説明

殺菌チャンバー等に用いられるドア装置

【課題】本発明は、医療対象物等の対象物を洗浄液で殺菌する殺菌装置(1)であって、入口を有するチャンバー(5)を形成するハウジング(3)と、閉止位置において前記入口を閉じるよう設けられた、ほぼ横方向に移動自在のドアリーフ(9)と、実質的にドアリーフ(9)の移動方向に延び、この方向に沿ってドアリーフ(9)が移動するよう設置されているような少なくとも1つのガイド要素(11)と、を備えた殺菌装置(1)に関する。
【解決手段】ドアリーフ(9)の下縁は、閉止状態において対応する下側フレームシール部分(19)とシール状態で協働するようなドアシール部分(17)から構成されており、前記ドアリーフ(9)の前記ドアシール部分(17)は、当該ドアリーフ(9)が閉止位置から開口位置まで移動するときに、向かい合った下側フレームシール部分(19)に対して上下方向に移動するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療対象物等の対象物を洗浄液で殺菌する殺菌装置に関し、この殺菌装置は、入口を有するチャンバーを形成するハウジングと、閉止位置において前記入口を閉じるよう設けられたほぼ横方向に移動自在のドアリーフと、実質的にドアリーフの移動方向に延び、この方向に沿ってドアリーフが移動するよう設置されているような少なくとも1つのガイド要素と、を備えている。
【背景技術】
【0002】
例えば医療において、感染の拡大や細菌の成長を防止するために、殺菌は重要な行為である。今日では、物品、器具および他の対象物の殺菌のために、例えば病棟において、非常に多くの様々な種類の殺菌装置が導入されている。このような対象物の例として、様々な種類の容器、器具の入れ物、車いす、台車、病院のベッド、手術道具、器具、動物のおり、看護で用いられる機械部品、および他のかさばった対象物が挙げられる。
【0003】
あるタイプの殺菌装置には、ウォークイン・チャンバーとして参照されるものが設けられている。このチャンバーは人が十分に入ることができるような大きさ、および/または、台車/カートまたは他の機器を入れることができるような大きさとなっている。概して、このような殺菌装置は殺菌チャンバーを備えており、ノズルが殺菌用液体を供給するためにこの殺菌チャンバーに開口している。ノズルは、通常は、ポンプを介して、公共の水システムから水が供給されるような分離された水タンクに接続している。一般には、殺菌チャンバーはステンレス鋼から形成されており、横方向に動作を行うドアユニットや回転動作を行うドアユニットのような、1または複数のドアリーフを有する従来からのドアユニットにより閉じられている。横方向に動作を行うドアユニットは、通常は、ドアユニットの上縁および下縁に設けられたガイドに沿ってスライドするよう案内されるようになっている。このガイドは、ドアユニットを開口位置と閉止位置との間で正逆両方向に案内するようになっている。回転動作を行うドアユニットは、たいていの場合、開口状態において非常に大きなスペースを必要とし、殺菌チャンバーの使用に関連して行われる作業や殺菌チャンバーに関連して行われる他の作業を妨害するおそれがある。
【0004】
現在使用されている、殺菌チャンバーを閉じる機構には様々な問題点がある。
【0005】
使用可能な殺菌チャンバーは、しばしば、殺菌チャンバーとその周囲のものとの間で信頼性のあるシールを行うため、敷居または他の高台部分(elevation)を備えている。このような高台部分は、例えば、台車や他の物が殺菌チャンバー内に挿入される際に問題を引き起こすことがある。この種の問題は、殺菌チャンバーに対する物の出し入れを行うのに時間がかかるということを意味している。さらに、チャンバーの入口に接続された高台部分は、殺菌されるべき物を不注意に扱ってしまうという危険性を生じさせてしまうことがある。上述のようなこの種の高台部分により、操作者にとって悪化された人間工学の状態となる場合がある。
【0006】
