説明

気泡入り固型石鹸の製造方法

【課題】成形型に入れる液状石鹸の密度を調整し、製品質量の変動を低減する気泡入り固型石鹸の製造方法を提供する。
【解決手段】液状石鹸の配合槽、発泡機、供給槽、射出部、および供給安定化槽を備え、該供給槽、該射出部、および該供給安定化槽を循環管路が接続し循環ラインを形成し、射出部への供給箇所下流側の循環管路に循環ポンプを有する製造装置を用い、該配合槽から供給された液状石鹸を、該発泡機により発泡し、発泡させた液状石鹸を該供給槽に一旦貯蔵した後、該循環ラインを循環させながら、該循環ポンプの速度調整により液状石鹸の密度の調整を行い、該射出部を通じて成形型に充填して成形する気泡入り固型石鹸の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無数の気泡を含有する液状石鹸から気泡入り固型石鹸を製造する方法に関し、更に詳しくは気泡がよく分散された気泡入り固型石鹸の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気泡入り石鹸の製造方法としては、従来、無数の気泡を含有する液状石鹸(ニート)を成形型のキャビティ内で固化させるに際して、キャビティ内に外部から空気が入り込むことを阻止し、固化された石鹸には空洞や凹みの発生を防止するため気密状に密閉されたキャビティ内で行われている。この方法では、得られた石鹸が、気泡が不均一に分散した状態となり、使用時の泡立ちが低下してしまう原因ともなりうる。そこで、気泡と液体分とが一部分層した状態のまま液状石鹸がキャビティ内に注入され、このような気泡の不均一な分散を生ずることを防ぐため、液状石鹸の供給槽を経由する循環路を設けて、液状石鹸を、循環路内を循環させながら供給部を通じて成形装置へ供給することが行われている(特許文献1〜2参照)。
【0003】
一方、気泡と液体分の分層していない場合にも、気泡の状態(特に気泡量)の変動に伴い、固化された石鹸の質量が変動することが考えられる。これに対し、特許文献1〜2に記載の方法では、供給槽の液面高の変動、及び循環中の液状石鹸の密度をそれぞれ測定し、測定値を電気信号に変換して演算部へと送り、演算結果を電気信号に変換してサーボモータを制御してピストンの移動距離を決定することでされる石鹸における質量変動の低下が図られていた。しかし、これら方法では、ピストンの制御に複雑な機構が必要であり、また、液状石鹸の密度自体を調整することはでず、さらなる改善が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3636314号公報
【特許文献2】特許第3636315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、成形型に入れる液状石鹸(ニート)の密度(見かけ比重)を調整し、製品質量の変動を低減する気泡入り固型石鹸の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液状石鹸の配合槽、発泡機、供給槽、射出部、および供給安定化槽を備え、該供給槽、該射出部、および該供給安定化槽を循環管路が接続し循環ラインを形成し、射出部への供給箇所下流側の循環管路に循環ポンプを有する製造装置を用い、該配合槽から供給された液状石鹸を、該発泡機により発泡し、発泡させた液状石鹸を該供給槽に一旦貯蔵した後、該循環ラインを循環させながら、該循環ポンプの速度調整により液状石鹸の密度の調整を行い、該射出部を通じて成形型に充填して成形する気泡入り固型石鹸の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、循環ラインの循環ポンプの上流の液圧を変化させ、結果、成形型に充填させる液状石鹸の密度を変えることができ、そのため、気泡入り固型石鹸製品の質量の安定化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の製造方法の第1の好ましい実施形態に用いられる装置を示す模式図である。
【図2】循環ポンプ手前の圧力と液状石鹸密度の変化の1例を示すグラフである。
【図3】本発明の製造方法の第1の好ましい実施形態に用いられる装置における射出部を示す模式図である。
【図4】本発明の製造方法の第1の好ましい実施形態に用いられる装置における成形部を示す模式図である。
【図5】本発明の製造方法の第2の好ましい実施形態に用いられる装置における循環部を示す模式図である。
【図6】本発明の製造方法の第3の好ましい実施形態に用いられる装置における循環部を示す模式図である。
【図7】本発明の製造方法の第3の好ましい実施形態に用いられる装置における射出部および成形部を示す説明図である。
【図8】本発明の製造方法の第3の好ましい実施形態に用いられる装置における成形型を示す概略斜視図である。
