説明

殺虫作用を有する新規アゾール類

【課題】新規ヘテロ環式化合物、その調製方法、その調製のための中間体、及び、その殺有害生物剤としての使用、特に、病害動物を防除するための使用を提供する。
【解決手段】式(IX)で表される化合物。


[式中、Aは、場合によりハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ又はC1-C4-ハロアルコキシで置換されていてもよい、フェニルを表し;R1は、水素又はC1-C3-アルキルを表し;R2は、水素又はC1-C3-アルキルを表し;R3は、水素又はC1-C3-アルキルを表し;R4は、水素又はC1-C3-アルキルを表す]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ヘテロ環式化合物、その調製方法、及び、その作物保護剤としての使用、特に、病害動物を防除するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、2-イミノ-4-アミノ-チアゾリンなどの、アミノ基で置換されている様々なイミノヘテロ環化合物は、染料及び活性化合物の中間体として、あるいは、放射線防護作用を有する物質として既に知られている。しかしながら、作物保護剤としての使用、特に、病害動物(animal pest)を防除するための使用に関しては、これまで開示されていない(cf. DE-A-2921683; S.M. Abdelallら, J. heterocyclic Chem. 25, 1849-1956, 1988; E.N. Goncharenkoら, Radiobiologiya 22(2), 252-255, 1982)。
【0003】
例えば、3-アミノ-及び3-アルキルアミノ-5-イミノ-2,5-ジヒドロフランなどの、アミノ基置換されている別のイミノヘテロ環化合物も知られている(cf. S.R. Landor J. Chem. Eoc. Perkin Trans. 1201-1204, 1991; M.Yu. Skvortsovら, Zh. Org. Khim. 27(3), 526-530, 1991; M. Yu. Skvortsovら, Zh. Org. Khim. 22(2), 255-259, 1986; M. Yu. Skvortsovら, Zh. Org. Khim. 21(1), 221-222, 1985)。上記のようなタイプの構造を有する特定のイミノヘテロ環化合物、例えば、2-イミノ-4-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-5,5-ジメチル-2,5−ジヒドロフランなどは、抗炎症性活性及び鎮痛性活性を有する(cf. B.A. Trofimovら, SU-1392872, 1998)。しかしながら、作物保護剤としての使用、特に、病害動物を防除するための使用に関しては、これまで全く開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第2921683号
【特許文献2】旧ソビエト連邦特許発明明細書第1392872号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】S.M. Abdelallら, J. heterocyclic Chem. 25, 1849-1956, 1988
【非特許文献2】E.N. Goncharenkoら, Radiobiologiya 22(2), 252-255, 1982
【非特許文献3】S.R. Landor J. Chem. Eoc. Perkin Trans. 1201-1204, 1991
【非特許文献4】M.Yu. Skvortsovら, Zh. Org. Khim. 27(3), 526-530, 1991
【非特許文献5】M. Yu. Skvortsovら, Zh. Org. Khim. 22(2), 255-259, 1986
【非特許文献6】M. Yu. Skvortsovら, Zh. Org. Khim. 21(1), 221-222, 1985
【発明の概要】
【0006】
さて、本発明は、式(I):
【0007】
【化1】

[式中、
Aは、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよいヘタリール(hetaryl)又は場合により置換されていてもよいヘテロシクリルを表し;
は、水素又はC-C-アルキルを表し;
は、水素又はC-C-アルキルを表し;
は、水素又はC-C-アルキルを表し;
は、水素又はC-C-アルキルを表し;
Xは、N又はCHを表し;
Yは、CN又はNOを表し;
Zは、CH、O、S、SO、SO又はNRを表し;
は、水素又はC-C-アルキルを表す]
で表される新規ヘテロ環式化合物を提供する。
【0008】
さらに、式(II):
【0009】
【化2】

で表される化合物を、適切なシアン化剤(cyanating agents)と反応させる(この場合、式中のYがCNを表す式(I)の化合物が得られる)か、又は、適切なニトロ化剤と反応させる(この場合、式中のYがNOを表す式(I)の化合物が得られる)ことにより、式(I)の化合物が得られるということが見いだされた。
【0010】
最後に、式(I)で表される新規化合物が極めて顕著な生物学的性質を有しており、特に病害動物を防除するのに適していること、特に、農業において、森林において、貯蔵製品及び貯蔵材料の保護において、並びに、衛生分野において遭遇する昆虫、クモ形類動物及び線虫を防除するのに適していることが見いだされた。
【0011】
式(I)は、本発明化合物の一般的な定義を与える。
【0012】
上記及び下記の式に記載されている好ましい置換基又は好ましい基(radicals)の範囲を以下に示す。
【0013】
Aは、好ましくは、場合によりハロゲン、シアノ、ニトロ、C-C-アルキル、C-C-ハロアルキル、C-C-アルコキシ又はC-C-ハロアルコキシで置換されていてもよい、フェニルを表す。
【0014】
さらに、Aは、好ましくは、場合によりフッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、C-C-アルキル(これは、場合によりフッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい)、C-C-アルコキシ(これは、場合によりフッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい)、C-C-アルキルチオ(これは、場合によりフッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい)又はC-C-アルキルスルホニル(これは、場合によりフッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい)で置換されていてもよい、ピラゾリル、1,2,4-トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、ピリジル、ピラジニル又はピリミジニルを表わす。
【0015】
さらに、Aは、好ましくは、1個のメチレン基がO又はSで置き換えられている、場合によりハロゲン又はC-C-アルキルで置換されていてもよい飽和C-C-シクロアルキル基を表す。
【0016】
は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n-プロピル又はi-プロピルを表す。
【0017】
は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n-プロピル又はi-プロピルを表す。
【0018】
は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n-プロピル又はi-プロピルを表す。
【0019】
は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n-プロピル又はi-プロピルを表す。
【0020】
Xは、好ましくは、N又はCHを表す。
【0021】
Yは、好ましくは、CN又はNOを表す。
【0022】
Zは、好ましくは、CH、O、S又はNRを表す。
【0023】
は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n-プロピル又はi-プロピルを表す。
【0024】
Aは、特に好ましくは、それぞれが、場合によりハロゲン(特に、塩素)又はC-C-アルキル(特に、メチル)で置換されていてもよい、チアゾリル又はピリジルを表す。
【0025】
さらに、Aは、特に好ましくは、場合によりハロゲン(特に、塩素)又はC-C-アルキル(特に、メチル)で置換されていてもよい、テトラヒドロフリル基を表す。
【0026】
は、特に好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0027】
は、特に好ましくは、水素、メチル又はエチルを表す。
【0028】
は、特に好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0029】
は、特に好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0030】
Xは、特に好ましくは、N又はCHを表す。
【0031】
Yは、特に好ましくは、CN又はNOを表す。
【0032】
Zは、特に好ましくは、CH、O、S又はNRを表す。
【0033】
は、特に好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0034】
Aは、特に極めて好ましくは、
【0035】
【化3】

で表される基の1つを表す。
【0036】
は、特に極めて好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0037】
は、特に極めて好ましくは、メチル又はエチルを表す。
【0038】
は、特に極めて好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0039】
は、特に極めて好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0040】
Xは、特に極めて好ましくは、N又はCHを表す。
【0041】
Yは、特に極めて好ましくは、CN又はNOを表す。
【0042】
Zは、特に極めて好ましくは、CH、O、S又はNRを表す。
【0043】
は、特に極めて好ましくは、水素又はメチルを表す。
【0044】
式(I)の化合物の特定の群においては、XはNを表す。
【0045】
式(I)の化合物のさらに特定の群においては、XはCHを表す。
【0046】
式(I)の化合物のさらに特定の群においては、YはCNを表す。
【0047】
式(I)の化合物のさらに特定の群においては、YはNOを表す。
【0048】
式(I)の化合物のさらに特定の群においては、Aは
【0049】
【化4】

を表す。
【0050】
式(I)の化合物のさらに特定の群においては、Aは
【0051】
【化5】

を表す。
【0052】
式(I)の化合物のさらに特定の群においては、Aは
【0053】
【化6】

を表す。
【0054】
上記した一般的な又は好ましい基の定義又は例示は、最終的な生成物に適用されるが、対応して、出発物質及び中間体にも適用される。上記した基の定義は必要に応じて互いに組み合わせることができる。即ち、それぞれ好ましい基の範囲の間で組み合わせることができる。
【0055】
本発明において好ましい式(I)の化合物は、上記で好ましいものとして挙げられている意味の組合せを含む化合物である。
【0056】
本発明において特に好ましい式(I)の化合物は、上記で特に好ましいものとして挙げられている意味の組合せを含む化合物である。
【0057】
本発明において特に極めて好ましい式(I)の化合物は、上記で特に極めて好ましいものとして挙げられている意味の組合せを含む化合物である。
【0058】
上記及び下記において与えられている基の定義において、アルキルなどの炭化水素基は、個々の場合において、可能である限りにおいて直鎖又は分枝鎖であり、また、アルコキシなどの、ヘテロ原子と結合しているものも包含される。
【0059】
例えば、出発物質として4-(N-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-メチル)アミノ-2-イミノ-2,5-ジヒドロ-[1,3]-チアゾリン及び臭化シアンを用いた場合、本発明の調製方法の工程は、下記反応図式によって表すことができる。
【0060】
【化7】

式(II)で表される化合物は新規化合物であり、同様に、本発明の主題の一部を構成する。
【0061】
特に、可変構造XとZの意味に応じて、式(II)の化合物を調製するために様々な方法を考慮し得る。式(I)の幾つかの化合物も、別の方法で調製することができる。
【0062】
これを、先ず下記製法図式(I)に示す。
【0063】
【化8】

