説明

殺虫特性を有する活性成分組合せ

本発明は、式(I)


[式中、Rは本明細書中に記載されているように定義される。]で表される少なくとも1種類の既知化合物と及びベンゼンジカルボン酸アミド系、マクロライド系、ジアシルヒドラジン系若しくはカルボン酸エステル系の種類から選択されるさらなる活性化合物又は別の種類から選択される少なくとも1種類のさらなる既知活性成分とからなる新規活性成分組合せに関する。該組合せは、昆虫類及び望ましくないコナダニ類などの害虫を防除するのに非常に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1に、式(I)で表される少なくとも1種類の既知化合物を含み、第2に、ベンゼンジカルボキサミド系、マクロライド系、ジアシルヒドラジン系若しくはカルボン酸エステル系の種類又は別の種類から選択される少なくとも1種類のさらなる活性化合物を含んでいる新規活性化合物組合せに関する。該組合せは、昆虫類及び望ましくないコナダニ類などの害虫(animal pest)を防除するのに非常に適している。
【背景技術】
【0002】
式(I)
【0003】
【化16】

[式中、Rは、メチル又はシクロプロピルを表す。]
で表される化合物が殺虫活性を有するということは既に知られている(cf. EP−A 0539588)。具体的には、上記化合物は、式(Ia)及び式(Ib)
【0004】
【化17】

で表される化合物である。
【0005】
さらに、多くの種類のヘテロ環系、有機スズ化合物、ベンゾイル尿素系及びピレスロイド系が殺虫特性及び殺ダニ特性を有するということも既に知られている(cf. WO 93−22297、WO 93−10083、DE−A 2641343、EP−A−347488、EP−A−210487、US−A 3264177、及び、EP−A−234045)。しかしながら、上記化合物の活性は、必ずしも満足のいくものとは限らない。
【発明の開示】
【0006】
式(I)で表される少なくとも1種類の化合物と、及び
(A) ベンゼンジカルボキサミド系、好ましくは、
(2−1) フルベンジアミド(EP−A 1006107により既知)
【0007】
【化18】

及び/又は
(B) マクロライド系、好ましくは、
(2−2) スピノサド(EP−A 0375316により既知)
【0008】
【化19】

〔好ましくは、85%のスピノシンA(R=H)と15%のスピノシンB(R=CH)の混合物〕
及び/又は
(2−3) スピネトラム(ISO案;XDE−175)(WO97/00265 A1、US 6001981及び「Pest Manag. Sci. 57, 177−185, 2001」により既知)
【0009】
【化20】

〔2種類の化合物の混合物であって、その中の主要成分においては、Rは水素を表し及びC5とC6はC−C単結合で連結されており、微量成分においては、Rはメチルを表し及びC5とC6はC=C二重結合で連結されている。〕
(2−4) アバメクチン(DE−A 2717040により既知)
及び/又は
(2−5) エマメクチン安息香酸塩(EP−A 0089202により既知)
及び/又は
(C) ジアシルヒドラジン系、好ましくは、
(2−6) メトキシフェノジド(EP−A 0639559により既知)
【0010】
【化21】

及び/又は
(2−7) テブフェノジド(EP−A−339854により既知)
【0011】
【化22】

及び/又は
(2−8) クロマフェノジド(ANS−118)(EP−A 0496342により既知)
【0012】
【化23】

及び/又は
(D) カルボン酸エステル系、好ましくは、
(2−9) インドキサカルブ(WO 92/11249により既知)
【0013】
【化24】

及び/又は
(E) 別の殺虫活性若しくは殺ダニ活性物質、好ましくは、
(2−10) フィプロニル(EP−A 0295117により既知)
【0014】
【化25】

及び/又は
(2−11) エチプロール(DE−A 19653417により既知)
【0015】
【化26】

及び/又は
(2−12) フロニカミド(EP−A 0580374により既知)
【0016】
【化27】

及び/又は
(2−13) クロルフェナピル(EP−A 0347488により既知)
【0017】
【化28】

及び/又は
(2−14) ブプロフェンジン(「Proc. Br. Crop Prot. Conf − Pests Dis., 1981, 1,59」により既知)
【0018】
【化29】

及び/又は
(2−15) ピリダリル(WO 96/11909により既知)
【0019】
【化30】

及び/又は
(2−16) リナキシピル(ISO案;DPX−E2Y45)(3−ブロモ−N−{4−クロロ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド)(WO 03/015519により既知)
【0020】
【化31】

から選択される群2の活性化合物のうちの少なくとも1種類と
からなる活性化合物組合せが相乗的な活性を示して、害虫を防除する適しているということが分かった。
【0021】
驚くべきことに、本発明の活性化合物組合せの殺虫活性は、個々の活性化合物の活性の総和よりも著しく高い。予測不可能な真の相乗効果が存在しており、この効果は、活性を単に加えたものではない。
【0022】
本発明の活性化合物組合せは、式(I)で表される少なくとも1種類の活性化合物に加えて、上記で挙げた活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの少なくとも1種類を含んでいる。
【0023】
好ましくは、本発明の活性化合物組合せは、活性化合物(Ia)又は(Ib)のうちの一方と、上記で個別的に挙げた活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類を含んでいる。
【0024】
とりわけ、本発明者らは、表1に記載されている組合せを見いだした。ここで、各組合せは、それ自体、本発明の好ましい実施形態である。
【0025】
【表1】

