説明

比率分割用目盛り

【課題】
図面や絵にも使いやすく、大きな部分でも小さな部分でも十分な精度となる実用性の高い黄金分割用の測定目盛りを提供する。
【解決手段】
黄金比の逆数0.618で縮小していく長さを持つ複数の区間を無限配列として並べて、かつその収束点を原点として明示し、さらに各区間内部に区間相互に相似形に配した小目盛り線とからなる黄金分割用目盛りを構成させ、位置関係を各区間の識別番号と小目盛り線の読み値として検出する。
【効果】
目的に合わせて3通りの方法で黄金比を測定でき、その寸法誤差も表示され、複数の内分点や外分点を一気に、直感的でわかりやすく、高い精度で割出すことのできる、実用性の高い比率測定定規を実現した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は形状やパターンや寸法の中の一定の比率の比例関係、及び一定の比率での分割、すなわち内分点や外分点、についての発見や指示が容易な比率測定方法、及び比率測定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
形状やパターンや寸法などが一定の比率となるものは、例えば、自然環境中の橋梁の設計、工業デザイン、写真や印刷物などの編集、株価チャートのテクニカル分析、埋設配管の漏れ箇所の探知、その他多くの分野で、幅広く活用されている。特に黄金比は、違和感のない自然さや心地良さ、あるいは美しさを感じさせる比率として重視されている。黄金比の他、白銀比その他の比率も用いられることがある。
【0003】
これらの一定の比率の関係の有無を調べたり、指示したりするには、長さや寸法を定規やノギスなどで測定し、電卓でその比を計算し、一定の比率となっているかどうか検討する方法がごく一般的である。だが、多数の寸法を調べる必要がある場合、これは面倒で非効率的である。
【0004】
黄金比の関係を直接測定する測定具の例として3点指示型のデバイダ状のリンク構造のものが知られている。(例えば特許文献1参照)黄金比の関係であるかどうかはリンク先端の3つの指示ポイントで示され、一目でわかる。しかし、測定するたびに開き角度などを調整しなければならないし、一度に一点しか特定できず、機械器具であるために高価でもあり、また先端がとがっていて危ないなどの問題がある。そのため、机上で図面やデザイン画や写真などを測るには向いていない。
【特許文献1】実開平5−70991号公報
【0005】
机上で、黄金比の関係であるかどうか測定するための例として、通常の長さの目盛り線とこれを黄金比で縮小した目盛り線とを設けた定規がある。(例えば特許文献2参照)一方の目盛り線を読んで、他の目盛り線の同じ読みの箇所が一定の比率の関係、すなわち黄金比の位置として特定できる。しかし、このとき定規を動かして、測定する線にあて直さなければならないし、対応関係のある1点しか知ることはできないなどの問題があった。
【特許文献2】特開2005−84045
【0006】
その他の例としては、図16に示す斜線と平行線を用いた黄金比用テンプレートを使う方法が一般に知られている。例えば、線分A−Aに対して、a1とb1、a2とb2の寸法の比が黄金比となる。しかし、斜線との交点は位置精度が出しにくいし、平行線や斜線が多いと錯綜していて見にくくなり、逆にこれらの線が少ないと目視での補間が難しく精度はでないという欠点がある。また、探し出した内分点や外分点がテンプレート自体で覆われているので、肝心の分割点に筆記具で印をつけることが出来ない。また、測定対象と同じくらいの広さが必要になることなど、実用性に問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
