説明

気体搬送用ダクトの接続構造

【課題】フレキシブルダクトの空気イオン搬送能力を向上させる。
【解決手段】空気イオン発生装置を備えた空気調和システムのフレキシブルダクト10の開口部1と機器の金属製接続口9とを電気的に接続して、そのダクト10の内コア材4を接地させたものである。内コア材4が帯電しなければ、搬送中の空気イオンの電荷が中和されることなく、空気イオンを減少させない。その開口部1の端面及び内外周面が、絶縁材からなる端部処理材5によって被覆されている場合には、前記内コア材4から延びて端部処理材5と開口部1との間を通り外側へ引き出されたアース線6を介して、両者を電気的に接続できる。また、その端部処理材5に導電層5aを設けて、その導電層5aを接続口9に接触させるとともに、その導電層5aと内コア材4とを貫通ピン8で電気的に接続してもよいし、その導電層5aを開口部1内周面側に折り返した状態で取り付ければ、両者の接続が簡単である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気イオンを含ませた空気を供給するために使用される気体搬送用ダクトの設置構造、及びその気体搬送用ダクトの気体供給システム機器への接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な住宅における気体供給システム(空気調和システム)は、例えば、本発明の実施形態の説明図である図2に基づいて説明すると、1台の空調機Aから中間ファン11、分岐ボックス12を経て、複数の気体搬送用ダクト10を接続し、その気体搬送用ダクト10の末端の制気口14から各居室へ向けて空調空気を吹き出す方法がある。
【0003】
この方法に使用するダクト10を配設する際に、建物等にダクト10を配設した後、そのダクト周囲に断熱材等を巻き付ける作業は面倒であるため、予め保温材を装着した保温材付フレキシブルダクト10を使用する場合が多い。
【0004】
フレキシブルダクト10の主な構成は、図4に示すように、外部被覆材2、保温材3、内コア材4とからなり、そのフレキシブルダクト10の端部に設けられる機器類への開口部1は、テープ等の端部処理材5によって被覆され保護されている。この開口部1に、空調機A等、空気調和システム機器のダクト接続口9が嵌められて、空調機Aから供給される空気がダクト内を通過し、居室に供給される。
前記内コア材4を構成するフィルム4aの材質としては、電気伝導性のあるもの(例えば、アルミ蒸着PETフィルム等)と、電気伝導性のないもの(PETフィルム等)の2種類に大別され、いずれの場合も、それぞれコイル状の金属製芯材4bで屈曲自在に支持されている。
【0005】
ところで、近年、空気イオン発生装置を備えた空調機が利用されるようになっており、 例えば、特許文献1には、その空気イオンに関連する空気調和システムの技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−277010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、空気中の空気イオンは、プラスイオンとマイナスイオンの2種類があり、ダクト内を供給する途中でその数が減少していくことが知られている。これは、上記空気供給路のダクト内において、送風空気とダクト内面との摩擦により静電気が発生してダクト内面が帯電し、その帯電部分に空気イオンが衝突するので、電荷が中和されてしまうからである。
【0007】
特に、気体搬送用ダクトとしてフレキシブルダクト10を使用する場合には、前記内コア材4のフィルム4aを支えるために、金属製のコイル状芯材4bが用いられる(図4参照)ので、その内コア材4のフィルム4aに電気伝導性のあるもの(例えば、アルミ蒸着PETフィルム等)を使用する場合と、電気伝導性のないもの(PETフィルム等)を使用する場合のいずれの場合にも、内コア材4には帯電が生じ、空気イオンの減少が生じ得る。帯電は、導体、絶縁体の別を問わず、すべての素材で起こり得るものだからである。
【0008】
しかし、空気イオン発生装置で発生させた空気イオンは、できるだけ途中で減少させることなく効率的に居室に供給することが望ましい。
また、空気調和システム以外の分野においても、例えば、自動車等のエンジンにおいて、燃焼室に送られる吸気にトルマリンで発生させたマイナスイオンを含ませて、そのエンジンの燃焼能力を高めるという手法も開発されており、このような場合にも、空気イオンを途中で減少させることなく効率よく搬送する技術が望まれている。