取り付け床面において、いくつかの利用可能な殺菌チャンバーを、ピットとして参照されるようなチャンバーキャビティ内に導入することができる。このことにより、水浸透式のチャンバー床面、およびチャンバーの入口の外部の周囲の床面を、同じ高さレベルに位置することとなる。このようなチャンバーにおいて、周囲の床面の高さレベルよりも下方におけるドアの下縁で、チャンバーのドアおよび関連するシール材のレベルを低くすることにより、敷居のないチャンバーへの入口を形成することができる。しかしながら、このような取り付けは、多くの場合高価であり、多くの資材を必要とし、また、同時に、殺菌装置が導入されるべき部屋を大幅に改造しなければならない。とりわけ、横方向に移動可能なドアが設けられた殺菌チャンバーの導入には多大な手間が必要とされる。
【0007】
また、既に使用されている殺菌装置を交換するときに、前述のピットの形を整えることによる新しい装置への適合がしばしば必要となる。このような適合は、多くの資材と多大な時間の両方を必要とする。
【0008】
上述のタイプの殺菌チャンバーは、上述のように、チャンバーの底部に取り付けられた液体浸透性のチャンバー床面を有しており、このチャンバー床面上に、清浄化されるべき対象物が清浄のために置かれることとなっている。対象物に対する洗浄液による処理がチャンバー内で行われるとき、下向きの液体がチャンバーの底部で集められ、ポンプに液体が流れるようになる。このポンプは、液体システムからの液体を排水したり、液体を液体システムに戻したりすることができるようになっている。チャンバーの底部における洗浄液の収集により、とりわけ、殺菌装置のドアの下縁と、対応するドアポストの下側部分との間で信頼性のあるシールを構築する必要があり、このことにより殺菌チャンバーから周囲への漏れを防止することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、1または複数の上記態様について、従来の殺菌装置に関する改善を行うことができる殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一の態様において、医療対象物等の対象物を洗浄液で殺菌する殺菌装置であって、入口を有するチャンバーを形成するハウジングと、閉止位置において前記入口を閉じるよう設けられた、ほぼ横方向に移動自在のドアリーフと、実質的にドアリーフの移動方向に延び、この方向に沿ってドアリーフが移動するよう設置されているような少なくとも1つのガイド要素と、を備え、前記ドアリーフの下縁は、閉止状態において対応する下側フレームシール部分とシール状態で協働するようなドアシール部分から構成されており、前記ドアリーフの前記ドアシール部分は、当該ドアリーフが閉止位置から開口位置まで移動するときに、向かい合った下側フレームシール部分に対して上下方向に移動するよう構成されている殺菌装置が提供される。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、様々な利点が得られる。具体的には、従来技術と比較して、横方向に移動可能なドアリーフを有する殺菌チャンバーの導入に関し、労力と資材を減少させることができる。
【0012】
さらに、本発明の殺菌装置により、他の種類のドアユニットを備えた古い殺菌装置の交換を、床面の溝部を形成するための特別な労力を必要とすることなく、本発明による殺菌装置によって行うことができる。このような溝部は、従来技術においては、ドアリーフが閉止位置と開口位置との間で正逆両方向に移動するよう、移動可能なドアリーフを保持するためにたいていの場合必要であった。本発明による殺菌装置によって、頻繁に使用される回転開口式のドアユニットをスライド開口式のドアユニット交換することができ、このことにより、このような改築において従来技術と比較して労力およびコストを低減することができる。
【0013】
殺菌装置のガイド要素は、少なくとも部分的に、閉止位置から開口位置までのドアリーフの移動の方向が水平線に対して大きさαの角度で傾くよう構成されていることが好ましい。ガイド要素によって、ドアリーフが閉止位置から開口位置まで移動する際に当該ドアリーフを上方向に持ち上げることができ、またドアリーフが開口位置から閉止位置まで移動する際に当該ドアリーフを下降させることができる。したがって、ドアユニットの開閉の間、ドアリーフの上下方向の移動がほぼ連続的なものとなる。
【0014】
フレームシール部分は、敷居キャビティの一部として構成されていることが好ましい。フレームシール部分を敷居キャビティの一部として構成することにより、ドアリーフが少なくとも閉止位置において敷居キャビティ内に挿入され、殺菌チャンバーに向く内側のドアリーフの側面と、フレームシール部分との間でシール作用を得ることができる。また、このようなシールにより、殺菌装置の動作中において水が敷居キャビティに入ることを抑止することができる。