人工物や自然の形状の中に現れる、黄金比や白銀比、その他の一定の比率の関係の発見や応用において、一定の比率の関係を一目で直感的に判断でき、また、機械的な操作が不要で、一度に複数の寸法関係まで調べることのできる、良好な操作性や実用性や精度を有する測定方法と測定用器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題解決の手段として、一方向に一定の縮小率で、等比級数的にその長さが減少して並ぶ複数の区間と、前記区間を区切る区間目盛り線と、前記等比級数的区間の収束点上に配された原点目盛り線と、前記の各区間内部を連続した数字で読み取り可能にさらに小分けする小目盛り線であって隣り合う前記区間ごとに前記縮小率で相似に配された前記小目盛り線とからなることを特徴とする比率分割用目盛りを用いて、前記小目盛りの数値を読み取り、他の前記区間の同じ読みの位置に対応させることによって一定の比率の関係や位置を検出することを最も主要な特徴とする。
【0009】
ただし、ここに一定の比率、あるいは一定の縮小率とは、黄金比、白銀比、あるいはその他の寸法の比を指す。但し1以上の数では、以下の説明ではその逆数を指すものとする。すなわち、一般に黄金比は1.618・・・,白銀比は1.414・・・とされることが多いが、以下の説明では逆数をとり、黄金比は0.618,白銀比は0.707として説明する。これらの数は、より正確には無理数となる。無論、一定の比率として1は、前記等比級数的に収束点が有限の位置にはなく、また、通常の長さの目盛りの定規などで測れるので含まない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係わる前記比率分割用目盛りによれば、与えられた点の一つを原点目盛り線にあわせ、他方の点の小目盛り線の読みの値を読み取ることにより、その二点を通る直線上の一定の比率、例えば黄金分割の2つの内分点や4つの外分点に対応する複数の点を簡単に直読することが出来るという効果がある。
【0011】
従って、誰でも使用方法が分かりやすく、人間の目で判断しうる程度に十分な精度があり、何の計算も機械操作も不要であって、直接その位置に印を付けることも出来、軽量コンパクトであって邪魔にならず、測定対象を傷つける恐れもなく、測定範囲が広く、可動部分もないため故障もなく、電源も不要で、安価となり、取り回しが容易で、活用範囲の広い、扱いやすいものになるという多くの優れた利点がある。
【0012】
また、本発明に係わる前記比率分割用目盛りと、長さの目盛りや、他の比率の比率分割用目盛りや、同一の比率の比率分割用目盛りの延長部分を一体に設けることが出来るという利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
黄金比や白銀比を構成する寸法関係を効率的に発見する、あるいは多角的に応用するという目的を、操作性の良い従来の定規と同じ形態で、安価に、精度よく実現した。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明に係わる比率分割用目盛りを付した定規の実施例1である。前記一定の比率は黄金比0.618とし、等間隔の小目盛り線を採用し、本発明に係わる比率分割用目盛りの他、mm単位の長さの目盛りを一体に有している。
【0015】
図2に本発明に係わる比率分割用目盛りの構成を、各部分を分解して図示する。最も基本的な部分は3つの部分、区間目盛り線1、原点目盛り線2、小目盛り線3からなる。各区間は区間識別記号4の、A、B、C等の文字で識別されている。区間Aには、10cmの長さが割り当てられ、10等分した10mmごと、及び100等分した1mmごとの小目盛り線3が付けられている。区間目盛り線1と小目盛り線3は見やすくするために、部分的に省略されている。
【0016】
なお、この実施例1のように限定することなく、より一般的には、区間目盛り線1と原点目盛り線2と小目盛り線3は、図1に図示したような線ではなく、図示しないが文字や記号や図形や数字や数式や色彩や模様などで代替え可能である。区間識別記号4と目盛り数字5についても、一部もしくは全部を省略したり、その他の文字や記号や図形や数字や数式や色彩や模様などでも代替え可能である。
【0017】