【0026】
該相乗効果は、本発明の活性化合物組合せ中の活性化合物が特定の重量比で存在している場合、特に顕著である。しかしながら、該活性化合物組合せ中の活性化合物の重量比は、比較的広い範囲内でさまざまであることができる。一般に、本発明による組合せは、式(I)で表される活性化合物及び活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類を、下記に示してある好ましい混合比及び特に好ましい混合比で含んでいる:
好ましい混合比: 125:1〜1:125
特に好ましい混合比: 25:1〜1:25。
【0027】
上記混合比は、重量比に基づいている。該比は、「式(I)で表される活性化合物:活性化合物(2−1)〜(2−16)」を意味するものと理解されるべきである。
【0028】
本発明の活性化合物組合せは、植物が良好な耐性を示し、温血動物に対する毒性は望ましい程度であり、また、環境に対しても充分に許容されるのと相まって、植物及び植物の器官を保護するのに適しており、収穫高を増大させるのに適しており、収穫物の質を向上させるのに適しており、また、農業において、園芸において、畜産業において、森林において、庭園やレジャー施設において、貯蔵生産物や材料物質(materials)の保護において、及び、衛生学の分野において遭遇する害虫(animal pest)、特に、昆虫類、クモ形類動物、蠕虫類、線虫類及び軟体動物を防除するのに適している。これらは、好ましくは、作物保護剤として使用することができる。これらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、また、全ての発育段階又は一部の発育段階に対して活性を示す。上記害虫(pest)としては、以下のものを挙げることができる。
【0029】
シラミ目(Anoplura)(Phthiraptera)の、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)。
【0030】
クモ綱(Arachnida)の、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デリマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニクス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニクス属種(tetranychus spp.)、バサテス・リコペルシシ(Vasates lycopersici)。
【0031】
ニマイガイ綱(Bivalva)の、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.)。
【0032】
キロポーダ目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、スクチゲラ属種(Scutigera spp.)。
【0033】
コウチュウ目(Coleoptera)の、例えば、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロフォラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ジビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リキスス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シンフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.)。
【0034】
トビムシ目(Collembola)の、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus)。
【0035】
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
【0036】
ジプロポーダ目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)。
【0037】
ハエ目(Diptera)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)、コルジロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレクス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミイア属種(Hylemyia spp.)、ヒポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリロミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウォルファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)。
【0038】
マキガイ綱(Gastropoda)の、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.)。
【0039】
ゼンチュウ綱(Helminths)の、例えば、アンシロストマ・ズオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストマ・セイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マライ(Brugia malayi)、ブルギア・チモリ(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カベルチア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp)、ジクチオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ジフィロボトリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、ドラクンクルス・メジネンシス(Dracunculus medinensis)、エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファシオラ属種(Faciola spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒオストロングルス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa Loa)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、オエソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピストロキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、シストソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナタ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナチバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトビ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・プセウドプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリクリス・トリクリア(Trichuris trichuria)、ウケレリア・バンクロフチ(Wuchereria bancrofti)。
【0040】
さらにまた、エイメリア(Eimeria)などの原生動物も防除することができる。
【0041】
ヘテロプテラ目(Heteroptera)の、例えば、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)、アンテスチオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメクス属種(Cimex spp.)、クレオンチアデス・ジルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ジコノコリス・ヘウェチ(Diconocoris hewetti)、ジスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウシスツス属種(Euschistus spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エクスカバツス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス・セリアツス(Psallus seriatus)、プセウドアシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノホラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニチス・ナシ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)。
【0042】
ホモプテラ目(Homoptera)の、例えば、アシルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノセナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロデス属種(Aleurodes spp.)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロトリクスス属種(Aleurothrixus spp.)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルズイ(Anuraphis cardui)、アオニジエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスチグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリジア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピジエラ属種(Aspidiella spp.)、アスピジオツス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキカウズス・ヘリクリシイ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリジポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、セラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、セルコピダエ(Cercopidae)、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシフォン・フラガエホリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキイ(Chlorita onukii)、クロマフィス・ジュグランジコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカズリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、ココミチルス・ハリイ(Coccomytilus halli)、コクス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ジアレウロデス属種(Dialeurodes spp.)