説明

殺虫性(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体

【課題】害虫駆除に有用な新規な化合物及び農業上許容し得るそれらの塩、それらを含む組成物及び害虫やダニの駆除方法を提供する。
【解決手段】式Iの殺虫性(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体及び農業上許容し得るそれらの塩、それらを含む組成物及び害虫やダニの駆除におけるそれらの使用

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な化合物と害虫やダニの駆除におけるそれらの使用に関する。特に、(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体及び農業上許容し得るそれらの塩、それらを含む組成物及び害虫やダニの駆除におけるそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
害虫は、農業で成育する作物ばかりでなく、例えば、シロアリのような土壌中で生まれる害虫によって被害を受ける構造物や芝地に多大の被害を与えることはよく知られている。 そのような被害は所定の作物、芝又は構造物の価値を100万ドルも低下させることになる。殺虫剤及び殺ダニ剤は小麦、トウモロコシ、大豆、じゃがいも、及び綿のような作物にかなりの被害をもたらすであろう害虫やダニの駆除に有用である。作物の保護のためには、殺虫剤や殺ダニ剤は作物に被害を与えることなしで害虫やダニを駆除でき、そして哺乳類や他の生きている有機体に有害な影響を持たないことが望まれている。
【0003】
多くの特許や出版物が殺虫及び殺ダニ活性であると報告されている種々のジハロプロペン化合物を開示している。例えば、特許文献1は殺虫剤及び殺ダニ剤として使用するために所望により置換されているへテロ環基を含むジハロプロペン化合物を開示している。所望により置換されているへテロ環基の例はイソオキサゾール、チアゾール、1,3,4−チアジアゾール、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3,4−テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、インドール、ベンゾフラン、チアナフタレン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾール、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ピラゾリン、フタールイミド、ジオキサン、ジオキラン、及びベンゾジオキソラン(欄3、15−25行)である。
【0004】
上記参照特許には、本発明の化合物の構造及び殺虫活性については開示も示唆もない。
【特許文献1】USP5,922,880
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は安全で、より効果のある、新規な殺虫剤及び殺ダニ剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に関しては、或る新規な(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体が本発明の殺虫性及び殺ダニ性組成物及び方法で使用されるときに、害虫やダニの駆除に驚くべき活性を発揮することを見出した。新規な(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体は式I:
【0007】
【化5】

【0008】
で示される化合物及び農業上許容し得るそれらの塩である:
ここで、−R及びR は独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C −C )アルキル、(C −C )シクロアルキル、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、ハロ(C −C )アルコキシ、(C −C )アルキルチオ、ハロ(C −C )アルキルチオ、(C −C )アルキルスルフォニル、ハロ(C −C )アルキルスルフォニル、シアノ、ニトロ;(C −C )アルキル、(C −C )アルキルカルボニル及び(C −C )アルコキシカルボニルから選ばれる置換基で所望により置換されたアミノ;所望により置換されたイミダゾリル、所望により置換されたイミダゾリニル、所望により置換されたオキサゾリニル、所望により置換されたオキサゾリル、所望により置換されたオキサジアゾリル、所望により置換されたチアゾリル、所望により置換されたピラゾリル、所望により置換されたトリアゾリル、所望により置換されたフラニル、所望により置換されたテトラヒドロフラニル、所望により置換されたジオキソラニル、所望により置換されたジオキサニル、−C(=J)−K、及び−C(R12 )−Q−R13 から独立に選ばれ、但し上記の所望により置換される置換基は(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキル、(C −C )シクロアルキル、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、シアノ、ニトロ及びアリールから選ばれ;ここでJはO、S、NR14 、及びNOR14 から選ばれ、ここでR14は水素、(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、アリール及びアリール(C −C )アルキルであり;Kは水素、(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、(C −C )アルキルアミノ及びジ(C −C )アルキルアミノから選ばれ;QはO、S、及びNR14 から選ばれ、ここでR14は前述の通りである;R12 及びR13 は独立に水素、(C −C )アルキル及びハロ(C −C )アルキルから選ばれ、そしてR12 及びR13 は−T(CHR14−と結合していてもよく、ここでmは2から4の整数であり;TはO、S、及びNR14 から選ばれ、ここでR14は前述の通りである;
−R 及びR は独立に水素、ハロゲン、及び(C −C )アルキルから選ばれ、
−R は水素であり;
−R及びRは独立にハロゲンから選ばれ;
−EはCH 、O、S、及びNR15 から選ばれ、ここでR15は水素、(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキル、アリール(C −C )アルキル、(C −C )アルケニル(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルケニル(C −C )アルキル、ジ(C −C )アルキルホスフォネート、フォルミル、(C −C )アルキルカルボニル、ハロ(C −C )アルキルカルボニル、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキルカルボニル、アリールカルボニル及び(C −C )アルキルスルフォニルから選ばれ;
−GはO、S、CH 及び(CH から選ばれ、ここで*はEへの結合を表し、そしてE及びGが同時にO又はSでない限りnは1、2及び3から選ばれる整数であり、
−xは0又は1から選ばれる整数であり;そしてxが1のとき、
−AはO、S(O) 及び−NR15から選ばれ、ここでpは0、1及び2から選ばれる整数であり、そしてR15は前述の通りである;
−Bは橋架け基、*−(CR1517 −(CR1819 −(CR2021 −L−(CR2223 −(CR2425 −(CR2627 −であり、ここで*はAへの結合を表し;q、r、s、u、v及びwは独立に0、1及び2から選ばれる整数であり;そしてq、r、s、u、v又はwが1又は2のとき、R16からR27は水素、(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキル、及び(C −C )シクロアルキルから選ばれ;tは0又は1から選ばれる整数であり;そしてtが1のとき、LはCH=CH;O、S(O) ;OS(O) 、S(O)O、NR28 ;N(オキサイド)R28 ;NR28 SO ;NR28 C(=O)NR29 ;Si(CH ;C(=O)、OC(=O)、NHC(=O);ON=CH;HC=NO;C(=O)O;C(=O)NH;C(=NOR14 )及び[CR30 31 から選ばれ、ここでpは前述の通りであり、R28 及びR29 は独立に水素、(C −C )アルキル、(C −C )アルキルスルフォニル、(C −C )アルキルカルボニル、(C −C )アルケニル、及び(C −C )アルキニルから選ばれ;zは1又は2から選ばれる整数であり;そしてR30 及びR31 は独立に水素及び(C −C )アルキルから選ばれ;yは0又は1から選ばれる整数であり;そしてyが1のとき、
−DはO、S(O) 、及びNR15から選ばれ、ここでp及びR15は前述の通りであり、Dは式Iに示されたベンゾ縮合環部に4−、5−、6−、又は7−位で示される位置のいずれか一つに結合しており:
【0009】
【化6】

【0010】
ここで、−R 、R 、R 及びR10 は独立に水素、ハロゲン、(C −C )アルキル、(C −C )シクロアルキル、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、ハロ(C −C )アルコキシ、(C −C )アルキルチオ、ハロ(C −C )アルキルチオ、(C −C )アルキルスルフォニル、ハロ(C −C )アルキルスルフォニル、シアノ、ニトロ、アリール、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、及び(C −C )アルコキシカルボニルアミノから選ばれ;
−R11 は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、ハロ(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルコキシ、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、(C −C )シクロアルキル、アミノ、(C −C )アルキルアミノ、ジ(C −C )アルキルアミノ、(C −C )アルキルチオ、アリール、アリールチオ、トリ(C −C )アルキルシリル、SF 、C(=O)NR14 及びNOR14 から選ばれ、ここでR14は前述の通りであり;−MはO又はSである。
【0011】
本発明はまた少なくとも一つの式Iの化合物を、殺虫剤としての有効量、及び所望により、少なくとも一つの第二の化合物の有効量を少なくとも一つの殺虫剤として共存できる媒体と共に含む組成物である。
【0012】
本発明はまた害虫が生息するか又は生息すると思われる作物の場所、又は他の地域に上記組成物の殺虫剤としての有効量を散布することからなる駆除が望ましい地域において害虫を駆除する方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の殺虫性の新規な化合物及びそれを含む殺虫剤組成物は、目標とする害虫に対する活性に加えて、製造コスト、環境的影響、哺乳類への毒性、目的の作物への好ましくない影響が少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は或る新規で且つ殺虫剤としてそして殺ダニ剤として有用な化合物、即ち(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体(ここでは以後“式Iの化合物”と呼ぶ)は一般式I:
【0015】
【化7】

