説明

気体流から液体を分離するプレート形分離器

横方向に流入する気体流から液体、特に霧状オイル、を分離するプレート形分離器が、気体流の流れの方向を横切って平行に並んで配置された複数の分離用形材を有し、複数の分離用形材の各々が、凹面側が互いに側方にずれた状態で反対向きに配置された2つの湾曲した方向変換面を形成し、この方向変換面に沿って浄化すべき気体流が順次流れ、その場合に方向変換面が、それらの間に流入間隙と流出間隙とを有する旋回チャンバを画成し、かつ方向変換面が突出部内の縦方向端縁で終端しており、突出部は、方向変換面を越えて突出して縦方向端縁に沿って延びている、プレート形分離器において、浄化すべき気体流からの粒子の分離をさらに改良するために、突出部の少なくとも1つが、方向変換面に対してほぼ横方向にこの方向変換面から張り出すほぼ平坦な第1外側表面と、第1外側表面に鋭角をなして隣接するほぼ平坦な第2外側表面とを有しているので、少なくとも1つの突出部が、方向変換面に沿って流れる気体流内へ突出する鋭いエッジを形成することが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横方向に流入する気体流から液体、特に霧状オイルを分離する複数の分離用形材を有するプレート形分離器に関するものであって、前記複数の分離用形材の各々が2つの湾曲した方向変換面を形成し、前記2つの湾曲した方向変換面は、凹面側が互いに側方にずれた状態で、反対向きに配置されており、その方向変換面に沿って浄化すべき気体流が順次流れ、その場合に方向変換面は、それらの間に流入間隙と流出間隙とを有する旋回チャンバを画成し、かつそれらの縦方向端縁が、方向変換面を越えて突出して縦方向端縁に沿って延びる突出部内で終端している。
【背景技術】
【0002】
この種の分離器は、例えば独国特許出願公開第4131988号明細書に記載されている。然るべく湾曲した方向変換面を備えた個々の分離用形材から構成される、この種のプレート形分離器によって、気体流から液滴と他の浮遊粒子の極めて良好な分離が達成できることが明らかにされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この従来技術に基づいて、本発明の課題は、この種の分離器の分離特性をさらに改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
冒頭で説明した種類の分離器において、この課題は本発明により、浄化すべき気体流からの粒子の分離をさらに改良するために、突出部の少なくとも1つが、方向変換面に対してほぼ横方向にこの方向変換面から張り出すほぼ平坦な第1外側表面と、前記第1外側表面に鋭角をなして隣接するほぼ平坦な第2外側表面とを有しているので、前記少なくとも1つの突出部が、方向変換面に沿って流れる気体流内へ突出する鋭いエッジを形成することによって、解決される。
【0005】
従来技術において知られているような、ビード状の突出部を、鋭角を形成する2つの平坦な、互いに隣接する外側表面を有する突出部に代えることが、分離特性の著しい改良をもたらすことが、明らかにされている。
【0006】
第1外側表面が方向変換面に対してほぼ横方向にこの方向変換面から発出していると言う場合に、それは、第1外側表面と方向変換面が互いに対して垂直をなす配置であると考えられるが、第1の外画面が少なくとも1つの突出部に隣接する方向変換面から60°と120°の間の角度で発出している配置であることも考えられる。重要なことは、方向変換面の端部において、第1外側表面が、気体流内へ突出する、鋭いエッジで終わる衝突面を形成することと、それに第2外側表面が隣接し、前記第2外側表面が、少なくとも1つの突出部に隣接する方向変換面に対してほぼ平行に延びていることである。
【0007】
少なくとも1つの突出部の第1外側表面と第2外側表面との間の鋭角の大きさは、30°と60°の間、好ましくは約45°の範囲内にある。
【0008】
本発明の好ましい展開によれば、少なくとも1つの突出部は、分離用形材の、方向変換面の反対側の外面に、方向変換面に対してほぼ横に外方へ張り出すほぼ平坦な第3外側表面を有することができる。
【0009】
この第3外側表面も、前記外面から60°と120°の間の角度で、好ましくは90°の大きさで発出している。
【0010】
