニラネギ、ネギ、長ネギ(welch onion));ウリ科野菜(例えばカンタロープ、ハヤトウリ、冬瓜、キュウリ、ウリ、ハニーデュー、Momordica種(苦瓜およびツルレイシ)、マスクメロン、カボチャ、スカッシュ、スイカ、ズッキーニ);ブドウ;葉野菜(例えばアマランス、キバナスズシロ、カルドン、セロリ(中国)、セルタス、チャービル、キク(食用−葉付きおよび花環)、コーンサラダクレス(庭および高地)、タンポポ、ドック、エンダイブ、フェンネル(フローレンス)、オラック、パセリ、スベリヒユ(庭および冬)、ラディッキオ(赤チコリ)、ダイオウ、レタス(葉および球)、ホウレンソウ(ニュージーランドおよびツル)、フダンソウ);カラシ(ピーマン、トウガラシ、甘トウガラシ)に対して制御するために有用である。
【0075】
本発明の混合物および組成物は、ポテトに対する真菌病、例えば葉枯れ病(Phytophthora infestans)、紅腐れ病(Phytophthora erythoseptica)の制御のために特に有用である。特に、マンジプロパミドおよびフルオピコリドと、クロロタロニル、マンコゼブ、およびメフェノキサム、またはPhytophthoraに対して活性を有する他の標識生成物の1つ以上との混合物は、例えば病原抵抗性の発生を制御するためにポテトに用いるのに有利である。
【0076】
本発明の混合物および組成物は、野菜に対する真菌病、例えばべと病(例えばPeronospora parasitica、Peronospora destructor、Pseudoperonospora cubensis、Bremia lactucae等)、Pythium種、Phytophthora種(例えばPhytophthora capsici、Phytophthora infestans等)、アオカビ(Peronospora effusa)の制御のために特に有用である。特にマンジプロパミドおよびフルオピコリドと、クロロタロニル、マンコゼブ、およびメフェノキサム、またはPhytophthoraに対して活性を有する他の標識生成物の1つ以上との混合物は、例えば病原抵抗性の発生を制御するために野菜に用いるのに有利である。
【0077】
適当な野菜は、以下を含む。
Brassica野菜:ブロッコリー;中国ブロッコリー(ガイロン);芽キャベツ;キャベツ;白菜(ナッパ);チンゲンサイ(ガイチョイ);カリフラワー;カバロブロッコリー;コールラビ;ブロッコリーラブ;白菜;コラード;ケール;ミズナ;カラシナ;カラシホウレンソウ;ナタネ野菜。鱗茎菜:タマネギ、鱗茎、ニンニク、エシャロット。ネギ:ネギ;ニラネギ;長ネギ(welch onion)。ウリ類:カンタロープ;ハヤトウリ;冬瓜;畑キュウリ;ヒョウタン;ハニーデューメロン;Momordica種(苦瓜、ツルレイシ);マスクメロン;スイカ;カボチャ;スカッシュ;ズッキーニ。カラシ:畑カラシ移植物;温室内で処理され、直ちに畑に移植されたカラシに対して用いるため。ピーマン、トウガラシ、甘トウガラシ。トマト:畑トマト、トマティロ、温室トマト(例えば温室内でだけ用いるため−畑への移植用ではない)。葉野菜:畑レタス、葉および球レタス。ホウレンソウ。温室レタス(例えば温室内でだけ用いるため−畑への移植用ではない)。
【0078】
本発明の混合物および組成物は、ブドウおよび果物に対する真菌病、例えばべと病(例えばPlasmopora viticola)の制御のために特に有用である。特に、マンジプロパミドおよびフルオピコリドと、クロロタロニル、マンコゼブおよびメフェノキサム、またはPhytophthoraに対して活性を有する他の標識生成物の1つ以上との混合物は、例えば病原抵抗性の発生を制御するためにブドウおよび果物に用いるのに有利である。
【0079】
本発明の混合物および組成物は、芝、例えばゴルフコース、芝農場、家庭および庭に対するPythium葉枯れ病、Pythium立ち枯れ病などの真菌病の制御のために特に有用である。芝は既成のものであってもよく追い播きされたものであってもよい。特に、マンジプロパミドおよびフルオピコリドと、任意選択として、クロロタロニル、マンコゼブおよびメフェノキサム、またはPhytophthoraに対して活性を有する他の標識生成物の1つ以上との混合物は、例えば病原抵抗性の発生を制御するために芝に用いるのに有利である。同様に、メタラキシル−Mとフルオピコリドとの混合物も芝に用いるのに有利である。
【0080】
本発明の混合物および組成物は、種子処理(「種子保護」)用に特に有用である。特に、本発明によるマンジプロパミドとフルオピコリドとの混合物は、例えば任意選択として、クロロタロニル、マンコゼブ、およびメフェノキサム、またはPhytophthoraに対する活性を有する他の標識生成物の1つ以上とともに、例えば病原抵抗性の発生を制御するために種子保護に用いるのに有利である。適当な作物種子は、本明細書に列挙されている任意の作物を含み、コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、オートムギ等、トウモロコシ、ダイズ、ソルガム、エンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、乾燥食用インゲンマメ、ワタを含む。そのような種子処理は、カノーラおよび他のBrassica作物の根瘤病、「Plasmodiophora brassicae Woronin」、Pythium立ち枯れ病の制御のためであってよい。同様に、本発明によるメタラキシル−Mとフルオピコリドとの混合物も種子保護に用いるのに有利である。
【0081】
本発明の混合物および組成物は、カノーラ;アブラナ、穀類(例えば、コムギ、オオムギ、オートムギ、ライムギ)、コーン、ダイズ、マメ科作物(例えばレンズマメ、ヒヨコマメ、畑エンドウマメ、乾燥食用インゲンマメ)、ヒマワリ、芝、バラなどの観賞植物、温室観賞植物、温室カラシ;温室レタス;温室キュウリに対しても有効である。
【0082】
一般に、成分(A)対成分(B)の重量比は、2000:1から1:2000、例えば2000:1から1:1000である。例えば、(A):(B)の重量比は、200:1から1:5、例えば20:1から2:1、例えば15:1から3:1である。
【0083】
