説明

殺虫性化合物

式(I)の化合物(式中、R1はハロゲン、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルから独立に選ばれる1〜4個の置換基によって場合により置換されていてよいピリダ−4−イルであり、R2は水素、ハロゲン、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり、R3はトリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はジフルオロメトキシでありそしてR4は水素、フルオロ又はクロロであり、又は、R3はフルオロ、クロロ又はブロモであり、R4はフルオロ、クロロ又はトリフルオロメチルであり、R5は水素又はハロゲンである)、又は、その塩もしくはN−オキシド。さらに、本発明は式(I)の化合物を調製するために使用される中間体、昆虫、ダニ、軟体動物及び線虫害虫を防除し、そして制御するためのその使用方法、ならびに、それを含む、昆虫、ダニ、軟体動物及び線虫殺生性組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のピペリジン誘導体、その調製に使用される中間体、それを用いて昆虫、ダニ、軟体動物及び線虫害虫を防除し、そして制御する方法、及び、それを含む、殺虫用、ダニ駆除用、殺軟体動物用及び殺線虫用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫性を有するピペリジン誘導体は、たとえば、国際公開第WO2006/003494号明細書に開示されている。
【発明の概要】
【0003】
今回、驚くべきことに、特定のピペリジン誘導体は向上した殺虫性を有することを発見した。
【0004】
それゆえ、本発明は式(I)の化合物
【化1】

(上式中、R1はハロゲン、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルから独立に選ばれる1〜4個の置換基によって場合により置換されていてよいピリダ−4−イルであり、
2は水素、ハロゲン、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり、
3はトリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はジフルオロメトキシでありそしてR4は水素、フルオロ又はクロロであり、又は、
3はフルオロ、クロロ又はブロモでありそしてR4はフルオロ、クロロ又はトリフルオロメチルであり、
5は水素又はハロゲンである)、又は、その塩もしくはN−オキシドを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
式(I)の化合物は、さまざまな幾何異性体又は光学異性体又は互変異性体として存在することができる。本発明には、そのような異性体と互変異性体に加え、これらがあらゆる割合で混合した混合物、ならびに、重水素化した化合物などの同位体の形態がすべて含まれる。
【0006】
各アルキル部分は、単独で、あるいはより大きな基(たとえば、アルコキシ)の一部として、直鎖又は枝分かれ鎖であり、たとえば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル又はtert-ブチルである。アルキル基は好ましくはC1〜C4アルキル基であり、最も好ましくは C1〜C3アルキル基である。
【0007】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
ハロアルキル基は、1個以上の同じハロゲン原子又は異なるハロゲン原子で置換されたアルキル基であり、たとえば、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル又は2,2,2−トリフルオロエチルである。
【0008】
塩は式(I)の化合物の荷電された形態及び反対電荷の対イオンを含む。式(I)の化合物は、もし、窒素原子が有機酸もしくは無機酸でのプロトン化によって第四級化されているか、又は、もし、窒素原子が、たとえば、メチル基でのアルキル化によって第四級化されているならば、たとえば、ピペリジン環中の窒素原子上に正電荷を有することができる。適切な有機酸としては、ブト−3−エン酸、2−クロロ安息香酸、2−クロロ−6−フルオロ安息香酸、5−クロロ−2−フルオロ安息香酸、5−クロロ−2−フルオロ安息香酸、(2−クロロ−フェニル)酢酸、2,6−ジヒドロキシ−ピリミジン−4−カルボン酸、3,5−ジメトキシ−安息香酸、2−エチル−ヘキサン酸、ヒドロキシ−酢酸、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロピオン酸、2−ヒドロキシ−プロピオン酸、イソ酪酸、(ナフタレン−2−イルスルファニル)−酢酸、(E)−オクタデス−9−エン酸、4−フェノキシ−酪酸、4−フェニル−酪酸、1,3,4,5−テトラヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸、チオフェン−2−イル−酢酸又は9H−キサンテン−9−カルボン酸が挙げられる。適切な無機酸としてリン酸が挙げられる。適切なアニオン対イオンとしては、たとえば、解離した酸アニオン、又は、水酸化物、塩化物又は臭化物などの単純アニオンが挙げられる。
【0009】
N−オキシドは窒素原子が酸化された式(I)の化合物である。特に、N−オキシドはピペリジン環中の窒素原子が酸化された式(I)の化合物である。式(I)の化合物を式(I)のN−オキシドへと転化させることができる酸化剤としては過酸化水素水溶液が挙げられる。
【0010】
あらゆる組み合わせでのR1、R2、R3、R4及びR5に関する好ましい基を下記に示す。
【0011】
好ましくは、R1は、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、ジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル又はトリフルオロメチルから独立に選ばれる1〜4個の置換基によって場合により置換されていてよいピリダ−4−イルである。
より好ましくは、R1は、フルオロ、クロロ又はメチルから独立に選ばれる1〜3個の置換基によって場合により置換されていてよいピリダ−4−イルである。
最も好ましくは、R1は、フルオロ又はクロロから独立に選ばれる1〜2個の置換基によって場合により置換されていてよいピリダ−4−イルである。
【0012】
好ましくは、R2は水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ又は1,1,2,2−テトラフルオロエトキシである。
より好ましくは、R2はフルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシである。
最も好ましくは、R2はクロロ、ブロモ又はトリフルオロメチルである。
【0013】
好ましくは、R5は水素、フルオロ又はクロロである。
より好ましくは、R5は水素又はクロロである。
最も好ましくは、R5は水素である。
【0014】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はトリフルオロメチルであり、そしてR4及びR5は両方とも水素である式(Ia)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0015】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はクロロであり、R4はフルオロであり、そしてR5は水素である式(Ib)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0016】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3及びR4は両方ともクロロであり、そしてR5は水素である式(Ic)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0017】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はブロモであり、R4はフルオロであり、そしてR5は水素である式(Id)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0018】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はブロモであり、R4はクロロであり、そしてR5は水素である式(Ie)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0019】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はクロロであり、R4はトリフルオロメチルであり、そしてR5は水素である式(If)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0020】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はブロモであり、R4はトリフルオロメチルであり、そしてR5は水素である式(Ig)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0021】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はトリフルオロメチルであり、R4はクロロであり、そしてR5は水素である式(Ih)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0022】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3、R4及びR5はクロロである式(Ij)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0023】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はトリフルオロメチルであり、R4は水素であり、そしてR5はフルオロである式(Ik)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0024】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はフルオロであり、R4はトリフルオロメチルであり、そしてR5は水素である式(Im)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0025】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3及びR4は両方ともフルオロであり、そしてR5は水素である式(In)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0026】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はジフルオロメチルであり、そしてR4及びR5は両方とも水素である式(Io)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0027】
1及びR2は式(I)の化合物について規定されるとおりであり、R3はジフルオロメトキシであり、そしてR4及びR5は両方とも水素である式(Ip)の化合物又はその塩もしくはN−オキシドは好ましい実施形態である。
【0028】
特定の中間体は新規であり、そしてそれ自体が本発明のさらなる態様を構成する。中間体の1つのこのような群は式(II)の化合物である。
【化2】

【0029】
上式中、R1、R3、R4及びR5は式(I)の化合物について規定されているとおりである。R1、R3、R4及びR5について好ましいものは式(I)の化合物について示したものと同一である。
【0030】
中間体の別の群は式(III)の化合物である。
【化3】

【0031】
上式中、R11はC1〜C6アルキル、たとえば、tert-ブチル、C1〜C6アルケニル、たとえば、アリル、又は、ベンジルであり、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ又はハロゲンによって場合により置換されていてよく、そしてR1、R3、R4及びR5は式(I)の化合物について規定されているとおりである。R11は好ましくはter-ブチルである。R1、R3、R4及びR5について好ましいものは式(I)の化合物について示したものと同一である。
【0032】
中間体の別の群は式(IV)の化合物である。
【化4】

【0033】
上式中、R11はC1〜C6アルキル、たとえば、tert-ブチル、C1〜C6アルケニル、たとえば、アリル、又は、ベンジルであり、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ又はハロゲンによって場合により置換されていてよく、そしてR3、R4及びR5は式(I)の化合物について規定されているとおりであり、又は、R3及びR5は水素でありそしてR4はフルオロ、クロロ又はトリフルオロメチルである。R11は好ましくはter-ブチルである。R3、R4及びR5について好ましいものは式(I)の化合物について示したものと同一である。
【0034】
中間体の別の群は式(V)の化合物である。
【化5】

【0035】
上式中、R11はC1〜C6アルキル、たとえば、tert-ブチル、C1〜C6アルケニル、たとえば、アリル、又は、ベンジルであり、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ又はハロゲンによって場合により置換されていてよく、そしてR3、R4及びR5は式(I)の化合物について規定されているとおりであり、又は、R3及びR5は水素でありそしてR4はフルオロ、クロロ又はトリフルオロメチルである。R11は好ましくはter-ブチルである。R3、R4及びR5について好ましいものは式(I)の化合物について示したものと同一である。
【0036】
中間体の別の群は式(VI)の化合物である。
【化6】