、ジアホリナ属種(Diaphorina spp.)、ジアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)、ジスミコクス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリトロネウラ属種(Erythroneura spp.)、エウセリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、ゲオコクス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロジスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、イセリア属種(Icerya spp.)、イジオセルス属種(Idiocerus spp.)、イジオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルバ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネホテチキス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベミシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイジス(Peregrinus maidis)、フェナコクス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フィロキセラ属種(Phylloxera spp.)、ピンナスピス・アスピジストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコクス属種(Planococcus spp.)、プロトプルビナリア・ピリホルミス(Protopulvinaria pyriformis)、プセウダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、プセウドコクス属種(Pseudococcus spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピジオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、クエサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコクス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセチア属種(Saissetia spp.)、スカフォイデス・チタヌス(Scaphoides titanus)、シザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピズス・アルチクラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スチクトセファラ・フェスチナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マラエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カリアエフォリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビチホリイ(Viteus vitifolii)。
【0043】
ハチ目(Hymenoptera)の、例えば、ジプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ベスパ属種(Vespa spp.)。
【0044】
ワラジムシ目(Isopoda)の、例えば、アルマジリジウム・ブルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
【0045】
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.)。
【0046】
チョウ目(Lepidoptera)の、例えば、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブクラトリクス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロセルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエフニエラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクチス・クリソルホエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・プセウドスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファネ・アンテナタ(Lithophane antennata)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、モシス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プセウダレチア属種(Pseudaletia spp.)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ニビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)。
【0047】
バッタ目(Orthoptera)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)。
【0048】
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0049】
コムカデ目(Symphyla)、例えば、スクチゲレラ・イマクラタ(Scutigerella immaculata)。
【0050】
アザミウマ目(Thysanoptera)の、例えば、バリオトリプス・ビフォルミス(Baliothrips biformis)、エネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコトリプス属種(Kakothrips spp.)、リピフォロトリプス・クルエンタツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、シロトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、トリプス属種(Thrips spp.)。
【0051】
シミ目(Thysanura)の、例えば、レピスマ・サカリナ(Lepisma saccharina)。
【0052】
植物寄生性線虫としては、例えば、以下のものを挙げることができる:アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンクス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis)、ロチレンクス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、チレンコリンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)、チレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、チレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、キシフィネマ属種(Xiphinema spp.)。
【0053】
適切な場合には、本発明の活性化合物組合せは、特定の濃度又は特定の施用量において、除草剤、薬害軽減剤、成長調節剤若しくは植物の特性を改善する作用薬としても使用し得る、又は、殺微生物剤(microbicide)として、例えば、殺菌剤(ftuigicide)、抗真菌剤(antimycotic)、殺細菌剤若しくは殺ウイルス剤(これは、ウイロイドに対する作用薬も包含する)としても使用し得る、又は、MLO(マイコプラズマ様生物)及びRLO(リケッチア様生物)に対する作用薬としても使用し得る。適切な場合には、これらは、別の活性化合物を合成するための中間体又は前駆物質としても使用することができる。
【0054】
本発明に従って、全ての植物及び植物の全ての部分を処理することができる。本発明に関連して、植物は、望ましい野生植物及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然に発生している作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物個体群を意味するものと理解される。作物植物は、慣習的な植物育種法と最適化法によって得ることができる植物であり得る、又は、生物工学的方法と遺伝子工学的方法によって得ることができる植物であり得る、又は、前記方法の組合せによって得ることができる植物であることができる。そのような作物植物には、トランスジェニック植物も包含され、また、植物育種家の権利によって保護され得る植物品種又は保護され得ない植物品種も包含される。植物の部分は、苗条、葉、花及び根などの、植物の地上部及び地下部の全ての部分及び器官を意味するものと理解され、その例として挙げることができるのは、葉、針状葉、葉柄、茎、花、子実体、果実及び種子、さらに、根、塊茎及び根茎である。収穫物、並びに、栄養繁殖器官(vegetative propagation material)及び生殖繁殖器官(generative propagation material)、例えば、挿穂、塊茎、根茎、側枝及び種子なども、植物の部分に包含される。
【0055】
該活性化合物組合せを用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法によって、例えば、浸漬、散布、気化、噴霧、ばらまき、塗布又は注入などによって、直接的に行い、又は、化合物を植物及び植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵空間に作用させることにより行い、また、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合は、さらに、1以上のコーティングを施すことによっても行う。
【0056】
本発明の活性化合物組合せは、種子を処理するのに特に適している。ここで、好ましい又は特に好ましいものとして上記で挙げられている本発明による組合せは、好ましいものとして挙げることができる。害虫(pest)に起因する作物植物の損傷の大部分は、早くも、貯蔵中に種子が攻撃された場合に起こり、種子が土壌中に導入された後で起こり、並びに、植物が発芽している最中及び発芽の直後に起こる。この相は特に危険である。それは、生長している植物の根及び苗条は特に感受性が高く、小さな損傷であっても植物全体が死に至る場合があるからである。従って、適切な組成物を用いて種子及び発芽中の植物を保護することは、特に、極めて重要である。