適用される本発明の組み合わせの量は、さまざまな要因、例えば、使用される化合物、処理の対象(植物、土壌、種子)、処理の種類(例えば噴霧、散粉、種子粉衣)、処理の目的(予防または治療)、処理される真菌の種類、感染する胞子または分生子の濃度および適合性に応じて決まる感染圧力、および植物病原性真菌の成熟状態に影響を及ぼす季節条件および短期気象条件に関連した適用時期に応じて決まる。
【0084】
本発明の方法は、処理される植物またはそれらの場所に、混合物としてまたは別々に、殺真菌に有効な総量の成分(A)および成分(B)を適用することを含む。
【0085】
本発明は、殺真菌剤、殺虫剤、殺菌剤および植物生長調節剤からなる群より選択される追加成分(C)を含む農薬混合物および組成物も提供する。特に、本発明の混合物および組成物は、下記に列挙されるさらなる農薬を含む混合物および組成物も含む。例えば、マンジプロパミドおよびフルオピコリド、またはメタラキシル−Mおよびフルオピコリドを含む混合物または組成物は、
殺真菌剤、例えば、
(C1)ストロビルリン殺真菌剤、(C2)アゾール殺真菌剤、(C3)モルホリン殺真菌剤、(C4)アニリノピリミジン殺真菌剤、(C5)アニラジン(878)、アルセナート、ベナラキシル(56)、ベナラキシル−M、ベノダニル(896)、ベノミル(62)、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ−イソプロピル(68)、ビフェニル(81)、ビテルタノール(84)、ブラスチシジン−S(85)、ボルドー液(87)、ボスカリド(88)、ブピリマート(98)、塩化カドミウム、カプタホール(113)、カプタン(114)、カルベンダジム(116)、二硫化炭素(945)、カルボキシン(120)、カルプロパミド(122)、ニオイヒバ油、キノメチオナート(126)、塩素、クロロネブ(139)、クロロタロニル(142)、クロゾリナート(149)、ケイ皮アルデヒド、銅、炭酸銅アンモニウム、水酸化銅(169)、オクタン酸銅(170)、オレイン酸銅、硫酸銅(87)、シアゾファミド(185)、シクロヘキシミド(1022)、シモキサニル(200)、ジクロフルアニド(230)、ジクロン(1052)、ジクロロプロペン(233)、ジクロシメト(237)、ジクロメジン(239)、ジクロラン(240)、ジエトフェンカルブ(245)、ジフルメトリム(253)、ジメチリモル(1082)、ジメトモルフ(263)、ジノキャップ(270)、ジチアノン(279)、ドジン(289)、エジフェンホス(290)、エタボキサム(304)、エチリモール(1133)、エトリジアゾール(321)、ファモキサドン(322)、フェナミドン(325)、フェナミノスルフ(1144)、フェナミホス(326)、フェナリモル(327)、フェンフラム(333)、フェンヘキサミド(334)、フェノキサニル(338)、フェンピクロニル(341)、酢酸フェンチン(347)、塩化フェンチン、水酸化フェンチン(347)、フェルバム(350)、フェリムゾン(351)、フルアジナム(363)、フルジオキソニル(368)、フルスルファミド(394)、フルトラニル(396)、フォルペット(400)、ホルムアルデヒド(404)、ホセチル−アルミニウム(407)、フサリド(643)、フベリダゾール(419)、フララキシル(410)、フラメトピル(411)、フリオジン(1205)、フアザチン(422)、ヘキサクロロベンゼン(434)、ヒメキサゾール、イミノクタジン(459)、ヨードカルブ(3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバマート)、イプロベンホス(IBP)(469)、イプロジオン(470)、イプロバリカルブ(471)、イソプロチオラン(474)、カスガマイシン(483)、マンコゼブ(496)、マネブ(497)、マンガンジメチルジチオカルバマート、メフェノキサム(メタラキシル−M)(517)、メプロニル(510)、塩化第二水銀(511)、水銀、メタラキシル(516)、メタスルホカルブ(528)、メチラム(546)、メトラフェノン、ナバム(566)、ニーム油(疎水性抽出物)、ヌアリモル(587)、オクチリノン(590)、オフレース(592)、オキサジキシル(601)、オキシン銅(605)、オキソリン酸(606)、オキシカルボキシン(608)、オキシテトラサイクリン(611)、パクロブトラゾール(612)、パラフィン油(628)、パラホルムアルデヒド、ペンシクロン(620)、ペンタクロロニトロベンゼン(716)、ペンタクロロフェノール(623)、ペンチオピラド、ペルフラゾアート、リン酸、ポリオキシン(654)、ポリオキシンD亜鉛塩(654)、重炭酸カリウム、プロベナゾール(658)、プロシミドン(660)、プロパモカルブ(668)、プロピネブ(676)、プロキナジド(682)、プロチオカルブ(1361)、ピラゾホス(693)、ピリフェノクス(703)、ピロキロン(710)、キノキシフェン(715)、キントゼン(PCNB)(716)、シルチオファム(729)、重炭酸ナトリウム、二酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ストレプトマイシン(744)、硫黄(754)、TCMTB、テクロフタラム、テクナゼン(TCNB)(767)、チアベンダゾール(790)、チフルザミド(796)、チオファナート(1435)、チオファナートメチル(802)、チラム(804)、トルクロホス−メチル(808)、トリルフルアニド(810)、トリアゾキシド(821)、trichoderma harzianum(825)、トリシクラゾール(828)、トリホリン(838)、水酸化トリフェニルスズ(347)、バリダマイシン(846)、ビンクロゾリン(849)、ジネブ(855)、ジラム(856)、ゾキサミド(857)、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2−エトキシエタノール(IUPAC名)(910)、2,4−ジクロロフェニルベンゼンスルホナート(IUPAC名/Chemical Abstracts名)(1059)、2−フルオロ−N−メチル−N−1−ナフチルアセトアミド(IUPAC名)(1295)、4−クロロフェニルフェニルスルホン(IUPAC名)(981)、
式C−5.1:
【0086】
【化11】