分離用形材の外面の、縦方向端縁に隣接する領域が、分離用形材の方向変換面に対してほぼ平行に延びているなら、即ち分離用形材が湾曲したプレートの形状を有し、その内側が方向変換面を形成するなら、効果的である。
【0011】
第1外側表面と第3外側表面が1つの平面内に位置している形態が特に効果的である。
【0012】
他の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの突出部の第2外側表面に、ほぼ平坦な第4外側表面が隣接し、それが第2外側表面に対してほぼ横方向に延びている。
【0013】
その場合に、「横方向に延びる」という表現は、正確に垂直の配置と考えられるが、第2外側表面と第4外側表面との間の角度の大きさが、75°と105°の間にあってもよい。
【0014】
その場合に、第2外側表面と第4外側表面との間のエッジが、少なくとも1つの突出部を越えて方向変換面の仮想延長上に実質的に配置されていると効果的である。
【0015】
それによって分離用形材が先端で終端し、流れ方向における前記先端の上流に突出部が配置される。
【0016】
特に、少なくとも1つの突出部が、三角形の横断面を有し、その底辺が第1外側表面と第3外側表面によって形成され、他の辺が第2外側表面と第4外側表面によって形成されるようにすることができる。従って、突出部を有する分離用形材は矢印形の横断面を獲得する。
【0017】
上述した種類の突出部は、分離用形材の少なくとも1つの縦方向端縁に配置することができるが、この種の突出部が分離用形材の全ての縦方向端縁に配置されているなら、即ち全ての分離用形材の自由端縁が、特に、分離用形材の長さ全体にわたって帯状に延びる矢印形の突出部内で終端していると、特に効果的である。
【0018】
好ましい実施形態において、分離用形材は、互いに対して鏡像状に配置された2つの方向変換面を有しており、その方向変換面の外面が互いに向き合っている。
【0019】
その場合に、互いに対して鏡像状に配置された2つの方向変換面を有する分離用形材が、それぞれ180°回転されて、側方向および流れ方向において互いに対してずれて配置されていると特に効果的である。その場合に、完全に構造の等しい分離用形材を有するプレート形分離要素を構築することができ、それらの分離用形材は、その方向付けにより、かつその位置決めによって、それぞれ隣接する分離用形材と共に、方向変換面によって包囲される旋回チャンバを形成する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態についての以下の記述は、図面と関連して詳細に説明するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】個々の分離用形材から構成されるプレート形分離要素を有する、ポンプを備えた液体分離器を示す斜視図である。
【図2】分離用形材によって形成される方向変換面の自由端縁に断面が三角形の突出部を有する、互いに並んで配置された複数の分離用形材の一部を示す上面図である。
【図3】図2による並んで配置された複数の分離用形材と、複数の分離用形材の間に生じる流路の表示とを有する、図2と同様の上面図である。
【図4】矢印形の突出部の領域内の流路の付加的な記載を有する、図2と同様の上面図である。
【図5】分離要素を貫流する際に生じる流路のさらなる表示を有する、図2と同様の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に示す分離要素1は、図には示されない駆動装置によって垂直の軸線を中心に回転可能な、タービン羽根3を備えた円板形のタービン羽根車2を有し、そのタービン羽根車2が、回転によって中央の開口部4を通して吸い込まれた気体を方向変換して半径方向外側へ送る。タービン羽根車2は、ケージ5内に配置されており、前記ケージ5が給送される気体を透過する側壁を有しており、この側壁がプレート形分離器6を形成し、その分離器6が、タービン羽根車2によって給送される気体流のための流路を準備し、その流路に沿って気体流が方向変換され、それによって同伴液体粒子と他の浮遊粒子を失うので、外側へ向かって分離器6を出て行く気体流が浄化される。
【0023】
タービン羽根車2をほぼ垂直に包囲するプレート形分離器6は、並んで配置されかつ互いに平行に延びる複数の分離用形材7から構成され、前記複数の分離用形材7は、間隔をあけて並んで配置されており、それらの間に気体流のための流路を形成している。