区間Bには区間Aの長さを黄金比0.618・・・で縮小した長さ、61.8・・・mmが割り当てられており、100等分の小目盛り線3が付けられている。区間Cにはさらに区間Bの小目盛り線3の間隔が黄金比で縮小され、かつ一部省略されて19本の小目盛り線3がつけられているが、読み取るときは100等分と見なして目盛り線の読みの値を0から99までの連続した数値として読み取ることが出来る。
【0018】
すなわち、小目盛り線3は一部分省略されていても、基本的に、区間ごとに一定の縮小率で相似に、すなわちそれぞれの小目盛り線3の間隔が前記縮小率で縮小されて、対応する同じ連続した数値が配列されており、合い対応する点が同じ数値として読み取り可能である。
【0019】
区間D以下も同様であるが、その区間長さが小さくなるにつれて、小目盛り線3は省略されている。小目盛り線3に目盛り数字5が、読み取りやすさを考慮しふられているが、必ずしも必要ではないので、区間B以降では、一部または全部を省略している。
【0020】
図3によって、使用方法を説明する。本発明に係わる比率分割用目盛り付の定規を用いれば、対象物、この場合バイオリンだが、その端部に原点目盛り線2をおくと、全長aの位置の小目盛り線3の読みの値は、区間Aの51を示し、bの位置の小目盛り線3は区間Bの51を示し同じ読みの値の位置になっており、a:bは黄金分割の関係にあることを直ちに知ることが出来る。また、cの位置の小目盛り線3も区間Cの51を示し同じ読みの値の位置であるから、b:cも黄金分割の関係にあることを直ちに知ることが出来る。さらに、mとn、uとvの比も黄金比となっていることを直ちに知ることが出来る。
【0021】
図示したa、b、c、m、n、u、vの相対的な関係はどの区間の間でも成立する。すなわち、本発明に係わる比率分割目盛りを使用することにより、比率分割目盛りの全長に渡って、多様な黄金比の関係を容易に検出し指示が出来る。また、原点目盛り線2寄りの区間、例えば区間GやF以降でのa、b、cの関係は、目盛り線が読み取りにくくなくなってしまうが、原点目盛り線2から離れた、例えば区間AやBでのm、nの関係に移し替えて測定すれば、より精度良く検出し指示が可能であるという利点がある。
【0022】
目盛り線が正確に読み取れない、例えば区間Cでは51と52の区別が付けにくい、としても、それは実際の寸法が無視しうるほど小さいからであって、目視で確認できる誤差とはならない、すなわち見た目の精度はさほど低下せず実用的であるという効果がある。
【0023】
小目盛り線3を図3で示すように等間隔の小目盛り線3とした場合、製造上、多数の目盛りを同じ移動距離で移動させれば良く、位置が決めしやすいという利点がある。
【0024】
前記縮小率が黄金比の場合には、kの二乗は1−kとなるため、cとuの長さは等しい。すなわち図3の線分aの内分点は区間BとCの2カ所にある。図3の線分cを一例として説明すると、内分点は区間DとEの2カ所、また、外分点の位置は区間BとAで求められる。これらの内分点はや外分点の存在する位置が、着目する区間の左右の隣と二つ隣の同じ小目盛り線3の読みの値の位置にあることになり、複数の内分点や外分点が、一挙に容易に検出し設定出来る。また、これらの複数の点が存在する区間がどこか一見してわかるので、概略の位置関係を直感的に把握しやすいという従来にない大きな利点がある。
【0025】
本発明に係わる比率分割用目盛りにおいては、その長さを一旦、等比級数的な長さを持つ区間の無限配列に分割する。区間Aの長さをα、縮小率をkとおくと、各区間の長さは図4で示すように、一方向に一定の縮小率で、等比級数的にその長さが減少して並んでおり、区間目盛り線1によって相互に区切られ、識別が可能である。さらに区間識別記号4によってこの識別を補助することも可能である。
【0026】
また、さらに前記区間の内部を連続した数値で読み取り可能な小目盛り線3によって小分けし、隣り合う前記区間ごとに前記縮小率で相似に配列することにより、図5に示すように、対応する小目盛り線の読みの値mの各区間での長さは、等比級数的にその長さが減少して並ぶ。この等比級数的区間の収束点、すなわち原点目盛り線2の位置は、図6に示す数式で求められ、ただ一つの定まった位置に配することが出来る。この隣り合う区間目盛り線1は図7に示すように原点目盛り線2からの距離が前記縮小率の比例関係にあるので、原点目盛り線2から各区間目盛り線1までの長さを求めて、実際に各区間目盛り線1を作図、製作することが出来る。
