説明

毛細管ブリッジ粘度計、およびブリッジを平衡化するための方法

【課題】ブリッジを元の場所で平衡化して正確な測定信号を供給できるように毛細管ブリッジ粘度計のブリッジの1つのアーム内に接続される熱制御されたステージを提供する。
【解決手段】熱制御されたステージは、熱伝導コアに巻付けられた同調毛細管配管部分を含む。抵抗加熱器またはペルチェ熱電素子は、毛細管配管部分の近傍に配置される。加熱器またはペルチェ素子および毛細管配管部分は断熱ハウジング内に配置される。加熱器またはペルチェ素子は、毛細管配管部分の温度を変化させて、熱制御されたステージが接続されているブリッジのアームの同調毛細管配管部分の流量インピーダンスを相応に変化させる。同調毛細管配管部分の温度は、ブリッジに亘る圧力差が除去され、これにより当該ブリッジの平衡化が調整されるまで監視および調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
この発明は、ブリッジ平衡化方法に関し、かつ、毛細管ブリッジ粘度計の1つのアーム内に接続されて、1つのアームを他の3つのアームの温度とは異なる温度に制御できるようにする熱制御されたステージに関する。これにより、自動的に平衡化されるブリッジが正確な測定信号を供給することが可能となる。
【背景技術】
【0002】
2.背景
好適な溶媒中の溶質の比粘度を正確に測定するよう適合された毛細管ブリッジ粘度計の一例が、1984年8月7日に発行された米国特許第4,463,598号を参照することにより得られる。このような毛細管ブリッジ粘度計は、モル質量および流体力学的半径を含むポリマーの分子パラメータを決定する際に有用である。図面の図1は、この周知の毛細管ブリッジ粘度計を示す。
【0003】
特許取得済みの上述の差動粘度計は、正確な試験結果および広いダイナミックレンジを得るよう平衡化されなければならない毛細管ブリッジ50を含む。溶媒は、通常、低脈動クロマトグラフィポンプによって槽から毛細管ブリッジ50に供給される。典型的には、細管52および54は、供給口60と排出口62との間で直列に接続される。第3および第4の毛細管64および66は、供給口60と排出口62との間で直列に接続される。直列に接続された毛細管52、54および64、66は、供給口60と排出口62との間で互いに並列に接続されて、電気技術における周知のホイートストーン(Wheatstone)(すなわち、抵抗)ブリッジの流体の類似物を形成する。
【0004】
遅延量72は、毛細管66を含むブリッジ50の流体アームに位置する。遅延量72は、ごく僅かな流量インピーダンスを有するように構築されているが、その内部量は大きい。差動圧力変換器74は、異なる流体がその毛細管の中を流れるとき、ブリッジに亘る差動圧力を測定するよう毛細管ブリッジ50において接続される。別の差動変換器75が、ブリッジの入口から出口側への圧力を測定するために供給口60と排出口62との間に接続される。典型的には、圧力変換器74のゼロという読取値は、ブリッジ50が平衡化された状態にあることを示す。
【特許文献1】米国特許第4,463,598号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ブリッジ50を機械的に同調するための従来の方法においては、ブリッジの1つの流体アームの長さは、当該ブリッジを分解し、配管の長さを正確に切断する(かまたは追加する)ことによって変更される。これは一般に面倒で時間がかかるものである。さらに、タンパク質などのいくつかの流体サンプルは、流体配管にくっついて元々の同調を時間とともにゆっくりとずらしてしまうことが知られている。この場合、オペレータが流体配管を洗浄し洗い流さなくてはならないか、または、定期的に平衡化し直すことが必要となるだろう。代替的には、粘度計はその製造業者に戻されて点検される必要があるだろう。いずれの場合も、粘度計の使用が一時的に停止され、結果として、流体サンプルの試験が非効率的に遅れることとなる。ここで所望されることは、実質的に機械的な平衡化に相当するが、システムを分解することなく、必要に応じて自動的かつより正確に達成され得る高度な平衡化技術である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
過去に達成されたように毛細管ブリッジ粘度計の1つの流体アームの長さを変えるのではなく、独立して制御される熱ステージが、所望の平衡化を達成するために当該ブリッジの少なくとも1つのアーム内に接続される。熱ステージは、熱伝導(たとえば、真鍮または銅)コアに巻付けられた同調毛細管配管部分を含む。当該コアと、これに巻付けられた当該同調毛細管配管部分は、断熱ハウジング内において当該ブリッジの他の流体アームから隔離されている。
【0007】