【0024】
図3の表示から明らかなように、図示の実施例において、使用される全ての分離用形材7は、横断面において等しく形成されており、それは、押出し形材であって、その縦方向に変化しない横断面を有し、かつその縦軸線を互いに平行にして分離器6内に配置されている。
【0025】
各分離用形材7は、垂直の中心平面(図3において一点鎖線で記入されている)に対して鏡映対称に形成されており、各側にシェル形状の方向変換部分8、9を有しており、前記方向変換部分8、9の凹状の内側面が方向変換面10を形成し、凸状の外面11は、この方向変換面10に対してほぼ平行に延びている。2つの方向変部分8、9は、ブリッジ12を介して、方向変換面10が互いに離れる側を向くように互いに結合されている。方向変換面10の曲率は、分離用形材7の縦方向に対して横に延びる平面内で、連続的に変化し、すなわち方向変換面10の一方の端から反対側の端へ向かって連続的に増大している。
【0026】
ブリッジの領域内で、2つの方向変換部分8、9の外面11が、アーチ状の輪郭13、14を介して互いに合流しており、従って全体として、2本の短いアーム15、16と2本の長いアーム17、18とを有する分離用形材7のほぼX形状の横断面が生じる。
【0027】
方向変換部分8、9は、その自由端に沿って突出部19を有しており、前記突出部19は、それぞれ分離用形材7の全長にわたって延び、かつこの長さにわたって一定の横断面を有し、かつ横断面において三角形状であり、その突出部は、方向変換面10から内側へ向かって突出する第1外側表面20、それと鋭角を形成する第2外側表面21、第1外側表面20を有する平面内に位置し、方向変換部分の外面11から外方へ張り出す平坦な第3外側表面22、および第3外側表面22と鋭角を形成し且つ第2外側表面21とはほぼ直角を形成する平坦な第4外側表面23によって、側方に境界をつけられている。第1外側表面20と第2外側表面21は、それらの間に鋭いエッジ24を形成し、第3外側表面22と第4外側表面23は、それらの間に鋭い外エッジ25を形成し、第2外側表面21と第4外側表面23は、鋭いエッジ25aに沿って出合う。
【0028】
従って全体として、方向変換部分と、方向変換部分の端部に隣接する横断面が三角形状の突出部19とが矢印形の断面形状を有し、その場合にこの矢印の尖端は方向変換面10のほぼ仮想延長上に位置するエッジ25aによって表される。
【0029】
この種の突出部19は、分離用形材7の全ての端に配置されており、エッジ25aによって形成される矢印尖端は、各場合においてそれぞれの方向変換面10から離れる方向を向いている。
【0030】
方向変換面10に対しての横方向の、第1外側表面20と第3外側表面22の長さは、方向変換部分の厚みの、従って方向変換面10と外面11との間の間隔の約1から3倍であって、第1外側表面20と第3外側表面22が位置する平面は方向変換面10に対して、短いアーム15、16において示されるように、ほぼ垂直に延びるか、あるいは長いアーム17、18において示されるように60°と120°の間の角度で延びる。
【0031】
等しく構築された分離用形材7は、次のように互い並んで配置されている、すなわち隣接し合う分離用形材7がそれぞれその縦軸線を中心として180°回転され、そして、隣接し合う形材7がプレート形分離器6の延長に対して互いに横方向にずれて、隣接し合う分離用形材7のブリッジ12が実質的に互いに並んで位置するように、配置されている。それによって、隣接し合う分離用形材7の短いアーム15、16はそれぞれ、隣接する分離用形材7の方向変換面10の2つの外側の端縁の間のほぼ中央で終端し、隣接し合う分離用形材7のそれぞれ互いに対向する短いアーム15、16が、流入間隙27と流出間隙28とを有する旋回チャンバ26を包囲している。その場合に、流入間隙27は、一方の分離用形材7の短いアーム16の外面と、隣接する分離用形材7の長いアーム18の方向変換面10とによって形成されるのに対して、流出間隙28は、長いアーム18の方向変換面10と、それぞれの他方の分離用形材7の短いアーム16の外面11とによって形成される。
【0032】
方向変換面10の曲率は流入間隙27の方向で増大し、すなわち曲率は旋回チャンバ26の領域内で最大であり、逆に流出間隙28の領域においては、方向変換面の曲率は、旋回チャンバ26から流れ方向に減少する。