【0027】
さらに、図5で示した小目盛り線3の同じ読みの箇所の長さの比例関係と、図7の区間目盛り線1の原点目盛り線2からの長さの比例関係を考慮すると、これらの和も比例関係にあり、図8の関係が成立する。さらに、この寸法間の差も比例関係にあるので、図9の関係も成立する。すなわち、区間目盛り線1をまたいで、各区間の小目盛り線3の読みの値が同じ位置はそれぞれの間隔も、一定の比率の比例関係になる。
【0028】
本発明に係わる比率分割用目盛りをもちいれば、図5、図8、図9でしめす3通りの方法で測定することが可能であるという実際上、非常に重要で、従来にない優れた特長がある。
【0029】
たとえば、図8の測定方法は測定対象物が長いときに比率分割用目盛りの全長に渡る長い測定を可能にし、図5の測定方法は測定対象物が短いときに精度の良い測定を可能にし、図9の測定方法は測定対象物の周期性を持ったパターンの発見や指示を可能にする。
【0030】
前記の2つの測定方法は図3をもちいて既に説明した。図10に前記の周期性を持ったパターンを検出する方法を示す。図10の中央は樹状のパターンであり、多数の枝が黄金比の関係の位置にある。二カ所に本発明に係わる比率分割目盛り付の定規を示している。樹状のパターンの中心位置での間隔と多数の枝の先端での間隔は異なっている。従って二カ所の本発明に係わる比率分割目盛りの各区間内の読みの値は、100等分目盛りとして読み取ると一方はすべて60,他方はすべて13となっている。
【0031】
すなわち測定対象のパターンの間隔が異なっても黄金比の関係にあれば、隣り合う各区間の読みの値は同じになって検出できること、それぞれの位置で、各区間の小目盛り線の読みが同じになるように動かせば、例え原点目盛り線2の位置にパターンが無くとも、どの部分にどのような黄金比の関係があるかを知ることが出来、かつ原点目盛り線2、すなわち収束点の位置を指し示すことも出来るという優れた特長がある。さらに図10の各枝の位置が理想的な位置から多少ぶれていても、目視で人間が判断することによって、何の計算も行わず、容易に推定することが出来るという、特長を有している。
【実施例2】
【0032】
黄金比の実施例2として、小目盛り線3が不等間隔の目盛り線の場合について図11に示す。本発明に係わる比率分割用目盛りは各区間の小目盛り線3の配置、すなわち位置関係が一定の縮小率kに比例して相似でさえあれば良いので、図1に示す実施例1のごとく、小目盛り線が等間隔の目盛り線であっても、また図11に例示する実施例2のような、不等間隔の目盛り線であっても同じ効果がある。
【0033】
図11は、gを1より小さい正の数とした時、収束点である原点目盛り線2から区間目盛り線1までの寸法Sのkのg乗倍に比例した位置に、区間Aの小目盛り線3が、前記収束点上の原点目盛り線2から配されている。より具体的には、gは0.2から0.8まで、0.2ごとに配されており、さらに細かな目盛り線が0.02から0.98まで0.02ごとに小目盛り線3として配され、0から50までの連続した数値として読み取りが可能である。無論、図11においても、図4から図9で説明した式が成立し、前記3通りの測定方法が可能であるという効果を有する。
【0034】
さらに、累乗倍の目盛りとして、このような50ステップに対応した小目盛り線3が付けられた場合、誤差を容易に推定できという特長がある。すなわち、区間Aの小目盛りの読み値と区間Bの読み値の差をeとすると、寸法誤差はeが0ならば、当然0%であるが、eが1のときは約1%、5のときは約4.7%、10のときは約9.2%、25のときは21.4%、50のときは約38.2%の誤差となる。つまり誤差の%値が区間Aの小目盛りの読み値に係わらず読み取り値の差eと同じかそれ以下の値となるので、どの程度の寸法誤差があるのか何の計算もなく直ちにわかるという優れた利点がある。なお、前記の方法で計算すると48ステップに対応した小目盛り線3が付けられた場合に、誤差の推定精度が良くなるので、例えば95ステップにして、読みの差eの1/2を誤差の%値の近似値とするなどといった他のステップ数にわける方法も当然に可能である。