製法図式(I)に記載されている反応は、一般に知られている方法で行うことができる。
【0064】
式(V)の化合物は、硫化剤(sulfurising reagent)と反応させることにより式(IV)の化合物に変換することができる。
【0065】
文献には、例えば、硫化水素(HS)、硫化水素/塩化水素(HS/HCl)、過硫化水素/塩化水素(H/HCl)、ジ(ジエチルアルミニウム)スルフィド[(EtAl)S]、高分子エチルアルミニウムスルフィド[(EtAlS)]、二硫化ケイ素(SiS)、三硫化二ホウ素(B)、五塩化リン/三硫化二アルミニウム/硫酸ナトリウム(PCl/Al/NaSO)、硫化ナトリウム/硫酸(NaS/HSO)、五硫化二リン(P)、五硫化二リン/ピリジン(P/Py)、ジエチルチオカルバモイルクロリド、五硫化二リン/トリエチルアミン(P/NEt)、五硫化二リン/n-ブチルリチウム(P/n-BuLi)、五硫化二リン/重炭酸ナトリウム(P/NaHCO;「シェーレン試薬(Scheeren's Reagent)」、Na2+[P10O]2−の形成)、五硫化二リン/メタノール(P/MeOH)、SCN-CO-OEt、PSCl・(NMe)3−x(X=0〜3)、ビス(トリシクロヘキシルスズ)スルフィド/三ハロゲン化ホウ素[(C11)Sn]S+BX(X=Cl, F)、EP-0280867(1988)、ビス(1,5-シクロオクタンジイルボリル)スルフィド[(9-BBN)S] 、硫化剤として又は五硫化リン代替としての2,4-ビス(メチルチオ)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド「デイビー試薬メチル(Davy Reagent Methyl)」(DR-Me)、2,4-ビス(エチルチオ)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド「デイビー試薬エチル(Davy Reagent Ethyl)」(DR-Et)、2,4-ビス(p-トリルチオ)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド「デイビー試薬p-トリル(Davy Reagent p-Tolyl)又はハイムガートナー試薬(Heimgartner Reagent)」(DR-T)、2,4-ビス-(4-フェノキシフェニル)-2,4-ジチオキソ-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン「ベロー試薬(Belleau's Reagent)(BR)」、2,4-ビス-(4-フェニルチオフェニル)-2,4-ジチオキソ-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン、2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-2,4-ジチオキソ-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン「ローエソン試薬(Lawesson's Reagent)(LR)」(cf. Davy Reagent: H. Heimgartnerら, Helv. Chim. Acta 70, 1987, p. 1001; Belleau's Reagent: Tetrahedron 40, 1984, p. 2047; Tetrahedron 40, 1984, p. 2663; Tetrahedron Letters 24, 1983, p. 3815; I. Thomsonら, Org. Synth. 62, 1984, p. 158 及びその中で引用されている文献; D. Brillon Synthetic Commun. 20 (19), 1990, p. 3085 及びその中で引用されている文献; オリゴペプチドの選択的チオ化(selective thionation); K. Clausenら, J. Chem. Soc., Perkin Trans I 1984, 785; O.E. Jensenら, Tetrahedron 41, 1985, p. 5595;「Lawesson's Reagent, (LR)」についてのレビュー: R. A. Cherkasovら, Tetrahedron 41, 1985, p. 2567; M.P. Cavaら, Tetrahedron 41, 1985, p. 5061;ジボリルスルフィド: Liebigs Ann. Chem. 1992, p. 1081 及びその中で引用されている文献; Metznerら, Sulfur Reagents in Organic Synthesis, B. Harcourt: London 1994, Academic Press, p. 44-45)などの多くの異なった硫化剤が記載されている。
【0066】
別の可能性は、例えば、RBF(R:メチル、エチル) を用いるO-アルキル化(H. Meerweinら, Justus Liebigs Ann. Chem. 641, (1961) p. 1)とそれに続く反応中間体と無水NaSHの反応(R. E. Eibeck, Anorg. Syn. 7, (1963) p. 128)、クロロイミニウム塩のその場での(in situ)形成とそれに続くテトラチオモリブデートとの反応、特に、ベンジルトリエチルアンモニウムテトラチオモリブデート[(Ph-CH-NEt)MoS] との反応(Tetrahedron Lett. 36 (45), 1995, p. 8311)、又は、ヘキサメチルジシラチアン(TMSS)(TMS:トリメチルシリル;P.L. Fuchsら, J. Org. Chem. 59, 1994, p. 348)との反応などの反応経路である。
【0067】
好ましい硫化剤は、リン試薬(phosphorus reagent)、例えば、五硫化二リン(P)、五硫化二リン/ピリジン(P/Py)、五硫化二リン/トリエチルアミン(P/NEt)、五硫化二リン/重炭酸ナトリウム(P/NaHCO「シェーレン試薬(Scheeren's Reagent)」)、又は、特に好ましくは、非ラセミ化2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-2,4-ジチオキソ-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン(LR:ローエソン試薬(Lawesson's Reagent))(K. Clausen, M. Thorsen, S.O. Lawesson Tetrahedron 37, 1981, p. 3635)、2,4-ビス-(4-フェノキシフェニル)-2,4-ジチオキソ-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン「ベロー試薬(Belleau's Reagent)(BR)」又は2,4-ビス-(4-フェニルチオフェニル)-2,4-ジチオキソ-1,3,2,4-ジチアジホスフェタンなどである。
【0068】
一般に、上記調製方法は、稀釈剤の存在下で行うのが有利である。稀釈剤は、有利には、上記調製方法の全工程を通して反応混合物が容易に撹拌可能な状態にあるような量で使用する。本発明の調製方法を行うのに適切な稀釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。
【0069】
例として挙げることができるのは以下の通りである:ハロゲン化炭化水素類、特に、塩素化炭化水素類、例えば、テトラクロロエチレン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン、塩化メチレン、ジクロロブタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ペンタクロロエタン、ジフルオロベンゼン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、トリクロロベンゼン;アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール;エーテル類、例えば、エチルプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、アニソール、フェネトール、シクロヘキシルメチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ-n-ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロジエチルエーテル、及び、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドポリエーテル類;アミン類、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N-メチル-モルホリン、ピリジン、及び、テトラメチレンジアミン;ニトロ化炭化水素類、例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、クロロニトロベンゼン、o-ニトロトルエン;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、m-クロロベンゾニトリル、及び、さらに、化合物、例えば、テトラヒドロチオフェンジオキシド及びジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ベンジルメチルスルホキシド、ジイソブチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジイソアミルスルホキシド;スルホン類、例えば、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジブチルスルホン、ジフェニルスルホン、ジヘキシルスルホン、メチルエチルスルホン、エチルプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、及び、ペンタメチレンスルホン;脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、及び、工業用炭化水素類、例えば、例えば40℃〜250℃の範囲の沸点を有する成分を含むホワイトスピリット(White Spirits)、シメン、70℃〜190℃の範囲の沸点内にある石油留分、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、オクタン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ニトロベンゼン、キシレン;エステル類、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、及び、さらに、炭酸ジメチル、炭酸ジブチル、炭酸エチレン;アミド類、例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジプロピルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、N-メチルピロリジン、N-メチルカプロラクタム、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)ピリミジン、オクチルピロリドン、オクチルカプロラクタム、1,3-ジメチル-2-イミダゾリンジオン、N-ホルミルピペリジン、N,N'-1,4-ジホルミルピペラジン;ケトン類、例えば、アセトン、アセトフェノン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン。
【0070】
もちろん、本発明の調製方法は、上記した溶媒及び稀釈剤の混合物中でも実施することができる。
【0071】
使用すべき稀釈剤は、個々の特定のケースにおいて使用する硫化剤に依存する。
【0072】
しかしながら、チオ化(thionation)にとって好ましい稀釈剤は、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ニトロベンゼン又はキシレンなどの芳香族炭化水素類、例えば、エチルプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、アニソール、フェネトール、シクロヘキシルメチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサンなどのエーテル類である。
【0073】
HgC1/(C)N/HNCNと反応させることにより、式(IV)の化合物を式中のYがCNを表す式(I)の化合物に直接変換することができる(cf. Can. J. Chem. 1985, 63, 3089 及び、さらに、J. Med. Chem. 1988, 31, 264)。
【0074】
さらに、式(IV)の化合物は、水銀塩の存在下でアンモニアを用いるアミノリシスにより、反応容器中で適切な酸化剤(例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP))の存在下にアンモニア水と一緒に加熱することにより、式(II)の化合物に変換することができる(cf. M.G. Bockら, J. Med. Chem. 1988, 31, 264-268; N.W. Jacobsenら, Aust. J. Chem. 1987, 40, 491-499; T. Lindelら, Tetrahedron Lett. 1997. 38, (52)、8935-8938)。
【0075】
塩基の存在下で、式(IV)(Z=NH)の化合物をヨウ化アルキルと反応させることにより、式(III)(Z=N)の化合物が得られる(cf. T. Lindelら, Tetrahedron Lett. 1997. 38, (52), 8935-8938; M.G. Bockら, J. Med. Chem. 1988, 31, 264-268)。式(III)の化合物において、Rは、例えば、アルキル、好ましくは、メチルを表す。次には、式(III)の化合物は、基本的に公知の方法で、アンモニア/塩化アンモニウム混合物と反応させることにより、式(II)の化合物に変換することができる(cf. T. Lindelら, Tetrahedron Lett. 1997. 38, (52), 8935-8938)。
【0076】
式(II)の化合物は、シアン化剤又はニトロ化剤を用いて、式(I)の化合物に変換することができる。
【0077】
適切なシアン化剤は、例えば、臭化シアン(BrCN)である。前記反応は、一般的に知られている方法で行う(cf. さらに、US-4098791 及び DE-2916140)。
【0078】
ニトロ化は、例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], volume XI/2 (Georg Thieme Verlag - Stuttgart 1958), pp. 99-116 などに記載されている通例の方法により行うことができる。ニトロ化剤として挙げることができるのは、適切な場合には硫酸の存在下(W. J. Middletonら, J. Heterocycl. Chem. 7, 1045-1049 (1970); L.W. Deadyら, Aust. J. Chem. 35 (10), 2025-2034 (1982); EP-0192060)における、発煙硝酸又は100%硝酸 (無水硝酸の調製については、以下のものを参照されたい: F.D. Chattaway, Soc. 97, 2100 (1910))、又は、硝酸エステル、硝酸アセチル又はニトロニウムテトラフルオロボレートの使用である。前記反応は、好ましくは、一般に知られている方法で、硝酸アシルを用いて行う。
【0079】
式(Va):
【0080】
【化9】

[式中、A、R、R、R及びRは上記で定義されている通りであり、ZはO又はCHを表す]
の化合物は、例えば、式(VI):
【0081】
【化10】

[式中、A、R及びRは上記で定義されている通りである]
のアミンを、例えばメタノール又はエタノールなどの稀釈剤の存在下に、0℃〜78℃の温度で、式(VII):
【0082】
【化11】

[式中、R、R及びZは上記で定義されている通りであり、Rは水素、メチル又はエチルを表す]
の化合物と反応させることにより得られる。
【0083】
式(VII)の化合物及びその調製方法は公知であり、例えば、ZがCHである化合物に関しては、Org. Synth. (1980), 59, 132 に記載されている。
【0084】
式(Vb):
【0085】
【化12】

[式中、A、R、R、R及びRは上記で定義されている通りであり、ZはCH、S又はNRを表し、Rは上記で定義されている通りである]
の化合物は、例えば、式(VI):
【0086】
【化13】

[式中、A、R及びRは上記で定義されている通りである]
のアミンを、例えばアセトニトリル、エタノール、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ニトロベンゼン又はキシレンなどの稀釈剤の存在下に、適切な場合には、例えばp-トルエンスルホン酸などの酸触媒の存在下に、式(VIII):
【0087】
【化14】

[式中、Zは、CH、S又はNRを表し、Rは上記で定義されている通りである]
の化合物と反応させることにより得られる。
【0088】
好ましい稀釈剤は、芳香族炭化水素類、例えば、ベンゼン、トルエン又はキシレンなどである。
【0089】
上記反応は、-10℃〜+200℃の温度、好ましくは、0℃〜+150℃の温度、特に好ましくは、+10℃〜+130℃の温度で行うか、又は、適する稀釈剤の沸点で行う。基本的に、上記反応は、大気圧下で行うことができる。上記反応は、大気圧下で、例えば、水分離器を用いるか又はモレキュラーシーブの存在下で、水を除去しながら行うのが好ましい。
【0090】
式(VIII)の化合物はエノール形態で存在していてもよい。式(VIII)の化合物に関しては、例えば、以下の文献を参照されたい:Arch. Pharm. (Weinheim, Ger.), 321(7), 439, 1988; Aust. J. Chem. 38(12), 1847, 1985; Bull. Soc. Chim. Fr., 133(6), 625, 1996; Synthesis (2), 176, 1991; Tetrahedron Lett., 30(29), 3865, 1989; Can. J. Chem., 67(2), 213, 1989。
【0091】
式(IIIa):
【0092】
【化15】

[式中、A、R、R、R及びRは上記で定義されている通りであり、R' は、アルキル、好ましくは、メチルを表す]
の化合物は、例えば、式(IX):
【0093】
【化16】

[式中、A、R、R、R及びRは上記で定義されている通りである]
の化合物を、先ず、例えばエーテルなどの稀釈剤中で、トリメチルシリルイソチオシアネートと反応させ、次いで、形成した中間体を、例えばメタノールを用いて、可溶化し、次いで、形成した式(IIa):
【0094】
【化17】

[式中、A、R、R、R及びRは上記で定義されている通りである]
の中間体を、先ず、アセトンなどの稀釈剤の存在下で、ハロゲン化アルキル、好ましくは、ヨウ化アルキル、特に、ヨウ化メチルと反応させ、次いで、アセトンなどの稀釈剤の存在下、炭酸ナトリウムなどの塩基を用いて、式(IIIa)の最終生成物を遊離させることにより得る。
【0095】
式(IX)の化合物は新規であって、本発明の主題の一部を形成する。
【0096】
式(IX)の化合物は、例えば、以下に示す反応図式により得られる(調製実施例参照)。
【0097】
【化18】

【0098】
式(IIb):
【0099】
【化19】

[式中、A、R、R、R及びRは上記で定義されている通りである]
の化合物は、さらに、式(VI):
【0100】
【化20】

[式中、A、R及びRは上記で定義されている通りである]
の化合物を、塩化メチレン、メタノール又はアセトニトリルなどの稀釈剤の存在下に、式(XII):
【0101】
【化21】

[式中、R及びRは上記で定義されている通りである]
の化合物と反応させることによっても得られる(cf. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1(5), 1201, 1991; Zh. Org. Khim., 27(3), 526, 1991)。
【0102】
式(III)の化合物を、式中のYがCNである式(I)の化合物に直接変換することも可能である。適する方法は、例えば、JP-7126483 及び Arch. Pharm., 303 (8), 625-633(1970)に記載されている。前記特許及び文献の内容は、参照により本明細書に特に組み入れる。式(Ia):
【0103】
【化22】

[式中、A、R、R、R、R及びYは上記で定義されているとおりであり、ZはSを表す]
の化合物は、さらに、例えば、式(X):
【0104】
【化23】

[式中、A、R及びRは上記で定義されているとおりである]
の化合物を、稀釈剤の存在下に、式(XI):
【0105】
【化24】

[式中、Yは上記で定義されているとおりである]
のカリウム N-シアノ(ニトロ)イミノメチルスルファニルメタンチオレートと反応させることによっても得られる。
【0106】
式中のZがSを表す式(I)の化合物は、また、J. Heterocyclic Chem. 25 1849-1856 (1988)に従い、下記反応式によっても得ることができる。
【0107】
【化25】

