説明

殺菌水生成装置及び方法,殺菌消臭装置及び方法並びに殺菌水

【課題】 原水を改質器に導入し改質してから、次亜塩素酸ナトリウムおよび希塩酸と混合して殺菌水を生成する。
【解決手段】 原水を引き込み細粒化させる水改質器と、次亜塩素酸ナトリウムが貯蔵された第1の薬液タンクと、希釈した酸が貯蔵された第2の薬液タンクと、前記水改質器と第1および第2の薬液タンクとに接続され改質水と次亜塩素酸ナトリウムと酸とを混合する混合器とを備え、前記水改質器が、セラミックの粒状体を充填した容器と、当該容器における流路の一方の端部またはその近傍から前記原水を導入する入水口と、前記流路の他方の端部またはその近傍から改質水を流出させる出水口とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は殺菌水生成装置及び方法並びにこれを用いた殺菌消臭装置及び方法に関し、より具体的には、セラミック粒状体を充填した水改質器に原水を導入し改質させてから次亜塩素酸ナトリウムおよび希塩酸と混合して効果の高い殺菌水を生成する装置及び方法並びにこの殺菌水を用いる殺菌装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、原水に対して次亜塩素酸ナトリウムと酸とを添加して殺菌水を生成する装置がある(例えば、特許文献1,2)。特許文献1の装置では、原水の流量のみならずpH値に応じて薬液添加量を調整することにより、生成される殺菌消臭水のpH値が好適な範囲内に管理されるようにしている。また特許文献2の装置では、次亜塩素酸ナトリウムおよび酸を供給するポンプの腐食を防ぐため、薬液タンクにエアを供給しその圧力で薬液が供給されるようにしたり、配管チューブを外側から圧迫して薬液を送り出す回転式圧送ポンプを用いている。
【特許文献1】特開2002−273452号公報
【特許文献2】特開2004−181275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような従来装置は水道水または井戸水といった原水を直接混合器に引き入れ次亜塩素酸ナトリウムおよび希塩酸と混合させており、これらの薬液を比較的低濃度で混合した場合に殺菌消臭力が維持できないものであった。このため十分な殺菌消臭力を得るにはある程度の量の薬液を混合する必要があり、コストの低減が困難なものとなっていた。また、次亜塩素酸ナトリウムと塩酸の量が多くなるとそれだけ混合器やその後に殺菌水を詰める容器や噴霧装置の部品などを腐食させる可能性が高まるとともに、環境への影響も問題となってくる。
【0004】
本発明は、薬液に混合する前段階で原水を改質器に導入し、水分子を細粒化させ励起することにより、次亜塩素酸を水分子で好適に包み込むようにして安定残留度を高め、生成される殺菌水の浸透力・洗浄力を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、原水を引き込み細粒化させる水改質器と、次亜塩素酸ナトリウムが貯蔵された第1の薬液タンクと、希釈した酸が貯蔵された第2の薬液タンクと、前記水改質器と第1および第2の薬液タンクとに接続され改質水と次亜塩素酸ナトリウムと酸とを混合する混合器とを備え、前記水改質器が、セラミックの粒状体を充填した容器と、当該容器における流路の一方の端部またはその近傍から前記原水を導入する入水口と、前記流路の他方の端部またはその近傍から改質水を流出させる出水口とを備えることを最も主要な特徴とする。
【0006】
この殺菌水生成装置において、前記第1および第2の薬液タンクと混合器とを接続する配管チューブの途中に、外側からチューブを圧迫するローラをチューブに沿って移動させることにより薬液を送り出す回転式圧送ポンプを備えることが望ましい。この圧送ポンプはパルスモータで駆動されることが望ましい。
【0007】
この殺菌水生成装置において、前記水改質器と混合器との間に前記改質水の供給量を制御する弁を備えることが望ましい。
【0008】
この殺菌水生成装置において、前記第1および第2の薬液タンクから前記混合器への配管に逆流防止弁が設けられており、当該逆流防止弁が、前記薬液タンク側の流路を閉塞可能なボールと、当該ボールを開位置と閉位置との間で案内する第1のスリットと、当該第1のスリットに連通して設けられ前記第1のスリットとは別に前記混合器側への流路を形成する第2のスリットとを備えることが望ましい。