の化合物、
式C−5.2:
【0087】
【化12】

の化合物、
式C−5.3:
【0088】
【化13】

の化合物、
式C−5.4:
【0089】
【化14】

の化合物、
式C−5.5:
【0090】
【化15】

の化合物、
式C−5.6:
【0091】
【化16】

の化合物、
3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−ビシクロプロピル−2−イルフェニル)−アミド(化合物C−5.8)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(9−イソプロピプ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノ−ナフタレン−5−イル)−アミド(化合物C−5.9)、1,3−ジメチル−5−フルオロ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−アミド(化合物C−5.10)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−アミド(化合物C−5.11)、N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(化合物C−5.12)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−アミド(化合物C−5.13)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸N−[2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−アミド(化合物C−5.14)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸N−[2−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]−アミド(化合物C−5.15)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸N−(4’−トリフルオロメチル−ビフェン−2−イル)−アミド(化合物C−5.16)、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸N−(2’−トリフルオロメチル−ビフェン−2−イル)−アミド(化合物C−5.17)、および3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸N−(2’−トリフルオロメチル−ビフェン−2−イル)−アミド(化合物C−5.18)からなる群より選択される殺真菌剤、
アシベンゾラル−S−メチル(6)、クロロメコートクロリド(137)、エテホン(307)、メピコートクロリド(509)およびトリネキサパック−エチル(841)からなる群より選択される植物生長調節剤、
アバメクチン(1)、エマメクチンベンゾアート(291)、テフルトリン(769)、式C−7.1:
【0092】
【化17】