【図9】本発明の製造方法の第3の好ましい実施形態に用いられる装置における液状石鹸の射出時の状態を示す説明図である。
【図10】本発明の製造方法の第3の好ましい実施形態に用いられる装置における射出部および成形部を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の、気泡入り固型石鹸(以下、単に「気泡入り石鹸」ということがある)の製造方法の第1の好ましい実施形態に用いられる装置を示す模式図である。本発明の発泡入り石鹸の製造方法には、図示されるような、配合槽1、発泡機2、供給槽3、射出部4、供給安定化槽5、および循環ポンプ6を備えた製造装置が用いられる。
【0010】
配合槽1は撹拌機11を備えた公知のものを用いることができる。この配合槽1において調製される液状石鹸(ニート)には、脂肪酸石鹸、非イオン系界面活性剤、無機塩、ポリオール類、非石鹸系のアニオン界面活性剤、遊離脂肪酸、水等が適宜配合され、それ以外に、抗菌剤、顔料、染料、油剤、植物エキス等の添加物が適宜添加される。
【0011】
上記石鹸組成物からなる液状石鹸の温度は、液状で取り扱いできるように融点以上の温度で保たれる。液状石鹸の温度は、粘度上昇により流動性が失われてエアレーション時の発熱が大きくなって品質劣化が生じるのを防止する上で、50℃以上に保たれるのが望ましい。
【0012】
配合槽1で調製された液状石鹸は、ポンプ12により発泡機2に供給される。この際、気体源13から、流量制御弁14により適当な流量に調節された気体が、液状石鹸と共に発泡機2に供給される。
【0013】
発泡機2においてエアレーション処理を行うことで、液状石鹸に気泡を含有させる。そのエアレーション処理用の気体としては、空気、窒素等の不活性ガスをはじめ、適宜選択して用いることができる。その気泡の容積分率としては、液状石鹸の固化速度、硬さ、あるいは溶けやすさ等を考慮すると、好ましくは液状石鹸全容積に対し10%以上、より好ましくは30%以上である。また、得られる気泡入り石鹸の強度の観点から、その気泡の容積分率は液状石鹸全容積に対し80%以下であるのが好ましい。
【0014】
その発泡機2としては公知のものを用いることができる。例えば、液状石鹸と気体とが送り込まれるステーター内で回転駆動されるローターを有するものを用いることができ、(株)荏原製作所製のユーロミックス、(株)愛工舎製作所製のターボミックス、田中食品機械(株)製のホイップマスター等を挙げることができる。この場合、そのローターで与える単位処理量当たりのエネルギーは特に限定されないが、300kPa(ローターの単位時間当たりの仕事量を、ローターを通過する単位時間当たりの流量で除した値)以上の条件下でエアレーション処理するのが好ましい。これは、そのローターが与えるエネルギーを300kPa以上とすることで、エアレーション処理により大きな剪断歪みエネルギーを与え、気泡を充分に細分化し、液状石鹸の固化前に気泡の合一や上昇が発生するのを防止し、気泡を均一に分散させることができ、得られた気泡入り石鹸の性状を、ふやけにくく、溶けにくいものとできる。
【0015】
該配合槽1から供給された液状石鹸は、発泡機2によって発泡させた後、供給槽3に一旦貯蔵される。液状石鹸はエアレーション処理の後に、香料を混合することが好ましい。そのため、その気泡を含有する液状石鹸を、発泡機2から混合装置15に供給し、また、その混合装置15に香料を香料配合槽16からポンプ17により供給することが好ましい。その香料は、単独で液状石鹸と混合されてもよいし、必要に応じて植物抽出エキス、顔料、染料、抗菌剤等の添加物と予め混合されてから液状石鹸と混合されてもよい。その混合装置15として、例えば、混合のために駆動される部分を有さず、発泡機2から送られる石鹸組成物と香料とを複数のエレメントにより分割していくことにより混合を行う静止型混合装置を挙げることができる。各エレメントは、典型的なものとして板材を180°捻った形状を有し、混合物を右回りに捻るエレメントと左回りに捻るエレメントとが、交互に、且つ、接点において板厚方向が互いに90°をなすように配置されるものや、格子状の板材を90°位相をずらしたユニットを交互に配置されるものがある。その静止型混合装置としては、ノリタケカンパニーリミテッド社製のスタテイックミキサー、住友重機械工業社製のスルザーミキサー等が挙げられる。
また、香料配合槽16は撹拌機18を備えた公知のものを用いることができる。また、ポンプ17は公知のものを用いることができる。
【0016】
液状石鹸の発泡には各種気体を用いることができるが、特に不活性気体、とりわけ窒素ガス等の非酸化性の不活性ガスを用いることで、液状石鹸の加熱に起因して、その配合成分が酸化分解することで発生する異臭等を効果的に防止することができる。発泡に不活性気体を用いることは、気泡入り石鹸の配合成分として、酸化分解し易い香料成分が配合されている場合に特に有効である。