【0033】
1つおきの分離用形材7の長いアーム17、18の端部は、互いに対向しているので、長いアーム17、18の、突出部19によって形成される断面が矢印形の終端は、互いに向き合うように方向付けされ、それらの間に流入開口部29が形成され、そして分離器6の反対側に流出開口部30が形成される。
【0034】
それぞれ180°回転されて、互いに隣接して配置されている、同じ種類の分離用形材7を有する対称構造の効力によって、分離用形材7によって構築される分離器6は、両側から流入することができ、その場合に流れの状況は同一である。図に示す実施例においては、下から上を向いた矢印Aの方向に流入が行われるものと仮定される。その場合に分離器6へ向けられた気体は、まず、流入開口部29を通って流れ、そこで2つの部分流に分割されて、それらの部分流が左と右へ通じる2つの流入間隙27を通って2つの旋回チャンバ26内へ流入する。この旋回チャンバ26から、気体が流出間隙28を通って再び流出し、流出開口部30を通って分離器6を出て行く1つの気体流に合体する。
【0035】
その場合に、気体は、旋回チャンバ26を出る際に、図2の流れ矢印Bによって示されるように方向変換面10に沿って流れる。
【0036】
この領域内では流れは、ほぼ層状であるが、流出間隙28内へ突出する、突出部19の第1外側表面20と第2外側表面21とによって形成される鋭いエッジを有する帯状部によって妨げられ、その帯状部によって、図2の矢印Cによって示されるように、気体流の方向変換面10に直ぐ隣接する部分が鋭く内側へ方向変換される。流れのこの鋭い方向変換が、いわゆる流れの壁をもたらし、その流れの壁は、ほぼ第1外側表面20の方向に方向付けされており、気体流の、方向変換面10からずっと内側へ離れた部分と衝突する。この衝突が強化された分離と小さい粒子の強化された凝集とをもたらす。
【0037】
流れの同様な衝突が、流出開口部30の領域において、図2に流れ矢印Dによって示されるように、互いに対向する突出部19の収斂する第2外側表面21によって生じる。流出開口部30における空気流の全体は、収斂する2つの外側表面21によって唯一の衝突点31へ案内され、それが極めて強力な凝集効果と分離効果とをもたらす。
【0038】
同様な衝突効果が、図3の表示から明らかなように、流入開口部29の領域内でも発生する。流れ方向に収斂する、突出部19の第4外側表面23によって、気体流が集中して、衝突点32へ案内されるので、この領域内で同様に強化された分離と凝集とが生じる。
【0039】
さらに、突出部19の特殊な形状付与によって、いわゆるミニサイクロン、従って小面積の渦33が形成され、その渦は、流れが突出部19の第2外側表面21または第4外側表面23に対してほぼ平行にこの外側表面を通過するように案内される場合に、それぞれ下流に位置する突出部19の鋭いエッジに接してその後ろに形成されることが明らかにされている。図3において、全ての突出部19に、この種の渦33が図式的に示されており、この渦33を発生させる流れであって、第2外側表面21と第4外側表面23に対してほぼ平行に延びる流れが矢印Eで記入されている。この渦の発生は、第2外側表面と第4外側表面に沿って案内される流れの剥離と引きちぎりによって行われる。というのは、この種の流れは、下流に位置する突出部のエッジによって生じる鋭い方向変換に追従できないからである。これが、下流に位置する第2外側表面21と第4外側表面23の端部に大きい負圧のゾーンをもたらし、流れを、小さい渦33を有するサイクロン流とし、その渦自体が、気体流内に混入された粒子の分離と凝集を促進する。
【0040】