式(X)の化合物は、例えば、式(VI):
【0108】
【化26】

[式中、A、R及びRは上記で定義されているとおりである]
の化合物を、メタノールなどの稀釈剤の存在下、ナトリウムメトキシドなどの塩基の存在下に、クロロアセトニトリルと反応させることによっても得られる。
【0109】
式中のZがSO又はSOを表す式(I)の化合物は、通例の方法による酸化により、例えば、適する酸化剤、例えば、過酸化物、例えば、過酸化水素、過酸化t-ブチル、有機及び無機の過酸化物又はその塩、例えば、3-クロロ過安息香酸、過酢酸、過ギ酸、過酸化ジベンゾイル、過マンガン酸塩を用いるか、又は、ペルオキソ一硫酸カリウム2KHSO,KHSOと溶媒若しくは溶媒混合物(例えば、水、酢酸、メタノール、塩化メチレン)の混合物を用いて、式中のZがSを表す式(I)の化合物から調製することができる。
【0110】
上記過酸化物は、さらに、別の過酸化物からその場で調製することができる。例えば、過酢酸は酢酸と過酸化水素から調製することができる(cf. A.R. Katritzky, C.W. Rees in Comprehensive Heterocyclic Chemistry, Pergamon Press, Oxford, New York, 1984, Vol. 3, p. 96; D.J. Brownら, Chem. Soc. (c), 1971, p. 256)。
【0111】
上記酸化は、適切な触媒によって開始させるか又は促進することができる。
【0112】
植物が良好な耐性を示し且つ温血動物に対して望ましくない毒性を有さない上記活性化合物は、病害動物、特に、農業において、森林において、貯蔵製品及び貯蔵材料の保護において、並びに、衛生分野において遭遇する昆虫、クモ形類動物及び線虫を防除するのに適している。上記活性化合物は、好ましくは、作物保護剤として使用し得る。それらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して活性を示し、全ての発育段階又は一部の発育段階に対して活性を示す。上記した病害虫としては、以下のものを挙げることができる。
【0113】
ワラジムシ目(Isopoda)の、例えば、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、アルマジリジウム・ブルガレ(Armadillidium vulgare)及びポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber);
ディプロポーダ目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus);
チロポーダ目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス・カルポファグス(Geophilus carpophagus)及びスクチゲラ spp.(Scutigera spp);
コムカデ目(Symphyla)の、例えば、スクチゲレラ・イマクラタ(Scutigerella immaculata);
シミ目(Thysanura)の、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina);
トビムシ目(Collembola)の、例えば、オニチウルス・アルマツス(Onychiurus armatus);
バッタ目(Orthoptera)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、グリロタルパ spp.(Gryllotalpa spp.)、ロクスタ・ミグラトリア・ミグラトリオイデス(Locusta migratoria migratorioides)、メラノプルス spp.(Melanoplus spp.)、及び、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria);
ゴキブリ目(Blattaria)の、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、及び、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica);
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia);
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、レチクリテルメス spp.(Reticulitermes spp.);
フチラプテラ目(Phthiraptera)の、例えば、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、ハエマトピヌス spp.(Haematopinus spp.)、リノグナツス spp.(Linognathus spp.)、トリコデクテス spp.(Trichodectes spp.)、及び、ダマリニア spp.(Damalinia spp.);
アザミウマ目(Thysanoptera)の、例えば、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、トリプス・タバシ(Thrips tabaci)、トリプス・パルミ(Thrips palmi)、及び、フランクリニエラ・アッシデンタリス((Frankliniella accidentalis);
ヘテロプテラ目(Heteroptera)の、例えば、エウリガステル spp.(Eurygaster spp.)、ジスデルクス・インテルメヂウス(Dysdercus intermedius)、ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、シメキス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロドニウス・プロリキス(Rhodnius prolixus)、及び、トリアトマ spp.(Triatoma spp.);
ホモプテラ目(Homoptera)の、例えば、アレウロデス・ブラシカエ(Aleurodes brassicae)、ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、アフィス・ゴシピイ(Aphis gossypii)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、エリオソマ・ラニゲルム(Eriosoma lanigerum)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、フィロキセラ・バスタトリクス(Phylloxera vastatrix)、パムフィグス spp.(Pemphigus spp.)、マクロシフム・アベナエ(Macrosiphum avenae)、ミズス spp.(Myzus spp.)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フォパロシフム・パジ(Rhopalosiphum padi)、エムポアスカ spp.(Empoasca spp.)、エウスセリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、ネフォテッチキス・シンクチセプス(Nephotettix cincticeps)、レカニウム・コルニ(Lecanium corni)、サイセチア・オレアエ(Saissetia oleae)、ラオデルファキス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、アオニジエラ・アウランチイ(Aonidiella aurantii)、アスピジオツス・ハデラエ(Aspidiotus hederae)、プセウデコックス spp.(Pseudococcus spp.)、及び、プシラ spp.(Psylla spp.);
チョウ目(Lepidoptera)の、例えば、ペクチノフォラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、エウプロクチス・クリソロエア(Euproctis chrysorrhoea)、リマントリア spp.(Lymantria spp.)、ブクラトリス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、フィロクニスチス・キトレラ(Phyllocnistis citrella)、アグロチス spp.(Agrotis spp.)、エウキソア spp.(Euxoa spp.)、フェルチア spp.(Feltia spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、ヘリオチス spp.(Heliothis spp.)、マメステラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、スポドプテラ spp.(Spodoptera spp.)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ピエリス spp.(Pieris spp.)、キロ spp.(Chilo spp.)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、エフェスチア・クエニエラ(Ephestia kuehniella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、ホフマノフィラ・プセウドスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アムビグエラ(Clysia ambiguella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、トルトリキス・ビリダナ(Tortrix viridana)、クナファロセルス spp.(Cnaphalocerus spp.)、及び、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae);
コウチュウ目(Coleoptera)の、例えば、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、ブルチジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、ジアブロチカ spp.(Diabrotica spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis)、アトマリア spp.(Atomaria spp.)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、アントノムス spp.(Anthonomus spp.)、シトフィルス spp.(Sitophilus spp.)、オチオルヒンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、コスモポリテス・ソルジズス(Cosmopolites sordidus)、セウトルヒンクス・アシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、デルメステス spp.(Dermestes spp.)、トロゴデルマ spp.(Trogoderma spp.)、アントレヌス spp.(Anthrenus spp.)、アタゲヌス spp.(Attagenus spp.)、リクツス spp.(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、プチヌス spp.(Ptinus spp.)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、ギビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、トリボリウム spp.(Tribolium spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、アグリオテス spp.(Agriotes spp.)、コノデルス spp.(Conoderus spp.)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、及び、リソルホプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus);
ハチ目(Hymenoptera)の、例えば、ジプリオン spp.(Diprion spp.)、ホプロカンパ spp.(Hoplocampa spp.)、ラシウス spp.(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、及び、ベスパ spp.(Vespa spp.);
ハエ目(Diptera)の、例えば、アエデス spp.(Aedes spp.)、アノフェレスspp.(Anopheles spp.)、クレキス spp.(Culex spp.)、ドロソフィラ・メラノガステル(Drosophila melanogaster)、ムスカ spp.(Musca spp.)、ファニア spp.(Fannia spp.)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、ルシリア spp.(Lucilia spp.)、クリソミイア spp.(Chrysomyia spp.)、クテレブラ spp.(Cuterebra spp.)、ガストロフィルス spp.(Gastrophilus spp.)、ヒポボスカ spp.(Hyppobosca spp.)、ストモキシス spp.(Stomoxys spp.)、オエストルス spp.(Oestrus spp.)、ヒポデルマ spp.(Hypoderma spp.)、タバヌス spp.(Tabanus spp.)、タニア spp.(Tannia spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、フォルビア spp.(Phorbia spp.)、ペゴミイア・ヒオスシアミ(Pegomyia hyoscyami)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ヒレミイア spp.(Hylemyia spp.)、及び、リリオミザ spp.(Liriomyza spp.);
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)、及び、セラトフィルス spp.(Ceratophyllus spp.);
アラクニダ目(Arachnida)の、例えば、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、アカルス・シロ(Acarus siro)、アルガス spp.(Argas spp.)、オルニトドロス spp.(Ornithodoros spp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エリオフィエス・リビス(Eriophyes ribis)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ボオフィルス spp.(Boophilus spp.)、リピセファルス spp.(Rhipicephalus spp.)、アンブリオンマ spp.(Amblyomma spp.)、ヒアロンマ spp.(Hyalomma spp.)、イクソデス spp.(Ixodes spp.)、プソロプテス spp.(Psoroptes spp.)、コリオプテス spp.(Chorioptes spp.)、サルコプテス spp.(Sarcoptes spp.)、タルソネムス spp.(Tarsonemus spp.)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、パノニクス spp.(Panonychus spp.)、テトラニクス spp.(Tetranychus spp.)、ヘミタルソネムス spp.(Hemitarsonemus spp.)、及び、ブレビパルプス spp.(Brevipalpus spp.);
植物寄生性線虫としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
プラチレンクス spp.(Pratylenchus spp.)、ラドフォルス・シミリス(Radopholus similis)、ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci)、チレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、ヘテロデラ spp.(Heterodera spp.)、グロボデラ spp.(Globodera spp.)、メロイドギネ spp.(Meloidogyne spp.)、アフェレンコイデス spp.(Aphelenchoides spp.)、ロンギドルス spp.(Longidorus spp.)、キシフィネマ spp.(Xiphinema spp.)、トリコドルス spp.(Trichodorus spp.)、及び、ブルサフェレンクス spp.(Bursaphelenchus spp.)
本発明の式(I)の化合物は、特に、吸汁性昆虫(sucking insects)に対して活性を示す。 特定の濃度又は特定の施用量において、本発明の化合物は、適切であれば、除草剤及び殺微生物剤(microbicides)、例えば、殺菌剤(fungicides)、殺真菌剤(antimycotics)及び殺細菌剤としても使用することができる。本発明の式(I)の化合物は、適切な場合には、別の活性化合物を合成するための中間体又は前駆体としても使用することができる。
【0114】
本発明により、全ての植物及び植物の全ての部分を処理することができる。本発明との関連において、植物は、望ましい野生植物及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然に発生している作物植物を含む)などの全ての植物及び植物群を意味するものと理解されるべきである。作物植物は、通常の植物育種法と最適化法によって得ることができるか、又は、生物工学及び組み換え法によって得ることができるか、又は、前記方法の組合せによって得ることができる植物であることができ、トランスジェニック植物を包含し、及び、植物育種業者の権利によって保護され得る又は保護されない栽培変種植物を包含する。植物の部分は、全ての地上部及び地下部、並びに、例えば、シュート、葉、花及び根などの植物の器官を意味するものと理解されるべきであり、例えば、葉、針状葉、茎状部、茎、花、果実体(fruit body)、果実、種子、根、塊茎及び根茎などを挙げることができる。植物の部分には、収穫物、並びに、栄養組織及び増殖組織、例えば、挿穂、塊茎、根茎、側匍枝及び種子なども包含される。
【0115】
上記活性化合物を用いた植物又は植物の部分の本発明による処理は、通例の処理方法によって、例えば、浸漬、散布、気化、霧化、拡散、塗布などによって、及び、増殖組織、特に種子の場合は、さらに、1以上のコーティングによって、直接的に行うか、又は、活性化合物を当該植物又は植物の部分の周囲、環境又は貯蔵空間に作用させることにより行う。
【0116】
本発明の活性化合物は、液剤、エマルション、水和剤、懸濁剤、粉末剤(powders)、粉剤、ペースト剤、可溶性粉末剤(soluble powders)、顆粒剤、懸濁-エマルション濃厚液、活性化合物を含浸させた天然又は合成材料、及び、高分子物質中にマイクロカプセル化したものなどの、通例の製剤に変換することができる。
【0117】
これらの製剤は、公知方法によって、例えば、上記活性化合物を、液体溶媒及び/又は固体担体である増量剤と混合し、場合によりさらに、乳化剤及び/又は分散剤である界面活性剤、及び/又は泡形成剤と混合することにより、製造する。
【0118】
使用する増量剤が水である場合は、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。本質的に、適する液体溶媒は、芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン、塩素化芳香族化合物及び塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン、クロロエチレン又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン、例えば、石油留分、鉱油及び植物油、アルコール、例えば、ブタノール又はグリコール及びそれらのエーテル及びエステル、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、及び水などである。
【0119】
固体担体は、例えば、アンモニウム塩、及び、粉砕された天然鉱物、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土及び、粉砕された合成無機材料、例えば、高分散性シリカ、アルミナ及びシリケートであり;顆粒剤に適する固体担体は、例えば、粉砕して分別した岩石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及びドロマイト、並びに、無機及び有機の粗粉からなる合成顆粒、及び有機材料、例えば、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などの顆粒であり;適する乳化剤及び/又は泡形成剤は、例えば、非イオン性及びアニオン性乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルスルフェート、アリールスルホネート、及び、さらに、タンパク質加水分解産物などであり;適する分散剤は、例えば、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなどである。
【0120】
カルボキシメチルセルロース並びに粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、並びに、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び合成リン脂質などの粘着付与剤も上記製剤中で使用することができる。別の添加剤は、鉱油又は植物油であることができる。
【0121】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシャンブルー、及び、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、及び、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0122】
上記製剤は、一般に、0.1重量%〜95重量%の活性化合物、好ましくは、0.5重量%〜90重量%の活性化合物を含有する。
【0123】
本発明の活性化合物は、その市販製剤中に存在させることもできるし、殺虫剤、誘引剤、滅菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節物質又は除草剤などの別の活性化合物との混合物として、前記市販製剤から調製した使用形態中に存在させることもできる。前記殺虫剤には、特に、例えば、リン酸エステル類、カーバメート類、カルボキシレート類、塩素化炭化水素類、フェニル尿素類及び微生物によって産生される物質などが包含される。
【0124】
混合物における副成分(co-components)の特に好ましい例は以下の化合物である。
【0125】
殺菌剤:
アルジモルフ、アンプロピルホス、アンプロピルホス-カリウム、アンドプリム(andoprim)、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、
ベナラキシル、ベノダニル、ベノミル、ベンザマクリル、ベンザマクリル-イソブチル、ビアラホス、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ブラストサイジン-S、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、
石灰硫黄(ポリ硫化カルシウム;calcium polysulphide)、カプシマイシン(capsimycin)、キャプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルボン(carvon)、キノメチオネート、クロベンチアゾン、クロルフェナゾール、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート、クロジラコン(clozylacon)、クフラネブ、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、シプロフラム、
デバカルブ(debacarb)、ジクロロフェン、ジクロブトラゾール、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジピリチオン、ジタリムホス、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、ドラゾクソロン、
エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エチリモール、エトリジアゾール、
ファモキサドン、フェナパニル、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェニトロパン、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸トリフェニル錫、水酸化トリフェニル錫、ファーバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルメトベル(flumetover)、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルルプリミドール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペット、ホセチル-アルミニウム、ホセチル-ナトリウム、フサライド、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、フルカルボニル(furcarbonil)、フルコナゾール、フルコナゾール-シス、フルメシクロックス、
グアザチン、
ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、
イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプロベンホス(IBP)、イプロジオン、イルママイシン、イソプロチオラン、イソバレジオン、
カスガマイシン、クレソキシム-メチル、銅調製物、例えば、水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン-銅及びボルドー液など、
マンカッパー(mancopper)、マンコゼブ、マンネブ、メフェリムゾン、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メトフロキサム、メチラム、メトメクラム、メトスルホバックス(metsulfovax)、ミルディオマイシン、ミクロブタニル、ミクロゾリン、
ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル-イソプロピル、ヌアリモール、
オフラセ、オキサジキシル、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキソリン酸、オキシカルボキシム、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、
パクロブトラゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ホスダイフェン、ピマリシン、ピペラリン(piperalin)、ポリオキシン、ポリオキソリム(polyoxorim)、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパノシン-ナトリウム(propanosine-sodium)、プロピコナゾール、プロピネブ、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル、
キノコナゾール(quinconazole)、キントゼン(PCNB)、
硫黄及び硫黄調製物、
テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトシクラシス、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チシオフェン(thicyofen)、チフルザミド、チオファネート-メチル、チラム、チオキシミド、トルクロホス-メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリクラミド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、