【0017】
発泡された液状石鹸は供給槽3に一旦貯蔵された後、供給槽3と射出部4との間に形成された循環部7を循環しながら、射出部4から成形型に射出、充填されて成形される。
図1に示す石鹸製造装置における循環部7は、供給槽3、射出部4、供給安定化槽5、およびそれらを接続し循環ラインを形成する循環管路21、循環管路21の途中に介在された送りポンプ22および循環ポンプ6を備えている。また、循環管路21における切換を液状石鹸の流れを切り替える三方片25を備えている。なお、図1中、矢印は液状石鹸の流れる方向を示す(以下の図についても同様。)。
【0018】
供給槽3には、発泡機2において発泡された液状石鹸の供給管路24が接続されている。供給槽3内には撹拌機26が設置され、所定方向に回転する。撹拌機26は公知のものを用いることができる。さらに、供給槽3には、液面高さ計27が配置されている。液面高さ計27としては、例えば光学式、超音波式又は差圧式のものが使用できる。
【0019】
供給槽3は大気圧下で液状石鹸を貯蔵しておくものであっても良いが0.03〜0.2kPa程度の圧力を加えておくことが成形安定化のために好ましい。この加圧は、供給槽を通常の加圧式タンクにより構成することによって行うことができる。
【0020】
供給槽3に一旦貯蔵されていた液状石鹸は、送りポンプ22により循環管路21を通ってサブタンク的な供給安定化槽5に送られる。大気圧下で液状石鹸を貯蔵しておくものであっても良いが加圧することが好ましい。供給安定化槽5の加圧圧力は、好ましくは0.03〜0.2MPa、さらに好ましくは0.04〜0.07MPaである。この加圧は供給安定化槽5を通常の加圧式タンクにより構成することによって行うことができる。このように、供給安定化槽5を加圧することで、一層の成形安定性を図ることができる。
また、供給安定化槽5の容量は供給槽3の容量よりも小さいことが好ましい。
また、供給安定化槽5には撹拌機30、および液面高さ計31が設置されている。撹拌機30、液面高さ計31としては、供給槽3に設置されている撹拌機26、および液面高さ計27とそれぞれ同様のものを用いることができる。
【0021】
供給安定化槽5は加圧することで槽内の液状石鹸には、見かけ液面レベルが与える水頭圧以上の圧力を加えることになる。説明を容易にするため槽内の液体を比重が1の水だとすると、50kPaを加圧した場合、5mの水頭圧分がさらに加わるになる。循環ラインから射出部4へ液状石鹸を充填とする際には、後述する射出部への流入に伴う圧力の低下等の外乱が加わった場合でも、供給安定化槽5の下面から循環ラインに流れる部位の位置エネルギーは大きいため、循環ラインの流量減少による圧力低下も急激に回復できる、外乱に対して安定的(ロバスト)な系とすることができる。
【0022】
また、液面高さ計31により測定される供給安定化槽5内の液状石鹸の液面高さは、成形中ほぼ一定にしておくことが、供給安定化槽5の下面から循環ラインに流れる部位のエネルギーの一定化のために好ましい。供給安定化槽5内の液状石鹸の液面高さを一定にするためには、上記の供給槽3の液面高さ計27に液面高さを考慮して、送りポンプ22の送り速度を調整することにより対応することができる。
【0023】
供給槽3および供給安定化槽5内において液状石鹸は、それぞれ撹拌機26、30によって撹拌されて、気泡の分散状態が均一に保たれる。液状石鹸の一部は、送りポンプ22および循環ポンプ23によって循環管路21を循環する。この循環によって、たとえ何らかのトラブルが発生して気泡入り石鹸製造の作業が停止しても、液状石鹸が供給配管系内で停滞することがなくなり、液状石鹸に剪断力が常に加わった状態が維持され、気泡と液体分とが分離状態となることが防止される。
【0024】
供給安定化槽5からは循環管路21が三方弁25に配設され、その途中に射出部4への供給箇所28が形成されている。三方弁25からは循環管路21の一方が供給槽3に接続され、もう一方が安定化槽5に接続されている。その三方弁25の切換により、循環される液状石鹸は実線矢印aの流れと、破線矢印bの流れを適宜変更して、循環させることができる。供給安定化槽5で加圧された液状石鹸は、循環ポンプ6により循環管路21を通って射出部4への供給箇所28を経て、供給槽3または供給安定化槽5に循環させられる。循環管路21の射出部4への供給箇所28は他の部分より、管径が大きく形成されている。供給箇所28には、循環管路21開閉可能に連通するように射出部4が接続されている。射出部4は複数個(図示のものでは12個)が循環管路21に対して直列に接続されている。また、本実施形態では三方弁で切換可能な循環管路21が2方向に設けられているが、三方弁を設けず、どちらか一方の循環管路21のみを形成しても良い。供給槽3、射出部4、供給安定化槽5、および循環管路21を含む循環部7には、何れも温水及びヒータなどの保温装置が取り付けられており、所定温度に保たれている。また循環管路21の途中に比重計、粘度計などを適宜、介在配置してもよい。