【0015】
一の実施の形態によれば、敷居キャビティは、殺菌装置の周囲にある床面の溝部に形成されていることが好ましい。敷居キャビティを床面から潜るような溝部として形成することによって、敷居のないチャンバーへの入口を備えた殺菌装置を得ることができる。敷居がないことにより、チャンバーへの入口が、実質的に殺菌装置の周囲にある床面およびチャンバー内の床面と同じ高さレベルとなる。
【0016】
他の実施の形態によれば、敷居キャビティは、敷居部分の少なくとも一部における溝部として構成されており、この溝部は殺菌チャンバーの周囲にある床面よりも高い位置で少なくとも部分的に延びている。
【0017】
一の実施の形態によれば、ドアリーフは、当該ドアリーフの略水平方向における移動により、閉止位置でハウジングと協働して、殺菌装置のチャンバーの内側に向かってシールを行うよう移動するような殺菌装置が形成されている。殺菌装置のハウジングとシール状態で係合するようドアリーフを移動させ、またこの係合した位置からドアリーフを移動させることができるようにすることによって、ドアリーフとハウジングとの間に形成されたシール材により摩擦力が悪影響を及ぼすことなく、ガイド要素に沿って横方向でドアリーフを移動させることができる。
【0018】
ハウジングにおける少なくとも1つのガイド要素は、ドアリーフの上方において延びており、ドアリーフは、少なくとも1つのスライド手段によりガイド要素とスライド自在に係合するようになっていることが好ましい。さらに、少なくとも1つのスライド手段は、ドアリーフに連結されたローラ要素として構成されていることが好ましい。とりわけ好ましい実施の形態によれば、ガイド要素は、断面が四角である細長い形状となっており、その長手方向に沿って壁部分を貫通するようなスロットが形成されており、ローラ要素は少なくとも2つのローラを備えており、これらのローラはガイド要素における断面の内部においてスロットの両側上を走行するよう構成されている。しかしながら、スライド手段およびガイド要素は、開口位置と閉止位置との間でドアリーフを案内するために様々な方法を用いることができるということが、当業者により理解されよう。また、ガイド要素をドアリーフの一部として構成し、スライド手段をハウジングの一部として構成し、ガイド要素がスライド手段上でスライドすることによりドアリーフを閉止位置と開口位置との間で正逆両方向に移動させるような構成とすることができることが当業者により理解されよう。
【0019】
好ましい実施の形態によれば、ドアリーフは、閉止位置と開口位置との間で正逆両方向にスライド移動するよう駆動ベルトに連結されており、この駆動ベルトはモータにより駆動されるようになっていることが好ましい。このようなドアリーフの駆動により、殺菌装置の入口について自動的に開閉を行うことができる。
【0020】
ガイド要素における傾斜角度の大きさαは、好ましくは1°〜10°の間の角度となっており、より好ましくは1°〜5°の間の角度となっており、特に好ましくは2°〜3°の間の角度となっている。傾斜角度は、ドアリーフがフレームシール部分に対して上下方向にどれくらい速く移動するかを制御するようになっている。この角度は、とりわけ敷居キャビティの深さおよび長さに基づいて選択される。
【0021】
動作中に殺菌装置の内部を見ることができるようにするために、ドアリーフは、透明な部分を少なくとも部分的に有していることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の好ましい実施の形態を示す例示のために、本発明について添付図面を参照して以下に説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態による殺菌装置1を示し、この殺菌装置1は、殺菌のために、対象物を受け入れるよう形成された殺菌チャンバー5を構成するハウジング3を備えている。チャンバー5は、組立て可能な天井、床および壁要素から部分的に構成されており、これらのものは例えばステンレス鋼板から形成されている。さらに、殺菌装置は、チャンバー5の入口を閉じるために形成されたドアユニット7を備えている。
【0024】