【0009】
そこで、この発明は、空気イオン搬送能力を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明は、気体搬送用ダクトに介在する導電性を有する部材をアース電位に接続したのである。
このようにすれば、導電性を有する部材は、接地(アース)することにより帯電しなくなるので、搬送中の空気イオンの電荷が中和されることなく、空気イオンを減少させないようにし得る。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、以上のようにしたので、気体搬送用ダクトの帯電が防止され、空気イオン搬送能力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上記手段による気体搬送用ダクトの導電性を有する部材をアース電位へ接続するための構造として、例えば、以下の実施形態を採用することができる。
すなわち、空気イオン発生機能を有する気体供給システム機器と、導電性を有する部材を備えた気体搬送用ダクトとの接続構造において、上記気体供給システム機器にアース機能を設け、上記気体供給システム機器に接続される上記気体搬送用ダクトの導電性を有する部材を、上記気体供給システム機器のアース電位に接続したものである。
このようにすれば、気体供給システムの機器はアース機能を有して電気的に接地されており、気体搬送用ダクトはその機器に接続されるので、そのダクトに介在する導電性を有する部材を接地させることが容易に可能となる。
【0013】
上記気体供給システムとして、例えば、空気イオン発生装置を備えた空気調和システムを採用することができる。空気調和システムにおいて、上記実施形態を採用することにより、居室に供給される空気イオンの搬送能力を向上させることができる。
【0014】
また、上記気体供給システム機器に接続口を設け、上記気体搬送用ダクトの接続用開口部をその接続口に嵌めて前記気体搬送用ダクト内に気体を供給可能とし、上記気体供給システム機器のアース機能はその接続口の導電部に設けられて、前記気体搬送用ダクトの上記導電性を有する部材を前記導電部のアース電位に接続した構成を採用し得る。
このようにすれば、アース機能を有する導電部が、ダクト用の接続口に設けられているので、ダクトに介在する導電性を有する部材と導電部とが近い距離に位置する。このため、両者を電気的に接続して導通させやすい。
【0015】
その接続口の導電部と、前記気体搬送用ダクトの導電性を有する部材との接続において、上記気体搬送用ダクトの上記導電性を有する部材は、その気体搬送用ダクトの接続用開口部を上記接続口に嵌めることにより上記導電部に接してアース電位に接続されるようにすれば、ダクトを機器に接続するだけで接地させることができるので便利である。
なお、上記気体搬送用ダクトの構成としては、導電性を有する部材を備えるもの、例えば、金属製部材のみで構成されるものでもよいし、樹脂製部材のみで構成されるもの、あるいは、金属製部材及び樹脂性素材、又はこれらの複合材料で構成されるものであってもよい。
【0016】
また、上記気体搬送用ダクトが、導電性を有する部材を備えた内コア材の外側を保温材及び/又は断熱材で覆って形成、すなわち、保温材及び断熱材、あるいは保温材又は断熱材のいずれかで覆って形成されている場合において、上記導電部は、上記接続口の外周に設けられて、前記ダクトの接続用開口部を前記接続口の外周に嵌めることにより、前記内コア材の導電性を有する部材が前記導電部に接するようにした構成を採用し得る。
このようにすれば、ダクトの開口部に空気調和機器の接続口を嵌めれば、その内コア材の導電性を有する部分と接続口の外周面が接触し両者が電気的に接続されるので、ダクトの内側に介在する導電性を有する部材を簡単に接地させることができる。
【0017】
さらに、上記気体搬送用ダクトは、導電性を有する部材を備えた内コア材の外側を保温材及び/又は断熱材で覆って形成された構成において、上記接続用開口部の端面及び内外周面は導電性を有する端部処理材によって被覆されて、その端部処理材が前記内コア材の導電性を有する部材に接するようになっている場合には、上記接続用開口部を上記接続口に嵌めることにより上記端部処理材が上記導電部に接して、上記内コア材の導電性を有する部材が、その端部処理材を介してアース電位に接続されるようにした構成を採用し得る。