の化合物および式C−7.2:
【0093】
【化18】

の化合物からなる群より選択される殺虫剤、
ならびにグリホサート(419)からなる群より選択されるさらなる農薬を含み得る。
【0094】
例えば、成分(A)がマンジプロパミドのとき、成分(C)は、
マンコゼブ、クロロタロニル、メタラキシル−M、メタラキシル、アメトクトラジン、アゾキシストロビン、イソピラザム、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、シプロコナゾール、セダキサン、シプロジニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、ボスカリド、ビクサフェン、フルオピラム、ペンチオピラド、チアベンダゾール、フルアジナム、フェンプロピジン、シフルフェナミド、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、フルキサピロキサド、ペンフルフェン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、フルスルファミドおよび式C−5.1の化合物から選択される殺真菌剤、
テフルトリン、ピメトロジン、ラムダシハロトリンおよびフィプロニルから選択される殺虫剤、
酸化銅および酸化銀から選択される殺菌剤、ならびに
アシベンゾラル−S−メチル
からなる群より選択される活性成分であってよい。
【0095】
特に、成分(A)がマンジプロパミドのとき、成分(C)は、マンコゼブ、メフェノキサム、クロロタロニル、メタラキシル−M、メタラキシルおよびアメトクトラジンから選択され得る。例えば、成分(A)がメタラキシル−Mのとき、成分(C)は、
マンコゼブ、クロロタロニル、マンジプロパミド、アメトクトラジン、アゾキシストロビン、イソピラザム、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、シプロコナゾール、セダキサン、シプロジニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、ボスカリド、ビクサフェン、フルオピラム、ペンチオピラド、チアベンダゾール、フルアジナム、フェンプロピジン、シフルフェナミド、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、フルキサピロキサド、ペンフルフェン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、フルスルファミドおよび式C−5.1の化合物から選択される殺真菌剤、
テフルトリン、ピメトロジン、ラムダシハロトリンおよびフィプロニルから選択される殺虫剤、
酸化銅および酸化銀から選択される殺菌剤、ならびに
アシベンゾラル−S−メチル
からなる群より選択される活性成分であってよい。
【0096】
特に、成分Aがメタラキシル−Mのとき、成分(C)は、マンコゼブ、メフェノキサム、クロロタロニルおよびアメトクトラジンから選択され得る。
【0097】
本発明の組成物は、好ましくは、マンジプロパミドおよびフルオピコリド、またはメタラキシル(metalxyl)−Mおよびフルオピコリドを含むが、例えばクロチアニジン、イミダクロプリドまたはチアメトキサムを含まない。本発明の組成物は、クロロタロニル、マンコゼブ、およびメフェノキサム、またはPhytophthoraに対して活性を有する他の標識生成物の1つ以上も含み得る。
【0098】
従って、本発明の組成物は、
マニプロパミド+フルオピコリド+マンコゼブ、
マニプロパミド+フルオピコリド+クロロタロニル、
マニプロパミド+フルオピコリド+メフェノキサム、
マニプロパミド+フルオピコリド+メタラキシル−M、
マニプロパミド+フルオピコリド+メタラキシル、
マニプロパミド+フルオピコリド+アメトクトラジン、
マニプロパミド+フルオピコリド+アゾキシストロビン、
マニプロパミド+フルオピコリド+アシベンゾラル−S−メチル、
マニプロパミド+フルオピコリド+フルジオキシニル、
マニプロパミド+フルオピコリド+ジフェノコナゾール、
マニプロパミド+フルオピコリド+プロチオコナゾール、
マニプロパミド+フルオピコリド+トリアジメノール、
マニプロパミド+フルオピコリド+テフルトリン、
マニプロパミド+フルオピコリド+フィプロニル、
マニプロパミド+フルオピコリド+酸化銅、
マニプロパミド+フルオピコリド+酸化銀、
マニプロパミド+フルオピコリド+アミスルブロム、
マニプロパミド+フルオピコリド+シアゾファミド、
マニプロパミド+フルオピコリド+フルスルファミド、
マニプロパミド+フルオピコリド+ピメトロジン、
マニプロパミド+フルオピコリド+ラムダシハロトリン、
メタラキシル−M+フルオピコリド+マンコゼブ、
メタラキシル−M+フルオピコリド+メフェノキサム、
メタラキシル−M+フルオピコリド+クロロタロニル、
メタラキシル−M+フルオピコリド+アメトクトラジン、
メタラキシル−M+フルオピコリド+アゾキシストロビン、
メタラキシル−M+フルオピコリド+アシベンゾラル−S−メチル、
メタラキシル−M+フルオピコリド+フルジオキシニル、
メタラキシル−M+フルオピコリド+ジフェノコナゾール、
メタラキシル−M+フルオピコリド+プロチオコナゾール、
メタラキシル−M+フルオピコリド+トリアジメノール、
メタラキシル−M+フルオピコリド+テフルトリン、
メタラキシル−M+フルオピコリド+フィプロニル、
メタラキシル−M+フルオピコリド+酸化銅、
メタラキシル−M+フルオピコリド+酸化銀、
メタラキシル−M+フルオピコリド+アミスルブロム、
メタラキシル−M+フルオピコリド+シアゾファミド、
メタラキシル−M+フルオピコリド+フルスルファミド、
メタラキシル−M+フルオピコリド+ピメトロジン、および
メタラキシル−M+フルオピコリド+ラムダシハロトリン
を含む。
【0099】
成分(C)は、公知である。成分(C)が「The Pesticide Manual」(The Pesticide Manual−A World Compendium;Thirteenth Edition;Editor:C.D.S.Tomlin;The British Crop Protection Council)に含まれている場合、それらは、ほとんどの場合、特定の成分(B)に関して本明細書の上記丸括弧内に示されているエントリー番号下で、「The Pesticide Manual」中に記載されている。例えば、化合物「アバメクチン」は、エントリー番号(1)のところに記載されている。成分(C)のほとんどは、上記においていわゆる「一般名」、関連「ISO一般名」または個々の場合に用いられている別の「一般名」によって指定されている。名称が「一般名」でない場合、代わりに用いられる名称の性質が特定の成分(C)について丸括弧内に示され、その場合、IUPAC名、IUPAC/Chemical Abstracts名、「化学名」、「慣用名」、「化合物名」または「開発コード」が用いられ、あるいはそれらの名称も「一般名」もどちらも用いられないなら、「代替名」が使用される。アメトクトラジンは、商品名インチウム(登録商標)で製品化されている。
【0100】
活性成分の組み合わせの作用が個々の成分の作用の和より大きなときにはいつでも相乗効果が存在する。所定の活性成分の組み合わせについて予測される作用Eは、いわゆるCOLBY式に従い、以下のように計算することができる(COLBY,S.R.“Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combination”.Weeds, Vol.15,pages 20−22;1967)。
ppm=噴霧混合物1リットル当たりの活性成分(=a.i.)のミリグラム数、
X=p ppmの活性成分を用いた活性成分A)による%作用、
Y=q ppmの活性成分を用いた活性成分B)による%作用。
COLBYによると、活性成分A)+B)の予測(加法的)作用は、p+q ppmの活性成分を用いるとき、
【0101】
【数1】