【0009】
この殺菌水生成装置はさらに、前記水改質器と混合器の間で前記混合器への改質水供給量を計測する流量計測手段と、ここで計測された流量に応じて前記混合器への薬液供給量を制御する制御手段とを備えることが望ましい。
【0010】
また本発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の装置で生成された殺菌水を噴霧する噴霧発生手段を備えることを特徴とする。
【0011】
この殺菌消臭装置はさらに、マイナスイオン発生手段を備えることが望ましい。
【0012】
さらに本発明は、原水をセラミックの粒状体が充填された水改質器に導入し改質するステップと、ここで改質された水を、次亜塩素酸ナトリウムおよび希釈した酸とともに混合器に導入して混合するステップと、を備えることを特徴とする殺菌水生成方法に関する。
【0013】
さらに本発明は、上記方法にて生成された殺菌水を、プール,浴槽,トイレ,ゴミ置き場,喫煙所,厨房,食品,医療施設,畜舎,ペットショップあるいは病院,家屋,車両,手足や喉のいずれかに供給あるいは噴霧するステップを備えることを特徴とする殺菌または消臭方法に関する。
【0014】
さらに本発明は、原水をセラミックの粒状体が充填された水改質器に導入し改質するステップと、ここで改質された水を、次亜塩素酸ナトリウムおよび希釈した酸とともに混合器に導入して混合するステップとを含む方法により生成されたことを特徴とする殺菌消臭水に関する。
【0015】
本発明の好適な実施例にかかる殺菌水生成装置は、次亜塩素酸ナトリウムが貯蔵された第1の薬液タンクと、希釈した酸が貯蔵された第2の薬液タンクと、前記次亜塩素酸ナトリウムおよび酸を水と混合して殺菌水を生成する混合器と、当該混合器内の殺菌水のpH値を測定するpH値測定手段と、前記次亜塩素酸ナトリウムと酸の混合器への供給量を制御する制御部とを備え、当該制御部が、前記混合器に引き入れられる水のpHが7.0である場合の前記次亜塩素酸ナトリウムおよび酸の供給割合を記憶した初期設定メモリを備え、まず当該初期設定メモリに登録された供給割合で前記次亜塩素酸ナトリウムおよび酸の供給量を決定し、次に前記pH値測定手段が測定した殺菌水の実pH値に応じて前記次亜塩素酸ナトリウムおよび/または酸の供給量を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の殺菌水生成装置及び方法並びに殺菌消臭装置及び方法では、原水を次亜塩素酸ナトリウムおよび酸と混合する前段階でセラミックの粒状体を充填した水改質器に導入するため、薬液と混合される水の分子が細粒化して次亜塩素酸ナトリウムを包み込み、気化を抑制する。その結果、経時による殺菌力の低下を遅らせて、時間が経っても強い殺菌消臭力が発揮される。また、改質水で生成した殺菌水は分子が細粒化し励起されているため、物質の微細な凹凸の隅々まで行き渡って浸透し、高い殺菌消臭効果を得ることができる。この効果は特に低濃度で著しく見られ、実験により殺菌時間が短縮されることが判明している。
【0017】
また、薬液供給配管チューブを外側から圧迫して薬液を送り出す回転式圧送ポンプを用いているため、次亜塩素酸ナトリウムや希塩酸を混合器に供給するポンプが腐食してしまうようなことがない。また、混合器に改質水を供給する制御弁を設けることにより、混合器に供給される改質水の流量および流圧を細かく制御して生成される殺菌水のpH値を好適な範囲に保つことが可能となる。さらに、混合器に薬液を供給するポンプをパルスモータで制御する構成としたため、精密な供給量制御が可能となる。
【0018】
また、薬液供給配管に設けた逆流防止弁において、薬液タンク側の流路を閉塞可能なボールと、当該ボールを開位置と閉位置との間で移動させる第1のスリットと、当該第1のスリットに連通させて設けられ前記第1のスリットとは別に前記混合器側への流路を形成する第2のスリットとを設けたため、薬液供給時に逆流防止ボールが混合器の供給口側に移動した際に当該供給口を塞いでしまうことがなく、薬液の正常供給を妨げることがない。さらに、混合器への改質水供給量を計測する流量監視手段と、ここで計測された流量に応じて前記混合器への薬液供給量を制御する制御手段とを設けたため、生成される殺菌水のpH値を好適に制御することが可能となる。