【0016】
で示される化合物及び農業上許容し得るそれらの塩:
ここで、−R及びR は独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C −C )アルキル、(C −C )シクロアルキル、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、ハロ(C −C )アルコキシ、(C −C )アルキルチオ、ハロ(C −C )アルキルチオ、(C −C )アルキルスルフォニル、ハロ(C −C )アルキルスルフォニル、シアノ、ニトロ;(C −C )アルキル、(C −C )アルキルカルボニル及び(C −C )アルコキシカルボニルから選ばれる置換基で所望により置換されたアミノ;所望により置換されたイミダゾリル、所望により置換されたイミダゾリニル、所望により置換されたオキサゾリニル、所望により置換されたオキサゾリル、所望により置換されたオキサジアゾリル、所望により置換されたチアゾリル、所望により置換されたピラゾリル、所望により置換されたトリアゾリル、所望により置換されたフラニル、所望により置換されたテトラヒドロフラニル、所望により置換されたジオキソラニル、所望により置換されたジオキサニル、−C(=J)−K、及び−C(R12 )−Q−R13 から独立に選ばれ、但し上記の所望により置換される置換基は(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキル、(C −C )シクロアルキル、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、シアノ、ニトロ及びアリールから選ばれ;ここでJはO、S、NR14 、及びNOR14 から選ばれ、ここでR14は水素、(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、アリール及びアリール(C −C )アルキルであり;Kは水素、(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、(C −C )アルキルアミノ及びジ(C −C )アルキルアミノから選ばれ;QはO、S、及びNR14 から選ばれ、ここでR14は前述の通りである;R12 及びR13 は独立に水素、(C −C )アルキル及びハロ(C −C )アルキルから選ばれ、そしてR12 及びR13 は−T(CHR14−と結合していてもよく、ここでmは2から4の整数であり;TはO、S、及びNR14 から選ばれ、ここでR14は前述の通りである;
−R 及びR は独立に水素、ハロゲン、及び(C −C )アルキルから選ばれ、
−R は水素であり;
−R及びRは独立にハロゲンから選ばれ;
−EはCH 、O、S、及びNR15 から選ばれ、ここでR15は水素、(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキル、アリール(C −C )アルキル、(C −C )アルケニル(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルケニル(C −C )アルキル、ジ(C −C )アルキルホスフォネート、フォルミル、(C −C )アルキルカルボニル、ハロ(C −C )アルキルカルボニル、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキルカルボニル、アリールカルボニル及び(C −C )アルキルスルフォニルから選ばれ;
−GはO、S、CH 及び(CH から選ばれ、ここで*はEへの結合を表し、そしてE及びGが同時にO又はSでない限りnは1、2及び3から選ばれる整数であり、
−xは0又は1から選ばれる整数であり;そしてxが1のとき、
−AはO、S(O) 及び−NR15から選ばれ、ここでpは0、1及び2から選ばれる整数であり、そしてR15は前述の通りである;
−Bは橋架け基、*−(CR1517 −(CR1819 −(CR2021 −L−(CR2223 −(CR2425 −(CR2627 −であり、ここで*はAへの結合を表し;q、r、s、u、v及びwは独立に0、1及び2から選ばれる整数であり;そしてq、r、s、u、v又はwが1又は2のとき、R16からR27は水素、(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキル、及び(C −C )シクロアルキルから選ばれ;tは0又は1から選ばれる整数であり;そしてtが1のとき、LはCH=CH;O、S(O) ;OS(O) 、S(O)O、NR28 ;N(オキサイド)R28 ;NR28 SO ;NR28 C(=O)NR29 ;Si(CH ;C(=O)、OC(=O)、NHC(=O);ON=CH;HC=NO;C(=O)O;C(=O)NH;C(=NOR14 )及び[CR30 31 から選ばれ、ここでpは前述の通りであり、R28 及びR29 は独立に水素、(C −C )アルキル、(C −C )アルキルスルフォニル、(C −C )アルキルカルボニル、(C −C )アルケニル、及び(C −C )アルキニルから選ばれ;zは1又は2から選ばれる整数であり;そしてR30 及びR31 は独立に水素及び(C −C )アルキルから選ばれ;yは0又は1から選ばれる整数であり;そしてyが1のとき、
−DはO、S(O) 、及びNR15から選ばれ、ここでp及びR15は前述の通りであり、Dは式Iに示されたベンゾ縮合環部に4−、5−、6−、又は7−位で示される位置のいずれか一つに結合しており:
【0017】
【化8】

【0018】
ここで、−R 、R 、R 及びR10 は独立に水素、ハロゲン、(C −C )アルキル、(C −C )シクロアルキル、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、ハロ(C −C )アルコキシ、(C −C )アルキルチオ、ハロ(C −C )アルキルチオ、(C −C )アルキルスルフォニル、ハロ(C −C )アルキルスルフォニル、シアノ、ニトロ、アリール、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、及び(C −C )アルコキシカルボニルアミノから選ばれ;
−R11 は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、ハロ(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルコキシ、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、(C −C )シクロアルキル、アミノ、(C −C )アルキルアミノ、ジ(C −C )アルキルアミノ、(C −C )アルキルチオ、アリール、アリールチオ、トリ(C −C )アルキルシリル、SF 、C(=O)NR14 及びNOR14 から選ばれ、ここでR14は前述の通りであり;−MはO又はSである。
【0019】
上述の群のうち、好ましい(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体としては;
−R及びR は独立にハロゲン及び(C −C )アルキルから選ばれ;−R 、R 及びR が水素であり;R 及びRは独立に塩素、臭素、及びフッ素から選ばれ;−EはOであり;−Gは(CH でnが1;xが1、そしてAがOであり;そしてq、r、s、u、v及びwが1又は2のとき、R16からR27は水素;tは0又は1であり、そしてtが1のとき、LはO、OC(=O)、NHC(=O)、ON=CH、及びCH=NOから選ばれ;yは1、そしてDはO、S(O) 、及びNR15から選ばれ、ここでpは0、そしてR15は水素、(C −C )アルキル、アリール(C −C )アルキル、(C −C )アルケニル(C −C )アルキル、及びハロ(C −C )アルケニル(C −C )アルキルから選ばれ:R 、R 、R 及びR10 は独立に水素、ハロゲン、ハロ(C −C )アルキル、及びニトロから選ばれ;そしてR11 は(C −C )アルキル及びハロ(C −C )アルキルから選ばれるものである。
【0020】
上述の群のうちより、好ましい(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体としては;
R及びR が独立に塩素及びメチルから選ばれ;R 及びRは独立に塩素及び臭素から選ばれ;q、r、s、u、v及びwが1又は2であり、但しq、r、s、u、v及びwの合計は少なくとも2で多くとも6である;tは0;DはO、ここでDは式Iに示されたベンゾ縮合環部に5又は6位で示される位置に結合しており:R 、R 、R 及びR10 は水素;そしてR11 はトリフルオロメチルである。よりさらに好ましいものとしては、i)R、R 、R 及びRがそれぞれ塩素;q、r及びsは1;u及びvは0又は1;wは0;MはOそしてR11 がトリフルオロメチル;そしてii)R、R 、R 及びRがそれぞれ塩素;q、r及びsは1;u及びvは0又は1;wは0;MはSそしてR11 がメチルである。
【0021】
より特定的には、新規且つ殺虫剤及び殺ダニ剤として有用な式Iの(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体は以下に示される:
【0022】
【化9】

【0023】
ここで、−R及びR は独立に水素、ハロゲン及び(C −C )アルキルから選ばれ;−R 及びRが水素であり;―EはO;Gは(CH でnが1;−R は水素であり;−R及びRは独立にハロゲンから選ばれ;xは1そしてAはO;−Bは橋架け基
*−(CR1517 −(CR1819 −(CR2021 −L−(CR2223 −(CR2425 −(CR2627 −であり、ここで*はAへの結合を表し;q、r、s、u、v及びwは独立に0、1及び2から選ばれる整数であり;そしてtは0;そして
q、r、s、u、v又はwが1又は2のとき、R16からR27は水素、yが1、そしてDはO、そしてここでDは式Iに示されたベンゾ縮合環部に5−又は6−位で示される位置のいずれか一つに結合しており:
【0024】
【化10】