【0057】
植物の種子を処理することによる害虫(pest)の防除は、長い間知られており、継続的に改良が加えられている。しかしながら、種子の処理には、必ずしも満足のいくように解決され得るわけではない一連の問題が伴っている。従って、播種後若しくは植物の出芽後に作物保護剤を追加で施用することを省略するような、種子及び発芽中の植物を保護するための方法を開発することは望ましい。さらに、用いた活性化合物によって植物自体へ損傷を与えることなく、種子及び発芽中の植物を害虫(pest)の攻撃から最大限に保護するように、活性化合物の使用量を最適化することも望ましい。特に、種子を処理する方法では、最少量の作物保護剤を使用して種子及び発芽中の植物を最適に保護するために、トランスジェニック植物の内在的な殺虫特性も考慮に入れるべきである。
【0058】
従って、本発明は、特に、害虫(pest)による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護する方法にも関し、ここで、該方法は、本発明の活性化合物組合せで種子を処理することを含む。害虫(pest)による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護するための本発明の方法は、当該種子を式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類で同時に処理することによる方法を包含する。本発明は、さらにまた、当該種子を式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類で異なった時間に処理することによる方法も包含する。本発明は、さらにまた、種子及び種子から発芽中の植物を害虫(pest)から保護するために種子を処理するための本発明の活性化合物組合せの使用にも関する。さらに、本発明は、害虫(pest)に対して保護されるように本発明の活性化合物組合せで処理された種子にも関する。本発明は、さらにまた、式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類で同時に処理された種子にも関する。本発明は、さらにまた、式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類で異なった時間に処理された種子にも関する。式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類で異なった時間に処理された種子の場合、本発明による組成物の個々の活性化合物は、当該種子上の異なった層中に存在させることができる。ここで、式(I)で表される活性化合物を含んでいる層と活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類を含んでいる層は、場合により、中間層によって分離させることができる。本発明は、さらにまた、式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類がコーティングの成分として施用された種子、又は、式(I)で表される活性化合物と活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類がコーティングに付加されたさらなる単一の層若しくはさらなる複数の層として施用された種子にも関する。
【0059】
本発明の有利な点の1つは、本発明の活性化合物組合せが有している際立った浸透移行性によって、当該活性化合物組合せを用いた種子の処理により害虫(pest)からその種子自体が保護されるのみではなく、出芽後に生じた植物も保護されるということである。かくして、播種時又は播種後間もなくの作物の即時処理を省くことができる。
【0060】
さらに別の有利点は、個々の殺虫活性化合物と比較して本発明の活性化合物組合せが相乗的に増大した殺虫活性を示すことであり、この活性は、個別に施用したときの当該2種類の活性化合物の期待される活性を超える。さらに別の有利点は、個々の殺菌活性化合物と比較して本発明の活性化合物組合せが相乗的に増大した殺菌活性を示すことであり、この活性は、個別に施用したときの当該活性化合物の期待される活性を超える。これにより、活性化合物の使用量を最適化することが可能となる。
【0061】
さらに、本発明の活性化合物組合せが、特に、トランスジェニック種子(そのような種子から生じた植物は、害虫(pest)に対抗するタンパク質を発現することができる)においても使用可能であるということは、有利な点として考慮されなければならない。そのような種子を本発明の活性化合物組合せで処理することで、特定の害虫(pest)は、単に、例えば殺虫活性タンパク質の発現により防除可能であり、それに加えて、本発明の活性化合物組合せによって損傷に対して付加的に保護され得る。
【0062】
本発明の活性化合物組合せは、農業で、温室内で、森林で又は園芸において用いられる上記ですでに挙げた任意の植物品種の種子を保護するのに適している。特に、これは、トウモロコシ、ラッカセイ、カノラ、ナタネ、ケシ、ダイズ、ワタ、ビート(例えば、テンサイ及び飼料ビート)、イネ、ソルガム及びアワ、コムギ、オオムギ、エンバク、ライムギ、ヒマワリ、タバコ、ジャガイモ又は野菜類(例えば、トマト、キャベツ植物)の種子の保護に適している。本発明の活性化合物組合せは、同様に、上記ですでに挙げた果実植物の種子及び野菜の種子を処理するのにも適している。トウモロコシ、ダイズ、ワタ、コムギ及びカノラ又はナタネの種子を処理することは、特に重要である。
【0063】
既に上記で述べたように、本発明の活性化合物組合せによるトランスジェニック種子の処理も、特に重要である。これは、一般に、とりわけ殺虫特性を有するポリペプチドの発現を支配する少なくとも1種類の異種遺伝子を含んでいる植物の種子である。これに関連して、トランスジェニック種子内の異種遺伝子は、バシルス(Bacillus)、リゾビウム(Rhizobium)、シュードモナス(Pseudomonas)、セラチア(Serratia)、トリコデルマ(Trichoderma)、クラビバクテル(Clavibacter)、グロムス(Glomus)又はグリオクラジウム(Gliocladium)などの微生物に由来するものであり得る。本発明は、その遺伝子産物がアワノメイガ(European corn borer)及び/又はコーンルートワーム(corn root worm)に対して活性を示すバシルス属種(Bacillus sp.)に由来する少なくとも1種類の異種遺伝子を含んでいるトランスジェニック種子を処理するのに特に適している。特に好ましくは、異種遺伝子は、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来するものである。
【0064】
本発明に関連して、本発明の活性化合物組合せは、種子に対して、単独で施用するか、又は、適切な製剤中に含ませて施用する。好ましくは、種子は、処理中の損傷を回避するのに充分なほど安定な状態で処理する。一般に、種子は、収穫と播種の間の任意の時点で処理することができる。通常使用される種子は、植物から分離されており、穂軸、殻、葉柄、外皮、被毛又は果肉などを伴っていない。
【0065】
種子を処理する場合、種子に施用する本発明の活性化合物組合せの量及び/又はさらなる添加剤の量を、種子の発芽が悪影響を受けないように又は生じた植物が損傷を受けないように選択することに関して、注意しなくてはならない。このことは、特定の施用量で薬害を生じ得る活性化合物の場合には、特に留意しなくてはならない。
【0066】
本発明の活性化合物組合せは、溶液剤、エマルション剤、水和剤、水性懸濁液剤、油性懸濁液剤、粉末剤(powders)、粉剤(dusts)、ペースト剤、可溶性粉末剤(soluble powders)、可溶性粒剤、ばらまき用粒剤、サスポエマルション製剤、活性化合物を含浸させた天然物質、活性化合物を含浸させた合成物質、肥料及びポリマー物質中にマイクロカプセル化したもののような慣習的な製剤に変換することができる。
【0067】
これらの製剤は、既知方法で、例えば、場合により界面活性剤(即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡形成剤)を使用して、上記活性化合物を増量剤(即ち、液体溶媒及び/又は固体担体)と混合させることにより、製造する。該製剤は、適切なプラントで調製するか、又は、施用前若しくは施用中に調製する。
【0068】
補助剤として使用するのに適しているものは、当該組成物自体及び/又はそれから誘導された調製物(例えば、散布液、種子粉衣)に、特定の特性、例えば、特定の技術的特性及び/又特定の生物学的特性などを付与するのに適している物質である。典型的な適する補助剤は、増量剤、溶媒及び担体である。
【0069】
適切な増量剤は、例えば、水、並びに、極性及び非極性の有機化学的液体、例えば、以下の種類から選択されるものである:芳香族及び非芳香族の炭化水素類(例えば、パラフィン類、アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類、クロロベンゼン類)、アルコール類及びポリオール類(これらは、適切な場合には、置換されていてもよく、エーテル化されていてもよく、及び/又は、エステル化されていてもよい)、ケトン類(例えば、アセトン、シクロヘキサノン)、エステル類(これは、脂肪類及び油類を包含する)及び(ポリ)エーテル類、置換されていない及び置換されているアミン類、アミド類、ラクタム類(例えば、N−アルキルピロリドン類)及びラクトン類、スルホン類及びスルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)。
【0070】
使用する増量剤が水である場合、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。適する液体溶媒は、本質的に、芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、石油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシドなどであり、さらに、水も適している。
【0071】
適切な固体担体は、例えば、アンモニウム塩、及び、粉砕された天然鉱物、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、及び、粉砕された合成鉱物、例えば、微粒子シリカ、アルミナ及びシリケートなどであり; 粒剤に適する固体担体は、例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及び苦灰岩、並びに、さらに、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒や、有機材料、例えば、紙、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒などであり; 適切な乳化剤及び/又は泡形成剤は、例えば、非イオン性及びアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、及び、さらに、タンパク質加水分解物などであり; 適切な分散剤は、非イオン性及び/又はイオン性の物質、例えば、アルコール−POE及び/又は−POPエーテル類、酸及び/又はPOP−POEエステル類、アルキルアリール及び/又はPOP−POEエーテル類、脂肪−及び/又はPOP−POE付加体、POE−及び/又はPOP−ポリオール誘導体、POE−及び/又はPOP−ソルビタン若しくは糖付加体、アルキル若しくはアリールのスルフェート類、アルキル若しくはアリールのスルホネート類及びアルキル若しくはアリールのホスフェート類又はそれらの対応するPOエーテル付加体の類から選ばれたものである。さらに、適切なオリゴマー又はポリマー、例えば、ビニルモノマーから誘導されたもの、アクリル酸から誘導されたもの、EO及び/又はPOの単独又は例えば(ポリ)アルコール類若しくは(ポリ)アミン類と組み合わせたものから得られたもの。さらに、リグニン及びそのスルホン酸誘導体、未変性セルロース及び変性セルロース、芳香族及び/又は脂肪族スルホン酸並びにそれらのホルムアルデヒドとの付加体なども使用することができる。