【0025】
本発明においては、循環ポンプ6の速度調整することにより、液状石鹸の循環管路21内での流速Vdを変更する。この流速の変更により、ポンプの上流側にある圧力計で測定される液力を変化させ、その結果、循環管路21内を流れる液状石鹸の密度(比重)を変えることができる。
【0026】
図2は、第1の実施形態において、循環ポンプ6の調整により、循環ポンプ6の上流側(手前)の圧力と液状石鹸密度(ニート比重)の経時変化の1例を示すグラフである。図2に示されるように、当初、循環ポンプ6の流速は12L/minとし、圧力計23で測定される液圧を約12kPa(ゲージ圧)とした場合、循環管路21において測定した液状石鹸の密度は0.74g/cmであったが、矢印で示す経過時間90分で、循環ポンプ6の流速は18L/minとし、経過時間150分では、圧力計22で測定される液圧を−13kPa(ゲージ圧)となるようにした場合、循環管路21において測定した液状石鹸の密度は0.72g/cmであった。このように、図2には、循環ポンプ6の調整により、上流側の液圧を変化させ、その結果、液状石鹸の密度が変化することが示されている。
【0027】
この循環ポンプ6の速度変化よる液状石鹸の密度の変化は、循環ポンプ6の付近、及び内部で部分的なキャビテーションが発生するためと考えられる。例えば、供給安定化槽5を50kPa加圧し、供給槽3を10kPa加圧した場合、ポンプ6の速度を変えることにより、循環ラインにおける上記の50kPa〜10kPaの高低さを有する圧力プロファイルが変化し供給箇所28での循環ラインの管内圧力が変化し、見かけ比重を変化させることができる。
【0028】
液状石鹸の循環においては、その温度を55〜80℃、特に60〜70℃に保つことが、後述する供給ノズル先端での液状石鹸の固化防止、及び石鹸の酸化や香料の劣化の防止の点から好ましい。
【0029】
これに関連し、液状石鹸の循環においては、液状石鹸をその融点よりも1〜20℃、特に2〜5℃高い温度に加熱し保温した条件下に循環させることが、同様の理由から好ましい。
【0030】
液状石鹸の循環においては、その循環流量V(m3/h)に対する、貯蔵タンク61の容量S(m3)の比S/V(h)が0.01〜5となるように液状石鹸を循環させることが、気泡の合一防止、及び気泡と液体分との分離防止の点から好ましい。
また、循環管路21は、その断面積が10〜200cm2、特に20〜180cm2であることが、同様の理由から好ましい。
【0031】
液状石鹸の循環においては、その剪断速度が0.2〜500s-1、特に0.3〜100s-1、とりわけ0.3〜20s-1となるように液状石鹸を循環させることが、気泡の合一防止、及びと気泡と液体分との分離防止の点から好ましい。剪断速度DはD=2Vd/dから算出される。ここでVdは液状石鹸の循環流速(m/s)を示し、dは循環管路62の径(m)を示す。循環管路内には、前記剪断速度の範囲の剪断を加えることができるスタティックミキサー(静止混合器)を適宜設けることが好ましい。
【0032】
循環管路21を循環する液状石鹸は、その一部が循環ラインに接続されている射出部4へ送り込まれ、いわゆる射出成形が行われる。図3の模式図に示すように、射出部4は、その一端が循環管路の供給箇所28に接続されている接続管路41、接続管路41の他端に接続されている切り替えバルブ42、切り替えバルブ42の一端に接続されている供給ノズル43、切り替えバルブ42の他端に接続されているシリンジ44、及びシリンジ44内に配されたピストン45を備えている。この切り替えバルブ42によって、循環管路21と供給ノズル43とが開閉可能に連通する。ピストン45におけるロッドの先端にはリニアガイド46が取り付けられている。リニアガイド46はサーボモータ47に接続されている。サーボモータ47の作動によってピストン45はシリンジ44内を摺動自在になっている。サーボモータに付いてエンコーダがピストン45の位置を検出し、その情報をサーボモータにフィードバックする。そして、ピストン45の引き込み距離又は押し込み距離によって、液状石鹸の注出体積が決定される。具体的には、(1)吸引前のピストンの位置を原点としてピストンの引き込み距離で供給体積を決定する方法、又は(2)吸引後のピストンの位置を原点としてピストンの押し込み距離で供給体積を決定する方法がある。計量する液状石鹸は圧縮性の流体であるので、前記の(1)の方法において、ピストンの原点の位置でシリンジ内に溶融石鹸ができるだけ残さないように原点を決めることが、測定質量の精度を高める点から好ましい。前述の比重計、圧力計、粘度計など基づき演算した演算結果に基づき、サーボモータ47を制御して、充填量をさらに制御するようにしてもよい。