【0019】
また、本発明にかかる殺菌消臭装置は、上記のように生成された殺菌水を例えば超音波振動により気化して噴霧する噴霧手段を備え、殺菌消臭対象となる雰囲気中に噴霧して効果的に消臭・殺菌することができる。またこの装置にマイナスイオン発生手段を設けることにより、殺菌・消臭効果に加え人体に対するリラクゼーション効果を与えることができる。この場合にも上記のとおり殺菌水の効果を維持しつつ薬液濃度を低く抑えることができるため、装置や環境に対する影響を最小限に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の実施形態について、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明にかかる殺菌水生成装置の構成を示す正面図である。図1に示すように、本実施例の殺菌水生成装置1は、水道水または井戸水といった原水を引き入れる入水管11と、配管12で連結された2つの水改質器13と、この水改質器13と配管14を介して接続された混合器15と、混合器15に供給される次亜塩素酸ナトリウムを貯蔵する次亜塩素酸ナトリウムタンク16と、混合器15に供給される希塩酸を貯蔵する希塩酸タンク17と、混合器15で生成された殺菌水を供給する出水管18とを備えている。本実施例では水改質器13を2つ直列に接続しているが、これは1つのみであっても3つ以上であってもよい。
【0022】
図2は、図1に示す殺菌水生成装置1の機能的な構成を説明するための概略ブロック図である。図2に示すように、装置1はさらに、入水管11に設けられた入水バルブ20と、水改質器13から混合器15への改質水供給量を制御する電磁バルブ21と、改質水の実供給量を測定する流量計22と、減圧減流計23と、薬液タンク16,17からの配管途中にそれぞれ設けられるチューブロータリーポンプ(回転式圧送ポンプ)24,24と、これらの配管の供給口に設けられた逆流防止弁25,25と、混合器15内で生成される殺菌消臭水の実pH値を測定するpH値測定手段26と、電磁バルブ21,流量計22,ポンプ24,pH値測定手段26に接続された制御部27と、装置1からの出水管18に設けられた出水バルブ28とを備えている。本実施例における電磁バルブ21,流量計22,チューブロータリーポンプ24,pH値測定手段26,制御部27はそれぞれ混合器15に組み込まれている。
【0023】
図3は、水改質器13の構成を示す概略断面図である。水改質器13は、例えば高さ80−150cm、直径15−30cm程度の円筒形に構成され、上下が密閉されている。水改質器13の内部には粒径2−10mm程度のセラミックの粒状体が充填されている。図3に示すように、本実施例では水改質器13の入水口配管は改質器13の上側部分から入りその下端部近傍まで延在し、一方で出水配管は改質器13の上端部近傍に設けられており、通過する水が水改質器13内でなるべく長い距離を移動するよう構成されている。セラミックは近赤外線領域から遠赤外線領域に亘る広範囲の電磁波を常時放射しており、改質器13を通る原水がこれによって共振し且つ励起され、細粒(クラスタ)化する。この改質水は大きなエネルギーを持ち、また細粒化しているため後段で混合される次亜塩素酸ナトリウムを包み込み気化を防止するとともに浸透性に優れたものとなる。
【0024】
本実施例では水改質器13を2つ設けて水をセラミック充填材により多く触れさせるようにしているが、上述のとおり水改質器13は1つのみであっても、3つ以上としてもよい。また、水をより長い間セラミックに触れさせる目的において、改質器13の内側に複数の仕切り板等を設けて、水がより長く改質器13内で循環し最終的に混合器15へと導入されるようにしてもよい。セラミックの粒は表面積を大きくとるため球状とし、またその粒径は入水口と出水口に配設されるフィルタ(図示せず)から抜け落ちない限りにおいて細かい方が望ましいが、この形状や大きさは本実施例のものに限るものではない。
【0025】