ウニコナゾール、
バリダマイシン-A、ビンクロゾリン、ビニコナゾール、
ザリラミド、ジネブ、ジラム
及び、さらに、
Dagger G、
OK-8705、
OK-8801、
α-(1,1-ジメチルエチル)-β-(2-フェノキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、
α-(2,4-ジクロロフェニル)-β-フルオロ-β-プロピル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、
α-(2,4-ジクロロフェニル)-β-メトキシ-α-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、
α-(5-メチル-1,3-ジオキサン-5-イル)-β-[[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]-メチレン]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、
(5RS,6RS)-6-ヒドロキシ-2,2,7,7-テトラメチル-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-3-オクタノン、
(E)-α-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-フェノキシ-フェニルアセトアミド、
1-イソプロピル{2-メチル-1-[[[1-(4-メチルフェニル)-エチル]-アミノ]-カルボニル]-プロピル}-カルバメート、
1-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-エタノン-O-(フェニルメチル)-オキシム、
1-(2-メチル-1-ナフタレニル)-1H-ピロール-2,5-ジオン、
1-(3,5-ジクロロフェニル)-3-(2-プロペニル)-2,5-ピロリジンジオン、
1-[(ジヨードメチル)-スルホニル]-4-メチル-ベンゼン、
1-[[2-(2,4-ジクロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]-メチル]-1H-イミダゾール、
1-[[2-(4-クロロフェニル)-3-フェニルオキシラニル]-メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、
1-[1-[2-[(2,4-ジクロロフェニル)-メトキシ]-フェニル]-エテニル]-1H-イミダゾール、
1-メチル-5-ノニル-2-(フェニルメチル)-3-ピロリジノール、
2',6'-ジブロモ-2-メチル-4'-トリフルオロメトキシ-4'-トリフルオロ-メチル-1,3-チアゾール-5-カルボキシアニリド、
2,2-ジクロロ-N-[1-(4-クロロフェニル)-エチル]-1-エチル-3-メチルシクロプロパンカルボキサミド、
2,6-ジクロロ-5-(メチルチオ)-4-ピリミジニル-チオシアネート、
2,6-ジクロロ-N-(4-トリフルオロメチルベンジル)-ベンズアミド、
2,6-ジクロロ-N-[[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]-メチル]-ベンズアミド、
2-(2,3,3-トリヨード-2-プロペニル)-2H-テトラゾール、
2-[(1-メチルエチル)-スルフォニル]-5-(トリクロロメチル)-1,3,4-チアジアゾール、
2-[[6-デオキシ-4-O-(4-O-メチル-β-D-グリコピラノシル)-α-D-グルコピラノシル]-アミノ]-4-メトキシ-1H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボニトリル、
2-アミノブタン、
2-ブロモ-2-(ブロモメチル)-ペンタンジニトリル、
2-クロロ-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-3-ピリジンカルボキサミド、
2-クロロ-N-(2,6-ジメチルフェニル)-N-(イソチオシアナトメチル)-アセトアミド、
2-フェニルフェノール(OPP)、
3,4-ジクロロ-1-[4-(ジフルオロメトキシ)-フェニル]-1H-ピロール-2,5-ジオン、
3,5-ジクロロ-N-[シアノ-[(1-メチル-2-プロピニル)-オキシ]-メチル]-ベンズアミド、
3-(1,1-ジメチルプロピル)-1-オキソ-1H-インデン-2-カルボニトリル、
3-[2-(4-クロロフェニル)-5-エトキシ-3-イソオキサゾリジニル]-ピリジン、
4-クロロ-2-シアノ-N,N-ジメチル-5-(4-メチルフェニル)-1H-イミダゾール-1-スルホンアミド、
4-メチル-テトラゾロ[1,5-a]キナゾリン-5(4H)-オン、
8-(1,1-ジメチルエチル)-N-エチル-N-プロピル-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-2-メタンアミン、
8-ヒドロキシキノリンスルフェート、
9H-キサンテン-2-[(フェニルアミノ)-カルボニル]-9-カルボン酸ヒドラジド、
ビス-(1-メチルエチル)-3-メチル-4-[(3-メチルベンゾイル)-オキシ]-2,5-チオフェンジカルボキシレート、
シス-1-(4-クロロフェニル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-シクロヘプタノール、
シス-4-[3-[4-(1,1-ジメチルプロピル)-フェニル-2-メチルプロピル]-2,6-ジメチルモルホリン塩酸塩、
エチル [(4-クロロフェニル)-アゾ]-シアノアセテート、
炭酸水素カリウム、
メタンテトラチオールナトリウム塩、
メチル 1-(2,3-ジヒドロ-2,2-ジメチル-1H-インデン-1-イル)-1H-イミダゾール-5-カルボキシレート、
メチル N-(2,6-ジメチルフェニル)-N-(5-イソオキサゾリルカルボニル)-DL-アラニネート、
メチル N-(クロロアセチル)-N-(2,6-ジメチルフェニル)-DL-アラニネート、
N-(2,3-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチル-シクロヘキサンカルボキサミド、
N-(2,6-ジメチルフェニル)-2-メトキシ-N-(テトラヒドロ-2-オキソ-3-フラニル)-アセトアミド、
N-(2,6-ジメチルフェニル)-2-メトキシ-N-(テトラヒドロ-2-オキソ-3-チエニル)-アセトアミド、
N-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-3-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド、
N-(4-シクロヘキシルフェニル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジンアミン、
N-(4-ヘキシルフェニル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジンアミン、
N-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-2-メトキシ-N-(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)-アセトアミド、
N-(6-メトキシ)-3-ピリジニル-シクロプロパンカルボキサミド、
N-[2,2,2-トリクロロ-1-[(クロロアセチル)-アミノ]-エチル]-ベンズアミド、
N-[3-クロロ-4,5-ビス-(2-プロピニルオキシ)-フェニル]-N'-メトキシ-メタンイミドアミド、
N-ホルミル-N-ヒドロキシ-DL-アラニンナトリウム塩、
O,O-ジエチル [2-(ジプロピルアミノ)-2-オキソエチル]-エチルホスホルアミドチオエート、
O-メチル S-フェニル フェニルプロピルホスホルアミドチオエート、
S-メチル 1,2,3-ベンゾチアジアゾール-7-カルボチオエート、
スピロ[2H]-1-ベンゾピラン-2,1'(3'H)-イソベンゾフラン-3'-オン。
【0126】
殺細菌剤:
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及び別の銅調製物。
【0127】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルファシペルメトリン、アルファメトリン、アミトラズ、アベルメクチン、AZ 60541、アザディラクチン、アザメチホス、アジンホス-A、アジンホス-M、アゾシクロチン、
バシルス・ポピリアエ(Bacillus popilliae)、バシルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、バシルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バキュロウイルス、ベアウベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)、ベアウベリア・テネラ(Beauveria tenella)、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメート、ベータシフルトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン、BPMC、ブロモホス-A、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブチルピリダベン(butylpyridaben)、
カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、クロエトカルブ、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホス-M、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シス-レスメトリン、シスペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ、クロフェンテジン、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シロマジン、
デルタメトリン、ジメトン-M、ジメトン-S、ジメトン-Sメチル、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロルボス、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオフェノラン、ダイスルホトン、ドクサト-ナトリウム(docusat-sodium)、ドフェナピン(dofenapyn)、
エフルシラネート(eflusilanate)、エマメクチン、エムペントリン、エンドスルファン、エントモプトラ spp.(Entomopfthora spp.)、エプリノメクチン、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エトプロホス、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、
フェナミホス、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピラド、フェンピリトリン、フェンピロキシメート、フェンバレレート、フィプロニル、フルアジナム、フルアズロン、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルテンジン(flutenzine)、フルバリネート、ホノホス、ホスメチラン、ホスチアゼート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、フラチオカルブ、
グラニュローシスウイルス、
ハロフェンジド(halofenozide)、HCH、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ハイドロプレン、
イミダクロプリド、イサゾホス、イソフェンホス、イソキサチオン、イベルメクチン、
核多角体病ウイルス、
ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン
マラチオン、メカルバム、メタアルデヒド、メタミドホス、メタリジウム・アニソプリアエ(Metharhizium anisopliae)、メタリジウム・フラボビリデ(Metharhizium flavoviride)、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトキシフェノジド、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、ミルベメクチン、モノクロトホス、
ナレド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、
オメトエート、オキサミル、オキシジメトン-M、
パエシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、パラチオン-A、パラチオン-M、ペルメトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミカーブ、ピリミホス-A、ピリミホス-M、プロフェノホス、プロメカルブ、プロポクスル、プロチオホス、プロトエート、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレスメトリン、ピレトルム、ピリダベン、ピリダチオン(pyridathion)、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、
キナルホス、
リバビリン、
サリチオン、セブホス(sebufos)、セラメクチン、シラフルオフェン、スピノサド、スルホテップ、スルプロホス、
タウ-フルバリネート、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリミホス(tebupirimiphos)、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テミビンホス、 テルブホス、テトラクロロビンホス、シータシペルメトリン(thetacypermethrin)、チアメトキサム、チアプロニル、チアトリホス(thiatriphos)、チオシクラムシュウ酸水素塩(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオジカルブ、チオファノックス、チューリンギエンシン、トラロシトリン(tralocythrin)、 トラロメトリン、トリアラセン、トリアザメート、トリアゾホス、トリアズロン、トリクロフェニジン(trichlophenidine)、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、
バミドチオン、バニリプロール(vaniliprole)、ベルチシリウム・レカニイ(Verticillium lecanii)、
YI 5302、
ゼータ-シペルメトリン(zeta-cypermethrin)、ゾラプロホス、
(1R-シス)-[5-(フェニルメチル)-3-フラニル]-メチル-3-[(ジヒドロ-2-オキソ-3(2H)-フラニリデン)-メチル]-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、
(3-フェノキシフェニル)-メチル-2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、
1-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]テトラヒドロ-3,5-ジメチル-N-ニトロ-1,3,5-トリアジン-2(1H)-イミン、
2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-4-[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-オキサゾール、
2-(アセトキシ)-3-ドデシル-1,4-ナフタレンジオン、
2-クロロ-N-[[[4-(1-フェニルエトキシ)-フェニル]-アミノ]-カルボニル]-ベンズアミド、
2-クロロ-N-[[[4-(2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエトキシ)-フェニル]-アミノ]-カルボニル]ベンズアミド、
3-メチルフェニル プロピルカルバメート、
4-[4-(4-エトキシフェニル)-4-メチルペンチル]-1-フルオロ-2-フェノキシ-ベンゼン、
4-クロロ-2-(1,1-ジメチルエチル)-5-[[2-(2,6-ジメチル-4-フェノキシフェノキシ)エチル]チオ]-3(2H)-ピリダジノン、
4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-[(6-ヨード-3-ピリジニル)メトキシ]-3(2H)-ピリダジノン、
4-クロロ-5-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メトキシ]-2-(3,4-ジクロロフェニル)-3(2H)-ピリダジノン、
バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)株EG-2348、
[2-ベンゾイル-1-(1,1-ジメチルエチル)-ヒドラジノ安息香酸、
2,2-ジメチル-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-オキソ-1-オキサスピロ[4.5]デカ-3-エン-4-イルブタン酸塩、
[3-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-2-チアゾリジニリデン]-シアンアミド、
ジヒドロ-2-(ニトロメチレン)-2H-1,3-チアジン-3(4H)-カルボキシアルデヒド、
エチル [2-[[1,6-ジヒドロ-6-オキソ-1-(フェニルメチル)-4-ピリダジニル]オキシ]エチル]-カルバメート、
N-(3,4,4-トリフルオロ-1-オキソ-3-ブテニル)-グリシン、
N-(4-クロロフェニル)-3-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-4,5-ジヒドロ-4-フェニル-1H-ピラゾール-1-カルボキサミド、
N-[(2-クロロ-5-チアゾリル)メチル]-N'-メチル-N''-ニトロ-グアニジン、
N-メチル-N'-(1-メチル-2-プロペニル)-1,2-ヒドラジンジカルボチオアミド、
N-メチル-N'-2-プロペニル-1,2-ヒドラジンジカルボチオアミド、
O,O-ジエチル [2-(ジプロピルアミノ)-2-オキソエチル]-エチルホスホルアミドチオエート。
【0128】
除草剤などの別の公知の活性化合物との混合物、又は、肥料及び成長調節剤との混合物も可能である。
【0129】
殺虫剤として使用する場合、本発明の活性化合物は、さらに、相乗作用性薬剤(synergistic agent)との混合物として、市販製剤中に存在させることもできるし、そのような製剤から調製する使用形態中に存在させることもできる。
【0130】
相乗作用性薬剤は、本発明の活性化合物の活性を増大させる化合物であり、その際、添加された相乗作用性薬剤自体は活性を有する必要はない。
【0131】
市販製剤から調製した使用形態中の上記活性化合物の含有量は、広い範囲で変えることができる。使用形態における上記活性化合物の濃度は、0.0000001重量%〜95重量%、好ましくは、0.0001重量%〜1重量%であることができる。
【0132】
上記化合物は、上記使用形態に適する通例の方法で用いることができる。
【0133】
衛生病害虫及び貯蔵生産物の病害虫に対して使用する場合、本発明の活性化合物は、木材及び粘土上での優れた残効性と、石灰処理されている物質上でのアルカリに対する良好な安定性を特徴とする。
【0134】
本発明の活性化合物は、植物、衛生分野及び貯蔵生産物の病害虫に対してのみではなく、マダニ類(hard ticks)、ヒメダニ類(soft ticks)、ヒゼンダニ類(mange mites)、ハダニ類(leaf mites)、ハエ類(biting 及び licking)、寄生性のハエ幼虫、シラミ、ケジラミ(hair lice)、ハネジラミ(feather lice)及びノミ類などの寄生動物(外部寄生虫)に対する獣医学の分野でも有効である。これらの寄生虫としては、以下のものを挙げることができる。
【0135】
シラミ(Anoplurida)目の、例えば、ハエマトピヌス spp.(Haematopinus spp.)、リノグナツス spp.(Linognathus spp.)、ペジクルス spp.(Pediculus spp.)、フチルス spp.(Phtirus spp.)及びソレノポテス spp.(Solenopotes spp.);
ハジラミ(Mallophagida)目及びマルツノハジラミ(Amblycerina)亜目とホソツノハジラミ(Ischnocerina)亜目の、例えば、トリメノポン spp.(Trimenopon spp.)、メノポン spp.(Menopon spp.)、トリノトン spp.(Trinoton spp.)、ボビコラ spp.(Bovicola spp.)、ウェルネツキエラ spp.(Werneckiella spp.)、レピケントロン spp.(Lepikentron spp.)、ダマリナ spp.(Damalina spp.)、トリコデクテス spp.(Trichodectes spp.)及びフェリコラ spp.(Felicola spp.)。
【0136】
ハエ(Diptera)目及びカ(Nematocerina)亜目とハエ(Brachycerina)亜目の、例えば、アエデス spp.(Aedes spp.)、アノフェレス spp.(Anopheles spp.)、クレクス spp.(Culex spp.)、シムリウム spp.(Simulium spp.)、エウシムリウム spp.(Eusimulium spp.)、フレボトムス spp.(Phlebotomus spp.)、ルトゾミイヤ spp.(Lutzomyia spp.)、クリコイデス spp.(Culicoides spp.)、クリソプス spp.(Chrysops spp.)、ヒボミトラ spp.(Hybomitra spp.)、アチロツス spp.(Atylotus spp.)、タバヌス spp.(Tabanus spp.)、ハエマトポタ spp.(Haematopota spp.)、フィリポミイア spp.(Philipomyia spp.)、ブラウラ spp.(Braula spp.)、ムスカ spp.(Musca spp.)、ヒドロタエア spp.(Hydrotaea spp.)、ストモキシス spp.(Stomoxys spp.)、ハエマトビア spp.(Haematobia spp.)、モレリア spp.(Morellia spp.)、ファンニア spp.(Fannia spp.)、グロシナ spp.(Glossina spp.)、カリフォラ spp.(Calliphora spp.)、ルシリア spp.(Lucilia spp.)、クリソミイア spp.(Chrysomyia spp.)、ウォルハルチア spp.(Wohlfahrtia spp.)、サルコファガ spp.(Sarcophaga spp.)、オエストルス spp.(Oestrus spp.)、ヒポデルマ spp.(Hypoderma spp.)、ガステロフィルス spp.(Gasterophilus spp.)、ヒポボスカ spp.(Hippobosca spp.)、リポプテナ spp.(Lipoptena spp.)及びメロファグス spp.(Melophagus spp.);
ノミ(Siphonapterida)目の、例えば、プレクス spp.(Pulex spp.)、クテノセファリデス spp.(Ctenocephalides spp.)、キセノプシラ spp.(Xenopsylla spp.)及びケラトフィルス spp.(Ceratophyllus spp.);
カメムシ(Heteropterida)目の、例えば、シメクス spp.(Cimex spp.)、トリアトマ spp.(Triatoma spp.)、ロドニウス spp.(Rhodnius spp.)及びパンストロンギルス spp.(Panstrongylus spp.);
ゴキブリ(Blattarida)目の、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラテラ・ゲルマニカ(Blattela germanica)及びスペラ spp.(Supella spp.);
アカリア(Acaria(Acarida)))亜綱及びメタスチグマタ(Metastigmata)目とメソスチグマタ(Mesostigmata)目の、例えば、アルガス spp.(Argas spp.)、オルニトドロス spp.(Ornithodorus spp.)、オトビウス spp.(Otobius spp.)、イクソデス spp.(Ixodes spp.)、アンブリオンマ spp.(Amblyomma spp.)、ボオフィルス spp.(Boophilus spp.)、デルマセントル spp.(Dermacentor spp.)、ハエモフィサリス spp.(Haemophysalis spp.)、ヒアロマ spp.(Hyalomma spp.)、リピセファルス spp.(Rhipicephalus spp.)、デルマニスス spp.(Dermanyssus spp.)、ライリエチア spp.(Raillietia spp.)、プネウモニスス spp.(Pneumonyssus spp.)、ステルノストマ spp.(Sternostoma spp.)及びバロア spp.(Varroa spp.);
アクチネジダ(Actinedida(Prostigmata))目及びアカリジダ(Acaridida(Astigmata))目の、例えば、アカラピス spp.(Acarapis spp.)、ケイレチエラ spp.(Cheyletiella spp.)、オルニトケイレチア spp.(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア spp.(Myobia spp.)、プソレルガテス spp.(Psorergates spp.)、デモデクス spp.(Demodex spp.)、トロムビクラ spp.(Trombicula spp.)、リストロホルス spp.(Listrophorus spp.)、アカルス spp.(Acarus spp.)、チロファグス spp.(Tyrophagus spp.)、カログリフス spp.(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス spp.(Hypodectes spp.)、プテロリクス spp.(Pterolichus spp.)、プソロプテス spp.(Psoroptes spp.)、クオリオプテス spp.(Chorioptes spp.)、オトデクテス spp.(Otodectes spp.)、サルコプテス spp.(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス spp.(Notoedres spp.)、クネミドコプテス spp.(Knemidocoptes spp.)、シトジテス spp.(Cytodites spp.)及びラミノシオプテス spp.(Laminosioptes spp.)。
【0137】
本発明化合物は、例えば、アブラムシ(Aphis spp. 及び Myzus spp.)に対して優れた活性を示す。
【0138】
本発明の式(I)の活性化合物は、さらに、例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、スイギュウ、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ及びミツバチなどの農業生産性家畜に寄生する節足動物、イヌ、ネコ、籠のトリ及び水槽のサカナなどのペットに寄生する節足動物、並びに、ハムスター、モルモット、ラット及びマウスなどのいわゆる試験動物に寄生する節足動物を防除するのにも適している。これらの節足動物を防除することにより、上記動物の死亡事例や生産性(肉、ミルク、羊毛、皮革、卵、蜂蜜など)の低下が軽減され、従って、本発明の活性化合物を使用することにより、より経済的で且つより容易な畜産業が可能である。
【0139】
本発明の活性化合物は、獣医学の分野において、公知方法で、例えば、錠剤、カプセル、頓服、水薬、顆粒、ペースト、大型丸薬、フィードスループロセス及び坐剤などの形態で経腸投与することにより、例えば、注射(筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、腹腔内注射など)、インプラントにより非経口投与することにより、鼻内投与することにより、例えば、薬浴又は沐浴、スプレー、注湯(pouring)及びスポット処理(spotting)、洗浄及び散粉(powdering)の形態で皮膚上で使用することにより、及び、活性化合物を含有する成形物品、例えば、首輪、耳標、尾標(tail marks)、肢バンド(limb bands)、端綱、マーキング装置などを用いて使用する。