【0033】
射出部4における液状石鹸の流れについて説明すると、循環管路21内を循環する液状石鹸は、その一部が、切り替えバルブ42による流路の切り替えによって、循環管路21の供給箇所28から接続管路41を通じてシリンジ44内に充填される。この場合、ピストン45は、リニアガイド46によって予め所定の位置まで引き戻された状態になっていてもよい。或いは液状石鹸のシリンジ44内への送り込みと共に、ピストン45を漸次引き戻してもよい。
【0034】
所定量の液状石鹸がシリンジ44内に送り込まれたら、切り替えバルブ42によって流路を切り替え、シリンジ44と供給ノズル43とが接続されるようにする。次いで、リニアガイド46によってピストン45を所定距離押し込んで、シリンジ44内の液状石鹸を押し出す。これによって液状石鹸は供給ノズル43を通じて成形装置としての成形部50へ射出し、充填される。成形部50は、供給ノズル43の個数と同数用いられる。以上の一連の操作がすべての射出部4において行われる。
【0035】
次に、成形部50へ充填された液状石鹸の成形について図4(a)〜(c)の模式図を参照しながら説明する。図4(a)に示すように、成形部50は、成形型としての下型51及び上型52を備えている。下型51は金属等の剛体からなり、上部に向けて開口したキャビティ53を有している。キャビティ53は、製品である気泡入り石鹸の底部及び各側部の形状に合致した凹状形状となっている。キャビティ53の底部には、キャビティ53と下型51の外部とを互いに連通させる連通孔54が複数個穿設されている。下型51の側面には、下型51と上型52とを固定させるためのロック機構55が取り付けられている。
【0036】
一方、上型52も金属等の剛体からなっている。上型52は、蓋体56、蓋体56の下面に取り付けられ且つその下面が気泡入り石鹸の上部の形状に合致している圧縮部57、蓋体56の上面に取り付けられた加圧部58、及び加圧部58に遊嵌され且つ下型51のロック機構53に係合する係合部59を備えている。
【0037】
図4(a)に示すように、切り替えバルブ42による流路の切り替え、および矢印方向に移動自在なピストン45の動きによりシリンジ44を介して供給ノズル43から注出された液状石鹸60は、下型51のキャビティ53内に充填される。液状石鹸の体積は、圧力及び温度によって変化するが、本明細書において、液状石鹸の体積とは、1気圧下、25℃における体積をいう。液状石鹸のキャビティ53内への充填温度は、循環管路21内を循環する液状石鹸の温度とほぼ同一となっている。
【0038】
液状石鹸60の注入が完了したら、下型51の上面を上型52で閉塞させ、下型51に取り付けられているロック機構55によって上型52に取り付けられている係合部59を係合させる。これにより、両型を固定し、キャビティ53内を気密状態にする。次いで、図4(b)に示すように、上型52に取り付けられている加圧部を、サーボモータを備えた加圧シリンダ等の所定の加圧手段(図示せず)によって矢印方向に押圧し、キャビティ53内に注入された液状石鹸60を、製品である気泡入り石鹸の目標設定体積まで圧縮する。そして、その圧縮状態下に液状石鹸を固化させる。この操作によって、液状石鹸の冷却に起因する収縮やひけ(くぼみ)の発生が効果的に防止され、良好な外観を呈する気泡入り石鹸が得られる。
【0039】
液状石鹸の圧縮の圧力は、液状石鹸の注入体積が、気泡入り石鹸の目標設定体積の何倍位かによっても異なるが、一般に0.005〜0.3MPa、特に0.05〜0.2MPa程度となる。
【0040】
また、液状石鹸の圧縮比、つまり、液状石鹸に含まれている気体成分の圧縮比(圧縮前の気体成分の体積/圧縮後の気体成分の体積)は、1.08〜2.5、特に1.1〜2であることが、冷却に起因する収縮やひけの発生の防止、並びに冷却時間の短縮化及び生産効率の向上の点から好ましい。液状石鹸に含まれている気体成分には、液状石鹸の発泡に用いられる気体及び液状石鹸に含有されている水蒸気等が含まれる。
【0041】
液状石鹸の固化に際しては、下型51を所定の冷却手段、例えば水等の冷媒によって冷却させて、液状石鹸の固化時間を短縮化させてもよい。勿論、自然冷却でもよい。水によって冷却する場合、水温は5〜25℃程度とすることが、冷却時に気泡が不均一に分散することを防止する点から好ましい。
【0042】