【0018】
また、同じく、上記気体搬送用ダクトが、導電性を有する部材を備えた内コア材の外側を保温材及び/又は断熱材で覆って形成された構成において、上記接続用開口部の端面及び内外周面を、絶縁材からなる端部処理材によって被覆されて、上記接続口はその端部処理材による被覆部分に嵌められるようになっている場合には、上記内コア材の導電性を有する部材が、その導電性を有する部材から外側に引き出されたアース線を介して上記導電部のアース電位に接続されるようにしてもよい。
【0019】
そのアース線は、上記端部処理材と上記開口部の端面及び内外周面との間を通り、その端部処理材の外側縁端から引き出してもよい。このようにすれば、内コア材の導電性を有する部分を導通するアース線が外側に引き出しやすいので、そのアース線を開口部の外側において接続口に電気的に接続することができる。この接続は、開口部の外側で行うことができるので作業性がよく、内コア材を簡単に接地させることができる。
また、上記端部処理材の表面に導電層を設けて、その導電層を前記アース線としてもよい。端部処理材の表面に導電層を設ければ、上記接続用開口部を上記接続口に嵌めることにより、その導電層が導電部に接することにより電気的に接続されるので便利である。
【0020】
なお、その端部処理材の導電層と上記内コア材の導電性を有する部材とは、周知の手法により電気的に接続することができるが、例えば、前記端部処理材を導電層とともに上記開口部内周面側に折り返し、その折り返し部を介して電気的に接続されるようにすれば、導電部の折り返した部分と内コア材とが直接接触するので、両者を簡単に導通させることができる。
また、端部処理材の導電層と上記内コア材の導電性を有する部材とを導電性を有する貫通ピンで貫通し、その貫通ピンを介して、前記内コア材と前記導電部とを電気的に接続するようにしてもよい。このようにすれば、フィルムやシート類を他の資材等に固定する際に使用する一般的な貫通ピンを通じて、両者を電気的に接続させることができるので、作業が簡単である。
【0021】
さらに、上記内コア材が、樹脂製のフィルムとそのフィルムを屈曲自在に支持するコイル状の導電性芯材とからなる場合において、前記芯材の端部を開口部の外側に引き出して、その引き出した端部を導電層に電気的に接続してもよい。
このようにすれば、端部処理材と内コア材とを電気的に接続するために、その内コア材自体を構成する芯材を利用することができるので、その加工が容易であるとともに、電気伝導性のないフィルムを内コア材に用いている場合には、電気伝導性を有する芯材を接地させるには有効な手段となり得る。
【実施例1】
【0022】
実施例1を図1及び図2に基づいて説明する。この実施例1の気体搬送用ダクトの接続構造は、気体搬送用ダクトとしてフレキシブルダクト10を使用し、空調機Aから、フレキシブルダクト10を介して中間ファン11、分岐ボックス12を設け、その分岐ボックス12に複数のフレキシブルダクト10を接続してその末端の制気口14から各居室へ向けて空調空気を吹き出すようにした空気調和システムに使用されるものである。
なお、空調機Aから中間ファン11、分岐ボックス12に至るダクトなど、すべてのダクトがフレキシブルダクト10であることに限定されるものではなく、必要な部分のみをフレキシブルダクト10としてもよい。
【0023】
そのフレキシブルダクト10の構成は、図1に示すように、内コア材4の外側にグラスウール等からなる保温材3が全周に亘って設けられており、その保温材3の外側は外部被覆材2によって覆われている。
内コア材4は、PETフィルム4aに、そのフィルム4aを屈曲自在に支持するコイル状の金属製芯材4bが取り付けられたものであり、そのPETフィルム4aは、内側にアルミ蒸着がなされて、前記金属製芯材4bとともに導電性を有する部材となっている。
なお、この実施例1では、上記内コア材の外側を保温材3で覆っているが、その態様はこの例には限定されず、保温材3に加えて断熱材を使用していてもよいし、あるいは保温材又は断熱材のいずれかで覆って形成されていてもよい。
【0024】
そのフレキシブルダクト10の端部には、空気調和システム機器への接続用の開口部1が設けられており、その開口部1の端面及び内外周面は、図1に示すように、絶縁性を有するテープ等の端部処理材5によって断面コ字状に被覆され保護されている。
【0025】