図2は、殺菌装置のドアユニット7の各部品を示す。ここで、ドアユニットは、殺菌チャンバー5を閉止するためのドアリーフ9を備えている。ドアリーフ9は、当該ドアリーフ9の上方で延びるガイド要素に、移動自在に取り付けられている。さらに、ドアリーフ9には、図2に示すような実施の形態において、透明なドア部分13が設けられている。この透明なドア部分13は、当該ドア部分13の縁に沿って延びるフレーム構造体15の内に取り付けられている。フレーム構造体は、例えばステンレス鋼板の組立部分要素から構成されていることが好ましい。
【0025】
図2に示すようなドアユニット7の実施の形態において、ドアリーフ9の下縁17は、ドアユニット7の閉止状態においてフレームシール部分19に保持されるよう構成されている。このフレームシール部分19は、図示の実施の形態において、敷居キャビティ20を有している。この敷居キャビティ20は、殺菌装置の周囲にある床面21に部分的に潜っている。フレームシール部分19には細長いシール材23が設けられており、このシール材23は、ドアユニット7の閉止状態においてチャンバー5に向かうような内向きのドアリーフ9の側面にシール状態で係合するよう構成されている。
【0026】
さらに、ドアフレームには、ドアユニット7の閉止状態においてドアリーフ9とシール状態で係合するよう動くような、入口の周縁に沿って実質的に延びるシール材が設けられている。殺菌装置1の好ましい実施の形態において、ドアリーフ9は、ドアユニットの閉止状態において押圧係合を行うよう略水平方向に移動するように構成されており、この際に、図示されていない操作可能な伝動手段によって、ドアリーフ9に適用される力によってドアフレームに細長いシール材が係合するようになっている。ドアユニット7が開くときには、伝動手段によってドアリーフ9に加えられる力が取り除かれ、このことによりドアリーフ9が、ハウジング3のフレームに取り付けられたシール材に係合する状態から解放されることとなる。このことによって、シール材と接触することにより発生する摩擦力による想定外の方法によりブレーキがかけられることなく、ドアリーフ9を横方向に移動させることができる。
【0027】
好ましい実施の形態においては、ドアリーフ9の上方で延びるガイド要素11は、水平面に対して、ドアリーフ9の閉止位置から開口位置までの移動方向が大きさ(α)の角度で傾くよう構成されている。ガイド要素11における傾きの角度αによって、ドアリーフ9が閉止位置から開口位置に移動するときに、当該ドアリーフ9を前述の下側フレームシール部分19に対して上方向に持ち上げることができる。また、ドアリーフ9が開口位置から閉止位置に移動するときに、当該ドアリーフ9を下方向に降ろすことができる。ガイド要素11の角度の大きさαは、好ましくは1°〜10°の間の角度となっており、より好ましくは1°〜5°の間の角度となっており、特に好ましくは2°〜3°の間の角度となっている。
【0028】
ドアリーフ9が上方向に持ち上げられることにより、閉止位置から開口位置に移動したときに、好ましい実施の形態におけるドアリーフ9は、その下縁17が殺菌装置の周囲にある床面21から上方に浮くような高さレベルに移動することができる。このようなドアリーフ9の上方向の持ち上がりにより、敷居キャビティ20が単に殺菌装置1の入口の前で実質的に延びるだけのようなドアユニット7が提供されることとなる。このことにより、スライドするドアを有するが、ドアリーフ9全体の交換動作において敷居キャビティ20を形成するために煩雑で骨が折れる作業を必要としないような殺菌装置1を導入することができる。
【0029】
2つのスライド手段25は、ドアリーフ9の上縁に形成されており、ガイド要素11に対する取り外し自在の係合を行わせるようになっている。各スライド手段25には2つのローラ27が設けられており、これらのローラ27は、好ましくは断面が四角でありドアリーフに向かう側面に貫通スロットが形成されるようなガイド要素11により、保持されるようになっている。
【0030】
殺菌装置1(図示せず)の一の実施の形態において、ドアリーフ9は駆動ベルトによって閉止位置と開口位置との間で正逆両方向に作動するようになっており、この駆動ベルトにドアリーフ9が取り付けられている。さらに、駆動ベルトは駆動モータに接続されていることが好ましい。
【0031】