液状石鹸の固化が完了したら、下型51に取り付けられているロック機構55と、上型52に取り付けられている係合部59との係合を解除し、次いで図4(c)に示すように上型52を取り外す。更に、所定の把持手段、例えば真空チャック62を用いて、下型51のキャビティ53内から白抜き矢印方向に気泡入り石鹸61を取り出す。取り出しに際しては、キャビティ53の底部に穿設された連通孔54を通じてキャビティ53内に空気等の気体を黒矢印方向に吹き込んで、気泡入り石鹸61の離型を促進させるようにしてもよい。
【0043】
このようにして得られた気泡入り石鹸の質量は、設定された質量にほぼ一致する。さらに、気泡入り石鹸は気泡が全体に亘って均一に分散したものとなる。従って、該気泡入り石鹸は泡立ちの良好なものとなる。また、該気泡入り石鹸には、液状石鹸の冷却に起因する収縮やひけが観察されず、良好な外観を呈するものとなる。
【0044】
本発明は前記実施形態に制限されない。第1の実施形態においては気泡入り石鹸の成形装置が、下型51及び上型52を備えた成形型を有していたが、これに代えて、他の形状及び/又は構造を有する成形装置を用いてもよい。例えば、前記実施形態に用いられる成形型に代えて、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステルなどの合成樹脂;可撓性を有する薄板状金属;可撓性を有するゴム材料などからなる中空体を、成形型として用いてもよい。この場合には、該中空体内に液状石鹸を供給し固化させれば、該中空体がそのまま、得られた気泡入り石鹸の包装容器となるという利点がある。
【0045】
また、第1の実施形態においては成形型が凹部を有する下型51と該凹部を閉塞する上型52とから構成されていたが、これに代えて複数の割型からなり且つ各割型を組み付けることで、目的とする気泡入り石鹸の形状に合致した形状のキャビティが形成される成形型を用いてもよい。このような成形型を用いる場合には、プラスチックの射出成形と同様の方法で該成形型に液状石鹸を注入すればよい。
【0046】
また、図5および図6はそれぞれ本発明の好ましい第2および第3の実施形態についての循環部の模式図である。なお、この実施形態については、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図5および図6において、図1と同じ部材に同じ符号を付してある。
【0047】
図5に示す第2の実施形態においては、循環管路ポンプ6が射出部への供給箇所28の上流側に設けられている。この実施形態では、循環ポンプ6の流速を調整することで、循環ライン内の液状石鹸の密度を変化させ、射出部4から成形型に充填する液状石鹸の密度を安定化でき、結果的に製品のロットの振れを抑えることができる。
【0048】
図6に示す第3の実施形態においては、供給安定槽5から延びる循環管路21が2本あり、上下2段に並列に設置されたそれぞれ複数個設けられた射出部140に、それぞれ上部供給箇所71および下部供給箇所72で接続している。このように上下2段に並列の循環ラインおよび射出部を設けることで、より効率的な製造が可能となる。
本発明では、このような2段に並列に射出が並んだ製造装置において、上下における、製品のロットの振れを効率的に抑えることができる。
【0049】
図7は、上記の第3の実施形態の射出部140および成形部150の1例を示す概略側面図による説明図である。なお、図7中、固定側型板151および可動側型板152、ならびに供給ノズル143および弁体148は断面図によって示している。射出部140は、その一端が循環管路の上部供給箇所71および下部供給箇所72にそれぞれ、接続管路141により接続されている。接続管路141は切り替えバルブ142を介して、供給ノズル143と接続し、また、切り替えバルブ142の別の接続箇所にはシリンジ144が接続している。シリンジ144内にはピストン145を備えている。この切り替えバルブ142によって、循環管路の上部供給箇所71もしくは下部供給箇所72は、供給ノズル143またはシリンジ144と開閉可能に連通する。ピストン145におけるロッドの先端にはリニアガイド146が取り付けられている。リニアガイド146はサーボモータ147に接続されている。なお、シリンジ144、ピストン145、リニアガイド146およびサーボモータ147の作動については、上記の第1の実施形態におけるシリンジ44、ピストン45、リニアガイド46およびサーボモータ47と、それぞれ同様である。
【0050】