【0037】
上式中、R11はC1〜C6アルキル、たとえば、tert-ブチル、C1〜C6アルケニル、たとえば、アリル、又は、ベンジルであり、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ又はハロゲンによって場合により置換されていてよく、そしてR3、R4及びR5は式(I)の化合物について規定されているとおりである。R11は好ましくはter-ブチルである。R3、R4及びR5について好ましいものは式(I)の化合物について示したものと同一である。
【0038】
本発明の化合物はWO2006/003494号明細書に記載されたとおりの様々な方法によって製造されうる。
【0039】
一般式(I)の化合物は、害虫(たとえば、鱗翅目、双翅目、半翅目、総翅類、直翅類、網翅類、鞘翅目、隠翅目、膜翅類、等翅目)や他の無脊椎の害虫(たとえば、ダニ、線虫及び軟体動物害虫)の寄生と闘いそして制御するのに使用できる。以下において、昆虫、ダニ、線虫及び軟体動物をまとめて害虫と呼ぶ。本発明の化合物を使用して防除し、そして制御できる害虫としては、農業(この用語は、食物及び繊維製品のための作物を成長させることを含む)、園芸、畜産、ペット、林業、植物起源の製品(果実、穀類、木材など)の保存に関係する害虫;人工構造体の損傷、ヒトや動物の伝染病に関係する害虫;邪魔になる害虫(たとえば、ハエ)などが挙げられる。
【0040】
一般式(I)の化合物で制御することのできる害虫の属の具体例は以下のとおりである:ミズス・ペルシカエ(モモアカアブラムシ)、アフィス・ゴシピイ(ワタアブラムシ)、アフィス・ファバエ(アブラムシ)、リグス属(メクラカメムシ)、ディスデルクス属(メクラカメムシ)、ニラパルバータ・ルーゲンス(トビイロウンカ)、ネフォティクス・キンクティケプス(ツマグロヨコバイ)、ネザラ属(カメムシ)、エウシストゥス属(カメムシ)、レプトコリサ属(カメムシ)、フランクリニエラ・オクシデンタリス(ミカンキイロアザミウマ)、アザミウマ属(アザミウマ)、レプティノタルサ・デケムリネアータ(コロラドハムシ)、アントノムス・グランディス(メキシコワタノミゾウムシ)、アオニディエラ属(カイガラムシ)、トリアレウロデス属(コナジラミ)、ベミシア・タバキ(タバココナジラミ)、オストリニア・ヌビラリス(ヨーロッパアワノメイガ)、スポドプテラ・リトラリス(エジプトヨトウ)、ヘリオティス・ビレスケンス(タバコガ)、ヘリコベルパ・アルミゲラ(オオタバコガ)、ヘリコベルパ・ゼア(ワタキバガ)、シレプタ・デロガータ(ハマキガ)、ピエリス・ブラシカエ(オオモンシロチョウ)、プルテラ・キシロステラ(コナガ)、アグロティス属(ネキリムシ)、キロ・スプレサリス(ニカメイガ)、ロクスタ・ミグラトリア(トノサマバッタ)、コルトイケテス・テルミニフェラ(バッタ)、ディアブロティカ属(ウリハムシ)、パノニクス・ウルミ(リンゴハダニ)、パノニクス・キトゥリ(ミカンハダニ)、テトラニクス・ウルティカエ(ナミハダニ)、テトラニクス・キンナバリヌス(ニセナミハダニ)、フィロコプトゥルータ・オレイボラ(ミカンサビダニ)、ポリファゴタルソネムス・ラトゥス(チャノホコリダニ)、ブレビパルプス属(ハダニ)、ボオフィルス・ミクロプルス(オウシマダニ)、デルマケントール・バリアビリス(アメリカイヌダニ)、クテノケファリデス・フェリス(ネコノミ)、リリオミザ属(ハモグリムシ)、ムスカ・ドメスティカ(イエバエ)、アエデス・アエギプティ(ネッタイシマカ)、アノフェレス属(蚊)、クレックス属(蚊)、ルキリア属(クロバエ)、ブラッテラ・ゲルマニカ(チャバネゴキブリ)、ペリプラネタ・アメリカーナ(ワモンゴキブリ)、ブラッタ・オリエンタリス(トーヨーゴキブリ)、ムカシシロアリ科のシロアリ(たとえば、マストテルメス属)、レイビシロアリ科のシロアリ(たとえば、ネオテルメス属)、ミゾガシラシロアリ科のシロアリ(たとえば、コプトテルメス・フォルモサヌス(イエシロアリ)、レティクリテルメス・フラビペス、レティクリテルメス・スペラトゥス(ヤマトシロアリ)、レティクリテルメス・ビルギニクス、レティクリテルメス・ヘスペルス、レティクリテルメス・サントネンシス)、シロアリ科のシロアリ(たとえば、グロビテルメス・スルフレウス)、ソレノプシス・ゲミナータ(アカカミアリ)、モノモリウム・ファラオニス(イエヒメアリ)、ダマリニア属及びリノグナトゥス属(ハジラミ及びシラミ)、メロイドギネ属(ネコブセンチュウ)、グロボデラ属及びヘテロデラ属(シストセンチュウ)、プラティレンクス属(ネグサレセンチュウ)、ロドフォルス属(バナナに潜伏するセンチュウ)、ティレンクルス属(ミカンセンチュウ)、ハエモンクス・コントルトゥス(捻転胃虫)、カエノラブディティス・エレガンス(スセンチュウ)、トリコストロンギルス属(胃腸センチュウ)及びデロケラス・レティクラトゥム(ナメクジ)。
【0041】
したがって、本発明により、昆虫、ダニ、線虫又は軟体動物を防除し、そして制御する方法であって、害虫に、害虫のいる場所に、好ましくは植物に、又は、害虫の攻撃を受けやすい植物に、昆虫、ダニ、線虫又は軟体動物を殺生するのに有効な量の一般式(I)の化合物、又は、一般式(I)の化合物を含む組成物を施用することを含む方法が提供される。一般式(I)の化合物は、昆虫、ダニ又は線虫に対して使用することが好ましい。
【0042】
本明細書中、「植物」という用語に、苗、潅木及び樹木が含まれる。
【0043】
作物は 遺伝子工学又は従来の育種方法の結果として、除草剤又は除草剤クラス(たとえば、ALS−、GS−、EPSPS−、PPO−、及びHPPD−抑制剤)に耐性となった作物をも含むと理解されるべきである。従来の育種方法によって、たとえば、イマザモックスなどのイミダゾリノンに耐性となった作物の例はClearfield(登録商標) サマーレープ(summer rape) (Canola)である。遺伝子工学方法によって除草剤に耐性となった作物の例は、たとえば、RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)の商品名で市販されているグリホサート及びグルホシネート耐性トウモロコシ変種を含む。
【0044】
作物はまた、遺伝子工学法により有害な昆虫に対して耐性にされた作物としても理解され、たとえば、Btトウモロコシ(ヨーロッパコーンボーラー(European corn borer)に対して耐性)、Bt綿(コトンメキシコワタノミゾウムシ(cotton boll weevil)に対して耐性)、及びBtバレイショ(コロラドビートル(Colorado beetle)に対して耐性)がある。Btトウモロコシの例は、Bt176トウモロコシ交配種であるNK(登録商標)(Syngenta Seeds)である。昆虫耐性のためのコード化を行いそして1つ以上の毒素を放出する1つ以上の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例はKnockOut(登録商標) (トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標) (トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標) (綿)、Bollgard(登録商標) (綿)、NewLeaf(登録商標) (バレイショ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。
【0045】
植物作物又はその種子材料は、除草剤耐性で、同時に昆虫の採餌に対して耐性であることもできる(「多重(stacked)」トランスジェニックイベント)。種子は、たとえば、殺昆虫活性Cry3タンパク質を放出し、同時にグリホサート耐性を発現することができる。
【0046】
作物は、いわゆる生産物特性(たとえば、改良された貯蔵安定性、より高い栄養価及び改良された風味)を含む、従来の育種法又は遺伝子工学の結果として得られた作物も含むものと理解されるべきである。
【0047】
一般式(I)の化合物を、害虫に、又は害虫のいる場所に、又は害虫の攻撃を受けやすい植物に対する殺虫剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤又は殺軟体動物剤として施用するため、一般式(I)の化合物は、通常は組成物に製剤される。この組成物は、一般式(I)の化合物に加え、適切な不活性な希釈剤又はキャリアを含んでおり、場合により、さらに界面活性剤(SFA)も含んでいる。SFAは、界面の張力を低下させることによって表面(たとえば、液体/固体、液体/空気又は液体/液体の界面)の性質を変え、その結果として他の性質(たとえば、分散性、乳化性及び湿潤性)を変化させることのできる化学物質である。どの組成物(固体製剤及び液体製剤の両方)も、一般式(I)の化合物を0.0001〜95質量%含んでいることが好ましく、より好ましくは1〜85質量%、たとえば、5〜60質量%含んでいる。組成物は、一般に、害虫を制御するのに使用され、一般式(I)の化合物は、1ヘクタールにつき0.1g〜10kgの割合で施用される。この値は1ヘクタールにつき1g〜6kgであることが好ましく、1ヘクタールにつき1g〜1kgであることがさらに好ましい。
【0048】
一般式(I)の化合物を種子ドレッシングに用いる場合には、種子1kgにつき0.0001g〜10g(たとえば、0.001g又は0.05g)の割合で使用する。この値は、種子1kgにつき0.005g〜10gであることが好ましく、0.005g〜4gであることがさらに好ましい。
【0049】
本発明の別の態様によると、昆虫、ダニ、線虫又は軟体動物殺生性組成物であって、昆虫、ダニ、線虫又は軟体動物を殺生するのに有効な量の一般式(I)の化合物と、適切なキャリア又は希釈剤とを含む組成物が提供される。この組成物は、昆虫、ダニ、線虫又は軟体動物殺生性組成物であることが好ましい。
【0050】
本発明のさらに別の態様によると、害虫を防除し、そして害虫を制御する方法であって、害虫を、又は害虫のいる場所を、昆虫、ダニ、線虫又は軟体動物を殺生するのに有効な量の一般式(I)の化合物を含む組成物で処理することを含む方法が提供される。
【0051】
組成物は、多数のタイプの製剤の中から選択することができる。たとえば、ダスト化可能な粉末(DP)、可溶性粉末(SP)、水溶性顆粒(SG)、水に分散可能な顆粒(WG)、湿潤化可能な粉末(WP)、顆粒(GR)(速放性又は徐放性)、可溶性濃縮液(SL)、オイル混合可能液(OL)、超低容量液(UL)、乳化可能な濃縮液(EC)、分散可能な濃縮液(DC)、エマルジョン(水中油(EW)型と油中水(EO)型の両方)、マイクロエマルジョン(ME)、懸濁濃縮液(SC)、エーロゾル、噴霧/噴煙製剤、カプセル懸濁液(CS)、種子処理用製剤がある。選択する製剤のタイプは、いずれの場合にも、目的とする個々の用途と、一般式(I)で表わされる化合物の物理的、化学的及び生物学的な性質によって異なることになろう。
【0052】
ダスト化可能な粉末(DP)は、一般式(I)の化合物を1種類以上の固体希釈剤(たとえば、天然の粘土、カオリン、葉蝋石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土(kieselguhr)、チョーク、珪藻土(diatomaceous earths)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、イオウ、石灰、フラワー、タルク、ならびに他の有機及び無機の固体キャリア)と混合し、その混合物を機械で粉砕して微粉末にすることによって調製できる。
【0053】
可溶性粉末(SP)は、水への分散性/溶解度を向上させるため、一般式(I)の化合物を、1種類以上の水溶性無機塩(たとえば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム)又は1種類以上の水溶性有機固体(たとえば、多糖類)と混合し、場合により、さらに1種類以上の湿潤剤もしくは1種類以上の分散剤、又はこれらの混合物と混合することによって調製できる。この混合物を粉砕して微粉末にする。同様の組成物を顆粒化して水溶性顆粒(SG)にすることもできる。
【0054】
湿潤化可能な粉末(WP)は、液体への分散を容易にするため、一般式(I)の化合物を、1種類以上の固体希釈剤又は固体キャリア、ならびに1種類以上の湿潤剤と混合し、好ましくはさらに1種類以上の分散剤と混合し、場合により、さらに1種類以上の懸濁剤と混合することによって調製できる。その後、混合物を粉砕して微粉末にする。同様の組成物を顆粒化して水に分散可能な顆粒(WG)にすることもできる。
【0055】
顆粒(GR)は、一般式(I)の化合物と、粉末化した1種類以上の固体希釈剤又は固体キャリアとの混合物を顆粒化することによって形成できる。あるいは顆粒(GR)は、一般式(I)の化合物(又はその化合物の適切な媒体中の溶液)を多孔性顆粒材料(たとえば、軽石、アタパルジャイト粘土、フラー土、珪藻土(kieselguhr)、珪藻土(diatomaceous earths)、又は、粉砕したトウモロコシの穂軸)に吸収させるか、一般式(I)の化合物(又はその化合物の適切な媒体中の溶液)を硬いコアを持つ材料(たとえば、砂、ケイ酸塩、無機の炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩)に吸収させ、必要な場合には乾燥させることにより、あらかじめ形成した状態の顆粒から形成することができる。吸収又は吸着を助けるのに一般に使用される物質としては、溶剤(たとえば、脂肪族及び芳香族の石油溶剤、アルコール、エーテル、ケトン及びエステル)、固着剤(たとえば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖類及び植物油)などがある。他の1種類以上の添加剤(たとえば、乳化剤、湿潤剤又は分散剤)も顆粒の中に含まれていてよい。
【0056】
分散可能な濃縮液(DC)は、一般式(I)の化合物を水又は有機溶剤(たとえば、ケトン、アルコール又はグリコールエーテル)に溶解させることによって調製できる。この溶液は、(たとえば、水による希釈をしやすくしたり、スプレー・タンク内での結晶化を防止したりするため)界面活性剤を含んでいてもよい。
【0057】
乳化可能な濃縮液(EC)又は水中油(EW)型エマルジョンは、一般式(I)の化合物を有機溶剤(場合により、1種類以上の湿潤剤もしくは1種類以上の乳化剤、又はこれらの混合物を含んでいてよい)の中に溶解させることによって調製できる。ECで用いるのに適した有機溶剤としては、芳香族炭化水素(たとえば、アルキルベンゼン又はアルキルナフタレンで、具体的には、SOLVESSO 100、SOLVESSO 150及びSOLVESSO 200;SOLVESSOは登録商標である)、ケトン(たとえば、シクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノン)、アルコール(たとえば、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノール)、N-アルキルピロリドン(たとえば、N-メチルピロリドン又はN-オクチルピロリドン)、脂肪酸のジメチルアミド(たとえば、C8〜C10脂肪酸ジメチルアミド)及び塩素化炭化水素がある。EC製品は、水に添加すると自発的に乳化することができ、適切な装置を通じてスプレー散布するのに十分な安定性を持つエマルジョンになる。EWの調製には、一般式(I)の化合物を、液体(周囲温度で液体になっていない場合には、適切な温度(一般に70℃未満)で溶融させるとよい)又は(適切な溶剤に溶解させることによって)溶液にした後、得られた液体又は溶液を1種類以上のSFAを含む水の中で高剪断力のもとで乳化してエマルジョンを得る操作が含まれる。EWで用いるのに適した溶剤としては、植物油、塩素化炭化水素(たとえば、クロロベンゼン)、芳香族溶剤(たとえば、アルキルベンゼン又はアルキルナフタレン)、及び、水への溶解度が小さい他の適切な有機溶剤などがある。
【0058】
マイクロエマルジョン(ME)は、1種類以上の溶剤と1種類以上のSFAの混合物を水と混合することによって調製でき、その結果として熱力学的に安定な等張液体製剤が自発的に得られる。一般式(I)の化合物は、最初は、水の中、又は溶剤/SFA混合物の中に存在している。MEで用いるのに適した溶剤としては、EC又はEWに関して上に示したものが挙げられる。MEは、水中油型又は油中水型(どちらの型が存在するかは、導電率の測定から知ることができる)のどちらかが可能であり、同一の製剤中で水溶性及び油溶性の農薬と混合するのに適している。MEは、水の中に希釈するのに適しており、マイクロエマルジョンとして残留するか、従来の水中油型エマルジョンが形成される。
【0059】
懸濁濃縮液(SC)は、一般式(I)の化合物の微細分割不溶性固体粒子の水性又は非水性懸濁液を含むことができる。SCは、一般式(I)の固体化合物を、適切な媒体中で、場合により1種類以上の分散剤とともにボール・ミリング又はビーズ・ミリングすることによって調製でき、その結果としてその化合物の微粒子懸濁液が得られる。1種類以上の湿潤剤が組成物の中に含まれていてもよく、懸濁剤を含めることで粒子が沈澱する速度を低下させることができる。別の方法として、一般式(I)の化合物を乾燥粉砕して水(上記の薬剤を含む)に添加し、望む最終製品にすることもできる。
【0060】
エーロゾル製剤は、一般式(I)の化合物と、適切な推進剤(たとえば、n-ブタン)を含んでいる。一般式(I)の化合物は、適切な媒体(たとえば、水、又は水と混和性の液体(たとえば、n-プロパノール))に溶解させ又は分散させることで、非加圧の手動式スプレー・ポンプで使用するための組成物にすることもできる。
【0061】
一般式(I)の化合物を乾燥した状態で火工混合物と混合することで、閉鎖空間内でその化合物を含む煙を生成させるのに適した組成物を形成できる。
【0062】
カプセル懸濁液(CS)は、EW製剤の調製と同様の方法で調製できるが、重合段階が追加されている。油滴の水性分散液を得て、一般式(I)の化合物と、場合によりキャリア又は希釈剤とを含む各油滴をポリマー・シェルの中に閉じ込める。ポリマー・シェルは、界面重縮合反応によって、又はコアセルベーション法によって作り出すことができる。組成物によって一般式(I)の化合物の制御放出が可能になり、組成物を種子の処理に用いることができる。一般式(I)の化合物を生物分解性ポリマー・マトリックス中の製剤にし、その化合物がゆっくりと制御された状態で放出されるようにすることもできる。
【0063】
組成物は、その組成物の生物学的性能を(たとえば、表面上での湿潤性、保持性又は分布性;処理した表面の雨に対する抵抗性;又は、一般式(I)の化合物の取り込み又は移動性を向上させることによって)向上させるため、1種類以上の添加剤を含むことができる。そのような添加剤としては、界面活性剤、油をベースとしたスプレー添加剤(たとえば、ある種の鉱物油又は天然の植物油(ダイズ油、ナタネ油など))、及び、これらと他の生体作用増進性アジュバント(一般式(I)の化合物の作用を助けたり変化させたりすることのできる成分)の混合物などがある。
【0064】