この開口部1の内側に、空調機A、中間ファン11、分岐ボックス12等、空気調和システムを構成する機器の接続口9(空気の流出口又は流入口に相当)が嵌められて、空調機Aから供給される空気がそのフレキシブルダクト10内に供給可能となり、空気が居室に供給される。上記気体供給システム機器は、アース電位に接続されており、そのアース機能は、前記接続口9が導電体で形成されているので、その接続口9の外周面全域がアース機能を有する導電部9aとなっている。
【0026】
開口部1に嵌められた接続口9は、前記開口部1内側の前記端部処理材5による被覆部分に嵌められるようになっており、その接続口9を開口部1へ嵌める深さは、前記被覆部分よりも浅いものとなっている。
このため、その接続口9の導電部(外周面)9aは、内コア材4には接触しておらず、本実施例1では、図示するアース線6を介して、内コア材4と接続口9とを電気的に接続している。
【0027】
アース線6は、前記内コア材4の導電性を有する内側面、すなわちアルミ蒸着部分に電気的に接続されて、その接続部分から延びて、上記端部処理材5と上記開口部1の内周面、端面及び外周面との間を通り、その端部処理材5の外側縁端から引き出される。その引き出されたアース線6の端部は、開口部1の外側において、接続口9に接点7を介して電気的に接続されている。
【0028】
このアース線6は、前記内コア材4の導電性を有する部分、すなわち、上記のように内コア材4のアルミ蒸着部分に電気的に接続してもよいが、そのアルミ蒸着部分と芯材4bとが導通している場合には、芯材4bに接続してもよい。
なお、フィルム4aが導電性を有しない素材である場合には、芯材4bに接続することが望ましい。導体を接地すれば、帯電防止効果が高まるからである。
【0029】
また、空気イオンは、プラスイオンとマイナスイオンの2種類があり、お互いが衝突すると電荷が中和されることになるので、さらに空気イオン搬送能力を向上させるためには、ダクト内面を平滑にして、空気の流れを円滑にすることで衝突する確率を減らし、空気イオンの減少を減らすことができる。
【0030】
その平滑化の手法としては、コイル状の芯材4bのピッチを適切なものにする手段が有効である。芯材4bのピッチを広げれば、内コア材4の内面は平滑なものに近づくが、フレキシブルダクト10の場合には、そのダクトを屈曲させた状態で配設することから、その曲げた状態における内面の平滑さも考慮して、上記適切なピッチが決定されるべきである。
【0031】
例えば、口径(内径)100φのフレキシブルダクト10において、その芯材4bを構成する鋼線(鋼板)等のピッチを15mm〜75mmとすれば実験により良好な結果が得られている。
口径(内径)75φのフレキシブルダクト10において、その芯材4bを構成する鋼線(鋼板)等のピッチを10mm〜60mmとすれば実験により良好な結果が得られている。
また、口径(内径)50φのフレキシブルダクト10において、その芯材4bを構成する鋼線(鋼板)等のピッチを5mm〜45mmとすれば実験により良好な結果が得られている。
【実施例2】
【0032】
実施例2を図3(a)に示す。この実施例2の気体搬送用ダクトの接続構造は、上記実施例1に示すフレキシブルダクト10の絶縁材からなる端部処理材5の表面側に、図3(a)に示す導電性を有するフィルム又はシートを取り付けて導電層5aとしたものである。
なお、この導電層5aの形成方法は、例えば、端部処理材5の表面に導電性を有するテープを貼り付けて形成しても良いし、その他、導電性を有する被膜を形成する手法、例えば、金属蒸着処理等により形成してもよい。
この導電層5aは、端部処理材5に沿って上記開口部1の内側に至り、その開口部1に嵌めた接続口9の導電部(外周面)9aに接触するようになっている。
【0033】
その内コア材4と導電層5aとを開口部1の表裏方向に貫通する貫通ピン8を設け、この貫通ピン8が、図示する接点8a,8bにおいて、それぞれ内コア材4と前記導電層5aに接触し、その貫通ピン8を介して、前記内コア材4と前記導電層5aとを電気的に接続する。
【0034】
上記構成により、開口部1に接続口9を嵌めると、その接続口9の導電部9aが前記導電層5aに接触して導通する。また、その導電層5aは、貫通ピン8を介して内コア材4に導通している。すなわち、この導電層5aがアース線6として機能して、内コア材4の導電性を有する部材、すなわち、内コア材4のフィルム4aのアルミ蒸着部分あるいは芯材4bが、上記接続口9の導電部9aのアース電位に接続される。