【0025】
ここで、−R 、R 、R 及びR10 は独立に水素、ハロゲン又は(C −C )アルキルから選ばれ;そしてR11 は(C −C )アルキル及びハロ(C −C )アルキルから選ばれる。
【0026】
より特定的な好ましい(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体としては;R及びR が独立に塩素及びメチルから選ばれ;R 及びRは独立に塩素及び臭素から選ばれ;q、r、s、u、v及びwが0、1又は2であり、但しq、r、s、u、v及びwの合計は少なくとも2で多くとも6である;R 、R 、R 及びR10 は水素;そしてR11 はメチル又はトリフルオロメチルである。よりさらに好ましいものは、i)R、R 、R 及びRがそれぞれ塩素;q、r及びsは1;u及びvは0又は1;wは0;MはOそしてR11 がトリフルオロメチル;そしてii)R、R 、R 及びRがそれぞれ塩素;q、r及びsは1;u及びvは0又は1;wは0;MはSそしてR11 がメチルである。
【0027】
最も好ましい化合物は、(a)連結基(A) −B−(D) −がO(CH O−であり、ここでnは2から6であり、(b)連結器はベンゾオキサゾール又はベンゾチアゾールのベンゾ縮合環にその環の5又は6位で結合しておりそして(c)R11 がCH 又はCF であるものである。
【0028】
さらに、或る場合には本発明の化合物は光学エナンショマー及びジアステレオマーを生じさせることのできる対称中心をもっていてもよい。その化合物は二つ以上の形態、即ち物理的及び化学的性質がかなり異なる多形で存在していてもよい。本発明の化合物は分子内への水素原子の移動で平衡となっている二つ以上のトウトマーとして存在していてもよい。本発明の化合物はまた農業上許容できる塩又は農業上許容できる金属錯体の形成を可能にする酸基又は塩基部分をもっていてもよい。
本発明はエナンショマー、多形、トウトマー、塩及び金属錯体の使用を包含する。農業上許容できる塩又は農業上許容できる金属錯体は、限定なしに、例えば、アンモニウム塩、塩酸、硫酸、エタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メチルベンゼンスルホン酸、リン酸、グルコン酸、パモン酸、及びその他の酸の塩のような有機及び無機酸の塩、そして、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、及びその他の金属のようなアルカリ金属及びアルカリ土類金属錯体を包含する。
【0029】
本発明の方法は式Iの化合物の殺虫剤としての有効量を害虫を殺すか駆除するために害虫に散布することからなる。好ましい殺虫剤としての有効量とは害虫を殺すに十分な量を指す。害虫を本化合物の誘導体と接触させることによって害虫内で式Iの化合物に変換させ、害虫内に式Iの化合物を存在させることも本発明の範囲内である。本発明は擬殺虫剤(pro−insecticide)と呼ばれる化合物の使用も含む。
【0030】
本発明の別の態様は少なくとも一つの式Iの化合物の殺虫剤としての有効量を含む組成物に関する。
【0031】
本発明の別の態様は少なくとも一つの式Iの化合物の殺虫剤としての有効量、そして少なくとも一つの第二の化合物の有効量を含む組成物に関する。
【0032】
本発明の別の態様は上述の組成物の殺虫剤としての有効量を、限定はしないが、穀草、綿花、野菜、及び果実のような作物のある場所に、又は害虫が生息しているか生息していると思われる他の場所に散布することによって害虫を駆除する方法に関する。
【0033】
本発明は又農業上の害虫でない種、例えば、乾燥木のシロアリ及び地下のシロアリの駆除のための上記の化合物又は組成物の使用、同様に薬剤としての使用も含む。獣医学薬品分野においては、本発明の化合物は、動物を食べる昆虫や虫のようなある種のエンド−及びエクト寄生虫に対しても効果的であると期待される。そのような動物の寄生虫の例としては、限定はしないが、ガストロフィラス、ストモキシズ、トリコデクツ、ロヅニウス、クテノセファライドカニス、及びその他の種が包含される。
【0034】
本明細書で使用されるときそして他の断りがない限り、置換基用語“アルキル”及び“アルコキシ”は単独であれ大きな基の一部としてであれ、少なくとも一つ又は二つの炭素原子、そして好ましくは12炭素原子まで、より好ましくは10炭素原子まで、最も好ましくは7炭素原子までの直鎖又は分岐鎖を包含する。用語“アルケニル”及び“アルキニル”は単独であれ大きな基の一部としてであれ、少なくとも一つの炭素−炭素二重結合又は三重結合を含む少なくとも二つの炭素原子、そして好ましくは12炭素原子まで、より好ましくは10炭素原子まで、最も好ましくは7炭素原子までの直鎖又は分岐鎖を包含する。用語“アリール”は6から10の炭素原子をもつ縮合環、例えば、フェニル又はナフチル、を含む芳香族環を意味する。用語“ヘテロアリール”は原子の少なくとも一つは炭素原子以外、例えば、限定はしないが、硫黄、酸素、又は窒素である、縮合環を含む芳香族環を意味する。用語“GC分析”は、例えば反応混合物のガスクロマトグラフィー分析を意味し、一方“TLC分析”は薄層クロマトグラフ分析を意味する。用語“HPLC”は、例えば反応混合物から成分を分離する方法に関する高圧液体クロマトグラフィーを意味する。用語“DMF”はN,N−ジメチルフォルムアミドを意味する。用語“THF”はテトラヒドロフランを意味する。用語“DBU”は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンを意味する。用語“DEAD”はジエチルアゾジカルボキシレートを意味する。用語“ハロゲン”又は“ハロ”はフッ素,臭素、ヨウ素,又は塩素を意味する。用語“室温”はしばしば“RT”とも呼ばれ、例えば、化学反応混合物の温度に対して、20℃−30℃の範囲の温度を意味する。用語“殺虫性”又は“殺ダニ性”、“殺虫剤”又は“殺ダニ剤”は、単独又は少なくとも一つの第二の化合物、又は少なくとも一つの混じり合う媒体と一緒に害虫又はダニの活動を死滅させるか阻害する本発明の化合物を意味する。用語“独立に選ばれる”とは上述のようにそして本明細書の特許請求の範囲の項におけるように、例えばR 及びR は選択がなされる基内で同じであっても異なっていてもよいという基の可能性を意味する。
式Iの(ジハロプロペニル)フェニルアルキル置換ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾール誘導体は利用できる中間体化合物から当業者に公知の方法によってそれぞれ合成することができる。
【0035】
下記のスキーム1は、例えば、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR10 は水素;
R 、R、R 及びR は塩素;EはO;Gは(CH でnが1;x及びyが1、そしてA及びDがO;Bが上述の橋架け基、ここでq、r、s及びuが1、そしてt、v及びwが0;MがOそしてR11 がCF である式Iの化合物合成の一般的な手順を示す;
【0036】
【化11】

【0037】
スキーム1に示されるように、公知化合物、例えば2,4−ビス(フェニルメトキシ)フェニルアミン(A)、を無水トリフルオロ酢酸のような適切な酸無水物と反応させて、対応するビス(フェニルメトキシ)フェニル−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(A1)を得る。中間体(A1)を接触条件下に水素ガスで順番に保護基を外すと、対応する(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(A2)を与える。中間体(A2)をそれから脱水して環化すると、対応する中間体2−(トリフルオロメチル)ベンゾオキサゾール−6−オール(A3)を与える。
【0038】
第二の中間体を与えるために、公知化合物、例えば2,6−ジクロロ−4−フェニルメトキシフェノール(A4)を1−ブロモ−4−クロロブタンのような適切な鎖長のハロアルカンと反応させると、対応するハロアルコキシベンゼン誘導体(A5)を与える。上記のベンゾオキサゾール−6−オール中間体(A3)をそれから塩基条件下で中間体(A5)と反応させると、対応する置換ベンゾオキサゾール(A6)を得た。中間体(A6)をそれから上述のように保護基を外すと、フェノール中間体(A7)が得られ、これを塩基条件下で適切なハロアルカンと順番に反応させると、上述のような式Iの化合物を与えた。以下に示す実施例1はスキーム1に示される式Iの化合物の詳細な調製方法を提供する。
【0039】
下記のスキーム2は、例えば、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR10 は水素;
R 、R、R 及びR は塩素;EはO;Gは(CH でnが1;x及びyが1、そしてA及びDがO;Bが上述の橋架け基、ここでq、r及びsが1、そしてu、t、v及びwが0;MがOそしてR11 がCH である式Iの化合物合成の一般的な手順を示す;
【0040】
【化12】

【0041】
スキーム2に示されるように、公知化合物、例えば4−((ヒドロキシイミノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール(B)、をアセトニトリル中のリン酸オキシクロライドで環化すると、対応する2−メチルベンゾオキサゾール−6−オール(B1)を与えた。
【0042】
第二の中間体を与えるために、公知の化合物、例えば2,6−ジクロロ−4−フェニルメトキシフェノール(A4)を3−ブロモプロパン−1−オールのような適切な鎖長のハロアルカノールと反応させると、対応するフェニルアルカノール誘導体(B2)を与えた。中間体(B2)をそれから接触条件下に水素ガスで保護基を外すと、対応する(ヒドロキシアルコキシ)フェノール(B3)を与え、それを塩基条件下で1,1,1,3−テトラクロロプロパンのような適切なハロアルカンと順番に反応させると、対応する中間体(B4)、例えば3−[4−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]プロパン−1−オールを与えた。中間体(B4)を臭素化すると、中間体(B5)を与え、それをベンゾオキサゾール−6−オール(B1)と反応させると、上述の式Iの化合物を得た。実施例2及び4は式Iの化合物のスキーム2に示される詳細な調製方法を提供する。
【0043】
下記のスキーム3は、例えば、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR10 は水素;
R 、R、R 及びR は塩素;EはO;Gは(CH でnが1;x及びyが1、そしてA及びDがO;Bが上述の橋架け基、ここでq、r、s、u及びvが1、そしてt及びwが0;MがSそしてR11 が−CH である式Iの化合物合成の一般的な手順を示す;
【0044】
【化13】