一般式(I)の化合物は、種子処理剤として用いるための製剤にすることもできる。たとえば、粉末組成物(乾燥種子処理用の粉末(DS)、水溶性粉末(SS)、又は、スラリー処理用の水に分散可能な粉末(WS)など))や、液体組成物(流動できる濃縮液(FS)、溶液(LS)、又は、カプセル懸濁液(CS)など)にすることができる。DS、SS、WS、FS及びLS組成物の製剤は、それぞれ、上記のDP、SP、WP、SC及びDC組成物の製剤と非常によく似ている。種子を処理するための組成物は、その組成物を種子に付着させるのを助ける薬剤(たとえば、鉱物油又はフィルム形成障壁)を含むことができる。
【0065】
湿潤剤、分散剤及び乳化剤としては、カチオンSFA、アニオンSFA、両性SFA又は非イオンSFAが可能である。
【0066】
適切なカチオンSFAとしては、第四級アンモニウム化合物(たとえば、臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリン塩及びアミン塩などがある。
【0067】
適切なアニオンSFAとしては、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、スルホン酸ブチルナフタレン、ジ-イソプロピル-ナフタレンスルホン酸ナトリウムとトリ-イソプロピル-ナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、硫酸エーテル、硫酸アルコールエーテル(たとえば、ラウレス-3-硫酸ナトリウム)、カルボン酸エーテル(たとえば、ラウレス-3-カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1種類以上の脂肪族アルコールとリン酸の反応による生成物(大半はモノエステル)、又は1種類以上の脂肪族アルコールと五酸化リンの反応による生成物(大半はジエステル)で、たとえば、ラウリルアルコールと四リン酸の反応があり、生成物はさらにエトキシル化することができる)、スルホスクシナメート、スルホン酸パラフィン、スルホン酸オレフィン、タウリン酸パラフィン、タウリン酸オレフィン、リグノスルホン酸パラフィン、リグノスルホン酸オレフィンなどがある。
【0068】
適切な両性SFAとしては、ベタイン、プロピオン酸塩、グリシン酸塩などがある。
【0069】
適切な非イオンSFAとしては、アルキレン酸化物(たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物)と、脂肪族アルコール(たとえば、オレイルアルコール又はセチルアルコール)又はアルキルフェノール(たとえば、オクチルフェノール、ノニルフェノール又はオクチルクレゾール)の縮合生成物;長鎖の脂肪酸又はヘキシトール無水物に由来する部分エステル;この部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物;ブロック・ポリマー(エチレンオキシドとプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単純エステル(たとえば、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(たとえば、ラウリルジメチルアミンオキシド);レシチンなどがある。
【0070】
適切な懸濁剤としては、親水性コロイド(たとえば、多糖類、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム)及び膨潤性粘土(たとえば、ベントナイト、又は、アタパルジャイト)などがある。
【0071】
一般式(I)の化合物は、殺虫性化合物を施用するための公知の手段によって施用することができる。一般式(I)の化合物は、たとえば、害虫に、又は害虫がいる場所(たとえば、害虫の住処、又は害虫が寄生しやすい生長している植物)に、又は植物の任意の部分(たとえば、葉、茎、枝又は根)に、又は播く前の種子に、又は植物を育てたり又は植えたりするための他の媒体(たとえば、根を取り囲む土、土壌全般、泥水又は水耕栽培システム)に対し、製剤化した形態又は製剤化していない形態で直接に施用すること、又は、スプレーすること、ダストすること、浸漬によって施用すること、クリーム製剤又はペースト製剤として施用すること、蒸気として施用すること、土又は水性環境への組成物(たとえば、顆粒状組成物又は水溶性の袋に入れた組成物)の分布又は組み込みを通じて施用することが可能である。
【0072】
一般式(I)の化合物は、植物に注入すること、又は、電気力学的スプレー法又は他の小体積法を利用して植物の上にスプレーすること、又は、地上又は空中の灌漑システムによって施用することも可能である。
【0073】
水性製剤(水溶液又は分散液)として用いる組成物は、一般に、活性成分を大きな割合で含む濃縮液の形態で供給され、使用前にその濃縮液に対して水を添加する。濃縮物は、DC、SC、EC、EW、ME、SG、SP、WP、WG及びCSを含むことができる。この濃縮物に対してしばしば要求されるのは、長期にわたって保存できること、しかもそのような保存期間が経過した後に水に添加したとき、従来のスプレー装置で施用できるくらいに十分な期間にわたって均一な状態に留まっている水性製剤にできることである。このような水性製剤は、使用目的に応じ、一般式(I)の化合物をさまざまな量(たとえば、0.0001〜10重量%)含むことができる。
【0074】
一般式(I)の化合物は、肥料(たとえば、窒素含有肥料、カリウム含有肥料又はリン含有肥料)との混合物として使用することができる。適切な製剤のタイプとしては、肥料の顆粒が挙げられる。この混合物は、一般式(I)の化合物を25質量%までの量で含んでいることが好ましい。
【0075】
したがって、本発明により、肥料と一般式(I)の化合物を含む肥料組成物が提供される。
【0076】
本発明の組成物は、生物活性を持つ他の化合物(たとえば、微量栄養素、殺真菌活性を持つ化合物、又は、植物の生長調節活性、除草活性、殺虫活性、殺線虫活性もしくはダニ駆除活性を持つ化合物)を含むことができる。
【0077】
一般式(I)の化合物は、組成物中の唯一の活性成分であってもよいし、必要に応じて1種類以上の追加活性成分(たとえば、殺虫剤、殺真菌剤、相乗剤、除草剤又は植物生長調節剤)との混合物であってもよい。追加活性成分は、ある場所においてより広い活性範囲又は増大した持続力を有する組成物を提供すること;(たとえば、効果が早く現われるようにすること、あるいは忌避性に打ち勝つことによって)一般式(I)の化合物の活性を増大させる、あるいは補足すること;個々の成分に対する耐性の発現に打ち勝つ、あるいはそれを防止するのを助けることができる。特定の追加活性成分は、組成物の用途が何であるかに応じて異なる。適切な殺虫剤の具体例としては、以下のものが挙げられる:
a)ピレトロイド(たとえば、ペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、デルタメトリン、シハロトリン(中でもラムダ-シハロトリン)、ビフェントリン、フェンプロパトリン、シフルトリン、テフルトリン、魚にとって安全なピレトロイド(たとえば、エトフェンプロックス)、天然のピレトリン、テトラメトリン、s-ビオアレトリン、フェンフルトリン、プラレトリン、又は、5-ベンジル-3-フリルメチル-(E)-(1R,3S)-2,2-ジメチル-3-(2-オキソチオラン-3-イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシレート);
b)有機ホスフェート(たとえば、プロフェノホス、スルプロホス、アセフェート、メチルパラチオン、アジンホス-メチル、デメトン-s-メチル、ヘプテノホス、チオメトン、フェナミホス、モノクロトホス、プロフェノホス、トリアゾホス、メタミドホス、ジメトエート、ホスファミドン、マラチオン、クロルピリホス、ホサロン、テルブホス、フェンスルホチオン、ホノホス、ホレート、ホキシム、ピリミホス-メチル、ピリミホス-エチル、フェニトロチオン、ホスチアゼート、又は、ジアジノン);
c)カルバメート(カルバミン酸アリールを含む)(たとえば、ピリミカルブ、トリアザメート、クロエトカルブ、カルボフラン、フラチオカルブ、エチオフェンカルブ、アルジカルブ、チオフロックス、カルボスルファン、ベンジオカルブ、フェノブカルブ、プロポキスル、メトミル、又は、オキサミル);
d)ベンゾイルウレア(たとえば、ジフルベンズロン、トリフルムロン、ヘキサフルムロン、フルフェノクスロン、又は、クロルフルアズロン);
e)有機スズ化合物(たとえば、シヘキサチン、フェンブタチンオキシド、又は、アゾシクロチン);
f)ピラゾール(たとえば、テブフェンピラド及びフェンピロキシメート);
g)マクロライド系(たとえば、アベルメクチン又はミルベマイシン(たとえば、アバメクチン、エマメクチン、ベンゾエート、イベルメクチン、ミルベマイシン、スピノサド、アザジラクチン又はスピネトラム));
h)ホルモン又はフェロモン;
i)有機塩素化合物(たとえば、エンドスルファン(特に、α−エンドスルファン)、ベンゼンヘキサクロリド、DDT、クロルダン、又は、ジエルドリン);
j)アミジン(たとえば、クロルジメフォルム、又は、アミトラズ);
k)燻蒸剤(たとえば、クロロピクリン、ジクロロプロパン、臭化メチル、又は、メタム);
l)ネオニコチノイド系化合物(たとえば、イミダクロプリド、チアクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、ジノテフラン、チアメトキサム、クロチアニジン、ニチアジン又はフロニカミドなど;
m)ジアシルヒドラジン(たとえば、テブフェノジド、クロマフェノジド又はメトキシフェノジド);
n)ジフェニルエーテル(たとえば、ジオフェノラン又はピリプロキシフェン);
o)インドキサカルブ;
p)クロルフェナピル;
q)ピメトロジン;
r)スピロテトラマト、スピロジクロフェン又はスピロメシフェン;
s)ジアミド、たとえば、フルベンジアミド、クロラントラニリプロレ(Rynaxypyr(登録商標)又はシアントラニリプロレ);
t)スルホキサフロル;又は
u)メタフルミゾン。
【0078】
組成物の目的に合っている場合には、殺虫剤に関する上記の主要な化合物のクラスに加え、特定の標的を有する他の殺虫剤も組成物の中で使用することができる。たとえば、特定の作物に対する選択的殺虫剤(たとえば、イネで用いられる、茎に孔を開ける害虫専用の殺虫剤(たとえば、カルタップ)や、バッタ専用の殺虫剤(たとえば、ブプロフェジン)を使用することができる。又は、特定の昆虫種/期に対して特異的な殺虫剤又はダニ駆除剤も組成物の中に含めることができる(たとえば、ダニの卵-幼虫駆除剤(たとえば、クロフェンテジン、フルベンジミン、ヘキシチアゾックス又はテトラジホン);ダニの運動阻害剤(たとえば、ジコフォル又はプロパルギット);ダニ駆除剤(たとえば、ブロモプロピレート又はクロロベンジレート);成長調節剤(たとえば、ヒドラメチルノン、シロマジン、メトプレン、クロルフルアズロン又はジフルベンズロン))。
【0079】
本発明の組成物に含めることのできる殺真菌剤の具体例として挙げられるのは、(E)-N-メチル-2-[2-(2,5-ジメチルフェノキシメチル)フェニル]-2-メトキシ-イミノアセトアミド(SSF-129)、4-ブロモ-2-シアノ-N,N-ジメチル-6-トリフルオロメチルベンゾイミダゾール-1-スルホンアミド、α-[N-(3-クロロ-2,6-キシリル)-2-メトキシアセトアミド]-γ-ブチロラクトン、4-クロロ-2-シアノ-N,N-ジメチル-5-p-トリルイミダゾール-1-スルホンアミド(IKF-916、シアミダゾスルファミド)、3-5-ジクロロ-N-(3-クロロ-1-エチル-1-メチル-2-オキソプロピル)-4-メチルベンズアミド(RH-7281、ゾキサミド)、N-アリル-4,5-ジメチル-2-トリメチルシリルチオフェン-3-カルボキサミド(MON65500)、N-(1-シアノ-1,2-ジメチルプロピル)-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド(AC382042)、N-(2-メトキシ-5-ピリジル)-シクロプロパンカルボキサミド、アシベンゾラル(CGA245704)、アラニカルブ、アルジモルフ、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ビロキサゾール、ビテルタノール、ブラスチシジンS、ブロムコナゾール、ブピリメート、カプタフォル、キャプタン、カルベンダジム、カルベンダジムクロルヒドレート、カルボキシン、カルプロパミド、カルボーン、CGA41396、CGA41397、キノメチオネート、クロロタロニル、クロロゾリネート、クロジラコン、銅含有化合物(たとえば、銅オキシクロリド、銅オキシキノレート、硫酸銅、銅タレート、ボルドー混合物)、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、デバカルブ、ジ-2-ピリジルジスルフィド、1,1'-ジオキシド、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾクアット、ジフルメトリム、O,O-ジ-イソ-プロピル-S-ベンジルチオホスフェート、ジメフルアゾール、ジメトコナゾール、ジメトモルフ、ジメチリモル、ジニコナゾール、ジノキャップ、ジチアノン、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデモルフ、ドジン、ドグアジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エチリモル、エチル(Z)-N-ベンジル-N([メチル(メチル-チオエチリデンアミノオキシカルボニル)アミノ]チオ)-β-アラニネート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン(RPA407213)、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド(KBR2738)、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトーバー、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソオキサゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、三酢酸イミノクタジン、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ(SZX0722)、カルバミン酸イソプロパニルブチル、イソプロチオラン、カスガマイシン、クレソキシム-メチル、LY186054、LY211795、LY248908、マンコゼブ、マネブ、メフェノキサム、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メチラム-亜鉛、メトミノストロビン、ミクロブタニル、ネオアソジン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタール-イソプロピル、ヌアリモル、オフレース、有機水銀化合物、オキサジキシル、オキサスルフロン、オキソリン酸、オクスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、フェナジンオキシド、ホセチル-Al、亜リン酸、フタリド、ピコキシストロビン(ZA1963)、ポリオキシンD、ポリラム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル、ピロルニトリン、第四級アンモニウム化合物、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、シプコナゾール(F-155)、ペンタクロロフェン酸ナトリウム、スピロキサミン、ストレプトマイシン、イオウ、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、2-(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファネート-メチル、チラム、チミベンコナゾール、トルクロホス-メチル、トリフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(CGA279202)、トリフォリン、トリフルミゾール、トリチコナゾール、バリダマイシンA、バパム、ビンクロゾリン、ジネブ及びジラムである。
【0080】
一般式(I)の化合物は、植物を、種子が媒介する真菌による病気、土が媒介する真菌による病気、又は、真菌による葉の病気から保護するため、土、ピート、あるいはそれ以外の根を張る媒体と混合することができる。
【0081】
組成物中で使用するのに適した相乗剤の具体例としては、ピペロニルブトキシド、セサメックス、サフロキサン及びドデシルイミダゾールが挙げられる。
【0082】
組成物に含めるのに適した除草剤及び植物成長調節剤は、目的とする標的が何であるかと、要求される効果が何であるかによって異なる。
【0083】
含めることのできるイネ選択的除草剤の一例は、プロパニルである。ワタで使用される植物成長調節剤の一例はPIX(登録商標)である。
【0084】
混合物によっては、物理的、化学的又は生物学的な性質が顕著に異なるために容易には従来と同じタイプの製剤にできない活性成分を含むことがある。そのような場合には、他のタイプの製剤を調製するとよい。たとえば、1つの活性成分が水に溶けない固体であり、他方の活性成分が水に溶けない液体である場合には、(SCと同様の調製を用いて)固体活性成分を懸濁液として分散させるが、(EWと同様の調製を用いて)液体活性成分をエマルジョンとして分散させることにより、それぞれの活性成分を同じ連続水相に分散させることができる。得られる組成物は、懸濁エマルジョン(SE)製剤である。
【実施例】
【0085】
本発明を以下の実施例で説明する。
LCMSスペクトルを、エレクトロスプレイ源(ESI; 源温度80〜100°C; 脱溶剤和温度200 〜250°C; コーン電圧30 V; コーンガス流50 l/hr, 脱溶剤和ガス流400〜600 l/hr、質量範囲: 150〜1000 Da)を装備したZMD (Micromass, Manchester UK)又はZQ (Waters Corp. Milford, MA, USA) 質量分析計及びAgilent 1100 HPLC (カラム: Gemini C18, 3 μm粒子サイズ、110Å、30 x 3 mm (Phenomenex, Torrance, CA, USA);カラム温度: 60°C; 流速1.7 ml/min; 溶離液A: H2O/HCOOH 100:0.05; 溶離液B: MeCN/MeOH/HCOOH 80:20:0.04; 勾配: 0 min 5% B; 2〜2.8 min 100% B; 2.9〜3 min 5% B; UV-検知: 200〜500 nm, 解像度2 nm)で記録した。MS分析の前でカラムの通過後にフローを分けた。RTは滞留時間を表す。
【0086】
例1
本例は2-クロロ−N−{1’−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−トリフルオロメチル−1’,2’,3’,4’,5’,6’-ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド(表Aの化合物A14)の調製を例示する。
【0087】
【化7】

