説明

毒餌剤容器集合体

【課題】各個で異なる形状の容器を、全体の平面形状が取り扱いやすい形状の長方形にまとめて包装できると共に、個々の容器としても容易に分離して用いることができるようにする。
【解決手段】毒餌剤を収容する容器本体と、この容器本体と離間している蓋体とからなり、かつ平面形状が複数種類に異なる複数の容器1a〜1fを、折り曲げることにより容易に切断可能な連結片2a,2bにて一体状に、かつ全体の平面形状が長方形になるように連結した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴキブリやアリ等の匍匐害虫を駆除するための毒餌剤等を収納した容器を容易に切り離し可能に多数個連結して取り扱いやすい形にした毒餌剤容器集合体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、例えば上記した毒餌剤用容器は、1個ずつ単体状にして包装したもの、あるいは多数個を連結して包装したものが実用化されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の容器で、1個ずつ単体にしたものは、1個ずつ取り扱うには便利であるが、複数個まとめて取り扱う場合でも個々に包装しなければならないという不具合があった。一方、多数個を連結したものは、包装には便利であるが、使用時に折りにくいことから、カッターを用いて切断しなければならないという商品上の不具合があった。
【0004】
また、上記毒餌用容器は、複数個の同形状の容器であり、いろいろな使用箇所(置き場所)がある台所等で使用する場合、形状によっては置きにくい場所も多く不便であった。
【0005】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、複数の、しかも各個で異なる形状の容器を取り扱いやすい長方形にまとめて包装できるようにし、また、個々の容器としても容易に分離して用いることができるようにした毒餌剤容器集合体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る毒餌剤容器集合体は、毒餌剤を収容する容器本体と、この容器本体と離間している蓋体とからなり、かつ平面形状が複数種類に異なる複数の容器を、折り曲げることにより容易に切断可能な連結片にて一体状に、かつ全体の平面形状が長方形になるように連結した構成にした。
【0007】
そして上記容器相互を連結する複数の連結箇所が、毒餌剤容器集合体の縦方向あるいは横方向の少なくとも1箇所において、毒餌剤容器集合体の縦方向線あるいは横方向線のどちらか一方の線上にあり、また、上記連結片を、蓋体相互、容器本体相互のいずれか一方に設けた。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の、しかも各個で異なる形状の容器を、全体の平面形状が取り扱いやすい形状の長方形にまとめて構成でき、これによりこれらの容器の取り扱い及び包装を容易にすることができる。そしてこの異なる形状の容器を使用場所に応じて任意に用いることができる。
【0009】
また、毒餌剤容器集合体を構成する個々の容器は、連結片を折り曲げてこれを切断することにより1個1個分離される。このとき、複数の連結箇所が毒餌剤容器集合体の縦方向線あるいは横方向線のどちらか一方の線上にある部分で切断することにより、少なくとも一方が複数個の容器ごとまとめて切断され、その後、順次1個ずつ切断される。また、連結片が、蓋体側と容器本体のいずれか一方にあることにより、容器相互は連結片を折り曲げることにより、容易に切断分離される。これにより、個々の容器としても容易に分離して用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す底面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す側面図である。
【図4】図1のA−A線に沿う断面矢視図である。
【図5】容器を個々に分離した状態を示す平面図である。
【図6】容器を個々に分離した状態を示す斜視図である。
【図7】他の実施の形態を示す概略的な斜視図である。
【図8】他の実施の形態を示す平面図である。
【図9】他の実施の形態を模式的に示す平面図である。
【図10】他の実施の形態を模式的に示す平面図である。