薬液タンク16には次亜塩素酸ナトリウム水溶液が充填され、薬液タンク17には希硫酸水溶液が充填される。これらは改質水とともに混合器15に供給され、ここで混合されて殺菌消臭水となる。図4は、薬液タンク16,17と混合器15とを接続する配管途中に設けられ、薬液供給量を制御するチューブロータリーポンプ24,24の構成を示す図である。本図において、図4(a)が概略縦断面図、図4(b)が概略横断面図である。本図に示すように、チューブロータリーポンプ24はそれぞれケース31にU字状に形成された凹部32と、その内側に配置されパルスモータ33により回転駆動される回転盤34と、この回転盤34の直径方向における外側位置に相対称に軸支された2つの圧送ローラ35,35とを備えている。この2つの圧送ローラ35は回転盤34に対して回転自在であり、回転盤34の径方向外側に延在している。薬液タンク16,17からの配管チューブ36は軟質樹脂でなり、図4(b)に示すように凹部32の内壁に沿ってU字状に配置され、圧送ローラ32と凹部32の内壁とに挟まれ圧迫される構成である。
【0026】
このように構成されたチューブロータリーポンプ24では、パルスモータ33を駆動することにより回転盤34が回転し、これに伴い圧送ローラ35が配管チューブ36を凹部32の内壁に押しつけながら凹部32の内壁に沿って移動する。これにより配管チューブ35内の次亜塩素酸ナトリウムまたは希塩酸が圧送され、混合器15に供給される。パルスモータ33の回転量は制御部26に細かく制御される。パルスモータ33は公知のものを適用するが、その回転量および速度を精密に制御することができる。
【0027】
図5(a)は、薬液タンク16,17と混合器15とを接続する配管チューブ36の逆流防止弁25の構成を説明するための概略図であり、図5(b)は逆流防止弁25の正面図である。この逆流防止弁25は、薬液タンク側の流路を閉塞可能なボール41と、当該ボール41を混合器側である開位置と薬液タンク側である閉位置との間で案内する第1のスリット42と、当該第1のスリット42に連通して設けられ第1のスリットとは別に混合器15側への流路を形成する第2のスリット43と、パッキン44とを備えている。第1のスリット42の根元側は配管チューブ36の流路と連続的に設けられており、ボール41が第1のスリット42の根元側に移動すると流路が閉塞され薬液の逆流が防止される構成となっている。前述したチューブロータリーポンプ24の駆動により薬液が圧送されるとボール41が混合器15側である開位置(図5(a)における右側)に移動し、流路が開いて薬液が混合器15に供給される。この場合にボール41は第1のスリット42の先端部まで移動するが、薬液は第2のスリット43を通って流れるためボール41が薬液の正常供給を阻害することがない。
【0028】
次に、制御部27の処理について説明する。図6は制御部27の構成を示すブロック図である。制御部27は処理手段51と各種パラメータ用記憶手段52とを備え、前述した各バルブやチューブロータリーポンプ24等の他、入力部と表示部とを備える操作パネル53に接続されている。装置1の利用者は操作パネル53から次亜塩素酸ナトリウムおよび/または希塩酸の濃度や生成される殺菌水のpH値、殺菌水の生成量などのパラメータを設定すると、これらの情報がパラメータ用記憶手段52に記憶される。また記憶手段52は初期設定メモリ54を備え、ここには混合器15に引き入れられる改質水のpHが7.0である場合に、生成される殺菌水を利用者が希望するpH値とするための次亜塩素酸ナトリウムおよび酸の供給割合が予め登録されている。すなわち、利用者が設定しうるpH値毎に、次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸の供給割合が予め試験により求められ、初期設定メモリ54に登録されているものとする。
【0029】
実際の殺菌水生成工程において、制御手段51は、水改質器13から供給される改質水の流量を流量計21により取得し、また記憶手段52から設定されたpH値を取得し、初期設定メモリ54を参照して次亜塩素酸ナトリウムおよび酸の供給量を算出し、チューブロータリーポンプ24を駆動する。しかしながら改質水のpH値は原水の酸化還元電位や水温等に影響され必ずしも一定でないため、生成される殺菌水のpH値が設定PH値と異なってしまう場合がある。
【0030】