【0088】
工程A:3−アミノ−2−クロロ−6−トリフルオロメチル−ピリジン (0.890 g)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)-3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert-ブチルエステル (1.4 g) (WO 2006/003494に記載されるとおりに調製)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.200 g)の1,2−ジメトキシエタン (45 ml)中の溶液をリン酸カリウム水溶液(1.1 M) (1.92 g)で処理した。この反応混合物を80℃で3時間攪拌した。酢酸エチルでの水性ワークアップにより残留物を得て、その残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル1:1)により精製し、3−アミノ−6−トリフルオロメチル−3’,6’−ジヒドロ−2'H-[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル (1.5 g)を白色固形分として提供した。 MS (ES+) 288 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.50 (s, 9H), 2.61 (m, 2H), 3.67 (t, 2H), 4.10 (m, 2H), 4.21 (s, 2H), 6.11 (s, 1H), 7.03 (d, 1H), 7.33 (d, 1H)。
【0089】
工程B:工程Aで得られた化合物 (1 g)をエタノール(40 ml)中に溶解させ、そして脱気後に、チャコール上のパラジウム (10質量%) (100 mg) を添加した。水素雰囲気下に、反応混合物を周囲温度で2日間攪拌した。セライト(Celite(登録商標))でのろ過 により、3−アミノ−3−トリフルオロメチル−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H-[2,4']ビピリジニル-1'−カルボン酸tert-ブチルエステル(1 g)を白色固形分として提供した。MS (ES+) 290 / 292 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.48(s, 9H), 1.85 (m, 4H), 2.77 (m, 1H), 2.88 (m, 2H), 3.97 (s, 2H), 4.24 (m, 2H), 6.97 (d, 1H), 7.32 (d, 1H)。
【0090】
工程C:工程Bで得られた化合物(1 g)のトルエン(40 ml)中の溶液をN,N−ジイソプロピルエチルアミン (1.05 ml)で処理し、その後、2−クロロ−イソニコチノイルクロリドで処理した。2−クロロ−イソニコチノイルクロリドを、ジクロロメタン (40 ml)中で2−クロロ−イソニコチン酸 (0.496 g)及び塩化オキサリル(0.346 ml)から調製した。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、炭酸水素ナトリウム水溶液(飽和)中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そしてその後、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル1:1)によって精製し、3− [(2−クロロ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−6−トリフルオロメチル−3',4',5',6'-テトラヒドロ−2−'H−[2,4']ビピリジニル−1'-カルボン酸tert-ブチルエステル (1.1 g)を提供した。MS (ES+) 485 / 487 (MH+), 429 / 431 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.47 (s, 9H), 1.79 (m, 2H), 1.96 (m, 2H), 2.88 (m, 2H), 2.95 (m, 1H), 4.25 (m, 2H), 7.61 (d, 1H), 7.66 (m, 1H), 7.79 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.32 (d, 1H), 8.64 (d, 1H)。
【0091】
工程D:工程Cで得られた化合物 (300 mg)のジクロロメタン(15 ml)中の溶液をトリフルオロ酢酸 (1.2 ml)で周囲温度で1時間攪拌した。高真空での溶剤の蒸発及び固形分の乾燥により、2−クロロ−N− (6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル)-イソニコチンアミドトリフルオロアセテートを提供した。塩をアセトニトリル (15 ml)中に溶解させ、そしてN,N−ジイソプロピルエチルアミン (0.430 ml)及び4−クロロ−シンナミルクロリド(112 mg) (WO 2003/106457に記載されるとおりに調製)によって周囲温度で12時間処理した。この反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液: 酢酸エチル)によって、2−クロロ−N−{1'-[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ-[2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド (103 mg)を固形分として提供した。M.p. 134〜135°C; MS (ES+) 535 / 537 / 539 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.83 (d, 2H), 2.17 (m, 4H), 2.81 (m, 1H), 3.16 (d, 2H), 3.20 (d, 2H), 6.30 (m, 1H), 6.49 (m, 1H), 7.29 (m, 4H), 7.59 (d, 1H), 7.62 (m, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 8.41 (d, 1H), 8.63 (d, 1H)。
【0092】
以下の化合物を例1に記載したのと類似の手順により調製した。
【0093】
表A
式(Ia)の化合物
【化8】