【0072】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、並びに、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び、合成リン脂質などを使用することができる。
【0073】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0074】
可能な別の添加剤は、芳香物質、場合により改質されていてもよい鉱油及び植物油、蝋、並びに、栄養素(微量栄養素を包含する)、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などである。
【0075】
安定剤(例えば、低温安定剤)、防腐剤、酸化防止剤、光安定剤、又は、化学的及び/若しくは物理的安定性を向上させるための別の作用剤も存在させることができる。
【0076】
上記製剤は、一般に、0.01〜98重量%の活性化合物、好ましくは、0.5〜90重量%の活性化合物を含有する。
【0077】
本発明の活性化合物組合せは、その市販製剤中に、又は、そのような製剤から調製した使用形態において、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節物質又は除草剤などの他の活性化合物との混合物として存在させることが可能である。そのような殺虫剤としては、例えば、リン酸エステル系、カーバメート系、カルボン酸エステル系、塩素化炭化水素系、フェニル尿素系、微生物によって産生された物質などがある。
【0078】
除草剤などの別の既知活性化合物との混合物、又は、肥料及び成長調節剤との混合物も可能である。
【0079】
殺虫剤として使用する場合、本発明の活性化合物組合せは、さらにまた、それらの市販されている製剤中においても、及び、それらの製剤から調製された使用形態中においても、協力剤との混合物として存在させることができる。協力剤は、本発明の活性化合物の効果を増大させる化合物であり、その際、加えられる協力剤自体は必ずしも活性を有する必要はない。
【0080】
市販されている製剤から調製した使用形態の上記活性化合物の含有量は、広い範囲で変えることができる。使用形態における上記活性化合物の濃度は、0.00000001重量%〜95重量%の活性化合物、好ましくは、0.00001重量%〜1重量%の活性化合物であることができる。
【0081】
施用は、その使用形態に適した方法で行う。
【0082】
上記で既に述べたように、本発明により、全ての植物及びそれらの部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生の植物種及び植物品種、又は、交雑若しくはプロトプラスト融合のような慣習的な生物学的育種法により得られた植物種及び植物品種、並びに、それらの部分を処理する。好ましいさらに別の実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組み合わせた遺伝子工学的方法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)及びそれらの部分を処理する。用語「部分(parts)」及び「植物の部分(parts of plants)」及び「植物の部分(plant parts)」については、既に上記で説明した。
【0083】
特に好ましくは、本発明により、いずれの場合も市販されているか又は使用されている植物品種の植物を処理する。植物品種は、慣習的な育種又は突然変異誘発又は組換えDNA技術によって得られた、新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものと理解される。これらは、品種、生物型及び遺伝子型であることができる。
【0084】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分)に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)が生じることもあり得る。かくして、例えば、本発明により使用し得る物質及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、干ばつ又は水若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、より早い成熟、収穫量の増加、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、これらは、実際に予期された効果を超えるものである。
【0085】
特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を遺伝子修飾により受け取った全ての植物は、本発明により処理するのが好ましいトランスジェニック植物又は植物品種(遺伝子工学により得られたもの)に包含される。そのような形質の例は、植物の向上した生育、高温又は低温に対する向上した耐性、干ばつ又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する向上した耐性、向上した開花能力、向上した収穫の容易性、向上した成熟速度、増加した収穫量、収穫された生産物の向上した品質及び/又は向上した栄養価、収穫された生産物の向上した貯蔵安定性及び/又は向上した加工性などである。そのような形質のさらに別の特に重要な例は、害虫及び有害微生物に対する植物の向上した防御、例えば、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類及び/又はウイルス類に対する植物の向上した防御、並びに、特定の除草活性化合物に対する植物の向上した耐性である。挙げることができるトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば、穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、テンサイ、トマト、エンドウ及び他の野菜種、ワタ、タバコ、ナタネ、並びに、果実植物(果実のリンゴ、ナシ、柑橘類果実及びグレープを有する果実植物)などであり、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びナタネは特に重要である。特に重要な形質は、植物体内で形成された毒素による、昆虫類、クモ形類動物、線虫類並びにナメクジ類及びカタツムリ類に対する植物の向上した防御であり、特に、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)からの遺伝物質(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにそれらの組合せ)により植物体内で形成された毒素による、昆虫類、クモ形類動物、線虫類並びにナメクジ類及びカタツムリ類に対する植物の向上した防御である(以下、「Bt植物」と称する)。同様に特に重要な形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン(systemin)、フィトアレキシン、誘導因子並びに抵抗性遺伝子及びそれにより発現されるタンパク質及び毒素による、菌類、細菌類及びウイルスに対する植物の向上した防御である。特に重要であるさらに別の形質は、特定の除草活性化合物、例えば、イミダゾリノン系、スルホニル尿素系、グリホセート又はホスフィノトリシンなどに対する植物の向上した耐性である(例えば、「PAT」遺伝子)。望まれる当該形質を付与する遺伝子は、トランスジェニック植物内で、互いに組み合わせて存在させることも可能である。挙げることができる「Bt植物」の例は、YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)、及び、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、ワタ品種、ダイズ品種及びジャガイモ品種などである。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、Roundup Ready(登録商標)(グリホセートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)、及び、STS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されているトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種などである。挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)としては、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の商品名で販売されている品種などがある。もちろん、ここで述べたことは、これらの遺伝形質又は今後開発される遺伝形質を有し、将来において開発及び/又は販売されるであろう植物品種にも適用される。
【0086】
上記で挙げた植物は、本発明の活性化合物組合せを用いて、特に有利に処理することができる。該活性化合物組合せについて上記で述べた好ましい範囲は、これらの植物の処理にも同様に適用される。特に重要なのは、本明細書内で具体的に言及されている活性化合物組合せによる上記植物の処理である。
【0087】
本発明の活性化合物組合せは、植物、衛生及び貯蔵生産物の害虫(pest)に対してのみではなく、マダニ類(hard ticks)、ヒメダニ類(soft ticks)、疥癬ダニ類(mange mites)、ハダニ類(leaf mites)、ハエ類(刺咬性(biting)及び舐性(licking))、寄生性のハエ幼虫、シラミ類、ケジラミ類(hair lice)、ハネジラミ類(feather lice)及びノミ類などの獣医学の分野における動物寄生虫(外部寄生虫及び内部寄生虫)に対しても有効である。これらの寄生虫としては、以下のものを挙げることができる。
【0088】
アノプルリダ目(Anoplurida)の、例えば、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、フチルス属種(Phtirus spp.)、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.)。
【0089】