このため制御手段51はさらに、混合器15に設けられたpH値測定手段26により実際に生成された殺菌水の実pH値を取得し、これを記憶手段52に設定されたpH値と比較して、比較結果に基づき次亜塩素酸ナトリウムおよび/または希塩酸の供給量を調整する。すなわち実pH値が希望設定値より高ければアルカリ性が強いため薬液をさらに供給すべくチューブロータリーポンプ24を駆動し、実pH値が希望設定値より低ければ酸性が強すぎるため薬液の供給を停止して改質水を増やすように電磁バルブ21を制御する。このように装置1を制御することにより、希望する濃度やpH値の殺菌水を確実に得ることができる。
【0031】
このようにして生成された殺菌消臭水は、プール,浴槽,トイレ,ゴミ置き場,喫煙所,厨房,食品,医療施設,畜舎,ペットショップあるいは病院,家屋,車両,手足や喉のいずれかに直接供給あるいは噴霧する等して、これらの殺菌および消臭に利用することができる。この殺菌水を噴霧する場合は、霧吹きや超音波気化装置(スチーム発生装置)などの公知手段を用いることができる。また、このようなスチーム発生装置を用いる場合、公知のマイナスイオン発生装置を組み込んで殺菌水とともにマイナスイオンを放出するよう構成すると、当該装置を配備した環境の殺菌・消臭に加えてヒーリングあるいはリラクゼーション効果を得ることができる。
【0032】
表1および表2は、本実施例の殺菌水生成装置1で生成した殺菌水と、水改質器13を用いることなく直接引き込まれた水道水に次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸とを混合した従来の殺菌水とで殺菌効果を比較した結果である。なお、殺菌水はいずれも4°Cで1ヶ月保存したものを用いている。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
これらの表から明らかなように、本発明にかかる殺菌消臭水は、水道水に直接薬液を混合した殺菌水と比較して、低濃度での殺菌力が優れていることが実証されている。水改質器13を通過させた改質水を用いることにより、細粒化した水分子が次亜塩素酸ナトリウムを包み込み気化を遅らせてるため殺菌力が長期に亘り残留するとともに、高い浸透力を有するため殺菌対象の隅々まで行き渡り、より高い殺菌消臭効果を得ることができる。
【0036】
本発明の実施例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施例に何ら限定されるものではなく、請求項の記載の意図する範囲を超えない限りにおいて、他の様々な変形例として実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る殺菌水は、殺菌消毒や消臭が必要なあらゆる分野、例えば医療施設やプール等の施設から一般家庭の部屋や車内の消毒など、さらには野菜など食品の洗浄水としても好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明にかかる殺菌水生成装置の構成を示す正面図である。
【図2】殺菌水生成装置の構成を説明するための機能ブロック図である。
【図3】水改質器の構成を示す概略断面図である。
【図4】チューブロータリーポンプの構成を示す概略図である。
【図5】逆流防止弁の構成を示す概略図である。
【図6】制御部の構成を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
1 殺菌水生成装置
13 水改質器
15 混合器
16 次亜塩素酸ナトリウムタンク
17 希塩酸タンク
21 電磁バルブ
22 流量計
23 減圧減流計
24 チューブロータリーポンプ(圧送ポンプ)
25 逆流防止弁
26 pH測定装置
33 パルスモータ
34 回転盤
35 圧送ローラ
36 配管チューブ
41 ボール
42 第1のスリット
43 第2のスリット
51 処理手段
52 記憶手段
53 操作パネル