【0045】
スキーム3に示されるように、5−ブロモペンチルオキシ−1,3−ジクロロベンゼン(C)はスキーム2の中間体(B2)から(B5)で示された方法で調製された。中間体(C)を、それから適切なヒドロキシ化合物、例えば公知の化合物2−メチル−5−ベンゾチアゾール、と反応させると、式Iの化合物を得た。以下に示される実施例3は式Iの化合物のスキーム3に示される詳細な調製方法を提供する。
【0046】
熟練した当業者は、勿論、毒物の調合と適用方法は与えられた用途における物質の活性に影響することは認識しているであろう。このように、農業での使用のためには、本発明の殺虫性化合物は比較的大きな粒径(例えば、8/16又は4/8USメッシュ)の顆粒として、水溶性又は水分散性顆粒として、粉末状ダストとして、湿潤粉末として、乳化濃縮物として、水溶液エマルジョンとして、溶液として、又は他の公知の農業上有用な調合タイプとして、所望の適用モードにより調合される。この明細書において特定される量は、用語“約”が特定量の前に置かれる場合のように、おおよその意味でのみ使用されていることを理解すべきである。
【0047】
これらの殺虫性組成物は、害虫の減少が望まれる地域に対して水希釈スプレー、又はダスト、又は顆粒のいずれかとして適用される。これらの調合は活性成分の重量に対して少ないところでは、0.1%、0.2%又は0.5%から多いところでは95%又はそれ以上までを含む。
【0048】
ダストは、タルク、天然粘度、珪藻土、くるみの殻及び綿花実のような殻粉、及び毒物の分散媒及び媒体として振舞うその他の有機及び無機固体のような細かく分散した固体;これらの細かく分散した固体は約50ミクロン以下の平均粒子径をもつ;と活性成分の浮遊混合物である。ここで使用できる典型的なダスト調合は殺虫性化合物1.0部以下とタルク99部である。
【0049】
湿潤粉末はまた殺虫剤のための有用な調合であり、水又は他の分散媒に容易に分散する細かく分散した粒子形状である。湿潤粉末は究極的には、害虫駆除が必要な地域に乾燥ダスト又は水や他の液体中のエマルジョンとして散布される。湿潤粉末の典型的な媒体はフューラー土、カオリン粘度、シリカ、及びその他の高度に吸収性で容易に湿る無機希釈剤を包含する。湿潤粉末は媒体の吸収性にも依るが通常約5−80%の活性成分を含み、そして通常分散を容易にするための少量の湿潤剤、分散剤又は乳化剤もまた含む。例えば、有用な湿潤粉末調合は80.0部の殺虫性化合物、17.9部のパルメット粘土、及び1.0部のリグノスルホン酸ナトリウム及び湿潤剤としての0.3部のスルホン化脂肪酸ポリエステルを含む。さらなる湿潤剤及び/又はオイルはしばしば植物の木の葉への分散を容易にするためにタンク混合を加えられる。
【0050】
殺虫用途における他の有用な調合は水又は他の分散媒に分散可能な均一な液体組成物である乳化可能な濃縮物(EC)であり、そして殺虫性化合物と液体又は固体の乳化剤を含み、又はキシレン、重芳香族ナフサ、イソフォロン、又は他の非−揮発性有機溶媒のような液体媒体もまた含む。殺虫用途のためには、これらの濃縮物は水又は他の液体媒体中に分散しておりそして通常は処理されるべき地域にスプレーとして散布される。不可欠の活性成分の重量%は組成物が適用される方法にも依るが、しかし一般には殺虫剤組成物の重量に対して0.5−95重量%の活性成分を含む。
【0051】
浮遊可能な調合は、活性成分が液体媒体、一般的には水中に懸濁していることを除きECと同様である。浮遊可能物は、ECと同様に、少量の界面活性剤を含み、そして典型的には活性成分を組成物の重量に対して0.5−95%、しばしば10−50%の範囲内で含む。適用のためには、浮遊可能物は水又は他の液体媒体中に希釈し、そして通常処理されるべき場所にスプレーとして散布される。
【0052】
農業上の調合において使用される典型的な湿潤、分散又は乳化剤は、限定はしないが、アルキル及びアルキルアリールスルホン酸エステル及び硫酸エステル及びそれらのナトリウム塩;アルキルアリールポリエーテルアルコール;硫酸化した高級アルコール;ポリエチレンオキサイド;スルホン化した動物性及び植物性オイル;スルホン化した石油オイル;ポリハイドリックアルコールの脂肪酸エステル及びそのようなエステルのエチレンオキサイド付加生成物;及び長鎖メルカプタンとエチレンオキサイドの付加生成物を包含する。多くの他の種類の有用な界面活性剤は市販されている。界面活性剤は、使用するときは、通常組成物の重量基準で1−15%含む。
【0053】
その他の有用な調合は、水、トウモロコシオイル、ケロセン、プロピレングリコール、又は他の好適な溶媒のような比較的不揮発性溶媒中の活性成分の懸濁を含む。
【0054】
殺虫用途のためのさらに別の調合は、アセトン、アルキル化ナフタレン、キシレン、または他の有機溶媒のような溶媒中に活性成分が所望の濃度で完全に溶解している単一溶液を含む。毒物が比較的粗い粒子上に担持されている顆粒調合は空中分散又は作物被覆キャノピーの浸透のような特定の用途がある。圧力スプレー、典型的には活性成分が低沸点分散溶媒媒体の蒸発の結果として活性成分が細かく分散した泡内に分散しているエアロゾルもまた使用できる。水溶性又は水分散性顆粒は自由分散し、ダスト性がなく、そして容易に水溶性となるか又は水と混じりあう。現場で農夫によって使用される場合は、顆粒調合、乳化濃縮物、浮遊濃縮物、水溶液エマルジョン、溶液、等々が、活性成分濃度が0.1%又は0.2%−1.5%又は2%の範囲となるように水で希釈される。
【0055】
本発明の殺虫活性化合物は一つ以上の第二の化合物と一緒に調合及び/又は適用される。そのような組み合わせは、限定はしないが、害虫のより高い駆除性能に相乗効果を示し、殺虫剤の適用量を減少させそれによって環境や作業者の安全に対するインパクトを最小化し、害虫の広範囲での駆除を可能にし、作物植物を対植物毒性の面で安全にし、そして哺乳類や魚のような害虫でない種への許容性を改善するようないくつかの利点を与える。
【0056】
第二の化合物としては、限定はしないが、他の殺虫剤、植物成長調節剤、肥料、土壌改質剤、又はその他の農薬を包含する。本発明の活性化合物の適用において、単独又は他の農薬と一緒に調合される場合においても、活性化合物の有効量及び有効濃度はもちろん採用される;その量は、例えば約0.001−約3kg/ha、好ましくは約0.03−約1kg/haの範囲で変化する。現場での使用の場合、殺虫剤のロスがあるところでは、より高い散布量(例えば、上述の4倍量)が使用される。
【0057】
本発明の殺虫活性化合物が一つ以上の第二の化合物と一緒に、例えば除草剤のような他の殺虫剤と一緒に使用されるときは、除草剤は、限定はしないが、例えば:N−(ホスフォノメチル)グリシン(“グリホセート”);(2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸(“2,4−D”)、(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)酢酸(“MCPA”)、(+/−)−2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)プロパノン酸(“MCPP”)のようなアリールオキシアルカノン酸;N,N−ジメチル−N’−[4−(1−メチルエチル)フェニル]尿素(“イソプロチュロン”)のような尿素;2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−3−ピリジンカルボン酸(“イマザピル”)のようなイミダゾリノン、(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メチル安息香酸及び(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチル安息香酸(“イマザメタベンツ”)(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−5−エチル−3−ピリジンカルボン酸(“イマゼタピル”)、及び(+/−)−2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−3−キノリンカルボン酸(“イマザキン”)からなる反応生成物;5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ニトロ安息香酸(“アシフルオルフェン”)、メチル−5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロベンゾエート(“ビフェノックス”)、及び5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−N−(メチルスルフォニル)−2−ニトロベンズアミド(“フォマサフェン”)のようなジフェニルエーテル;4−ヒドロキシ−3,5−ジイオドベンゾニトリル(“イオキシニル”)及び3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(“ブロモキシニル”)のようなヒドロキシベンゾニトリル;2−[[[[(4−クロロ−6−メトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルフォニル]安息香酸(“クロリミューロン”)、2−クロロ−N−[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド(“アクロスルフロン”)、2−[[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルフォニル]メチル]安息香酸(“ベンスルフロン”)、2−[[[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルフォニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(“ピラゾスルフロン”)、3−[[[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]アミノ]スルフォニル]−2−チオフェンカルボン酸(“チフェンスルフロン”)、及び2−(2−クロロエトキシ)−N[[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]カルボニル]ベンゼンスルフォンアミド(“トリアスルフロン”)のようなスルフォニル尿素;(+/−)−2−[4−[6−クロロ−2−ベンズオキサゾリル]オキシ]フェノキシ]プロパノン酸(“フェノキサプロップ”)、(+/−)−2−[4−[5−(トリフロロメチル)−2−ピリジニル]オキシ]フェノキシ]プロパノン酸(“フルアジフォップ”)、(+/−)−2−[4−[6−クロロ−2−キノキサリニル]オキシ]フェノキシ]プロパノン酸(“キザロフォップ”)、及び(+/−)−2−[(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノキシ]プロパノン酸(“ジクロフォップ”)のような2−(4−アリールオキシフェノキシ)アルカノン酸;3−(1−メチルエチル)−1H−1,2,3−ベンゾチアジアジン−4(3H)−オン−2,2−ジオキサイド(“ベンタゾン”)のようなベンゾチアジアジノン;N−(ブトキシメチル)−2−クロロ−N−(2,6−ジエチルフェニル)アセトアミド(“ブタクロール”)、2−クロロ−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミド(“メトラクロール”)、2−クロロ−N−(エトキシメチル)−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)アセトアミド(“アセトクロール”)、及び(RS)−2−クロロ−N−(2,4−ジメチル−3−チエニル)−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセトアミド(“ジメセンアミド”)のような2−クロロアセトアニリド;3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸(“ジカンバ”)のようなアレネカルボン酸;[4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジニル]オキシ]酢酸(“フルオロオキシピル”)のようなピリジルオキシ酢酸、及びその他の除草剤が包含される。