マロファギダ目(Mallophagida)並びにアンブリセリナ亜目(Amblycerina)及びイスクノセリナ亜目(Ischnocerina)の、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボビコラ属種(Bovicola spp.)、ウェルネキエラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、フェリコラ属種(Felicola spp.)。
【0090】
ハエ目(Diptera)並びにネマトセリナ亜目(Nematocerina)及びブラキセリナ亜目(Brachycerina)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、クレキス属種(Culex spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、エウシムリウム属種(Eusimulium spp.)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルトゾミイヤ属種(Lutzomyia spp.)、クリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリソプス属種(Chrysops spp.)、ヒボミトラ属種(Hybomitra spp.)、アチロツス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)、フィリポミイア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、ハエマトビア属種(Haematobia spp.)、モレリア属種(Morellia spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、グロシナ属種(Glossina spp.)、カリフォラ属種(Calliphora spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、ウォルファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)、サルコファガ属種(Sarcophaga spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、ガステロフィルス属種(Gasterophilus spp.)、ヒポボスカ属種(Hippobosca spp.)、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)、メロファグス属種(Melophagus spp.)。
【0091】
シフォナプテリダ目(Siphonapterida)の、例えば、プレクス属種(Pulex spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、キセノプシラ属種(Xenopsylla spp.)、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)。
【0092】
ヘテロプテリダ目(Heteropterida)の、例えば、シメクス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、パンストロンギルス属種(Panstrongylus spp.)。
【0093】
ブラッタリダ目(Blattarida)の、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattela germanica)、スペラ属種(Supella spp.)。
【0094】
アカリ亜綱(Acari(Acarina))並びにメタスチグマタ目(Metastigmata)及びメソスチグマタ目(Mesostigmata)の、例えば、アルガス属種(Argas spp.)、オルニトドルス属種(Ornithodorus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、アンブリオマ属種(Amblyomma spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、デルマセントル属種(Dermacentor spp.)、ハエモフィサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒアロマ属種(Hyalomma spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、デルマニスス属種(Dermanyssus spp.)、ライリエチア属種(Raillietia spp.)、プネウモニスス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストマ属種(Sternostoma spp.)、バロア属種(Varroa spp.)。
【0095】
アクチネジダ目(Actinedida(Prostigmata))及びアカリジダ目(Acaridida(Astigmata))の、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニトケイレチア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属種(Myobia spp.)、プソレルガテス属種(Psorergates spp.)、デモデクス属種(Demodex spp.)、トロムビクラ属種(Trombicula spp.)、リストロホルス属種(Listrophorus spp.)、アカルス属種(Acarus spp.)、チロファグス属種(Tyrophagus spp.)、カログリフス属種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリクス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属種(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.)。
【0096】
本発明の活性化合物組合せは、さらにまた、農業生産性家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、スイギュウ、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ及びミツバチなど)、他のペット類(例えば、イヌ、ネコ、籠のトリ及び水槽のサカナなど)及びいわゆる実験動物(例えば、ハムスター、モルモット、ラット及びマウスなど)に寄生する節足動物を防除するのにも適している。これらの節足動物を防除することにより、上記動物の死亡事例が低減し、また、生産性(肉、ミルク、羊毛、皮革、卵、蜂蜜などに関する生産性)の低下が軽減される。従って、本発明の活性化合物組合せを使用することにより、より経済的で且つより容易な畜産業が可能である。
【0097】
本発明の活性化合物組合せは、獣医学の分野において、また、畜産業において、既知方法で、例えば、錠剤、カプセル剤、頓服水剤(potion)、水薬(drench)、顆粒剤、ペースト剤、大型丸薬、フィードスルー法及び坐剤などの形態で腸内投与することにより、並びに、例えば、注射(筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、腹腔内注射など)及びインプラントなどにより非経口投与することにより、並びに、鼻内投与することにより、並びに、例えば、浸漬(dipping)又は薬浴(bathing)、スプレー、ポアオン及びスポットオン、洗浄及び散粉(powdering)の形態で経皮使用することにより、並びに、当該活性化合物を含有する成形品、例えば、首輪、耳標、尾標、肢バンド(limb bands)、端綱、マーキング装置などを用いて、使用する。
【0098】
家畜、家禽及びペットなどに使用する場合、該活性化合物組合せは、1〜80重量%の量の該活性化合物を含有する製剤(例えば、粉末剤、エマルション剤、易流動性組成物など)として、直接的に使用することができるか、又は、100倍〜10000倍に稀釈した後で使用することができるか、又は、それらは、薬浴として使用することができる。
【0099】
さらに、本発明の活性化合物組合せは、工業材料を破壊する昆虫に対しても強い殺虫作用を示すことが見いだされた。
【0100】
以下に示す昆虫を、例として、及び、好ましいものとして挙げることができるが、何ら限定するものではない:
甲虫類(beetles)、例えば、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、クロロホルス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、キセストビウム・ルフォビロスム(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコルニス(Ptilinus pecticornis)、デンドロビウム・ペルチネキス(Dendrobium pertinex)、エルノビウス・モリス(Ernobius mollis)、プリオビウム・カロピニ(Priobium carpini)、リクツス・ブルネウス(Lyctus brunneus)、リクツス・アフリカヌス(Lyctus africanus)、リクツス・プラニコリス(Lyctus planicollis)、リクツス・リネアリス(Lyctus linearis)、リクツス・プベセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシロン・アエクアレ(Trogoxylon aequale)、ミンテス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キシレボルス属種(Xyleborus spec.)、トリプトデンドロン属種(Tryptodendron spec.)、アパテ・モナクス(Apate monachus)、ボストリクス・カプシンス(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリクス・ブルネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン属種(Sinoxylon spec.)、ジノデルス・ミヌツス(Dinoderus minutus);
膜翅類(hymenopterons)、例えば、シレクス・ジュベンクス(Sirex juvencus)、ウロセルス・ギガス(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガス・タイグヌス(Urocerus gigas taignus)、ウロセルス・アウグル(Urocerus augur);
シロアリ類(termite)、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、クリプトテルメス・ブレビス(Cryptotermes brevis)、ヘテロテルメス・インジコラ(Heterotermes indicola)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、マストテルメス・ダルウィニエンシス(Mastotermes darwiniensis)、ズーテルモプシス・ネバデンシス(Zootermopsis nevadensis)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus);