【図11】他の実施の形態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図中1は3種類の異なる形状の第1・第2・第3の容器1a,1b,1cを9個集合させた毒餌剤容器集合体である。第1の容器1aは略長方形、第2の容器1bは略正方形、第3の容器1cは略三角形状であり、これらの各容器1a〜1cは平面面積が小さくなるように、かつ平面形状が包装しやすい単純な形状である長方形になるように相互が連結してある。
【0012】
すなわち、例えば、第1の容器1aの長辺の長さがLであるときに、第2の容器1bの各辺の長さが略L/2に、また、第3の容器1cの直角部両側の2辺の各長さが略L/2になっていて、長手方向両側に第1の容器1aを縦向きにして配置し、一方の第1の容器1a側に2個の第2の容器1bを、またこの第2の容器1bと他方の第1の容器1aとの間に、第3の容器1cのそれぞれの斜面を対向させて四角状に配置すると共に、この各斜面が対向する空間に第2の容器1bを配置する。これにより毒餌剤容器集合体1は図1に示すように、平面形状が第1の容器1aの長辺の長さを幅とする長方形に構成される。そして各容器1a〜1cの隣接するものの相互が連結されている。
【0013】
上記毒餌剤容器集合体1を構成する各容器1a〜1cは、例えばゴキブリやアリ等の匍匐害虫を駆除するための毒餌剤等を収納するようにした容器で、この各容器1a〜1cは図4に示すように、蓋体3と容器本体4とが、それぞれの対向間に設けた脚部5にて離間されていると共に、容器本体4に毒餌剤等を置くための支持台6が周囲を開放した状態で設けてある。
【0014】
また、容器の収納物として、食餌と殺虫剤を混ぜた毒餌剤の他に、捕足する粘着剤や、接触させて殺虫する接触性殺虫剤や誘引性のある殺虫剤など、あるいはナメクジ、ダンゴムシなどの害虫の駆除剤も挙げられる。
【0015】
そして上記各容器1a〜1cの相互は、蓋体3の相互を蓋体3側の連結片2aにて、また、容器本体4の相互を容器本体4側の連結片2bにて連結されている。この両側の連結片2a,2bは、連結片2a,2bを切り離した状態を示す図6に示したように、容器相互が対向する連結縁に沿って平面方向に位置がずれている。なお、この実施の形態では第1の容器1aと他の容器1b,1cとを連結する連結片2a,2bは、蓋体3側と容器本体4側の双方が平面方向に同一位置に設けている。
【0016】
上記各連結片2a,2bは容器を構成する部分より薄くして折り曲げることにより容易に切断できるようになっている。図5は図1に示した毒餌剤容器集合体1の各容器1a〜1cを切断分離した状態を示す。
【0017】
上記毒餌剤容器集合体1において、個々の容器を連結する連結片2a,2bを設ける位置は特に問わないが、毒餌剤容器集合体1の縦方向、横方向の少なくとも1個所において毒餌剤容器集合体1の縦方向あるいは横方向の線上に複数個の容器の連結片2a,2bが位置するようになっている。
【0018】
すなわち、図1において、a,b,cの3個所において、連結片2a,2bが縦方向の線上にあり、この部分で切断することにより、少なくとも一方が複数となるようにまとめて切断されるようになっている。
【0019】
上記蓋体3側と容器本体4側の双方の連結片2a,2bのうち、少なくとも一方、例えば容器本体4側の連結片2bだけ設けてもよい。この場合、各容器1a〜1cの切断分離がより容易になる。
【0020】
なお、各容器1a〜1cの蓋体3と容器本体4のそれぞれは連結片2a,2bで連結されていることにより複数個分ずつの蓋体3と容器本体4とが、例えば図1に示す全体形状に沿う形に一体成形し、その後、蓋体3と容器本体4とを組み立て、複数個分の容器を同時に得ることができる。そして蓋体3あるいは容器本体4のいずれか一方にのみ連結片2a,2bを設ける場合には、上記したように、蓋体3、容器本体4を各容器ごとで連結片2a,2bで連結した状態で一体成形し、両者を組立ててから、蓋体3側あるいは容器本体4側の連結片2a,2bをカッター等で切断する。
【0021】
一方、図7に示すように、互いに連結しようとする容器1a,1bの高さが異なる場合は、一方、例えば隣接する蓋体3が互いに対向しないので、この場合は容器本体4側にてのみ連結する。
【0022】