【0058】
本発明の活性な殺虫剤化合物が1以上の第二の化合物、例えば、害虫殺虫剤のような他の殺虫剤と組み合わせて使用されるときは、他の殺虫剤としては、例えば:クロールピリフォス、ジアジノン、ジメトエート、マラチオン、パラチオン−メチル、及びターブフォスのような有機リン酸エステル殺虫剤;フェンバレレート、デルタメトリン、フェンプロパトリン、シフルスリン、フルシトリネート、アルファー−シペルメトリン、ビフェントリン、シペルメトリン、溶解シハロスリン、エトフェンプロックス、エスフェンバレレート、トラロメトリン、テフルトリン、シクロプロスリン、ベータシフルスリン、及びアクリナスリンのようなピレスロイド殺虫剤;アルデカルブ、カルバリル、カルボフラン、及びメトミルのようなカーバメート殺虫剤;エンドスルファン、エンドリン、ヘプタクロール、及びリンダンのような有機塩素殺虫剤;ジフルベンウロン、トリフルムロン、テフルベンズロン、クロールフルアズロン、フルシクロキュウロン、ヘキサフルミュウロン、フルフエノキュウロン、及びルフェニュウロンのようなベンゾイル尿素殺虫剤;及びアミトラッツ、クロフェンテジン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾックス、スピノサッド及びイミダクロプリッドのようなその他の殺虫剤を包含する。
【0059】
本発明の活性な殺虫剤化合物が1以上の第二の化合物、例えば、殺真菌剤のような他の殺虫剤と組み合わせて使用されるときは、殺真菌剤としては、例えば:ベノミル、カルベンダジム、チアベダゾール、及びチオファネート−メチルのようなベンズイミダゾール殺真菌剤;エポキシコナゾール、シプロコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフォール、プロピコナゾール、テブコナゾール、トリアジメフロン、及びトリアジメノールのような1,2,4−トリアゾール殺真菌剤;メタラキシル、オキサジキシル、プロシミドン、及びビンクロゾリンのような置換アニリド殺真菌剤;フォセチル、イプロベンフォス、ピラゾフォス、エジフェンフォス、及びトルコルフォス−メチルのような有機リン殺真菌剤;フェンプロピモルフ、トリデモルフ、及びドデモルフのようなモルフォリン殺真菌剤;フェナリモール、イマザリル、プロクロラッツ、トリシクラゾール、及びトリフォリンのようなその他の合成殺真菌剤;マナコゼブ、マネブ、プロピネブ、ジネブ、及びジラムのようなジチオカーバメート殺真菌剤;クロロタロニル、ジクロロフルアニド、ジチアノン、及びイプロジオン、カプタン、ジノキャップ、ドジン、フルアジナム、グルアザチン、PCNB、ペンシキュロン、クイントゼン、トリシルアミド、及びバリダミシンのようなのような非−合成的殺真菌剤;銅と硫黄の生成物のような無機殺真菌剤、及びその他の殺真菌剤を包含する。
【0060】
本発明の活性な殺虫剤化合物が1以上の第二の化合物、例えば、殺線虫剤のような他の殺虫剤と組み合わせて使用されるときは、殺線虫剤としては、例えば:カルボフラン、カルボスルファン、タービュフォス、アルデカルブ、エトプロップ、フェナンフォス、オキサミル、イサゾフォス、カデュサフォス、及びその他の殺線虫剤を包含する。
【0061】
本発明の活性な殺虫剤化合物が1以上の第二の化合物、例えば、植物成長調節剤のような他の物質と組み合わせて使用されるときは、植物成長調節剤としては、例えば:マレイン酸ヒドラジド、クロメクオット、エセフォン、ギベレリン、メピクオット、チジアゾン、イナベンフィド、トリアフェンテノール、パクロブトラゾール、ウナコナゾール、DCPA、プロヘキサジオン、トリネクサパック−エチル、及びその他の植物成長調節剤を包含する。
【0062】
土壌改質剤は、土壌に加えられたときに、効率的な植物成長を促進させる。土壌改質剤は土壌の固結を減少させ、効率的な排水を促進及び増加させ、土壌の浸透性を改良し、土壌中の最適な植物の栄養分含量をもたらし、そして良好な殺虫剤や肥料の取り込みを促進させる。本発明の活性な殺虫剤化合物が1以上の第二の化合物、例えば、土壌改質剤のような他の物質と組み合わせて使用されるときは、土壌改質剤は土壌中のカチオン性植物栄養素の保持を促進させる腐植土のような有機物質;カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び水素化錯体のようなカチオン性栄養素の混合物;又は植物成長に好適な土壌中の条件を改良する微生物組成物を包含する。そのような微生物組成物は、例えば、バシラス、シュードモナス、アゾトバクテル、アゾスピリラム、リゾビウム、及び土壌−骨シアノバクテリアを含む。
【0063】
肥料は、通常窒素、リン、及びカリウムを含む植物の栄養補助剤である。本発明の活性な殺虫剤化合物が1以上の第二の化合物、例えば、肥料のような他の物質と組み合わせて使用されるときは、肥料は、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、及び骨粉のような窒素肥料;過リン酸、三重過リン酸、硫酸アンモニウム、及び硫酸ジアンモニウムのようなリン系肥料;塩化カリ、硫酸カリ、及び硝酸カリのようなカリ系肥料;及びその他の肥料を包含する。
【0064】
以下の実施例で本発明をさらに説明するが、もちろん、本発明の範囲を限定するものと見做してはならない。実施例は本発明の式Iの化合物合成のための現在の案を示しており、そのような合成された種のリストを示しており、そしてそのような化合物の効能を示す生物学的データを示す。
【実施例1】
【0065】
この実施例は、5−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−1,3−ジクロロ−2−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾオキサゾール−6−イロキシ]ブトキシ}ベンゼン(以下の表の化合物6)の調製例を示す
工程A 中間体としてのN−[2,4−ビス(フェニルメトキシ)フェニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの合成
1.7g(0.0055モル)の2,4−ビス(フェニルメトキシ)フェニルアミン(公知化合物)の50mLTHF中溶液を撹拌しながら0.8mL(0.0055モル)の無水トリフルオロ酢酸を添加した。添加終了後、0.92mL(0.0066モル)のトリエチルアミンを1時間で滴下した。滴下終了後、反応混合物をリフラックスするまで暖め3時間撹拌した。この後、反応混合物を冷却し減圧下で残渣となるまで濃縮した。残渣を50mLの水中に入れそしてジエチルエーテル50mLで3回抽出した。集めた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして減圧下で残渣となるまで濃縮した。残渣を1:1メチレンクロライド:ヘキサンを溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、首題の化合物を1.7g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
工程B 中間体としてのN−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの合成
1.5g(0.0036モル)のN−[2,4−ビス(フェニルメトキシ)フェニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミドと0.2g(触媒量)の10%パラジウムカーボンの125mLエタノール中混合物を、パール水素化器中で水素ガスで処理すると、首題の化合物を0.80g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
工程C 中間体としての2−(トリフルオロメチル)ベンゾオキサゾール−6−オールの合成
0.8g(0.0036モル)のN−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド及び触媒量のp−トルエンスルホン酸の50mLトルエン中の溶液を撹拌しながら加熱して18時間リフラックスさせ、理論量の副生した水をトラップに回収した。この後、反応混合物を減圧下で残渣となるまで濃縮した。残渣をメチレンクロライドを溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、首題の化合物を0.3g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
工程D 中間体としての1,3−ジクロロ−2−(4−クロロブトキシ)−5−(フェニルメトキシ)ベンゼンの合成
10.0g(0.037モル)の2,6−ジクロロ−4−フェニルメトキシフェノール(公知化合物)と4.7g(0.041モル)の1−ブロモ−4−クロロブタンの225mLDMF中溶液を撹拌しながら氷浴中で冷却し、7.7g(0.060モル)の炭酸カリウムを添加した。添加終了後、反応混合物を室温まで暖め18時間撹拌した。反応混合物をそれから1000mLの塩化ナトリウム飽和水溶液中に入れた。混合物をジエチルエーテル150mLで4回抽出し、そして集められた抽出物を水50mLで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして減圧下で残渣となるまで濃縮した。残渣を1:3メチレンクロライド:ヘキサンを溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、首題の化合物を10.7g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
工程E 中間体としての1,3−ジクロロ−5−(フェニルメトキシ)−2−{4−(トリフルオロメチル)ベンゾオキサゾール−6−イロキシ}ブトキシ}ベンゼンの合成