である。
【0102】
実際に観測される作用(O)が予測される作用(E)より大きければ、組み合わせの作用は加法的効果を上回る、すなわち相乗効果がある。数学的な用語では、相乗作用は、差(O−E)の正の値に対応する。純粋に相補的な活性の加算(予測活性)の場合、前記の差(O−E)は、ゼロである。前記の差(O−E)の負の値は、予測される活性と比較した活性の低下を示している。
【0103】
しかし、殺真菌活性に関する実際の相乗作用以外に、本発明による混合物および組成物は、驚くべき有利な特性もさらに有することができる。言及し得るそのような有利な特性の例は、より有利な分解性、改善された毒物学的および/または環境毒物学的挙動、または、出芽、作物収穫高、より発達した根系、分げつ増加、草高の増加、より大きな葉身、より少ない根出葉死、より強い分げつ、より緑の葉色、より少ない必要肥料、より少ない必要種子、より生産的な分げつ、より早い開花、早い穀物成熟、より少ない植物バース(verse)(倒伏)、増加したシュートの成長、改善された植物活力、および早い発芽を含む有用植物の改善された特性である。
【0104】
本発明による混合物および組成物のあるものは、全体的作用を有し、葉、土壌および種子処理殺真菌剤として用いることができる。
【0105】
本発明による混合物および組成物を用いると、種々の有用な植物において植物または植物の部分(果実、花、葉、幹、塊茎、根)において発生する植物病原性微生物を阻害するかまたは死滅させることが可能である、同時に後で成長する植物の部分も植物病原性微生物による攻撃から保護される。
【0106】
本発明による混合物および組成物は、植物病原性微生物、有用植物、その場所、およびその繁殖材料、微生物の攻撃によって脅かされる貯蔵商品または工業技術材料に適用することができる。
【0107】
本発明による混合物および組成物は、有用植物、その繁殖材料、貯蔵商品または工業技術材料の微生物による感染の前または後に適用してよい。
【0108】
適用される本発明による組成物の量は、使用される化合物;例えば、植物、土壌または種子などの処理の対象;例えば噴霧、散粉または種子粉衣などの処理の種類;例えば予防または治療などの処理の目的;制御される真菌の種類あるいは適応時間などのさまざまな要因に応じて決まる。
【0109】
有用植物に適用されるとき、成分(A)は、通常、5から2000g a.i./ha、特に10から1000g a.i./ha、例えば50、75、100または200g a.i./haの比率で、通常、1から5000g a.i./ha、特に2から2000g a.i./ha、例えば100、250、500、800、1000、1500 g a.i./haの成分(B)とともに適用される。
【0110】
農作業において、本発明による組成物の適用率は、望まれる効果の種類に応じて決まり、通常、1ヘクタールあたり全組成物20から4000gの範囲である。
【0111】
本発明による混合物および組成物が種子を処理するために用いられるとき、種子1kgあたり0.001から50g、好ましくは種子1kgあたり0.01から10gの成分(A)の化合物と、種子1kgあたり0.001から50g、好ましくは種子1kgあたり0.01から10gの成分(B)の化合物との比率が一般に十分である。
【0112】
本発明の混合物および組成物は、任意の従来形、例えば対パック、乾燥種子処理用散剤(DS)、種子処理用乳剤(ES)、種子処理用流動性濃縮物(FS)、種子処理用溶液(LS)、種子処理用水分散性散剤(WS)、種子処理用カプセル懸濁物(CF)、種子処理用ゲル(GF)、乳剤濃縮物(EC)、懸濁物の濃縮物(SC)、サスポ−乳剤(suspo−emulsion(SE))、カプセル懸濁物(CS)、水分散性顆粒(WG)、乳化性顆粒(EG)、油中水乳剤(EO)、水中油乳剤(EW)、マイクロ乳剤(ME)、油分散物(OD)、油混和性流体(OF)、油混和性液体(OL)、可溶性濃縮物(SL)、超低容積懸濁物(SU)、超低容積液体(UL)、工業技術濃縮物(TK)、分散性濃縮物(DC)、水和剤(WP)または農業上許容されるアジュバントと組み合わされた任意の技術的に実現可能な処方物の形で使用されてよい。
【0113】
そのような混合物および組成物は、従来の方法で、例えば活性成分を少なくとも1つの適切な不活性処方物アジュバント(例えば、希釈剤、溶媒、充填材および任意選択として界面活性剤、殺生物剤、不凍液、粘着剤、増粘剤およびアジュバンド効果を提供する化合物などの他の処方物成分)と混合することによって作り出されてよい。長期間持続する効力が意図される場合には従来の徐放処方物も使用されてよい。特に、水分散性濃縮物(例えばEC、SC、DC、OD、SE、EW、EOおよび類似物)、水和剤および顆粒などの噴霧形で適用される処方物は、湿潤剤および分散剤などの界面活性剤、およびアジュバンド効果を提供する他の化合物、例えばホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、脂肪族アルキルスルホン酸塩およびエトキシル化アルキルフェノールおよびエトキシル化脂肪族アルコールとの縮合生成物を含み得る。
【0114】
慣用的処方物成分は、例えば、顕著な生物活性がまったくないかまたは生物活性がない処方物成分である。それらは、例えば、希釈剤、溶媒、充填材、界面活性剤、殺生物剤、不凍液、粘着剤、増粘剤、およびアジュバンド効果を提供する化合物を含む。
【0115】
本発明による組成物は、例えば、殺真菌剤、殺虫剤または除草剤などさらなる農薬も含み得る。
【0116】
本発明による組成物および希釈剤を使用し、適当な種子粉衣処方物形、例えば水系懸濁物として、または種子への良好な接着性を有する乾燥散剤形で、それ自体知られている方法で種子粉衣処方物が種子に適用される。そのような種子粉衣処方物は、当分野において知られている。種子粉衣処方物は、単独の活性成分または活性成分の組み合わせを、例えば徐放カプセルまたはマイクロカプセルとしてカプセル化された形で含み得る。
【0117】
一般に、処方物は、0.01から90重量%の活性薬剤、0から20重量%の農業上許容される界面活性剤、および10から99.99重量%の固体または液体の処方物不活性分、およびアジュバント(単数または複数)を含み、活性薬剤は、少なくとも成分(A)の化合物とともに成分(B)の化合物、および任意選択として他の活性薬剤、特に殺微生物剤、または保存剤、または類似物からなる。組成物の濃縮形は、一般に、約2から80重量%の間、好ましくは約5から70重量%の間の活性薬剤を含む。処方物の適用形は、例えば、0.01から20重量%、好ましくは0.01から5重量%の活性薬剤を含み得る。市販製品は好ましくは濃縮物として処方されるが、エンドユーザーは、通常、希釈された処方物を使用する。
【0118】
以下の実施例は、本発明を例示する役割を果たし、「活性成分」は、特定の混合比の成分(A)と成分(B)との混合物を示す。本発明は、これらの実施例に限定されない。
【実施例】
【0119】
(処方物の実施例)
【0120】
【化19】

活性成分はアジュバントと完全に混合され、混合物は適当なミル中で十分に磨砕され、これにより水和剤が得られ、水和剤は、水で希釈されて所望の濃度の懸濁物を与えることができる。
【0121】
【化20】

