説明

気体の採取装置、気体採取用セルおよび気体の採取方法

【課題】 サンプリングした土壌または土質試料から製作した通液性のある供試体Sに含有される微量の気体を効率よく採取できるようにする。
【解決手段】 前記供試体Sの一端面から液体を強制的に供給して透過させることで供試体Sの他端面から染み出させた気体泡まつが混在する泡まつ混在液体を、該供試体Sの他端面に面接触する採取用セル4の該接触面に形成の捕捉誘導溝6で捕捉し、該捕捉誘導溝6に接続される採取孔5に誘導し、該採取孔5に至った泡まつ混在液体を採取することで気体の採取をするようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に微量の気体を含む土壌から成形された供試体等の通液性を有した各種供試体に含有する気体の採取装置、気体採取用セルおよび気体の採取方法の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、土壌等の被検体中に含有する気体(ガス)を採取(採集、採取)し、該採取した気体に含まれる成分の分析をすることが要求される場合がある。そしてこのような要求例としては、石油や天然ガスの鉱床あるいは地下熱水地帯などの発見、また土壌汚染(環境汚染)の汚染度などの探査があげられる。このような土壌中に含有する気体の採取方法として、予め土壌に穿った採取用孔に採取用管を挿入し、土壌から染み出て採取用孔内に溜まった気体を該採取用管を通して採取するようにしたものが従来から知られている(例えば特許文献1〜4)。
【特許文献1】特開平5−10935号公報
【特許文献2】特開平11−37995号公報
【特許文献3】特開2004−184105号公報
【特許文献4】特開2004−226326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで前記採取用孔に染み出た気体を採取するものでは、採取用孔を形成する際に侵入した外気や深さの異なる土壌から染み出た気体が混じり合ったりするため、精度のよい気体採取ができないだけでなく、土壌中に含有する気体が微量であって土壌から染み出させづらいような場合には気体採取が事実上できないという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、通液性を有した供試体に含有される気体を採取するための採取装置であって、該採取装置は、供試体の一端から液体を供給するための液体供給手段と、供試体の他端に面接触させて供試体の他端から染み出た気体泡まつが混在する泡まつ混在液体を採取するための採取用セルとを備え、前記採取用セルには、供試体他端との接触面に形成され、前記染み出た泡まつ混在気体を捕捉誘導する捕捉誘導溝と、該捕捉誘導溝に接続された採取路とが形成され、該採取路に達した泡まつ混在液体を採取することで気体の採取をするように構成したことを特徴とする気体の採取装置である。
請求項2の発明は、請求項1において、採取用セルと供試体他端とのあいだに親液性シートが介在していることを特徴とする気体の採取装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の何れかにおいて、供試体はサンプリングされた土質試料であることを特徴とする気体の採取装置である。
請求項4の発明は、液体の供給で通液性を有した供試体から染み出た気体泡まつが混在する泡まつ混在液体を採取するための採取用セルであって、該採取用セルには、供試体に面接触する接触面と、該接触面に染み出た泡まつ混在液体を捕捉誘導する捕捉誘導溝と、該捕捉誘導溝に接続された採取路とが形成され、該採取路に達した泡まつ混在液体を採取することで気体の採取をするように構成したことを特徴とする気体採取用セルである。
請求項5の発明は、請求項4において、採取用セルは平板材であることを特徴とする気体採取用セルである。
請求項6の発明は、請求項5において、平板材は、一側面が供試体の接触面であり、採取路は、前記一側面から他側面に設けられた採取孔であることを特徴とする気体採取用セルである。
請求項7の発明は、請求項3乃至6の何れか一つにおいて、採取用セルは、採取路が供試体接触面の中心に形成されているものであることを特徴とする気体採取用セルである。
請求項8の発明は、請求項3乃至7の何れか一つにおいて、採取用セルは、採取路が供試体接触面の中心から等距離の位置に等角度ピッチで複数形成されているものであることを特徴とする気体採取用セルである。
請求項9の発明は、請求項3乃至8の何れか一つにおいて、捕捉誘導溝は、採取路を基準として放射状に複数形成されていることを特徴とする気体採取用セルである。
請求項10の発明は、請求項4乃至9の何れかにおいて、捕捉誘導溝は、放射状の本流溝と、該本流溝から分岐される支流溝とで形成されていることを特徴とする気体採取用セルである。