0.5g(0.0014モル)の1,3−ジクロロ−2−(4−クロロブトキシ)−5−(フェニルメトキシ)ベンゼン、0.3g(0.0014モル)の2−(トリフルオロメチル)ベンゾオキサゾール−6−オール及び0.39g(0.0028モル)の炭酸カリの50mLDMF中溶液を撹拌しながら80℃に加熱し、18時間撹拌した。この後、反応混合物を冷却し、150mLの水を加えた。混合物をそれから塩化ナトリウムで飽和させそしてジエチルエーテル75mLで3回抽出した。集めた抽出物を75mLの水で1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてロ液を減圧下で残渣となるまで濃縮した。残渣を1:3メチレンクロライド:ヘキサンを溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、首題の化合物を0.22g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
工程F 中間体としての3,5−ジクロロ−4−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾオキサゾール−6−イロキシ]ブトキシ}フェノールの合成
この化合物は、この実施例の工程Bで示されたのと同様の方法で、0.2g(0.00038モル)の1,3−ジクロロ−5−(フェニルメトキシ)−2−{4−(トリフルオロメチル)ベンゾオキサゾール−6−イロキシ}ブトキシ}ベンゼンを0.05g(触媒量)の10%パラジウムカーボンの存在下に50mLエタノール中でパール水素化器を使用して、水素ガスで処理して調製された。首題の化合物の収量は0.15gであった。
工程G 化合物6の合成
この化合物はこの実施例の工程Dに示されたのと同様の方法で、0.15g(0.0034モル)の3,5−ジクロロ−4−{4−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾオキサゾール−6−イロキシ]ブトキシ}フェノール、0.1g(0.00052モル)の1,1,1,3−テトラクロロプロパン、及び0.1g(0.00072モル)の炭酸カリの8mLDMF中の反応によって調製された。反応混合物を1:3及び1:1メチレンクロライド:ヘキサン混合物を溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、化合物6を0.06g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【実施例2】
【0066】
この実施例は、5−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−1,3−ジクロロ−2−[3−(メチルベンゾオキサゾール−6−イロキシ)プロポキシ]ベンゼン(以下の表の化合物2)の調製例を示す
工程A 中間体としての4−{(ヒドロキシイミノ)メチル}ベンゼン−1,3−ジオールの合成
2.0g(0.013モル)の1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン−1−オン(市販品)及び1.4g(0.019モル)のヒドロキシルアミンハイドロクロライドの20mL水と100mLエタノール中溶液を撹拌しながら約0℃−4℃に冷却しそして2.7g(0.068モル)の水酸化ナトリウムを添加した。添加終了後、反応混合物を暖めてリフラックスさせ30分間撹拌した。この後反応混合物を室温まで冷却し400mLの5%塩酸水溶液を添加した。混合物をジエチルエーテルで抽出し、そして水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮すると、首題の化合物を1.5g得た。
工程B 中間体としての2−メチルベンゾオキサゾール−6−オールの合成
1.5g(0.009モル)の4−{(ヒドロキシイミノ)メチル}ベンゼン−1,3−ジオールの5mLのDMF及び15mLのアセトニトリル中の溶液を撹拌しながら1.3mL(0.014モル)のリン酸オキシクロライドを滴下した。滴下終了後、反応混合物をさらに1時間撹拌した。この後、反応混合物を氷と3.0gの酢酸ナトリウムを含む水で冷却し、そしてジエチルエーテルで抽出した。抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥しそしてろ過した。ロ液を減圧下で残渣となるまで濃縮した。残渣を酢酸エチルとヘキサンの混合物、そして最終的は100%酢酸エチルを溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、首題の化合物を0.75g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
工程C 中間体としての3−[2,6−ジクロロ−4−(フェニルメトキシ)フェノキシ]プロパン−1−オールの合成
10.1g(0.038モル)の2,6−ジクロロ−4−(フェニルメトキシ)フェノール(公知化合物)及び8.0g(0.058モル)の炭酸カリの150mLDMF中溶液を撹拌しながら0℃−4℃に冷却しそして3.7mL(0.041モル)の3−ブロモプロパンー1−オールをゆっくりと添加した。添加終了後、反応混合物を室温まで暖め18時間撹拌した。この後、反応混合物に水を加え、そして混合物を150mLのジエチルエーテルで2回抽出した。集めた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥しそしてろ過し、そしてロ液を減圧下で濃縮すると、残渣固体を11.8g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
工程D 中間体としての3,5−ジクロロ−4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェノールの合成
この化合物は実施例1の工程Bと同様な方法で、11.8g(0.036モル)の3−[2,6−ジクロロ−4−(フェニルメトキシ)フェノキシ]プロパン−1−オールを触媒量の10%パラジウムカーボンの存在下にエタノール中でパール水素化器を使用して、水素ガスで処理して調製された。理論量の水素の吸収の後、反応混合物をろ過しそして減圧下で残渣となるまで濃縮すると、首題の化合物を8.0g得た。
工程E 中間体としての3−[4−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]プロパン−1−オールの合成
この化合物は実施例1の工程Dと同様な方法で、8.0g(0.034モル)の3,5−ジクロロ−4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェノール、10.1g(0.056モル)の1,1,1,3−テトラクロロプロパン、及び10.8g(0.078モル)の炭酸カリの100mLDMF中の反応によって調製された。反応混合物を1:2メチレンクロライド:ヘキサンを溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、首題の化合物を9.1g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
工程F 中間体としての1−[4−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]−3−ブロモプロパンの合成
3.5g(0.010モル)の3−[4−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]プロパン−1−オール及び3.3g(0.010モル)の四臭化炭素の50mLメチレンクロライド中の溶液を撹拌しながら約0℃−4℃に冷却しそして2.9g(0.011モル)のトリフェニルホスフィンを滴下した。滴下終了後、反応混合物を室温まで暖め42時間撹拌した。この後、反応混合物を減圧下で残渣となるまで濃縮した。残渣を1:3メチレンクロライド:ヘキサンを溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、首題の化合物を7.7g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
工程G 化合物2の合成
この化合物は実施例1の工程Dと同様な方法で、0.27g(0.00067モル)の1−[4−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]−3−ブロモプロパン、0.1g(0.00067モル)の2−メチルベンゾオキサゾール−6−オール(本実施例の工程Bで調製されたもの)及び0.37g(0.0027モル)の炭酸カリを2mLDMF中で反応させることによって調製した。反応混合物をヘキサン中5%メチレンクロライド、そして100%メチレンクロライドを溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、化合物2を得た。
【実施例3】
【0067】
この実施例は5−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−1,3−ジクロロ−2−[5−(2−メチルベンゾチアゾール−5−イロキシ)ペンチルオキシ]ベンゼン(以下の表の化合物12)の調製例を示す
この化合物はこの化合物は実施例1の工程Dと同様な方法で、0.26g(0.0006モル)の5−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−2−(5−ブロモペンチルオキシ)−1,3−ジクロロベンゼン(実施例2の工程CからFと同様の方法で調製されたもの)、0.1g(0.0006モル)の2−メチル−5−ベンゾチアゾール(公知化合物)及び0.17g(0.0012モル)の炭酸カリを50mLDMF中で反応させることによって調製した。反応混合物を100%ヘキサン、そして最終的にヘキサン中25%酢酸エチルを溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、化合物12を0.22g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【実施例4】
【0068】
この実施例は5−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−1,3−ジクロロ−2−{3−[2−(トリフルオロメチル)ベンゾオキサゾール−6−イロキシ]プロポキシ}ベンゼン(以下の表の化合物3)の調製例を示す
この化合物は実施例1の工程Dと同様な方法で、0.41g(0.001モル)の1−[4−(3,3−ジクロロプロプ−2−エニロキシ)−2,6−ジクロロフェノキシ]−3−ブロモプロパン(実施例2の工程CからFで調製されたもの)、0.20g(0.001モル)の2−(トリフルオロメチル)ベンゾオキサゾール−6−オール(実施例1の工程AからCで調製されたもの)及び0.12g(0.0012モル)の炭酸カリを10mLのDMF中で反応させることによって調製した。反応混合物を2:1メチレンクロライド:ヘキサンを溶離液として使用しシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。適切な量を集めそして減圧下で濃縮すると、化合物3を0.43g得た。NMRスペクトルは提案された構造と一致した。
【0069】
下記の表は式Iの化合物の例を示す。
【0070】
【表1】