【0140】
家畜、家禽及びペットなどに使用する場合、式(I)の活性化合物は、1重量%〜80重量%の量の当該活性化合物を含有する製剤(例えば、粉末、エマルション、自由流動性組成物(free-flowing compositions))として、直接的に使用することができるか、又は、100倍〜10000倍に稀釈した後に使用することができるか、又は、それらは、薬浴として使用することができる。
【0141】
さらに、本発明の化合物は、工業原料を破壊する昆虫に対しても強い殺虫活性を示すことが見いだされた。
【0142】
以下に示す昆虫を、例として、及び、好ましいものとして挙げることができるが、何ら限定するものではない。
【0143】
甲虫類、例えば、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、クロロホルス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、アノビウンム・プンクタツム(Anobium punctatum)、キセストビウム・ルフォビロスム(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコルニス(Ptilinus pecticornis)、デンドロビウム・ペルチネキス(Dendrobium pertinex)、エルノビウス・モリス(Ernobius mollis)、プリオビウム・カルピニ(Priobium carpini)、リクツス・ブルネウス(Lyctus brunneus)、リクツス・アフリカヌス(Lyctus africanus)、リクツス・プラニコリス(Lyctus planicollis)、リクツス・リネアリス(Lyctus linearis)、リクツス・プベセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシロン・アエクアレ(Trogoxylon aequale)、ミンテス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キシレボルス spec.(Xyleborus spec.)、トリプトデンドロン spec.(Tryptodendron spec.)、アパテ・モナクス(Apate monachus)、ボストリクス・カプシンス(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリクス・ブルネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン spec.(Sinoxylon spec.)及びジノデルス・ミヌツス(Dinoderus minutus)。
【0144】
膜翅類、例えば、シレクス・ジュベンクス(Sirex juvencus)、ウロセルス・ギガス(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガス・タイグヌス(Urocerus gigas taignus)及びウロセルス・アウグル(Urocerus augur)。
【0145】
シロアリ類、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、クリプトテルメス・ブレビス(Cryptotermes brevis)、ヘテロテルメス・インジコラ(Heterotermes indicola)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、マストテルメス・ダルウィニエンシス(Mastotermes darwiniensis)、ゾオテルモプシス・ネバデンシス(Zootermopsis nevadensis)及びコプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus)。
シミ類、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0146】
本発明に関連して、工業材料は、好ましくは、プラスチック、接着剤、サイズ、紙及びカード、皮革、木材及び加工木材製品、並びに、コーティング組成物などの、生命のない材料を意味するものと理解されるべきである。
【0147】
木材及び加工木材製品は、保護すべき材料、特に昆虫の侵襲から保護すべき材料である。
【0148】
本発明の薬剤又はそれを含有する混合物によって保護することができる木材及び加工木材製品は、例えば、建築用木材、木製の梁、鉄道枕木、橋構成材、ボート用桟橋、木製運搬具、箱、パレット、コンテイナー、電信柱、木製の羽目板、木製の窓及びドア、合板、ボール紙、家屋の建築又は建具の製造において極めて一般的に使用される建具類又は木製製品などを意味するものと理解されるべきである。
【0149】
本発明の活性化合物は、それ自体で、濃厚物の形態で、又は、粉末、顆粒、溶液、懸濁液、エマルション又はペーストなどの一般的な通例の製剤として使用することができる。
【0150】
上記で挙げた製剤は、自体公知の方法で、例えば、本発明の活性化合物を、少なくとも1種の溶媒又は稀釈剤、乳化剤、分散剤、及び/又は、結合剤若しくは固定剤、撥水剤と混合し、適切な場合には、さらに、乾燥剤及び紫外線安定剤と混合し、適切な場合には、さらに、染料と顔料、及び別の加工助剤と混合することにより、調製することができる。
【0151】
木材及び木製製材製品を保護するために使用する殺虫剤組成物又は濃厚物は、本発明の活性化合物を、0.0001重量%〜95重量%、特に、0.001重量%〜60重量%の濃度で含有する。
【0152】
用いる組成物又は濃厚物の量は、昆虫の種類と発生に依存し、また、その生息環境に依存する。最適な使用量は、一連の試験によって、個々のケースにおける使用に関して決定することができる。しかしながら、一般に、保護すべき材料を基準にして、0.0001重量%〜20重量%、好ましくは、0.001重量%〜10重量%の上記活性成分を使用すれば充分である。
【0153】
使用する溶媒及び/又は稀釈剤は、有機化学的溶媒又は溶媒混合物、及び/又は、油状又は油様の、低揮発性の有機化学的溶媒又は溶媒混合物、及び/又は、極性の有機化学的溶媒又は溶媒混合物、及び/又は、水であり、また、適切な場合には、乳化剤及び/又は湿潤剤である。
【0154】
使用するのが好ましい有機化学的溶媒は、35を超える蒸発数(evaporation number)を有し、30℃を超える引火点、好ましくは、45℃を超える引火点を有する、油状溶媒又は油様溶媒である。そのような、低揮発性の油状又は油様の水不溶性溶媒として使用する物質は、適切な鉱油若しくはその芳香族留分であるか、又は、鉱油を含有する溶媒混合物、好ましくは、ホワイトスピリット、石油及び/又はアルキルベンゼンである。
【0155】
170℃〜220℃の沸点を有する鉱油、170℃〜220℃の沸点を有するホワイトスピリット、250℃〜350℃の沸点を有するスピンドル油、160℃〜280℃の沸点を有する石油及び芳香族物質、及び、テレビン油などを用いるのが有利である。
【0156】
好ましい実施態様においては、180℃〜210℃の沸点を有する脂肪族液状炭化水素、又は、180℃〜220℃の沸点を有する脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素の高沸点混合物、及び/又は、スピンドル油、及び/又は、モノクロロナフタレン、好ましくは、α-モノクロロナフタレンを使用する。
【0157】
35を超える蒸発数を有し、30℃を超える引火点、好ましくは、45℃を超える引火点を有する低揮発性の有機油状溶媒又は有機油様溶媒は、高揮発性又は中揮発性の有機化学的溶媒で部分的に置き換えることができるが、但し、得られる溶媒混合物が、同様に、35を超える蒸発数を有し、30℃を超える引火点、好ましくは、45℃を超える引火点を有し、且つ、そのような溶媒混合物中で、本発明にかかる殺虫剤/殺菌剤混合物が溶解するか又は乳化できることを条件とする。
【0158】
好ましい実施態様では、有機化学的溶媒又は溶媒混合物の一部を、脂肪族の極性有機化学的溶媒又は溶媒混合物で置き換える。グリコールエーテル及びエステルなどの、ヒドロキシル基及び/又はエステル基及び/又はエーテル基を含有する、脂肪族の有機化学的溶媒を使用するのが好ましい。
【0159】
本発明に関連して使用する有機化学的結合剤は、自体公知で、水で稀釈可能で、及び/又は、使用する有機化学的溶媒に溶解するか又は分散可能であるか又は乳化可能である合成樹脂及び/又は結合性乾性油(binding drying oil)であり、特に、アクリル樹脂、ビニル樹脂(例えば、ポリ酢酸ビニル)、ポリエステル樹脂、重縮合又は重付加樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂又は変性アルキド樹脂、フェノール樹脂、炭化水素樹脂(例えば、インデン-クマロン樹脂)、シリコーン樹脂、乾性植物油、及び/又は、乾性油、及び/又は、天然及び/又は合成樹脂に基づく物理的に乾燥性の結合剤からなるか又は前記樹脂を含んでなる結合剤である。
【0160】
上記結合剤として使用する合成樹脂は、エマルション、分散液又は溶液の形態で使用することができる。瀝青又は瀝青質物質は、10重量%以下の量で、結合剤として使用することができる。さらに、自体公知の、染料、顔料、撥水剤、臭気矯正及び阻害剤又は腐食防止剤などを使用することができる。
【0161】
本発明によれば、上記組成物又は濃厚物は、有機化学的結合剤として、少なくとも1種のアルキド樹脂若しくは変性アルキド樹脂及び/又は乾性植物油を含有するのが好ましい。本発明では、45重量%を超える量、好ましくは、50重量%〜68重量%の量の油を含有するアルキド樹脂を使用するのが好ましい。
【0162】
上記した結合剤の全て又は一部を、固定剤(混合物)又は可塑剤(混合物)で置き換えることができる。これらの添加剤は、活性化合物の蒸発を防止し、結晶化又は沈澱を防止することを目的としている。上記添加剤は、好ましくは、上記結合剤の0.01%〜30%(使用する結合剤を100%とする)と置き換える。
【0163】
上記可塑剤は、化学分類上の、フタル酸エステル、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル又はフタル酸ベンジルブチル、リン酸エステル、例えば、リン酸トリブチル、アジピン酸エステル、例えば、アジピン酸ジ-(2-エチルヘキシル)、ステアリン酸エステル、例えば、ステアリン酸ブチル又はステアリン酸アミル、オレイン酸エステル、例えば、オレイン酸ブチル、グリセロールエーテル又は高分子量グリコールエーテル、グリセロールエステル、及び、p-トルエンスルホン酸エステルに由来するものである。
【0164】
固定剤は、化学的に、ポリビニルアルキルエーテル、例えば、ポリビニルメチルエーテル、又は、ケトン、例えば、ベンゾフェノン又はエチレンベンゾフェノンなどに基づくものである。
【0165】
使用可能な溶媒又は稀釈剤は、特に、水であり、適切な場合には、上記した1種以上の、有機化学的溶媒若しくは稀釈剤、乳化剤、及び、分散剤との混合物としての水である。 木材は、工業的な大規模での含浸処理、例えば、真空処理、二重真空処理又は加圧処理などによって、特に効果的に保護することができる。
【0166】
即時使用可能組成物(ready-to-use compositions)は、適切な場合には、別の殺虫剤も含有することができ、適切な場合には、1種以上の殺菌剤も含有することができる。
【0167】
混合可能なさらなる混合相手は、好ましくは、WO 94/29268 に記載されている殺虫剤及び殺菌剤である。この文献に記載されている化合物は、本出願における明示的な成分である。
【0168】
特に好ましい混合相手剤としては、殺虫剤、例えば、クロルピリホス、ホキシム、シラフルオフィン(silafluofin)、アルファメトリン、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ペルメトリン、イミダクロプリド、NI−25、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、トランスフルトリン、チアクロプリド、メトキシフェノキシド(methoxyphenoxide)及びトリフルムロンなど、並びに、殺菌剤、例えば、エポキシコナゾール、ヘキサコナゾール、アザコナゾール、プロピコナゾール、テブコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、イマザリル、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、3-ヨード-2-プロピニル-ブチル カルバメート、N-オクチル-イソチアゾリン-3-オン、及び、4,5-ジクロロ-N-オクチルイソチアゾリン-3-オンなどを挙げることができる。
【0169】
本発明化合物は、 同時に、船体、格子、網、建造物、係船設備及び信号システムなどの塩水又は淡塩水と接触するものを、付着物(汚れ)から保護するために、使用することができる。
【0170】
セルプリダエ(Serpulidae)などの付着性の貧毛類(Oligochaeta)による付着物、様々なレパス(Lepas)種及びスカルペルム(Scalpellum)種などのレダモルファ(Ledamorpha)群(goose barnacles)の種及び殻による付着物、又は、バラヌス(Balanus)種又はポリシペス(Pollicipes)種などのバラノモルファ(Balanomorpha)群(acorn barnacles)の種による付着物によって、船の摩擦抵抗が増大し、結果として、より大きなエネルギーが消費されること及び乾ドックにおける滞留が付加的に増えることに起因して、運転コストが著しく増大する。
【0171】
例えばエクトカルプス sp.(Ectocarpus sp.)及びセラミウム sp.(Ceramium sp.)などの藻類による付着物は別として、総称的な名称のシリペジア(Cirripedia)(cirriped crustaceans)に属する付着性のエントモストラカ(Entomostraka)群による付着物は、特に重要である。
【0172】
驚くべきことに、本発明化合物は、単独で、又は、別の活性化合物と組み合わせて、優れた汚れ止め作用(antifouling action)を示すことが見いだされた。
【0173】
本発明化合物を、単独で使用するか、又は、別の活性化合物と組み合わせて使用することにより、例えば、ビス(トリアルキルスズ)スルフィド、ラウリン酸トリ-n-ブチルスズ、塩化トリ-n-ブチルスズ、酸化銅(I)、塩化トリエチルスズ、トリ-n-ブチル(2-フェニル-4-クロロフェノキシ)スズ、酸化トリブチルスズ、モリブデンジスルフィド、酸化アンチモン、高分子ブチルチタネート、塩化フェニル(ビスピリジン)-ビスマス、フッ化トリ-n-ブチルスズ、エチレンビスチオカルバミン酸マンガン、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビスチオカルバミン酸亜鉛、2-ピリジンチオール1-オキシドの亜鉛塩及び銅塩、エチレン-ビスチオカルバミン酸ビスジメチルジチオカルバモイル亜鉛、酸化亜鉛、エチレン-ビスジチオカルバミン酸銅(I)、チオシアン酸銅、ナフテン酸銅、及び、ハロゲン化トリブチルスズ等としての重金属の使用をなくしたり、これらの化合物の濃度を実質的に低減したりすることができる。
【0174】
適切な場合には、即時使用可能な汚れ止めペイントは、さらに、別の活性化合物、好ましくは、殺藻剤、殺菌剤、除草剤、軟体動物駆除剤、又は、別の汚れ止め活性化合物を含有することができる。
【0175】
本発明の汚れ止め組成物と組み合わせるのが好ましい適する成分は、以下の通りである。
【0176】
殺藻剤、例えば、2-t-ブチルアミノ-4-シクロプロピルアミノ-6-メチルチオ-1,3,5-トリアジン、ジクロロフェン、ジウロン、エンドタール、酢酸トリフェニルスズ、イソプロツロン、メタベンズチアズロン、オキシフルオルフェン、キノクラミン及びテルブトリン;
殺菌剤、例えば、ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸シクロヘキシルアミド S,S-ジオキシド、ジクロフルアニド、フルオロフォルペット、3-ヨード-2-プロピニル ブチルカルバメート、トリルフルアニド、及び、アゾール類、例えば、アザコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、ヘキサコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール及びテブコナゾール;
軟体動物駆除剤、例えば、酢酸トリフェニルスズ、メタルデヒド、メチオカルブ、ニクロサミド、チオジカルブ及びトリメタカルブ;
又は、通常の汚れ止め活性化合物、例えば、4,5-ジクロロ-2-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、ジヨードメチルパラトリルスルホン(diiodomethylparatryl sulphone)、2-(N,N-ジメチルチオカルバモイルチオ)-5-ニトロチアジル、2-ピリジンチオール1-オキシドのカリウム塩、銅塩、ナトリウム塩及び亜鉛塩、ピリジン-トリフェニルボラン、テトラブチルジスタンノキサン(tetrabutyldistannoxane)、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルホニル)-ピリジン、2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル、テトラメチルチウラム ジスルフィド、及び、2,4,6-トリクロロフェニルマレイミド。
【0177】
使用する本発明の汚れ止め組成物は、本発明化合物を、0.001重量%〜50重量%の濃度、特に、0.01重量%〜20重量%の濃度で含有する。
【0178】
さらに、本発明の汚れ止め組成物は、通例の成分、例えば、Ungerer, Chem. Ind. 1985, 37, 730-732 及び Williams, Antifouling Marine Coatings, Noyes, Park Ridge, 1973 に記載されている成分を含有する。
【0179】
殺藻活性化合物、殺菌活性化合物、軟体動物駆除活性化合物及び本発明の殺虫活性化合物に加えて、汚れ止めペイントは、特に、結合剤を含有する。
【0180】
認められている結合剤の例は、溶媒系中のポリ塩化ビニル、溶媒系中の塩素化ゴム、溶媒系中、特に水系中のアクリル樹脂、水性分散液又は有機溶媒系の形態にある塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系、ブタジエン/スチレン/アクリロニトリルゴム、亜麻仁油などの乾性油、タール又は瀝青、アスファルト及びエポキシ化合物、少量の塩素ゴム(chlorine rubber)、塩素化ポリプロピレン、及びビニル樹脂と組み合わせた樹脂エステル又は変性硬化樹脂である。
【0181】
適切な場合には、ペイントは、さらに、好ましくは塩水に不溶性である、無機顔料、有機顔料又は着色剤を含有する。ペイントは、さらに、コロホニウムなどの物質を含有して活性化合物の制御放出を可能としてもよい。さらに、前記ペイントは、可塑剤、レオロジー特性に影響する調節剤、及び、別の通常の成分を含有してもよい。本発明の化合物又は上記した混合物は、さらに、自己研磨性(self-polishing)汚れ止めシステムに組み入れてもよい。
【0182】
本発明の活性化合物は、住居、工場のホール、オフィス及び車両の居室などの密閉空間で見られる病害動物、特に、昆虫、クモ形類及びダニ類を防除するのにも適している。本発明の活性化合物は、単独で又は別の活性化合物及び補助剤と組み合わせて、上記病害虫を防除するために、家庭用殺虫剤製品中で使用することもできる。本発明の活性化合物は、感受性種及び抵抗性種に対して活性を有しており、全ての成育段階に対して活性を有している。これらの病害虫としては、以下のものを挙げることができる。
【0183】
スコルピオニデア(Scorpionidea)目の、例えば、ブツス・オッシタヌス(Buthus occitanus);
アカリナ(Acarina)目の、例えば、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、アルガス・レフレクスス(Argas reflexus)、ブリオビア spp.(Bryobia ssp.)、デルマニススス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、グリシファグス・ドメスチクス(Glyciphagus domesticus)、オルニトドルス・モウバト(Ornithodorus moubat)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、トロムビクラ・アルフレズゲシ(Trombicula alfreddugesi)、ネウトロムビクラ・アウツムナリス(Neutrombicula autumnalis)、デルマトファゴイデス・プテロニスシムス(Dermatophagoides pteronissimus)、デルマトファゴイデス・フォリナエ(Dermatophagoides forinae);
クモ(Araneae)目の、例えば、アビクラリイダエ(Aviculariidae)、アラネイダエ(Araneidae);
ザトウムシ(Opiliones)目の、例えば、プセウドスコルピオネス・ケリフェル(Pseudoscorpiones chelifer)、プセウドスコルピオネス・ケイリジウム(Pseudoscorpiones cheiridium)、オピリオネス・ファランギウム(Opiliones phalangium);
ワラジムシ(Isopoda)目の、例えば、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber);
ジプロポダ(Diplopoda)目の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)、ポリデスムス spp.(Polydesmus spp.);
チロポダ(Chilopoda)目の、例えば、ゲオフィルス spp.(Geophilus spp.);
シミ(Zygentoma)目の、例えば、クテノレピスマ spp.(Ctenolepisma spp.)、レピスマ・サカリナ(Lepisma saccharina)、レピスモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus);
ゴキブリ(Blattaria)目の、例えば、ブラッタ・オリエンタリエス(Blatta orientalies)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒナイ(Blattella asahinai)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、パンクロラ spp.(Panchlora spp.)、パルコブラッタ spp.(Parcoblatta spp.)、ペリプラネタ・アウストララシアエ(Periplaneta australasiae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa);
サルタトリア(Saltatoria)目の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus);
ハサミムシ(Dermaptera)目の、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia);
シロアリ(Isoptera)目の、例えば、カロテルメス spp.(Kalotermes spp.)、レチクリテルメス spp.(Reticulitermes spp.);
チャタテムシ(Psocoptera)目の、例えば、レピナツス spp.(Lepinatus spp.)、リポセリス spp.(Liposcelis spp.);
コレプテラ(Coleptera)目の、例えば、アントレヌス spp.(Anthrenus spp.)、アタゲヌス spp.(Attagenus spp.)、デルメステス spp.(Dermestes spp.)、ラテチクス・オリザエ(Latheticus oryzae)、ネクロビア spp.(Necrobia spp.)、プチヌス spp.(Ptinus spp.)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)、シトフィルス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum);
ハエ(Diptera)目の、例えば、アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス spp.(Anopheles spp.)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、クレクス・クインクエファシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、ドロソフィラ spp.(Drosophila spp.)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ムスカ・ドメスチカア(Musca domestica)、ホレボトムス spp.(Phlebotomus spp.)、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、シムリウム spp.(Simulium spp.)、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa);
チョウ(Lepidoptera)目の、例えば、アクロイア・グリセラ(Achroia grisella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、プロジア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、チネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella);
シフォナプテラ(Siphonaptera)目の、例えば、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、プレクス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis);
ハチ(Hymenoptera)目の、例えば、カムポノツス・ヘルクレアヌス(Camponotus herculeanus)、ラシウス・フリギノスス(Lasius fuliginosus)、ラシウス・ニゲル(Lasius niger)、ラシウス・ウムブラツス(Lasius umbratus)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、パラベスプラ spp.(Paravespula spp.)、テトラモリウム・カエスピツム(Tetramorium caespitum);
シラミ(Anoplura)目の、例えば、ペジクルス・フマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis)、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、フチルス・プビス(Phthirus pubis);
ヘテロプテラ(Heteroptera)目の、例えば、シメクス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロジヌス・プロリクスス(Rhodinus prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans)。
【0184】
本発明の活性化合物は、単独で、又は、別の適切な活性化合物、例えば、リン酸エステル類、カーバメート類、ピレスロイド類、成長調節剤又は別の公知のクラスの殺虫剤に包含される活性化合物などと組み合わせて、家庭内殺虫剤分野で使用する。
【0185】
本発明の活性化合物は、エアゾール、非加圧スプレー製品(pressure-free spray products)、例えば、ポンプスプレー又は噴霧スプレー、自動霧化システム(automatic fogging systems)、噴霧器、泡、ゲル、セルロース又はポリマー製のエバポレーター錠剤を有するエバポレーター製品、液体エバポレーター、ゲル及び膜エバポレーター、プロペラ駆動エバポレーター、エネルギーフリー型蒸発システム又は受動型蒸発システム、防虫紙(moth papers)、防虫バッグ(moth bags)及び防虫ゲル(moth gels)で使用するか、又は、粒剤若しくは粉剤として使用するか、又は、拡散用の餌(baits for spreading)に入れて使用するか、又は、ベイトステーションで使用する。
【実施例】
【0186】
調製実施例
実施例I-1
4-(N-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-メチル)アミノ-2-シアンイミノ-2,5-ジヒドロ-[1,3]-チアゾリン
【0187】
【化27】