植物保護において用いることができる任意の必要な希釈の乳剤は、水による希釈によってこの濃縮物から得ることができる。
【0122】
【化21】

活性成分をキャリアと混合し、混合物を適当なミル中で磨砕することによって直ぐに使える粉末が得られる。そのような散剤は、種子のための乾燥粉衣用にも用いることができる。
【0123】
【化22】

活性成分は、アジュバントと混合され、磨砕され、混合物は、水で加湿される。混合物は押し出され、次に、空気流中で乾燥させられる。
【0124】
【化23】

細かく磨砕された活性成分は、ミキサー中で、ポリエチレングリコールによって加湿されたカオリンに一様に適用される。このようにして非粉末コーティング顆粒が得られる。
【0125】
【化24】

細かく磨砕された活性成分は、アジュバントと密に混合され、懸濁物の濃縮物が得られ、これから、水による希釈によって任意の所望の希釈の懸濁物を得ることができる。そのような希釈物を用いて、噴霧法、注液法または浸漬法によって、生きている植物ならびに植物繁殖材料を処理し、微生物による侵入から保護することができる。
【0126】
(徐放カプセル懸濁物)
28部の成分(A)と成分(B)との組み合わせ、またはこれらの成分のそれぞれが別々に、2部の芳香族溶媒および7部のトルエンジイソシアナート/ポリメチレン−ポリフェニルイソシアナート混合物(8:1)と混合される。この混合物が1.2部のポリビニルアルコール、0.05部の消泡剤、および51.6部の水の混合物中で所望の粒子サイズが達成されるまで乳化される。この乳剤に、5.3部の水中の2.8部の1,6−ジアミノヘキサンの混合物が加えられる。混合物は、重合反応が完了するまで撹拌される。得られたカプセル懸濁物は、0.25部の増粘剤および3部の分散剤を加えることによって安定化される。カプセル懸濁物処方物は、28%の活性成分を含む。中位カプセル直径は、8〜15ミクロンである。得られた処方物は、目的に適している装置の中で水系懸濁物として種子に適用される。
【0127】
(実施例)
(実施例1:レタスのべと病(B.lactucae)の制御についての種々の比率のPresidio(登録商標)(フルオピコリド)、Revus(登録商標)(マンジプロパミド)およびRidomil Gold SL(登録商標)(メタラキシル−M)の評価)
本試験は、生成物間の起こり得る相乗的相互作用の検出を可能にするために必要な、殺真菌剤の比率の範囲を決定するために行なわれた。Presidioは、0.3、1および3mg a.i./Lで試験され、Revus(登録商標)は、0.01、0.1および1mg a.i./Lで試験され、Ridomil Gold SL(登録商標)は、0.3、1および3mg a.i./Lで試験された。低い比率の殺真菌剤を選ぶことの根拠は、病気を不十分に制御し、従って、混合物からの任意の相乗的相互作用を検出することができるようにするためであった。選択された殺真菌剤濃度を用いたときの病気の重症度のレベルから、適切なレベルの制御が得られることが見いだされ、これらの濃度に基づいてさらなる試験が計画されたが、高すぎるレベルの病気の制御が得られた1mg a.i./LのRevus(登録商標)濃度は除外した(表1)。従って、さらなる試験のためにより低い濃度のRevus(登録商標)(0.3mg a.i./L)が選択された。
【0128】
【表1】

(実施例2:レタスのべと病(B.lactucae)の制御についてのPresidio(登録商標)とRevus(登録商標)との混合物の評価)
B.Lactucaeによって引き起こされるべと病の制御について、0.3および1mg a.i./LのPresidio(登録商標)と、0.1および0.3mg a.i./LのRevus(登録商標)とが単独で、ならびに組み合わされて試験された。殺真菌剤適用の24時間後に、1×10胞子嚢/水1mlの濃度の胞子嚢懸濁物を用いて葉の下面および上面に接種物を噴霧し、植物に接種した。接種の8日後に、感染している%葉面積として病気の重症度を測定した。0.3mg.a.i./LのPresidio(登録商標)が0.1または0.3mg a.i./LのどちらのRevus(登録商標)と組み合わされたときも、Presidio(登録商標)とRevus(登録商標)との間の相乗的相互作用は検出されなかった(表2)。しかし、1mg a.i./Lの比率のPresidioが0.1または0.3mg a.i./LのRevus(登録商標)と組み合わされたときには、良好な相乗的相互作用が検出された(表3)。
【0129】
【表2−1】

【0130】
【表2−2】

(実施例3:レタスのべと病(B.lactucae)の制御についてのPresidio(登録商標)とRevus(登録商標)との混合物の評価−2回目の試験)
1回目の試験において得られた結果を検証するために、2回目の試験を行い、レタスべと病の制御についてのPresidio(登録商標)とRevus(登録商標)との相乗的相互作用を再び考察した。前回の試験と同じく、殺真菌剤適用の1日後にB. Lactucaeの胞子嚢が接種された。この試験においては、Presidio(登録商標)は1、3および10mg a.i./Lで、Revus(登録商標)は0.03、0.1および0.3mg a.i./Lで、単独で、ならびに組み合わされて試験された。本試験においては、接種物濃度が高くなり、葉の下面および上面に2×10胞子嚢/mlが接種された。接種の8日後に、病気の重症度が感染している%葉面積として測定された。病気の重症度は、前回のものと比較して、この測定の方が高かった。第2回の試験において調べられたすべての組み合わせでPresidio(登録商標)とRevus(登録商標)との間の良好な相乗的相互作用が検出されたので、第1回の試験の結果が検証された(表3)。
【0131】
【表3−1】