【0035】
また、図11の実施例2では同一の比率の比率分割用目盛りの延長部分、区間AAを一体に配しており、延長直線上に区間A上のいずれかの位置を合わせれば、この定規を反転させて、この比率分割目盛りの長さよりも測定範囲を長くできるという利点がある。
【実施例3】
【0036】
図12はkを0.707・・とした、白銀比の例である。区間識別記号4として数字が使われており、目盛り数字5は省略されている。小目盛り線3の間隔も実施例1に比較して広いが、棒状温度計などで一般的に行われているように最小目盛り線の間をさらに細かく目視で10分の1ずつに補間することができ、実用上十分な精度が得られる。
【0037】
ただし、二つ隣の区間との関係は黄金比の場合と異なり、白銀比の関係は成立しない。内分点、外分点は一度にそれぞれ1点ずつしか検出できないので、反転させて原点目盛り2の向きを変えて測定すればよい。また、二つ隣の区間の関係については、白銀比の二乗の比率になるため、例えば区間1の任意の小目盛り線3は、区間が3の対応する小目盛り線3の原点目盛り2からの距離が半分の関係にあり、何ら計算も行うことなく、容易に中点や2倍の寸法の点を特定することが出来るという白銀比特有の効果を奏する。図示しないが、それ以外の縮小率であっても、前記3通りの測定方法が可能であることは言うまでもない。
【0038】
図12でしめす実施例3においては、各区間の小目盛り線3は、2の平方根による何段階かの縮小率の等間隔目盛りとして配されているので、図面上の寸法値と比較することにより複写機で図面などの定形用紙の大きさがどのように変更されたか知ることが出来るという固有の利点を有する。
【0039】
また、図12の実施例3においては、原点目盛り線2とは反対側の区間識別番号0の区間は途中で切断されており、どのような長さの比率分割目盛りであっても、区間Aの長さαを毎回計算することなく製作が可能になるという利点がある。さらに、長さの異なる比率分割目盛りであっても、区間長さが一部同じになるように、製作が可能である。前記実施例1と同様に前記3通りの測定方法が可能である。
【実施例4】
【0040】
図13は三角定規に適用した一例の実施例4である。直角三角形の直角を挟んで2辺に同じ区間長さをもつ本発明に係わる比率分割用目盛りが前記原点目盛り線2の位置を一致させて配されており、また黄金比の関係にある区間を斜線で対応させているので、前記の実施例1の効果を奏すると共に、容易に黄金矩形を検出し、または位置を指示できるという効果を、新たに奏する。
【実施例5】
【0041】
図14は曲尺の二方向に同じく本発明に係わる比率分割用目盛りが配されており、実施例4と同様の効果を奏すると共に、取り回しが容易で、軽量化が図れるという効果を奏する。
【実施例6】
【0042】
図15にコンピュータ画面上へ本発明に係わる比率分割用目盛りを表示させた実施例6を示す。コンピュータ画面上で設計、ウェブサイトの作成、コンピュータグラフフィクス、写真の調整編集、或いは株価の変動パターンの解析等を行う場合に、黄金比を活用するため、計算結果を従来の単なる点や棒或いは寸法線の表示等で結果を示す表示方法よりも、本発明に係わる比率分割用目盛りを表示することによって、より人間の直感に訴え、画像やパターンの中の法則性の発見を容易にするという効果を奏する。コンピュータ画面上への表示は、あらかじめ図形ファイルとして記憶した本発明に係わる比率分割用目盛りの位置、大きさ、角度の情報を、入力や自動計算により定めて前記記憶図形を変形し表示しても良いし、個別の図形要素データ、すなわち線分や文字情報として、作画し本発明に係わる比率分割用目盛りを構成し、表示させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の比率分割用目盛り付きの、定規、三角定規、テンプレート、下敷き、三角スケール、目盛り板、巻き尺、容器、機械、装置、器具の目盛りなどのほか、コンピュータ画面上の表示目盛りとして、物体の形状やパターン、すなわち実物、写真、絵、織物、図面、グラフ、画像などの各部の比率の検討が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は本発明の黄金比による分割用定規の図である。(実施例1)