0.75g(10.0mmol)のクロロアセトニトリルを、20mLの無水メタノール中の0.03g(1.3mmol)のナトリウムの5℃に冷却してある溶液に滴下して加える。クロロアセトニトリルの添加が終了した後、得られた混合物を水分を排除しながら前記温度で1時間撹拌する。この溶液に、60mLの無水メタノール中の1.93g(10.0mmol)のN,N-メチル-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)アミン塩酸塩を1時間かけて滴下して加え、得られた反応混合物を室温まで昇温させ、20時間撹拌する。減圧下、回転蒸発器を用いて室温で溶媒を完全に除去する。得られた油性残留物を、さらに後処理することなく、40mLのアセトンに溶解させ、1.70g(10.0mmol)のカリウム N-シアンイミノメチルスルファニルメタンチオレートを添加する。得られた混合物を 室温で5時間撹拌する。回転蒸発器を用いて反応混合物を濃縮することにより生成物が結晶化する。残渣を濾過し、エタノールから再結晶させる。
収量:0.42g(理論値の15%) C1110ClNS(M = 279.75g/mol)
MS(FAB/NBA マトリックス)
m/z(%) = 283 (5), 282 (31), 281 (15), 280 (80) [M+1]+, 279 (7)
IR(KBr中の固体)
【化28】