シミ類(bristletails)、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0101】
本発明に関連して、工業材料は、非生物材料、例えば、好ましくは、プラスチック、接着剤、サイズ、紙及び厚紙、皮革、木材及び加工木材製品、並びに、塗料などを意味するものと理解される。
【0102】
即時使用可能な(ready−to−use)組成物には、適切な場合には、別の殺虫剤も含ませることができ、また、適切な場合には、1種類以上の殺菌剤も含ませることができる。
【0103】
可能な付加的な添加剤に関しては、上記で挙げた殺虫剤及び殺菌剤を参照することができる。
【0104】
本発明の活性化合物組合せは、さらに、海水又は淡海水と接触するもの、特に、船体、スクリーン、網、建造物、係船設備及び信号システムなどを、付着物から保護するために使用することもできる。
【0105】
さらに、本発明の活性化合物組合せは、単独で、又は、別の活性化合物と組み合わせて、汚れ止め剤として用いることができる。
【0106】
本発明の活性化合物組合せは、家庭、衛生及び貯蔵生産物の保護において、住居、工場の通路、オフィス及び車両の客室などの密閉空間で見られる害虫(animal pest)、特に、昆虫類、クモ形類動物及びダニ類を防除するのにも適している。それらは、単独で使用することもできるし、又は、上記害虫を防除するための家庭用殺虫剤製品中において、別の活性化合物及び補助剤と組み合わせて使用することもできる。それらは、感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、さらに、全ての成育段階に対して有効である。これらの害虫としては、以下のものを挙げることができる。
【0107】
スコルピオニデア目(Scorpionidea)の、例えば、ブツス・オッシタヌス(Buthus occitanus)。
【0108】
ダニ目(Acarina)の、例えば、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、アルガス・レフレクスス(Argas reflexus)、ブリオビア属種(Bryobia ssp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、グリシファグス・ドメスチクス(Glyciphagus domesticus)、オルニトドルス・モウバト(Ornithodorus moubat)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、トロムビクラ・アルフレズゲシ(Trombicula alfreddugesi)、ネウトロムビクラ・アウツムナリス(Neutrombicula autumnalis)、デルマトファゴイデス・プテロニシムス(Dermatophagoides pteronissimus)、デルマトファゴイデス・ホリナエ(Dermatophagoides forinae)。
【0109】
クモ目(Araneae)の、例えば、アビクラリイダエ(Aviculariidae)、アラネイダエ(Araneidae)。
【0110】
ザトウムシ目(Opiliones)の、例えば、プセウドスコルピオネス・ケリフェル(Pseudoscorpiones chelifer)、プセウドスコルピオネス・ケイリジウム(Pseudoscorpiones cheiridium)、オピリオネス・ファランギウム(Opiliones phalangium)。
【0111】
等脚目(Isopoda)の、例えば、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
【0112】
倍脚目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)、ポリデスムス属種(Polydesmus spp.)。
【0113】
唇脚目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)。
【0114】
シミ目(Zygentoma)の、例えば、クテノレピスマ属種(Ctenolepisma spp.)、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)、レピスモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus)。
【0115】
ゴキブリ目(Blattaria)の、例えば、ブラッタ・オリエンタリエス(Blatta orientalies)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒナイ(Blattella asahinai)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、パンクロラ属種(Panchlora spp.)、パルコブラタ属種(Parcoblatta spp.)、ペリプラネタ・アウストララシアエ(Periplaneta australasiae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)。
【0116】
サルタトリア目(Saltatoria)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)。
【0117】
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
【0118】
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、カロテルメス属種(Kalotermes spp.)、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)。
【0119】
チャタテムシ目(Psocoptera)の、例えば、レピナツス属種(Lepinatus spp.)、リポセリス属種(Liposcelis spp.)。
【0120】
コウチュウ目(Coleoptera)の、例えば、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ラテチクス・オリザエ(Latheticus oryzae)、ネクロビア属種(Necrobia spp.)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)、シトフィルス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum)。
【0121】
双翅目(Diptera)の、例えば、アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、クレクス・クインクエファシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ストモキス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)。
【0122】
鱗翅目(Lepidoptera)の、例えば、アクロイア・グリセラ(Achroia grisella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、プロジア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、チネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)。
【0123】
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、プレクス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0124】
膜翅目(Hymenoptera)の、例えば、カムポノツス・ヘルクレアヌス(Camponotus herculeanus)、ラシウス・フリギノスス(Lasius fuliginosus)、ラシウス・ニゲル(Lasius niger)、ラシウス・ウムブラツス(Lasius umbratus)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、パラベスプラ属種(Paravespula spp.)、テトラモリウム・カエスピツム(Tetramorium caespitum)。
【0125】
シラミ目(Anoplura)の、例えば、ペジクルス・フマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis)、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、フィロエラ・バスタトリクス(Phylloera vastatrix)、フチルス・プビス(Phthirus pubis)。
【0126】
異翅目(Heteroptera)の、例えば、シメクス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロジヌス・プロリクスス(Rhodinus prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans)。
【0127】
家庭用殺虫剤の分野においては、それらは、単独で使用するか、又は、別の適切な活性化合物、例えば、リン酸エステル系、カーバメート系、ピレスロイド系、ネオニコチノイド系、成長調節剤又は別の既知のクラスの殺虫剤から選択される活性化合物などと組み合わせて使用する。
【0128】
これらは、エーロゾル、非加圧スプレー製品、例えば、ポンプスプレー及び噴霧スプレー、自動霧化システム(automatic fogging system)、噴霧器(fogger)、泡、ゲル、セルロース製又はポリマー製のエバポレーター錠剤を有するエバポレーター製品、液体エバポレーター、ゲル及び膜エバポレーター、プロペラ駆動エバポレーター、エネルギーフリー型蒸発システム又は受動型蒸発システム、防虫紙(moth papers)、防虫バッグ(moth bags)及び防虫ゲル(moth gels)において使用される、又は、粒剤若しくは粉剤として、ばらまき用の餌(baits for spreading)に入れて使用される、又は、ベイトステーションで使用される。
【0129】
本発明の活性化合物組合せの良好な殺虫及び殺ダニ活性について、下記実施例により例証する。個々の活性化合物の活性は弱いが、該組合せは、活性の単なる総和を超えた活性を示す。
【0130】
該活性化合物組合せの活性が個別に施用された場合の該活性化合物の活性の総和を超えている場合、殺虫剤及び殺ダニ剤における相乗効果が常に存在している。
【0131】
2種類の活性化合物の所与の組合せに対して期待される効果は、「S.R. Colby, Weeds 15 (1967), 20−22」に従って、以下のように計算することができる:
Xは、活性化合物Aを(g/ha)の施用量又は(ppm)の濃度で施用した場合の、未処理対照の%で表した殺虫率であり;
Yは、活性化合物Bを(g/ha)の施用量又は(ppm)の濃度で施用した場合の、未処理対照の%で表した殺虫率であり;
Eは、活性化合物A及び活性化合物Bを及び(g/ha)の施用量又は及び(ppm)の濃度で施用した場合の、未処理対照の%で表した殺虫率である;
とした場合、
【0132】
【数1】