さらに、上述した突出部19の形状は、気体流内に混入された粒子の凝集と分離を促進するだけでなく、前記凝集と分離によって堆積した粒子の搬出も支援することが明らかにされている。気体流を浄化するために、混入している粒子が凝集して分離されることが重要であるだけでなく、その粒子が、再び気体流によって引きさらわれずに、分離用形材7に沿って下方へ流出することができ、従って全て気体流から分離されることも重要である。突出部19の鋭いエッジは、一度壁に堆積した滴がエッジを越えて引きさらわれることを防止するが、ビード状の突出部の場合には、それが生じることがあって、分離された滴がビード表面に沿って気体流によって引きさらわれる。方向変換面10と、方向変換面10から及び外面11からも張り出す突出部の外側表面との間の鋭角部によって、そこに堆積した滴が残留して重力の作用を受けて下方へ流出することが保証される。図4にはそのように分離された滴34が示されており、前記滴34は、方向変換面10と突出部19の外側表面との間の角度内に、及び外面11と突出部19の外側表面との間の角度内に集まり、そこで図4に符号Fで示される流れによって引きさらわれることがない。実際には、特有の堆積作用がこれらの角張った領域内で発生する、というのも第2外側表面21と第4外側表面23とにほぼ沿って走る符号Fを付された流れから、一部分が前記突出部の鋭いエッジによって分離させられ、この部分が図4において矢印Gで示されている。この部分は、分離された滴34を前記鋭角部内に維持し、前記鋭角部は分離用形材7の細長い形状のゆえに排水路として働く。これらの排水路では、より高い圧力が、気体流Gによって生み出されるとともに、分離された粒子が、頂部から底部にのみ移動することができるが空気流Fの方向に水平に移動しないことを保証する。
【0041】
図2を用いて説明するように、流出間隙28内に、突出部19の第1外側表面20によって、図2と図5に文字Cで示される、内側へ向けられた流れの壁が形成され、この流れの壁は、隣接する分離用形材7の短いアーム15、16の外面11において、流出開口部30の前に大きなサイクロン場35が生じるように方向変換され、このサイクロン場は、高い強度で回転して、同様に粒子分離のさらなる改良をもたらす。断面が三角形状の突出部19がこのサイクロン形成を支援する。というのも、前記突出部19が流出開口部30の前に位置するチャンバ36を画成し、従って阻止作用をもたらし、突出部19の第3外側表面22へ向けられた気体流が、この第3外側表面22で方向変換されて押し戻されるので、それに応じた気体部分自体が、サイクロン場35の形成を支援するからであって、それが図5に文字Hで示す流れ矢印によって明らかにされる。
【0042】
同様な効果は、2つの流入開口部29の間の領域内に流入する気体流によって生じる。この領域内では、外側へ湾曲した長いアーム17及び18の間に、同様な理由から大きいサイクロン場37が形成され、それが同様に、第3外側表面22によって方向変換される気体流部分に相当する、気体流成分(矢印K)によって支援される。
【0043】
流れの状況への上述した作用は、端部に配置されて、端部に沿って延びる突出部19の特殊な形状付与によって生じるので、この形状付与の効力によって、全体として分離器6の分離品質の極めて著しい改良を達成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に流入する気体流から液体、特に霧状オイル、を分離するプレート形分離器(6)であって、
前記気体流の流れの方向を横切って互いに平行に並んで配置された複数の分離用形材(7)を有し、
前記複数の分離用形材(7)の各々が、2つの湾曲した方向変換面(10)を形成し、
前記2つの湾曲した方向変換面(10)は、凹面側が互いに側方にずれた状態で、反対向きに配置されており、前記方向変換面に沿って浄化すべき気体流が順次流れ、その場合に前記方向変換面(10)が、それらの間に流入間隙(27)と流出間隙(28)とを有する旋回チャンバ(26)を画成し、かつ前記方向変換面が突出部(19)内の該方向変換面の縦方向端縁で終端しており、前記突出部(19)は前記方向変換面(10)を越えて突出して前記縦方向端縁に沿って延びている、プレート形分離器(6)において、
前記突出部(19)の少なくとも1つが、前記方向変換面(10)に対してほぼ横方向にこの方向変換面から張り出すほぼ平坦な第1外側表面(20)と、前記第1外側表面に鋭角をなして隣接するほぼ平坦な第2外側表面(21)とを有しているので、前記少なくとも1つの突出部(19)が、前記方向変換面(10)に沿って流れる気体流内へ突出する鋭いエッジ(24)を形成することを特徴とするプレート形分離器。
【請求項2】