【0188】
実施例I-2
4-(N-(2-クロロチアゾール-5-イル)-N-エチル)アミノ-2-シアンイミノ-2,5-ジヒドロ-[1,3]-チアゾリン
【0189】
【化29】

5.30g(30mmol)のN-エチル-N-(2-クロロチアゾール-5-イル-メチル)アミン(cf. EP 302389 A2, 1989)、2.26g(30mmol)のクロロアセトニトリル、5.11g(30mmol)のカリウム N-シアンイミノメチルスルファニルメタンチオレート、0.10gのナトリウム、240.9mLのメタノール及び120.5mLのアセトンを用いて、実施例I-1の反応順序と同様にして環化を行う。
【0190】
残留している粗生成物を、移動相として水(A)/メタノール(B)(プログラム - スタート: 50:50 / ステップ1: 90%A, 10分間 / ステップ2: 90%から10%A, 90分間 / ステップ3: 10%A, 10分間; ポンプリフト約40%)を用いる逆相(RP)クロマトグラフィーにより予備分画する。上記で得られた生成物(1.3g)を再度分離した後、分取HPLCに付すことにより、純粋な4-(N-(2-クロロチアゾール-5-イル)-N-エチル)アミノ-2-シアンイミノ-2,5-ジヒドロ-[1,3]-チアゾリンをE/Z異性体混合物として得る(cf. NMR)。
1010ClN (M = 299.8g/mol)
LC-MS(ESI 正)(m/z, %) = 300 (MH+, 100)
Rt=3.54分(0.1%HCOOH/アセトニトリル)
【0191】
【化30】

13C-1H デカップリング 及び 1H/13C 相関 (HMBC, HMQC, CD3CN, TMS) δ = 13.0 (-CH3); 40.1 (-S-CH2-); 40.8 (-S-CH2-); 46.5 (-CH2-); 46.6 (-CH2-); 47.5 (-NCH2-); 117.9 (-CN); 135.6 (Ct-C); 142.5 (Ct-C); 153.5 (Ct-C-Cl); 178.7 (-N-C=N-); 181.4 (-N-C=N-); 191.0 (-C=N-); 191.9 (-C=N-) ppm。(E/Z 異性体混合物)。
HPLC (水/アセトニトリル) = 3.17分; λmax= 287.5nm。
【0192】
実施例I-3
5-シアンイミノ-2-(N-(2-クロロチアゾール-5-イル)-N-エチル)アミノピロリン
【0193】
【化31】

0.011g(0.039mmol)の2-(N-(2-クロロチアゾール-5-イル)-N-エチル)アミノピロリン-5-チオン(IV-1)、0.002g(0.039mmol)のシアンアミド及び0.01mL(0.039mmol)のトリエチルアミンを5.0mLのメタノール中で撹拌し、得られた反応混合物に、保護ガス(アルゴン)下、0.011g(0.039mmol)の塩化水銀(II)を添加する。15分後、得られた懸濁液をsilica gel 60 - Merck(粒子サイズ:0.04〜0.063mm)を通して濾過し、濾液を減圧下に濃縮する。残渣を、移動相として水(A)/メタノール(B)(プログラム - スタート: 50:50 / ステップ1: 90%A, 10分間 / ステップ2: 90%から10%A, 90分間 / ステップ3: 10%A, 10分間; ポンプリフト約40%)を用いる逆相(RP)クロマトグラフィーにより分離する。得られた4つのフラクションから、2〜4のフラクションを、移動相として水(A)/メタノール(B)(プログラム - スタート: 50:50 / ステップ1: 90%A, 10分間 / ステップ2: 90%から10%A, 90分間 / ステップ3: 10%A, 10分間; ポンプリフト約40%)を用いる逆相(RP)クロマトグラフィーにより再精製した。
収量:1.4mg(理論値の0.05%) C1112ClNS(M = 281.7g/mol)
LC-MS(ESI 正)(m/z, %) = 282 (MH+, 100)
Rt = 2.93分(0.1%HCOOH/アセトニトリル)。
【0194】
実施例I-1〜実施例I-3と同様にして、下記表Iに記載してある一般式(I)の化合物を調製することができる。
【0195】
【表1】

【0196】
実施例 III-1
5-(N-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-メチルアミノ)-4,4-ジメチル-2-メチルスルファニル-4H-イミダゾール
【0197】
【化32】

2.26g(8.0mmol)の4-(N-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-メチル)アミノ)-5,5-ジメチル-2,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-チオンを80mLの無水アセトンに溶解させ、10mLの無水アセトン中の3.40g(24.0mmol)のヨードメタンを添加する。得られた混合物を、全てのチオンが反応し終わるまで室温で4時間撹拌する(TLCによるモニタリング)。回転蒸発器で減圧下に余分なヨードメタンと溶媒を除去する。塩基を遊離させるために、残留した油状物を60mLのアセトン中に取り込み、固体の炭酸ナトリウム上で室温で14時間撹拌する。単離するために、生成物を濾過し、溶媒を減圧下に除去し、残渣を、2/1の酢酸エチル/メタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィーにかける。(Rf = 0.2)。遊離塩基を高粘性の油状物として得る。
収量:1.93g(理論値の81%) C1317ClNS(M = 296.82g/mol)
【0198】
【化33】