【0133】
実際の殺虫率が計算による値を超えている場合、当該組合せの殺虫率は、付加的なものを超えていてる。即ち、相乗効果が存在している。この場合、実際に観察された殺虫率は、期待される殺虫率(E)について上記式から計算された値を超えていなければならない。
【実施例】
【0134】
実施例A
ワタアブラムシ(Aphis gossypii)試験
溶媒: 7重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 2重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して、所望の濃度とする。
【0135】
所望濃度の活性化合物調製物中に浸漬することにより、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)に重度に侵襲されているワタ(Gossypium hirsutum)の葉を処理する。
【0136】
所望の期間が経過した後、殺虫率(%)を求める。100%は、全てのアブラムシが死んだことを意味し、0%は、死んだアブラムシが無かったことを意味する。求められた殺虫率をColbyの式に入れる(シート1を参照されたい)。
【0137】
この試験において、例えば、本発明の以下の活性化合物組合せは、個別に施用された当該活性化合物と比較して、相乗的に増強された活性を示す。
【0138】
【表2】

【0139】
【表3】

【0140】
実施例B
モモアカアブラムシ(Myzus persicae)試験
溶媒: 7重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 2重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して、所望の濃度とする。
【0141】
所望濃度の活性化合物調製物中に浸漬することにより、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)に重度に侵襲されているキャベツ(Brassica oleracea)の葉を処理する。
【0142】
所望の期間が経過した後、殺虫率(%)を求める。100%は、全てのアブラムシが死んだことを意味し、0%は、死んだアブラムシが無かったことを意味する。求められた殺虫率をColbyの式に入れる(シート1を参照されたい)。
【0143】
この試験において、例えば、本発明の以下の活性化合物組合せは、個別に施用された当該活性化合物と比較して、相乗的に増強された活性を示す。
【0144】
【表4】

【0145】
【表5】

【0146】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、Rは、メチル又はシクロプロピルを表す。]
で表される少なくとも1種類の化合物、及び
(A) ベンゼンジカルボキサミド系、
(2−1) フルベンジアミド
【化2】

及び/又は
(B) マクロライド系、好ましくは、
(2−2) スピノサド
【化3】

〔好ましくは、85%のスピノシンA(R=H)と15%のスピノシンB(R=CH)の混合物〕
及び/又は
(2−3) スピネトラム(ISO案;XDE−175)(WO97/00265 A1、US 6001981及び「Pest Manag. Sci. 57, 177−185, 2001」により既知)
【化4】

〔2種類の化合物の混合物であって、その中の主要成分においては、Rは水素を表し及びC5とC6はC−C単結合で連結されており、微量成分においては、Rはメチルを表し及びC5とC6はC=C二重結合で連結されている。〕
(2−4) アバメクチン(DE−A 2717040により既知)
及び/又は
(2−5) エマメクチン安息香酸塩(EP−A 0089202により既知)
及び/又は
(C) ジアシルヒドラジン系、
(2−6) メトキシフェノジド
【化5】

及び/又は
(2−7) テブフェノジド
【化6】

及び/又は
(2−8) クロマフェノジド(ANS−118)
【化7】

及び/又は
(D) カルボン酸エステル系、
(2−9) インドキサカルブ
【化8】

及び/又は
(E) 別の殺虫活性若しくは殺ダニ活性物質、
(2−10) フィプロニル
【化9】

及び/又は
(2−11) エチプロール
【化10】

及び/又は
(2−12) フロニカミド
【化11】

及び/又は
(2−13) クロルフェナピル
【化12】

及び/又は
(2−14) ブプロフェンジン
【化13】

及び/又は
(2−15) ピリダリル
【化14】

及び/又は
(2−16) リナキシピル(3−ブロモ−N−{4−クロロ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド)
【化15】

からなる群から選択される活性化合物のうちの少なくとも1種類
を含んでいる前記活性化合物組合せ。
【請求項2】
害虫を防除するための、請求項1で定義されている活性化合物組合せの使用。
【請求項3】
請求項1で定義されている活性化合物組合せを害虫及び/又はその生息環境及び/又は種子に作用させることを特徴とする、害虫を防除する方法。
【請求項4】
種子に、式(I)で表される活性化合物及び活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類を同時に作用させることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
種子に、式(I)で表される活性化合物及び活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類を異なった時間に作用させることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
請求項1で定義されている活性化合物組合せを増量剤及び/又は界面活性剤と混合させることを特徴とする、殺虫活性及び殺ダニ活性組成物を調製する方法。
【請求項7】
種子を処理するための、請求項1に記載の活性化合物組合せの使用。
【請求項8】
トランスジェニック植物を処理するための、請求項1に記載の活性化合物組合せの使用

【請求項9】
トランスジェニック植物の種子を処理するための、請求項1に記載の活性化合物組合せの使用。
【請求項10】
請求項1に記載の活性化合物組合せで処理されている種子。
【請求項11】
式(I)で表される活性化合物及び活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類で同時に処理された、請求項10に記載の種子。
【請求項12】
式(I)で表される活性化合物及び活性化合物(2−1)〜(2−16)のうちの1種類で異なった時間に処理された、請求項10に記載の種子。

【公表番号】特表2009−531352(P2009−531352A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501907(P2009−501907)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002394
【国際公開番号】WO2007/112847
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】