【0094】
【表1】

【0095】
【表2】

【0096】
【表3】

【0097】
【表4】

【0098】
例2
本例は2−クロロ−N−{6−クロロ−1'−[(E)-3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−5−フルオロ−1',2',3',4',5',6−ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド(表Bの化合物B1)の調製を例示する。
【0099】
【化9】

【0100】
工程A:2−クロロ−5−フルオロ−3−アミノ−ピリジン(3.5 g)、4−(4,4,5,5−テトラメチル− [1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert-ブチルエステル (8.89 g) (WO 2006/003494に記載されるとおりに調製)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム (II) クロリド (0.84 g)のジオキソラン (157 ml)中の脱気された溶液を、炭酸ナトリウム (7.6 g)の水 (72 ml)中の脱気された溶液で処理した。この反応混合物を還流下に1時間攪拌し、周囲温度に冷却し、そして溶剤を真空下に蒸発させた。残留物を酢酸エチルで希釈し、水、次いで、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液: シクロヘキサン/酢酸エチル8:2)により、3−アミノ−5−フルオロ−3',6'−ジヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル(4.6 g)を固形分として提供した。MS (ES+) 294 (MH+), 238 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.48 (s, 9H), 2.53 (m, 2H), 3.64 (t, 2H), 3.99 (m, 2H), 4.08 (m, 2H), 5.99 (m, 1H), 6.70 (dd, 1H), 7.85 (d, 1H)。
【0101】
工程B:工程Aにおいて得られた化合物(4.4 g)をエタノール(170 ml) 中に溶解させた。ギ酸アンモニウム(9.4 g)、その後、チャコール上パラジウム(10質量%) (1 g)を添加した。この反応混合物を周囲温度で90分間攪拌し、セライト(Celite)(登録商標)でろ過し、そして真空中で溶剤を除去し、3−アミノ−5−フルオロ−3',4',5',6'-テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル (4.3 g)を固形分として提供した。MS (ES+) 296 (MH+), 240 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.45 (s, 9H), 1.77 (m, 4H), 2.69 (m, 1H), 2.81 (m, 2H), 4.23 (m, 4H), 6.67 (dd, 1H), 7.85 (d, 1H)。
【0102】
工程C:工程Bにおいて得られた化合物(3.4 g)及びN−クロロスクシンイミド(1.72 g)のN−メチルピロリジノン(35 ml)中の溶液を110℃で1時間攪拌した。この反応混合物を周囲温度に冷却し、水中に注ぎ、そしてジエチルエーテルで数回抽出した。合わせた有機層を塩酸水溶液(希塩酸)及び水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液: シクロヘキサン/ 酢酸エチル8:2)により、3−アミノ−5−フルオロ−6−クロロ−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル (2.9 g)を固形分として提供した。MS (ES+) 330 (MH+), 274 / 276 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.47 (s, 9H), 1.77 (m, 4H), 2.64 (m, 1H), 2.81 (m, 2H), 3.78 (m, 2H), 4.25 (m, 2H), 6.76 (d, 1H)。
【0103】
工程D:工程Cにおいて得られた化合物 (2 g)のジクロロメタン(100 ml)中の溶液を、炭酸水素ナトリウム (5 g)、次いで、2−クロロ−イソニコチノイルクロリドで処理した。2−クロロ−イソニコチノイルクロリドは、ジクロロメタン(100 ml)中で2−クロロイソニコチン酸 (1.24 g)及び塩化オキサリル (0.72 ml)から調製した。この反応混合物を周囲温度で18時間攪拌し、炭酸水素ナトリウム水溶液(飽和)中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そしてその後、真空中で濃縮し、6−クロロ−3− [(2−クロロ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−5−フルオロ−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル (2.2 g)を提供した。MS (ES+) 369 / 371 (MH+-BOC)。
【0104】
工程E:工程Dにおいて得られた化合物 (366 mg)のジクロロメタン (10 ml)中の溶液をトリフルオロ酢酸(0.6 ml)で周囲温度で1時間30分間処理した。溶剤の蒸発及びジエチルエーテルからの沈殿により、2−クロロ−N− (6−クロロ−5−フルオロ−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル)-イソニコチンアミドトリフルオロアセテートを提供した。この塩をアセトニトリル (10 ml)中に溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン (0.78 ml)及び4−クロロ−シンナミルクロリド(138 mg) (WO 2003/106457に記載されるとおりに調製)で周囲温度で12時間処理し、その後、50℃で4時間処理した。溶剤を除去し、そして残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)によって精製し、2−クロロ−N−{6−クロロ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−5−フルオロ−1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}−イソニコチンアミド (210 mg)を固形分として提供した。M.p. 71-73°C; MS (ES+) 519 / 521 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.81 (m, 2H), 2.15 (m, 4H), 2.74 (m, 1H), 3.16 (m, 2H), 3.21 (m, 2H), 6.30 (dt, 1H), 6.50 (d, 1H), 7.26 (d, 2H), 7.45 (d, 2H), 7.63 (dd, 1H), 7.79 (s, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.67 (d, 1H)。
【0105】
下記の化合物を例2に記載したのと類似の手順により調製した。
表B
式(Ib)の化合物
【0106】
【化10】

【0107】
【表5】

【0108】
例3
本例は2−クロロ−N−{5,6−ジクロロ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド(表Cの化合物C1)の調製を例示する。
【0109】
【化11】

【0110】
題記の化合物を、2−クロロ−5−フルオロ−3−アミノ−ピリジンの代わりに、2,5−ジクロロ−3−アミノ−ピリジンから例2に記載される手順と類似の手順により調製した。工程Bを下記の手順に置き換えた。
工程B’:工程Aにおいて得られたテトラヒドロピリジン中間体 (3 g)を、1,1'−ビス(ジ−イソプロピル−ホスフィノ)フェロセン (1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート (46 mg)の存在下に、80℃及び100バールの水素でメタノール (350 ml)中で21時間水素化して、3−アミノ−5−フルオロ−3',4',5',6'-テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステルを提供した。
【0111】
又は、その中間体はWO 2006/003494に記載されているように、2,5−ジクロロ−3−アミノ−ピリジン及び4−ヨード−ピペリジン−1−カルボン酸tert-ブチルエステルの間のNegihiカップリングを用いて得ることができる。
【0112】
2−クロロ−N−{5,6−ジクロロ−1'-[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)-アリル]−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド: M.p. 71-73°C; MS (ES+) 535 / 537 / 539 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.81 (m, 2H), 2.15 (m, 4H), 2.74 (m, 1H), 3.16 (m, 2H), 3.21 (m, 2H), 6.26 (dt, 1H), 6.47 (d, 1H), 7.27 (m, 4H), 7.60 (d, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.8 (br s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.62 (d, 1H)。
【0113】
下記の化合物は例3に記載したのと類似の手順によって調製した。
表C
式(Ic)の化合物
【化12】

【0114】
【表6】

【0115】
【表7】

【0116】
例4
本例はN−{6-ブロモ-1'-[(E)−3-(4-クロロ−フェニル)−アリル]−5−フルオロ−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}−2−クロロ−イソニコチンアミド(表Dの化合物D3)の調製を例示する。
【0117】
【化13】

【0118】
題記の化合物は、工程CにおいてN−クロロスクシンイミドをN−ブロモスクシンイミドに置き換えて、例2に記載される手順と類似の手順によって調製した。
【0119】
N−{6−ブロモ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−5−フルオロ−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}−2−クロロ−イソニコチンアミド: MS (ES+) 563 / 565 / 567 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.78 (m, 2H), 2.13 (m, 4H), 2.69 (m, 1H), 3.15 (m, 2H), 3.19 (m, 2H), 6.25 (dt, 1H), 6.48 (d, 1H), 7.28 (m, 4H), 7.59 (dd, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.8 (br s, 1H), 8.14 (d, 1H), 8.62 (d, 1H)。
【0120】
下記の化合物は例4に記載したの類似の手順により調製した。
表D:
式(Id)の化合物
【0121】
【化14】

【0122】
【表8】

【0123】
例5
本例はN−{6−ブロモ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−5−クロロ−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}−2−クロロ−イソニコチンアミド (表Eの化合物E7)の調製を例示する。
【0124】
【化15】

【0125】
題記の化合物を、工程CでN−クロロスクシンイミドをN−ブロモスクシンイミドで置き換えることにより、例3に記載したのと類似の手順により調製した。
【0126】
N−{6−ブロモ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−5−クロロ−1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}−2−クロロ−イソニコチンアミド: M.p 90-92°C ; MS (ES+) 579 / 581 / 583 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.77 (m, 2H), 2.10 (m, 4H), 2.67 (m, 1H), 3.12 (m, 2H), 3.18 (m, 2H), 6.25 (dt, 1H), 6.48 (d, 1H), 7.28 (m, 4H), 7.60 (dd, 1H), 7.64 (br s, 1H), 7.74 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.63 (d, 1H)。
【0127】
下記の化合物は例5に記載したのと類似の手順により調製した。
表E
式(Ie)の化合物
【0128】
【化16】