上記毒餌剤容器集合体1はプラスチック、特に折り曲げにより容易に切断可能なプラスチックにて成形する。また、連結片2a,2bの幅は15mm以下が、また両容器を連結する長さ(容器間隔)は2〜3mmが好ましい。そして、この連結片2a,2bの厚さは1.5mm以下、好ましくは1.0〜0.5mmの範囲がよく、さらに、切断する部分は表側と裏側から溝が設けてあり、この切断部分の厚さは0.8mm以下、好ましくは0.5〜0.2mmの範囲になっている。
【0023】
上記構成において、図1にて示す毒餌剤容器集合体1の個々の容器を用いるには、個々の容器1a〜1cを連結している連結片2a,2bの部分で切断する。この連結片2a,2bの部分は他の部分より薄くなっていると共に、これの連結幅も15mm以下であること、及び毒餌剤容器集合体1を構成しているプラスチックが折れやすい材料であることにより、この部分を折り曲げることにより容易に切断される。また、この実施の形態では、蓋体3側と容器本体4側の各連結片2a,2bが平面方向にずらせてあることにより、連結部を折り曲げたときに、両連結片2a,2bにねじれ力が作用して切断しやすい。なお、場合によってはこの連結片2をカッターで切断してもよい。
【0024】
なおこのとき、複数の容器の連結片2a,2bがa,b,cの位置で縦方向に位置していることにより、このa,b,cの位置において、複数個の容器をまとめて切断できる。この場合、容器の使用箇所に応じて、すなわち、隅部では三角形あるいは正方形、タンス等の間の狭い部分では長方形のものを選択的して切離して用いる。
【0025】
図8から図11は毒餌剤容器集合体としての各容器1a〜1cの配置の仕方の他例を示すもので、図8に示すものは、一方の第1の容器1aを第2と第3の容器1b,1c間に位置させた例を示す。この場合、三角形状の第3の容器1cが端部に位置されることにより、この第3の容器1cだけを切離することができる。
【0026】
図9に示すものは、毒餌剤容器集合体1を構成する各容器の形状及び個数が、略正方形状の第2の容器1bが4個、略三角形状の第4の容器1dが4個の総数8個となっている。
【0027】
図10に示すものは、略正方向形状の第2の容器1bが3個、正方形の略1/4を切除した形状の略L形状の第5の容器1eが4個、略長方形状の第1の容器1aが2個の総計9個となっている。
【0028】
図11に示すものは、略正方形状の第2の容器1bが2個、第5の容器1eが2個、第1の容器1aが1個、第1の容器1aより幅が広い略長方形状の第6の容器1fが2個、さらに寸法が少し異なる第7の容器1gが1個の総計9個となっている。
【符号の説明】
【0029】
1…毒餌剤容器集合体、1a,1b,1c,1d,1e,1f…容器、2a,2b…連結片、3…蓋体、4…容器本体、5…脚部、6…支持台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毒餌剤を収容する容器本体と、この容器本体と離間している蓋体とからなり、かつ平面形状が複数種類に異なる複数の容器を、
折り曲げることにより容易に切断可能な連結片にて一体状に、かつ全体の平面形状が長方形になるように連結したことを特徴とする毒餌剤容器集合体。
【請求項2】
容器相互を連結する複数の連結箇所が、毒餌剤容器集合体の縦方向あるいは横方向の少なくとも1箇所において、毒餌剤容器集合体の縦方向線あるいは横方向線のどちらか一方の線上にあることを特徴とする請求項1に記載の毒餌剤容器集合体。
【請求項3】
連結片を、蓋体相互、容器本体相互のいずれか一方に設けたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の毒餌剤容器集合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−168339(P2011−168339A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92020(P2011−92020)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【分割の表示】特願2001−43192(P2001−43192)の分割
【原出願日】平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願人】(000112853)フマキラー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】