【図2】図2は図1の目盛り線の説明図である。
【図3】図3は図1の使用方法の説明図である。(実施例1)
【図4】図4は区間の長さの関係を示す説明図である。
【図5】図5は小目盛り線の読みの値の位置までの、各区間目盛り線からの長さの関係を示す説明図である。
【図6】図6は区間目盛り線1が示す位置から原点目盛り線2までの長さを求める数式を示す説明図である。
【図7】図7は区間目盛り線1が示す位置から原点目盛り線2までの長さの関係を示す説明図である。
【図8】図8は小目盛り線3の読みの値が示す位置から原点目盛り線2までの長さの関係を示す説明図である。
【図9】図9は小目盛り線3の読みの値が示す位置の間隔の関係を示す説明図である。
【図10】図10は周期的パターンの測定方法を示す説明図である。
【図11】図11は小目盛り線3を不等間隔の目盛り線とした実施例である。(実施例2)
【図12】図12はkを0.707・・とした、白銀比分割用目盛り線付き定規の例である。(実施例3)
【図13】図13は三角定規に適用した実施例である。(実施例4)
【図14】図14は曲尺の実施例である。(実施例5)
【図15】図15はコンピュータ画面上への本発明に係わる比率分割用目盛りの表示例である。(実施例6)
【図16】図16は従来の斜線と平行線を用いた黄金比用テンプレートの例である。
【符号の説明】
【0045】
1 区間目盛り線
2 原点目盛り線
3 小目盛り線
4 区間識別記号
5 目盛り数字

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に一定の縮小率で、等比級数的にその長さが減少して並ぶ複数の区間と、前記区間を区切る区間目盛り線と、前記等比級数的区間の収束点上に配された原点目盛り線と、前記の各区間内部を連続した数字で読み取り可能にさらに小分けする小目盛り線であって隣り合う前記区間ごとに前記縮小率で相似に配された前記小目盛り線とからなることを特徴とする比率分割用目盛り。
【請求項2】
前記請求項1の前記比率分割用目盛りを用いて、形状やパターンの比例関係や比率分割位置を、前記小目盛り線の値を読み取り、他の前記区間の同じ読みの値の位置に対応させることによって検出することを特徴とする比率測定方法。
【請求項3】
前記請求項1の比率分割用目盛りであって、前記小目盛り線が、前記区間内を等間隔に分割するように配されたことを特徴とする比率分割用目盛り。
【請求項4】
前記請求項1の比率分割用目盛りであって、gを1より小さい正の数とした時、前記原点目盛り線から前記区間目盛り線までの長さに対して、前記縮小率のg乗倍の位置に、前記原点目盛り線から前記小目盛り線が配されたことを特徴とする比率分割用目盛り。
【請求項5】
前記請求項3の比率分割用目盛りを設けたことを特徴とする定規。
【請求項6】
前記請求項4の比率分割用目盛りを設けたことを特徴とする定規。
【請求項7】
前記請求項1の比率分割用目盛りを画面上に表示させるステップを設けたことを特徴とするコンピュータの比率分割用目盛り表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−315759(P2007−315759A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142341(P2006−142341)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(304038910)
【Fターム(参考)】