なお、この実施例2は、前記内コア材4のフィルム4aが、上述のようにアルミ蒸着等施された電気伝導性のあるものである場合に適用可能である。
【実施例3】
【0035】
実施例3を図3(b)に示す。この実施例3の気体搬送用ダクトの接続構造は、上記実施例2に示す導電層5aと内コア材4とを電気的に接続する貫通ピン8に代えて、上記端部処理材5の内側端縁を、導電層5aとともに開口部1内周面側に折り返して取り付け、その導電層5aの折り返し部を介して、上記内コア材4と前記導電層5aとを電気的に接続したものである。
なお、この折り返し位置は、図3(b)に示すように開口部1内の端縁であっても、それ以外の位置、例えば、前記開口部1の端縁と端部処理材5の端縁との間において、任意の位置であってもよい。
【0036】
端部処理材5を開口部1に取り付ける際に、既に導電層5aと内コア部4とは折り返し部を介して電気的に接続された状態となっているので、その開口部1の内側に接続口9を嵌めれば、簡単に内コア材4は接続口9に導通し接地される。すなわち、実施例2と同じく、この導電層5aがアース線6として機能して、内コア材4の導電性を有する部材、すなわち、内コア材4のフィルム4aのアルミ蒸着部分あるいは芯材4bが、上記接続口9の導電部9aのアース電位に接続される。
なお、この実施例3も、前記内コア材4のフィルム4aが、上述のようにアルミ蒸着等施された電気伝導性のあるものである場合に適用可能である。
【実施例4】
【0037】
実施例4を図3(c)に示す。この実施例4の気体搬送用ダクトの接続構造は、上記実施例2に示すフレキシブルダクト10の導電層5aと内コア材4とを電気的に接続する貫通ピン8に代えて、その内コア材4を構成する金属製の芯材4bの端部4cを開口部1の外側に引き出して、接点4dにおいて、前記導電部5aに電気的に接続したものである。
【実施例5】
【0038】
実施例5を図4に示す。この実施例5の気体搬送用ダクトの設置構造は、上記接続口9の導電部9aを介さずに、フレキシブルダクト10と、上記接続口9以外のアース機能を有する部位とを直接アース線6を介して接続したものである。アース線6の接続部位は、一方は、フレキシブルダクト10の導電性を有する部材、又はフレキシブルダクト10と電気的に接続されている部材、他方は、図示する壁面や、あるいは地面等のアース機能を有する部分とすればよい。このようにすれば、機器の接続口が導電性を有しない樹脂製であった場合や、その接続口が導電性を有していてもアース機能を有していない場合、あるいは接続口の導電性及びアース機能が切断される恐れがある場合にも対応できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】一実施例の切断正面図
【図2】空気調和システムの構成を示す説明図
【図3】(a)(b)(c)は、それぞれ他の実施例を示す切断正面図
【図4】他の実施例を示す切断正面図
【図5】従来例の切断正面図
【符号の説明】
【0040】
1 開口部
2 外部被覆材
3 保温材
4 内コア材
4a フィルム
4b 芯材
4c 端部
4d 接点
5 端部処理材
6 アース線
7,8a,8b 接点
8 貫通ピン
9 接続口
10 ダクト
11 中間ファン
12 分岐ボックス
14 制気口
A 空調機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気イオン発生機能を有する気体供給システムに使用され、導電性を有する部材を備えた気体搬送用ダクト10の設置構造において、
上記気体搬送用ダクト10の導電性を有する部材をアース電位に接続したことを特徴とする気体搬送用ダクトの設置構造。
【請求項2】
空気イオン発生機能を有する気体供給システム機器と、導電性を有する部材を備えた気体搬送用ダクト10との接続構造において、
上記気体供給システム機器にアース機能を設け、上記気体供給システム機器に接続される上記気体搬送用ダクト10の導電性を有する部材を、上記気体供給システム機器のアース電位に接続したことを特徴とする気体搬送用ダクトの接続構造。
【請求項3】
上記気体供給システムは、空気イオン発生装置を備えた空気調和システムであることを特徴とする請求項2に記載の気体搬送用ダクトの接続構造。
【請求項4】