成形部150は、成形型を構成し、それぞれ金属等の剛体からなる固定側型板151及び可動側型板152を備え、固定側型板151は支持部材153に取り付け固定されている。可動側型板152は、受け板154を介してシリンダ(アクチュエータ)155に接続され、シリンダ155の伸縮作用により、左右に移動自在となっている。また、シリンダ155は、支持部材153に取り付け固定されており、シリンダ155が最も伸張された状態では、固定側型板151及び可動側型板152が密着し、成形型として、製品である気泡入り石鹸の底部及び各側部の形状に合致した空洞部を形成する。固定側型板151は、当該空洞部に対応する洞部157Aを有する凹状形状をし、型板を貫通するスプルー158を有する。なお、スプルー158と供給ノズル143の先端が接触する領域とを含む部分は、固定側型板151に、スプルーブッシュとして交換可能に形成してもよい。一方、可動側型板152は、当該空洞部に対応する洞部157Bを有する凹状形状をし、ランナー159が設けられている。
【0051】
図8は、第2の実施形態に好ましく用いられる成形型の1例の斜視図である。図示される成形型は、固定側型板151及び可動側型板152からなり、それぞれ、洞部157A及び洞部157Bが上下2段に計12箇所設けられている。
【0052】
図9は、図7に示す装置の射出部140から成形部150への液状石鹸の射出注入時の説明図である。液状石鹸の射出注入時には、シリンダ155が最も伸張し、固定側型板151と可動側型板152を密着、固定して、空洞部156を形成するとともに、ノズル143が、その開口部と固定側型板151のスプルー158と連通するように、固定側型板151に当接させる。そして、上記第1の実施形態と同様に、循環管路21内を循環する液状石鹸は、その一部が、切り替えバルブ142による流路の切り替えによって、循環管路21の上部供給箇所71または下部供給箇所71から接続管路141を通じてシリンジ144内に充填される。
【0053】
所定量の液状石鹸がシリンジ144内に送り込まれたら、切り替えバルブ142によって流路を切り替え、シリンジ144と供給ノズル143とが接続されるようにするとともに、図10の拡大された概略断面図に示されるように、駆動体149により弁体148を上昇(図中、左に移動)させ、空洞部156と接続配管141とを、ライナー159、スプルー158およびノズル143の内部空間を介して連通させる。次いで、リニアガイド146によってピストン145を所定距離押し込んで、シリンジ144内の液状石鹸60を押し出す。これによって液状石鹸60は供給ノズル43から排出され、スプルー158およびライナー159を通じて空洞部156へ充填される。なお、このとき空洞部156などに存在していたエアはエア抜き用の微細な溝(図示せず)から排出される。
【0054】
液状石鹸60の注入が完了したら、弁体148を下降(図中、右に移動)させ、接続配管141とスプルー158を遮断し、供給ノズル143を固定側型板151から隔離する。ノズル143の内部空間等に残った液状石鹸は、状況に応じて、上記貯留槽へ帰還するようにしてもよいし、あるいは開放されてそのまま廃棄されるようにすることも可能である。
【0055】
次いで、液状石鹸の固化に際しては、固定側型板151及び可動側型板152を所定の冷却手段、例えば水等の冷媒によって冷却させて、液状石鹸の固化時間を短縮化させてもよい。勿論、自然冷却でもよい。水によって冷却する場合、水温は5〜25℃程度とすることが、冷却時に気泡が不均一に分散することを防止する点から好ましい。
液状石鹸の固化させた後、シリンジ155を縮小させ、固定側型板151および可動側型板152を図5に示す状態に分離し、洞部157Bから、製品としての気泡入り固型石鹸が取り出される。
【0056】
本発明は前記の実施形態に限定されるものではない。例えば、第1〜第2の実施形態においては、1本の循環管路31に複数個の射出部4を直列で、ほぼ水平に接続し、そこから供給槽3または供給安定化槽5に戻るように循環ラインを形成したが、第3の実施形態におけるような上下2段の射出部を一本のループ状の循環管路に接続し、各供給箇所71,72を液状石鹸が連続的に流れるようにしてもよい。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0058】
実施例1
以下の組成で、図1に示す構成の装置を用いて気泡入り固型石鹸製品を得た。
すなわち、配合槽1内で70℃に調製した石鹸組成物を、ポンプ12により39kg/Hrの流量で発泡機3((株)荏原製作所製ユーロミックスMDF0型)に送った。その石鹸組成物と同時に、流量制御弁14で26Nリットル/Hrに流量調整した空気を気体源13から発泡機2に送った。その発泡機2において、ローターを1000kPa(500rpm)の条件で回転させエアレーション処理を行った。しかる後に、その石鹸組成物を発泡機2から混合装置15(ノリタケカンパニーリミテッド製スタティックミキサー、直径11mm、21エレメント)に送り込んだ。同時に、予め香料配合槽16で調製した香料と顔料の混合物を、ポンプ17により1kg/Hrの流量で混合装置15に送り込んだ。その混合装置15において、その香料とエアレーションされた石鹸組成物とを連続的に混合した。混合装置15から送り出される気泡を有する液状石鹸を供給槽3に送り、供給安定化槽5を経由して循環ラインで循環させ、一部を上部供給箇所71および下部供給箇所72から射出部4に送った。ここまで、液状石鹸の温度は70℃に維持され、三方弁25は供給安定化槽5側に循環された液状石鹸が流れるように設定された。また、供給槽は5kPaの、供給安定化槽5は0.05MPaの加圧をそれぞれ行った。また、循環ポンプ6の流速は12L/min、圧力計23で測定される液圧を12kPa(ゲージ圧)となるようにした。また、循環管路21において測定した液状石鹸の密度は0.75g/cmでった。