(たとえば抵抗)加熱器またはペルチェ(Peltier)熱電素子は、同調毛細管配管部分と密に熱接触するように当該熱ハウジング内に配置される。温度プローブがまた、毛細管配管部分の温度に反応するようにハウジング内に配置される。最初に毛細管ブリッジ粘度計のブリッジが平衡化されていない状態で、加熱器またはペルチェ素子への電力が、毛細管配管部分の温度を変化させる(すなわち、加熱または冷却する)よう調整される。毛細管の温度が上がるかまたは下がると、毛細管中の流体の粘度および流体アームに亘る関連する圧力低下がこれに応じて変化する。したがって、同調毛細管配管部分が接続されている流体アームにおける圧力の合計が同様に変化する。ブリッジに亘る圧力差がゼロに調整され、これにより、粘度計が正確な測定信号および最も広範な動作範囲を提供できるようにブリッジが平衡化されるまで、熱制御されたステージの熱ハウジングにおける毛細管配管部分の温度が監視される。平衡化されると、熱制御された同調毛細管の温度が一定に保たれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
好ましい実施例の説明
毛細管ブリッジ粘度計のための自動ブリッジ平衡化方法および手段がこの明細書中に開示される。粘度が温度の強関数であることは公知である。したがって、熱によって引起される粘度のばらつきのためではなくサンプルの組成の変化のために圧力差だけを測定することを確実にするために、ブリッジ粘度計の流体アームの温度を制御することが企図される。この発明の改善例は、同調方法としてこの強い温度依存性を用いることに依拠する。
【0009】
ブリッジを常に平衡化された状態に保つために1つの流体アームの長さを変えることに伴う不都合および時間の遅れに対処しつつ、図1のブリッジ50を機械的に同調するよう試みるのではなく、当該アームを加熱または冷却することによってブリッジが平衡化され得ることが明らかになった。より特定的には、ブリッジを同調するよう流体配管ラインの長さを調節するのではなく、所望の平衡化を達成するようブリッジの1つのアームまたはその一部を加熱または冷却するより効率的な方策が発見された。
【0010】
添付の図面の図2を参照すると、上述の流体サンプル遅延量72が内部に接続されている図1に図示のブリッジ50からの流体配管アームの代用となる、毛細管ブリッジ粘度計の1つの流体配管アーム10が示される。好ましい改善例に従うと、図1のブリッジ50の毛細管配管部分66は、熱同調された毛細管配管部分18を含む熱制御されたステージと置換えられる。新しい毛細管配管部分18は、流量インピーダンスを有する熱伝導材料から製造される。毛細管配管部分18は、熱制御されたステージの断熱ハウジング22内における他の流体配管アームから隔離された熱伝導(たとえば、真鍮または銅)コア20に巻付けられる。コア20は図2においては円筒に図示されているが、当該コアに毛細管配管部分18が巻付けられたり、後述の加熱または冷却装置が係止されたりすることを容易にする他の如何なる形状(たとえば、スプール、立方体、平面など)も当該コアが有し得ることが理解されるべきである。この点に関して、図2には毛細管配管部分18の好ましい実施例がコア20に巻付けられたコイルとして示されるが、毛細管配管部分18は、
コア20との熱接触を最大限にするように他の好適な構成を有してもよい。
【0011】
図2のブリッジ平衡化構成および技術においては、同調毛細管配管部分18は、流体サンプル遅延量72の下流(すなわち、ブリッジの排出口62のより近く)に配置される。(たとえば、抵抗)加熱器24は、コア20の近傍において係止されるように熱制御されたステージの熱ハウジング22内に配置される。温度プローブ26(たとえば、熱電対)がまた、毛細管配管部分18の温度に反応するようにハウジング22内に配置される。加熱器24などの温度プローブ26が毛細管18の温度を正確に測定できるようにコア20の近傍に係止されることが好ましい。
【0012】
粘度計ブリッジを通る溶媒の流れを確立し、(図1において74および75で示される)ブリッジ変換器の出力が安定するまで待って、測定が始まる。初めに、差動圧力変換器74の出力は通常ゼロではなく、これは、ブリッジが平衡化されていないことを示す。この不平衡は、前の測定の結果が汚染されているために配管の構造に僅かな欠陥が生じたり配管の内径が変化したりすることによって引き起こされる可能性がある。代替的には、この明細書中に開示される熱平衡化方法を用いて当該ブリッジを制御可能に平衡化し得るように、当該ブリッジは、構築中に意図的に不平衡な状態にされてもよい。
【0013】
加熱器24への電力を調節することにより、熱ハウジング22内におけるコア20に巻付けられた流体アーム10における同調毛細管配管部分18の温度が変わる。温度が上がると、同調毛細管配管部分18を流れる流体の粘度が相応に低下し、アーム10に亘る圧力低下が相応に小さくなる。ブリッジは、図1のブリッジ50に亘って延在する差動圧力変換器74の出力を監視することによって平衡化される。変換器74がゼロを読取ると、アーム10が接続されているブリッジが適切に平衡化される。次いで、温度プローブ26によって測定された温度が、加熱器24の出力電力を調節することによって一定に保たれる。この時、ブリッジ50は1つ以上のテストサンプルを受取る準備ができている。サンプルが完全にブリッジから出た後、当該システムはオペレータの判断で元に戻されてもよい。
【0014】
ここで、ブリッジを平衡化するこの方法が測定の精度に悪影響を及ぼさないことを説明する。図1によって表されるホイートストーンブリッジの流体の類似物においては、毛細管を通る非乱流の質流量が、ポイセル(Poiselle)の法則によって得られる。
【0015】
【数1】