請求項11の発明は、請求項10において、本流溝は直線状であり、支流溝は本流溝を対称線として線対称に形成されていることを特徴とする気体採取用セルである。
請求項12の発明は、請求項10または11において、支流溝は直線であることを特徴とする気体採取用セルである。
請求項13の発明は、請求項10または11において、支流溝は、採取路を中心とする円弧であることを特徴とする気体採取用セルである。
請求項14の発明は、通液性を有した供試体に含有する気体を採取するための採取方法であって、該採取方法は、供試体の一端から液体を供給することで供試体の他端から染み出た気体泡まつが混在する泡まつ混在液体を、供試体に面接触する採取用セルの該接触面に形成した捕捉誘導溝で捕捉して該捕捉誘導溝に接続される採取路に誘導し、該採取路に至った泡まつ混在液体を採取することで気体の採取をするようにしたことを特徴とする気体の採取方法である。
請求項15の発明は、請求項14において、気体採取用セルと供試体とのあいだに親液性シートが介在されていることを特徴とする気体の採取方法である。
請求項16の発明は、請求項14または15の何れかにおいて、供試体はサンプリングされた土質試料であることを特徴とする気体の採取方法である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1または14の発明にすることで、供試体中に含まれる微量の気体を、他部位の気体が混合することなく供試体から確実に採取することができる。
請求項2または15の発明にすることで、供試体に含有する気体を、親水性シートを介して泡まつ混在液体とした状態で採取用セルの捕捉誘導溝に捕捉されることになって捕捉性能が向上する。
請求項3または16の発明にすることで、土質試料に含まれる気体微量であっても確実に気体の採取をすることができる。
請求項4の発明にすることで、供試体に含有される気体を、採取用セルを用いて効率よく捕捉誘導して採取することができる。
請求項5の発明にすることで、供試体と気体用採取セルとの接触が平滑な面となって供試体全体から泡まつ混在液体の染み出しが達成できる。
請求項6の発明にすることにより、採取路は、一側面から他側面に至る貫通した孔でよいことになって加工が簡単になる。
請求項7、8または9の発明にすることにより、気体の均質的な採取ができることになる。
請求項10の発明にすることにより、より効率のよい気体採取ができる。
請求項11、12または13の発明にすることにより、さらに効率のよい気体採取ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図面において、1は供試体Sに含有される気体を採取するための採取装置であって、該採取装置1は、基台1aに加圧用の容器2が支持されているが、該容器2には水が注入されており、容器2に設けられる水の排出路2aを封止する状態で水の供給路2bから圧力を加えることで容器2内の圧力を調節できるようになっている。
【0007】
前記容器2の底部2cにはペデスタル3が設けられ、該ペデスタル3上に、気体の採取用セル4が配設されている。この採取用セル4は、中央部(中心部)の表面(上面(一側面)であって本発明の接触面に相当する)から裏面(下面(他側面))に至るべく貫通した採取孔5が穿設された円盤状の平板材(例えば、アクリル板)で形成され、その表面に捕捉誘導溝6が刻設されているが、その詳細は後述する。そしてこの採取用セル4の上面に、ろ紙(本発明の親水性シートに相当する)7を介在する状態で円柱状に整形された前記供試体(後述するように、サンプリングした土質試料)Sの底面(他端)が載せられ、さらに該供試体Sの上面(一端)にキャップ8が載せられる。そして前記ペデスタル3の上半部、供試体S全体、さらにキャップ8の下半部の外周面には供試体Sの崩壊(崩落)の防止および供試体Sを透過あるいは染み出す気体や水の散逸を防止するための防止部材9が被着されているが、防止部材9の材質としては、例えば延び弾性の小さいシリコーンチューブ等を挙げることができる。
前記キャップ8には液体流路10が設けられ、該液体流路10から水等の液体が供試体Sに加圧供給されるようになっている。
【0008】
11は前記キャップ8を加圧するための加圧装置であって、該加圧装置11は、キャップ8の上面に下端が当接する加圧棒12を備えて構成されるが、該加圧棒12はベアリング13により回動自在に容器天井板2dに支持されていると共に、クランプ14によって回動を制御できるようになっている。加圧棒12には荷重計15および外部変位計16が設けられるが、さらに加圧棒12の上端部は載荷装置17に連結されている。載荷装置17は、電動モーター18の駆動によりべべルギア機構19を回転させ、これによって加圧棒12を押し出してキャップ8の加圧をするようになっている。