【0129】
【表9】

【0130】
例6
本例は2−クロロ−N−{6−クロロ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)-アリル]−5−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド (表Fの化合物F2)の調製を例示する。
【0131】
【化17】

【0132】
題記の化合物は2−クロロ−5−フルオロ−3−アミノ−ピリジンの代わりに、3−アミノ−2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン(EP 178260, EP 272824に記載されたとおりに調製)から出発して、例2に記載したのと類似の手順により調製した。
【0133】
2−クロロ−N−{6−クロロ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−5−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド: MS (ES+) 571 / 573 / 575 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.81 (m, 2H), 2.15 (m, 4H), 2.79 (m, 1H), 3.19 (m, 4H), 6.26 (m, 1H), 6.48 (m, 1H), 7.28 (m, 4H), 7.63 (dd, 1H), 7.78 (m, 2H), 8.48 (s, 1H), 8.65 (d, 1H)。
【0134】
又は、その中間体は3−アミノ−2,6−ジクロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン及び4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert-ブチルエステル (WO 2006/003494に記載されるとおりに調製)との間で、例1に記載した条件を用いてスズキカップリングを行い、次いで、例2(工程B’)について記載されるとおりの均一触媒水素化を行うことにより得ることができる。
【0135】
3−アミノ−2,6−ジクロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジンの3−アミノ−2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジンからの調製は下記のとおりであった。3−アミノ−2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン (5 g) (EP 178260, EP 272824に記載されるとおりに調製) 及びN−クロロスクシンイミド (3.7 g)のアセトニトリル (125 ml)中の溶液を周囲温度で16時間攪拌した。この反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル3:1)により、3−アミノ−2,6−ジクロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン (3.5 g)を提供した。MS (ES+) 231 / 233 / 235 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 4.34 (s, 2H), 7.35 (s, 1H)。
【0136】
下記の化合物は例6に記載したのと類似の手順により調製した。
表F
式(If)の化合物
【0137】
【化18】

【0138】
【表10】

【0139】
例7
本例は2−クロロ−N−{6−ブロモ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−5−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}−イソニコチンアミド (表Gの化合物G1)の調製を例示する。
【0140】
【化19】

【0141】
題記の化合物は、工程CのN−クロロスクシンイミドをN−ブロモスクシンイミドによって置き換えて例6に記載した手順と類似の手順により調製した。
2−クロロ−N−{6−ブロモ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−5−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド: MS (ES+) 615 / 617 / 619 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.81 (m, 2H), 2.15 (m, 4H), 2.79 (m, 1H), 3.19 (m, 4H), 6.29 (m, 1H), 6.49 (m, 1H), 7.29 (m, 4H), 7.63 (dd, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.64 (d, 1H)。
【0142】
下記の化合物を例7に記載したのと類似の手順により調製した。
表G
式(Ig)の化合物
【0143】
【化20】

【0144】
【表11】

【0145】
例8
本例は2−クロロ−N−{5−クロロ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}−イソニコチンアミド (化合物H1)の調製を例示する。
【0146】
【化21】

【0147】
工程A:例1の工程Bにおいて得られた化合物(2 g)及びN−ブロモスクシンイミド (1.03 g)のN−メチルピロリジノン (20 ml)中の溶液を周囲温度で50分間攪拌した。この反応混合物を水中に注ぎ、そして酢酸エチルで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液:ヘキサン/酢酸エチル1:1)により、3−アミノ−4−ブロモ−6−トリフルオロメチル−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H− [2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル(2.2 g)をフォームとして提供した。MS (ES+) 368 / 370 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.48 (s, 9H), 1.85 (m, 4H), 2.80 (m, 1H), 2.88 (m, 2H), 4.24 (m, 2H), 4.47 (s, 2H), 7.60 (s, 1H)。
【0148】
工程B:工程Aにおいて得られた化合物 (0.5 g)及びN−クロロスクシンイミド (0.63 g)のN−メチルピロリジノン (6 ml)中の溶液を70℃で1時間攪拌した。この反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン /酢酸エチル1:1)により、3−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ−6−トリフルオロメチル−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H[2,4']ビピリジニル−1'-カルボン酸tert-ブチルエステル (0.200 g)を固形分として提供した。MS (ES+) 358 / 360 (MH+-BOC); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.48 (s, 9H), 1.84 (m, 4H), 2.73 (m, 1H), 2.89 (m, 2H), 4.22 (m, 2H), 4.56 (s, 2H)。
【0149】
工程C:工程Bにおいて得られた化合物 (0.2 g)、トリス(トリメチルシリル)シラン (0.16 ml)及び2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(10 mg)のトルエン (10 ml)中の溶液を窒素雰囲気下に85℃で2時間攪拌した。さらなるトリス(トリメチルシリル)シラン (0.3 ml)及びさらなる2,2'-アゾビス (2−メチルプロピオニトリル) (5 mg)を、その後、添加し、そして反応混合物を85℃に16時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル1:1)により、3−アミノ−5−クロロ−6−トリフルオロメチル−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'-カルボン酸tert-ブチルエステル (0.160 g)を固形分として提供した。MS (ES+) 324 / 326 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.48 (s, 9H), 1.84 (m, 4H), 2.78 (m, 1H), 2.88 (m, 2H), 4.25 (m, 2H), 4.42 (s, 2H), 7.46 (s, 1H)。
【0150】
工程Cで得られた化合物を、その後、例2(工程D及び工程E)に記載される手順によって処理し、題記の化合物を得た。
【0151】
2−クロロ−N−{5−クロロ−1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド: MS (ES+) 571 / 573 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.79 (m, 2H), 2.08 (m, 4H), 2.90 (m, 1H), 3.12 (m, 4H), 6.26 (m, 1H), 6.46 (m, 1H), 7.27 (m, 4H), 7.64 (s, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.86 (s, 1H), 8.61 (d, 1H)。
【0152】
例9
本例は2−クロロ−N−{4,5,6−トリクロロ−1'−[(E)−3−(4−クロロフェニル)−アリル]−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド(化合物J1)の調製を例示する。
【0153】
【化22】

【0154】
題記の化合物は、例3に記載されたのと類似の手順により、塩素化工程(工程C)において2当量のN−クロロスクシンイミドを用いて調製した。
【0155】
2−クロロ−N−{4,5,6−トリクロロ−1'−[(E)−3−(4−クロロフェニル)−アリル]−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド: MS (ES+) 569 / 571 / 573 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.68 (m, 2H), 1.97 (m, 4H), 2.70 (m, 1H), 3.02 (m, 2H), 3.07 (d, 2H), 6.18 (dt, 1H), 6.46 (d, 1H), 7.20 (m, 4H), 7.63 (d, 1H), 7.76 (s, 1H), 8.55 (d, 1H)。
【0156】
例10
本例は2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−4−フルオロ−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド(化合物K1)の調製を例示する。
【0157】
【化23】

【0158】
工程A:例1の工程Bにおいて得られた化合物(10.35 g)及びN−クロロスクシンイミド (4.4 g)のN−メチルピロリジノン (150 ml)中の溶液を周囲温度で2.5時間攪拌した。この反応混合物を水中に注ぎ、そして酢酸エチルで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液:ヘキサン/酢酸エチル1:1)により、3−アミノ−4−クロロ−6−トリフルオロメチル−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'-カルボン酸tert-ブチルエステル (9.6 g)をフォームとして提供した。MS (ES+) 380 / 382 (MH+), 324 / 326 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.48 (s, 9H), 1.85 (m, 4H), 2.82 (m, 3H), 4.24 (m, 2H), 4.41 (br s, 2H), 7.46 (s, 1H)。
【0159】
工程B:工程Aにおいて得られた化合物 (7.6 g)及びトリフルオロ酢酸 (61.7 ml)のジクロロメタン (380 ml)中の溶液を55℃に加熱した。この温度で、過酸化水素水溶液 (30質量%) (23 ml)を30分間にわたってゆっくりと添加した。この反応混合物をこの温度でさらに2時間維持した。反応混合物を水中に注ぎ、ジクロロメタンで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。残留物をジクロロメタン(200 ml)中に再溶解させた。ジ-tert-ブチル−ジカーボネート (5.4 g)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン (14.2 ml)を次いで添加し、そして反応混合物を16時間攪拌した。反応混合物を水でクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そしてその後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液:ヘキサン/酢酸エチル5:1)により、4−クロロ−3−ニトロ−6−トリフルオロメチル−3',4',5',6'-テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'-カルボン酸tert-ブチルエステル (4.9 g)をフォームとして提供した。MS (ES+) 410 / 412 (MH+), 354 / 356 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.48 (s, 9H), 1.77 (m, 2H), 1.95 (m, 2H), 2.85 (m, 3H), 4.26 (m, 2H), 7.74 (s, 1H)。
【0160】
工程C:工程Bにおいて得られた化合物 (1.2 g)及びスプレー乾燥されたフッ化カリウム (339 mg)のジメチルスルホキシド (57 ml)中の溶液を80℃で1時間乾燥した。この反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液:ヘキサン/酢酸エチル5:1)により、4−フルオロ−3−ニトロ−6−トリフルオロメチル−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'-カルボン酸tert-ブチルエステル (0.7 g)をフォームとして提供した。MS (ES+) 338 / 339 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.48 (s, 9H), 1.79 (m, 2H), 1.94 (m, 2H), 2.79 (m, 2H), 2.99 (m, 1H), 4.26 (m, 2H), 7.51(d, 1H)。
【0161】
工程D:工程Cから得られた化合物 (1.8 g)をエタノール (48 ml)中に溶解させ、そして脱気後に、チャコール上のパラジウム(10質量%) (500 mg)を添加した。水素雰囲気下に、反応混合物を周囲温度で1日攪拌した。セライト(Celite)(登録商標)でのろ過により、3−アミノ−4−フルオロ−6−トリフルオロメチル−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル (1.6 g) を白色固形分として提供した。MS (ES+) 364 / 365 (MH+), 308 / 309 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.48(s, 9H), 1.85 (m, 4H), 2.86 (m, 3H), 3.90 (br s, 2H), 4.25 (m, 2H), 7.22 (d, 1H)。
【0162】
工程Dにおいて得られた化合物を、その後、例1(工程C及びD)に記載した手順によって処理し、題記の化合物を得た。
2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−4−フルオロ−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'-ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド: MS (ES+) 553 / 555 / 557 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.77 (m, 2H), 2.13 (m, 4H), 2.89 (m, 1H), 3.09 (m, 2H), 3.15 (d, 2H), 6.27 (m, 1H), 6.46 (m, 1H), 7.27 (m, 4H), 7.37 (d, 1H), 7.71 (d, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.99 (br s, 1H), 8.61 (d, 1H)。
【0163】
例11
本例は2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−フルオロ−5−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド(表Mの化合物M1)の調製を例示する。
【0164】
【化24】