前記第1外側表面(20)が、前記少なくとも1つの突出部(19)に隣接する前記方向変換面(10)から60°と120°の間の角度で発出していることを特徴とする請求項1に記載の分離器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの突出部(19)の前記第1外側表面(20)と前記第2外側表面(21)との間の鋭角の大きさが、30°と60°の間にあることを特徴とする請求項1または2に記載の分離器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの突出部(19)が、前記分離用形材(7)の前記方向変換面(10)の反対側の外面(11)において、前記方向変換面(10)に対してほぼ横に外方へ張り出すほぼ平坦な第3外側表面(22)を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の分離器。
【請求項5】
前記第3外側表面(22)が、前記分離用形材(7)の前記外面(11)から60°と120°の間の角度で発出していることを特徴とする請求項4に記載の分離器。
【請求項6】
前記分離用形材(7)の前記外面(11)の、前記縦方向端縁に隣接する領域が、前記分離用形材(7)の前記方向変換面(10)に対してほぼ平行に延びていることを特徴とする請求項5に記載の分離器。
【請求項7】
前記第1外側表面(20)と前記第3外側表面(22)が、1つの平面内に位置していることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の分離器。
【請求項8】
前記少なくとも1つの突出部(19)の前記第2外側表面(21)に、ほぼ平坦な第4外側表面(23)が隣接しており、前記第4外側表面(23)が前記第2外側表面(21)に対してほぼ横に延びていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の分離器。
【請求項9】
前記第2外側表面(21)と前記第4外側表面(23)との間の角度が、75°と105°の間にあることを特徴とする請求項8に記載の分離器。
【請求項10】
前記第2外側表面(21)と前記第4外側表面(23)との間のエッジ(25a)が、前記方向変換面(10)のほぼ仮想延長上で、前記少なくとも1つの突出部(19)を越えて配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の分離器。
【請求項11】
前記少なくとも1つの突出部(19)が、三角形状の横断面を有しており、その底辺が前記第1外側表面(20)と前記第3外側表面(22)とによって形成され、他の辺が前記第2外側表面(21)と前記第4外側表面(23)とによって形成されることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の分離器。
【請求項12】
前記方向変換面(10)の全ての前記縦方向端縁に、請求項1から11のいずれか一項の特徴を有する突出部(19)が形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の分離器。
【請求項13】
前記分離用形材(7)が、互いに対して鏡像状に配置された2つの方向変換面(10)を有しており、前記方向変換面の外面(11)が互いに向き合っていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の分離器。
【請求項14】
鏡像状に配置された2つの方向変換面(10)を有する分離用形材(7)が、それぞれ180°回転されて、側方および流入方向において互いに対してずれて配置されていることを特徴とする請求項13に記載の分離器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−512733(P2012−512733A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541323(P2011−541323)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066590
【国際公開番号】WO2010/069816
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(511148514)レンチュラー レフェン−リュフトゥンクスジュステーメ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【Fターム(参考)】