【0009】
前記供試体Sは、例えばある地域の土壌試料(例えば、泥岩)について、一辺が500mmの立方体の大きさでサンプリングし、これを整形して高さ50mm、直径50mmの前記円柱状の供試体Sを製作する。また前記採取用セル4は、直径が前記供試体Sと同じ長さの平板円盤状であり、その中心に採取孔5が供試体Sの接触面である上面4aから下面4bに至るよう貫通して形成されている。一方、上面4aに刻設され、採取孔5の始端5aに接続する捕捉誘導溝6は、採取孔5を中心として複数本(本実施の形態では8本)が放射状に設けられている。採取孔5の径、ならびに捕捉誘導溝6の太さ、深さおよび長さは供試体Sから染み出てくる気体泡まつが混在する液体、つまり泡まつ混在液体の量によって適宜調節されるものである。また、捕捉誘導溝6の溝形状はV字形が好ましいがこれに限定されるものでなく、半円形、U字形等、必要において適宜の形状とすることができる。一方、採取孔5の終端部5bは、前記始端5aよりも大径になっていて、該大径部位に採取用の筒体(キャピラリー)20が止着されている。この筒体20は、前記ペデスタル3を貫通し、さらに容器2外に誘導されるように構成している。
【0010】
前記容器2外に誘導された筒体20は、さらに気体回収装置21に誘導されるが、該気体回収装置21は、例えば液体を充填した液体容器(例えば、ビーカー)22に回収容器(例えば、試験管)23を倒立させたものとし、この回収容器23に筒体20の先端を誘導するようにして構成される。そして前記供試体Sから染み出てきた泡まつ混在液体を回収容器23に供給することで気液分離がなされ、前記泡まつ混在液体中の気体の採取ができるようになっている。
【0011】
尚、上記採取装置1および気体回収装置21において用いされる液体としては、採取しようとする気体が炭酸ガス(CO)のように水溶性ではあるが有機溶剤には難溶性であるような場合には、シクロヘキサン等の極性のない有機溶剤を用いることができ、メタンガス(CH)や四塩化炭素(CCl)のように水には溶けないが有機溶剤には溶けるものである場合には水のように極性の大きい液体を用いることができ、これら液体は採取しようとする気体によって適宜選択されることになる。さらに液体容器22に充填する液体のなかには水銀(Hg)を採用することもできる。
【0012】
叙述のごとく構成された本発明の実施の形態において、供試体Sを、採取用セル4、ろ紙7が載置されたペデスタル3とキャップ8とのあいだにセット(防止部材9も被着しておく)し、容器2に水を充填した状態にして電動モーター18を駆動してキャップ8を軽く加圧状態にする。そして前記のようにセットされた供試体Sに対して液体流路10から液体を供給すると、該供給される液体は供試体Sを透過することになるが、該透過する液体は、透過の過程で供試体Sに含有される気体を泡まつ状態にして含んだ泡まつ混在液体となって採取用セル4の捕捉誘導溝6に達し、そして採取孔5から筒体20を経由して気体回収装置21に達し、ここで気液分離されて気体の採取ができることになり、この採取した気体をシリンジ等の回収具を用いて回収し、必要に応じて容量の測定や適宜の分析装置による成分の分析ができることになる。
【0013】
このように本発明が実施されたものにおいては、供試体Sに実際に含まれている気体を直接的に採取することができるため、従来の採取孔を穿設してここに染み出てくる気体を採取する場合のように、他部位の気体が混合してしまうことを回避して信頼性の高い気体採取ができる。しかもこの気体採取は、強制的に液体を供試体Sに透過させることで、該透過する液体が気体を泡まつ状に含んだ泡まつ混在液体となって採取用セル4で回収されるため、供試体Sに含有する気体が微量であっても確実な採取ができることになる。
【0014】
しかもこれらのものでは、採取用セル4と供試体Sとのあいだに親水性シートであるろ紙7が有るため、前記供試体Sから染み出た泡まつ混在液体がろ紙7で広く拡散された状態で採取用セル4に達して捕捉誘導され、採取されることになる結果、捕捉誘導溝6のない部位に染み出た泡まつ混在液体も確実に捕捉されることになって、採取効率が向上する。
【0015】
そして供試体Sが土質試料である場合、前記捕捉した泡まつ混在液体に含まれる気体について量や成分を測定することで、供試体Sをサンプリングした箇所の土壌の性状等を知ることができる。
【0016】