【0165】
工程A: スズキカップリングに次いで、触媒水素化により例6に記載されるとおりに得られた、中間体の3−アミノ−6−クロロ−5−トリフルオロメチル−3',4',5',6'-テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル(4g)のジクロロメタン (200 ml)中の溶液に、トリフルオロ酢酸 (32 ml)を添加した。この溶液を55℃に加熱し、この温度で、過酸化水素水溶液 (30質量%) (10.5 ml)を30分間にわたってゆっくりと添加した。この反応混合物をこの温度にさらに90分間維持し、その後、水中に注ぎ、そしてジクロロメタンで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。残留物をジクロロメタン(110 ml)中に再溶解させた。ジ-tert-ブチル−ジカーボネート(3.5 g)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン (7.6 ml)を次いで添加し、そして反応混合物を周囲温度で16時間攪拌した。反応混合物を水でクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液:ヘキサン/酢酸エチル10:1)により、6−クロロ−3−ニトロ−5−トリフルオロメチル−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル(3 g)をフォームとして提供した。MS (ES+) 410 / 412 (MH+), 354 / 356 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.49 (s, 9H), 1.89 (m, 4H), 2.84 (m, 2H), 3.50 (m, 1H), 4.29 (m, 2H), 8.48 (s, 1H)。
【0166】
工程B:工程Aにおいて得られた化合物 (2.5 g)及びスプレー乾燥されたフッ化カリウム (710 mg)のジメチルスルホキシド (120 ml)中の溶液を80℃で40分間攪拌した。この反応混合物を氷及び水の混合物中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液:ヘキサン/酢酸エチル5:1)により、6−フルオロ−3−ニトロ−5−トリフルオロメチル−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル (1.13 g)をフォームとして提供した。MS (ES+) 338 / 339 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.48 (s, 9H), 1.90 (m, 4H), 2.84 (m, 2H), 3.53 (m, 1H), 4.29(m, 2H), 8.57(d, 1H)。
【0167】
工程Bにおいて得られた化合物を、その後、例1(工程B、工程C及び工程D)に記載された手順により処理し、題記の化合物を得た。
2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−フルオロ−5−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド: MS (ES+) 553 / 555 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.80 (m, 2H), 2.12 (m, 4H), 2.82 (m, 1H), 3.15 (m, 2H), 3.21 (d, 2H), 6.26(m, 1H), 6.48 (m, 1H), 7.29 (m, 4H), 7.66 (d, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.93 (br s, 1H), 8.37 (d, 1H), 8.64 (d, 1H)。
【0168】
下記の化合物は例11に記載したのと類似の手順により調製した。
表M:
式(Im)の化合物
【0169】
【化25】

【0170】
【表12】

【0171】
例12
本例は2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−5,6−ジフルオロ−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド (化合物N1)の調製を例示する。
【0172】
【化26】

【0173】
工程A:例2の工程Cにおいて得られた化合物(5 g)及びトリフルオロ酢酸 (46.5 ml) のクロロホルム (324 ml)中の溶液に、50℃で、 過酸化水素水溶液 (30質量%) (15.7 ml)を滴下して加えた。この反応混合物を55℃で1時間攪拌し、周囲温度に冷却し、そしてジクロロメタンで希釈した。溶液を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下に濃縮し、中間体である6−クロロ−5−フルオロ−3−ニトロ−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル (4 g)をオイルとして提供した。MS (ES+) 260 (MH+)。この中間体を、ジクロロメタン(250 ml)中のジ-tert-ブチル−ジカーボネート(4 g)及びトリエチルアミン (6.3 ml)で12時間処理し、水性ワークアップの後に、6−クロロ−5−フルオロ−3−ニトロ−3',4',5',6'-テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert-ブチルエステル (4.3 g) を赤色オイルとして提供した。MS (ES+) 360 (MH+), 345 (M-イソプレン+ CH3CN), 305 (M-イソプレン), 260 (MH+-BOC)。
【0174】
工程B:工程Aにおいて得られた生成物 (3.3 g)、スプレー乾燥されたフッ化カリウム (1.06 g)及びテトラフェニルホスホニウムブロミド(7.6 g)をアセトニトリル (23 ml)中に溶解させ、そして反応混合物を還流下に8時間加熱した。この反応混合物を周囲温度に冷却し、白色固形分をろ過し、そしてろ液を真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液: シクロヘキサン/酢酸エチル9:1)により、5,6−ジフルオロ−3−ニトロ−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'-カルボン酸tert-ブチルエステル (0.85 g)を提供した。MS (ES+) 329 (M-イソプレン+CH3CN), 288 (M-イソプレン), 244 (MH+-BOC); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.45 (s, 9H), 1.80 (m, 4H), 2.79 (m, 1H), 3.43 (m, 2H), 4.22 (m, 2H), 8.13 (t, 1H)。
【0175】
工程C:工程Bにおいて得られた化合物(694 mg)をメタノール中で周囲温度で水素化し、3−アミノ−5,6−ジフルオロ−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'-カルボン酸tert-ブチルエステル (390 mg)を黄色オイルとして提供した: MS (ES+) 314 (MH+), 258 (M-イソプレン); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.45 (s, 9H), 1.75 (m, 4H), 2.70 (m, 1H), 2.80 (m, 2H), 3.90 (m, 2H), 4.23 (m, 2H), 6.90 (t, 1H)。
【0176】
工程Cにおいて得られた生成物(313 mg)を、例2(工程D及び工程E)に記載されるのと類似の手順にしたがって題記の生成物に転化した。
2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−5,6−ジフルオロ−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2,4']ビピリジニル−3−イル}−イソニコチンアミド: M.p. 71-74°C; MS (ES+) 503 / 505 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.81 (m, 2H), 2.15 (m, 4H), 2.74 (m, 1H), 3.16 (m, 2H), 3.21 (m, 2H), 6.30 (dt, 1H), 6.50 (d, 1H), 7.30 (m, 4H), 7.62 (dd, 1H), 7.70 (m, 1H), 7.80 (s, 1H), 8.15 (t, 1H), 8.65 (d, 1H)。
【0177】
例13
本例は2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−ジフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド (表Oの化合物O1)の調製を例示する。
【0178】
【化27】

【0179】
工程A:6−(クロロジフルオロメチル)−ニコチノニトリル(35.4 g、Tetrahedron Letters, 39 (43), 1998, 7965に記載されるとおりに調製)を濃塩酸(245 ml)中に懸濁させ、そして110℃で16時間攪拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、そして氷及び水の混合物を加えた。白色固形分をろ過により除去し、そして高真空下に乾燥し、6−(クロロジフルオロメチル)−ニコチン酸(36 g)を提供した。1H NMR (400 MHz, DMSOd6) 3.30 (br s, 1H), 8.00 (dd, 1H), 8.51 (dd, 1H), 9.17 (d, 1H)。
【0180】
工程B:窒素雰囲気下に、tert-ブタノール(100 ml)、モレキュラーシーブパウダー(4 Å) (23 g)及びトリエチルアミンの溶液を調製した (9.36 ml)。周囲温度で5分間攪拌した後に、工程Aにおいて得られた化合物 (10 g)を添加し、次いで、ジフェニルホスホリルアジド (16.3 g)を添加した。この反応混合物を3時間加熱して還流し、その後、セライト(Celite)(登録商標)でろ過した。反応混合物を水中に注ぎ、そしてジエチルエーテルで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液:ヘキサン/酢酸エチル5:1)により、[6−(クロロジフルオロメチル)−ピリジン−3−イル]−カルバミン酸tert-ブチルエステル(10.6 g)を提供した。MS (ES+) 279 / 281 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.55 (s, 9H), 7.52 (d, 1H), 8.19 (m, 1H), 8.47 (d, 1H)。
【0181】
工程C:工程Bにおいて得られた化合物(5.57 g)をエタノール (110 ml)中に溶解させ、脱気後に、チャコール上のパラジウム (10質量%) (1 g)を添加した。水素雰囲気下に、反応混合物を周囲温度で5時間攪拌した。セライト(Celite)(登録商標)でのろ過により、(6−ジフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸tert-ブチルエステル (4.8 g)をフォームとして提供した。MS (ES+) 245 / 246 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.54(s, 9H), 7.15 (t, 1H), 7.91 (m, 1H), 9.03 (m, 1H), 9.33 (m, 2H)。
【0182】
工程D:ジクロロメタン(80 ml)中の工程Cにおいて得られた化合物 (5.9 g)の溶液を、周囲温度で12時間、トリフルオロ酢酸 (3.7 ml)で処理した。この反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液(飽和)中に注ぎ、そしてジクロロメタンで数回洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液:ヘキサン/酢酸エチル1:1)により、6−ジフルオロメチル−ピリジン−3−イル−アミン(2.1 g)を提供した: 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 3.98 (br s, 2H), 6.56 (t, 1H), 7.03 (dd, 1H), 7.40 (d, 1H), 8.06 (d, 1H)。
【0183】
工程E:工程Dにおいて得られた化合物 (2.1 g)及びN−ブロモ−スクシンイミド(2.56 g)のアセトニトリル (50 ml)中の溶液を0℃で10分間攪拌した。この反応混合物を水中に注ぎ、そして酢酸エチルで数回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液:ヘキサン/酢酸エチル1:1)により、2−ブロモ−6−ジフルオロメチル−ピリジン−3−イル−アミン(2.5 g)を固形分として提供した。MS (ES+) 223 / 225 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 4.38 (br s, 2H), 6.52 (t, 1H), 7.08 (d, 1H), 7.41 (d, 1H)。
【0184】
工程Eにおいて得られた化合物を、その後、例1(工程A、工程B、工程C及び工程Dに記載される手順により処理し、題記の化合物を得た。
2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)-アリル]−6−ジフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド: MS (ES+) 517 / 519 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.80 (m, 2H), 2.14 (m, 4H), 2.84 (m, 1H), 3.13 (m, 2H), 3.20 (d, 2H), 6.28(m, 1H), 6.48 (m, 1H), 6.55 (t, 1H), 7.29 (m, 4H), 7.56 (d, 1H), 7.65 (d, 1H), 7.80 (s, 1H), 8.17 (d, 1H), 8.25 (br s, 1H), 8.64 (d, 1H)。
【0185】
下記の化合物を例13に記載されたのと類似の手順により調製した:
表O:
式(Io)の化合物
【0186】
【化28】

【0187】
【表13】

【0188】
例14
本例は2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−ジフルオロメトキシ−1',2',3,4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド (化合物P1)の調製を例示する。
【0189】
【化29】