【0059】
〔気泡入り石鹸の組成〕
ラウリン酸ナトリウム30.0質量%、ココイルイセチオン酸ナトリウム2.0質量%、ラウロイル乳酸ナトリウム5.0質量%、POEモノラウレート2.0質量%、ラウリン酸5.0質量%、グリセリン20.0質量%、塩化ナトリウム1.5質量%、水32.0質量%、香料1.5質量%、顔料1.0質量%
【0060】
次に、射出部4に送られシリンジ44に吸入された液状石鹸を、切り替えバルブ42によって流路を切り替え、供給ノズル43を通じて成形型の下型51のキャビティ51に注入した。シリンジ44におけるピストン45の1回の押し込み量は120ccとした。次いで、下型51の上面を上型52で閉塞させ、キャビティ53内を気密状態にした後、上型52の圧縮部57によって液状石鹸を圧縮した。この圧縮状態下に下型51を5〜15℃の冷却水で3〜15分冷却し、液状石鹸を固化させた。
【0061】
液状石鹸の固化完了後、上型52を取り外し、更にキャビティ53の底部に穿設された連通孔54を通じてキャビティ53内に圧縮空気を吹き込むと共に真空チャックを用いて気泡入り石鹸を把持しキャビティ53内から取り出し、気泡入り石鹸を得た。得られた製品の気泡入り石鹸の質量は目的とする質量であった。
【0062】
次に、循環ポンプ6の流速は18L/min、圧力計22で測定される液圧を−13kPa(ゲージ圧)となるようにして、上記と同様の作業を行った循環管路21において測定した液状石鹸の密度は0.72g/cmであった。得られた製品の気泡入り石鹸の質量は目的とする質量であった。
【符号の説明】
【0063】
1 配合槽
2 発泡機
3 供給槽
4 射出部
5 供給安定化槽
6 循環ポンプ
7 循環部
11 撹拌機
12 ポンプ
13 気体源
14 流量制御弁
15 混合装置
16 香料配合槽
17 ポンプ
21 循環管路
22 送りポンプ
23 圧力計
24 供給管路
25 三方弁
26 撹拌機
27 液面高さ計
28 射出部への供給箇所
30 撹拌機
31 液面高さ計
41 接続管路
42 切り替えバルブ
43 供給ノズル
44 シリンジ
45 ピストン
46 リニアガイド
47 サーボモータ
50 成形部
51 下型
52 上型
53 キャビティ
60 液状石鹸
61 気泡入り固型石鹸
62 真空チャック
71 上部供給箇所
72 下部供給箇所
81 上流配管圧力のプロット
82 上流配管圧力のプロット
83 ピストンの位置のプロット
140 射出部
141 接続管路
142 切り替えバルブ
143 供給ノズル
144 シリンジ
145 ピストン
146 リニアガイド
147 サーボモータ
148 弁体
149 駆動体
150 成形部
151 固定側型板
152 可動側型板
153 支持部材
154 受け板
155 シリンダ
156 空洞部
157A,158B 洞部
158 スプルー
159 ランナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状石鹸の配合槽、発泡機、供給槽、射出部、および供給安定化槽を備え、該供給槽、該射出部、および該供給安定化槽を循環管路が接続し循環ラインを形成し、射出部への供給箇所下流側の循環管路に循環ポンプを有する製造装置を用い、該配合槽から供給された液状石鹸を、該発泡機により発泡し、発泡させた液状石鹸を該供給槽に一旦貯蔵した後、該循環ラインを循環させながら、該循環ポンプの速度調整により液状石鹸の密度の調整を行い、該射出部を通じて成形型に充填して成形する気泡入り固型石鹸の製造方法。
【請求項2】
前記供給安定化槽が0.03〜0.2MPaで加圧されている請求項1記載の気泡入り固型石鹸の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−12138(P2011−12138A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156196(P2009−156196)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】