上記気体供給システム機器に接続口9を設け、上記気体搬送用ダクト10の接続用開口部1を前記接続口9に嵌めて前記気体搬送用ダクト10内に気体を供給可能とし、上記気体供給システム機器のアース機能はその接続口9の導電部9aに設けられて、前記気体搬送用ダクト10の上記導電性を有する部材を前記導電部9aのアース電位に接続したことを特徴とする請求項2又は3に記載の気体搬送用ダクトの接続構造。
【請求項5】
上記気体搬送用ダクト10の上記導電性を有する部材は、その気体搬送用ダクト10の接続用開口部1を上記接続口9に嵌めることにより上記導電部9aに接してアース電位に接続されることを特徴とする請求項4に記載の気体搬送用ダクトの接続構造。
【請求項6】
上記気体搬送用ダクト10は、導電性を有する部材を備えた内コア材4の外側を保温材及び/又は断熱材で覆って形成され、上記導電部9aは、上記接続口9の外周に設けられて、前記ダクト10の接続用開口部1を前記接続口9の外周に嵌めることにより、前記内コア材4の導電性を有する部材が前記導電部9aに接することを特徴とする請求項5に記載の気体搬送用ダクトの接続構造。
【請求項7】
上記気体搬送用ダクト10は、導電性を有する部材を備えた内コア材4の外側を保温材及び/又は断熱材で覆って形成され、上記接続用開口部1の端面及び内外周面は導電性を有する端部処理材5によって被覆されて、その端部処理材5が前記内コア材4の導電性を有する部材に接するようになっており、
上記接続用開口部1を上記接続口9に嵌めることにより上記端部処理材5が上記導電部9aに接して、上記内コア材4の導電性を有する部材は、その端部処理材5を介してアース電位に接続されることを特徴とする請求項4に記載の気体搬送用ダクトの接続構造。
【請求項8】
上記気体搬送用ダクト10は、導電性を有する部材を備えた内コア材4の外側を保温材及び/又は断熱材で覆って形成され、上記接続用開口部1の端面及び内外周面は絶縁材からなる端部処理材5によって被覆されて、上記接続口9はその端部処理材5による被覆部分に嵌められるようになっており、
上記内コア材4の導電性を有する部材は、その導電性を有する部材から外側に引き出されたアース線6を介して上記導電部9aのアース電位に接続されることを特徴とする請求項4に記載の気体搬送用ダクトの接続構造。
【請求項9】
上記アース線6は、上記端部処理材5と上記開口部1の端面及び内外周面との間を通り、その端部処理材5の外側縁端から引き出されたことを特徴とする請求項8に記載の気体搬送用ダクトの接続構造。
【請求項10】
上記アース線6は、上記端部処理材5の表面に設けた導電層5aであり、上記接続用開口部1を上記接続口9に嵌めることにより上記導電層5aが上記導電部9aに接するようになっており、
上記端部処理材5の導電層5aと上記内コア材4の導電性を有する部材とは、前記端部処理材5を導電層5aとともに上記開口部1内周面側に折り返した折り返し部を介して電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載の気体搬送用ダクトの接続構造。
【請求項11】
上記アース線6は、上記端部処理材5の表面に設けた導電層5aであり、上記接続用開口部1を上記接続口9に嵌めることにより上記導電層5aが上記導電部9aに接するようになっており、
上記端部処理材5の導電層5aと上記内コア材4の導電性を有する部材とは、上記内コア材4と上記導電部5aとを貫通する導電性を有する貫通ピン8を介して電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載の気体搬送用ダクトの接続構造。
【請求項12】
上記アース線6は、上記端部処理材5の表面に設けた導電層5aであり、上記接続用開口部1を上記接続口9に嵌めることにより上記導電層5aが上記導電部9aに接するようになっており、
上記内コア材4は、樹脂製のフィルム4aとそのフィルム4aを屈曲自在に支持するコイル状の導電性芯材4bとからなり、前記芯材4bの端部を開口部1の外側に引き出して前記導電層5aに電気的に接続したことを特徴とする請求項8に記載の気体搬送用ダクトの接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−349289(P2006−349289A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178067(P2005−178067)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】