【0071】
以下の表は本発明の式Iの化合物の物理特性を示す。式Iの試験化合物は表1の化合物に対応する番号によって特定される。
【0072】
【表2】

【0073】
候補の殺虫剤はタバコバッドワーム(ヘリオチスビレッセンス[ファブリシウス])に対する表面処理食餌試験活性を評価した。
【0074】
この試験において、1mLの溶融(65−70℃)小麦の芽−ベースの人工食餌を4x6(24ウエル)マルチウエルプレート(ID#430345−15.5mm直径x17.6mm深さ;コーニング コースター コープ.,1アレワイフセンター、ケンブリッジ、MA02140)の各ウエルにピペットで注入した。食餌を候補の殺虫剤で処理する前に室温に冷却した。
【0075】
殺虫活性決定のためには、候補殺虫剤の溶液を商標名パッカード204DTマルチプローブ ロボチック システム(Packard Instrument Company,800 Research Parkway,Meriden,CT06450)を使用して、ロボットを最初に候補殺虫剤の標準50ミリモルDMSO溶液を1:1水/アセトン溶液(V/V)で1:7ストック溶液:水/アセトンの比になるように希釈して試験用に調製された。ロボットは引き続きそのように調製された溶液の40μLを24個のマルチウエルプレートの三つのウエルの各々にある食餌表面にピペットで滴下した。そのプロセスは7個の他の候補殺虫剤溶液に対しても繰り返された。一旦処理されると、マルチウエルプレートの含量は、乾燥されて食餌表面上に候補の殺虫剤0.25ミリモルを残し、又は0.25ミリモラーの濃度となる。食餌表面上にDMSOのみを含む未処理の対照標準もまたこの試験に含まれる。
【0076】
適用量を変えながらの候補殺虫剤の殺虫活性の評価の場合、試験は候補殺虫剤の上述の標準50ミリモラーDMSO溶液の多数を使用して実施された。例えば、標準50ミリモラーDMSO溶液はロボットによって、5、0.5、0.05、0.005、0.0005ミリモラー、又はより薄い候補殺虫剤溶液を与えるようにDMSOで希釈された。これらの評価においては、食餌表面に置かれた各適用量に対して6個の複製があり、各プレートに対し候補殺虫剤量を合計で4回変えるのに24個のウエルプレートが必要となる。
【0077】
試験プレートの各ウエル中には一匹の二歳齢タバコバッドワームの幼虫を入れ、それぞれおおよそ5mg秤量した。幼虫を各ウエルに入れた後、プレートを透明なポリフィルム接着テープでシールした。各ウエル上のテープは適当な酸素供給のために穴を開けられた。プレートをそれから25℃で相対湿度60%の飼育室内に5日間(日光に当てるのは日に14時間)置いた。
【0078】
5日の曝露後、候補殺虫剤の各適用量の殺虫活性は、未処理の昆虫重量に対する忌避された害虫重量%、及び生息している害虫の合計数に対する死亡率として評価された。
この試験から選択された適用量における殺虫活性は表3に与えられる。式Iの試験化合物は表1のそれぞれに対応する番号によって同定される。
【0079】
【表3】

【0080】
表3に示されるように、試験された本発明の化合物は全てがタバコバッドワームの100%死亡率及び100%成長忌避率を与えた。
【0081】
式Iの化合物は木の葉上のタバコバッドワームに対して試験された。タバコバッドワームに対する木の葉処理試験は以下の方法で実施された。
【0082】
9−10日齢のチックピーの木(シセルアリエチナム)が上部及び下部の葉の表面上に試験化合物の溶液を15psiでスプレーされ、試験化学品の1000ppmの適用量を与えた。試験化合物の溶液を調製するために使用された溶液は10%アセトン又はメタノール(v/v)及び蒸留水中の界面活性剤0.1%オクチルフェノキシエトキシエタノールであった。四つの複製はそれぞれ一つのチックピーの木を含み、試験化合物の各適用量でスプレーされた。処理された木をスプレーが乾燥するまで置かれる場所に移した。
【0083】
上述のように試験化合物で処理された各複製のための四つのチックピーの木はちょうど土壌線上の幹を切断することによってそれらのポットから取除いた。 各複製の四つの植物から切断された葉と幹はそれぞれ237mL(8オンス)の紙コップに置かれ、それらは湿らせたフィルター紙を含んでいる。五つの第二世代タバコバッドワーム(7日齢)を各コップ中に入れ、傷つかないように注意した。不透明なプラスチックの蓋が各コップ上に置かれ、それらはそれから飼育室内で96時間25℃、相対湿度50%そして光12時間暗黒12時間の光期間に置かれた。96時間の曝露の最後に、コップは開放され、死んだ、死にかかった、そして生きている害虫の数を数えた。害虫のカウント数を使用して、試験化合物の効率は駆除率で表現された。駆除率は試験における死んだ害虫の合計数(TD)+死にかかった害虫の合計数(TM)を試験した害虫の合計数(TI)で割ることによって得られる:
駆除率(%)=(TD+TM)/TIx100
試験植物の条件はまた対植物毒性のためにそして未処理の対照に対しての食餌損傷の減少のために観察された。幼虫はもしひっくり返したときに直ちに元気にはならないが動きを示すもの、或いはもしそれらがひどくサイズを減少させ食餌しているとは思えないものは“死にかかった”と分類する。これらの試験結果を表4に示す。
【0084】
【表4】

【0085】
表4に示されるように、置換基R11 がトリフルオロメチル である(化合物1、3、4及び6−8)及びメチルである(化合物2、5、9、10及び12)化合物はタバコバッドワームの駆除において活性である。この試験において、R11 がトリフルオロメチルである化合物はR11 がメチルである化合物よりいくぶんか高活性である。さらに、R11 がトリフルオロメチルでそしてベンゾ縮合環が6位で分子に結合している化合物はベンゾ縮合環が5位で結合している対応する化合物に較べていくぶんか高活性であり、特に適用量で10ppmほど少なくてすむ。
【0086】
本発明は好ましい態様について強調して説明してきたが、好ましい態様からの変形も使用できそして本発明はここで特定的に記載されたもの以外によっても実施可能であることを意図していることは熟練している当業者であれば理解できるであろう。従って、本発明は、本特許請求の範囲に規定された本発明の精神と範囲内に入る全ての変形を包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の殺虫剤は、小麦、トウモロコシ、大豆、じゃがいも、及び綿のような農業で成育する作物ばかりでなく、例えば、シロアリのような土壌中で生まれる害虫によって被害を受ける構造物や芝地も含め、広範囲の種々の害虫が生育している又は成育すると思われる場所での害虫の駆除に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