図3aおよび図3bは、ドアリーフ9がどのようにして開口位置から閉止位置に移動するかについて示している。図3aに示すような開口位置において、ドアリーフ9全体は殺菌装置1の周囲にある床面21の上方に位置している。ドアリーフ9が開口位置から閉止位置に移動すると、角度αで傾いているようなガイド要素11により、このドアリーフ9は上下方向において降下する。ドアリーフ9の下方への移動により、当該ドアリーフ9は、徐々に、フレームの下部に設けられた敷居キャビティ20に挿入される。
【0032】
図3cに示すようにドアリーフ9が開口位置から閉止位置まで完全に移動すると、ドアリーフ9の下縁17が敷居キャビティ20に受け入れられる。ハウジング3に取り付けられたシール材に向かってドアリーフ9が略水平方向に移動させられることにより(このことは図示されていない)、図3cに示すような閉止状態のように、ドアリーフ9はハウジングにシール状態で係合するよう移動させられることが好ましい。
【0033】
本発明における上述の実施の形態は、クレームにより定義される発明の概念から外れることのないような範囲において当業者にとって修正および変更が可能であることが理解されよう。例えば、ドアリーフ9が最初にフレームシール部分10に対して上方向に移動しその後殺菌チャンバー5に対して横方向に移動することによって、フレームシール部分19に対するドアリーフ9の上下方向の移動を行わせるようにすることができる。また、ガイド要素11は様々な方法、すなわち異なる部分が異なる傾斜を持つようにすることにより形成することができる。例えば、ドアリーフ9を上下方向に持ち上げるとともに水平方向に移動させるために第1の部分が傾いており、この傾斜した部分に引き続いてドアリーフ9の横方向への移動を続行させるような水平部分が設けられる構成とすることができる。ドアリーフの上下方向の移動を行わせるための、互いに異なる傾斜が設けられるような複数の部分を有するガイド要素11を形成することもできる。また、ガイド要素11の傾いた部分は、直線的に傾いた部分のみならず、カーブした部分となるよう形成することもできることが理解されよう。
【0034】
さらに、ドアリーフ9に設けられる上述の細長いシール材について、ハウジング3とドアリーフ9との間のシールを形成するようなものとすることができることが理解されよう。
【0035】
また、下側フレームシール部分19を、チャンバー5の入口の下側フレーム部分19に向くような、ドアリーフ9の下面に設けられる細長いシール材として形成することができる。その結果、ドアリーフ9が開口位置から閉止位置に移動するときに当該ドアリーフ9が上下方向に移動することにより、細長いシール材を、チャンバー5の下側フレーム部分19に対してシール状態で係合するように移動させることができる。また、敷居キャビティ20を形成することなくドアリーフ9の下縁とチャンバー5の下側フレーム部分19との間をシールすることにより、チャンバー5への敷居のない入口を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施の形態による殺菌装置の概略図である。
【図2】図1に示す殺菌装置に用いられるドアユニットの斜視図である。
【図3a】図1に示す殺菌装置に用いられるドアユニットについて、ドアリーフが開口位置から閉止位置まで移動するときの一連の動きを示す図である。
【図3b】図1に示す殺菌装置に用いられるドアユニットについて、ドアリーフが開口位置から閉止位置まで移動するときの一連の動きを示す図である。
【図3c】図1に示す殺菌装置に用いられるドアユニットについて、ドアリーフが開口位置から閉止位置まで移動するときの一連の動きを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療対象物等の対象物を洗浄液で殺菌する殺菌装置(1)であって、
入口を有するチャンバー(5)を形成するハウジング(3)と、
閉止位置において前記入口を閉じるよう設けられた、ほぼ横方向に移動自在のドアリーフ(9)と、
実質的にドアリーフ(9)の移動方向に延び、この方向に沿ってドアリーフ(9)が移動するよう設置されているような少なくとも1つのガイド要素(11)と、
を備え、