【0016】
ここで、Qは各々の管を通る質量流量であり、Δpは管に亘る圧力であり、ηは管を流れる流体の粘度であり、Rは、以下とおり規定される管の流量インピーダンスである。
【0017】
【数2】

【0018】
ここで、lは管の長さであり、rは管の内側半径である。この構成において同一の流量インピーダンスを有するブリッジ50のアームのすべてと接続されると、ブリッジ粘度計は、2つの差動変換器74および75の測定値から比粘度を測定する。
【0019】
【数3】

【0020】
ここで、ηspは比粘度であり、ηはテスト中のサンプルの粘度であり、η0は溶媒粘度であり、Δpは変換器74の測定値であり、IPは変換器75の測定値である。
【0021】
ここで、熱同調のプロセス、または、ブリッジアームにおける異なる流量インピーダンスの接続の作用が結果として得られる測定値の精度に影響を及ぼすかどうかを評価するために数学的な考察がなされる。溶媒が、温度調節されたブリッジ50のすべてのアームを通って流れるとき、2つの変換器74および75において測定された圧力の比率が以下のとおり得られることを容易に示すことができる。
【0022】
【数4】

【0023】
ここで、ηTは熱制御された同調アームR66を通る溶媒の粘度であり、ブリッジ50が平衡化されると、Δp=0となるが、これは対応する平衡状態を示す。
【0024】
【数5】

【0025】
ここで、簡略にするために、比率R52/R54≡yとする。R66を含む熱制御されたステージの温度が明らかにブリッジの残りの部分と等しい場合(すなわち、ηT=η0)、これは従来のホイートストーンブリッジ平衡条件まで下がる。粘度ηsであるサンプルは、粘度計に投入されると、アームR64、R52およびR54を通過する。しかしながら、遅延槽72に溶媒が充填されるので、粘度ηTである溶媒が制御温度でR66に供給される。したがって、変換器圧力の比率が以下のとおり得られる。
【0026】
【数6】

【0027】
yについては、式(6)が、
【0028】
【数7】

【0029】
に簡略化される。
この簡略化された式(7)は、以下の通り、ηsp≡ηs/η0−1と規定される比粘度のについて解くことができる。
【0030】
【数8】