で示される化合物及び農業上許容し得るそれらの塩:
ここで、−R及びR は独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C −C )アルキル、(C −C )シクロアルキル、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、ハロ(C −C )アルコキシ、(C −C )アルキルチオ、ハロ(C −C )アルキルチオ、(C −C )アルキルスルフォニル、ハロ(C −C )アルキルスルフォニル、シアノ、ニトロ;(C −C )アルキル、(C −C )アルキルカルボニル及び(C −C )アルコキシカルボニルから選ばれる置換基で所望により置換されたアミノ;所望により置換されたイミダゾリル、所望により置換されたイミダゾリニル、所望により置換されたオキサゾリニル、所望により置換されたオキサゾリル、所望により置換されたオキサジアゾリル、所望により置換されたチアゾリル、所望により置換されたピラゾリル、所望により置換されたトリアゾリル、所望により置換されたフラニル、所望により置換されたテトラヒドロフラニル、所望により置換されたジオキソラニル、所望により置換されたジオキサニル、−C(=J)−K、及び−C(R12 )−Q−R13 から独立に選ばれ、但し上記の所望により置換される置換基は(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキル、(C −C )シクロアルキル、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、シアノ、ニトロ及びアリールから選ばれ;ここでJはO、S、NR14 、及びNOR14 から選ばれ、ここでR14は水素、(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、アリール及びアリール(C −C )アルキルであり;Kは水素、(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、(C −C )アルキルアミノ及びジ(C −C )アルキルアミノから選ばれ;QはO、S、及びNR14 から選ばれ、ここでR14は前述の通りである;R12 及びR13 は独立に水素、(C −C )アルキル及びハロ(C −C )アルキルから選ばれ、そしてR12 及びR13 は−T(CHR14−と結合していてもよく、ここでmは2から4の整数であり;TはO、S、及びNR14 から選ばれ、ここでR14は前述の通りである;
−R 及びR は独立に水素、ハロゲン、及び(C −C )アルキルから選ばれ、
−R は水素であり;
−R及びRは独立にハロゲンから選ばれ;
−EはCH 、O、S、及びNR15 から選ばれ、ここでR15は水素、(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキル、アリール(C −C )アルキル、(C −C )アルケニル(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルケニル(C −C )アルキル、ジ(C −C )アルキルホスフォネート、フォルミル、(C −C )アルキルカルボニル、ハロ(C −C )アルキルカルボニル、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキルカルボニル、アリールカルボニル及び(C −C )アルキルスルフォニルから選ばれ;
−GはO、S、CH 及び(CH から選ばれ、ここで*はEへの結合を表し、そしてE及びGが同時にO又はSでない限りnは1、2及び3から選ばれる整数であり、
−xは0又は1から選ばれる整数であり;そしてxが1のとき、
−AはO、S(O) 及び−NR15から選ばれ、ここでpは0、1及び2から選ばれる整数であり、そしてR15は前述の通りである;
−Bは橋架け基、*−(CR1517 −(CR1819 −(CR2021 −L−(CR2223 −(CR2425 −(CR2627 −であり、ここで*はAへの結合を表し;q、r、s、u、v及びwは独立に0、1及び2から選ばれる整数であり;そしてq、r、s、u、v又はwが1又は2のとき、R16からR27は水素、(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ(C −C )アルキル、及び(C −C )シクロアルキルから選ばれ;tは0又は1から選ばれる整数であり;そしてtが1のとき、LはCH=CH;O、S(O) ;OS(O) 、S(O)O、NR28 ;N(オキサイド)R28 ;NR28 SO ;NR28 C(=O)NR29 ;Si(CH ;C(=O)、OC(=O)、NHC(=O);ON=CH;HC=NO;C(=O)O;C(=O)NH;C(=NOR14 )及び[CR30 31 から選ばれ、ここでpは前述の通りであり、R28 及びR29 は独立に水素、(C −C )アルキル、(C −C )アルキルスルフォニル、(C −C )アルキルカルボニル、(C −C )アルケニル、及び(C −C )アルキニルから選ばれ;zは1又は2から選ばれる整数であり;そしてR30 及びR31 は独立に水素及び(C −C )アルキルから選ばれ;yは0又は1から選ばれる整数であり;そしてyが1のとき、
−DはO、S(O) 、及びNR15から選ばれ、ここでp及びR15は前述の通りであり、Dは式Iに示されたベンゾ縮合環部に4−、5−、6−、又は7−位で示される位置のいずれか一つに結合しており:
【化2】

ここで、−R 、R 、R 及びR10 は独立に水素、ハロゲン、(C −C )アルキル、(C −C )シクロアルキル、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、ハロ(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、ハロ(C −C )アルコキシ、(C −C )アルキルチオ、ハロ(C −C )アルキルチオ、(C −C )アルキルスルフォニル、ハロ(C −C )アルキルスルフォニル、シアノ、ニトロ、アリール、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、及び(C −C )アルコキシカルボニルアミノから選ばれ;
−R11 は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、(C −C )アルキル、(C −C )アルコキシ、ハロ(C −C )アルキル、ハロ(C −C )アルコキシ、(C −C )アルケニル、(C −C )アルキニル、(C −C )シクロアルキル、アミノ、(C −C )アルキルアミノ、ジ(C −C )アルキルアミノ、(C −C )アルキルチオ、アリール、アリールチオ、トリ(C −C )アルキルシリル、SF 、C(=O)NR14 及びNOR14 から選ばれ、ここでR14は前述の通りであり;−MはO又はSである。
【請求項2】
R及びR は独立にハロゲン及び(C −C )アルキルから選ばれ;R 、R 及びR が水素であり;R 及びRは独立に塩素、臭素、及びフッ素から選ばれ;EはOであり;Gは(CH でnが1;xが1、そしてAがOであり;そしてq、r、s、u、v及びwが1又は2のとき、R16からR27は水素;tは0又は1であり、そしてtが1のとき、LはO、OC(=O)、NHC(=O)、ON=CH、及びCH=NOから選ばれ;yは1、そしてDはO、S(O) 、及びNR15から選ばれ、ここでpは0、そしてR15は水素、(C −C )アルキル、アリール(C −C )アルキル、(C −C )アルケニル(C −C )アルキル、及びハロ(C −C )アルケニル(C −C )アルキルから選ばれ、ここで、Dは式Iに示されたベンゾ縮合環部に5又は6位で示される位置に結合している:R 、R 、R 及びR10 は独立に水素、ハロゲン、ハロ(C −C )アルキル、及びニトロから選ばれ;そしてR11 は(C −C )アルキル及びハロ(C −C )アルキルから選ばれるものである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R及びR が独立に塩素及びメチルから選ばれ;R 及びRは独立に塩素及び臭素から選ばれ;q、r、s、u、v及びwが1又は2であり、但しq、r、s、u、v及びwの合計は少なくとも2で多くとも6である;tは0;DはO、ここでDは式Iに示されたベンゾ縮合環部に5又は6位で示される位置に結合しており:R 、R 、R 及びR10 は水素;そしてR11 はトリフルオロメチルである請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R、R 、R 及びRがそれぞれ塩素;q、r及びsは1;u及びvは0又は1;wは0;MはOそしてR11 がトリフルオロメチルである請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R、R 、R 及びRがそれぞれ塩素;q、r及びsは1;u及びvは0又は1;wは0;MはSそしてR11 がメチルである請求項3記載の化合物。
【請求項6】
請求項1記載の化合物の殺虫剤としての有効量を農業上許容し得る少なくとも一つの展延剤又は補助剤との混合物として含む組成物。
【請求項7】
さらに、殺虫剤、植物成長調節剤、肥料及び土壌改質剤からなる群から選ばれる1以上の第二化合物を含む請求項6記載の殺虫剤組成物。
【請求項8】
害虫が生息するか又は生息すると思われる場所に請求項6記載の組成物の殺虫剤としての有効量を散布することからなる害虫の駆除方法。
【請求項9】
害虫が生息するか又は生息すると思われる場所に請求項7記載の組成物の殺虫剤としての有効量を散布することからなる害虫の駆除方法。
【請求項10】
式Iの化合物:
【化3】

ここで、−R及びR は独立に水素、ハロゲン及び(C −C )アルキルから選ばれ;−R 及びRが水素であり;―EはO;Gは(CH でnが1;−R は水素であり;−R及びRは独立にハロゲンから選ばれ;xは1そしてAはO;−Bは橋架け基
*−(CR1517 −(CR1819 −(CR2021 −L−(CR2223 −(CR2425 −(CR2627 −であり、ここで*はAへの結合を表し;q、r、s、u、v及びwは独立に0、1及び2から選ばれる整数であり;そしてtは0;そして
q、r、s、u、v又はwが1又は2のとき、R16からR27は水素、yが1、そしてDはO、そしてここでDは式Iに示されたベンゾ縮合環部に5−又は6−位で示される位置のいずれか一つに結合しており:
【化4】

ここで、−R 、R 、R 及びR10 は独立に水素、ハロゲン又は(C −C )アルキルから選ばれ;R11 は(C −C )アルキル及びハロ(C −C )アルキルから選ばれ;そしてMはO又はSである。
【請求項11】
R及びR が独立に塩素及びメチルから選ばれ;R 及びRは独立に塩素及び臭素から選ばれ;q、r、s、u、v及びwが0、1又は2であり、但しq、r、s、u、v及びwの合計は少なくとも2で多くとも6である;R 、R 、R 及びR10 は水素;そしてR11 はメチル又はトリフルオロメチルである請求項10記載の化合物。
【請求項12】
R、R 、R 及びRがそれぞれ塩素;q、r及びsは1;u及びvは0又は1;wは0;MはOそしてR11 がトリフルオロメチルである請求項11記載の化合物。
【請求項13】
R、R 、R 及びRがそれぞれ塩素;q、r及びsは1;u及びvは0又は1;wは0;MはSそしてR11 がメチルである請求項11記載の化合物。

【公表番号】特表2006−525337(P2006−525337A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513376(P2006−513376)
【出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/013014
【国際公開番号】WO2004/099105
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(391022452)エフ エム シー コーポレーション (74)
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
【Fターム(参考)】