しかも前記採取用セル4は、板材を用い、その表面に捕捉誘導溝6を刻設すると共に、該捕捉誘導溝6に接続する採取孔5を表面から裏面に貫通するよう穿設することで簡単に形成できるため、低コストで提供できることになる。そしてこの採取用セル4は、供試体Sの接触面の中心に採取孔5が穿設され、該採取孔5に接続する状態で複数の捕捉誘導溝6が等角度ピッチで放射状に形成されているため、供試体Sから染み出た広い範囲の泡まつ混在液体を1箇所に集中させる状態で均質に採取できることになって、採取用セルを多数の採取孔を穿設しただけで、捕捉誘導溝がない構造にした場合のように、染み出た僅かな泡まつ混在液体が多数の採取孔に分散して採取されることになってこれらの寄せ集め採取が面倒、かつ、煩雑になってしまうことがない。
【0017】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないものであることは勿論であって、供試体としては土質試料に限定されず、コンクリート、木材等、通液性を有した試料であれば適宜のものにおいて実施することができる。そして本発明は、気体含有量が僅かな供試体についても勿論であるが、透水係数の小さい供試体についても、該供試体に対して強制的に液体を透過させることで液体に含まれる気体の採取をすることができる。
【0018】
さらにまた、前記採取用セルに形成される捕捉誘導溝については、供試体接触面からはみ出ないものであれば各種の形状にすることができることは勿論であり、例えば、図3に示す第二から第四の実施の形態のようにすることができる。つまり図3(A)および(B)に示す第二および第三の実施の形態のものは、採取孔5が供試体接触面の中心Oから等距離の位置に、何れも等角度である180度ピッチ、あるいは120度ピッチで2個または3個形成されたものである。また図3(C)に示す第四の実施の形態のものは、採取孔5が90度ピッチで4個形成されると共に、さらに供試体接触面の中心に採取孔5が形成されたものである。そしてこのようにすることで、複数個の採取孔5があることにより寄せ集め採取の手間がかかるが、採取孔の数としては少ないため殆んど問題になることはなく、より迅速で効率のよい気体の採取ができる。
【0019】
さらにまた、捕捉誘導溝としては、図4(A)〜(D)、図5(A)〜(D)、図6(A)〜(D)および図7(A)〜(D)に示す第五〜第二十の実施の形態のようにすることもできる。これらのものは採取孔5と捕捉誘導路の形状のみを図示するものであるが、図4に示す第五〜第八の実施の形態のものは、捕捉誘導路が、採取孔5に接続される本流溝6aと該本流溝6aから分岐される支流溝6bとで形成されたものであり、このうち第五および第六の実施の形態のものは、直線状の支流溝6bが、本流溝6aを対称線として線対象に分岐したもの(図4(A)および(B)参照)であり、また第七の実施の形態のものは、直線状の支流溝6bが本流溝6aから交互に分岐形成されたもの(図4(C)参照)であり、第八の実施の形態のものは、本流溝6aから交互に分岐形成される支流溝6bが、採取孔5を中心として円弧状に分岐形成されたもの(図4(D)参照)である。そしてこのように支流溝6bがあることで、染み出た気体をより広範囲においてより効率よく採取することができる。
【0020】
さらにまた、渦巻状の捕捉誘導路6が採取孔5から複数形成された第九の実施の形態のもの(図5(A)参照)、逆L字形の捕捉誘導路6が採集孔5から複数形成された第十の実施の形態のもの(図5(B)参照)、該逆L字形のものの中間位置に支流溝6bが形成された捕捉誘導路6が採取孔5から複数形成された第十一の実施の形態のもの(図5(C)参照)、クランク形状が角型となった捕捉誘導路6が採取孔5から複数形成された第十二の実施の形態のもの(図5(D)参照)、クランク形状が湾曲形となった捕捉誘導路6が採取孔5から複数形成された第十三の実施の形態のもの(図6(A)参照)、個別に渦巻状になった捕捉誘導路6が採取孔5から複数形成された第十四の実施の形態のもの(図6(B)参照)、く字形をした捕捉誘導路6が採取孔5から複数形成された第十五の形態のもの(図6(C)参照)、N字形をした捕捉誘導路6の中心に採取孔5が位置する第十六の実施の形態のもの(図6(D)参照)、該N字形の折曲部が円弧状になった細い誘導路6の中心に採取孔5が位置する第十七の実施の形態のもの(図7(A)参照)、X字形をした捕捉誘導路6の中心に採取孔5が位置する第十八の実施の形態のもの(図7(B)参照)、該X字形をした捕捉誘導路6の先端に折曲形成した支流溝6bが形成された第十九の実施のもの(図7(C)参照)、該湾曲したX字形の捕捉誘導路6の中心に採取孔5が位置する第二十の実施の形態のもの(図7(D)参照)等、各種の形状を必要において適宜採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】気体の採取装置の概略正面図である。
【図2】(A)および(B)は第一の実施の形態の気体採取用セルの正面図および断面図である。
【図3】(A)、(B)および(C)は第二、第三および第四の実施の形態の気体採取用セルの正面図である。