【0031】
したがって、yパラメータが分かっているのであれば、比粘度を正確に測定することができる。しかしながら、製造プロセスが完璧ではないので、yパラメータは典型的には先験的に知られておらず、正確に測定することが難しくなる。εが小さなパラメータである場合、
【0032】
【数9】

【0033】
は、y=1+εが書込まれ得るようにほぼ等しいものとする。この場合、式(8)は以下のとおり書換えることができる。
【0034】
【数10】

【0035】
これは基本的な結果である。代替的には、この結果は以下のとおり書かれてもよい。
【0036】
【数11】

【0037】
ここで、ηsp(ε=0)は、理想的なブリッジによって測定される比粘度の真値である。この結果は、非理想的なブリッジについてのε補正が無視された場合、εηsp/4のオーダの百分率誤差しか蒙らないことを意味する。オンラインのブリッジ粘度計によって測定される比粘度の範囲が典型的には1よりも遥かに小さく、典型的には、εが1よりも遥かに小さくなるようにブリッジが製造されるので、この誤差は第2のオーダの大きさとなり、無視されても差し支えない。しかしながら、この分析では、ブリッジ50が上述の態
様で熱によって平衡化されたと想定される。
【0038】
図2に示されるような熱制御された同調ステージが存在しているので、差動粘度計の新しい動作方法も可能となる。典型的には、溶媒だけがブリッジの両側を通って流れる場合、ブリッジが同調されてから、サンプルが機器に投入される。サンプルが投入されると温度が一定に保たれる。比粘度は、式(3)において先述された不均衡な圧力から測定される。しかしながら、この改善例のおかげで、サンプルが溶出する間、代わりにブリッジの同調要素(たとえば、毛細管18)の温度を調節して当該ブリッジを平衡化された状態に保つことができる。このとき、温度は、差動圧力変換器74を飽和させずに0にサーボ制御するよう調節される。この場合、ブリッジと同調長さとの温度差は、以下の式によって表わされる比粘度の基準となる。
【0039】
【数12】

【0040】
ここで、T0は元々の同調温度であり、TはΔp=0を維持するのに必要な時間依存温度である。この方法では、温度制御システムが、Δp=0を常に維持するのに十分に速く同調毛細管18の温度を変更することができなければならない。これはまた、新しいパラメータ、
【0041】
【数13】