【0132】
【表3−2】

(実施例4:レタスのべと病(B.lactucae)の制御についてのPresidio(登録商標)とRidomil Gold SL(登録商標)との混合物の評価)
0.3および1mg a.i./LのPresidio(登録商標)と、0.1および0.3mg a.i./LのRidomil Gold SL(登録商標)とが、単独で、ならびに組み合わされてレタスべと病の制御について試験された。殺真菌剤で処理されたレタスまたは未処理のレタスに、適用の1日目に、1×10胞子嚢/mlに調節した胞子嚢懸濁物が接種された。接種の8日後に病気の重症度の評価が行なわれ、感染した%葉面積として測定された。Presidio(登録商標)とRidomil Gold SL(登録商標)とのすべての組み合わせが明白な相乗的相互作用を示した(表4)。
【0133】
【表4】

(実施例5:レタスのべと病(B.lactucae)の制御についてのPresidio(登録商標)とRidomil Gold SL(登録商標)との混合物の評価−2回目の試験)
この2回目の試験においては、1および3mg a.i./LのPresidioと0.3、1および3mg a.i./LのRidomilとが、単独で、ならびに組み合わされて、レタスべと病の制御について試験された。殺真菌剤で処理されたレタスまたは未処理のレタスに2×10胞子嚢/mlに調節した胞子嚢懸濁物が適用の1日目に接種された。接種物濃度は、1回目のものと比較して今回の試験の方が高かった。接種の8日後に病気の重症度の評価が行なわれ、感染している%葉面積として測定された。またもPresidioとRidomil Gold SLとのすべての組み合わせが明白な相乗的相互作用を示した(表5)。
【0134】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A)および成分(B)を含む農薬混合物であって、成分(A)および(B)は、
(A)カルボン酸アミド殺真菌剤、および
(B)ベンズアミド殺真菌剤
であり、前記混合物は、
1.フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびクロチアニジン、または
2.フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびイミダクロプリド、または
3.フルオピコリドおよびマンジプロパミドおよびチアメトキサム
を含まないことを条件とする、農薬混合物。
【請求項2】
成分(A)は、
式III:
【化25】

(式中、Halは、フルオロ、クロロもしくはブロモである)
のN−アルコキシカルボニル−アルファ−アミノ酸アミド誘導体、またはその光学異性体、
式IV:
【化26】

(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはハロフェニルであり、Rは、C〜Cアルキルである)
のN−アルキルスルホニル−アルファ−アミノ酸アミド誘導体、またはその光学異性体、
式V:
【化27】

(式中、Halは、フルオロ、クロロもしくはブロモであり、Rは、水素、C〜Cアルキルもしくはハロフェニルであり、Rは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくはハロフェニルである)
のアルファ−アルキニルオキシフェニル酢酸アミド誘導体、またはその光学異性体、
ジメトモルフ、
フルモルフ、
ベンチアバリカルブ、
イプロバリカルブ、ならびに
バリフェナレート
からなる群より選択される、請求項1に記載の農薬混合物。
【請求項3】
成分(A)は、
マンジプロパミド、
ジメトモルフ、
フルモルフ、
ベンチアバリカルブ、
イプロバリカルブ、および
バリフェナレート
からなる群より選択される、前述の請求項のいずれか1項に記載の農薬混合物。
【請求項4】
成分(B)は、
式(X):
【化28】

(式中、Halは、フルオロ、クロロまたはブロモであり、R15は、CHF、CFまたはCFである)
の化合物、および
ゾキサミド
からなる群より選択される、前述の請求項のいずれか1項に記載の農薬混合物。
【請求項5】
成分(A)は、
マンジプロパミド、
ジメトモルフ、
フルモルフ、
ベンチアバリカルブ、
イプロバリカルブ、および
バリフェナレート
からなる群より選択され、
成分(B)はフルオピコリドである、前述の請求項のいずれか1項に記載の農薬混合物。
【請求項6】
成分(A)はマンジプロパミドであり、成分(B)はフルオピコリドである、前述の請求項のいずれか1項に記載の農薬混合物。
【請求項7】
(A)対(B)の重量比は、2000:1から1:2000である、前述の請求項のいずれか1項に記載の農薬混合物。
【請求項8】
殺真菌剤、殺虫剤、殺菌剤および植物生長調節剤からなる群より選択される追加成分(C)を含む、前述の請求項のいずれか1項に記載の農薬混合物。
【請求項9】
前述の請求項のいずれか1項に記載の農薬混合物であって、組成物は、
マンコゼブ、クロロタロニル、メタラキシル−M、メタラキシル、アメトクトラジン、アゾキシストロビン、イソピラザム、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、シプロコナゾール、セダキサン、シプロジニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、ボスカリド、ビクサフェン、フルオピラム、ペンチオピラド、チアベンダゾール、フルアジナム、フェンプロピジン、シフルフェナミド、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、フルキサピロキサド、ペンフルフェン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、フルスルファミドおよび式C−5.1の化合物から選択される殺真菌剤、
テフルトリン、ピメトロジン、ラムダシハロトリンおよびフィプロニルから選択される殺虫剤、
酸化銅、高原子価銀から選択される殺菌剤、ならびに
アシベンゾラル−S−メチル
からなる群より選択される追加成分(C)を含む、農薬混合物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の農薬混合物を含む、植物病原体によって引き起こされる真菌病を制御するための組成物。
【請求項11】
活性成分として、
(A)マンジプロパミド、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)殺真菌剤、殺虫剤、殺菌剤および植物生長調節剤からなる群より選択される活性成分であって、前記殺虫剤は、チアメトキサム、イミダクロプリドまたはクロチアニジンではない、活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
を含む、組成物。
【請求項12】
活性成分として、
(A)マンジプロパミド、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)
マンコゼブ、クロロタロニル、メタラキシル−M、メタラキシル、アメトクトラジン、アゾキシストロビン、イソピラザム、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、シプロコナゾール、セダキサン、シプロジニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、ボスカリド、ビクサフェン、フルオピラム、ペンチオピラド、チアベンダゾール、フルアジナム、フェンプロピジン、シフルフェナミド、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、フルキサピロキサド、ペンフルフェン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、フルスルファミドおよび式C−5.1の化合物から選択される殺真菌剤、
テフルトリン、ピメトロジン、ラムダシハロトリンおよびフィプロニルから選択される殺虫剤、
酸化銅および酸化銀から選択される殺菌剤、および
アシベンゾラル−S−メチル
からなる群より選択される活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
植物病原体によって引き起こされる有用植物またはその繁殖材料の病気を制御する方法であって、前記有用植物、それらの場所またはそれらの繁殖材料に請求項1から12のいずれか1項に記載の農薬混合物または組成物を適用することを含む、方法。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の組成物または混合物を含む、種子。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか1項に記載の農薬混合物または組成物で種子をコーティングすることを含む、方法。
【請求項16】
成分(A)および成分(B)を含む農薬混合物であって、成分(A)および(B)は、
(A)メタラキシル−M、および
(B)ベンズアミド殺真菌剤
であり、前記混合物は、
1.フルオピコリドおよびメタラキシル−Mおよびクロチアニジン、または
2.フルオピコリドおよびメタラキシル−Mおよびイミダクロプリド、または
3.フルオピコリドおよびメタラキシル−Mおよびチアメトキサム
を含まないことを条件とする、農薬混合物。
【請求項17】
成分Bは、式(X):
【化29】