54 初期設定メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を引き込み細粒化させる水改質器と、次亜塩素酸ナトリウムまたはその水溶液が貯蔵された第1の薬液タンクと、酸またはその水溶液が貯蔵された第2の薬液タンクと、前記水改質器と第1および第2の薬液タンクとに接続され改質水と次亜塩素酸ナトリウムと酸とを混合する混合器とを備え、前記水改質器が、セラミックの粒状体を充填した容器と、当該容器における流路の一方の端部またはその近傍から前記原水を導入する入水口と、前記流路の他方の端部またはその近傍から改質水を流出させる出水口とを備えることを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の殺菌水生成装置において、前記第1および第2の薬液タンクと混合器とを接続する配管チューブの途中に、外側からチューブを圧迫するローラをチューブに沿って移動させることにより薬液を送り出す回転式圧送ポンプを備えることを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の殺菌水生成装置において、前記圧送ポンプはパルスモータで駆動されることを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の殺菌水生成装置において、前記水改質器と混合器との間に前記改質水の供給量を制御する弁を備えることを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の殺菌水生成装置において、前記第1および第2の薬液タンクから前記混合器への配管に逆流防止弁が設けられており、当該逆流防止弁が、前記薬液タンク側の流路を閉塞可能なボールと、当該ボールを開位置と閉位置との間で案内する第1のスリットと、当該第1のスリットに連通して設けられ前記第1のスリットとは別に前記混合器側への流路を形成する第2のスリットとを備えることを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の殺菌水生成装置がさらに、前記水改質器と混合器の間で前記混合器への改質水供給量を計測する流量計測手段と、ここで計測された流量に応じて前記混合器への薬液供給量を制御する制御手段とを備えることを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の装置で生成された殺菌水を噴霧する噴霧発生手段を備えることを特徴とする殺菌消臭装置。
【請求項8】
請求項7に記載の殺菌消臭装置がさらに、マイナスイオン発生手段を備えることを特徴とする殺菌消臭装置。
【請求項9】
原水をセラミックの粒状体が充填された水改質器に導入し改質するステップと、ここで改質された水を、次亜塩素酸ナトリウムおよび希釈した酸とともに混合器に導入して混合するステップと、を備えることを特徴とする殺菌水生成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法にて生成された殺菌水を、プール,浴槽,トイレ,ゴミ置き場,喫煙所,厨房,食品,医療施設,畜舎,ペットショップあるいは病院,家屋,車両,手足や喉のいずれかに供給あるいは噴霧するステップを備えることを特徴とする殺菌または消臭方法。
【請求項11】
原水をセラミックの粒状体が充填された水改質器に導入し改質するステップと、ここで改質された水を、次亜塩素酸ナトリウムおよび希釈した酸とともに混合器に導入して混合するステップとを含む方法により生成されたことを特徴とする殺菌消臭水。
【請求項12】
次亜塩素酸ナトリウムが貯蔵された第1の薬液タンクと、希釈した酸が貯蔵された第2の薬液タンクと、前記次亜塩素酸ナトリウムおよび酸を水と混合して殺菌水を生成する混合器と、当該混合器内の殺菌水のpH値を測定するpH値測定手段と、前記次亜塩素酸ナトリウムと酸の混合器への供給量を制御する制御部とを備え、当該制御部が、前記混合器に引き入れられる水のpHが7.0である場合の前記次亜塩素酸ナトリウムおよび酸の供給割合を記憶した初期設定メモリを備え、まず当該初期設定メモリに登録された供給割合で前記次亜塩素酸ナトリウムおよび酸の供給量を決定し、次に前記pH値測定手段が測定した殺菌水の実pH値に応じて前記次亜塩素酸ナトリウムおよび/または酸の供給量を変更することを特徴とする殺菌水生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−326489(P2006−326489A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−153400(P2005−153400)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505162559)
【Fターム(参考)】