【0199】
実施例 IV-1
2-(N-(2-クロロチアゾール-5-イル)-N-エチル)アミノピロリン-5-チオン
【0200】
【化34】

0.5g(1.94mmol)の2-(N-(2-クロロチアゾール-5-イル)-N-エチル)アミノピロリン-5-オン(V-7)を、0.81g(2.00mmol)の無水4-メトキシフェニルジチオホスホン酸(ローエソン試薬)と一緒に、50mLのテトラヒドロフラン中で室温で18時間撹拌する。次いで、得られた混合物の全てをシリカゲルカラム(silica gel 60 - Merck, 粒子サイズ 0.04〜0.063mm)を通して濾過し、残渣を、酢酸エチル/メタノールの混合物で洗浄する。有機相を減圧下に濃縮し、得られた残渣を、移動相として水(A)/メタノール(B)(プログラム - スタート: 50:50 / ステップ1: 90%A, 10分間 / ステップ2: 90%から10%A, 90分間 / ステップ3: 10%A, 10分間; ポンプリフト約40%)を用いる逆相(RP)クロマトグラフィーにより分離する。得られた4つのフラクションから、2〜4のフラクションを、移動相として水(A)/メタノール(B)(プログラム - スタート: 50:50 / ステップ1: 90%A, 10分間 / ステップ2: 90%から10%A, 90分間 / ステップ3: 10%A, 10分間; ポンプリフト約40%)を用いるRPクロマトグラフィーにより再精製した。
収量:0.01g(理論値の1.8%) C1012ClN(M = 273.8g/mol)
LC-MS(ESI 正)(m/z, %) = 274 (MH+, 100)
Rt = 3.12分(0.1%HCOOH/アセトニトリル)。
【0201】
【化35】

13C-1H デカップリング 及び 1H/13C 相関 (HMBC, HMQC, CDCl3, TMS) δ = 13.4 (-CH3); 30.6 (-CH2-); 44.9 (-CH2-); 45.1 (-N-CH2-); 45.5 (-N-CH2-Ct); 134.0 (Ct-C); 140.9 (Ct-C); 154.2 (Ct-C-Cl); 185.1 (-N-C=N-); 230.8 (C=S) ppm。
【0202】
実施例 IV-1と同様にして、下記表IIに記載してある一般式(IV)の化合物を調製することができる。
【0203】
【表2】

【0204】
実施例 IV-6
4-(N-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-メチルアミノ)-5,5-ジメチル-2,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-チオン
【0205】
【化36】

窒素雰囲気下、室温で、10mLの無水ジエチルエーテル中の1.31g(10.0mmol)のトリメチルシリルイソチオシアネートを、30mLの無水ジエチルエーテル中の2.24g(10.0mmol)の6-クロロ-3-(N-(2,2-ジメチル-2H-アジリン-3-イル)-N-メチル)アミノメチルピリジンに滴下して加える。トリメチルシリルイソチオシアネートの添加が終了した後、得られた反応混合物を20分間撹拌し、 8mLの無水ジエチルエーテル中の4mLの無水メタノールを用いて加水分解する。生じた固体を濾過し、メタノール中で2時間撹拌し、再度濾過する。
収量:2.69g(理論値の95%) C1215ClNS(M = 282.80g/mol)
【0206】
【化37】

【0207】
実施例V-1
2-(N-(2-クロロピリド-5-イル)-N-メチル)アミノピロリン-5-オン
【0208】
【化38】

3.70g(29.0mmol)の2-エトキシピロリン-5-オン(cf. K. Matobaら, Chem. Pharm. Bull. 1974, 22(12), 2999-3001; G. Crockettら, Org. Synth. 1980, 59, 132-40)を60mLのメタノールに溶解させ、4.4g(29.0mmol)のN-メチル-N-(2-クロロピリド-5-イル-メチル)アミン(cf..EP-302389 A2, 1989)を添加する。得られた混合物を室温で5日間撹拌する。次いで、反応混合物の全てを減圧下に濃縮し、残留した結晶を25mLのエタノールと一緒に撹拌し、分離する。
収量:4.6g(理論値の66.7%) C1112ClNO(M = 237.7 g/mol)
LC-MS(ESI 正)(m/z, %) = 238 (MH+, 100)
Rt = 1.08分(0.1%HCOOH/アセトニトリル)。
【0209】
【化39】

13C-1H デカップリング 及び 1H/13C 相関 (600MHz、HMBC、HMQC、CDCl3、TMS) δ = 28.4 (-CH2-); 31.9 (-CH2-); 35.5 (-N-CH3); 51.4 (-N-CH2-Cl-Py); 124.5 (Cl-Py-C)、139.3 (Cl-Py-C); 149.2 (Cl-Py-C); 151.2 (Cl-Py-C-Cl); 185.5 (-C=); 192.7 (C=O) ppm.
HPLC(0.05M NHHCO/アセトニトリル) = 1.41分;λmax = 238nm。
【0210】
実施例V-2
4-(N-(2-クロロチアゾール-5-イル)-N-メチル)アミノ-2(5H)-チオフェノン
【0211】
【化40】

57mLのトルエン中の1.32g(11.4mmol)の4-ヒドロキシ-2(5H)-チオフェノン(EP-189096 A1, 1986)及び1.85g(11.4mmol)のN-メチル-N-(2-クロロチアゾール-5-イル-メチル)アミン(cf. EP-302389 A2, 1989)を、17.1gのモレキュラーシーブ4Aの存在下に、保護ガス(アルゴン)下、還流温度で、水分離器上で12時間撹拌する。次いで、得られた反応混合物の全てを減圧下に濃縮し、残渣を、移動相として酢酸エチルを用いるシリカゲルカラム(silica gel 60 - Merck, 粒子サイズ 0.04〜0.063mm)を通して分離する。
収量:0.20g(理論値の6.4%) CClNOS(M = 260.7 g/mol)
LC-MS(ESI 正)(m/z, %) = 261 (MH+, 100)
Rt = 3.33分(0.1%HCOOH/アセトニトリル)。
【0212】
【化41】

HPLC(0.1%HPO/アセトニトリル) = 2.71分;λmax = 242.298nm。
【0213】
実施例V-1及び実施例V-2と同様にして、下記表IIIに記載してある一般式(V)の化合物を調製することができる。
【0214】
【表3】

【0215】
実施例 IX-1
6-クロロ-3-(N-(2,2-ジメチル-2H-アジリン-3-イル)-N-メチル)-アミノメチルピリジン
【0216】
【化42】

滴下漏斗、内部温度計及び氷浴上のドライアイス冷却器が付いている、250mL容の四つ口安全フラスコ内に、先ず、20mLの無水CHCl中の1.78g(9.0mmol)のジホスゲンを入れる。窒素下、0℃〜5℃で、10mLの無水CHCl中の3.63g(15.0mmol)のN-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-メチル-2-メチルプロパンチオアミドの溶液を滴下して加える。次いで、4滴の無水DMFを添加し、得られた反応混合物を室温まで徐々に昇温させて、4時間撹拌する。次いで、水ポンプで減圧しながら冷トラップを通して余分なホスゲンと溶媒を完全に除去する。残留した固体を、窒素下、60mLの無水THFに溶解させ、0℃〜5℃に冷却し、激しく撹拌しながら1.68g(15.0mmol)のDABCOを添加する。反応混合物を室温まで昇温させ、45分間撹拌する。生じた容積の大きな沈澱物をエルボ継手を通して不活性ガス下で濾過し、無水THFで2回洗浄する。さらなる後処理をすることなく、得られた透明な溶液に、窒素下で、1.95g(30mmol)の固体アジ化ナトリウムを添加し、得られた混合物を48時間撹拌する。生成物を単離するために、無機塩を濾別し、溶媒を減圧下に除去し、得られた残渣を、移動相として10/2の酢酸エチル/メタノールを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する(Rf = 0.2)。
収量:1.92g(理論値の57%) C1114ClN(M = 223.71g/mol)
【0217】
【化43】

【0218】
実施例
N-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-メチル-2-メチルプロパンチオアミド
【0219】
【化44】

250mL容の二口フラスコ内で、N-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-N-メチル-2-メチルプロパンアミド(6.80g, 30.0mmol)を120mLのベンゼンに溶解させ、1.47g(3.3mmol)の五硫化リンを添加する。得られた混合物を、還流温度で1.5時間加熱した後、室温まで冷却し、濾過し、回転蒸発器を用いて濾液を減圧下に濃縮する。収率を上げるため同日中に、生成物を、移動相として10/3のジクロロメタン/ジエチルエーテルを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Rf = 0.8)に付すべきである。
m.p.:56℃
収量:5.16g(理論値の71%) C1115ClNS(M = 242.77g/mol)
【0220】
【化45】

1H-NMR300(CDCl3/TMS)* = アミドの共鳴に起因する2セットのシグナル。
【0221】
【化46】

【0222】
カリウム N-シアノイミノメチルスルファニルメタンチオレート(XI)
(a) シアノイミドジチオ炭酸ジカリウム塩の調製
窒素雰囲気下、オーバーヘッド撹拌機、滴下漏斗、温度計及び還流冷却器が付いた500mL容の四つ口フラスコ内で、40mLのエタノール中の21.0g(0.50mol)のシアンアミドを0℃に冷却する。この温度で、41.9g(0.55mol)の二硫化炭素、次いで、180mLのエタノール中の56.1g(1.00mol)の水酸化カリウムを、内部温度が5℃を超えないように、連続して滴下して加える(約4時間)。二硫化炭素と水酸化カリウムの添加終了後、冷浴を除去し、得られた混合物を室温で一晩撹拌する。生じた固体を濾過し、エタノールで洗浄し、減圧下に乾燥させる。得られた塩は吸湿性であり、濾過中に、大気/大気湿度に長時間接触させるべきではない。前記塩は、次のステップにおいて粗生成物として使用する。収率は理論値の75%〜80%である。
【0223】
(b) カリウム N-シアンイミノメチルスルファニルメタンチオレート
77.7g(0.40mol)の上記粗生成物を、270mLのアセトンと300mLの水の混液に溶解させ、0℃に冷却する。この温度で、激しく撹拌しながら、150mLのアセトン中の56.8g(0.40mol)のヨウ化メチルを、ゆっくりと3時間かけて滴下して加える。ヨウ化メチルの添加終了後、得られた反応混合物を、0℃で1時間撹拌した後、室温でさらに3時間撹拌する。回転蒸発器を用いて、全ての溶媒を除去して、乾固させる。残渣を250mLの無水アセトンに取り込み、回転蒸発器を用いて、元の容積の半分になるまで濃縮する。生じたヨウ化カリウムを結晶化させるために、反応混合物を冷蔵庫内に一晩維持する。生じた固体を濾過し、濾液を、殆ど乾固するまでさらに濃縮する。冷所で、所望の生成物が析出する。最後のステップを繰り返してヨウ化カリウムを完全に除去することができる。収量は、理論値の75%〜80%である。分析データは、文献のデータと一致する。
【0224】
(使用実施例)
実施例A
ネコブセンチュウ(Meloidogyne)試験
溶媒: 7重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 2重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を製造するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合する。得られた濃厚物を水で稀釈して所望の濃度とする。
【0225】
容器に、砂と、活性化合物の溶液と、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)の卵及び幼虫の懸濁液と、レタスの種子を詰める。レタスの種子が発芽し、植物が成育する。根に、瘤が形成される。
【0226】
所望の期間が経過した後、瘤の形成割合を指標として用いて、殺線虫活性(%)を測定する。100%は、瘤が観られなかったことを意味し;0%は、処理した植物の瘤の数が未処理対照の瘤の数に相応していることを意味する。
【0227】
【表4】

【0228】
ネコノミを用いた試験/経口摂取
試験動物: クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)の成虫
溶媒: ジメチルスルホキシド(DMSO)
適切な調製物を製造するために、20mgの活性化合物と1mLのDMSOから活性化合物の適切な溶液を調製する。この配合物の20μLを4mLのクエン酸処理した蓄牛の血液に加えて撹拌する。
【0229】
餌を与えていない20匹のノミ成虫(クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis), 系統「Georgi」)を、頂部と底部をガーゼで塞いであるチャンバー(φ5cm)内に配置する。底面をパラフィルムで覆ってある金属製筒を前記チャンバーの上に配置する。前記筒に、パラフィルム膜を通してノミが摂取することができる4mLの血液/活性化合物配合物を収容する。前記血液は37℃に加温するが、ノミチャンバー内部の温度は25℃に調節する。対照血液は、化合物を添加することなく、同じ体積のDMSOと混合する。測定は3反復で行う。
【0230】
24時間後、死亡率(%)を測定する。
【0231】
24時間以内に少なくとも25%のノミの死亡をもたらす化合物を、有効であると判断する。
【0232】
この試験において、例えば、調製実施例の下記化合物は有効である。
【0233】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IX)で表される化合物。
【化47】

[式中、
Aは、場合によりハロゲン、シアノ、ニトロ、C-C-アルキル、C-C-ハロアルキル、C-C-アルコキシ又はC-C-ハロアルコキシで置換されていてもよい、フェニルを表し;
は、水素又はC-C-アルキルを表し;
は、水素又はC-C-アルキルを表し;
は、水素又はC-C-アルキルを表し;
は、水素又はC-C-アルキルを表す]

【公開番号】特開2009−227688(P2009−227688A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132770(P2009−132770)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【分割の表示】特願2005−111638(P2005−111638)の分割
【原出願日】平成14年4月10日(2002.4.10)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】