前記ドアリーフ(9)の下縁は、閉止状態において対応する下側フレームシール部分(19)とシール状態で協働するようなドアシール部分(17)から構成されており、前記ドアリーフ(9)の前記ドアシール部分(17)は、当該ドアリーフ(9)が閉止位置から開口位置まで移動するときに、向かい合った下側フレームシール部分(19)に対して上下方向に移動するよう構成されていることを特徴とする殺菌装置。
【請求項2】
前記ガイド要素(11)は、少なくとも部分的に、前記閉止位置から前記開口位置までの前記ドアリーフ(9)の移動の方向が水平線に対して大きさ(α)の角度で傾くよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の殺菌装置。
【請求項3】
前記下側フレームシール部分(19)は、敷居キャビティ(20)の一部として構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の殺菌装置。
【請求項4】
前記敷居キャビティ(20)は、前記殺菌装置(1)の周囲にある床面(21)の溝部に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項5】
前記敷居キャビティ(20)は、敷居部分の少なくとも一部における溝部として構成されており、この溝部は前記殺菌装置(1)の周囲にある床面(21)よりも高い位置で少なくとも部分的に延びていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項6】
前記ドアリーフ(9)は、当該ドアリーフ(9)の略水平方向における移動により、内側に向かう面において閉止位置でハウジング(3)と協働してシールを行うよう移動することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項7】
前記ハウジング(3)における少なくとも1つの前記ガイド要素(11)は、前記ドアリーフ(9)の上方において延びており、前記ドアリーフ(9)は、少なくとも1つのスライド手段(25)により前記ガイド要素(11)とスライド自在に係合するようになっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項8】
少なくとも1つの前記スライド手段(25)は、前記ドアリーフ(9)に連結されたローラ要素として構成されていることを特徴とする請求項7記載の殺菌装置。
【請求項9】
前記ガイド要素(11)は、断面が四角である細長い形状となっており、その長手方向に沿って壁部分を貫通するようなスロットが形成されており、前記ローラ要素は少なくとも2つのローラ(27)を備えており、これらのローラ(27)は前記ガイド要素(11)における前記断面の内部において前記スロットの両側上を走行するよう構成されていることを特徴とする請求項8記載の殺菌装置。
【請求項10】
前記ドアリーフ(9)は、前記閉止位置と前記開口位置との間で正逆両方向にスライド移動するよう駆動ベルトに連結されており、この駆動ベルトはモータにより駆動されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項11】
前記ガイド要素(11)における傾斜角度の大きさ(α)は、好ましくは1°〜10°の間の角度となっており、より好ましくは1°〜5°の間の角度となっており、特に好ましくは2°〜3°の間の角度となっていることを特徴とする請求項2乃至10のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項12】
前記ドアリーフ(9)は、透明な部分(13)を少なくとも部分的に有していることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【公表番号】特表2007−534435(P2007−534435A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510656(P2007−510656)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000604
【国際公開番号】WO2005/102400
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(502163340)ゲティンゲ ディスインフェクション アクチボラゲット (4)
【Fターム(参考)】