(式中、Halは、フルオロ、クロロまたはブロモであり、R15は、CHF、CFまたはCFである)
の化合物、および
ゾキサミド
からなる群より選択される、請求項16に記載の農薬混合物。
【請求項18】
成分(B)は、フルオピコリドである、請求項16または請求項17に記載の農薬混合物。
【請求項19】
(A)対(B)の重量比は、2000:1から1:2000である、請求項16から18のいずれか1項に記載の農薬混合物。
【請求項20】
殺真菌剤、殺虫剤、殺菌剤および植物生長調節剤からなる群より選択される追加成分(C)を含み、前記殺虫剤は、チアメトキサム、イミダクロプリドまたはクロチアニジンではない、請求項16から19のいずれか1項に記載の農薬混合物。
【請求項21】
請求項16から20のいずれか1項に記載の農薬混合物であって、組成物は、
(A)メタラキシル−M、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)
マンコゼブ、クロロタロニル、マンジプロパミド、アメトクトラジン、アゾキシストロビン、イソピラザム、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、シプロコナゾール、セダキサン、シプロジニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、ボスカリド、ビクサフェン、フルオピラム、ペンチオピラド、チアベンダゾール、フルアジナム、フェンプロピジン、シフルフェナミド、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、フルキサピロキサド、ペンフルフェン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、フルスルファミドおよび式C−5.1の化合物から選択される殺真菌剤、
テフルトリン、ピメトロジン、ラムダシハロトリンおよびフィプロニルから選択される殺虫剤、
酸化銅および酸化銀から選択される殺菌剤、ならびに
アシベンゾラル−S−メチル
からなる群より選択される活性成分
からなる群より選択される追加成分(C)を含む、農薬混合物。
【請求項22】
請求項16から21のいずれか1項に記載の混合物を含む、植物病原体によって引き起こされる真菌病を制御するための組成物。
【請求項23】
活性成分として、
(A)メタラキシル−M、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)殺真菌剤、殺虫剤および殺菌剤からなる群より選択される活性成分であって、前記殺虫剤は、チアメトキサム、イミダクロプリドまたはクロチアニジンではない、活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
を含む、組成物。
【請求項24】
活性成分として、
(A)メタラキシル−M、
(B)フルオピコリド、および任意選択として、
(C)
マンコゼブ、クロロタロニル、マンジプロパミド、アメトクトラジン、アゾキシストロビン、イソピラザム、フルジオキシニル、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、シプロコナゾール、セダキサン、シプロジニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、ピラクロストロビン、ボスカリド、ビクサフェン、フルオピラム、ペンチオピラド、チアベンダゾール、フルアジナム、フェンプロピジン、シフルフェナミド、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、フルキサピロキサド、ペンフルフェン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、フルスルファミドおよび式C−5.1の化合物から選択される殺真菌剤、
テフルトリン、ピメトロジン、ラムダシハロトリンおよびフィプロニルから選択される殺虫剤、
酸化銅および酸化銀から選択される殺菌剤、および
アシベンゾラル−S−メチル
からなる群より選択される活性成分、
ならびに慣用的処方物成分
を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
植物病原体によって引き起こされる有用植物またはその繁殖材料の病気を制御する方法であって、前記有用植物、それらの場所またはそれらの繁殖材料に請求項16から24のいずれか1項に記載の農薬混合物または組成物を適用することを含む、方法。
【請求項26】
植物繁殖材料の腐敗カビを制御する方法であって、前記植物繁殖材料に請求項16から24のいずれか1項に記載の混合物または組成物を適用することを含む、方法。
【請求項27】
前記植物繁殖材料は、コーン、ダイズ、コムギ、オオムギ、ワタまたはカノーラである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項16から24のいずれか1項に記載の農薬混合物または組成物を含む、種子。
【請求項29】
請求項16から24のいずれか1項に記載の組成物で種子をコーティングすることを含む、方法。

【公表番号】特表2012−524040(P2012−524040A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505109(P2012−505109)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054065
【国際公開番号】WO2010/118946
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】