【0190】
例1に記載した手順に従って題記の化合物を2−ブロモ−6−ジフルオロメトキシ−ピリジン−3−イル−アミンから得た。
【0191】
2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−ジフルオロメトキシ-1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド: M.p. 78-79°C; MS (ES+) 533 / 535 (MH+) ; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 1.70 (m, 2H), 2.00 (m, 4H), 2.73 (m, 1H), 3.05 (m, 2H), 3.15 (m, 2H), 6.25 (dt, 1H), 6.45 (d, 1H), 6.72 (d, 1H), 7.25 (m, 4H), 7.5 (t, 1H), 7.70 (m, 2H), 8.25 (s, 1H), 8.50 (d, 1H)。
【0192】
2−ブロモ−6−ジフルオロメトキシ−ピリジン−3−イル−アミンを下記のとおりに調製した。
工程A:2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ピリジン (5 g)を還流アセトニトリル(186 ml)中でクロロジフルオロ酢酸ナトリウム (11.5 g)で2日間処理した。その溶剤を蒸発させ、残留物を酢酸エチル中に注ぎ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、その後、真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液: ヘキサン/酢酸エチル1:1)により、2−ジフルオロメトキシ−5−ニトロ−ピリジン (1 g, 15%)及び1−ジフルオロメチル−5−ニトロ−1H−ピリジン−2−オン(90 mg, 1.5%)を提供した。2−ジフルオロメトキシ−5−ニトロ−ピリジン: MS (ES+) 191 (MH+); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 7.05 (d, 1H), 7.51 (t, 1H), 8.53 (dd, 1H), 9.09 (d, 1H). 1−ジフルオロメチル−5−ニトロ−1H−ピリジン−2−オン: MS (ES+) 191 (MH+); 6.65 (d, 1H), 7.63 (t, 1H), 8.14 (dd, 1H), 8.73 (d, 1H)。
【0193】
工程B: 工程Aにおいて得られた2−ジフルオロメトキシ−5−ニトロ−ピリジン (1.6 g)をエタノール(15 ml)及び水(2.5 ml)中の鉄 (5 g)及び濃塩酸 (0.23 ml)で80℃で20分間処理した。セライト(Celite)(登録商標)でのろ過及び溶剤の蒸発により、6−ジフルオロメトキシ−ピリジン−3−イル−アミンをオレンジ色の固形分として提供した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) 3.51 (br s, 2H), 6.89 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.44 (dd, 1H), 7.80 (d, 1H)。
【0194】
工程C:工程Bにおいて得られた6−ジフルオロメトキシ−ピリジン−3−イル−アミン (1.36 g)をアセトニトリル中のN−ブロモスクシンイミド (1.51 g)で10分間処理した。その溶液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー (溶離液: シクロヘキサン/酢酸エチル7:3)により、2−ブロモ−6−ジフルオロメトキシ−ピリジン−3−イル−アミンを赤色オイルとして提供した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) 3.95 (br s, 2H), 6.72 (d, 1H), 7.07 (d, 1H), 7.24 (dd, Hz, 1H)。
【0195】
例15
本例は2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド2−エチル−ヘキサン酸塩 (化合物Q1)の調製を例示する。
【0196】
【化30】

【0197】
2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミドから題記の化合物を下記のとおりに調製した: ジエチルエーテル(1 ml)中の2−エチル−ヘキサン酸 (27 mg)の溶液を、ジエチルエーテル(4 ml)中の2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド (100 mg)の溶液に添加した。この混合物を周囲温度で30分間攪拌した。この溶剤を蒸発させ、そして残留物をヘキサンで倍散し、題記の塩 (53 mg)を固形分として提供した。M.p. 108-110°C。
【0198】
下記の化合物を例15に記載したのと類似の手順により調製した。
表Q
ピペリジン環のプロトン化により形成される式(Iq)の塩
【0199】
【化31】

【0200】
【表14】

【0201】
【表15】

【0202】
【表16】

【0203】
例16
本例は2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミドN−オキシド(化合物R1)の調製を例示する。
【0204】
【化32】

【0205】
題記の化合物を下記のとおりに得た:メタノール(6 ml)中の2−クロロ−N−{1'-[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド(300 mg)を、過酸化水素水溶液 (30質量%、190 mg)で処理し、その溶液を50℃で4時間攪拌した。さらなる過酸化水素水溶液 (30質量%、190 mg)を添加し、そして溶液を50℃で16時間攪拌した。この反応混合物を周囲温度に冷却し、そして沈殿物をろ過により回収し、題記の化合物を白色固形分として提供した。M.p. 180-181°C. MS (ES+) 551/553 (MH+); 1H NMR (400 MHz, MeOD) 1.8 (m, 2H), 2.8 (m, 2H), 3.4 (m, 4H), 4.1 (d, 2H), 6.6 (dt, 1H), 6.8 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.8 (d, 1H), 7.9 (d, 1H), 8.0 (m, 2H), 8.6 (d, 1H)。
【0206】
下記の化合物は例16に記載したのと類似の手順により調製した。
表R
ピペリジン環の酸化により形成される式(Ir)のN−オキシド
【0207】
【化33】

【0208】
【表17】

【0209】
例17
本例は1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−3−[(2−クロロ−ピリジン−4−カルボニル)−アミン]−6−メチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−1'-イウムヨージド(化合物S1)の調製を例示する。
【0210】
【化34】

【0211】
題記の化合物を下記のとおりに得た:テトラヒドロフラン(100 ml)中の2−クロロ−N−{1'−[(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−アリル]−6−トリフルオロメチル−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ− [2,4']ビピリジニル−3−イル}-イソニコチンアミド (例1、200 mg)の溶液を水素化ナトリウム (オイル中55%、25 mg)で周囲温度で30分間処理し、その後、ヨウ化メチル (106 mg)を添加し、そして得られた溶液を40℃で30分間攪拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、メタノール(1ml)を添加した。その後、この溶液を水中に注ぎ、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、そして、その後、炭酸水素ナトリウム(飽和)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下に濃縮し、題記の化合物を固形分として提供した。LCMS:滞留時間 1.44 min, (ES+) 549/551。
【0212】
生物学的実施例
本例は一般式(I)の化合物の害虫駆除/殺虫特性を説明する。試験は以下のようにして実施した。
【0213】
スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)(エジプトヨトウ)(Egyptian cotton leafworm)
円板状にした綿の葉を24ウエルの微量滴定プレート内の寒天の上に置き、試験溶液を200ppmの施用割合でスプレーした。乾燥後、円板状の葉にL1齢の幼虫5匹を寄生させた。サンプルについて、処理3日後(DAT)の死亡率、摂食行動及び成長調節を調べた。以下の化合物では、エジプトヨトウの少なくとも80%が制御された:A1〜A38、B1〜B8、C1〜C16、D1〜D8、E1〜E11、F1〜F11、G1〜G3、H1、J1、K1、M1、M2、N1、O1〜O6、P1、Q1〜Q38、R1〜R4。
【0214】
ヘリオティス・ビレスケンス(Heliothis virescens)(タバコガ)(Tobacco budworm)
卵(産卵後0〜24時間)を24ウエルの微量滴定プレート内の人工餌の上に載せ、ピペットで200ppm(ウエル中の濃度18ppm)の施用割合で試験溶液により処理した。4日間インキュベートした後、サンプルを卵の死亡率、幼虫の死亡率及び成長調節について調べた。以下の化合物では、ヘリオティス・ビレスケンスの少なくとも80%が制御された:A2〜A10、A12〜A31、A33〜A38、B1〜B8、C1〜C16、D1〜D8、E1〜E11、F1〜F10、G1〜G3、H1、J1、K1、M1、M2、N1、O1〜O6、P1、Q1〜Q38、R1〜R4。
【0215】
プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(コナガ)(Diamond back moth)
人工餌を入れた24ウエルの微量滴定プレート(MTP)を、ピペットで200ppm(ウエル中の濃度18ppm)の施用割合で試験溶液により処理した。乾燥後、MTPに幼虫(L2齢)(ウエル1つにつき7〜12匹)を寄生させた。6日間インキュベートした後、サンプルを幼虫の死亡率及び成長調節について調べた。以下の化合物では、コナガの少なくとも80%が制御された:A2〜A9、A12〜A31、A33〜A38、B1〜B8、C1〜C16、D1〜D8、E1〜E11、F1 〜F11、G1〜G3、H1、J1、K1、M1、M2、N1、O1〜O6、P1、Q1〜Q38、R1〜R4、S1。
【0216】
ジアブロチカ・バルテアタ(Diabrotica balteata)(根切り虫)(Corn root worm)
人工餌を入れた24ウエルの微量滴定プレート(MTP)を、ピペットで200ppm(ウエル中の濃度18ppm)の施用割合で試験溶液により処理した。乾燥後、MTPに幼虫(L2齢)(ウエル1つにつき6〜10匹)を寄生させた。5日間インキュベートした後、サンプルを幼虫の死亡率及び成長調節について調べた。以下の化合物では、根切り虫の少なくとも80%が制御された:A6、A8、A9、A13〜A26、A28〜A30、A34、A35、A37、A38、B1〜B8、C1、C5〜C9、C11、C13、C15、C16、D1〜D6、D8、E2〜E5、E7、E9〜E11、F1〜F8、G1〜G3、M1、M2、N1、O2、O4、O5、O6、P1、Q1〜Q5、Q7〜Q15、Q17〜Q38、R1〜R3。
【0217】
比較例
本例は比較化合物A及び比較化合物Bと比較した式(I)の化合物の害虫駆除及び殺虫特性を例示する。比較化合物A及び比較化合物BはWO 2006/003494に記載されていた。
【化35】

【0218】
試験は下記のとおりに行った。
ヘリオティス・ビレスケンス(Heliothis virescens)(タバコガ)(Tobacco budworm)
ろ紙上の新鮮な卵(産卵後0〜24時間)をペトリ皿中の人工餌の層の上に載せ、ピペットで希釈試験溶液により処理した。6日間インキュベートした後、サンプルを幼虫の死亡率及び成長調節について調べた。幼虫の死亡率を評価した。
【0219】
【表18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】

(式中、
1は、ハロゲン、C1-3アルキル又はC1-3ハロアルキルから独立に選ばれる1〜4個の置換基によって場合により置換されるピリダ−4−イルであり、
2は、水素、ハロゲン、C1-4ハロアルキル又はC1-4ハロアルコキシであり、
3は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はジフルオロメトキシであり、かつR4は、水素、フルオロ又はクロロであるか、或いは、
3は、フルオロ、クロロ又はブロモであり、かつR4はフルオロ、クロロ又はトリフルオロメチルであり、そして
5は水素又はハロゲンである)
で表される化合物、又は、その塩もしくはN−オキシド。
【請求項2】
1が、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、ジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル又はトリフルオロメチルから独立に選ばれる1〜4個の置換基により場合により置換されるピリダ−4−イルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
2が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ又は1,1,2,2−テトラフルオロエトキシである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
5が、水素、フルオロ又はクロロである、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
以下の式(II):
【化2】

(式中、R1、R3、R4及びR5は請求項1に規定されているとおりである)
で表される化合物、又は、
以下の式(III):
【化3】

(式中、R11はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、又は、ベンジルであり、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ又はハロゲンによって場合により置換されていてよく、そしてR1、R3、R4及びR5は請求項1に規定されているとおりである)
で表される化合物、又は、
以下の式(IV):
【化4】

(式中、R11はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、又は、ベンジルであり、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ又はハロゲンによって場合により置換されていてよく、そしてR3、R4及びR5は請求項1に規定されているとおりであるか、又は、R3及びR5は水素でありそしてR4はフルオロ、クロロ又はトリフルオロメチルである)
で表される化合物、又は、
以下の式(V):
【化5】

(式中、R11はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、又は、ベンジルであり、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ又はハロゲンによって場合により置換されていてよく、そしてR3、R4及びR5は請求項1に規定されているとおりであるか、又は、R3及びR5は水素でありそしてR4はフルオロ、クロロ又はトリフルオロメチルである)
で表される化合物、又は
以下の式(VI):
【化6】

(式中、R11はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、又は、ベンジルであり、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ又はハロゲンによって場合により置換されていてよく、そしてR3、R4及びR5は請求項1に規定されているとおりである)
で表される化合物。
【請求項6】
昆虫、ダニ、軟体動物又は線虫を防除し、そして制御する方法であって、害虫に、害虫のいる場所に、又は、害虫の攻撃を受けやすい植物に、昆虫、ダニ、軟体動物又は線虫を殺生するのに有効な量の請求項1に規定するとおりの式(I)の化合物を施用することを含む、前記方法。
【請求項7】
昆虫、ダニ、軟体動物又は線虫を殺生するのに有効な量の請求項1に規定する式(I)の化合物を含む、昆虫、ダニ、軟体動物又は線虫殺生性組成物。

【公表番号】特表2011−523635(P2011−523635A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508832(P2011−508832)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003395
【国際公開番号】WO2009/138219
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】