【0042】
の先験的な知識を必要とする。
ブリッジの平衡を調整するために毛細管18の圧力低下とアーム10の総圧力とを増大させるようハウジング22内のコア20を(加熱するのではなく)冷却することがこの改善例の範囲内であることが認識されるべきである。この場合、図2の加熱器24ではなく、ペルチェ熱電素子が、毛細管18および/またはコア20と密に熱接触するよう配置されて、他のブリッジアームに対して流体アーム10における毛細管18を熱調節する。より特定的には、図面の図3を参照すると、従来のペルチェ熱電素子23が追加されており、その一方側は、断熱ハウジング22内において熱同調された毛細管18が巻付けられている熱導電コア20と密に熱接触している。ペルチェ素子23の反対側は、過剰な熱を大気中に排出するよう、ハウジング22の外側に位置するヒートシンク24に連結される。
【0043】
図3に示されるようなペルチェ素子23はまた、熱制御された毛細管18を加熱および冷却し得る。ペルチェ素子によって与えられる付加的な利益が、熱制御された毛細管18をブリッジの残りの部分とほぼ同じ温度にサーボ制御する能力であるのに対して、図2の加熱器24は、制御された毛細管の温度をブリッジの残りの部分よりも高い温度に調節し得るだけである。したがって、加熱器の方法では、加熱器が抵抗を正確な値に下げ得るように、制御された毛細管が、まず、平衡化に必要とされるよりも高い流量インピーダンスを有する必要がある。
【0044】
図2および図3に示されるブリッジ平衡化実施例においては、流体サンプル遅延量72
を含む(図1の)ブリッジ50の単一の流体アーム10が熱制御される。この場合、熱同調された毛細管18を含む熱制御されたステージはアーム10に接続され、ハウジング22内において他のアームから隔離される。しかしながら、図面の図4を参照しつつ記載されるような態様でブリッジ50−1のいくつかのアームを熱制御することも、この発明の範囲内である。すなわち、この発明の代替的な実施例として、(図4において52、54および64で示され)同等の流量インピーダンスを有する他の熱同調された毛細管がブリッジ50−1のそれぞれの他の流体アームに接続され得、上述されたのと同じ態様で温度調節され得る。この場合、2つの独立して制御された熱ステージが存在するだろう。第1の独立して制御されたステージは、熱制御された空間76に位置する毛細管52、54および64を含む。第2の独立して制御されたステージは、熱制御された空間22に位置する上述の毛細管18を含む。関連する制御パラメータは、2つのステージ22と76との温度差である。この態様では、毛細管52、54および64の流量インピーダンスが周囲温度の変化にさらされないので、ブリッジの安定性が向上する。
【0045】
最後に、ブリッジアーム全体が熱調節され得るが、ブリッジアームのうちの1つのブリッジアームのある部分を熱調節することもできる。制御アームの残りの部分は他のブリッジアームに熱で係止される。この態様では、制御ステージに不注意に入る恐れのある熱雑音の影響が最小限にされるが、上述の分析に変更はない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】毛細管ブリッジ粘度計に共通する種類の従来のブリッジを示す図である。
【図2】図1のブリッジの1つのアームに追加され、これを正確かつ自動的に平衡化するための加熱器を含む熱制御されたステージを示す詳細図である。
【図3】図1のブリッジの1つのアームに追加され、加熱または冷却を可能にするペルチェ熱電素子を含む別の熱制御されたステージを示す詳細図である。
【図4】図1のブリッジのいくつかのアームが独立して熱制御される代替的な実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10 アーム、18 毛細管、20 コア、22 ハウジング、24 加熱器、26 温度プローブ、50 ブリッジ、52 毛細管、54 毛細管、60 供給口、62 排出口、64 毛細管、66 毛細管、72 遅延量、74 変換器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛細管ブリッジ粘度計であって、第1の対の直列接続された流体配管アームと第2の対の直列接続された流体配管アームとを含み溶媒を受取るためのブリッジを有し、前記第2の対の流体配管アームは、流体供給口と流体排出口との間で前記第1の対の直列接続された流体配管アームと並列に接続され、前記毛細管ブリッジ粘度計はさらに、前記ブリッジを平衡化するための前記流体配管アームのうちの1つに接続される熱制御されたステージを含み、前記熱制御されたステージは、流量インピーダンスを有する熱伝導毛細管配管部分と、前記ブリッジに亘る差動圧力がゼロになるまでその流量インピーダンスを相応に変化させるよう前記毛細管配管部分の温度を変える手段とを含む、毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項2】
前記熱制御されたステージの前記毛細管配管部分は一連の巻線を含む、請求項1に記載の毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項3】
前記熱制御されたステージの前記毛細管配管部分がコアに巻付けられる、請求項2に記載の毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項4】
前記コアは熱伝導材料から作製される、請求項3に記載の毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項5】
前記熱制御されたステージの前記毛細管配管部分は、その温度および流量インピーダンスを相応に変化させるよう加熱される、請求項4に記載の毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項6】
温度を変化させる前記手段は、前記熱伝導コアに巻付けられた前記毛細管配管部分の近傍に配置されたペルチェ熱電素子である、請求項4に記載の毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項7】
温度を変化させる前記手段は、前記熱伝導コアに巻付けられた前記毛細管配管部分の近傍に配置された加熱器である、請求項4に記載の毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項8】