【図4】(A)、(B)、(C)および(D)は第五、第六、第七および第八の実施の形態の気体採取用セルの採取孔と捕捉誘導路とを示す正面図である。
【図5】(A)、(B)、(C)および(D)は第九、第十、第十一および第十二の実施の形態の気体採取用セルの採取孔と捕捉誘導路とを示す正面図である。
【図6】(A)、(B)、(C)および(D)は第十三、第十四、第十五および第十六の実施の形態の気体採取用セルの採取孔と捕捉誘導路とを示す正面図である。
【図7】(A)、(B)、(C)および(D)は第十七、第十八、第十九および第二十の実施の形態の気体採取用セルの採取孔と捕捉誘導路とを示す正面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 気体の採取装置
4 採取用セル
5 採取孔
6 捕捉誘導溝
6a 本流溝
6b 支流溝
7 ろ紙
10 液体流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通液性を有した供試体に含有される気体を採取するための採取装置であって、該採取装置は、供試体の一端から液体を供給するための液体供給手段と、供試体の他端に面接触させて供試体の他端から染み出た気体泡まつが混在する泡まつ混在液体を採取するための採取用セルとを備え、前記採取用セルには、供試体他端との接触面に形成され、前記染み出た泡まつ混在液体を捕捉誘導する捕捉誘導溝と、該捕捉誘導溝に接続された採取路とが形成され、該採取路に達した泡まつ混在液体を採取することで気体の採取をするように構成したことを特徴とする気体の採取装置。
【請求項2】
請求項1において、採取用セルと供試体他端とのあいだに親液性シートが介在していることを特徴とする気体の採取装置。
【請求項3】
請求項1または2の何れかにおいて、供試体はサンプリングされた土質試料であることを特徴とする気体の採取装置。
【請求項4】
液体の供給で通液性を有した供試体から染み出た気体泡まつが混在する泡まつ混在液体を採取するための採取用セルであって、該採取用セルには、供試体に面接触する接触面と、該接触面に染み出た泡まつ混在液体を捕捉誘導する捕捉誘導溝と、該捕捉誘導溝に接続された採取路とが形成され、該採取路に達した泡まつ混在液体を採取することで気体の採取をするように構成したことを特徴とする気体採取用セル。
【請求項5】
請求項4において、採取用セルは平板材であることを特徴とする気体採取用セル。
【請求項6】
請求項5において、平板材は、一側面が供試体の接触面であり、採取路は、前記一側面から他側面に設けられた採取孔であることを特徴とする気体採取用セル。
【請求項7】
請求項3乃至6の何れか一つにおいて、採取用セルは、採取路が供試体接触面の中心に形成されているものであることを特徴とする気体採取用セル。
【請求項8】
請求項3乃至7の何れか一つにおいて、採取用セルは、採取路が供試体接触面の中心から等距離の位置に等角度ピッチで複数形成されているものであることを特徴とする気体採取用セル。
【請求項9】
請求項3乃至8の何れか一つにおいて、捕捉誘導溝は、採取路を基準として放射状に複数形成されていることを特徴とする気体採取用セル。
【請求項10】
請求項4乃至9の何れか一つにおいて、捕捉誘導溝は、放射状の本流溝と、該本流溝から分岐される支流溝とで形成されていることを特徴とする気体採取用セル。
【請求項11】
請求項10において、本流溝は直線状であり、支流溝は本流溝を対称線として線対称に形成されていることを特徴とする気体採取用セル。
【請求項12】
請求項10または11において、支流溝は直線であることを特徴とする気体採取用セル。
【請求項13】
請求項10または11において、支流溝は、採取路を中心とする円弧であることを特徴とする気体採取用セル。
【請求項14】
通液性を有した供試体に含有する気体を採取するための採取方法であって、該採取方法は、供試体の一端から液体を供給することで供試体の他端から染み出た気体泡まつが混在する泡まつ混在液体を、供試体に面接触する採取用セルの該接触面に形成した捕捉誘導溝で捕捉して該捕捉誘導溝に接続される採取路に誘導し、該採取路に至った泡まつ混在液体を採取することで気体の採取をするようにしたことを特徴とする気体の採取方法。
【請求項15】
請求項14において、気体採取用セルと供試体とのあいだに親液性シートが介在されていることを特徴とする気体の採取方法。
【請求項16】
請求項14または15の何れかにおいて、供試体はサンプリングされた土質試料であることを特徴とする気体の採取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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