前記加熱器は抵抗加熱器であり、前記抵抗加熱器への電力は、前記加熱器によって生成される熱を変化させ、前記加熱器によって生成される熱に応じて前記毛細管配管部分の流量インピーダンスを相応に制御するよう調整される、請求項7に記載の毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項9】
前記熱制御されたステージはさらに、前記熱伝導コアに巻付けられた前記毛細管配管部分と前記毛細管配管部分の近傍に配置された前記加熱器とを囲む断熱ハウジングを含む、請求項7に記載の毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項10】
前記熱制御されたステージはさらに、前記熱伝導コアに巻付けられた前記毛細管配管部分の温度を測定するために前記断熱ハウジング内に配置された温度プローブを含む、請求項9に記載の毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項11】
前記熱制御されたステージが接続されている前記流体配管アームのうちの1つに接続された流体サンプル遅延量をまた含み、前記熱制御されたステージの前記毛細管配管部分は、前記流体サンプル遅延量の下流において前記供給口よりも前記排出口の近くに配置される、請求項1に記載の毛細管ブリッジ粘度計。
【請求項12】
分析されるべき溶媒および流体サンプルを受取るための、第1の対の直列接続された流体配管アームと第2の対の直列接続された流体配管アームとを含むブリッジを有する毛細管ブリッジ粘度計について、前記第2の対の流体配管アームは、流体供給口と流体排出口との間で前記第1の対の直列接続された流体配管アームと並列に接続されており、前記ブ
リッジに亘る差動圧力がゼロになるまで、前記第1および第2の対の流体配管アームのうち少なくとも1つの流体配管アームの温度を他の流体配管アームに対して調節するステップを含む、前記ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項13】
流量インピーダンスを有する熱伝導毛細管配管部分を前記1つの流体配管アームに接続することにより前記1つの流体配管アームの温度を調節するステップと、前記毛細管配管部分を加熱または冷却してその流量インピーダンスの対応する変化を引起すステップとをさらに含む、請求項12に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項14】
断熱ハウジングに前記毛細管配管部分を配置することによって、前記1つの流体配管アームに接続された前記熱伝導毛細管配管部分を前記ブリッジの他の流体配管アームから隔離するさらなるステップを含む、請求項13に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項15】
前記熱伝導毛細管配管部分を、その近傍に配置された加熱器によって加熱するさらなるステップを含む、請求項13に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項16】
前記熱伝導毛細管配管部分を、その近傍に配置されたペルチェ熱電素子によって加熱または冷却するさらなるステップを含む、請求項13に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項17】
前記熱伝導毛細管配管部分を熱伝導コアに取付けるステップと、前記毛細管配管部分を加熱または冷却するために前記熱伝導コアを加熱または冷却するステップとをさらに含む、請求項13に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項18】
前記熱伝導毛細管配管部分を前記熱伝導コアに巻付けるさらなるステップを含む、請求項13に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項19】
前記熱伝導毛細管配管部分の温度を監視するさらなるステップを含む、請求項13に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項20】
前記ブリッジに亘る差動圧力がゼロになると前記熱伝導毛細管配管部分の温度を一定に維持するさらなるステップを含む、請求項19に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項21】
前記1つの流体配管アームの温度とは無関係に、前記第1および第2の対の流体配管アームの他の流体配管アームの温度を調節するさらなるステップを含む、請求項12に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項22】
流量インピーダンスを有する第1の熱伝導毛細管配管部分を前記1つの流体配管アームに接続するステップと、流量インピーダンスを有するそれぞれの他の熱伝導毛細管配管部分を前記他の流体配管アームに接続するステップと、前記第1の熱伝導毛細管配管部分を前記他の熱伝導毛細管配管部分から断熱するステップとをさらに含む、請求項21に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項23】
溶媒が第1および第2の対の並列接続された流体配管アームに供給され、前記ブリッジが安定化した後、前記1つの流体配管アームの温度を調節するステップと、分析されるべき流体サンプルが前記ブリッジに投入される間、前記少なくとも1つの流体配管アームの温度を一定に保つステップとをさらにを含む、請求項12に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。
【請求項24】
前記ブリッジを平衡化し直すのに必要な温度がサンプルの比粘度の測定値を提供するように、分析されるべき流体サンプルが前記粘度計を通って流れるとき前記少なくとも1つの流体配管アームの温度を連続して調節することにより、前記毛細管ブリッジ粘度計のブリッジを平衡化し直すさらなるステップを含む、請求項12に記載の、ブリッジを平衡化するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−276018(P2006−276018A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85545(P2006−85545)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(594035932)ワイアット テクノロジー コーポレイション (8)
【氏名又は名称原語表記】Wyatt Tecknology Corporation